ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2006-07-26 Wed 20:14
アルゼンチン×オランダ
オランダ×アルゼンチン。そろそろ強豪国同士の組み合わせも目立ってきた。

<オランダ:4-3-3>
FW:カイト-ファン・ニステルローイ-ファン・ペルシー
MF:スナイデル-ファン・デル・ファールト、コクー
DF:デ・クレル-ブラールス-オーイエル-ヤリーンス
GK:ファン・デル・サール

<アルゼンチン:4-4-2>
FW:テベス-メッシ
MF:リケルメ、カンビアッソ-マスケラーノ-ロドリゲス
DF:クフレ-アジャラ-ミリート-ブルディッソ

どちらも決勝T進出を決めてたこともあって全体としては落ち着いた感じの試合内容だった。それでも随所にいいプレーがあって見所は多かったと思う。

アルゼンチンの攻撃の連動性はいつみてもしっかりしてる。パス&ゴーとかフリーランニングとか、基本的なことだけどきっちりやることでかなり効果的。“走るサッカー”を目指すはずのオシムジャパンもこういう形をやればいいと思う。

アルゼンチンの2トップはメッシとテベス。個人的にはかなり嫌いなタイプ(メッシとテベスが嫌いってことではなくて)の組み合わせになってしまった。

メッシは1・5列目あたりを中心にプレー。低めの位置から自分でドリブルで仕掛けてくってシーンが多かった。
前線での守備意識の高さはかなり目立ってた。後ろの選手が連動してくると、高い位置でボールをカットできる。

もう1枚のテベスはサイドに流れてプレーすることが多かった。前半は特に左サイドに流れるシーンが目立った。たぶん、左SBにソリンがいないことでいつもよりスペースができてたからだと思う(右はいつものようにロドリゲスが出てきた)。常にゴールを意識するプレーもよかったと思う。

2人とも個人での打開する力はかなりある。ドリブルで数枚を抜きさってチャンスを作る能力があるし、周囲を生かす動きもできる。

全体を通してチャンスは多かったけど、決定的なチャンスが作れなかったのはやっぱりこの2人の組み合わせだったからだと思う。この組み合わせが嫌いなのは“軸”がいないから
いつものアルゼンチンではクレスポが軸になって、1トップ1シャドーの形になってる。この試合みたいな組み合わせだと、2シャドーの形になって、2人ともが流れてプレーするからゴール前が薄くなってしまう。さらにトップにボールが収まるシーンが減って、後ろからの厚みのなる攻撃も少なくなってしまう。

この傾向は大会当初のフランスにも見られた。中盤でパスは回るけど、最後のとこの詰めのあまさが目立ってた。この試合のアルゼンチンに関しては、決勝Tを想定したメンバー構成ってのもあっただろうからしょうがないかもしれないけど。

2トップについて見たから、アルゼンチンの中盤について。やっぱりこのチームはリケルメのチームだってことを再認識させられた。改めて書くまでもないかもしれないけど、リケルメのキープ力は特筆。ボールを失うようなシーンはほとんどない。チームとしてもそれが分かってるから、リケルメがボールを持ったときは周囲の動きが活発になる。
リケルメのボールキープで周りが押し上げる時間を作れるってこともある。守備をしない古典的なトップ下って非難されるけど、絶対にボールを失わない選手がトップ下の位置にいるってことはかなり大きい。
アルゼンチンはリケルメのそういう欠点を補うようなチーム作りをしてるから問題ない。上手い具合に長所だけを引き出してると思う。

カンビアッソはかなりの運動量を見せて攻守に貢献(普段の試合だとソリンも)。マスケラーノは自由にやってくる中盤の一番後ろに構えて相手の攻撃の芽を摘む。ロドリゲスはリケルメからのパスを引き出す動きでFWを抜いてゴール前に飛び出してくる。こんな感じでこのチームはリケルメを中心にして考えられている。

ただ、こういう1人が王様のチームを作ると、その選手が怪我とか不調になった場合はどうするか?って問題が出てくる。そこんとこでもアイマールが後ろに控えてるってのがアルゼンチンの強みだと思う。
でも(知っての通り)リケルメとアイマールはタイプが若干違う。簡単に分ければ、動のアイマールと静のリケルメ。日本代表で言うと、リケルメ型=中田英、小笠原・アイマール型=小野、中村。タイプの違いだからどっちが優れてるかってこともないけど、個人的にはリケルメ型の方が好き。

リケルメのもう1つ(?)の特徴のセットプレー。球種の豊富さが目立った。
ゴールに向かうCKを蹴るときは低くて速いボールを。特徴的なのは誰も触らなくても直接ゴールに入るような軌道で蹴ること。この試合に限らず、今大会のリケルメからのCKはこういうボールが多かった気がする。FKで触れば1点触らなくても1点って形は多いけど、CKでもこういう形が流行るのか注目したい。
ちなみに逆サイドからのCKは高いボールをピンポイントであわせるって形が多い。これも精度がよくなきゃ無理だと思う。

オランダは序盤はいい形が作れた。アルゼンチンが引いて守って前線からボールを奪いに来なかったってのが大きい。DFラインでゆっくり回しつつ、徐々にビルドアップするような攻撃で、ある程度まで行くとトップのファン・ニステルローイに当ててくる。そこにファン・デル・ファールトとかの飛び出しが見られていい形を作れてた。
後ろで回してるときは中盤の底にいるコクーかスナイデルのどっちかが、ボールの中継地点の役割を果たしてた。

ただ途中からアルゼンチンの前線でのプレッシャーが激しくなってきて、攻撃の中でいい形が作れなくなってしまった。相手からのプレッシャーの中でロングボールをファン・ニステルローイめがけて蹴るって形が多かった。しっかりとゲームを作ってるわけじゃないから、押し上げが間に合わなくて、ファン・ニステルローイの周りに選手がいない状態が多くなってしまった。

そもそも、選手を大きく入れ替えたことで攻撃の形が見えてなかったと思う。1つの形になるはずのサイドからの攻撃も機能しなかった。原因としては右利きのカイトを左、左利きののファン・ペルシーを右に置いたことに問題があった。クロスのときにどうしても早めに上げなきゃならなくなって簡単に跳ね返されてしまった。それに一番メリットになる切れ込んでのシュートってのも見られなかった。

個人的にはこういう形も好きなんだけど(機能するなら)、両サイドがあまりにも経験不足過ぎた印象。試合の中でのポジションチェンジの中でこういう形が見られるってのが理想的だったと思う。この試合ではポジションチェンジもほとんど見られなかったと思う。

SBのオーバーラップのとこにも問題があった。WGに対するフォーローが少なかったこともサイドからの攻撃が機能しなかった原因って言えそう。
攻撃の形がない→ロングボール→中盤が絡めないっていう悪循環に陥ってしまっていた。

両チームの攻撃面ばっか見たから守備からも1つ。
アジャラの守備。ファン・ニステルローイを見てるシーンが多かったけど、ヘッドでも競り負けない強さを見せた。身長的には完全に負けてても競り負けないってのは日本人にとって参考になると思う。カンナバーロを見てても思ったけど、タイミングと体の入れ方が上手ければ身長のハンデは消えるもの思った。

若手選手について。どっちのチームも若手が結構出場してた。
メッシとかファン・ペルシーとかの有名所はいいとして、前から注目してたのがマドゥーロ、バベル、コロッチーニ。
オランダの2人は育成が抜群のアヤックス中心。マドゥーロはCBとボランチをこなす器用さがある。守備力のあるボランチはいろんなとこで重宝すると思う。
バベルはキープ力とか質の高いフリーランニング、それから相手を引きつけてパスを出すようなプレーも目立つ。
アルゼンチンのコロッチーニは対人プレーに強い。この3人はこれからも注目してきたい。
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2006-07-23 Sun 14:23
コートジボワール×セルビア・モンテネグロ
どちらのチームも消化試合だったからモチベーションが上がらない試合になるような気がしたけど。その分軽い感じで見れるからよしとした。

コートジボワールは4-4-2。ドログバが出場停止で、メンバーも大幅にいじってきた。
対する、セルビア・モンテネグロは4-5-1。こっちもケジュマンが出場停止。

前半はセルビア・モンテネグロらしさが見られた。大会前は堅守を売り物に結構評判になってたけど、その持ち味をこの試合である程度は発揮できたと思う。ある程度まではコートジボワールにやらせつつも最後のとこまでは行かせない守備をしていた。本当に危ないとこでは体を張ってシュート防ぐようなプレーも多い。

コートジボワールは低い位置でゆっくりキープして、縦パスをトップに当てたとこからスピードアップを図ろうっていう攻撃だった。ただ、その縦パスをセルビアの守備陣が狙っていた。選手が引いて守ってエリア周辺のスペースを消していた。コートジボワールのトップに対してくさびが入ると、激しく当たって仕事をさせずに、効果的にそのボールをカットして自分達の攻撃につなげていた。

コートジボワールとしても後ろの方では横パスがつながるけど、前線に起点がつくれないからいい攻撃をつくることができてなかった。しっかりボールをキープできるドログバの欠場が大きく響いたと思う。
それにセルビアとしてもコートジボワールの攻撃がこういう単純なものに偏ってたから守りやすかったってのもあると思う。途中からコートジボワール側が他のオプションも織り交ぜてくると、所々にほころびが見えてきた。

まず、コートジボワールの工夫。それまで2トップは真ん中に張ってたけど、引いてきて受けたりサイドに流れたりした。一番チャンスにつながったのがウラを狙うプレー。こういうプレーを繰り返してセルビアのDFにギャップが生まれ始めた。

セルビアの特に危ないシーンが目立ったのはサイドからのボールに対する対応。真ん中はしっかり固めてるけど、サイドにボールが行くとボールウォッチャーになってしまるシーンが多かった。コートジボワールの1点目のPKはサイドからのボールに対してサイドからのボールに対して相手がフリーになってるのを見て思わずって感じだった。
同点ゴールもサイドからのボール。DFとDFの間に入り込んだ相手選手をつかまえきれてなかった。

攻撃面はトップのジギッチの高さを狙うっていうシンプルなものだったけど、効果的だったと思う。速攻時もまずはジギッチに当てるとこから周りが押し上げる。長身選手だからふところが深くて、しっかりボールが収まる。

1点目もジギッチに当てたとこからの速攻。ジギッチはボールをはたいてからすぐにゴール前へ走った。動きとしては一度DFから離れて、最終的には相手の前で合わせる形だった。相手の背後から飛び出してきたから相手も捕まえ切れなかったし、ファーストタッチの置き所もよかった。
セルビアらしい手数をかけない速攻だった。

ジギッチに対しては、高さを狙ったロングボールもあって近くに味方選手がいることでうまくつなげることができてた。ただ、後半10人になったこともあって孤立するシーンが目立ってた。

コートジボワールはおおざっぱな攻撃をせずにしっかり組み立ててくる。ロングボールを蹴りこむようなシーンはほとんど見られなかった。相手が引いてきたこともあるけど、中盤でしっかり回してる。選手の距離感がよくて、狭い場所でもしっかりボールをつないでたのが印象的だった。
それにパス&ゴーの形とかが随所に見られて、連動性のある攻撃を展開できてた。身体能力に優れてるだけに個人での突破力も魅力だったけど、それだけに頼るわけではないのが好印象。チームとして攻めるときと個人で攻めるときの状況判断がよかったと思う。

後半は相手が10人になってたこともあって圧倒的に攻めた。SBの攻撃参加を中心に後ろからの押し上げが利いてたし、相手が引いてるからこぼれ球も拾えて、厚みのある攻撃を展開できた。引いてきた相手に対するミドルシュートも魅力的。ただ、圧倒的に攻めながらも得点を取れないっていう決定力の問題が浮き彫りになった。

守備面では課題が多い。1失点目は数的有利にも関わらず、味方DFと相手FWが1対1の状況になっていた。2点目もボールウォッチャーになる選手が多くて、真ん中で相手の選手がどフリー。ゴール前でも相手を捕まえきれてないシーンが多かった。
相手がジギッチ狙いの攻撃を仕掛けてきたのにも関わらず、そこに対するアプローチがほとんどかかってなかったのも問題だと思う。

かなり強い雨が降ってたこともあって、セットプレーは速いボールを意識してた。コートジボワールのFKは全て壁をずらして狙うって形だったけど、少し単純すぎたような気もする。

コートジボワールの攻撃の連動性はよかった。グループリーグで敗退したのがもったいない。
課題を挙げるとすれば、決定力(丁寧さ)と守備の戦術。これはガーナに関しても言ってたことだし、アフリカ勢一般に言えそう。逆にここんとこをしっかりしてきたらアフリカはかなり強くなる。

コートジボワールのゾコラがトッテナムに移籍。プレミアはチェルシー本命は動かないけど、トッテナムの一角崩しが見られる気がする。ちなみに、スペインはレアル本命でアトレチコを伏兵として挙げときたい。この辺の詳細はCLのリヨンとまとめて後日。
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2006-07-18 Tue 21:47
イタリア×アメリカ
<イタリア:4-4-2>
FW:トニ-ジラルディーノ
MF:トッティ、デ・ロッシ-ピルロ-ペロッタ
DF:ザンブロッタ-カンナバーロ-ネスタ-ザッカルド
GK:ブッフォン

内容としてはアメリカに軍配が上がったと思う。戦術的にアメリカの方がイタリアを研究して、それに対する対処がしっかりできてたと思う。

まずは守備面から。
序盤からラインをかなりコンパクトにまとめて中盤でのプレッシャーをしっかりやってきた。高い位置で奪ってからの速攻は魅力的。しかもラインをコンパクトにして選手間の距離を狭めたからこぼれ球を拾えるとか、細かいパスをつなぎやすいってメリットも生まれた。さらにコンパクトに設定したことによって攻守の切り替えも速くなったと思う。

イタリアの攻撃パターンについてもしっかり研究してストップした。ピルロに対してはドノバンがプレッシャー。ピルロに前を向いて自由にボールを扱わせなかった。相手のプレッシャーがきつければロングボールを蹴ってそれを外すってのが1つのセオリーなんだけど、それすらもさせてなかった。
イタリアの2トップも完全に抑えた。くさびが入ると激しくつぶして仕事をさせてなかった。トッティにボールが入ったときも一気に囲んだし、そもそもトッティにボールを入れさせなかった。

イタリアの攻撃パターンをおおまかに挙げれば、①ピルロからの展開②トッティのチャンスメイク③トップに当ててからの展開④SBの攻撃参加ってな感じ。アメリカの守備は①~③までを完全に抑えた。④に関しても、アメリカの得意のサイド攻撃でSBを押しこんで防いだっていえる。

攻撃面の選手の連動性も目立った。スタートは1トップの形だったんだけど、1トップのお手本のような2列以降の動きだったと思う。
ドノバンは守備ではピルロを抑えるって役目を担うとともに、攻撃でもかなり重要な役割を果たした。トップ下の位置だったけどゲームを作るっていうより前線への飛び出しに注目した。トップを追い抜く動きで後ろから飛び出してくるから相手も捕まえにくかった。
さらにその後ろのレイナもボランチの位置から飛び出してきた。レイナもゴール前に飛び出すようなシーンが多くて、ボランチの位置からの飛び出しだけにイタリアとしてはさらに厄介だったと思う。

チャンスメイクはアメリカらしくサイドから徹底的に。サイドいっぱいを使った攻撃が見られた。SBの積極的な攻撃参加も見られて、ボール保持者の背後を追い抜くフリーランニングなんかも多くて、サイドには厚みが感じられた。
さらにアメリカのサイド攻撃が魅力なのは、サイドから攻撃しても中の枚数が減らないこと。上で書いたドノバンとかレイナの飛び出しも含めて、ゴール前には多くの人数が揃ってる。

全体としてアメリカの攻撃はフリーランニングが多く見られる。パスを引き出す動きとかが多くて連動性が感じられるものだった。

イタリアの守備も前線からのプレッシャーをかけてた。FWが戻って挟み込むようなプレーも見られたし、前から囲んだ守備ができてた。アメリカはこれに対してシンプルにはたくようなプレーで対処してきた。

守備面に対して、攻撃面ははうまくいかなかった。アメリカがしっかりとイタリアの攻撃パターンを消してきた。それを避けるためにイタリアはいつもよりシンプルな攻撃を心がけてきた。それで相手のプレッシャーがかかる前に次の展開をしようっていう意図が感じられた。狭い局面では三角形を作って少ないタッチ数で打開を図った。

それからピルロが徹底的にマークされてたからデ・ロッシが低い位置でボールを受けるようなシーンもあった。前で起点になれないト二が下がってくるような場面もあった。それでもいいチャンスが生まれたとは言えない。

そんな中でもしっかりと先制点をとった。先制点はセットプレーから。GKとDFラインの間にピルロから低くて速いボールを蹴りこんだ。アメリカはラインの統率が取れてなった印象。セットプレーのときはかなり高いラインを取ってたけど、そのラインがバラバラだった。同じようなセットプレーは2回目だったけど、1回目はたまたまオフサイドになったような形だった。
アメリカのDFラインは流れの中でもギリギリの場面が目立った。

この後すぐにアメリカが追いついた。このシーンはザッカルドのオウンゴール。確かに前がブラインドになってたけど、ノープレッシャーの状態だったから、完全なミスだって言える。

このすぐ後にデ・ロッシの退場があってこの辺の時間帯は試合が流れたとこだった。さらに後半の立ち上がりまでの間に立て続けに3人が退場。これで試合の雰囲気がぶちこわされた。前半はかなりいい試合だっただけに3枚のレッドカードは残念だった。審判には試合をしっかりコントロールしてもらいたかった。カードが不適切だったとは思えないけど。

序盤から中盤での激しさが見られたから荒れる兆候はあった。そういうとこで注意を与えるとかのコントロールは必要だった。この試合の審判はいきなりカードから入ったのが問題だったと思う。

9人になったアメリカは前線からのプレスがかけられなくなってしまった。それでも最後のとこでしっかり止めてた。
イタリアはこれに対してデル・ピエロとイアキンタを投入して完全に勝ちに来た形。デル・ピエロは左サイドを中心に1・5列目をかなり自由にプレーしてた。
イアキンタはスピードを生かしてウラへ抜け出す動き。イアキンタの抜け出しは斜めに出てくる動きでオフサイドにならないようにっていう意図が感じられる。

アメリカはカウンターで攻撃。ペロッタをSBに下げたサイドにビーズリーを入れた交代は上手かった。後半のアメリカは真ん中を細かいパスで崩すシーンが多かった。

試合は結局1-1のまま試合終了。前半からプレッシャーをかけつづけて、後半は9人になったにも関わらず運動量がおちなかったアメリカを評価したい試合だった。
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2006-07-17 Mon 14:20
スウェーデン×パラグアイ
どちらのチームも勝ち点3を絶対に取りたい試合だったってことで序盤からトップギアで入ってきた印象。スウェーデンはボールに対するアプローチが速かったし、パラグアイも局面でかなり激しくやってきた。どちらも縦へ速く運ぶって攻撃スタイルだったから、ゴールからゴールまでにかかる時間が短くて、面白い試合になったと思う。

スウェーデンの攻撃はかなりシンプル。
イブラヒモビッチとラーションの2トップに単純にボールを当てるって形だった。この2トップの関係性はかなりよかったと思う。どちらかがボールに競ればもう1枚はウラに抜ける動きをするし、おとりになるような動きも見られた。

パラグアイのDFとしてはこの2人に簡単にボールを入れさせすぎだったと思う。ついでに、エリア内では仕事をさせないってことでDFラインがかなり深い位置で守る。その上、相手に合わせて中盤をダイヤモンド型にしたことでボランチが1枚になってDFラインの前にかなり広いスペースが生まれてしまった。イブラヒモビッチとかラーションが競って落とした球にスウェーデンの2列目の選手がフリーで対応するっていうシーンが目立って、いいミドルシュートが何本も生まれた。

イブラヒモビッチは足元の技術もしっかりしてるから、ボールをキープして時間を作ることができる。その間に後ろからの攻撃参加が増えてスウェーデンの攻撃は厚みのあるものになっていた。

ただ後半になって、イブラヒモビッチが下がったこととか相手が縦へのボールにしっかり対応してきたこともあって簡単にトップにボールが当たらなくなった。後半になって目立ってきたのは、ウラへのボールとリュングベリの流動性。ウラへのボールでは1つ決定的なチャンスが生まれた。ロングボールにしても単純に人を狙うんじゃなくてスペースに放り込むってシーンが多くなってた。

リュングベリは前半からいいプレーを見せてた。一度低い位置でボールを受けて起点になり、その後は前線に飛び出すってのが1つのパターン。これは結構なスタミナを使うと思うけど、最後まで運動量が落ちることはなかった。トップにボールを当てるっていう、ある意味単調な攻撃の中でリュングベリのドリブルはいいアクセントになってたと思う。

相手もリュングベリのスピードについてけずにファールで止めるってシーンが目立った。サイドを抜けるだけじゃなくて中に切れ込んでのプレーとか相手にとってはかなりやっかいな選手だったと思う。

こういうプレーに加えて後半はゴール前に飛び出してくるようなシーンも見られた。結局、決勝点はそういう形から。右サイドからのクロスをアルバックが落として最後は後ろから飛び込んできたリュングベリが決めた。2トップが相手のDFラインを下げさせたことによってリュングベリが飛び込むスペースが生まれた。さらに左右にDFの目を振ったことでギャップができて、後ろから飛び出したリュングベリがフリーでシュートを打つことができた。

後半の途中からスウェーデンはこういう形が増えてた。相手の運動量が落ちたこともあって、中盤の選手は比較的フリーでボールを扱うことができてた。そっからクロスを上げて、中でラーションとかアルバックが落とすってシーンは多かったと思う。

スウェーデンは攻守両面で選手の距離感がよかったと思う。攻撃時は上に書いたようなトップの落としに対して反応する選手が必ずいた。こぼれ球をスウェーデンが先に拾う場面も目立ってた(出足の早さもあって)。

守備では最終ラインが中に絞って相手にスペースを与えないようなやり方をしてた。パラグアイは縦にボールを当てたとこから攻撃を展開させたかったけど、スウェーデンの守備がそれをやらせずに横パスがかなり目立ってた。パラグアイは攻撃の最後のことも真ん中は崩しきれずにサイドからのボールで終わるってシーンが多かった。

スウェーデンは前線からのプレスもしっかりかけた。ボールを奪えなくてもしっかりコースを切って、後ろの守備を楽にするっていうようなやり方。このプレスが最後まで利き続けたってことは評価したい。

距離感のよさが目立ったスウェーデンに対してパラグアイは選手が孤立するシーンが目立った。そもそも相手の守備がよくて前にボールが当たるシーンが少なかった。たまに前に収まるようなシーンでも近くに味方の選手がいなくてボールを落とせずに、相手に囲まれてボールを失うってシーンが多かった。
得意のカウンターも前後の選手が完全に分断されている上に、後ろからの押し上げも遅いから厚みのある攻撃につなげることは難しい状況。

ただ持ち味の堅守はしっかり発揮してた。上に書いた通りフリーでミドルを打たれるシーンが多かったのは気になった。でも逆に相手としたらミドルを狙う以外に方法がなかったってのも事実。エリア内はしっかり固めて最後のとこの仕事はさせてなかった。

セットプレーの守備について(反町さんの解説より)。
パラグアイの守備はマンツーマンで相手につく。そのマンツーマンも相手のすぐ近くにつく形。こういう守り方だとセカンドボールに対してもしっかり対処できる。
スウェーデンの守備はマンツーマンとゾーンの併用。距離を置いて相手の選手を見る。

スウェーデンは攻める時間がかなり長かったのに1点どまり。1戦目もトリニダード・トバゴ相手に無得点で得点力不足が深刻だって言ってた気がする。
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2006-07-15 Sat 20:53
オールスターと中田特番
お祭り的な要素が大きいけど、いつもは一緒にやってないメンバーがどのような戦術でやってくるかってのに注目。今回はオシムも視察に来るってことである程度の真剣さを期待した。

オールスターらしくない堅い試合展開。

チームの質としてはイーストの方が上だった。イーストは守備、攻撃の両面において選手間の連動性が見られた。メンバー表だけを見てもイーストの方が豪華なメンバーだったし、それがそのまま結果となって表れたと思う。パス&ゴーとかの基本的な動きはいつもと違うメンバーでも有効。そういう形が多く見られたのがイーストだった。

イーストの攻撃は中盤から前が流動的に動いてボールを動かした。特に中盤の小野、阿部、小笠原の3人はこれからの日本代表の軸になってくと思う。

小野は色々な場面に顔を出してきた。低めの位置ではボールのタッチ数を増やしつつゲームを組み立てた。こういう位置からはロングボールでボールを散らすようなプレーも見られた。それからFWを抜いてゴール前に出るプレーとか、サイドに流れてのプレートップ下の位置でのチャンスメイクなどかなり自由度が高かった。
オールスターってことでプレッシャーが少なかったから小野もいいプレーができてた。小野の課題は周りから囲まれる場面でいかに高い質のプレーができるかってこと。

自由度の高い小野をサポートしたのが阿部のバランスを取る動き。阿部もロングボールの精度はかなりのものを持ってるので、後ろからのちらしが多く見られた。後ろでバランスを取りつつも機を見た攻撃参加も見ものだった。

低めの位置からスタートする2人に対して小笠原は1枚前のポジションを基本に動き回った。FWを追い抜いてゴール前に飛び出す動きが多く見られたのはよかった。
このプレーが3点目を生んだ。もともと味方のゴール前で起点になったのが小笠原だった。そこからかなり長い距離を走ってゴール前まで出てきた。代表でもこういうプレーを多用してもらいたい。

有名どこの3人に加えてサイドの鈴木と内田もいいプレーをしてたと思う。特に鈴木は周りとの連携がかなりよかったと思う。小野が左に流れることもあったけど、お互いのいいとこを消さずに上手い連携を見せてくれた。

内田はまだ18歳。キープ力と上下の運動量は評価できる。普段はあまりJを見ないから名前は知りつつも、まともにプレーを見たのは初めてだった気がする。今後は注目してきたい。

途中出場の小林もいいプレーをした。サイドからのボールの精度は評価できる。他の選手のボールの精度に不満だったから、余計目立った。小林もまだ23歳だし、今後が楽しみ。

イーストの前半の2トップは柳沢と久保。柳沢はサイドに流れたり、引いてきたりしてボールを引き出す動きをした。久保はポストプレーをこなす場面もあったけど、基本的には相手のウラを狙うような動き。相手が最後のとこをしっかり守ってきたこともあって、決定的な仕事はできなかった。

後半途中からは巻、我那覇、バレーの3トップ。それぞれのタイプを見る限り、普通のチームではこの3人が並ぶことはまずありえないと思う。相手が3バックな上に、後ろからの小笠原の飛び出しもあって相手のDFはかなり混乱してた。3・4点目は完全なフリーでの得点だった。
他の場面でもカウンターでもないのに攻撃側が数的有利っていう意味の分からない状況ができあがってた。この辺は即席チームだけにしかたのない部分かもしれない。

守備面でのイーストの連携もよかった。序盤から前線で積極的な守備をかけてきた。小笠原とか小野を中心に複数枚がプレッシャーをかけて1回目の守備をかけた。ここにFWの柳沢も戻って挟み込むような守備も見られた。

ウエストの攻撃。連動性があまり見られずにボールを持った選手が孤立するような場面が目立った。だからロングボールに頼るような攻撃が増えたし、最後を崩しきれずにミドルを打たざるをえないような状況になってしまった。

FWは3トップで組んできた。前半は玉田が低めの位置でプレーしてた。玉田の2列目からの飛び出しは相手も捕まえきれてなかったから、もっと多用してもよかった気がする。
前の2人はポストプレーをこなすというより、動き出しで勝負するようなプレースタイル。より連携面での成熟が求められるだけに厳しくなってしまった印象。
それに攻撃に時間がかかると前線の選手の動きが止まってしまっていたのも気になった。

両チームに言えることとして、積極性のなさとスピードの遅さを挙げときたい。

積極性の部分は失望した。ゴール前でシュートを打たないって場面が多すぎる。特にこの試合はオールスターっていう特別なものであったわけで、そこでもシュートを打てないってのは深刻な問題だと思う。
積極性って意味では中澤のドリブルからの一連の流れで1点目が生まれた(あれはちょっとちがう意味を持ってるけど)。宮本の危ないとこでのファールはなんとかしてほしい。

スピードの遅さは特にパスのとこで言える。世界レベルだとカットされてしまうなパスだと思う。それからスピードアップをどこでするか?って問題もある。単調なリズムでの中でのサッカーは見てても面白くない。

いろいろ書いたけど、結局はオールスター。あまり参考にならない気がしてきた。


このオールスターの流れのまま中田引退特番。精神的な部分が多いのかと思ったけど、戦術面の分析とかも多くて(この局としては以外だったけど)興味深い内容だった。キーワードは“覚悟”

オーストラリア戦の自己分析。
・やっぱりボランチとDFラインとの間のスペースを気にしてた。
・小野の投入は疑問に感じてた→意思統一ができてなかった。
・新FWの投入を求めてた。

クロアチア戦の自己分析。
・パス&ゴーの動きがなく、パスコースが少ない。
・最終ラインは右→左、左→右で単調。
・後ろでの回しは相手を振って、相手の頭を疲れさせるため。
・寄せの遅さ→相手の前でカットできない。

ブラジル戦の自己分析。
・ブラジルの穴はDFウラのスペース。
・人数がいてもマークにつききれないDF。

実際に試合をしてた選手からの視点はかなり参考になる。普通に見てても気づかなかったようなところも出てきた。例えば、後ろでのパス回しとかの部分はこれから注目してきたい。

DFラインについての宮本と中田の対立。高い位置を保ちたい中田→高い位置で奪ってから攻撃へ。スペースを与えない。低くてもいいという宮本→低くてもコンパクトならよい。どっちの意見も分かるけど、宮本の意見を採用すると攻守の切り替えで長い距離を走らなきゃならなくなる。今回の暑かった大会を考えるとちょっと現実的じゃなかったと思う。

全体を通して感じたのはプロ意識の高さ。“がんばるってのは最低ライン。そっから何ができるかが問題。”
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2006-07-14 Fri 23:59
イタリア×ガーナ
<イタリア:4-4-2>
FW:トニ-ジラルディーノ
MF:トッティ、ペロッタ-ピルロ-デ・ロッシ
DF:グロッソ-カンナバーロ-ネスタ-ザッカルド
GK:ブッフォン

この試合は2トップのシステムでやってきた。この試合も含めて大会の序盤は試行錯誤を繰り返してた気もする。大会中はほとんど見られなかったネスタとカンナバーロのCBにも注目。

中盤での激しい攻防が見られた試合だった。どちらも早めにプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪おうという意図が感じられる試合だった。こういう試合展開だったから攻守の切り替えが早いスピーディーないい試合になった。守備の出足も両チームとも早くて中盤でのパスカットも目立った。

守備面ではどちらのチームもそういう共通した意識が見られたけど、攻撃面での中盤での構成は両チームの違いが見られた。反町さんの言葉を借りれば“横のガーナと縦のイタリア”って感じ。

ガーナはボールをつないでポゼッションをする中で相手を崩そうという意識があった。中盤でのパス回しの中でSBの攻撃参加なんかがあって人数をかけた攻撃が見られた。ある程度中盤でボールを回し、相手のDFにギャップができたと思えばギャンにくさびを打ち込む。これは徹底されてたと思う。ギャンにくさびを入れることで中盤から後ろの選手が飛び出す時間をつくり、攻撃に厚みを加えていた。

中盤でのポゼッションの中心にいるのがエッシェン。特にエッシェンは中盤引き気味でボールのタッチ数を増やしつつボールを散らす役割を果たした。さらに積極的にゴール前に飛び出してくプレーも多く見られて相手にとっては捕まえにくい存在だったと思う。エッシェンのいいとこを挙げると、大きな展開(視野の広さ、ロングボールの精度)、攻撃を組み立てる能力、ミドル、ゴール前への飛び出し、それから守備面での貢献も大きい。

ガーナは中盤でのボールキープからの攻撃でいいところまで攻撃を進めることができた。人数をかけて連動した攻撃もできてたけど結局無得点。ガーナの決定力とイタリアの最後のとこの守備の結果だと思う。
イタリアは最後のとこだけはやらせないっていう堅い守備をしいてたから、ガーナは前にボールが入らずに、しかたなくミドルを狙うってシーンが目立った。

中盤でしっかりボールをつないで攻撃を組み立てようとしたガーナに比べて、イタリアはいかに速く攻撃するか?ということを考えたシンプルなプレーが目立った。
“縦のイタリア”ということで基本的にはトップにボールを当てたとこから攻撃をスタートする。トニもジラルディーノも前線でボールをキープできる選手だから味方の押し上げを待つことができた。この試合でもそういうプレーからペロッタのゴール前への飛び出しを助けたりした。

この縦パスはピルロから入ることが多い。ピルロにはプレッシャーがかけずらい状態だから、くさびのボールをいくつも供給することができてた。ピルロはいつものようにタッチ数を増やしてボールをいろんなとこに散らすっていう役割を担ってた。

こういうくさびをトップに当てる攻撃以外に前半の途中からウラを狙うっていう動きも増えてきた。ガーナのDFはあまり統率が取れてるとは言えなくて、無駄に高いポジションをとるようなシーンがあった。だからDFラインのウラに広大なスペースがつくられる。これはブラジル戦でも見られたようなことだった。
チームの戦術としてそういうものを取り入れてるのかもいれないけど、統率がとれてないDFラインがやるとかなり危険な状態になってしまう。大会前のドイツのDFがそういう状態だった。ガーナは攻撃面での連携って面ではいい部分を見せていた。守備面でも成熟が図られるとかなりいいチームになってくると思う。

とにかくイタリアは、ガーナの浅い守備ラインのウラを狙ったパスが多く見られた。トッティからは早いタイミングでパスが出てくるから相手としてもタイミングを合わせずらかったと思う。くさびを入れるプレーもウラを狙うプレーもイタリアの2トップの質の高さから生まれた。

この試合のイタリアの2トップはトニとジラルディーノ。2人とも万能型のFWだって言える。ちらもポストプレー、FWとしての動き(ウラへの飛び出しを含めて)、足元の技術、もちろん最後のとこの仕事っていうプレーを満遍なくこなす。このタイプの2トップが並ぶと相手は相当気を遣うと思う(個人的には好きな組み合わせではないけど)。この試合の中でのおおまかな役割分担は、真ん中で待つト二とサイドに流れてボールを引き出すジラルディーノって形だった(もちろん“おおまかな”だけど)。上にも書いたとおり、この2トップに中盤の選手がしっかり絡んでくるからイタリアの攻撃は厚くなる。

こういう攻撃でいくつものチャンスを作ったイタリアだけど、先制点はセットプレーからだった。この場面まで結構な数のCKがあったけどゴールに結びつけることができてなかった。この前のCKは単純に放り込む形が多くて、後ろからの飛び出しで一応シュートまではいけてたけど決定的シーンはつくれない。
ゴールにつながったシーンはこういうこともあってショートコーナーを使った。相手は意表をつかれてボールを受けたピルロへ寄せることができなかった。それによってピルロはノーマークでシュートを打つことができた。それにしても何人もの人の間を抜いて、サイドネットに蹴りこんだピルロの技術もすごかった。

イタリアの追加点はカウンターからだった。イタリアのカウンターはお手本どおり。手数をかけずに一気に相手ゴール前まで運ぶ。
2点目はそういう形から。ボールをカットしてから2本のパスでゴールまでつながった(相手DFのミスもあったけど)。この前後にあったイタリアのチャンスも手数をかけないカウンターの形から生まれてた。セットプレーの後なんかのカウンターは見ててもきれいだった。

ちなみにセットプレーで前に人を残してないときは大きくはっきりしたクリアをする。それによって味方選手が押し上げる時間を作るっていう意図があるんだと思う。

ガーナもカウンターのときは身体能力を生かした速い攻撃をしてたのが印象的だった。

イタリアの選手交代について。
トッティ⇒カモラネージトッティのケガもあったかもしれない。それにケガ明けのコンディションを考慮してのものだった気もする。これによってイタリアの中盤はダブルボランチの形になった。
イタリアは結構簡単に形を変えてくる。システムも4-4-2、4-5-1、4-3-3っていうふうにバリエーションが多いし、試合の中での同じメンバーでも形を変えられる。形を変えるってことはやりかたを変えるってことを意味してるし、こういうユーティリティ性は武器になると思う。

形を変えたってことだけじゃなくてカモラネージ自身のプレーもチームにいい影響を及ぼした。運動量が多いカモラネージが後半の途中から入ったことによって、守備面でも攻撃面でも味方の選手の負担が軽減されていた。

このほかの交代はジラルディーノ⇒イアキンタとト二⇒デル・ピエロだった。それぞれの交代で中のシステムを変えてきてたし、イアキンタは得点という形で監督の起用に答えた。

リッピは決勝までにGK以外の21人全員を起用。それでも大きく内容を落とさないイタリアの選手層の厚さとリッピの采配が優勝の原動力になったことは間違いないと思う。

イタリアはこの試合が一番いい内容だった気がする(まだアメリカ戦は見てないけど)。
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2006-07-12 Wed 18:29
仮想オシムジャパン
システムは3-3-2-2って感じだけど、あんまりこだわらない。試合中にかなり流動的になるはずだから。

FW:平山-大久保
MF:小笠原-松井、今野-阿部-長谷部
DF:中澤-トゥーリオ-茂庭

モデルは今大会のアルゼンチン代表(特にセルモン戦)。中盤の人材は豊富だし、体格的にも似たとこがあるから十分に参考になると思う。意識的に若手を登用。ポジション別に見ていきたい。

GKは一応川口にしといた。今回のW杯見ても川口なら次もいける気がする。一応、控えには藤ヶ谷とか西川も入れといたほうがいいと思うけど。

DFは3バックと4バックの併用。一応3バックの形にして3人は強さを重視。中盤の阿部がマスケラーノ的な立場で。最終ラインもできる阿部のユーティリティ性が使える。トゥーリオが攻撃参加したりしたらバランスを取る。

アルゼンチンで特徴的なソリンのポジションには今野。とにかく運動量が重要になってくるから。それに攻守の能力のバランスがいい。

逆には長谷部を入れた。ここはある程度攻撃の能力も欲しい。3ボランチにして守備、攻撃、バランサーの役割を阿部、長谷部、今野で担う。
この辺はミランも参考に。
阿部はキックの精度とゲームを組み立てる能力を持ってるからピルロ的に。汗かき役(ガットゥーゾ)は今野、積極的な攻撃参加(セードルフ)は長谷部。

中盤前の2人。
リケルメは小笠原。本当は中田がいいけど、しょうがない。中村、松井、小野は動いてボールをキープするタイプだけど、リケルメ的な役割としては止まってボールをキープしてタメを作らせたい。
もう1枚の攻撃的中盤は松井。小野でもいいけど中村はちょっと。ここのポジションに求めるのはゴール前への飛び出し。得点を取ろうという意識がほしい。

2トップは平山と大久保で単純な1トップ1シャドー。大久保はサビオラ的に左右に流れてボールを引き出す(このとき中盤から飛び出す選手が欲しいから、小野か松井を置く)。平山は真ん中で相手DFと駆け引き。それに前線でのポストプレーで攻撃の起点にもなりたい。

あまりにサプライズすぎて現実味がうすいかな。宮本、加地、サントスなどなど今回の核になった選手がいないし。でも、それなりにバランスのいいメンバーだと思うけど。
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2006-07-11 Tue 21:55
ポルトガル×アンゴラ
ポルトガルのシステムは4-5-1。デコが欠場で(確かケガだった)、フィーゴがトップ下からスタートの形。ボランチの位置はチアゴとペチ。

序盤はアンゴラのDFが浮き足立っていた印象。試合開始早々にパウレタがウラをとってGKと1対1になった場面があった。ラインのコントロールとか統率の部分で意志の疎通が図られてなかった印象。

そういう状況の中で前半の3分にポルトガルが先制点。ロングボールをポルトガルの選手が競り勝ってフィーゴの前にこぼれたシーンからだった。
この試合では中盤での高い球の競り合いはポルトガルがものにしてた。それにアンゴラのライン間の距離が遠くて、スペースができてしまっていた。そのせいでポルトガルの選手が競ったこぼれ球はポルトガルの選手が拾うって場面が目立った気がする。

で、フィーゴは1タッチの置き所で勝った。相手のDFを置き去りにした。中のパウレタも前へ飛び込まずに、急にストップしてスペースへ動いた。これによって相手のDFがつききれなかった。
この試合に関してはパウレタもいいプレーをしてたと思う(得点も含めて)。前でパウレタにボールが収まるから、攻撃の起点になることができてた。それにDFラインとの駆け引きで相手をズルズルと下げさせて、味方がドリブルで上がってくるスペースを空けた。

ポルトガルの中盤から前はデコがいないこともあってかなり流動的になった。
フィーゴはスタートはトップ下から。それでも真ん中で待ってるわけじゃなくて結構左右に動いて仕事をしてた。基本的には味方のボール保持者の近くによってボールを多く触ろうっていう意図が見えた。そういうときにボールをもらうと簡単にはたくプレーで攻撃のリズムを作っていた。

それにフィーゴの真ん中でのキープで押し上げを待てるって効果も見られた。そうやってリズムをつくるフィーゴに比べてCロナウドはドリブルで仕掛ける場面が目立った。これはいつものことだし、この試合でもいい意味でリズムをかえる役割を果たしてた。途中でCロナウドが交代してからは自分で仕掛ける選手がいなくなって、パスが回るだけって状況になってしまった。

Cロナウドはフィーゴがサイドに流れてくると、真ん中に行ってパウレタと2トップを形成するような場面もあった。シモンとCロナウドとフィーゴは横の関係でもポジションチェンジを繰り返した。ただ軸となるデコがいなかっただけに、無秩序なポジションチェンジになってしまって、必ずしも有効に活用できたとは言えない。

後ろからの攻撃参加も結構見られた。ミゲルの運動量はかなり評価したい。前半から上下の動きがかなり多かった。前にいる選手(基本はCロナウド)を抜いてくプレーが目立って、パスという選択肢を増やしつつドリブルに対するプレッシャーを和らげる役目も担った。
左サイドのNバレンテも味方がポゼッションしてることもあって他の試合より攻撃参加の場面が目立ってた気がする。

こういうSBの攻撃参加に対してボランチの攻撃参加があまり見られなかった。他の試合ではマニシェが先発でゴール前まで出てくるシーンが多い。この試合ではチアゴがそういう役割を任されたけど、前半はほとんど見られなかった(後半になってそういう場面がいくつか見られたけど)。

ポルトガルの守備は連動したかなりいいものだった。このあとの試合でも前線でボール保持者へのプレッシャーはかけてたけど、この試合は特に連動した守備が見られてた気がする。前線の選手が戻ってきて後ろの選手とはさみこむような守備を見せた。

こういう守備をしてると体力的に厳しくなる。前にも書いたとおり、そういう体力的な消耗を防ぐために“ボールを使った休憩”をしていた。相手のボールを奪って速い攻撃を仕掛けるとき以外は、中盤から後ろでしっかりとボールをキープして形をつくろうとした。キープ率の差を見ても分かるように個人でのキープ力に加えてチームとしてのキープ力(パス回し)も相手に勝っていた。

アンゴラの攻撃はアクアを狙うものに偏った。速攻を仕掛けるときに前に1枚残ったアクアに当ててから展開するってのはいいと思う。速攻は人数をかけずにスピーディーにやるから効果的だった。
ただそういうときでもポルトガルのDF陣はすぐに守備の組織を作って後ろを固めてた。ロングボールもアクアを狙うものばかり。アクアに当てても、味方の選手が下げられててこぼれ球を拾えないから意味が無いものになってしまった。
アクアだけじゃなく、いろんな場所でアンゴラの選手が孤立するような場面が目立ってた気がする。周りのフォーローが遅い。

アンゴラは細かい部分の正確性がほしい。トラップ、パスの強さ、ジャンプのタイミング・・・自分達の身体能力の高さをもてあましてるような印象だった。

ポルトガルは後半途中から形が作れなくなったけど1-0で逃げ切り。Cロナウド→コスティーニャなんて交代までして、かなりしたたかだった。よくない状況でも勝ちきるってのが強さなんだと思う。
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2006-07-10 Mon 17:28
ドイツW杯大会総括
今大会勝ち残ったチームは結構共通点があった。

①守備から入るチーム
②中盤での汗かき役
③中盤の流動性
④絶対的なFW
⑤4-5-1システム
⑥遠目からのシュート

①に関して。中盤から連動したプレスをかけるっていう戦術が多かった。それでいて後ろではしっかりと組織を作って守る。
ベスト4に残ったチームは、基本的には失点数が少ない。イタリア、フランス、ポルトガル。
これらのチームは中盤での連動した守備の戦術に加えて、最後の所でしっかり止める存在がいた。カンナバーロ(イ)、テュラム(フ)、カルバーリョ(ポ)・・・それに加えてGKの質も高かった。
ドイツについては最初は守備陣の不安定さを露呈してたけど、試合を重ねるにつれてかなり向上していった。連携面での成熟が図られて、単発では終わらない戦術的な守備ができるようになっていた。ついでにドイツにもしっかりとレーマンっていう存在がいた。

②は①にもつながる点。前にも書いたけど、中盤に運動量の多い選手が存在した。フリンクス(ド)、マケレレ(フ)、マニシェ(ポ)、ガットゥーゾ(イ)・・・こういう選手がしっかりと最初の守備に行くことで、後ろの陣形を整えたりする時間ができたんだと思う。それからこういう選手が相手のキープレイヤーに仕事をさせなかったことが大きい。

③これもある意味②につながる。中盤の運動量が重要だったってことだと思う。これは各チーム順番に書いてみたい。
<フランス>
ビエラの攻撃参加が目立った。マルダのFWを抜いてく動き。
リベリが中でプレー。
<イタリア>
ピルロの攻撃参加。ペロッタのFWを抜いてく動き。カモラネージの前後左右への動き。
<ドイツ>
守備時はバラックとフリンクスが横並びになったフラットな形に。攻撃時はバラックとフリンクスが縦ならびになったダイヤモンド型。
<ポルトガル>
マニシェの攻撃参加。2列目の3人のポジションチェンジ(特に両サイド)。

④について。プレミア得点王のアンリ(フ)、セリエA得点王のトニ(イ)、ブンデス得点王のクローゼ(ド)、リーグアン得点王のパウレタ(ポ)。ってな感じでベスト4のFWには各国の得点王が名を連ねた。
守備的な大会の中でこういう存在が大きかったってことだと思う。この選手本人が活躍しなくてもマークを集めるってことでいい効果をもたらす。特にこの4チームには優秀な中盤が揃っていた。

⑤の流行も目立った。スタンダードなシステムは2ボランチの4-4-2だと思うけど、それだとトップ下に人がいなくなって真ん中にスペースができてしまう。それを解消するために1トップにしてシャドーストライカー的な選手を置いたのがこの形。バランスもいいし、このシステムが今後はやってきそうなので注目したい。

⑥は色んなとこで言われてること。これに関しては上位進出チームだけにいえることでもなかったけど。でも遠目からのシュートっていうオプションがないチームには苦しくなってしまった(日本とか)。
これはボールの影響って言われてるらしいけど、ボールの影響はFKにも現れてた気がする。いわゆる“いい位置”でのFKが決まったケースが少ない。ボールに抵抗が少ないから、壁を越えてから落ちきらないってシーンが目立った。


大会全体を通して守備的だったってことは確実に言える。バルサのCLの優勝でどういう流れに進むか注目だったけど、結局は大きな流れの中の例外だったっぽい。こういう守備的な流れは今後も続くと思う。その流れに上手く乗ったスイス(何度も言ってるけど)をこれから注目してきたいと思った。

それから若手の活躍云々って言ってたけど、最後はやっぱり経験なのかなとも思った。

こっからは『自分的ベスト~』

■ベストゲーム
チェコ×アメリカ
あの試合のチェコのサッカーは理想系なので。NHKの解説の反町さんもチェコのサッカーに興味があって注目してたって言ってたから、北京五輪の代表はああいうサッカーを目指して欲しい。

■ベストプレーヤー
個人的にはマニシェ。
ポルトガルを支えてくれたから。

■ベストゴール
エクアドル×コスタリカのエクアドルの3点目。
サイドからの攻撃で少ない数で崩したゴールは個人的に理想形。

■ベストシーン
リカルドのPK3本ストップ

■ベストチーム
スイス

■ベストイレブン:4-5-1
FW:クローゼ
MF:フィーゴ-リケルメ-バレンシア、マニシェ-マスケラーノ
DF:ソリン-センデロス-カンナバーロ-ザンブロッタ
GKブッフォン
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2006-07-10 Mon 06:03
ドイツW杯決勝:イタリア×フランス
いよいよW杯も最終戦。個人的には全く予想してなかった2チームが残った。逆境をはねのけてここまできたイタリアか?1試合ごとにコンディションを上げてきたフランスか?どちらもしっかりした守備から入るチームで堅実な戦いが予想された。

<イタリア:4-5-1>
FW:トニ
MF:ペロッタ-トッティ-カモラネージ、ピルロ-ガットゥーゾ
DF:グロッソ-マテラッツィ-カンナバーロ-ザンブロッタ
GK:ブッフォン

<フランス:4-5-1>
FW:アンリ
MF:マルダ-ジダン-リベリ、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-テュラム-ギャラス-サニョル
GK:バルデス

決勝ということで落ち着いた試合になるようなことが予想されてたけどそんなことはなかった。序盤から局面での激しさがかなり目立った。試合開始早々にアンリが倒れたようなシーンもあったし、両チームの中盤にクラッシャーが揃ってたってこともある。
それにどちらも前線から積極的な守備をしてたのが印象的。寄せが速いだけに少しでも判断が遅れるとすぐに囲まれてしまうような状況だった。

フランスは攻撃の連動性がかなり増した。初戦のスイス戦でパスだけ回って最後のとこに誰も人がいないようなチームと同じチームだとは思えない。試合を重ねるにつれて連携面の成熟が図られたってことだろう。

まず、セカンドストライカー気味に動くマルダ。アンリと2トップ気味になることもあれば、アンリを追い抜いて積極的に前に飛び出していくような動きが見られた。1点目のPKにつながったプレーもアンリを追い抜いて飛び出したマルダがファールをもらったことで生まれた。それにしてもW杯の決勝の舞台でああいうPKを蹴れるジダンはさすが。

リベリもこの試合に関してはマルダと同じような役割を演じた。今まではドリブルの仕掛けでチームのリズムを変えるような場面が目立ってたけど、この試合ではグロッソにうまく対応されてしまった。そういうこともあってシンプルなプレーを心がけて、真ん中でのプレーをしたんだと思う。それでもときたま見せるドリブルはチームの攻撃にいいリズムを与えたと思う。

ジダンも途中運動量が落ちたものの、コンディションはよさそうだった。
フランスの中盤での構成はジダンを経由していく。しかも真ん中だけじゃなくて左右のいろいろなところに顔を出してボールタッチを増やしてリズムを作ってた。
ドリブルで何人も抜くというプレーは無いけど、キープ力はさすが。相手のDFを引き付けつつしっかりとタメをつくって味方を生かす。少ないタッチ数でボールをはたくシーンもあって相手は取り所に困ってしまった。最後は退場って形でジダンの現役が終わってしまったのは残念だった。

ただし、いい感じで攻撃に連動性が見れたのは後半の途中までだった。後半の最初はアンリが引いてきて相手が対応しきれない位置から1人でドリブルで打開するシーンが目立った。
最初はマルダとかリベリが前に入って収まりどころを作ったけど、疲れてきてからはアンリを抜いてくような運動量が消えてしまった。それでもアンリがサイドとか低い位置でプレーするから前に起点が作れなくて、中盤でパスが回るだけの状況になってしまった。まるでスイス戦を見てるような状況。イタリアとしては期待通りの展開になったと思う。

確かにフランスがボールを持ってるけど、最後のとこの決定的なチャンスはフランスに生まれなかった。延長に入ってトレゼゲを入れて2トップにしてきた。2トップの動きでスペースを作って、そこにジダンが飛び込んで決定的な場面が生まれた。

フランスの守備はラインをコンパクトに保って人と人の距離を縮めてスペースを消して、真ん中を固めた。これでイタリアはトッティが完全に消えてしまった。トッティが消えてしまったことでペロッタも消えた。

ペロッタはトッティとかトニにボールが入ったときに前線に飛び出すような動きでこれまでチャンスを作ってた。トッティに入らないことで真ん中をワンツーなんかで崩していくような攻撃が見られなかった。

その変わりにトニを狙うようなロングボールが目立ってた。それボールを供給するのは基本的にピルロ。いつも書いてるんだけどピルロは1枚下がった位置でフリーになれる。今日の試合は特にタッチ数が多かった気がする。そこからボールをちらしてゲームを組み立てたのはいつもの通り。

試合前の展望で、ここのピルロにフランスは誰が見るのか?ってことを書いたけど、普通の形でポジションが重なるジダンがつくって形だった。そこで最初にピルロにプレスをかけて、後ろでマケレレとかビエラがトッティを見てピルロ⇒トッティというホットラインが消えてしまったからロングボールが増えてしまった。

トッティとペロッタが完全に消えたこともあって、後半トッティ→イアキンタ、ペロッタ→デ・ロッシの交代を一気にしてきた。これでトニにボールが入るようになったけど、トニの落としに反応する味方選手が少なくて決定的なチャンスにはつながらなかった。

イタリアはカモラネージの運動量がかなり目立っていた。トッティとペロッタが完全に消えてしまったこともあって、中盤の前目の仕事は1人で担ってたような印象。守備の仕事もしつつゴール前にも出てきたり、前後左右いろいろなとこに顔を出してきた。ただそれでも決定的な仕事はさえてもらえなかった。

運動量という意味ではグロッソも評価したい。延長戦の最後まで前後の動きを怠らなかった。今日はザンブロッタとグロッソのサイドの上がりを活かしきれなかったのもイタリアの攻撃が単調になった要因だと思う。というかカモラネージとかSBの上がりをも含めてイタリアの後ろからの飛び出しにフランスのDFとボランチがしっかり対応してたって言える。

イタリアの同点ゴールはCKから生まれた。ピルロが高い弾道のFKを蹴ってマテラッツィの高さを生かした形。GKから離れてくサイドからのキックだったからGKは高い球でも出られなかった。マテラッツィに向けてピンポイントで落ちていくボールを蹴ったピルロの精度も改めて見せられた。

このシーン以外にもイタリアのCKは高さを生かしたものだった。戦前に書いてた通りフランスはセットプレーの守備を露呈。失点は1だったけどセットプレーは危ないシーンを作られた。

結果は1-1のPK戦でイタリアの勝ち。ジダンの退場もあって後味の悪い決勝になってしまった。

今日の試合でも両チームのDF陣の活躍は素晴らしかった。ガットゥーゾ、マケレレ、ビエラなんかは中盤でしっかり守備をする。最後のとこはテュラムとかカンナバーロが止める。さらにその後ろにはブッフォンとバルデスが控えてる。

やっぱり守備から入って勝ち上がってきた2チームらしい。そういう意味でも今大会のMVPはカンナバーロでお願いしたい。読みの深さ、出足の早さ、強さ、高さ・・・などなどDFに必要な能力を全て発揮してくれた。ネスタが途中から出られなくなっても、マテラッツィともいいコンビで優勝に貢献した。守備の大会ってことを象徴する意味でもカンナバーロでいいと思う。
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2006-07-09 Sun 06:21
ドイツW杯3位決定戦:ドイツ×ポルトガル
<ドイツ:4-4-2>
FW:クローゼ-ポドルスキー
MF:シュバインシュタイガー-ケール-フリンクス-シュナイダー
DF:ヤンセン-メツェルダー-ノボトニー-ラーム
GK:カーン

バラックとメルテザッカーが出場せずにGKもカーンでさらにクローゼもケガの不安があるってことで、全体的に不安なメンバーだった。バラックの欠場もあって中盤の形も変えてきた。

<ポルトガル:4-5-1>
FW:パウレタ
MF:シモン-デコ-Cロナウド、マニシェ-コスチーニャ
DF:Nバレンチ-Fメイラ-Rコスタ-フェレイラ
GK:リカルド

3位決定戦でこれまでの負けたら終わりという勝負ではないこともあって、前半から両者がトップギアで入ってきた。両者とも中盤での効果的なパスカットがいくつも見られた。ポルトガルはいつものようにボールの保持者に対するプレッシャーをしっかりかけていったと思う。

特にドイツに関してははホームということもあってモチベーションの高さが伺えた。序盤から積極的なプレッシャーをかけてきたと思う。そのプレッシャーも複数枚が連動して守備を行っていたから効果的だった。DFラインとその前の2本のラインがかなりコンパクトだったし本当に大会中の守備面での成熟は目を見張るものがあった。

CBが急造だったこともあってパウレタにウラをとられるような場面がいくつかあったけど、最後のとこはカーンがしっかり止めた。結果としてこの3位決定戦でのカーンの起用は大当たり。カーン自身にもチームにもモチベーションを高める働きをした。

ドイツはバラックの欠場を感じさせない動きだったと思う。バラックがいない分ボランチのケールが積極的に前線に飛び出していった。フリンクスが戻ってきたのも大きい。中盤での激しい守備で相手の攻撃をつぶしたし、運動量も最後まで落ちない。こぼれ球がフリンクスのことに行くって場面が目立ったことからも運動量の多さが見て取れる。

攻撃面ではシュバインシュタイガーが復活。運動量が多くて、後ろから守備に行くような場面が目立った。攻撃面ではさらにいい効果が生まれた。ドリブルで仕掛ける場面が目立ったし、ポジションチェンジも多く見られた。それに積極的なシュートから2点を奪った。
シュバインシュタイガーはまだ21歳、左サイド(今日は右サイドだったけど)でいい連携を見せてたラームも22歳ってことで、ドイツにとってはかなりの収穫だった。

クローゼもケガの影響を感じさせないプレーを見せた。得点王がかかってるってことで強引に打つような場面もあったけど、サイドに流れてドリブルで仕掛けたり、下がってボールを受けたりと、前ではってるだけの選手ではなくなった。
一番強調すべきなのはボディーバランス。ファールをされても倒れない強さを見せた。

攻撃陣が調子のよさを見せた中でポドルスキだけが消えてしまった。ベストヤングプレーヤー賞に選ばれたらしいし、それに相当するプレーも見せてた。あとはいいパフォーマンスをコンスタントに見せるってことが課題。

ドイツは前半は何度もセットプレーのチャンスがありながらそれを生かすことができなかった。
それでも2点目はFKから。意表をつくシュート気味のボールだった。速いボールがDFとGKの間に入ってきたことによってDFが戻りながら守備をしなければならなくなった。それがオウンゴールのつながった。

ポルトガルの攻撃は前回のフランス戦と比べてかなりの改善が見られた。前回は個人の力だけに頼るだけの淡白な攻撃が目立ったけど、今日の試合はボールを持った選手以外の選手もしっかり動いて連動した攻撃が見られたと思う。両SBの上がりがかなり積極的になってたし、Cロナウドも前回よりも頻繁にポジションチェンジを繰り返していた。

Cロナウドは右サイドを基本の位置としながらも、逆サイドでプレーしたり、トップ下気味の位置にいったり、パウレタと2トップ気味になったりとかなり自由にやってたから相手も捕まえにくかったと思う。周りの動きが活発だったこともあってシンプルにはたく場面も増えててよかったと思う。

デコもコンディションも完全に上げてきた。運動量に改善が見られて、色々な場所に顔を出してボールのタッチ数が多くなった。デコを経由することによってリズムにのったパス回しが見られるようになった。それにロングボールの精度もいいから、サイドチェンジなんかで相手の厳しいプレッシャーを回避するような状態をつくれた。
ただ、やっぱりデコはもっと高い位置でプレーしてほしかったってのが本音(ドイツのプレッシャーがきつかったからしょうがないけど)。

今日の試合ではマニシェも似たようなプレーができた。デコにマークが集まったり、1個下のポジションでプレーしてるってこともあって比較的フリーでボールを処理できる。デコよりも長短のパスバランスよく散らすような場面が多くて、実質的なゲームメイカーはマニシェだったっていえる。いつものようにDF面での貢献やゴール前への飛び出しも見られた。

今大会の自分的MVPはマニシェ。いい感じの攻撃を組み立ててたんだけど、失点後はこういういい部分が消え始めてしまったのが残念だった。運動量が落ちてしまったってこともあるけど、前回の試合を見ても失点後の焦りがでやすいチームだったっていえるかもしれない。
運動量の面だと途中から攻守の切り替えが遅くなってしまったのも気になった。ただ、これが7試合目で前回の試合と中2日ってことで仕方ない部分もあった。

フィーゴはおそらくW杯最後の試合。この試合でアシストを見られたのは幸せだった。DFとGKの間に速い球を通して、ファーのヌノゴメスに合わせた。狭いとこを通す技術はさすがだった。一応、ニアにCロナウドが走りこんでヌノゴメスをフリーにさせようっていう動きをしたけど、この得点はほとんどフィーゴのものってことで。

ポルトガルの守備面ではDFラインの前のスペースが気になった。DFリーダーのカルバーリョが出場停止だったってこともあるかもしれないけど、ボールの取り所がはっきりしなくてズルズルとDFラインが下がってしまう場面が目立った。そこのスペースをドイツにドリブルとかミドルシュートの形で使われてしまった。
これが1・3失点目につながってしまったのは残念。前半でも目立ってたし、少なくとも1失点目で修正してもらいたかった。

この2チームは若い選手も多くて将来有望。この大会がかなりいい経験になったんじゃないかと思う。一方でフィーゴとかカーン、レーマンといったベテラン勢もいいプレーを見せたくれた2チームだった。バラックとかデコあたりの世代と組み合わせて、世代の融合がうまくいった2チームだったって言える。
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2006-07-08 Sat 17:04
決勝戦展望
自分の過去の記事を見返して、フランスとイタリアの試合内容について復習してみた。

■フランス
・ビエラの攻撃参加。
・真ん中から崩す形が多い。
・セットプレーの守備に?
・真ん中はギャラス、テュラム、マケレレ、ビエラががっしり固める
・中盤からの飛び出しが増えてアンリの孤立っていう状況が解消されるある。
・リベリがパス主体のチームの中でドリブルでリズムを変える

■イタリア
・ピルロ→トッティのホットライン
・ピルロは比較的プレッシャーのない状況でプレーできる。
・ピルロのタメ。
・SBの攻撃参加。
・SBはライン際を上がらずに、中に絞り込んでくる。
・ペロッタのFWを抜く動き。
・真ん中はワンツーで崩す。
・トニにくさびが入る。
・3ボランチと4バックで最後のところの仕事をさせない。
・サイドからの攻撃には対応がやや遅れる。


適当に箇条書きするとこんな感じ。

フランスとしてはピルロの対応に誰が行くかってことをはっきりさせたい。ポジション的にはジダンがぶつかるけど、ジダンに対応させるのか?ビエラが少し出てきて対応するのか?その辺の意思統一がほしい。
それからボールの取り所もチームとして考えたほうがいい。トッティはシンプルにパスを出してくるから取り所がないと思う。
そう考えると、ピルロ→トッティのホットラインを消すのが現実的かも。

イタリアはアンリとジダンの個人技に注意しとけば危ないシーンをつくられることは少ないと思う。攻撃は相手の真ん中の強いところを避けて、サイドから行ったほうがいい気がする。

どちらも守備を中心にして勝ちあがってきたチームだからロースコアの決着がよそうされる。試合展開としては中盤でパスを回すフランスと、それを受けつつカウンターを狙うイタリアって構造になりそう。
それでもフランスは中盤でパスを回すだけで前にボールを入れさせてもらえないだろうし、イタリアのカウンターもビエラ、マケレレを中心として早い場所でつぶされちゃうと思う。
結局相手のストロングポイントを消しあう試合になると思う。
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2006-07-06 Thu 06:23
ポルトガル×フランス
<ポルトガル:4-5-1>
FW:パウレタ
MF:フィーゴ-デコ-Cロナウド、マニシェ-コスチーニャ
DF:Nバレンチ-Fメイラ-カルバーリョ-ミゲル
GK:リカルド
       
<フランス:4-5-1>
FW:アンリ
MF:マルダ-ジダン-リベリ、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-テュラム-ギャラス-サニョル
GK:バルデス

両方ともこれまでの試合のように、まずは守備から入るっていう試合展開だった。だからどちらもゴール前までは組み立てられるけど決定的なチャンスは作れない。ポルトガルは相手のボール保持者に対して常にプレッシャーをかけてたし、フランスの組織的な守備と最終ラインの選手の集中力はすばらしかった。
特にフランスはジダンも守備に参加するようなときもあって守備意識がかなり高いってことを感じた。しかも相手がドリブルで仕掛けてくるにも関わらず、ファールをしないで止める。ポルトガルはいい場所でのFKをもらえなかった。

フランスはCロナウドに2枚をぶつけて対応してた。ビエラがサイドに流れてきてCロナウドとかフィーゴの対応をするような場面が目立った。だから、簡単に真ん中のデコにはたけば中にスペースがあった分デコからチャンスが生まれた可能性もある。とはいっても、デコにはマケレレがしっかりついて対応してたけど。

デコは前目のポジションだとプレッシャーきついこともあって、少し下がった位置から攻撃を組み立てる場面が目立った。そういうとこからだと全体が見渡せてボールのちらしが上手くいくってメリットがあるけど、前の人数が単純に減ってしまうっていうデメリットの方が目立った。
中盤で効果的なカットをしても、前にはCロナウドとパウレタしかいなくてCロナウドがドリブルで持ち上がってる間に囲まれてシュートを打つしかないとか、攻撃を遅らされて守備の陣形をしっかり作られてしまうって場面が目立った。

ポルトガルとしてはパウレタにボールが収まらなかったってのも痛かった。これが押し上げが間に合わないことにつながった。マニシェのミドルが1本しかないってことにそれが現れてる。バルデスのキャッチに不安定なところがあったから、もっとミドルを狙ったら面白かった。

ポルトガルの攻撃で痛かったのが個人の力に頼るものになっちゃったこと。基本的にCロナウドの個人技に全てを任せるって形になってしまった。ちなみに今日の試合ではCロナウドが中に切れ込むシーンが多かった。たぶんフランスの戦術だと思う。
いつもならCロナウドとフィーゴに対してはSBが上がってきてその攻撃をフォローするんだけど、今日は単発の攻撃が目立った。

そういう意味でもミゲルの途中交代が痛かった。ある程度まではいけるのに最後のとこで仕事ができないことも含めて、EUROの決勝を思い出すような試合展開になってしまった。

前半はデコが攻撃に絡んでリズムを作るってシーンが少しは見られたけど(中盤での速いパス回しもあった)、後半はそういう形が全く見られなくなってしまった。

中盤にスペースがかなり空いてた印象。だから後半は中盤でパスがつながりにくくなってサイドへのロングボールが目立った。
前回の試合が延長になったこともあって疲れが残ってたのかもしれない。前線でのポジションチェンジもいつもより少なかった気がする。そんな中でもマニシェの前後左右への運動量は目立ってた。

ポルトガルの守備もしっかりやってた印象。アンリへのくさびは入れさせないように対応して、アンリは引いてきてボールを受けなければならないような場面が多かった。
これまでならこれで前線に起点がなくなったフランスはパスが回るだけでチャンスが作れない状況になってた。

それがこの試合では前にしっかりと起点をつくれてた。マルダがセカンドストライカー気味にアンリを抜い前に出るようなプレーも見られた。リベリにもそういうシーンがあったし、前までの試合のように前線でアンリが孤立するっていうシーンがなくなっていた。こういう感じで前に起点ができる分、ビエラとかの上がりも見られるし厚みのある攻撃ができたんじゃないかと思う。

どちらも守備の組織がしっかりしてる中で均衡が破られたのはジダンのPKだった。このPKになったファールは、アンリの深い切り替えしに対応し切れなかったカルバーリョが足を出してしまったって感じ。あの場面で逆方向に抜け出そうとするアンリのアイディアと足首の柔らかさには驚かされる。
この場面以外でもポルトガルのDFがエリア付近でのアンリの切り返しに対応し切れてない場面が目立った。

結果としてこの試合の差が出たのは、ジダンとデコ、パウレタとアンリに尽きる。ジダンはボールタッチを多くして高い位置でプレーできたのに対して、デコは完全に消されてしまった。これはフランスの守備をほめるべき。

パウレタとアンリについては1人での打開能力。パウレタは周囲との関係性の中で仕事をする選手だし、この試合は足にボールがついてなくて起点になれなかった。ここも前を向かせなかったフランスの守備がよかった。
対するアンリは1人でも仕事ができる。PKもアンリ1人で取ったもの。

決勝はイタリア×フランス。どちらも守備から入るチームで今大会を象徴してる。ジダンに有終の美を飾ってもらいたいのでフランスを応援しようかな。
3位決定戦はもちろんポルトガル応援で。カルバーリョが出場停止で相手がホームのドイツってことで厳しい面も多いけど、なんとかしてほしい。
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2006-07-05 Wed 17:05
今野移籍?
FC東京の今野にセリエAカターニャ移籍の噂。
これはうれしい限り。確かに昇格したばっかのチームってことで微妙かもしれんけど、逆に言えば主力になれる可能性が高い。

今野はこの後の日本代表で確実に核になってくるって勝手に思ってる。
今回のW杯でベスト4に残ったチームには、フリンクス(ド)、マケレレ(フ)、マニシェ(ポ)、ガットゥーゾ(イ)ってな感じで中盤で攻撃の芽をつむ選手がしっかりいる。

今後の日本代表を考えたときに目指す方向はアメリカ戦でのチェコのサッカー。連携面での成熟とフリーランニングを繰り返す(オシムはこういう方針だろうから)サッカーを目指すべき。
個人的にかなりお気に入りな4-1-4-1のシステム登場。今まで何度も書いてきたから詳しい説明は省略。
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-58.html
(参照)

このシステムで重要になってくるのが中盤の底の“1”のところ。豊富な運動量と高い守備力が要求される。ってことでここの人材として今野に期待してるわけ。

本当は今回のW杯に出場して欲しかった。だから、メンバーが発表されたときに一番悲しんだのが今野の落選(正確にはその前のキリンカップで招集されなかった時点で悲しんだわけだけど)。ここで経験できなかった分、セリエAでもまれて成長してきてください。たぶんオシムは今野を呼ぶと思うし。
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2006-07-05 Wed 07:30
ドイツ×イタリア
ドイツは4-4-2。いろいろあってフリンクスが欠場ってのはかなり痛い。変わりにケールが入ったけど、個人的にはフリンクスはバラックよりもクローゼよりもドイツにとっては代えが聞かない選手だと思ってたので。
それから調子を落とし気味のシュバインシュタイガーに変わってボロウスキが先発。

イタリアは4-5-1。マテラッツィが戻ってきた以外は、ウクライナ戦と同じメンバー。

前半から中盤で両チームのプレスが効いていた。それだけに攻守の切り替えが速いスピーディーないい試合になった。
ドイツは前回のアルゼンチン戦と同じような連動した守備ができていた。FWが相手の背後から来て、挟み込んでボールを奪うって場面が目立った。イタリアもいつもとは違って前線からボールを追っかけてた。
でも、両チームとも後半には運動量の落ちが目立った。特にイタリアは深刻だったと思う。というか、ドイツの運動量が異常だったっていえるかも。

バラックは味方のゴール前から敵のゴール前まで顔を出すし、ラームは上下動を何度も繰り返した。ガットゥーゾの足がつるような試合展開でのドイツの運動量は評価できる。

イタリアは途中から中盤でのプレッシャーがかからなくなっても最後のとこでしっかり守るあたりはさすが。今大会はカンナバーロが冴え渡ってる。

イタリアの攻撃はピルロを経由して組み立てられる。ドイツはフリンクスの欠場の影響もあってか、ここんとこに全くプレッシャーがかかってなかった。そのピルロは速攻時はすぐにトッティを見る。前線に人数が足りてないときは、ピルロがキープして味方が上がる時間をつくることができる。

攻撃のパターンとしては真ん中から攻める場合とサイドから攻める場合(大抵そうだけど)。
真ん中から攻撃するときはワンツーなんかを使って少ないタッチ数で相手を崩してく。しっかりとトライアングルを形成してパスコースを作るし、フリーランニングも怠けない。
サイドを使うのはSBの攻撃参加。SBの上がる前のスペースにピルロとかからロングボールが放り込まれるパターンが多い。

あとこの試合で目立ったのがウラを狙う形。最初はトニに入れたとこから組み立てたとこから攻撃を始めようとしたけど、相手がしっかりと対処してきて上手く収まらない。その後はトニがサイドに流れてボールを引き出そうとしたけど、中がうすくなっちゃうからあまり使えない。

ということでウラを狙う攻撃に切り替えた。ドイツの1戦目を見る限りウラへの攻撃に弱そうな状況だったし、こういう攻撃を繰り返して相手のDFラインを下げてトッティの前にスペースを空けようって狙いがあったかもしれない。
ウラを狙うものとしてはペロッタの後ろからの飛び出しが目立った。トニが相手のDFラインと駆け引きをしてるから2列目から出てくるとオフサイドになりにくくて効果的。後半はペロッタの運動量が落ちてしまってこういう攻撃が少なくなってしまったのが残念だった。

ドイツは前半はポドルスキにボールを入れる場面が目立った。左右に流れてボールを引き出す動きをしてた。
でも、あんまり効果的な攻撃が組み立てられなかったこともあって後半は単純にクローゼにくさびを入れるような攻撃になった。相手のDFラインの前にスペースができてたこともあって、クローゼが落としたボールはドイツに入りやすかったはずなのにそこを上手く活用できてなかった。

それからクローゼが低い位置とかサイドで受けて、ドリブルで突破してくシーンも目立った。一応、チャンスにはつながったけどやっぱりクローゼはゴールに近いとこでのプレーが怖い選手だと思う。

バラックの前への飛び出しもいつもより見られなかった。今日は低い位置からゲームを組み立てるような場面が多かった。味方のゴール前で守備をするような場面もあったし、フリンクスの欠場でいつもより守備的な役割が求められたかも。
それでもバラックがゴール前に出てくるとチャンスにつながった。上に書いたとおり、相手のDFラインの前にスペースがあったからもっとミドルを狙ってもよかった気もする。

攻撃の起点はシュバインシュタイガーが出場してないこの試合も左サイド。こっちのサイドに起点を作ると、逆サイドのシュナイダーが空くって場面も目立った。ただ、ボロウスキとラームのコンビネーションはシュバインシュタイガーとラームよりは見劣る感じ。
シュバインシュタイガーも途中出場してきたけどいい動きだったとは言えない。相手に研究されてるってのもあるだろうし、調子落ちってことが言えそう。

シュバインシュタイガーとオドンコルの途中出場は運動量の落ちた相手には有効なはずだったんだけど、あんまりうまくいかなかった。

イタリアはかなり多くのセットプレーのチャンスがあった。CKに関してはゴール側に巻いてくるボールはレーマンが出て処理してた。
1点目はやっとCKのチャンスを生かしたって感じ。ゴールから離れるボールでレーマンが出られない形だった。
CKからの流れでピルロがこぼれ球をキープした。そのピルロに相手のDF3人が引き寄せられて、そっからノールックパスがフリーのグロッソにわたった。
ダイレクトで逆サイドに決めたグロッソの技術もすごい。

この失点で前がかりにならざるをえなかったドイツに対して、イタリアはカウンターで追加点。これで勝負は決まった。
トップのジラルディーノに簡単にボールを預けて、そこに相手のDF3枚を引き付けた。それで後ろからかなり長い距離を走って出てきたデル・ピエロが完全にフリー。後はデル・ピエロの得意の角度を決めるだけだった。
結局2点目は途中交代の2人でとった形。リッピ采配ぴたり。

今回の大会は得点の数がかなり少ないらしいけど、それを象徴するような試合だった。守備の戦術がしっかりしてたってことだと思う。そう考えると決勝も守備から入れるイタリアが有利なのかもしれない。
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2006-07-03 Mon 14:13
グループリーグ反省会
今さらだけどやってるときがなかったもんで。()内は予想。

■A:1位ドイツ・2位エクアドル(1位ドイツ・2位コスタリカ)

ドイツ:順当に1位抜け。試合を重ねるにつれて連携面が改善されてった。
コスタリカ:1戦目を見たときは結構やれると思ったけど、組み合わせの順番が悪かったかな。
エクアドル:ホームでしか勝てないって話を完全に払拭。中盤の構成力、サイドからの攻撃ともに脅威だった。
ポーランド:試合を見れなかったから、なんとも言えない。

■B:1位イングランド・2位スウェーデン(1位イングランド・2位スウェーデン)

イングランド:内容はいいとは言えない中で結果はしっかり残して1位通過。
スウェーデン:イブラヒモビッチがイマイチ乗り切れず、チャンスを作りつつも得点をとれない悪循環。それでも2位通過するあたりはチーム力の高さか。
パラグアイ:期待はずれだった。堅守って面ではそうなんだろうけど、そっから攻撃に向かう方向が見えていこなかった。
トリニダード・トバゴ:大健闘。守備から入るっていう戦術が徹底されててチームとして成熟してた。攻撃も1枚下がったヨークを中心に組み立てられてた。

■C:1位アルゼンチン・2位オランダ(1位オランダ・2位コートジボワール)

アルゼンチン:中盤の構成力っていう持ち味を存分に発揮。
オランダ:サイドからの攻撃を中心に、らしいサッカーをしてた。
コートジボワール:個人の能力に頼るだけのサッカーではなくいいチーム。組み合わせが悪すぎた。
セルビア・モンテネグロ:このグループで一番安定して力を出せると思ったけど、完全に崩壊してしまった。

■D:1位ポルトガル・2位メキシコ(1位イラン・2位ポルトガル)

ポルトガル:スコラーリによってもたらされた組織的なサッカーが成熟してきた。これまでのような個の力もうまく融合。
メキシコ:堅実なサッカーで2位通過。
イラン:メキシコ戦の前半まではよかったんだけど。カリミの不調が響いた形。
アンゴラ:試合は見てないからコメントは控えとく。

■E:1位イタリア・2位ガーナ(1位チェコ・2位アメリカ)

イタリア:国内の騒動を感じさせない。なんだかんだ言って守備は堅実。
ガーナ:ノーマークだった。どれだけ走っても落ちない運動量が魅力。
チェコ:1戦目のサッカーを見てかなり期待できると思った。その1戦目でのコラーの負傷が痛かった。
アメリカ:ハッキリ言って期待はずれ。1戦目しか見てないけど、なにも出来なかった印象。

■F:1位ブラジル・2位オーストラリア(1位ブラジル・2位オーストラリア)

ブラジル:コンディションを上げないままに3連勝でグループリーグ通過。
オーストラリア:ヒディンクの攻撃的な采配が的中した。
クロアチア:当たる順番に恵まれなかった。初戦で勝ち点が計算できないのは痛い。
日本:世界との差を実感したW杯になった。

■G:1位スイス・2位フランス(1位フランス・2位韓国)

スイス:堅実なサッカーで1位通過。守備から入るチームだから大崩が少ない印象。
フランス:低調な感じだったけど、グループに恵まれて通過。
韓国:いいプレーを見せてた。予想以上にスイスがいいチームだったからしょうがない。
トーゴ:試合前に色々ありすぎて終わってた。

■H:1位スペイン・2位ウクライナ (1位スペイン・2位ウクライナ)

スペイン:珍しくチームとしてまとまってた。若手が多いチームで勢いに乗れた印象。
ウクライナ:初戦こそ4失点だけど、その後は固い守備で通過。
チュニジア:サウジはあんま印象に残ってない。

全体を通して順当な結果だった。各組のシード国が上がったし、波乱と言えばチェコが落ちたことぐらい。アジアは1つも残れず、次の出場枠への影響は必至。

一応グループリーグが終わったときの印象を書いたけど、もう今までの結果を知ってるだけに、そういうことも影響してるかも。
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2006-07-02 Sun 06:32
ブラジル×フランス
98年の決勝と同じカード。フランスは調子を上げてきたようだし面白い試合が期待できた。

<ブラジル:4-5-1>
FW:ロナウド
MF:ジュニーニョ-ロナウジーニョ-カカ、ゼ・ロベルト-シウバ
DF:ロベカル-ルシオ-フアン-カフー
GK:ジーダ

アドリアーノが外れた。途中交代で出てきたのを見るとケガって事は無いだろうから、ロナウジーニョを生かすシステムにしてきたのかも。フランスとの中盤勝負に真っ向から挑んできた味方もできる。

<フランス:4-5-1>
FW:アンリ
MF:マルダ-ジダン-リベリ、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-テュラム-ギャラス-サニョル
GK:バルデス

結果として中盤を厚くしてロナウジーニョを生かそうとした(と思う)システムがチームを殺してしまった印象。ロナウジーニョが中途半端な位置、プレーでチームとしての連動性がなくなってしまった。ロナウジーニョはFWとして得点を取ることに重点を置くのか?MFとしてゲームを作ることに重点を置くのか?はっきりしなかった。純粋なFWがロナウドだけになったから前線でロナウドが孤立してしまう場面が目立った。

さらに前線のターゲットがいないからボールが前に収まらない。いつもはそこのキープの間に後ろからの飛び出しが生まれて、攻撃に連動性や厚みが出るようなチーム。ロナウジーニョが前で待ってたし、3ボランチ気味になってたこともあって中盤からの決定的なパスも供給されなかった。

それからロナウジーニョが低い位置からドリブルで仕掛けることによって得られるセットプレーのチャンスも少なくなってしまった。
ロナウジーニョはボールタッチを増やしてリズムに乗ってくタイプの選手。この試合は前半にほとんどボールに触る機会がなかった。

途中からアドリアーノを入れてロナウジーニョを本来の位置に戻し、アドリアーノにくさびが入るようになったけど手遅れだった。
ボランチの攻撃参加も見られたけど、ドリブルで持ち上がるっていう単発のものになってしまった。SBの上がりも1人での打開になってしまって、クロスを入れたとしてもそこにはロナウド1枚って場面が目立った。ロナウドがコンディションを上げてきて運動量も増えてただけに、こういう攻撃になってしまったのは残念。

こんなロナウジーニョとは対称的にジダンはボールを触る場面が多くて上手くゲームを作っていた。テクニック、キープ力、展開力、などなどどれをとっても超一流ってことを再認識した。ジダンは1タッチで必ず前を向ける位置にボールを置く。前を向くと前線の選手が動き出してボールを引き出す。そこにスルーパスを通そうって意図があったけど、微妙にずれてうまく行かなかった。この辺は一緒にプレーする時間が長くなれば解消してきそう。

中盤でタメを作れるのも大きい。周りの選手が自由に動くことが出来る。欲を言えばもっと前に飛び出してゴールを決めるようなプレーも欲しい。初戦のスイス戦より(フランスの試合はこれしか見てないので)も完全にコンディションを上げてきてる。さすがに7試合戦うように体を作ってきたっていうだけある。

序盤は両チームの攻守の切り替えが速い展開になった。どちらも中盤で守備をして相手にプレーをさせないようにしていた。

時間が経つにつれてブラジルはいつものような守備の方法に切り替えた。ある程度まではプレッシャーをかけて自分たちの守備の形ができたら引いて最後の所で止めるってもの。
両SBが高い位置をキープしてそのフォローにボランチの選手が入るってのもいつもと同じだった。

ブラジルは相手のFK時はかなり浅いラインをしく。GKとラインの間にかなりのスペースが空いている。ここを突かれて失点につながった。

この失点の場面ではブラジルの守備陣の集中力が散漫になってたって印象。オフサイドトラップを仕掛けるでもなく、ゴール前に飛び出す相手についていくわけでもなく最後のとこでは相手のほうが人数が多いって状況を作られた。

そんな中で一番遠いとこでよりによってアンリをフリーにしてしまった。FKの前の場面を見ると、アンリにつくはずのロベカル(?)がひざに手をついていて守備に参加してない。どうしてこういう状況になったのか分からないけど、ここの守備に対する意思統一が図られてなかったような印象を持った。

その他の場面では飛び出すフランスの選手に対して、しっかりマークについて対応してた。それからCKのボールに関してはジーダが出るって場面が多かった。

フランスも1-0で勝ったものの、得点はセットプレーから。得点力不足が解消されたとは言えない。初戦の時も書いたとおりボールを回してるだけって場面が多い。もっと積極的なゴール前への飛び出しが欲しい。

これはこのシステムで本来ゴール前に飛び出すべき位置にいるジダンがゲームを作ってることが原因で起こる。だから2トップにしてもっと前線にターゲットを置くべきだと思う。
サイドからのクロスを上げたときに中がアンリ1枚ってことが多い(この辺は今日のブラジルと同じ感じ)。後半途中からアンリがサイドに流れて中にリベリが入ってくるって場面が見られたのはよかった。

フランスのマケレレとビエラのボランチ2人は効いてた。どちらも中盤での守備をしっかりして相手の攻撃の芽を摘み取る。さらにビエラは積極的に前線に飛び出して攻撃参加をしていた。これが前の選手とかみ合ってくるとこわい攻撃になると思う。

この試合でベスト4が出揃った。ドイツ、イタリア、ポルトガル、フランス。4チームともヨーロッパのチーム。やっぱり地の利は大きいってことだろう。
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2006-07-02 Sun 03:36
イングランド×ポルトガル
以前から応援してきた2チームがベスト8で当たってしまった。マンUのファンとしてはベッカムとCロナウドの新旧7番対決にも注目。

<イングランド:4-1-4-1>
FW:ルーニー
MF:Jコール-ランパード-ジェラード-ベッカム、ハーグリーヴス
DF:Aコール-テリー-ファーディナンド-Gネビル
GK:ロビンソン

今回もルーニーの1トップでスタート。やっぱりベンチにカードを残しときたいってことだと思う。

<ポルトガル:4-5-1>
FW:パウレタ
MF:フィーゴ-チアゴ-Cロナウド、マニシェ-ぺティ
DF:Nバレンチ-Fメイラ-カルバーリョ-ミゲル
GK:リカルド

ポルトガルはデコとコスティーニャが出場停止でCロナウドの状態も?さらに、ほとんどの選手がイエローを持ってるっていう苦しい状況。スコラーリがどう出るのか見ものだった。

試合の前半は落ち着いた入りだった。昨日の2試合に比べると、この試合だから特別に何かするとかじゃなくてしっかりとボールを回してからの組み立てだった。とはいっても、どちらもコンパクトで中盤でのプレッシャーをサボらないから中盤で組み立てるってのは難しかった。

だから自然とロングボールが増えた。でもこのロングボールも怖い攻撃につながらなかった。イングランドのルーニー、ポルトガルのパウレタのどちらもターゲットってタイプの選手じゃない。それに加えて両チームのCBがしっかりした対応をしてたからロングボールが前に収まるってことが少なかった。
これはどちらかっていうとポルトガルが深刻だった気がする。今大会のポルトガルの1つの形としてマニシェの攻撃参加ってのがあるんだけど、パウレタにボールが収まらないからマニシェが前に飛び出せなかった。
イングランドはランパードとかからのロングボールはつながらなかったけど、ルーニーが下がってきたりしてボールを受けて2列以降の飛び出しを助けた。

両チームともサイドに起点を作る場面が多かった。どちらもそういう攻撃を得意としてるってこともあるし、真ん中のとこのプレッシャーがきつかったってのもありそう。どちらもサイドいっぱいにワイドに選手が開いた。

まずはイングランドについて。
両SBの積極的な攻撃参加が目立った。

右はGネビルとベッカムの関係。前半の最初の頃はジェラードがサイドに流れてきて、右サイドの攻撃が多くなった。ジェラードがサイドに流れると、ベッカムとジェラードのどちらかが比較的フリーになれた。そんな中でベッカムが早めにルーニーにグラウンダーで入れようっていう攻撃が見られた。時間が経つにつれてそういう攻撃があまり見られなくなったけど、1つの形として機能してただけにもっと積極的に使っても良かった気がする。
左サイドもAコールとJコールの関係で仕掛けようとする場面があったけど、相手のミゲルがかなり高い位置で押し込んでたこともあって、左からのいい攻撃はあまり見られなかった。

後半のはじめにベッカムの負傷もあってレノンを投入。スピードにのったドリブルでベッカムとは違う色を出した。レノンの仕掛けには相手が対応できなくてほとんどがチャンスにつながった。途中で10人になってから攻撃の数自体が少なくなっちゃったこともあるけど、もっと使いたかった。

ポルトガルのサイド攻撃。
ポルトガルは左SBのミゲルの攻撃参加がかなり目立つ。基本的にはフィーゴが右サイドを担当してるから、そことの関係で攻撃を組み立てる。ミゲルが高い位置を取ってくるのでその後ろの守備ってのも重要になる。その辺はCロナウドとかがしっかり守備までこなす。プレミアでの経験が生きてると思う。

Cロナウドはサイドで持ったら仕掛けてく。
Cロナウドは途中のパウレタ⇒シモンの交代でトップの位置に。でも前後左右からのプレッシャーを受けるとこだと、らしいプレーが見せられなかった。その後のフィーゴ⇒ポスチガの交代でサイドの位置に戻ってからはもとのようなプレーを見せてくれた。

このサイド攻撃に対してイングランドはハーグリーブスがサイドに出て対応。4-1-4-1の形でボランチがサイドに引っ張り出されると真ん中にスペースが空いてくるんだけど、その辺はラインをコンパクトにしてジェラードとランパードがしっかり対応してた。

フィーゴとCロナウドについてはサイドから中に切れ込んでくるようなシーンも目立った。そういうときはパウレタが外に流れるような動きをしてドリブルをするスペースを空ける。

ポルトガルはデコの欠場がやっぱり痛かった。攻撃を組み立てる選手がいないし、決定的なパスを送れる選手がいない。相手が1人少なくなって完全に引いてしまうと崩す方法がなくなってしまった。デコがいなかったグループリーグでの試合を見ると基本は守ってカウンターって形だった。だから引いて守られるってことを想定してない。少し下がり目のマニシェを中心にサイドへの大きな展開を織り交ぜて、相手のDFをずらそうとしたけどうまく行かなかった。
最後のとこではやっぱり個の力に頼らざるを得なくなった。それでも相手のDFが次から次へと出てくるから切りがない。

ポルトガルは前半からかなりボールを回してキープしていった。これを見てモウリーニョの“ボールを使った休憩”ってのを思い出した。このチームの基本はモウリーニョが率いてたポルトだと思う。
ポルトと同じように相手の中盤に対してはしっかりプレスをかけるような戦術をとってたる。だからこそ、自分達の体力を温存するために“ボールを使った休憩”が必要になってくる。
DFラインでボールを回しつつ、徐々に押し上げを図る。ある程度の位置までいってもボールをキープできるのはさすが。このボールキープってのは徹底されてて、FKもゴールから遠い位置では放り込まずにしっかりつないでいた。
ボールを使った休憩については前に書いてる↓
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-96.html

http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-97.html


イングランドも10人になってもあきらめない戦い。ルーニーの一連の行為がレッドに値するかどうかは微妙。それまで均衡したいい試合をしてただけにこのレッドで試合の流れを変えてしまった。前から何度も言ってるように、審判が試合の流れを変えるって展開は絶対にやめてほしい。

全体を通してはハーグリーブスがかなり目立った展開。守備では要所要所を押さえて、積極的な攻撃参加でチャンスも作った。
ただ、この攻撃参加については疑問。普通のチームでボランチが攻撃参加するってのは問題ないんだけど、イングランドはランパードとかジェラードの攻撃力を生かすために中盤の底に守備的な選手を置いてる。ハーグリーブスの上がりによってジェラードとかランパードが下がってバランスを取るのは本末転倒。逆に言えばその2人にマークが集中してハーグリーブスがフリーで上がれたともいえるけど。もう少し前の2人を生かすようなプレーが欲しかった。

それでも4人を横に並べた中盤は2トップのときよりは機能した。ルーニーに入ったときにジェラードとかランパード、Jコールあたりが前に飛び出して攻撃に厚みを加えてたように思う。ランパードは結局最後まで精彩を欠いたままだった。この試合でも決定的なチャンスを外してしまった。チェルシーと違って自分のリズムで攻撃参加できないってのが影響してそう。

10人になってからのイングランドの攻撃はクラウチ中心。引いて守ってロングボールでクラウチを狙うっていう単純なもの。ある程度ずれてもクラウチが懐の深さでキープした。ポルトガルのDFがあまり寄せてなくて自由にやらせすぎな気もしたぐらい。クラウチは基本的に前線で孤立してたけど、十分なキープ力で味方の上がりを待つことができた。1トップにするなら最初からクラウチを入れて、こういう攻撃をしても良かった気がする。

PK戦はリカルドの独壇場って感じだった。全てのキックに反応してたから、リカルドの能力もあるけど、情報戦でもポルトガルが勝ってたんじゃないかと思う。

ポルトガルは準決勝進出。ずっと応援してきたチームだから素直にうれしい。ただイングランドがここで消えるのはもったいない気もする。
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2006-07-01 Sat 06:14
イタリア×ウクライナ
<イタリア:4-5-1>
FW:トニ
MF:トッティ、ペロッタ-ピルロ-ガットゥーゾ-カモラネージ
DF:グロッソ-バルザリ-カンナバーロ-ザンブロッタ
GK:ブッフォン

試合開始早々にイタリアが先制。ドリブルで持ち上がって、そのままシュートを打った形だった。
ウクライナのDFラインの前に深刻なスペースができてしまっていた。このゴールの前にも(前半5分にして)何度もドリブルで持ち上がられる場面があった。

前線での守備とDFの守備に意志の統一が図られていなかったんだと思う。前線では前回の試合と同じように積極的にプレッシャーをかけようっていう意図が感じられた。ただそこのプレッシャーをかいくぐってイタリアの選手が抜けてくると、DFラインがズルズルと下がっていってしまった。だから、せっかく前線での守備をしてもライン間の距離が遠くてボールの取り所が無く、効果が薄くなってしまった。さらにDFラインが下がったことで、積極的に前に出る中盤との間にスペースができたってこと。

この得点のシーンにもあったようにトッティからのシンプルなパスはチャンスにつながる。トッティとのワンツーで前線に抜け出してくっていうプレーが目立った。トッティにボールが入るとどうしても相手の選手がそこに引き寄せられてしまう。それだけにこういうプレーで抜け出す選手はフリーの状態でボールを受けることができる。

大事なのはパスを出した選手がめんどくさがらずにリターンパスを引き出す無駄走りをするってこと。このトッティの細かいパスとピルロからの大きな展開がいい感じに混ざってる気がする。

2点目はセットプレーから。
ショートコーナーを使ったことで相手の目線を引き付けて、マークがずれた。トニに簡単に前に入られすぎだった。この得点の前にイタリアは流れを奪われていたけど、ここのセットプレーでそういう悪い流れも完全に払拭した。

3点目はザンブロッタの攻撃参加から。
1点目もザンブロッタのシュートだったし、グロッソも含めてSBの攻撃参加がかなり活発。このシーンではザンブロッタが狭い局面を抜け出して、エリア内にドリブルで進入。ラストパスを受けたトニは触るだけだった。
このシーンに限らず、イタリアのSBは中に切れ込んでプレーすることが多かった。普通SBの攻撃参加っていうとタッチライン際でのプレーが多いような気がするんだけど、この2人はトニを追い越してゴール前まで出てくようなプレーもしてた。

この試合2得点のトニは得点以外でもいい仕事をしてた。前線にボールの収まりどころがあるってのは大きい。それだけで味方が上がる時間ができる。
それに周囲との関係がいい。トニにボールが収まったときに、それを受け取る選手とトニを抜いて前線に飛び出す選手がかならずいたと思う。
最近は不調気味だったけど今日の2得点で変わってくれば。

イタリアの守備は磐石の印象。中盤でプレッシャーをかけて後ろが奪うって形ができてる。これは選手間の距離感がいいからこそ。映像で見てみるとDFラインがきれいに並んでて、その前にボランチのラインってのがはっきり分かるぐらい。これだけいい距離感で守備をされると真ん中から崩すのはきつい。
ウクライナは前半で選手交代をして前の人数を増やしたけど、人数だけいてそこに全くボールが行かなかった。

この守備を崩すにはサイドからの攻撃が有効そう。ウクライナがつくったいくつかのチャンスはサイドからのボールで生まれたってのが多かった。どんなにいい守備でも横からのボールに対しては少なからずギャップができる。そこにいいボールが入ってくれば決定的なチャンスになる。
そういう意味でもっとSBの攻撃参加を見たかった。序盤は積極的な攻撃参加が見られたけど、途中の選手交代あたりからあまり見られなくなってしまった。

結局3-0でイタリアの勝ちってことで順当っていってよさそう。準決勝でイタリアはドイツとやることになった。
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2006-07-01 Sat 03:13
ドイツ×アルゼンチン
今日から準々決勝。過去優勝経験のある7カ国のうちの6カ国がベスト8に残ってるらしい。初戦はドイツ×アルゼンチン

ドイツのシステムは4-4-2で前の試合とメンバーは同じ。
対するアルゼンチンは前回のメンバーからサビオラに変えてテベス。期待してたコロッチーニが入ってきたのもうれしい。それからルイス・ゴンザレスも戻ってきた。

序盤から中盤での攻防に見ごたえのある試合だった。どちらも前線での守備の意識がかなり高かった。
特にドイツは序盤からかなり飛ばしてきた印象。アルゼンチンの中盤の構成力を機能させないために、かなり激しいプレッシャーをかけてきた。アルゼンチンの選手のボールコントロールが少しでもずれたら一気に囲い込んでボールを奪いにいった。FWも戻ってきて中盤の選手と連携して挟み込むようにしてボールを狙う。
FWの守備っていうことではアルゼンチンのテベスもかなり献身的な守備をしていたと思う。

ドイツについて。

バラックは低めの位置で試合を組み立てる。前は中盤をダイヤモンド型にして頭にバラック、底にフリンクスって形だった。今大会は中盤はフラットになってバラックとフリンクスが横並びになってることが多い(一応、攻守の役割分担ははっきりしてる)。

バラックとコンビを組むフリンクスは守備面での貢献が大きい。ついでに左右へのロングボールも的確で、ゲームの構成力もあると思う。
バラックは少し下がった方がスペースがあってゲームを作りやすそう。それにゴール前への飛び出しがより効果的になるっていうメリットも生まれる。後ろからの飛び出しには相手の守備陣がつくのは難しいから、ゴール前でフリーになれる。前半にそういうシーンから決定的なチャンスを作った。
この試合は途中から足を引きずりながらも最後までプレーし続けた。

今大会のドイツの攻撃の起点だった左サイドがあまり機能してない。相手も研究してきて、そこを固めてくるってこともあるかもしれない。それにシュバインシュタイガーの調子が落ちてきてる気がする。
グループリーグレベル(しかもグループA)だと、ラームとシュバインシュタイガーの関係でも十分崩せたけど、決勝Tに入って相手のケアもあるとつらくなる。2人の関係だけじゃなくて3人目の動きもほしい。この試合でもバラックが左に流れてここに絡んでくると崩す形になっていた。

一応得点シーンは左サイドから生まれた。
スローインからの流れだった。この場面はアルゼンチンの守備陣の集中力が途切れてた気がする。少しずつズレが生じてた。
まず、バラックの攻撃に対しての寄せが甘くて、フリーでボールをあげさせてしまった。中でもボロウスキの高さに対してケアしきれず、クローゼにも簡単にDFの前に入られて失点してしまった。

ドイツの攻撃は全体として攻め手が無かった感じだった。
そもそも大きくドイツの攻撃パターンは大まかに分けると①左サイドからの攻撃②バラックのチャンスメイク③クローゼに入れてからの展開って感じに分かれる。①は上に書いたとおりあまり機能しなかった。②は中盤のプレッシャーがきつかったこととバラック自身がケガをしてしまったことであまりいい形は出来なかった。③に関しては、アルゼンチンのDFがしっかりケアしていた。
途中交代でオドンコルが入ってからは、右サイドからの攻撃っていうオプションができた。オドンコルに対してアルゼンチンはソリンが対応してたから、押し込んでソリンの攻撃参加を防いだって意味もあった。

アルゼンチン。

一応いつものように4バックと3バックの併用の形だったけど、これは何度か説明してるから省略。ソリンが上がるとマスケラーノがDFのすぐ前に位置して、コロッチーニが中にしぼって対応する。

テベスがサビオラに変わって先発出場。テベスはサイド(特に左)に流れてプレーする時間が長かった。テベスが流れて空いた中のスペースには2列目からの飛び出しが目立った。
テベスはサイドの少し引いたところでボールを受けてドリブルで仕掛けていく。最初は相手のプレッシャーがきつくて有効じゃなかったけど、相手の運動量が落ちて、さらにリケルメが下がって攻撃パターンが無くなった後は重要なオプションになった。
上にも書いたとおりかなり低い位置まで戻っての守備もこないしてたし、運動量も最後まで
落ちなかった。

アルゼンチンの攻撃は基本的にリケルメを経由して組み立てられる。特にこの試合でリケルメはいつもよりボールの近くでプレーしてボールタッチの数を増やしていた。リケルメに一度当ててそこでキープしてる間に周囲が押し上げる。だから、前へ一気に運ぶような攻撃はあまり見られない。結果として攻撃が遅れてしまうような場面が多く見られる。
ただ、それがアルゼンチンの形であって、引いてしまった相手に対してもフリーランニングとかポジションチェンジでギャップを作って崩すだけの力はある。

こんな感じでリケルメを経由した中盤でのパス回しがチームの形なんだけど、この試合ではロングボールでサイドを変えるような場面も多かった。これは相手の激しいプレッシャーをずらすためのもの。
このチームはいい意味でも悪い意味でもリケルメが王様になっている。リケルメなしで戦わなければならなくなったのは痛かった。

アルゼンチンの得点はCKから。前半のCKはすべてニアへの低くて速いボールでソリンを狙うって形だった。でも、得点シーンは真ん中のアジャラを狙ったものだった。ドイツのDFはこのシーンでもニアに走りこんでいたソリンの動きに意識を奪われたと思う。真ん中の部分にスペースができてた。それでも得点したアジャラにはクローゼがしっかりついてたから、ここはアジャラの高さと強さが勝ったってことだと思う。このシーン以外のリケルメの蹴ったセットプレーは全て速いボールを入れるってことで徹底されていた。

アルゼンチンとしてはアボンダンシエリを交代させなければならなくなったのが痛かった。同点に追いつかれても攻撃の駒を入れることができなくなってしまった。それにしても、こういう不運な交代に加えてアルゼンチンは前の試合も延長まで行ってた。そんな中でも最後まで運動量が落ちずに攻守の切り替えの速さを維持し続けていた。

試合結果はPK戦の末にドイツの勝ち。途中で守備固めのためにチームの核を下げたアルゼンチン。足を引きずりつつもチームの核が最後までプレーをしてPKもきっちり決めたドイツ。最後の結果にそれがあらわれてきたと思う。

チームの核ってのはかなり大きな存在だから、こういう精神的な勝負になったときに大きく影響を及ぼすと思う。去年チェルシーのテリーが足を縫うケガをしながら最後までプレーしたのを思い出した。
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