ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-01-29 Mon 23:17
アルゼンチンのシステムの柔軟性~W杯メキシコ戦から~
日本のイメージとして何度か取り上げたアルゼンチンのシステムの柔軟性。W杯後の試合を見たことがないから、あくまでもペケルマンが率いてたW杯時のっていう但し書きがつくけど。メキシコ戦の前後半90分を見ての感想。あんま時間もないから延長戦は省略した。

さて試合について。試合中のアルゼンチンのシステムをいくつか。途中で選手交代もあったけど、基本的には同じポジション同士の交代だったから選手が変わらなくても実践できたってことを重視したい。

■スタート(3-3-2-2)
   ⑨ ⑪
     
   ⑧ ⑩
 ⑦     ⑥
    ⑤
       
  ③ ② ④

    ①

■後半(4-3-1-2)
   ⑪ ⑨ 
   
    ⑩     
 ⑥     ⑧
    ⑤  
⑦       ④
   ③ ②

    ①


■守備時(4-2-2-2)
注)アイマール投入後はマスケラーノの1ボランチ
   ⑪ ⑨
     
  ⑧   ⑩ 
 
   ⑤ ⑥  
⑦       ④
   ③ ②

    ①


①アボンダンシエリ
②アジャラ
③エインセ
④スカローニ
⑤マスケラーノ
⑥カンビアッソ(アイマール)
⑦ソリン
⑧ロドリゲス
⑨クレスポ(テベス)
⑩リケルメ
⑪サビオラ(メッシ)


基本となるのは守備時の(4バックでいう)2枚のCBとマスケラーノ。この3人は守備専門の選手として基本的な役割を与えられている。

前半のスタートはスカローニがこの3人に加わって、3バック+1ボランチでバランスが取られてた。スカローニが機を見て攻撃に参加するシーンも多かったけど、左のソリンが中盤の位置を基本にしていることを考えるとスカローニはDFラインの1枚っていう捉え方が妥当。

後半になるとスカローニの攻撃参加が増えたし、高めの位置を取るようになった。ソリンとスカローニを両SBに置いた4バックの形に移行したと考えていい。下でのパス回しを見てもCB2枚が残ってる場面が多かった。前半はそれが3枚だったのと比べるとよく分かる。

攻撃面では基本的にはシステムは関係ない。クレスポとリケルメが真ん中でプレーするっていうある程度の決まりがあるけど、あとは本当に自由。こうやって流動的にやりすぎると相手を混乱させるのと同時に味方も混乱してしまう危険性もある。でも、アルゼンチンの場合はリケルメっていう軸がはっきりしてるだけにそういう心配は少なかったと思う。流動性の中で“いかにリケルメの選択肢を増やすか?”っていうコンセプトがはっきりしてたと思う。とにかくボール保持者を助けるフリーランニングが多い。考えて走るシーンが多いっていう意味だと、この部分もオシムジャパンが目指す形に似てる。1度クレスポにくさびを当てるっていうプロセスも混乱を防ぐ意味では効果的だったと思う。

前半はカンビアッソが右でロドリゲスが左の形。カンビアッソは低めでボールをさばく役割に徹していた。ロドリゲスは左サイドで起点になってからのドリブルでの切込みが多かった。
後半はカンビアッソが左でロドリゲスが右。ここでもカンビアッソとロドリゲスの基本ポジションの上下差が見られて、ダイヤモンドというよりも平行四辺形の中盤だったといえるかもしれない。

守備の形は前後半通して同じ形。基本的には前でのプレッシャーはそれほど厳しくない。高い位置で奪うというというよりも下で組織を作る時間を作る意味でのプレッシャーが多かった。最終ラインに関しても前後半通して4枚のラインを形成。そのラインに吸収されるかされないかの位置にマスケラーノ、そのやや前にカンビアッソ。マスケラーノはDFラインの一部といってもいいような位置だけど、マークにつく選手が決まってないのが重要。相手ボール保持者がバイタルエリアに入ってきたところでプレッシャーに行く。カンビアッソと2人でそういう役割をこなしてたと思う。前半に関しては押し込まれる時間帯が多かったこともあって、ロドリゲスがかなり低い位置まで戻って守備をする時間も目立った。

注目は前半の3バック⇒4バックへの切り替えの部分。ソリンが高い位置を取ってるだけにそのウラのスペースを狙われてしまった。そのときはマスケラーノが対応しにサイドに出ることもあったけど、基本的にはエインセが左SB的な役割を担ってたと思う。そのときマスケラーノは最終ラインに入って真ん中のスペースのカバーをする。そうやってソリンが戻る時間を稼いだ。右サイドに関しても似た形を取ってた。メキシコがサイドをワイドに使ってたから最終ラインの選手がサイドに引っ張りだされるシーンが目立った。右サイドはカンビアッソが最終ラインに入ってカバー。基本的にゴール前に4枚のブロックを形成することが徹底されてたと思う。それに伴って大雑把に言えば、一番近くの選手が入ってた。


このシステムの柔軟性を担う上で重要なのがソリン。ソリンは中盤の位置に配置することでペケルマンは攻守の一体感を植えつけようとしてたらしい。自陣ボックスから敵陣ボックスまでを行き来する運動量、それに攻守の切り替えの速さが目立った。特に守備の切り替えが遅れるとピンチを招く。その部分の意識の高さが感じられた。献身的な無駄走りも目立ったし、キャプテンとして十分チームの支柱になれてたと思う。

それから中盤真ん中の2枚、リケルメとマスケラーノのポジションも重要。両者が攻守の軸になることでバランスが取れてたと思う。システム的に流動的なチームに落ち着きをもたらす意味での軸の存在の重要性を再認識した。日本代表でも守備は鈴木がしっかりと軸になれてる。攻撃の軸を置いたほうがいいってことは前からここで言ってることだけど、オシムはどうするか?

アルゼンチン×メキシコの感想は↓
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-86.html

オシムジャパン結成前にアルゼンチンのシステムの柔軟性を考慮して考えた仮想日本代表は↓
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-109.html


ちなみにシステムの流動性っていう意味だとアルゼンチンには他にもオプションがいっぱいある。クレスポを1トップに置いた3-4-2-1だとか3トップを使う4-1-2-3。それに超攻撃的な3-4-3の形もオプションとしてはあった。このシステムは去年のクロアチアとの親善試合で使ってたから紹介しとく。メンバーはだいぶ違うけど。

    ⑨
⑪       ⑩
    ⑧
  ⑦   ⑥
    ⑤
       
  ③ ② ④

    ①

①アボンダンシエリ
②プルティッド
③サムエル
④コロッチーニ
⑤デミチェリス
⑥ポンシオ
⑦カンビアッソ
⑧リケルメ
⑨クレスポ
⑩メッシ
⑪テベス
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2007-01-20 Sat 21:47
W杯フランス代表の守備 ~ポルトガル戦から~
予告通り、フランスの守備について。

<フランス:4‐5‐1>
FW:アンリ
MF:マルダ-ジダン-リベリ、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-テュラム-ギャラス-サニョル
GK:バルテズ

根本的に守備時の選手の配置のバランスのよさ、人と人の距離感の良さが目立つ。守備時はジダンを前に残しての4-4-2みたいな形になる。組織を作ったときはハーフェイライン付近に最前線を置く形。3本のラインの設定がコンパクトで、組織を作ったら自陣で守るような形が目立つのにDFラインが低いってわけでもない。

これはDFラインの細かなラインの上下動によると思う。DFラインがしっかりと統率されてて、前線の守備と分断されないようになってる。特にDFラインと2人のボランチがブロックを作ったときの安定感は抜群だった。

DFラインの統率は押し込まれたときの守備にも効果的だった。かなり引かされてしまっても、相手のボールに対するプレッシャーとそれに連動したラインの上下動が見られた。だから引きすぎて守備ブロックの前にスペースが空いてしまうっていうシーンも少なかったと思う。こういう部分は大会全体を通して見られた部分なんじゃないかと思う。

この試合に限らずっていう意味だと、カウンターを防ぐ前線での守備も多く見られた。ボールを失った選手がファーストディフェンダーっていう原則が守られてたと思う。

そういうときは基本的に真ん中を切ってることが多かったと思う。ポルトガルがサイドからの攻撃を主体にしてるってこともあるけど、真ん中へのコースを切ることでパウレタを起点にさせなかった。そうやって前線で相手の攻撃を遅らせてる間にしっかりと守備の組織を作る。組織を作る速さも目立った。個としても(すぐにボール保持者にプレッシャーみたいな)チームとしても(それぞれが自分の基本の位置に戻るとか)攻→守の切り替えが抜群に速いと思う。

ポルトガルの両サイド(フィーゴとCロナ)に対する対応。両サイドとも基本的な対応の仕方は同じだった。

まずはSB(右:サニョル、左:アビダル)が縦を切りつつ遅らせる。SBに関してはマンマーク気味で結構深い位置までついてってるシーンも多かった。そこに前線から味方が戻ってきて(右:リベリ、左:マルダ)挟み込む形。そうやってサイドの逃げ場をなくしつつ中に追い込んだところにボランチの1枚(基本的にはビエラ)が対応してカットを狙うってのが理想の形。

ただ右サイドは狙い通りに行ってなかった印象。サニョルがCロナウドに対して中途半端な間合いで応対するシーンが目立った。だから十分に遅らせることができなくて中のフォローが間に合わないっていうシーンが目立ったと思う。

それに対してアビダルはいい対応をしてたと思う。フィーゴがスピードでぶっちぎるタイプじゃないってこともあったと思うけど(Cロナは間合いをつめる前にトップスピードにのっちゃう)、間合いをつめることでいい仕事をさせなかった。逆サイドからの大きな展開みたいにある程度マークが甘くなっても仕方ない場面以外はきっちり抑えてたと思う。

デコに対する対応はマケレレの仕事だった。マケレレのマークをデコが嫌がってゴールに近い部分でのプレーが少なかったと思う。こちらもマンマーク気味。デコが下がってプレーするときもある程度まではついてきてた。

それにデコに関してはジダンもしっかりと対応に参加してた。あんまり守備をしないっていう評価のジダンだったけど、デコを前後で囲い込むみたいな守備にはしっかりと参加してたと思う。基本的にボールがあるところの最低限の守備はジダンもやる。前線でのコースを限定するチェイシングとか、守備の勝負どころでの集中への参加とか。

ただ、ジダンがボールのないところでの守備をやらない(免除されているってことだと思う)ことが危ないシーンを作ってたのも事実。

特に前半はフリーのままマニシェに入り込まれるシーンが目立った。一番危ないのがマニシェがデコと入れ替わって出てきたときに、サイド(特にCロナ)からボールが供給されたとき。デコのマークでマケレレが引っ張り出されてる上にビエラもサイドへの対応で引っ張り出されてしまって、マニシェがボールを受けるときに真ん中にスペースができてしまっていた。

後半はマニシェの対応にマルダとかリベリが参加してうまく対応したと思う。マニシェ自体に対応することもあったし、デコのマークをマケレレから受け取るようなこともあった。ジダンの守備の穴を両サイドのリベリとマルダが埋めるっていうことも大会を通じていえたことだと思う。

マルダとリベリに求められる役割は大きい。上に書いたようなデコに対する対応とか戻りながらのサイドに対する対応に加えてSBを見る役割もある。こういう役割のためにかなり低い位置に戻ってきてのプレーがよく見られる。それに低い位置のボール保持者に対するプレッシャーの役割を担う場面もある。

守備だけでもかなりの上下動を求められる。さらに攻撃でもアンリを抜いて出てくようなプレーに代表されるように走るってことが求められる。この2人のスタミナ面での負担は相当なものだったと思う。

ジダンを活かすためのチームのコンセプトの中ではサイドの2人の汗かきプレーがかなり重要。だからこそ消耗が大きい上に走ることが求められるこのポジションの途中交代っていう試合が多かったような気がする。

守備の要の両CBの安定感も光る。頻繁に動きなおしをするパウレタに対してうまくマークを受け渡しながらしっかりと対応してた。ドリブルで入ってくる選手に対しての1対1での強さも目立った。相手が単純に放り込んでくるようになった時間帯でも、簡単に跳ね返してたと思う。

試合を見た直後の感想(↓)と大して変わらんかも
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-103.html
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2007-01-19 Fri 17:57
W杯テクニカルレポートより


勝ち残ったチームのよかった部分を中心にコメント(DVD自体がそういう構成だったし)。

■守備面
○個・チームとしての守備意識の高さ
・攻撃的な選手も含めてチーム全体の守備意識

○攻撃から守備への切り替え
・奪われた選手がファーストディフェンダー
・それに連動した高い位置での守備
・カットできれば自分達の決定的チャンス
・カットできなくても相手のカウンターを防ぐことができる

○守備の連動性
・前でコースを限定しての高い位置でのインターセプト
・ボール保持者に対するプレス+パスの出し手に対してのマーク

○個の守備
・個の守備範囲の広さ
・1対1での対応
・守備の勝負、状況に応じた対応

○ゴールを守る守備
・体をはった守備
・素早い戻りで集結・集中の早さ
→ボール保持者にプレッシャーをかけつつがポイント
→それができていないと、人は足りてても失点に結びつく=ミドルシュート

■攻撃面
○カウンター
・守備側の意識の高さ・切り替えの速さによって減少傾向
・ルックアップの重要性
・攻撃への切り替えの速さ、押し上げ

○ポゼッション
・カウンターの減少により重要性が増す
・人とボールが動く速いパス回し
→相手のプレッシャーを回避
・ワイドに使ったポゼッション
→中と外のバランス、相手の目先をズラす散らし
→幅を使うための個の技術
・厚みを使った攻撃
→FWの位置を深く設定して相手の守備を間延びさせ分散させる
→FWの相手DFラインに対するプレッシャー
→連動しないと味方も間延び??
→GK、DFのビルドアップ時の役割と守備陣の足元の技術
=安易なクリアではなく守備を攻撃につなげる

○個の能力
・止める、蹴るという基本
・トップスピードの中での技術
・質、量に優れたフリーランニング
・味方を助けるフリーランニング

箇条書きでこのぐらい。今までにコメントしてきた内容も多いからかなりシンプルにまとめてみた。そもそも元が映像だから文字に表すのが難しかったし。

最近は見る試合もないし、↑を意識してW杯の試合でも見直そうかなと思ってる。決勝に勝ち残ったフランスとイタリアの守備戦術を中心に(本当はスイスも見たいけどビデオが残ってない)。

一応W杯の個人的総括は↓で。
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-107.html
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2006-12-24 Sun 13:16
ポルトガル×オランダ
実はW杯でまだ見てない試合が残ってた。W杯イヤーの締めとして、荒れに荒れたこの試合の感想でも。

<ポルトガル:4-5-1>
FW:パウレタ
MF:フィーゴ-デコ-Cロナウド、マニシェ-コスチーニャ
DF:Nバレンチ-Fメイラ-カルバーリョ-ミゲル
GK:リカルド 

<オランダ:4-3-3>
FW:カイト-ファン・ニステルローイ-ファン・ペルシー
MF:スナイデル-ファン・ボメル、コクー
DF:ファン・ブロンクホルスト-マタイセン-オーイエル-ブラールス
GK:ファン・デル・サール 

荒れたゲームらしく序盤から局面局面での激しさが目立った。度を越えるまでは、それが試合に面白みを加えてたと思う。両チームが相手のボール保持者に対してしっかりとプレッシャーをかけていただけに、どちらも中盤でうまく組み立てるような攻撃ができなかった。だから早いタイミングでのボールの展開が多くなったし、それに伴って攻守の切り替えも抜群に速くなってスピーディーないい試合になったと思う。特に前半は時間が経つのが速く感じられる内容だった。

こういう激しいプレーになった最初はオランダのCロナウドに対する守備だった。Cロナウドへの対応の中で、オランダに序盤に2枚のイエローカードが出た。結局は後のイエローカードになったプレーでCロナウドは負傷退場。激しさが分かると思う。

オランダはポルトガルのサイド攻撃を警戒してたと思う。右SBにブラールズを入れたのはそういうところからだった気がする。ブラールズはチェルシーでもそうだけど、相手のキーをつぶすときにいい働きをする選手。最初はCロナウド、途中からはフィーゴの相手をしたわけだけどうまく仕事をさせてなかった。どちらの選手に対してもサイドでボールを持ったときは前を簡単に向かせないような守備をした。これは逆サイドにも言えることだけど。

オランダの守備は前線から積極的だったと思う。さらにDFラインが高い位置を設定してくるから、かなりコンパクトな形になってうまくプレッシャーをかけられてたと思う。コンパクトなライン設定のおかげでスペースを消す効果もあった。ポルトガルが中盤にボールを入れると、前後の選手が挟みこんで守備をするシーンが目立った。

こういうポルトガルの守備に対してポルトガルはロングボールを蹴りこむ形が多くなった。これは相手が前線からプレッシャーをかけてきたときのセオリーどおりの戦い方。最前線ではパウレタが常にオランダの高いラインのウラを狙う動きを繰り返して、相手の守備にプレッシャーをかけ続けた。そういうプレーの繰り返しの中で徐々に中盤でもボールを持てるようになってきたと思う。

相手の守備に対してはデコもプレーがしづらそうだった。本来の真ん中高目での仕事は前半はほとんど見られなかったんじゃないかと思う。その代わりにサイドに流れてボールを引き出すプレーが多くなってた。得点シーンもデコがサイドで起点になった所からだった。

このシーンで得点したのがマニシェ。この試合でも上下左右への運動量の豊富さが目についた。低い位置でのプレーを基本としながらもゴールのシーンのように積極的にゴール前まで出てくる。

ポルトガルの攻撃の形としてはサイドに起点を作ることが多い代わりに、中がやや薄くなってしまうっていう面があると思う。マニシェが低い位置から飛び出すことで真ん中に厚みを持たせる働きを担ってる。攻撃面ではゴール前に飛び出すばかりじゃなくて、低い位置での組み立てを担当するような場面も。うまくボールを展開してたと思う。

守備面での貢献も大きい。ボール保持者に対するチェックを欠かさずに行う。前目の位置でマニシェ(とデコ)が相手のボール保持者に対してプレッシャーに行くから、後ろの選手も守りやすくなってるはず。

こんな感じで前線から積極的にチェックに行くマニシェに対して、ボランチの相方コスティーニャは後ろで安定感をもたらしてる。ミゲルが上がった後のスペースのケアとかこぼれ球に対する対応とか、あんまり目立たない部分での貢献度は大きい。

基本的にポルトガルの守備はある程度引いてしっかりと組織を作る形だった。ハーフェイライン辺りまではある程度自由にやらせる。FWが特別激しくチェックにいくようなシーンもなかったと思う。

で、相手が縦にパスを入れたところからポルトガルの守備のスイッチが入る。上に書いたようにマニシェを中心にファーストディフェンスが始まって、後ろがそれに連動するような形。

オランダのカイトへのくさびも、最初は簡単に収まりすぎてるような印象だったけど、途中からはカルバーリョがしっかりと対応してた。その中でカイトがボールを触るためにサイドに流れるようなシーンが目立ち始めた。

オランダとしてはこういう守備に対して、守備をズラす目的でのDFラインでのパス回しが多かった。それにまだ相手のプレッシャーが弱いうちに、ファン・ブロンクホルストから早いタイミングでくさびを入れるようなシーンが多かった。

ポルトガルの守備は相手のサイドからの攻撃に対しても組織でしっかりと対応できてたと思う。

オランダの左サイドのロッベンに対しては、まずは右SBのミゲルが対応する。どちらもスピードが持ち味の選手だけに面白いマッチアップになった。
ミゲルの対応としては、まずはロッベンの縦への進入を防ぐやり方。そうやって遅らせてる間に味方のフォローを待つ(大体はコスティーニャ)。縦を切られて中に切れ込むしかなくなったロッベンは結局は中もふさがれて孤立する形になってしまった。こういうやり方でロッベンには仕事をさせなかった。

逆サイドのファン・ペルシーはそもそもタッチ数が少なかった気がする。ボールを持ったところではかなりいい仕事をしてただけに、オランダはもっと意識して使ってもよかったのかも。

そもそも、オランダは両サイドがどちらも孤立気味だった。ロッベンが中に入ってきてプレーするような場面もあったけどいつもと比べるとそんなに多くなかった。ファン・ペルシーにいたってはずっと右サイドに張り付いてた印象。

後半に関しては真ん中前目の人数を増やしたことで、この2人が中に入ってくるようなスペースを消してしまっていた気がする。さらに前半に有効だったゴール前でDFの前を横切るようなサイドチェンジもなくなってしまった。単に前に人数を増やせばいいってもんじゃないってこと再認識。

前半のロスタイムにポルトガルのコスティーニャが退場。後半のポルトガルはパウレタに変えてペチを入れてきた。一応はフィーゴとシモンの2トップっていう形になったんだろうけど、2人のプレー位置を見てると0トップって言ってもいいような布陣だったと思う。まだ45分を残してるにも関わらずこういうサッカーをするのは、スコラーリらしいやり方だと思った。

このポルトガルの布陣に対してのオランダの対応が面白かった。ポルトガルが前線に人数をかけないから、CBオーイエルを1枚上げてボランチの選手を押し出した形。

そもそも前半からオランダの中盤3枚はポジションを流動的にして積極的にゴール前に出てった。コクー、ファン・ボメル、スナイデルがうまくバランスを取りながら攻撃に参加してたと思う。後半はバランスをとる役割をオーイエルに任せて3枚が全て前線に上がるやり方だった。

ポルトガルの3枚の中盤とオランダの3人がマッチアップする形になったから、底にいる選手はフリーでゲームメイクをすることができた。その後、CBのマタイセンに変えてファン・デル・ファールトを投入。オーイエルがCBに戻ってコクーが中盤の底を担当した。さらにその後、ブラールズの退場。選手交代でヘイティンガを入れるまでの間はコクーが最終ラインに入ってのプレー。

この一連の流れを見ると、オシム風に言うところのポリバレントが見て取れる。他にもブラールズはCBでもプレーできる選手だし、この試合の2トップはそれぞれがポジションを変えながらのプレーもできる(実際はあまり見られなかったけど)。

ポルトガルは常に数的不利になりながらもよく耐えたと思う。

その原動力がチーム全体の守備意識の高さだと思う。この大会中のポルトガルは守備に重点を置いた戦い方をしてた。だから、攻→守の切り替えが抜群に速かったと思う。

それに最後の堅さも光った。カルバーリョを中心に最後のところでの体をはった守備が目立った。後半はゴール近くまで多くの選手が引いて危ない位置のスペースを完全に消してしまうやり方。攻撃をさせてもゴール前には厚い壁を作って跳ね返した。

それに本来は攻撃面での武器になる、技術の高さとかテクニックもこの試合では逃げ切るときに役立った。前線に蹴りだすだけのような形になっても、それが味方に渡ればしっかりとキープして時間を作ることができる。1人でも時間を作れるキープ力は押し上げをするときにかなり役立ったはず。そういう働きを多くの選手が担えるってのが大きかった。カウンターを仕掛けるにしても少ない人数で組み立てられた。

結果は知っての通り1-0でポルトガル。年末に質の高い試合を見られた。たぶん、当分は高校サッカーと天皇杯ぐらいしか見られないから残しといてよかった。
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2006-09-13 Wed 12:02
フランス×スペイン
<フランス:4-5-1>
FW:アンリ
MF:マルダ-ジダン-リベリー、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-テュラム-ギャラス-サニョル
GK:バルデス

<スペイン:4-4-2>
FW:Fトーレス-ビジャ
MF:ラウール、シャビ-Xアロンソ-セスク
DF:ペルニア-プジョール-パブロ-セルヒオ・ラモス
GK:カシージャス

この試合はフランスのチームが変わったターニングポイント。グループリーグはそれぞれが流動的になりすぎてた印象。流動的にやるってのは別に悪いことではないけど、あまりにも個々の役割があいまいになってしまって、ゴールという結果に結びつかなかった。

この試合からはジダンをチームの軸として明確に配置。その他の選手はジダンをサポートするっていう役割の中でプレーするようになった気がする。
つまりジダンを攻撃に集中させて、その他の選手がジダンの分の守備まで担う形。例えばジダンとマケレレの関係がいろんなとこで生まれてるみたいな感じ。古典的な司令塔とその周りの選手の関係っていえる。

そういうわけで、フランスの形は4-4-1-1みたいな形。相手のSBが積極的に攻撃参加してきたってこともあるけど、リベリとかマルダは低めの位置で守備もこなしてた。そしてジダンにボールが収まったとこで、一気に前線に飛び出してく。そういう意図が見えた。

ジダン自身は真ん中だけじゃなくて、積極的に色んなとこに動いてボールを引き出してた。そこでボールを受けてタメを作って周囲の上がりを待った。全体としてグループリーグより運動量が多かったと思う。ロスタイムの得点も、前線でジダンがしっかりと守備をしたとこからだった。

スペインの中盤の構成は、底にシャビ・アロンソで両翼にシャビとセスク。シャビ・アロンソはDFラインのすぐ前に位置してボールのさばき役を担ってた。そして両翼のセスクとシャビがバランスをとりながら上下に動く。大まかには、底の位置でシャビ・アロンソが左右にバランスよくボールを散らして、前の2人が縦パスを入れるみたいな役割分担ができてたと思う。

スペインは低い位置でのシャビ・アロンソを経由した左右を大きく使ったパス回しで相手の守備をずらそうとしてた。そこから、ギャップができたとこで縦パスを狙ったけど、フランスの守備陣にしっかり対応されてしまった。

それからセスクとかシャビの攻撃参加の機会も少なかったように思う。特にセスクはグループリーグだと積極的にゴール前に飛び出してくるような動きが見られたのに、この試合ではほとんどなかった。前線でボールが収まらなかったから、タイミングがなかったんだと思う。

前線にボールが入らない分、中盤でのらしいパス回しは見られた。選手間の距離を縮めながら速いタイミングでパスを回して、相手に取り所を作らせなかった。
ただ、フランス側の視点から見るとボールを回させられてたって言えるかもしれない。結局はそういうパス回しから決定的なチャンスをつくることができなかった。

FWは流動的な3トップ。形としてはラウールが中盤でボールの受け手になって、落ち着かせてた。
序盤はFトーレスが自分の仕事をできてた印象。縦パスはしっかり収まってたし、低い位置からドリブルで突破してくシーンも多かった。ロングボールで単純にFトーレスを狙ったボールでも一応の形ができてた。そういうFトーレスが絡んだ形の中で、ビジャがウラに走り抜けたり、ラウールが低い位置から飛び出したりっていう動きが生まれてた。

ただ、さすがにフランスの真ん中の守備は堅くて途中からFトーレスはなんにもさせてもらえなかったって言っていいと思う。ゴール近くでのプレッシャーを嫌って、Fトーレスが下がってきてボールを受けるようなプレーが目立った。そういうとこまでもフランスの選手はしっかり付いてきて、前を向かせない守備をしてた。そこで万が一前を向いてドリブルに入っても、スピードに乗る前にマケレレがスピードに乗る前にしっかりつぶしてた。

やっぱりフランスの真ん中の守備はさすが。テュラムとかマケレレの対人プレーの強さが冴え渡ってた。それに加えてこの試合に関しては、SBのサニョルもいい守備を見せてたと思う。相手が3トップでやってきたこともあって、両SBが絞り気味なポジションをとってラインをつくってた。そのDFと中盤の4人で2本のラインをきっちりつくって、スペースを消してた。
SBの上がりに対してもマルダ、リベリが戻って対応していいプレーをさせてなかった。こんな感じでスペインは攻撃の形がつくれなかった。

で、後半途中にラウール⇒Lガルシア、ビジャ⇒ホアキンの交代で打開を図った。FWの選手を2枚下げたのは、前にボールが入らないのに3枚置いてもしょうがないって言う判断だと思う。その代わり、中盤でチャンスメイクができるLガルシアと1人で打開できるホアキンを投入した。
それでも結局スペインは決定的なチャンスを作れなかった。得点もセットプレーの流れの中からのPKだし、フランスの守備の堅さが現れた試合だったと思う。

守備面ではスペインの守備が興味深かった。DFラインをかなり高く設定して、前線の選手は戻り気味。つまりかなりコンパクトな状態で相手の攻撃を受けてた。こういう守備だと選手間の距離が狭まって、スペースをつぶす。相手が少しでももたついけば、一気に囲んでボールを奪う形が設定されてた。

ただ、DFラインをかなり高く設定する戦術だけにウラに広大なスペースが生まれるっていうリスクも負う。そこのスペースをフランスのアンリは徹底して狙ってた。スペインのDFラインはそういうアンリの抜け出しに対してはオフサイドトラップで対抗。こういう集中力が必要とされる戦術でアンリ自身に仕事をさせなかったことは評価できる。

ただやっぱり、アンリをおとりにして後ろから出てくる選手は捕まえ切れなかった。
それが現れたのがフランスの1点目。アンリがDFラインと駆け引きをしつつ、逆サイドでリベリがビエラとの関係性で抜け出した。長い距離を走って出てきたから、相手は捕まえ切れなかったし、しっかりとDFをひきつけてからパスを出したビエラもさすが。

このシーンみたいに後ろからビエラが攻撃に加わってくると、フランスの攻撃に厚みが増す。本当はフランスとしてはこういう形をもっと狙うべきだったんだと思う(これ以外にもいくつかあったけど)。ただ、上にも書いたとおり、本来ゴール前に飛び出してくることの多いマルダ(とリベリ)が後ろで守備も担ってたから難しかったんだと思う。

フランスの攻撃についてもう少し。
アンリはサイドに流れてのプレーが目立った。そのアンリが作ったスペースはジダンが入ったりして効果的に使えてたと思う。
それからリベリのドリブルはやっぱりいいアクセントになる。ジダンのキープとリベリのドリブルがチームの中でのリズムを変える役割を果たしてた。この試合のリベリは攻守にわたって貢献度が高かった。運動量も評価したい。

どちらもコンパクトに設定して攻守の切り替えが速かった。スペインとフランスという強豪国同士試合で、しかも内容も濃くて面白い試合だった。
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