ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-01-29 Mon 23:17
アルゼンチンのシステムの柔軟性~W杯メキシコ戦から~
日本のイメージとして何度か取り上げたアルゼンチンのシステムの柔軟性。W杯後の試合を見たことがないから、あくまでもペケルマンが率いてたW杯時のっていう但し書きがつくけど。メキシコ戦の前後半90分を見ての感想。あんま時間もないから延長戦は省略した。

さて試合について。試合中のアルゼンチンのシステムをいくつか。途中で選手交代もあったけど、基本的には同じポジション同士の交代だったから選手が変わらなくても実践できたってことを重視したい。

■スタート(3-3-2-2)
   ⑨ ⑪
     
   ⑧ ⑩
 ⑦     ⑥
    ⑤
       
  ③ ② ④

    ①

■後半(4-3-1-2)
   ⑪ ⑨ 
   
    ⑩     
 ⑥     ⑧
    ⑤  
⑦       ④
   ③ ②

    ①


■守備時(4-2-2-2)
注)アイマール投入後はマスケラーノの1ボランチ
   ⑪ ⑨
     
  ⑧   ⑩ 
 
   ⑤ ⑥  
⑦       ④
   ③ ②

    ①


①アボンダンシエリ
②アジャラ
③エインセ
④スカローニ
⑤マスケラーノ
⑥カンビアッソ(アイマール)
⑦ソリン
⑧ロドリゲス
⑨クレスポ(テベス)
⑩リケルメ
⑪サビオラ(メッシ)


基本となるのは守備時の(4バックでいう)2枚のCBとマスケラーノ。この3人は守備専門の選手として基本的な役割を与えられている。

前半のスタートはスカローニがこの3人に加わって、3バック+1ボランチでバランスが取られてた。スカローニが機を見て攻撃に参加するシーンも多かったけど、左のソリンが中盤の位置を基本にしていることを考えるとスカローニはDFラインの1枚っていう捉え方が妥当。

後半になるとスカローニの攻撃参加が増えたし、高めの位置を取るようになった。ソリンとスカローニを両SBに置いた4バックの形に移行したと考えていい。下でのパス回しを見てもCB2枚が残ってる場面が多かった。前半はそれが3枚だったのと比べるとよく分かる。

攻撃面では基本的にはシステムは関係ない。クレスポとリケルメが真ん中でプレーするっていうある程度の決まりがあるけど、あとは本当に自由。こうやって流動的にやりすぎると相手を混乱させるのと同時に味方も混乱してしまう危険性もある。でも、アルゼンチンの場合はリケルメっていう軸がはっきりしてるだけにそういう心配は少なかったと思う。流動性の中で“いかにリケルメの選択肢を増やすか?”っていうコンセプトがはっきりしてたと思う。とにかくボール保持者を助けるフリーランニングが多い。考えて走るシーンが多いっていう意味だと、この部分もオシムジャパンが目指す形に似てる。1度クレスポにくさびを当てるっていうプロセスも混乱を防ぐ意味では効果的だったと思う。

前半はカンビアッソが右でロドリゲスが左の形。カンビアッソは低めでボールをさばく役割に徹していた。ロドリゲスは左サイドで起点になってからのドリブルでの切込みが多かった。
後半はカンビアッソが左でロドリゲスが右。ここでもカンビアッソとロドリゲスの基本ポジションの上下差が見られて、ダイヤモンドというよりも平行四辺形の中盤だったといえるかもしれない。

守備の形は前後半通して同じ形。基本的には前でのプレッシャーはそれほど厳しくない。高い位置で奪うというというよりも下で組織を作る時間を作る意味でのプレッシャーが多かった。最終ラインに関しても前後半通して4枚のラインを形成。そのラインに吸収されるかされないかの位置にマスケラーノ、そのやや前にカンビアッソ。マスケラーノはDFラインの一部といってもいいような位置だけど、マークにつく選手が決まってないのが重要。相手ボール保持者がバイタルエリアに入ってきたところでプレッシャーに行く。カンビアッソと2人でそういう役割をこなしてたと思う。前半に関しては押し込まれる時間帯が多かったこともあって、ロドリゲスがかなり低い位置まで戻って守備をする時間も目立った。

注目は前半の3バック⇒4バックへの切り替えの部分。ソリンが高い位置を取ってるだけにそのウラのスペースを狙われてしまった。そのときはマスケラーノが対応しにサイドに出ることもあったけど、基本的にはエインセが左SB的な役割を担ってたと思う。そのときマスケラーノは最終ラインに入って真ん中のスペースのカバーをする。そうやってソリンが戻る時間を稼いだ。右サイドに関しても似た形を取ってた。メキシコがサイドをワイドに使ってたから最終ラインの選手がサイドに引っ張りだされるシーンが目立った。右サイドはカンビアッソが最終ラインに入ってカバー。基本的にゴール前に4枚のブロックを形成することが徹底されてたと思う。それに伴って大雑把に言えば、一番近くの選手が入ってた。


このシステムの柔軟性を担う上で重要なのがソリン。ソリンは中盤の位置に配置することでペケルマンは攻守の一体感を植えつけようとしてたらしい。自陣ボックスから敵陣ボックスまでを行き来する運動量、それに攻守の切り替えの速さが目立った。特に守備の切り替えが遅れるとピンチを招く。その部分の意識の高さが感じられた。献身的な無駄走りも目立ったし、キャプテンとして十分チームの支柱になれてたと思う。

それから中盤真ん中の2枚、リケルメとマスケラーノのポジションも重要。両者が攻守の軸になることでバランスが取れてたと思う。システム的に流動的なチームに落ち着きをもたらす意味での軸の存在の重要性を再認識した。日本代表でも守備は鈴木がしっかりと軸になれてる。攻撃の軸を置いたほうがいいってことは前からここで言ってることだけど、オシムはどうするか?

アルゼンチン×メキシコの感想は↓
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-86.html

オシムジャパン結成前にアルゼンチンのシステムの柔軟性を考慮して考えた仮想日本代表は↓
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-109.html


ちなみにシステムの流動性っていう意味だとアルゼンチンには他にもオプションがいっぱいある。クレスポを1トップに置いた3-4-2-1だとか3トップを使う4-1-2-3。それに超攻撃的な3-4-3の形もオプションとしてはあった。このシステムは去年のクロアチアとの親善試合で使ってたから紹介しとく。メンバーはだいぶ違うけど。

    ⑨
⑪       ⑩
    ⑧
  ⑦   ⑥
    ⑤
       
  ③ ② ④

    ①

①アボンダンシエリ
②プルティッド
③サムエル
④コロッチーニ
⑤デミチェリス
⑥ポンシオ
⑦カンビアッソ
⑧リケルメ
⑨クレスポ
⑩メッシ
⑪テベス
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2007-01-26 Fri 09:58
第20回トヨタカップ:マンU×パラメイラス


<マンU:4-5-1>
GK:ボスニッチ
DF:アーウィン、シルベストル、スタム、Gネビル
MF:ロイ・キーン、スコールズ、バット、ベッカム
FW:スールシャール、ギグス

<パルメイラス:4-4-2>
GK:マルコス
DF:ジュニオール・バイアーノ、アルセ、ジュニオール、ホッキ・ジュニオール
MF:ジーニョ、サンパイオ、ガレアノ、アレックス
FW:アスプリージャ、パウロ・ヌネス

マンUは徹底してマンUらしい攻撃をしてきたと思う。つまり、サイドをワイドに使ってそこを起点とするやり方。この試合は右サイドのベッカム、左サイドにギグスの布陣。いい攻撃を仕掛けることができたのは左サイドからの方だった。

その辺は2人のタイプの違いが現れてたと思う。スピードがあってスペースでボールを受けることのできるギグスに対してベッカムが足元で受けることが多い。そこを相手の左SBのジュニオールにうまく対応されてしまった。マンマーク気味にベッカムについて厳しく当たることで仕事をさせなかったと思う。

ジュニオールは攻撃面でもいいプレーを見せてくれた。積極的なオーバーラップにドリブルでの仕掛け、クロスの精度もいいものを持ってたと思う。リアルタイムで見てたとしたら、今後が楽しみっていうコメントをしてたはず。とにかく、ジュニオールのいい守備の中でベッカムは低い位置で後ろを向きながらのボールタッチが増えてしまった。

それに対してギグスはアシストシーンに代表されるように、スペースで前向きにボールを触れることが多かった。そうやってある程度時間があるところでボールを受けてから、ドリブルで積極的に仕掛けていく。

そうやって左サイドからの攻撃の場面が多くなってた。それはSBの攻撃参加を見ても分かる部分。マンUはGネビルよりもアーウィンの攻撃参加のが圧倒的に多くて、パルメイラスはジュニオールの攻撃参加が目立った。ベッカムにしても守備に追われる時間が長かった。両チームとも左サイドを押し込んでる形だった。

マンUらしい攻撃って意味だとトップに1度当てるやり方も。1度トップを経由させることで押し上げの時間を作った。前半はスールシャールで後半は交代出場のヨークが1トップに入ったけど、求められる仕事は同じようなものだったと思う。

どちらも前線で起点になってリズムを作る役割を担った。ボールが入ったときに変にこねくり回さずにダイレクトで単純に後ろの選手にはたく。それも外にはたくことが多かった。

こういう部分も含めてパス回しの中での外と中の使い方のバランスのよさが目立った。それに2人ともボールを引き出す動きを繰り返してた。ただトップに張ってるだけじゃなくて、下がったりサイドに流れたりして引き出すことが多かったと思う。

大まかには、スールシャールは下がってきて、ヨークはサイドに流れて受けるっていう特徴に分けられた気がする。そうやって空いたトップのスペースには2列目の選手が飛び出してくる。ただそうい飛び出しの動きが少なかった気もする。そういう部分も含めて攻守に渡って全体として走りの量に問題があった。去年のバルサもそうだったけど、その辺がシーズン中の来日の難しさかもしれない。

それでもランニングの質は高かった。少ないフリーランニングの中でもチャンスにつながるような質の高いものが目立つ。縦に走るにしても単純に縦に走るわけじゃなくて、中→外とか外→中っていう方向に斜めに走ることで相手のマークを混乱させるような工夫が見られる。特にこういう動きはロイ・キーンが多く繰り返してた。

得点シーンも質の高いフリーランニングが組み合わされた形。サイドでギグスがスタートした前のスペースにパスが出る。ギグスはそれを受けてドリブルでの仕掛けからクロス。中ではスールシャールがニアに走ることで相手の意識を集中させる。そうやって相手のケアが薄くなったウラのスペースしハーフラインから長い距離を走ってきたロイ・キーンがつめた。GKもスールシャールの動きに引っ張られたからゴールはがら空き。

フリーランニングの部分ではロイ・キーンとスコールズはチームの中で走りの量の多さが目立った。どちらも低い位置で散らし役になったあと、すぐに縦への動き出しを始める。そうやってパス&ゴーの動きを繰り返した。上下の運動量の豊富さが目立ったと思う。

この2人の縦への飛び出しを含めて、縦のポジションチェンジは比較的多かったと思う。アーウィンとギグスの関係とかスタムが攻撃に参加してきたりとか。

でも、横のポジションチェンジがほとんど見れなかった。というより全くなかった。その辺は今のチームの比べると大きく違う部分。今のチームは両サイドのギグスとCロナウドのポジションチェンジとか、ルーニーがサイドに流れてのプレーとか横のポジションチェンジが豊富。そういう意味だと柔軟性が増したっていえるかもしれない。たぶんベッカムが右サイドしかできないっていう特異性が関係してるんだろうと思う。この当時のマンUは本当に自分達の型通りのサッカーをしてたって印象もある。

マンUの攻撃面はこれぐらいにして次は守備面。守備に関しても攻撃と同じく精彩を欠いてた気がする。

守備の開始位置は自陣に入ってから。カウンターを防ぐような場面以外は激しく行くシーンも少なかった。敵陣では勝手にボールを回させてた。ただ、自陣に入ってきても特別激しいプレッシャーが見られなくてどんどん押し込まれてくシーンが目立った。どちらにしても自分達の前でパスを回される分にはしかたないっていう考え方だったのかも。そうやって前線の選手が低い位置まで戻されてる中でも最終ラインは比較的高い位置を保ってた。

最終ラインは両サイドの選手が絞ってきて統率が取れてたと思う。それでもボール保持者に対してプレッシャーがかからない状態でウラにスペースがあるわけだから、そこを狙われてピンチに陥る場面もいくつかあった。大体はコンパクトにラインを設定して選手間の距離を縮めたことで、途中で引っ掛けることができてたけど。そうやって跳ね返しても前線に人がいなくて相手に保持されてしまう場面が多かった。

マンUの守備がそんな感じだったから試合の主導権を多くの時間で握ってたのはパルメイラス。特に後半のマンUのチャンスはカウンターからのものばかりだった。

パルメイラスの守備のやり方はマンUに比べて積極的。チーム全体が前がかりの中(あくまでもマンUと比べて)で守備をしてたと思う。前線はFWからしっかりとチェイシングをしてたし、後ろの選手もラインを上げてそれに連動する。最終ラインもチームの守備のやり方を反映して高い位置に設定されてた。

攻撃に関しても自分達のペースでできてたんじゃないかと思う。上にも書いたとおり相手のプレッシャーがそれほど強くなかったから余裕を持って組み立てることができてた。序盤は中盤を省略してトップにロングボールを入れる場面も目立ったけど、途中からはしっかりと組み立てる攻撃に移行してた。相手を押し込んだときは最終ラインからホッキ・ジュニオールも攻撃に参加することが多くて攻撃に厚みをもたらした。

低い位置でのゆっくりとしたパス回しからスピードアップしたときの攻撃は迫力のあるものだった。そういう速い展開の中でエリア近くの場所でも個人で仕掛けてく場面が目立ったのは、ブラジルらしい部分だったと思う。

それから前線の選手の関係性のよさも目立った。ゴール前に入ってくる人数を見ても前に厚みが感じられたと思う。

2トップはポストプレーヤー的なアスプリージャとシャドーっぽいパウロ・ヌネス。アスプリージャに対するくさびはマンU側もうまく対応してたけど、収めずに一度すらせたところにヌネスが抜け出すような関係性も見られた。

さらのこの2人にアレックスが絡めたいい関係性も見られた。ヌネスが低い位置に下がってプレーをして2列目からアレックスが抜け出すようなプレーがよく見られたと思う。相手の高いDFラインに対して2列目から飛び出すことで決定的なチャンスにつながるような動きができてた。

結果は1-0でマンU。
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2007-01-24 Wed 11:54
『敗因と』


とりあえず、この本の感想+軽い振り返りをもってジーコジャパンについて触れるのは最後にしようと思う。


まずは戦術面。

○3バックか4バックか?
今考えてみると、やけに最終ラインの枚数にこだわった論調が多かったなって思う。この2つを併用するからってジーコは戦術がないとか言われてたわけだし。そのくせ、今のオシムがそうやって併用しても文句が出てこないのは面白い。

本を読んだ中で驚いたのは代表の選手の中にも3バック、4バックにこだわっていた選手がいたってこと。アウェーのイラン戦を4-4-2で落とした後、3バックに戻してくれって直訴があったのは有名な話だったけど。プロなんだからどちらにでも対応できなきゃダメだろって思う。

んで、ジーコのとき自分はどうだったかっていうと4バック支持者だった。システムとしての柔軟性を考えたときに4バックの方がより優れてるから。相手が1トップならCB2枚で見ればいいし、相手が2トップならCB+SB1枚(またはボランチ1枚)、3トップなら4バックがそのままってな感じで合わせられる。だから4バックのが相手のを見ながらいろいろと変更を加えられる。結果としてはW杯3試合でも使い分けたように、3バックでも4バックでも守れるようになったのはジーコの功績かなとは思うけど。

今の日本代表は3バックのことが多いけど、複数のポジションをこなせる選手を配置することで試合中に柔軟に対応してる。流れの中で2バック気味になったような試合もあった。それはそれでありだと思う。

とにかく、日本が常に上の立場ってわけじゃない以上相手を見ながらの対応は常に必要になってくるはず。基本的に強豪国にだって1人余らせる原則に則る守備をしてるチームがあるわけだし。


○プレスの位置は?
まずは本の中から2人の言葉をピックアップ。

「どこでプレスをかけるか。ラインの高さをどこに設定するか。そういうチームの勝敗を左右するディティールを決断するのが監督の仕事だと思っている」(セビージャ:ファンデ・ラモス監督)

「監督にはやるべき仕事が2つある。まずひとつ目は、どの位置からプレスをかけるかということ。ハーフラインのちょっと前でも、相手DFラインのところでもいい。プレスをかける位置が決まれば、自動的に自分たちのラインの高さも決まる。ふたつ目は、リスタートのとき選手がどこに戻るかという基本ポジション。ピッチ上にバランスよく選手が散らばっていれば、そう簡単に崩されることがない。混乱しても、まず決められた基本ポジションに戻ればいい。マンチェスターで行われたアイスランド戦とイングランド戦を見る限り、日本にはそのふたつがない。少し監督が指示してあげるだけで、随分良くなると思うのだが」(風間八宏氏)


要はジーコはこういう部分の決まりごとを作らなかったってこと。それが結局はオーストラリア戦の直前になってDFラインを上げるか、下げるかの論争につながった。

でも、オーストラリア戦前じゃいくらなんでも遅すぎってのが素直な印象。前線とDFラインの守備意識の分断によるスペースはこの大会前のずっと前から見て取れた。ここのブログでもDFラインとボランチの間のスペースが気になるみたいなことは何度も書いてた。素人目に見ても明らかなことについてなんで本大会直前まで話し合いが持たれてなかったのか?

ジーコが指示を与えないなら与えないで、考えることはあったはず。というより、それまでの試合はその辺があいまいだったってことがおかしい気がする。結局はなんとなくやってたことを中田が指摘したことで論争になったってとこだろう。

個人的にはラインの位置は意志の統一がされればどちらでもよかったと思う。オーストラリア戦に関しては相手が放り込んでくることが分かってたから高い位置のがうまく行くと思ったけど。暑さとかの問題もあったわけで、ずっとプレッシャーに行くのは難しかったかもしれない。

とにかく重要な戦術がしっかりと決まってなったってのが問題。ちなみにクロアチア戦前はジーコが、一度下がってブロックを形成するように指示したらしい。なんで、それをもっと早くやってくれなかったのかって思う。


本の内容としてはメンタル、チーム状況についての言及が多かったから戦術面はこのぐらいで。チーム状況については本当に最悪だったっぽい。さすがにチームメイトからサントス、宮本、中田、中村不要論が出てたってのにはショックを受けた。同時になんて愚かなのかと。

全体としてサッカー以前の部分に問題があったって思わされる内容が多かった。だから本の内容が結局は『28年目のハーフタイム』とそっくり。




最後にヒディンクのインタビュー記事から注目すべき点をいくつか。

・右のエマートンを中に使った理由
攻撃がパワフルだから相手(日本)のアタッカー1人を守備に回すことができる

・右にウィルクシャーを使った理由
良く走るからサントスに追いかけさせるため

結局は自分のチームの選手を余らせて日本の攻撃の選手を守備に釘付けにしよって狙いだったらしい。さすがに考えてるなって思わされた部分。
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2007-01-21 Sun 18:33
06’ベストイレブン
uefa.comで発表された。

<4-4-2>
FW:エトー-アンリ
MF:ロナウジーニョ-カカ、セスク-ジェラード
DF:ラーム-カンナバーロ-プジョール-ラーム
GK:ブッフォン

ついでに個人的ベストイレブンも。いいプレーをしたか?っていうよりもどれだけ印象に残ったか?で選んでるけど。

<3-4-3>
FW:トッティ
MF:ルーニー-リベリ、本田圭-デコ-ハーグリーヴス-エッシェン
DF:テリー-マルケス-センデロス
GK:チェフ


システムは3-4-3を基本としながらも場合によっては4-4-2、4-5-1、5-4-1にも変えられる柔軟性が売り。

チェフはいうまでもなし。無理はして欲しくないけど1日も早い復帰を願ってます。

3バックはマルケス、ファーディナンド、センデロス。マルケスはリベロとして積極的な攻撃参加もできる。攻撃面にもセンスがある選手だし、下からのフィード力もある。4-3-3の中盤の底に1枚上がることも可能だし。テリーは安定感とタフさ。センデロスはW杯でのプレーから選出。

中盤は4枚。フラットに並べてるけどイメージとしてはデコが前でハーグリーブスが後ろのダイヤって見方もできる。

ハーグリーブスはDFラインの前での攻守の起点の役割を期待。やや攻撃に偏ったチームのバランサーとしての役割も。1ボランチ気味でも対応できる強みがある。ユーティリティー性も評価した。

デコは攻撃的面ではラストパス、散らし、それからトップを抜いて出てくプレーも。守備面でも貢献度が高いし。基本的にチーム全体に守備の貢献度を求めた布陣。ネドベドとどっちにするか迷ったけど、ポルトガルから1人は入れときたかったから。

両サイドはエッシェンと本田。

エッシェンは攻守に運動量が必要なサイドには最適な選手。このチームだとやや守備に追われることが多いかもしれないけど、攻撃面での積極的参加もほしい。

本田は去年個人的に一番のサプライズだった選手。もっと攻撃に偏ったエゴイスト(悪い意味で)だと思ってたけど献身的な守備に感動。このチームだと場違いっぽいけど入れときたかった。セットプレーを考えても必要だし。今年は海外移籍のサントスに変わってA代表でポジションを取ってほしい。

3トップはトッティ、ルーニー、リベリ。

トッティは今までもしつこいほど言ってきたけどCFに入っての安定感が抜群。守備時は引き気味になりそうなチームだからそこから攻撃に移ったときの起点として最適。引き気味にポジションを動かして、ルーニーとかリベリが中に入ってきたり、2列目からデコが出てきたりするのも促進できる。

両WGは守備面での貢献を重視した。ルーニーは最近、低い位置、サイドでのプレーが目立つし低い位置まで戻っての守備も多い。リベリは昨日書いたとおり上下の運動量が豊富。

なんかベストイレブンって感じじゃないけど、去年1年を表すとこんな布陣になるってことで。
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2007-01-20 Sat 21:47
W杯フランス代表の守備 ~ポルトガル戦から~
予告通り、フランスの守備について。

<フランス:4‐5‐1>
FW:アンリ
MF:マルダ-ジダン-リベリ、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-テュラム-ギャラス-サニョル
GK:バルテズ

根本的に守備時の選手の配置のバランスのよさ、人と人の距離感の良さが目立つ。守備時はジダンを前に残しての4-4-2みたいな形になる。組織を作ったときはハーフェイライン付近に最前線を置く形。3本のラインの設定がコンパクトで、組織を作ったら自陣で守るような形が目立つのにDFラインが低いってわけでもない。

これはDFラインの細かなラインの上下動によると思う。DFラインがしっかりと統率されてて、前線の守備と分断されないようになってる。特にDFラインと2人のボランチがブロックを作ったときの安定感は抜群だった。

DFラインの統率は押し込まれたときの守備にも効果的だった。かなり引かされてしまっても、相手のボールに対するプレッシャーとそれに連動したラインの上下動が見られた。だから引きすぎて守備ブロックの前にスペースが空いてしまうっていうシーンも少なかったと思う。こういう部分は大会全体を通して見られた部分なんじゃないかと思う。

この試合に限らずっていう意味だと、カウンターを防ぐ前線での守備も多く見られた。ボールを失った選手がファーストディフェンダーっていう原則が守られてたと思う。

そういうときは基本的に真ん中を切ってることが多かったと思う。ポルトガルがサイドからの攻撃を主体にしてるってこともあるけど、真ん中へのコースを切ることでパウレタを起点にさせなかった。そうやって前線で相手の攻撃を遅らせてる間にしっかりと守備の組織を作る。組織を作る速さも目立った。個としても(すぐにボール保持者にプレッシャーみたいな)チームとしても(それぞれが自分の基本の位置に戻るとか)攻→守の切り替えが抜群に速いと思う。

ポルトガルの両サイド(フィーゴとCロナ)に対する対応。両サイドとも基本的な対応の仕方は同じだった。

まずはSB(右:サニョル、左:アビダル)が縦を切りつつ遅らせる。SBに関してはマンマーク気味で結構深い位置までついてってるシーンも多かった。そこに前線から味方が戻ってきて(右:リベリ、左:マルダ)挟み込む形。そうやってサイドの逃げ場をなくしつつ中に追い込んだところにボランチの1枚(基本的にはビエラ)が対応してカットを狙うってのが理想の形。

ただ右サイドは狙い通りに行ってなかった印象。サニョルがCロナウドに対して中途半端な間合いで応対するシーンが目立った。だから十分に遅らせることができなくて中のフォローが間に合わないっていうシーンが目立ったと思う。

それに対してアビダルはいい対応をしてたと思う。フィーゴがスピードでぶっちぎるタイプじゃないってこともあったと思うけど(Cロナは間合いをつめる前にトップスピードにのっちゃう)、間合いをつめることでいい仕事をさせなかった。逆サイドからの大きな展開みたいにある程度マークが甘くなっても仕方ない場面以外はきっちり抑えてたと思う。

デコに対する対応はマケレレの仕事だった。マケレレのマークをデコが嫌がってゴールに近い部分でのプレーが少なかったと思う。こちらもマンマーク気味。デコが下がってプレーするときもある程度まではついてきてた。

それにデコに関してはジダンもしっかりと対応に参加してた。あんまり守備をしないっていう評価のジダンだったけど、デコを前後で囲い込むみたいな守備にはしっかりと参加してたと思う。基本的にボールがあるところの最低限の守備はジダンもやる。前線でのコースを限定するチェイシングとか、守備の勝負どころでの集中への参加とか。

ただ、ジダンがボールのないところでの守備をやらない(免除されているってことだと思う)ことが危ないシーンを作ってたのも事実。

特に前半はフリーのままマニシェに入り込まれるシーンが目立った。一番危ないのがマニシェがデコと入れ替わって出てきたときに、サイド(特にCロナ)からボールが供給されたとき。デコのマークでマケレレが引っ張り出されてる上にビエラもサイドへの対応で引っ張り出されてしまって、マニシェがボールを受けるときに真ん中にスペースができてしまっていた。

後半はマニシェの対応にマルダとかリベリが参加してうまく対応したと思う。マニシェ自体に対応することもあったし、デコのマークをマケレレから受け取るようなこともあった。ジダンの守備の穴を両サイドのリベリとマルダが埋めるっていうことも大会を通じていえたことだと思う。

マルダとリベリに求められる役割は大きい。上に書いたようなデコに対する対応とか戻りながらのサイドに対する対応に加えてSBを見る役割もある。こういう役割のためにかなり低い位置に戻ってきてのプレーがよく見られる。それに低い位置のボール保持者に対するプレッシャーの役割を担う場面もある。

守備だけでもかなりの上下動を求められる。さらに攻撃でもアンリを抜いて出てくようなプレーに代表されるように走るってことが求められる。この2人のスタミナ面での負担は相当なものだったと思う。

ジダンを活かすためのチームのコンセプトの中ではサイドの2人の汗かきプレーがかなり重要。だからこそ消耗が大きい上に走ることが求められるこのポジションの途中交代っていう試合が多かったような気がする。

守備の要の両CBの安定感も光る。頻繁に動きなおしをするパウレタに対してうまくマークを受け渡しながらしっかりと対応してた。ドリブルで入ってくる選手に対しての1対1での強さも目立った。相手が単純に放り込んでくるようになった時間帯でも、簡単に跳ね返してたと思う。

試合を見た直後の感想(↓)と大して変わらんかも
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-103.html
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2007-01-19 Fri 17:57
W杯テクニカルレポートより


勝ち残ったチームのよかった部分を中心にコメント(DVD自体がそういう構成だったし)。

■守備面
○個・チームとしての守備意識の高さ
・攻撃的な選手も含めてチーム全体の守備意識

○攻撃から守備への切り替え
・奪われた選手がファーストディフェンダー
・それに連動した高い位置での守備
・カットできれば自分達の決定的チャンス
・カットできなくても相手のカウンターを防ぐことができる

○守備の連動性
・前でコースを限定しての高い位置でのインターセプト
・ボール保持者に対するプレス+パスの出し手に対してのマーク

○個の守備
・個の守備範囲の広さ
・1対1での対応
・守備の勝負、状況に応じた対応

○ゴールを守る守備
・体をはった守備
・素早い戻りで集結・集中の早さ
→ボール保持者にプレッシャーをかけつつがポイント
→それができていないと、人は足りてても失点に結びつく=ミドルシュート

■攻撃面
○カウンター
・守備側の意識の高さ・切り替えの速さによって減少傾向
・ルックアップの重要性
・攻撃への切り替えの速さ、押し上げ

○ポゼッション
・カウンターの減少により重要性が増す
・人とボールが動く速いパス回し
→相手のプレッシャーを回避
・ワイドに使ったポゼッション
→中と外のバランス、相手の目先をズラす散らし
→幅を使うための個の技術
・厚みを使った攻撃
→FWの位置を深く設定して相手の守備を間延びさせ分散させる
→FWの相手DFラインに対するプレッシャー
→連動しないと味方も間延び??
→GK、DFのビルドアップ時の役割と守備陣の足元の技術
=安易なクリアではなく守備を攻撃につなげる

○個の能力
・止める、蹴るという基本
・トップスピードの中での技術
・質、量に優れたフリーランニング
・味方を助けるフリーランニング

箇条書きでこのぐらい。今までにコメントしてきた内容も多いからかなりシンプルにまとめてみた。そもそも元が映像だから文字に表すのが難しかったし。

最近は見る試合もないし、↑を意識してW杯の試合でも見直そうかなと思ってる。決勝に勝ち残ったフランスとイタリアの守備戦術を中心に(本当はスイスも見たいけどビデオが残ってない)。

一応W杯の個人的総括は↓で。
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-107.html
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2007-01-17 Wed 22:34
チェルシー×ウィガン
<チェルシー:4-3-3>
FW:ロッベン-ドログバ-カルー
MF:ランパード-バラック、マケレレ
DF:ブリッジ-カルバーリョ-エッシェン-ブリッジ
GK:イラーリオ

チェルシーの低調なサッカーにはちょっとショックを受けた。前に見た試合がバルサ戦で、そこからのギャップがあったかもしれないけどもっとやれるチームのはず。そもそもチーム全体の切り替えの遅さが目に付いた。特に守→攻の切り替えの遅さは致命的だった。中継の中でも強調されてた通り相手のミスに助けられた試合だった気がする。

攻撃では選手間の距離が開いてしまっていた。チェルシーの4-3-3のシステムは久しぶりに見た気がするけど、中盤が3枚しかいない欠点がもろに出てしまった印象。中盤にスペースが多くなってしまったことで、うまくパスが回らなかった。それによってしっかりと組み立てるっていう攻撃ができなくなってしまっていたと思う。結局は中盤を省略して前線に放り込むだけの攻撃が多くなってしまった。

さらに前後の間隔が広くなってたのも気になった部分。スタミナ面の問題ではない原因でラインが間延びしてしまった。それは守備の位置の問題だったと思うけど、それについてはのちほど。とにかく前後に間延びしたことで、前線に放り込んでもそのセカンドボールを拾うことができずにフィニッシュまでなかなか持ち込めなかった。厚みのある攻撃を仕掛けられなかったと思う。

さらに、人と人との距離が遠いことはフォローがなかなかできないってことも意味する。局は試合全体を通して個の力に頼った攻撃に偏ってしまった。

守備面でも人と人との距離が遠いことが影響を及ぼしてた。いつものように前線から相手の選択肢を限定するような戦術的なチェイシングが見られなかった。これは複数枚が連動してスペースを消しながら守備をしないと意味のないやり方だけに、人と人との距離が空いて個々で守備をするような状況だとうまくいかない。相手がそういう守備がかかる前の早いタイミングで前線に放り込んだってこともあるかもしれないけど、FWの選手の動きを見ると積極的なチェイシングの意志は感じられなかった。

高い位置での守備ができなくなったことは、当たり前だけど守備の位置が低くなるってことを意味してる。結局はゴール近くに人数をかけてスペースを消すようなやり方になった。そういうやり方はやり方で安定感があって相手にフィニッシュまでは行かせなかったけど、そのあとの攻撃を考えると得策ではなかったと思う。

これが上に書いた部分。低い位置での守備に追われた中盤の選手と、トップの選手の選手が分断されてしまった。それが結局は間延びにつながってたと思う。

低い位置でボールを取ってから、1度トップに当てて時間を稼ごうっていう形が多かったけど、単純すぎて相手に途中で引っ掛けられる場面が目立った。だから、なかなか守備から攻撃へつなげられなくなってしまって相手に何度も拾われるっていう悪循環が生まれてた時間帯も目立った。

こういう感じで低調なサッカーをしてたチェルシーだけど、前半途中には可能性を感じさせる時間帯があったのも事実。序盤は相手とロングボールの蹴りあいみたいな試合展開だったけど、先制点の前後からチェルシーの側に流れが向いてきた。

その流れを引き寄せたのがロッベンのプレー。ロッベンが本来の左サイドを捨ててカルーとの関係で相手を崩しかけたシーンからだったと思う。この場面から、まずFWの流動性が増した。それまで真ん中でくさびを受けようとしつつもうまく対応されてしまっていたドログバがサイドに流れてボールを引き出すようなプレーを見せた。そこに空いたスペースを2列目からバラック、ランパードあたりが飛び出してくることで有効活用できてた。

前線の選手が増えたことで上で書いた距離感の問題が解消してきた。リズムのいいパス回しがいくつか見られる時間帯だった。こうやってチームにいい動きが生まれたことで全体が(いい意味で)前がかりになってたと思う。この時間帯は両SBの攻撃参加も活発だったし、相手を引かせたことでCBの位置からエッシェンが攻撃に絡めるようになってた。

この時間帯がいい時間帯だって分かる一番の指標はマケレレの守備位置。多くの時間帯でエリアのすぐ前での守備が目立ったマケレレがこの時間帯は敵陣近くでボールを触れる回数が多かった。それにつられるように最終ラインの選手の出足の速さが目立ち始めた。この時間帯のチーム状態を維持してければ全然問題なかったと思うわけだけど。

これが維持できなかったのはやっぱり前線に収まりどころがなくなってしまった体と思う。前線で時間を作れればそれだけ押し上げを期待できるはずだけど、ロッベン以外の2人にしっかりとボールが収まらなかった。

チームとしてはドログバを狙う意識が強かった。上に書いたような形で、低い位置から一気にドログバっていう攻撃が目立ったと思う。ただ、相手もそこはしっかりとケアしてた印象。ドログバにはしっかりと体を密着させて、仕事をさせないような対応をしてた。グラウンダーのボールに関してはその前でコースに入ってドログバに入れさせないような対応もあった。

カルーはこの試合ではボールがうまく足についてなかった印象。簡単なミスが目立ってリズムに乗り切れてなかった。ただ、守備面での貢献度は大きかったと思う。かなり低い位置まで戻って守備をする場面が多かった。逆に言えば、それによって前が薄くなってしまった側面もあるわけだけど。

この2人に対してロッベンはボールタッチの回数が多かった。というか、この試合の攻撃面はロッベンがいたからこそ成り立ってた印象。ドリブルでの突破に加えて、前で起点となる仕事も担ってた。先制点のFKは起点になったロッベンがもらったものだったし、ドリブルでの仕掛けは3点目につながった。いろいろな場所に動いてボールをよく引き出してたと思う。チームの状態がいい時間帯はロッベンに対してのフォローが活発で、それによって押し上げが促進されてた。

それが悪い時間ではロッベンが孤立してしまうことが多かったと思う。悪いときのポルトガル代表みたいなイメージで、ロッベンが持てば相手を抜いてくれるだろうみたいな意識があった気がする。だからそういう時間帯は前でタメを作るプレーが減って1人で強引に仕掛けることが多かった。というより、ドリブル以外の選択肢があまりなかった。

次に中盤について。

ランパードは普段に近い仕事をしてたんじゃないかと思う。4点目につながったのもランパードのいい散らしからだったし、中盤を省略することが多かった中でタッチ数も多かった。欲を言えばもっとゴール前に顔を出してもらいたかったけど、チーム全体の問題もあったから仕方なかったかも。

いつもと同じようなプレーをしたって意味だとマケレレも。DFライン4枚の前につかず離れずのいい関係で位置してた。上にも書いたとおり低い位置での守備が多かったけど、安定感はさすが。2点目もマケレレが献身的にチェイシングをしたことで相手のミスを誘ったものだった。

問題はバラック。試合の流れにほとんど乗り切れてなかったんじゃないかと思う。ボールタッチも少なくて、それも低い位置での無難な処理が多かった。前回見たバルサ戦では守備面での貢献が大きかったけど、それもあまり見られなかった気がする。チームとしていい流れじゃなかったことが影響したかもしれないけど、3枚の中盤の1枚が消えるのは痛い。

DFラインに入ったエッシェンは無難なプレーをしてた。人に対する強さとか間合いの取り方のうまさは見せてた。オフサイドを結構取ったってことからラインコントロールの連携も問題なかったと思う。相手がこの程度のレベル(失礼だけど)だったら十分だった。ただ、やっぱり攻撃面でのよさを使いたいってのが本当のところだと思う。テリー不在の苦肉の策とはいえ、ちょっと辛い。

この試合を見る限り今のチェルシーは4-4-2の方があってる印象を持った。最近の試合を見てないから一概には言えないけど、中盤が3枚だとイマイチうまくいかない気がする。攻守に渡ってしっかりと中盤で厚みを持たせることがチームをいい方向に向けるんじゃないかと思う。

この試合でも途中でミケルとサハーを投入したところから4-4-2の形になった。そのあとの4点目を見ても分かるとおりゴール前に人数が多かった。サイドからのクロスに至るまでの組み立ても中とサイドをバランスよく使ったいいものだったと思う。

その前の決定的なチャンスの場面は2トップがサイドに逃げるようにして動いたシーンから。真ん中にうまくスペースを空けつつ自分達もフリーでもらえる動きをしてた。2トップと中盤がお互いにお互いのプレーを助ける動きができてた。守備面でも単純に中盤の人数が増えたことで、前目でのカットが目立ってたと思う。4-3-3の形にするならばせめてバラックの位置に運動量の多いエッシェンを使いたいところ。

ウィガンについても少し触れとく。攻撃は確かにシンプルに前線に放り込むっていう格下の形だった。でも、守備では徹底的に引いて守る形ではなくて(引かされることはあったけど)好印象。チーム全体を高い位置に設定してたと思う。それによってチェルシーの低い位置で回して組み立てるような攻撃が消えてた。ミスが多かったのは残念だったけど、個に対する対応も含めていいサッカーをしてた印象。

結果は4-0でチェルシーだったわけだけど、何度も書いてるとおりそこまで圧倒的な試合じゃなかった。それでも4点目はいい形だったから、そのイメージを持って次節のリバプール戦に臨んでもらいたい。
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2007-01-15 Mon 02:36
大学サッカー:早稲田×駒澤
結果は駒澤が6-1で圧勝。でも、そこまでの力差は感じなかった。駒澤の守備の質の高さは認めるけど、得点のほとんどは早稲田の守備に原因があるもの。きっちりやってればもっと接戦に持ち込めたんじゃないかと思う。

まずは駒澤のいい守備から。全体的に積極的な守備が見られた。特に序盤の守備のやり方は最近あまり見ないほどの積極性が感じられた。

守備の起点は当たり前のように最前線の選手。もちろん戻ってきて挟み込むようなプレーの質も高い。相手のボール保持者に対する寄せがメチャメチャ速くて、早稲田の選手は本当に何もやらせてもらえなかった。序盤からの前線での激しい守備で相手の勢いを削いでしまった後は、徐々に落ち着きが出てきた印象だったけど、それでもかなり積極的にプレッシャーに行ってたのは間違いない。

その前線での守備に後ろが連動してくる。遅らせたところで一気に囲みにいったり、前線でコースを限定して後ろでインターセプトっていう形がかなり多かった。後ろの選手も前線の守備との連携の中で常に相手の前でボールを触る意識を感じた。そういう部分での球際の強さで早稲田を上回ってたと思う。

後ろに引いての守備も安定感を感じるものだった。駒澤の布陣は基本的にかなりコンパクトな位置を保ってる。これが攻守に渡ってキーポイントになってた。高い位置での守備のときも選手間の距離を近くしてスペースを消すやり方だった。相手に押し込まれた(ほとんどなかったけど)ときも基本的には同じ形。DFラインの前に中盤の選手がしっかりと位置してブロックを形成してた。

こういう駒澤の守備に対する早稲田の攻撃で可能性を感じさせられたのがウラを狙うもの。高い位置を設定する駒澤のDFラインのウラを狙うことでチャンスが生まれてた。ウラに抜け出そうとしたところで相手のファールを誘っていい位置でのFKをいくつか獲得してた。それに、抜け出せなくても相手のDFラインとの駆け引きの中でラインを下げさせて前線と分断できてた。そうやってこぼれ球を拾えるようなシーンも作ってた。

と、いってもパスの出し手に対してのプレッシャーもきつすぎていいボールが供給されることは少なかったわけだけど。チャンスになった場面は少ないタッチでボールが回ったことで相手のプレッシャーがルーズになってたところと、トップの1枚が収めてもう1枚が抜け出すような2人の関係性のプレーだった。

駒澤の攻撃は単純に縦を狙うものが多かった。中盤での組み立てを捨てて一気に前線に入れてくる。早稲田としては前目でのプレッシャーが機能せずに後ろの選手の守備の負担が大きくなってしまったと思う。

駒澤は前線ではFWがしっかりと起点になれてた。1度そこを経由してからのサイドへの散らし(特に左)が特に有効だった気がする。それにそこで時間を作ることで後ろの押し上げの余裕もできた。攻撃時の押し上げの速さ、フリーランニングが目立った。ここでもコンパクトな形を意識することで、こぼれ球を徹底的に拾って第2波、3波の攻撃を仕掛けやすくなってた。

3点目もトップに当ててからのサイドへの展開。高い位置でボールを奪ったところからこの攻撃が始まったことを考えても、一番この試合の駒澤らしいゴールだった。逆サイドの選手が絞って中に厚みを持たせるのも他の場面でも見られた部分だった。全体としてサイドを使うバランスのよさが目立った。

駒澤のゴールのほとんどはセットプレーから。要因としては①ハイボールに対する強さ②キックの精度③早稲田の守備のまずさ、があったと思う。

①に関しては試合全体で見られた部分。この試合は中盤を省略する駒澤のサッカーと中盤でやらせてもらえない早稲田のサッカーがぶつかったことでボールが落ち着く場面がかなり少なかった。そういうときのルーズボールで駒澤の選手が保持することが多かったと思う。

②はセットプレーを蹴ってた13番の選手のキックの質が高かったと思う。高い位置から一気に落ちてくる質のボールで相手の守備陣はかなり守りづらそうだった。それがオウンゴールを生んだともいえると思う。名前は覚えてないけどちょっと気になる存在。

③の部分はかなり大きかった。1・6点目に見られるようにハーフェイライン付近からのFKが失点に結びついてる。放り込まれてくるボールに対してボールウォッチャーになってしまってマークがルーズになる場面が目立った。それに跳ね返しきれる力が無かったとも言える。放り込まれたボールがいつまでもエリア内で落ち着かない状態は守備側からすれば危険。

それに5点目は完全に早稲田のミス。オフサイドトラップの仕掛けようとした中で1枚だけ残ってしまっていた。この辺は集中力の問題のような気がする。

集中力っていう意味だと早稲田の得点シーンは駒澤の集中力が切れてた気がする。一瞬チームが止まってしまって、ギャップができてしまっていた。他の時間はいい守備をしてただけに残念。
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2007-01-11 Thu 09:18
『野洲スタイル』


今年は結局野洲のサッカーを見れずじまいだった。結構楽しみにしてたんだけど。その代わり(?)に山本監督の本の感想を書いとく。

http://www.youtube.com/watch?v=80EKCU7l8iQ

↑とりあえず、この本の中でも何度か触れられてる去年の鹿実戦の決勝点。本の中でも自画自賛って感じだけど、本当に色々な要素が詰まったいいゴール。いくつか箇条書きしてみる。

・出足の速さからのインターセプト(通れば相手が決定的)
・スペースを埋めるドリブルを含めた2人の短いパス交換での持ち上がり
・短いパスからの大きなサイドチェンジ
・ドリブルの仕掛けとヒールパスのアイディア(パスの出し手は止まらずにゴール前に)
・一番近いサイドをフリーランニングする選手(フリーでボールを受けられる)
・ゴール前の人数(押し上げの速さ)

延長の後半にこれだけの濃いゴールが奪える。テクニックが強調される野洲のサッカーだけど、根底にはやっぱり運動量がある。

ここからは単純に本の感想。

高校サッカーはフィジカル重視の、守備重視のリアクションサッカーだって言われてる。やっぱりトーナメント一発勝負ってことでリスクを犯さないサッカーをしてくるらしい。今大会の中では桐光がそういうサッカーだったと思う。一回戦の感想で“百姓一揆サッカー”って紹介したのがリアクションサッカーのこと。山本監督も言ってるとおり、そういうサッカーが悪だってわけじゃないけど

そのフィジカル重視のサッカーとは180°異なる“セクシーフットボール”(唯一の目標は静学だったらしい)で全国を制したのが野洲高校だってのは知っての通り。そのためのトレーニングはとにかくボールを触り続けるってもので、最初に叩き込むのはドリブル。その後のプロセスの一例として、冬の新人戦では「必ず1人抜いてからパスを出せ」と指示し、春はドリブルを封じてボールをとにかく動かす、最終的にそれらを融合させるっていうものが紹介されてた。

とにかく野洲のストロングポイントは技術であるということを意識して、それを伸ばす内容。なぜ“技術”かって言えば、足の速さとかフィジカルとは違って、練習すればするほど巧くなるものだから、とのこと。

この本の中では“ストロングポイント”ってことが何度も取り上げられている。個であろうがチームであろうが、ストロングポイントを持つことの重要性が書かれている。個の部分では自由にサッカーができる最後の世代である高校世代は、短所の修正よりも、自分の発想を試したり得意なプレーに磨きをかけることに労力を注ぐべきってことを言ってる。育成年代はシステムは関係なく、個々の育成が大切であるってのは前にフジで放送された中山・風間対談の中で言われてたことと同じだった。さらに今の選手は技術は高いが個性がないってのもその対談で言われてたことと同じだった。

チームとしては日本代表のスタイル(=ストロングポイント)のなさが触れられてた。トルシエが監督ならばトルシエスタイル、ジーコが監督ならばジーコスタイルであって日本スタイルがない。監督の人選に統一性がないってのは前にここで書いたかもしれない。

日本代表については06W杯を見た上で、いろいろなことが書かれていた。日本のパス回しを“爆弾ゲーム”と表現してるのはかなりしっくりきた。プレッシャーの中でのプレーの質の低さ(プレッシャーなしと比べて)、をよくあらわしてると思う。前にも書いたけど、日本人の技術が強豪国と比べて著しく劣ってるとは思えない。
要は相手がいるという状況の中でどこまで自分のプレーができるかってことの差なんだとう。

さらに観戦する方にも、行間を読む観戦をして欲しいってことだった。確かにW杯前にもマスコミが散々煽ってたし、それに国民の多くが乗っかってたのも事実。そうやって結果とか得点にばかり気を向けずに、自分の目で試合を見ることの必要性を改めて考えさせられた。

サッカー自体のことについては、いかにフライングをするかが重要っていう言葉があった。
この言葉は今後使わせてもらうことになりそう。単純なスピードというよりも、判断の速さとか相手を出し抜く速さで勝負することで、いかに速く見せるか?(相手を遅くする)ってことが重要だって言ってる。

最後に、指導っていう面について。この部分はかなり参考になるところが多かった。ここでキーワードになってたのが“プレイヤーズファースト”って言葉。何か言葉を発するときは、一度聞く側の立場に立たなければならないっていう意味。いろいろ挙げられてる具体例を見ても、ちょっとした言葉までかなり深く考えてるっていうのが分かった。その中で生徒の中に“小さなプラス”を積み重ねていく。

結構いっぱい書いちゃったけど、おおまかにはこんな感じ。読みやすさもあって一気に読めちゃった。この本は今までのサッカー本の中では一番のおススメかも。
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2007-01-08 Mon 17:29
高校サッカー決勝:盛岡商×作陽
序盤の勢いは完全に盛岡商。作陽よりも圧倒的に足が動いて、チーム全体が積極性を見せていた。結果としては序盤からのこの試合に対するこういう姿勢が結果に結びついたっていえるのかもしれない。だけど、リアルタイムで見ている中ではこの時間帯で得点を取れなかったのが痛かったんじゃないかと思ってた。

作陽は相手の勢いに押し込まれてしまっていた。作陽も本当はいつものような前線からの守備をしたかったはず。相手ボール保持者に対して距離をつめようとする姿勢は見られた。でも、盛岡商がその距離がつまる前の早いタイミングでボールを動かしたことで、いつものように1枚がプレスをかけて遅らせてる間に複数枚で囲んで高い位置でボールを奪うような守備ができなかった。

それに盛岡商は個々の技術も優れてた。相手が複数枚で対処してきてもキープできるような力を持った選手が多かった。ただし、早いタイミングでボールを動かすっていう盛岡商の攻撃もイマイチ意図がはっきりしなかったことで序盤の時間帯では押し込んでるにも関わらず決定的なチャンスは生まれなかった。

それに作陽の守備も押し込まれながらも組織を形成してしっかりと守ってた。これまでの試合だと得点後に敷いてきた様な守備の布陣。下で選手間の距離をつめてスペースを消すようないつものやり方があったからこそ、押し込まれた時間帯でも落ち着いたプレーができてたんじゃないかと思う。

中盤では酒井の守備面での貢献が目立った。1ボランチでもこなせる選手だけあって球際の守備とか危機察知能力に優れてる。

盛岡商は後半になって明確な意図を持った攻撃を仕掛けるようになったと思う。そのときの中心がFWの成田。成田は前回の八千代戦のときにも書いたような、ボールを引き出す動きを繰り返した。チーム全体としてもサイドにボールを引き出すプレーが多くなって、サイドから攻める意識が明確になってた。

成田が直接絡んだのは2点目のシーン。サイドで引き出してのドリブルでの仕掛けからのクロスが得点に結びついた。1点目も絡んでくる選手は違うとはいってもほとんど同じ形。中で1度起点を作ってからのサイドへの散らしからだった。

それにどちらもサイドを深くえぐったところからの得点だった。この辺に作陽の守備の穴があった気がする。上にも書いたように作陽の守備は下で組織を作っての守備。そういうブロックの仕方で真ん中からの攻撃は安定して跳ね返すことができた。

でも結果としてはサイドをえぐられた攻撃から得点を奪われた。深くえぐられたときに中の選手が勢いのままゴール前まで戻ってきてしまって、相手の1枚下の選手が空いてしまっていた。盛岡商としては中~外への展開に深くえぐるってことも含めて中の選手の目をボールにひきつけるっていう形が功を奏した。

それに作陽の右サイドの守備が左に比べて弱かったのかも。作陽の試合を何度も見たわけじゃいから分からないけど、左サイドでの守備は安定して人への強さを見せてくれてた。

盛岡商はいい守備を見せてくれた。本当は作陽がやりたかったような守備を盛岡商がやってしまった印象。FWの選手から守備が始まる積極的な形。FWのチェイシングでコースを限定して後ろの選手がそれに連動してくる。相手のDFラインでのパス回しを追い込んでボランチに縦パスが入ったところで狙うような形で、いいインターセプトも何度かあった。1人がプレッシャーに行って遅らせたところを周りがフォローするっていう作陽のお株を奪う守備だった。前線での守備時の選手の距離感もいいものだったと思う。

こういう前線でのいい守備に加えて、最終ラインの選手は人に対しての守備の強さがある。前半は桜内に対しての縦パスに厳しく対応してた。それによって作陽は前線に起点が作れなくなってしまった。

ただ、上に書いたとおり序盤は勢いのままに守備をしてた印象だったから、どこまでそういう守備が続くかっていう心配もあった。でも、後半に間延びしてしまう時間とか前半のような高い位置でボールを奪えない時間帯があったものの許容範囲内だったと思う。準決で指摘したDFラインとボランチの間のスペースも気にならなかった。DFラインの統率がうまくいって、全体としてコンパクトな状態を保ててたと思う。

こういう盛岡商のいい守備に対して作陽は上に書いたとおり前線に起点を作れない状態になってしまった。1トップに当ててからの展開が作陽の1つの展開だけにそれが絶たれたことで、いい形を作り出すことができなかった。

それで前半はサイドのスペースへのロングボールが増えてたと思う。両サイドにスピードのある選手を配置してるし、相手の中盤でのプレッシャーが激しいときにそこを省略するのはいい考え方だったと思う。

そういうロングボールでサイドに展開する中でSBが積極的に攻撃参加をすることで厚みを持たせようともしてた。後ろからの飛び出しは相手を押し込む意味でも効果的だったと思う。得点がSBの選手だったことからも積極性が分かる。

後半は開始から村井を投入。予想通り(予定通り)、村井の投入で流れが変わった。何度も書くようだけど、桜内が悪いってわけじゃない。相手の厳しい守備の中でも前線で起点になろうって意図がはっきりしたプレーだった。村井との差はFWでのプレー経験と周りとの連携面。

その村井について。今まで書いたことの繰り返しになる部分もあるけど。いつものように下がって自分がいたスペースに2列目を走らせる動きが目立った。ただ、今日は中盤に戻ってのプレーがいつもより多かったしその位置も低かった。相手のマークが厳しくてボールタッチの数が減ったことに加えて、マーク自体を嫌がってたんだと思う。

そうやってトップの選手が引きすぎるとどうしてもチーム全体が下がり目になってしまう。そういうプレーがいくつかならいいアクセントになる。でも、今日はちょっと極端すぎた。そうやって起点を低い位置にさせた盛岡商の守備の勝ちって気がする。

村井自身はボール保持者に近づくフリーランニングでボールを引き出す。相手の村井に対する対応がはっきりしない時間帯は2列目との関係性のよさも目立った。足元にしっかりとボールを収めて時間を作るようなプレーは今まで書いたとおり。

それに加えて今日の試合ではシュートの力と技術の部分も見せてくれた。得点シーンの前のプレーは狭いスペースでの足元の技術と、シュート力から。遠目からでも打つパワーも見られた。

ここまで3試合村井のプレーを見てきたわけだけど、質の高いFWだってことは明らか。タイプとしては9番タイプだしU-22に入ってきたら、うまくフィットするような気がする。U-22はいいすぎだと言っても将来に期待できる選手。ラインとの駆け引きも身につければ本当の意味で万能型になれると思う。

結果は2-1で盛岡商が勝って初優勝。両チームの選手個々の意識の高さが伺えた。それはボールを奪われたらその選手がまず追いかけるみたいなもの。優勝の盛岡商の試合は結局2試合しか見られなかったのが残念だった。
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2007-01-06 Sat 19:53
高校サッカー準決勝
【作陽×神村学園】
作陽は前回の試合でも見られたようないい連動性での守備が見られた。前線での寄せの速さが目立って高い位置で複数枚で囲む守備が見られた。

そういう前線での積極的に後ろの選手も連動した守備をしてる。例えば相手がサイドに起点を作るために縦パスを入れる。そうすると大抵はSBが出てきて前を向かせないような守備をする。そのSBが出たスペースに抜け出そうとする相手をボランチがついていったり、CBが流れて対応して中をボランチが埋めるみたいな守備が見られた。

そもそも複数枚で守備をするってことは、選手間の距離が近いことを意味する。それが攻撃に移ったときにもいい効果を与えた。選手間の距離が近いことで基本になるトライアングルを作ることができた。

でも、静学戦でも見られたことだけどこういう積極的な守備は得点を奪うまで。そこからあとは徐々に勢いが弱まっていった。守備のブロックの位置をやや下げて低い位置での人数をかけてスペースを消す安定した守備へと転換してった。

確かに前線からの積極的な守備はスタミナ的に辛いものがある。作陽のサッカーはボールを自分達が支配できるようなものでもないだけに、途中での守備のやり方の変更が必要となってくるんだと思う。初戦のときの運動量が落ちなかったっていう感想もそういう守備の転換の中でうまく省エネをしてたってことだったのかもしれない。

何度も書くようだけど、あの時点では相手が勝つと思って見てたから作陽のイメージがイマイチ強くなかった。

神村学園の守備はコンパクトなライン設定を常に意識してた。FWのチェイシングが活発だったけど、そういうときはセオリー通りにDFラインは高い位置に設定されてる。相手に押し込まれて自陣に引くようなときでも3本のラインをコンパクトに設定してスペースを消してた。

個の部分では中盤の部分での球際の競り合いの強さが目立ってた。相手の中盤での積極的な守備にも引けをとってなかった。

作陽は攻撃面でも前回と同じように1トップに狙いを定めたやり方で来た。前半は桜内でスタートして途中で村井に変えるってやり方も同じ。

桜内の1トップは前回よりは機能してた。静学戦よりもタッチ数が明らかに増えてたし、時間をしっかり作って後ろの攻撃を促進してた。でも、やっぱり村井を1トップに置いたほうが可能性を感じる。桜内はDFから急遽コンバートされたってことだから、比べるのは酷かもしれないし。現に怪我の影響か守備であまり動かない村井よりも前線での守備の貢献度は桜内のが高い。

で、村井は静学戦と同じく低い位置でのボールタッチが目立った。ボール保持者に近づくフリーランニングでうまくボールを引き出してたと思う。しっかりとタメを作って後ろの飛び出しを促進するし、引いて受けることで前線に飛び出すスペースを作るってことは前回も書いたとおり。

同じように前線で起点になるタイプの桜内と村井だけど微妙にタイプは違ってる。村井に関しては怪我の中でのプレーでもかなりの質の高さが感じられる。今後の進路は分からないけど、情報が入りやすいのなら注目していきたいところ。

こういうトップで起点になる選手の後ろには積極的に前線に飛び出す選手を配置。スタメンの浜中、今日は途中出場だった小室ともにスペースを見つけて走りこむ能力に長けてる。それに自分でドリブルで抜け出すプレーも積極的だと思う。

神村学園はチーム全体の縦への推進力が感じられた。単純に縦に放り込むってことじゃなくて、ボールを奪ったらぐいぐいと敵陣に進出してくようなイメージ。

特にサイドを起点とした攻撃に可能性を感じた。サイドでは1人、2人っていう少ない人数で相手のブロックをすりぬけて縦に進出した。そういう突破力にクロスの精度も高かった。低くて速いクロスとかDFとGKの間を狙うものとか、意図が明確なものが多かった。

そのクロスにあわせる中の動きの質もよかったと思う。FWの遠藤のエリア内の動きは特によかった。相手の視野に入らない遠いサイドから一気にニアに走りこんでくる動きで決定的なチャンスも作ってた。それに遠藤は自身がサイドに流れてのチャンスメイクも目立ったと思う。

結果1-0で作陽。両チームの攻守の切り替えが速い質の高い試合で途中で雨に邪魔されたのが残念だった。


【八千代×盛岡商】
この2チームはどちらも似たようなサッカーを展開してた。特に守備面は同じような形だった。どちらも高い位置に守備のラインを設定する。前の八千代の試合でも書いたけど、そういう守備のために前線ではボール保持者に対してのプレスが行われる。

八千代の前線の守備は丸岡戦よりも機能してた。丸岡はシンプルに前線に放り込むサッカーをしてたからプレスに行く前に次のプレーが行われた。それに比べて今日の盛岡商はある程度ボールを持ってからの時間があったから、そこに寄せてく時間があったんだと思う。両チームとも悪いピッチでプレーが遅れることが多かったから、そこでもたついてしまって逆に前線で囲む守備が機能してた気がする。

高いライン設定とともに引いたときの守備も似たような形だった。統率されたDFラインの前にボランチがしっかりと位置して守備の組織を形成。こういうブロック形成で真ん中で跳ね返す守備が機能してた。

さらに攻撃から守備への切り替えの所でDFラインと前の選手が分断されてしまうところまで似てたと思う。そこにできたスペースを八千代はドリブルに使ってた。盛岡商側は前に人数をかけてスペースに入ってくることでこぼれ球を拾って厚みのある攻撃を仕掛けてた。盛岡商のここのスペースは時間とともに修正されてったけど、八千代は1ボランチってこともあってうまく修正しきれてなかった。それで後半は盛岡商のペースになってたってこともある。

攻撃面でも前線である程度の流動性を持たせるっていう部分はどちらのチームにも共通して言えたことだった。

八千代の攻撃はボランチの新里を軸として前線はかなり流動的。攻撃面では下での散らし、組み立て、守備面では全体のカバー、DFラインに入ってのプレーと今まで何度も書いてたような1ボランチの仕事をしっかりとこなしてた。さらに機を見て前線の攻撃に参加するようなシーンもあった。

その新里を中心にして前では積極的なポジションチェンジが目立った。特に左サイドでスタートの藤井は右に顔を出すような場面とかゴール前に入ってくるような場面もあって、かなり自由にやってた。

自由度だとトップ下の米倉も高かったと思う。左右上下に活発に動き回る。そうやって動き回った中でボールを引き出してタッチ数を増やした。ボールを受けたときにスペースがあればドリブルで仕掛けてくってことが多かった。ただ、このドリブル中心の攻撃がうまく機能しなかったのが残念。

ボール保持者に対する相手の藤村を中心としたDFの守備のうまさを感じた。DFとドリブルで駆け引きをする選手に対して周囲が走って助けるようならしいプレーも見られたけど、結局最後まで突き抜けられなかった。

それに雨によるピッチ状態の悪化も原因だったと思う。山崎も含めて八千代は自分達の個人技の部分のよさを消されてしまった。さらに雨によってグラウンダーのパスもなかなかうまく通らなかった。だから、丸岡戦で見られたような下田へのくさびのパスもほとんど通ってない。

そうやって八千代は前線で起点が作れないだけに、チーム全体が押し上げるのが難しくなってしまった。そうやって相手のペースを握られてしまったと思う。試合全体を通して、丸岡戦ではあまり見られなかったロングボールが目立った。自分達のスタイルではない部分での戦いでつらい部分があったと思う。

盛岡商の攻撃は昨日の丸岡と同じく八千代の高いラインのウラを狙う攻撃が主だった。そこでキーになったのが1トップに入った成田だった。成田は真ん中を単純に狙わずに両サイドに流れつつウラで引き出すようなプレーを繰り返した。そういう動きの中でトップの位置にスペースをうまく作ってたと思う。

そのスペースを2列目以降の選手が上手く使って中に厚みを持たせた。特にトップ下スタートの林は最前線まで出ているような時間帯も結構長かった。それに中盤では1度収めて時間を作るようなプレーもこなしてた。戦術的にサイドで相手のDFラインの背後を狙う意図がはっきりした攻撃が見られたと思う。

結果は1-0で盛岡商。八千代のGKにとっては不運な失点シーンになってしまった。それでもここまでは高いDFラインのウラをカバーする11人目のフィールドプレイヤーとしての役割をこなした。積極的な飛び出しが目立ったのはよかったと思う。後半の流れは盛岡商に行ってたし、そういうのが得点っていう結果で現れたんだと思う。
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2007-01-05 Fri 16:13
高校サッカー準々決勝
【作陽×静学】
作陽が4-1-4-1のシステムで来たってことで、やっぱり触れなきゃならない。

守備面では4-1-4-1を使うメリットがかなり出てた。まず1トップが最前線で積極的にチェイシングをする。そこを守備の起点として後ろの選手が連動して守備を行う。トップのチェイシングで静学はサイドに送らなきゃならないことが多かった。

そこを2列目の選手が狙ってる。2列目は守備ラインを高めに設定して組織的に守備を行う。ボール保持者に対する寄せの速さが目立って、すぐに相手との距離をつめて攻撃を遅らせる。そこに周囲が連動して複数枚で対応するシーンが目立った。

その後ろでは1ボランチがしっかりとバランスを取りつつ、前線の守備ラインをすり抜けたたボールにしっかりと対応してた。最終ラインはやや高めのポジションを取って、全体をコンパクトにしようっていう形だったと思う。

後半は形を4-5-1の形に変えてきたこと、リードして守りに入ったことで守備のやり方はやや変わった。守備的な中盤が増えただけ前目での守備が弱まったし、下でしっかり守ろうっていう守備が見られた。スタミナ面での不安もあったし、この切り替えは適格だった気がする。そういう守備のやり方も安定感を感じた。

こういう相手のいい守備に対して、静学はいつものような個人技を仕掛けることができなかった。だから序盤は低い位置から単純にトップを狙うロングボールが目立ってた。こういう攻撃は高めから積極的に守備に来る相手に対してはセオリーだし、FWがうまく引き出す動きを繰り返してたと思う。

そうやって相手のラインを少しは下げさせてから、しっかりと組み立てるサッカーに移行してったと思う。低い位置で左右に振って相手のプレッシャーを分散させるやり方だった。左右をワイドに使うことで、相手の選手間の距離が伸びるから複数枚で連動した守備をすることが難しくなる。これも考えた攻撃だと思った。

さらにDFの選手が後ろから積極的に攻撃に参加することで前の人数を増やして、相手を押しこめたと思う。相手は1トップを前線に残す形だったから、4バックの静学の選手は余ることになる。前半も最終ラインから小阪が出てくることでチャンスが生まれた。そういう選手が前線に飛び出すことで厚みを増した。

そうやって前半の途中ぐらいから敵陣でプレーする時間帯が増えてきた。ここまでの流れは本当に“考えるサッカー”だった印象。

前半の作陽は攻撃面では4-1-4-1のメリットをうまく活かしきれてなかった。このシステムを使ったときの攻撃の形としては1トップにしっかり収めて、2列目から積極的に飛び出して相手を混乱させるやり方か1トップが流れて真ん中にスペースを作って2列目が出てくるやり方。前者は後半の作陽の村井を中心としたサッカー。後者は後半始めの国吉を1トップに置いた静学のサッカー。どちらにしても重要なのは2列目からの飛び出し。

前半の作陽の狙いは前者の形。1トップの桜内に当ててからの攻撃を狙ってた。その桜内は最前線で受けようっていう意識が強かったと思う。でも、ここまでの2試合と同じように静学の守備陣は縦パスに対する出足の速さが目立ってた。前線の守備でパスコースを限定しつつ後ろが出足の速さで相手より先にボールを触る守備。2列目の選手が出てくる意識はあったけどFWがトップでふたをしてしまったから、前がつまってしまって効果的ではなかったと思う。だから、作陽は前半のいい形での攻撃ができなかった。

この攻撃が後半1トップに村井を入れたことで激変した。村井は引いてきて起点になるプレーが多くなった。やや下で起点になるだけに相手も対応しにくかったと思う。そうやって時間を作りながらトップの位置にスペースを空けたから2列からの飛び出しが活性化したと思う。さらにしっかりとキープできるからマークをひきつけて味方を助けた。

3得点のキーワードは2列目からの飛び出しと村井のタメだった。2得点の小室をはじめ、選手が後ろから出てくるだけにフリーになれたと思う。

静学の守備は前半は4バック。相手が1トップだってことに合わせたのかもしれない(井田監督は全く相手を研究しないって言ってたからどうだか分からないけど)。

とにかく、前線での守備意識はこれまで通りだった。単純に中盤の人数が減ったことでいつもよりも守備の位置が低くなるシーンもあったけど、それほど気になるものではなかった。前半は相手がほとんど形を作れてないことからも分かる。

前半は4バックでいい形で守備ができてたと思うけど、後半は3バックに変更。これでバランスが崩れてしまったと思う。3バックだと大抵は5バック気味になることを想定した布陣。でも、静学の中盤は攻撃に特化した選手を置いてたと思う。

攻撃面では小倉、国吉、杉浦、伊藤っていう選手を配置することで前線が流動的になるし、厚みも増える。2得点も前線の流動性と厚みに個人技が加わった静学らしいものだった。これまでの試合は相手をずっと押し込んでたからこういう布陣がうまく行ってたんだと思う。

今日の試合でも作陽が前半と同じようなサッカーをするなら、この布陣がうまく行ったはず。でも、上に書いたとおり作陽の攻撃は後半のなってガラッと変わってきた。そうなったときに中盤が超攻撃的になったつけが回った。守備のバランスが崩れて3バックだけで相手に対応しなきゃならないシーンが多くなった。

それに相手の2列目の飛び出しには中盤の選手が戻ってマークをするのが基本。それもできなくなって自由にフリーで飛び出されてしまった。さらに得点を取られたことがチームを前がかりにする悪循環だった。

結果は3-2で作陽。序盤は両チームとも中盤での守備の意識が強くて、なかなかボールが落ち着かなかった。その中で静学が足元の技術に裏打ちされた落ち着きで徐々にペースを握っていったと思う。それが後半になって今度は作陽ペースに。そういう流れの転換がはっきり見られた試合だった。両チームに戦術的な駆け引きがあったのも面白かった。前回の試合後に印象が薄いって書いた作陽には謝りたい。


【八千代×丸岡】
何試合か前の八千代のリプレイを見たときに、後ろに戻りながらの守備が目立つって書いた。そのときは前目でのプレッシャーがうまく効いてないからだと思ってた。でも、今日の試合を見てその原因がはっきりした。ラインをかなり高い位置に設定してるから、そのウラを使われたときにそういう形になっちゃうってことだった。

今日の試合では特に序盤にそういうシーンが目立った。八千代のDFラインはかなり高い位置に設定してくる。このラインは選手間の距離を含めて統率が取れてたと思う。そういう守備がこの試合までは機能してたはず。

でも、今日は丸岡のFWのスピードにやられてしまった印象。丸岡はボールを取ったら相手のウラを狙うっていう単純な攻撃を繰り返した。単純だけどFWのスピードもあるだけにかなり効果的に決まってたと思う。

それを見て八千代はボランチを2枚に増やして中盤の形をダイヤモンド型からボックス型に変更。意図としては、①中盤でパスの出所を押さえる。②ウラへのパスを1つ前でカット。③中盤に引いてくる相手FWへの対応をはっきりさせる。④相手の2列目からの飛び出しのケア。ってなところか。この変更後は序盤ほどやられなくなったと思う。ウラを取られてもしっかりとカバーをしてた。

八千代はこういう風にDFラインをかなり高い位置に設定してるから、前線での守備が重要になってた。前線で組織的に囲むようなシーンは少ないけど、ボール保持者に対しては必ずプレッシャーに行く。ラインを上げてるときに相手に自由にプレーさせれば決定的なチャンスにつながってしまう。それを防ぐ意味での前線のチェイシングが目立った。

さらに本来1ボランチとして機能してる新里の守備が効いてる。こぼれ球の対応とボール保持者に対する守備が目立った。それに、チームとしての戻っての守備もいいものだった。引きの速さが目立って、しっかりと下でブロックを作るような守備も機能してたと思う。

丸岡の攻撃は上に書いたとおりシンプルなものだった。そのキーになってたのがFWの夏目。八千代のDFラインとの駆け引きのうまさが目立った。斜めに抜け出したり、一度下がってからオフサイドにならないように抜け出したりと工夫が見られたと思う。それに自身のスピードが相まって八千代にとっては本当に嫌な攻撃になったはず。そういう抜け出しからのチャンスを決めきれなかったこととか足元の技術が少し気になるけど、ボールを引き出すまでの動きの質はいい。

そして丸岡はこうやってウラを狙う攻撃を繰り返したことで、後半のサッカーが楽になったと思う。相手の選手は守備のために上下動を繰り替えさなきゃならなくなった。だから後半は八千代の運動量が落ちて、丸岡がボールを支配できたし、得点を含めていいサッカーを展開できたと思う。そういう後半の攻撃では遅攻でもいいものを見せてくれた。前線での動きが活発で連動した攻撃を仕掛けてたと思う。

注目の八千代の攻撃。今までリプレイで見てきたようなドリブルでDFラインに仕掛ける選手とそれをフローする両翼の選手みたいな関係性での攻撃は見られなかった。それでも、バランスのいい攻撃を仕掛けてたと思う。

このバランスのよさは2トップの役割のバランスのよさから来てると思う。まず、2人も体の使い方がうまい。下田は相手を背にしてキープするとき、山崎は相手の前に出るときの体の入れ方。

下田はポストプレイヤーとして働く。色々なところでボールを引き出す動きが目立った。さらにそこでしっかりとキープできるから時間が作れる。そのプレーが後ろからの飛び出しを促進してたと思う。前線で攻撃の起点としてうまく機能してた。

だから、後半の途中で下田が交代してからはいい攻撃が仕掛けられなくなってしまった(運動量の問題もあったけど)。交代出場の高橋が悪かったってわけじゃないけど、サイドに流れるプレーが多くて前線に安定感がなくなってしまった印象。

もう1人のFW山崎はシャドー気味にプレー。自由に動き回ってのドリブルの仕掛けが多い。さすがに注目されてるだけあって、積極的な仕掛けからのチャンスメイクが目立った。

この2人に1枚下の米倉が絡んでくるのが本来の形だと思う。今日の試合ではボックスにして米倉をサイドに出したことでいい連動性っていう部分はあまり見られなかった。でも、ボックス型にしたことで米倉のタッチ数が増えたってのも事実だったと思う。相手の守備の真ん中の強さは明らかだったから、トップ下の位置ではあまりボールをもらえなかったはず。それを考慮してのボックス型への変更だったともいえる。

米倉はサイドでボールを受けてからのドリブルでの仕掛けが目立った。米倉、山崎を中心に要所要所での個人での仕掛けが目立った。サイドの米倉を中心として八千代の攻撃はサイドに起点を作ることが多かった。DFラインでのパス回しからサイドに縦パスを出してた。そうやって相手をサイドに引き出そうっていう意図があったと思う。両サイドへの大きな展開のバランスもよかった。

丸岡の守備もここまで無失点に抑えてきただけあってしっかりしたものだった。基本は自陣にしっかりと組織を形成してスペースを消す守備。特に真ん中の跳ね返す力の強さはさすがだったと思う。最後の所での粘り強い守備も効いてた。

結果は2-1で八千代。丸岡も終了間際に1点を返して、守備だけじゃなくて精神的な粘り強さも見せてくれた。
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2007-01-03 Wed 22:44
高校サッカー3回戦
【静学×青森山田】
静学はスロースタートのチームなのかもしれない。昨日と今日の2試合を見る限り、後半の方がいいサッカーをしてる。時間が経つにつれてどんどんと調子を上げてく印象。

要因の1つは運動量。地方大会の決勝で運動量が落ちたなんて書いたけど、全国に来ての2試合は運動量の部分で相手を圧倒してる。地方大会からの中間に走り込みを徹底してきたらしいけど、それが功をそうしてると思う。

2つめの要因は選手交代。2試合とも後半開始時の選手交代で前線の流動性が増してる。しかも前線の選手が多くのポジションでプレーできるってことで選手交代のバリエーションが増えてると思う。国吉はFWスタートから右サイド、左サイドとポジションを動かした。FWの位置でプレーした前半もサイドとか低い位置でボールを受けてからの仕掛けが見られた。キープレイヤーの杉浦も右サイドからトップ下へ動いてのプレー。

ただ、相手が前回よりも格上になったこともあってなかなか最後のところを崩すことができなかった。青森山田はいい守備をしてた。攻撃から守備に切り替えのところでは高い位置で厳しく当たって遅らせる。その間に後ろで組織を作ってた。

後ろでの組織的な守備は選手間の距離を近づけてスペースを消すやり方。そうやって静学の選手が個人技を発揮するスペースを消した。個々の守備でも静学の個人技に対する対応はいいものだったと思う。

そういう状況にも関わらず、静学はドリブルに固執しすぎてた印象。自分達の長所を出すこともいいけど、柔軟に対応することも必要だと思う。ドリブルをすることでパスを供給するタイミングを逃してしまうシーンが目立った。

静学はいつものように2列目から前線に入り込んでくる選手が多い。そのときの動き方もいいものだと思う。ただ、1人のボールの保持時間が長いせいでボールを供給する頃には前線が動き終わってしまってるってことが多い。そうなると前線が詰まってる状態になって、ボールが供給されても止まって受けるだけに効果的ではない。それに多く前線に入ることが逆に自分達のプレーするスペースを削ってしまう状態を作ってしまっていた。

それにそうやって前線に出すパスが右サイドに偏りすぎだったと思う。特に国吉が右サイドに出た後半はそういう状況が目立った。国吉にボールを持たせようっていう意識があって、それをフォローするためにFWが右に流れてきたりしてたけど、逆サイドにはスペースがあった。得点シーンは左サイドだったからけど、決定的チャンスはほとんど使ってなかった左サイドからのものが多かった。いろいろな部分で戦術的なバランス感覚を磨いてほしい。

守備は相変わらずよかった。守備への切り替えの速さ、後ろの選手の出足の速さが昨日に引き続き目立ってた。特に中盤で相手を囲むやり方がうまく決まってると思う。前線で激しくチェイシングするわけじゃないけど、縦パスが入った瞬間に囲む守備が見られる。守備面でも後半のほうがいいものだった。攻撃陣が押し込んだこととか相手の運動量が落ちたことも要因だろうけど、相手のFWへのパスをカットして起点をつくらせなかった。

ただ、戻って組織を作った部分での守備に不安点があった。それはボールから遠いサイドの選手がフリーになってしまうこと。WBが攻撃的に行くぶん、3バックのサイドにスペースが空いてしまっていた。

青森山田側では守備については上に書いたから攻撃について。攻撃はFWをうまく使うやり方だったと思う。1度FWに当てることで時間を作ることができる。ゴール前ではFWを絡ませたパス交換が多く見られた。そうやってFWが落とすことで下で受けた選手が前を向いた状態で、比較的自由にボールを受けられたと思う。

青森山田のキープレヤーとして紹介されてたフランクについても少し。攻守に渡る貢献度、運動量が目立った。守備ではピッチ全体に出てきての守備。球際での激しい守備も目立った。攻撃ではFWと絡んで最前線まで出てくるシーンもあった。キーって言われるだけあっていい選手だったと思う。

結果は1-0で静学。ロスタイムの得点で辛くも勝った試合だった。こんなにヒヤヒヤした試合展開にならないためにもシュートの精度を上げてもらいたいところ。


【鹿島学園×星陵】
鹿島学園は初戦に書いたような競り合いの部分の強さがこの試合でも目立った。得点シーンも1試合目と似たような形。ゴール前の球際での粘り強さから生まれた得点だった。守備の面でもハイボールに対する競り合いではことごとく勝ってたと思う。星陵はサイドからクロスを上げることが多かったけど、ほとんどを跳ね返してたと思う。

それを考えると、DFの鈴木をFWに上げた選択は面白かった。鈴木はU-17の代表候補ってだけあって、守備面での対応は素晴らしかった。さらに高いボールの競り合いにも自信があったんだと思う。だから、鈴木はFWに上がってすぐのクロスの競り合いで決定的なチャンスが生まれた。同点ゴールは直接関係なかったけど、そのプレーが遠因になってたのは事実だった気がする。

鹿島学園の競り合いって意味では、グラウンダーのボールでも相手よりも先に触ることが多かったと思う。

守備面では一番最後のところの守備の強さも目立った。この試合はここまでの2試合と違って、相手のレベルが高かったからいつものように自分達のペースで進めるってことができなかった。特に後半は鹿島学園が終始守備に終われてた。それと同時に中盤での効果的な守備が効かなくなってしまったと思う。

その中で最終ラインを中心に最後のところをキッチリ守った。4バックが絞って互いの距離を近くしてスペースを消してた。DFがラインから引き出されたときも、ボランチを中心に他の選手がしっかりとスペースを埋めてうまくバランスを取ってた。さらに途中からの3バックへの変更も無難にこなした。失点がただ1つのミスからだったのが残念。

攻撃面では相手に押し込まれる時間が長かったこともあって、いつものような厚みのある攻撃は少なかった。その分前線の選手の個での打開が求められた。それだけに2試合と比べると杉下の調子がよかったのは好材料だったと思う。前線で積極的にボールを引き出して、そこからのドリブルでの仕掛けが目立った。それに戻ってきての守備も献身的にこなしてたと思う。その分前線でのチェイシングが前の試合よりも増えてた。

星陵はリズムを握っていい攻撃を仕掛けてた。相手の鹿島学園がドリブルで守備を崩そうとしてきたのに対して、星陵はパス回しで崩そうとする意志が見られた。中盤では選手の距離感が近くて少ないタッチ数でのパスが多く回った。

ただ、そのときのフリーランニングの質が不満。近づいてきてパスを引き出すフリーランニングは多かったけど、離れて味方にスペース作ったりスペースでもらったりっていう動きが少なかった。加藤さんも言ってたけど、足元へのパスが多すぎたことで相手の速い出足でうまくカットされてしまった。

ただ、こういうパスの引き出しの部分以外はバランスのいいものだった。ショートパスとロングパスのバランスの部分では1つのサイドで短いパスを何本か回したあとでの大きなロングパスなんかが見られた。

中と外の使い方のバランスもよかったと思う。特に相手が中をしっかりと固めたこともあってサイドに1度出してからの攻撃は効果的だった。後半はSBが積極的に攻撃に参加してきてサイドで余っての余裕を持ったプレーができてた。

個と組織での崩しもいい頻度で行われてた。組織での攻撃は上に書いたようなパス回しの部分。個の攻撃ではFWの塩原が低い位置で受けてからドリブルで仕掛けてく場面が多かった。この部分はどちらかっていうと組織的な攻撃の方が目立ったけど。

星陵は高い位置での守備も目立った。鹿島学園のDFラインでのパス回しの位置がかなり低い位置になってしまっていた。鹿島学園の攻撃時のラインが間延びしてしまっていた。守備時の出足の速さも目立ってた。前半は両チームとも中盤でのいい守備が見られて、その部分での攻防が面白い試合になってたと思う。

結果は1-1のPKで星陵。今大会PK戦が目立つのは(無得点でベスト8に上がった高校が2校)得点力不足を象徴してるとかいう記事があった。個人的にはここまでの試合を見る限り守備の戦術がしっかりしてきたからだと思うけど。今までも何度も書いてきたけど、今の潮流は守備重視のサッカー。それが高校サッカーにも現れてるだけな気がする。


【ハイライトから】
八千代が4-1で野洲に快勝。3点目以降は相手の集中力の問題だった気もするけど。1点目はここまでの八千代に多く見られる、1人がドリブルで仕掛けて左右にフォローが走る形。押し上げの速さが目立つ。次の試合はやっと中継してくれるらしいから楽しみ。なんかこの項目は八千代の為に作ってる気がしてきた。
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2007-01-02 Tue 23:58
高校サッカー2回戦
【静学×佐賀東】
静岡の予選のときの感想は①個の落ち着いたプレー②縦のポジションチェンジ③縦パスに対する対応④運動量の落ちっていう感じだった。

前半は個の部分ではそれなりにいいプレーをしてた。でも、それがチームとしての有機的な攻撃になかなかつながらなかった。前半の攻撃はあまり可能性を感じないものが多かったと思う。相手が引いて守備をしてただけに、DFの選手が高い位置まで運んでの押し上げをかけてた。

ただ、そこからの攻撃の形が作れない。前にコースがなくて結局ロングボールを放り込むっていう形が多くなってしまったと思う。そういうボールは真ん中をしっかりと固める佐賀東の守備陣に簡単に跳ね返されてしまった。初戦ってことでリスクを恐れすぎた試合運びが目立った前半だった。自分のポジションを捨てて積極的に出てくるシーンが少なくて相手も守りやすかったと思う。

後半の開始時から小倉を投入。これによって前の3人の自由度が増した。それで杉浦が最前線に近い位置にいることが多くなったと思う。

さらに前半と違った早いタイミングでの攻撃の組み立ても目立ち始めた。低い位置でのパス回しが少なくなって縦への意識が強くなってたと思う。その縦に対する展開もロングボールを放り込む単調な攻撃からサイドに起点を作るいいものに変わった。相手の目をサイドに向けさせることで中にもボールが入りやすくなったと思う。

こういう攻撃の形が相手に先制点を奪われたことでさらに活性化した。いい意味で吹っ切れて、積極的に前線に飛び出す選手が増えた。それによって前に厚みを増すことができた。その流れの中で同点、逆転ゴールが生まれた。

1点目はCKから。相手を押し込んだことでCKの数が増えてた時間帯だった。中の選手は1度集まってから散らばるやり方で相手のマークがつきづらい状況を作ってた。
2点目は小倉の突破力。狭い局面を個人の能力で突破した。深くまでえぐったことで相手の視線を集中させられたと思う。それによって中のマークが完全にズレていた。さらにそこにつめた人数が多かったってのもよかったと思う。

静学は攻撃面での流れがよくなるにつれて守備面でもよくなった。

そもそも守備面は序盤からいい形でできてたと思う。守備への切り替えが速くて、相手ボールになったらすぐにプレスに行くやり方が見られた。そういういいプレスの中で高い位置で効果的にボールを奪える場面が多かったと思う。前線の選手が戻ってきて挟み込むような守備もよかった。ただ、前半は相手にカウンターの形を作られたのも事実。相手のカウンターのキーになる山下に簡単にボールを入れさせすぎだった印象。結果として先制点も山下に奪われた。

この失点のあと、その部分の守備が明らかに改善した。相手がカウンター時にトップに当ててくるボールを、相手より前で奪う意識が徹底されたと思う。出足の速さが目立った。相手が前線での起点をつぶしたことで相手は押し上げができなくなった。それによって守備陣を完全に引かせてこぼれ球を拾うことができたと思う。

こうやって相手のカウンターを前でつぶせたのは相手の選択肢が少なかったってのもある。監督は相手のビデオを一切見てないって言ってたけど(それが本当だとして)、しっかりと研究してれば前半からこういう守備ができたんじゃないかと思う。

佐賀東も負けたとはいえ、いいサッカーをしてた。特に守備面ではしっかりと鍛えられてる印象を受けた。守備のやり方は自陣に引いてスペースを消すもの。DFラインとダブルボランチを中心とした中盤のラインの距離感がよくてゴール前にはほとんどスペースを与えてなかった。1人1人も相手が個で仕掛けてくる個人技に対してはしっかりと対応してた気がする。GKの守備範囲の広さもあって堅い守備を見せてくれた。

結果は3-1で静学。ちなみに④の運動量の問題はほとんど見られなかった。むしろ時間が経つにつれて動きがよくなってた印象。


【鹿島学園×帝京可児】
鹿島学園は切り替えの速さが目立った。攻→守の切り替えでは、相手に奪われた後すぐに自陣に引いて組織を作る。相手のボール保持者に対してしっかりとプレスに行って攻撃を遅らせつつ、その間に一気に引く。だから、前半の帝京可児はいいカウンターを仕掛けることができなかった。さらに守備面では前線の選手の戻りながらの守備の質の高さが目立った。

後ろでの組織的な守備も質の高いものだった。後半はある程度攻め込まれる時間帯もあったけど、結局は決定的なシーンを作らせてない。DFの4人が絞って距離感を近づけることで、真ん中のスペースを完全に消してしまっていた。

守→攻への切り替えの速さも目についた。3点目のシーンが代表的。相手が前がかってたこともあるけど、引いて攻撃を受けてた状態でのインターセプトから最後のシーンでは3人がゴール前に出てきてた。押し込んでた時間が長かったこともあるけど、試合全体を通して攻撃への移行が速くて前に人数が揃ってる状態を作り出せた。

鹿島学園は攻撃面での戦術的な柔軟性も見せてくれた。

序盤は地上からの攻撃が目立った。でも、それに対して帝京可児の守備が組織的に対応してきた。帝京可児の守備は引いて組織的に守る形。ラインをコンパクトに保ってスペースを消した。で、相手の縦パスが自陣に入ったところで一気にプレッシャーをかける。鹿島学園がドリブルで仕掛けるシーンも目立ったけど、それもスペースを消されてただけにうまく突破できなかった。

それを見て鹿島学園は戦い方を変えた。地上からの攻撃から空中への攻撃へ変えた印象。相手のプレッシャーがほとんどないDFラインでの左右へのパス回しから一気にスペースのない中盤を省略するロングボールを放り込んだ。そのロングボールをサイドに入れたのが上手かったと思う。単純に真ん中を狙ってたら跳ね返されたはず。

先制点のシーンもサイドへのロングボールからの流れからだった。後半は相手が前に出てきたこともあって、もとの地上からの攻撃に変えてた。こういう柔軟性は武器になる。

1点目は木之内のゴールだった。木之内ドリブルで相手DFラインに仕掛けてったけど、相棒の杉下が前に走ったことで木之内の前にうまくスペースを空けたと思う。このシーンに現れてるように2トップの関係性はよかった。木之内が高さで競りながらウラに杉下が走りこむシーンとか、木之内が真ん中に残って杉下が引いて受ける場面なんかがあった。関係としては1トップ1シャドーだった。

帝京可児もいい攻撃を仕掛けるときはいい形を作ってた。前半のよくない時間帯はサイドに起点をつくっての攻撃だった。でも、本当にいいときは真ん中からの攻撃。FWが絡んだダイレクトでのいいリズムのパス回しが見られる。そういうパス回しに中にドリブルの仕掛けが混ざってきていいアクセントになってた。特に武井の仕掛けはいいものだった。

結果は3-0で鹿島学園。


【ハイライトから】
前回から注目してた、八千代は勝ち上がり。守備はスピードにぶっちぎられた部分が目立ってた。戻りながらの守備が多かったのは前でのプレスが効いてなかったからかもしれない。
攻撃は相変わらず味方のドリブルに対するフォローがいい。前に人数が入ってくるから一番遠いサイドがフリーになってるシーンが多かった。
明日は野洲との試合。この試合は絶対に見たいんだけど、日テレで放送してくれるか。
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2007-01-01 Mon 23:56
天皇杯決勝:レッズ×ガンバ
今年何度目だってぐらいに、試合をしてる両チームが今シーズンの締めくくり(って位置づけでいいと思う)のここでも当たった。

<レッズ:3-6-1>
FW:永井
MF:ポンテ-小野、相馬-山田-鈴木-平川
DF:ネネ-内館-細貝
GK:都築

<ガンバ:3-5-2>
FW:播戸-マグノ・アウベス
MF:二川、家長-遠藤-明神-加地
DF:山口-宮本-実吉
GK:松代

内容は誰が見ても明らかなようにガンバが圧倒してた。それでもレッズの勝利っていう結果。この辺にレッズの強さを感じるし、サッカーの怖さを再認識させられる。

レッズは準決勝と同じく、引いて守備のブロックを形成する形。ただ、決定的に違ってたのは“引いた”んじゃなくて“引かされてしまった”ってこと。
準決勝のアントラーズ戦でも押し込まれたっていう側面はあったけど、それでも安定感のある守備を見せてくれた。簡単に言えば主導権をもった守備だったと思う。
それに対してこのガンバ戦は明らかに受身の形。引いて守ったことで0点に抑えたわけじゃなくて、いろいろなことが重なって結果といて0点に抑えられたっていう感じだった。

そもそも前線でのプレスがほとんどかからなかったのが問題。いつもは引いて守るって言ってもボール保持者に対してはしっかりとプレッシャーをかけてる。それがボール保持者に対してプレッシャーがかからなかったことで、いい質のボールを簡単に供給されてしまった。
レッズの守備がウラを何度もとられるってシーンは今までほとんど無かった気がする。それが多く見られたのは播戸を中心としたボールを引き出す動きに加えて、パスを供給する側の自由度もあったと思う。

レッズの守備の安定感を崩したのはガンバのやり方がよかったってのもある。まず、大前提になるのが2トップ(特にマグノ・アウベス)にしっかりとボールが収まるってこと。前線で起点が作れるから、後ろの押し上げも促進できる。そうやって前線に厚みのある状態を作ったことで相手をズルズルと引かされこぼれ球を徹底的に拾うことができた。上に書いたとおりレッズの前線のプレスが機能してなかったから余裕を持って組み立てもできた。

遠藤のボールタッチの位置がガンバの攻撃の1つのバロメーターになってると思う。それが今日は高い位置でのタッチが多かった。相手1トップに対して3バックで守ってるから、余った1枚のDFがビルドアップに参加してさらに厚みを増してたと思う。そういう厚みのある攻撃の中で、くさびを入れたり、サイドに起点を作ったりと自分達のペースでバランスにいい攻撃を仕掛けた。

それからガンバの前線の関係性もよかった。その関係性でレッズの守備を混乱させたことは間違いない。マグノ・アウベスと播戸は縦の関係性になることが多い。これはJの最終節のこのカードのときも書いたこと。
そのときの文を引用してみると

播戸とマグノ・アウベスは縦の関係性になってることが多い。
播戸は前線に位置して相手のDFラインと常に駆け引きをしてる。ウラに飛び出そうっていう動きを繰り返されるから相手としても嫌な存在。上に書いたとおり、序盤はそういうプレーがかなり目立ってた。ただ、後半は一気に目立たなくなってしまった印象。相手が守りを固めてたってこともあるけど、故障明けの運動量に不安があった気がする。
マグノ・アウベスはやや引いた位置を基本してる。相手のDFから自由な位置でボールを受けてからプレーを始めることが多い。低い位置でボールを受けて起点になるようなプレーも多かった。得点シーンも含めて2人の関係性もよかったと思う。


特に今日の試合ではマグノ・アウベスの引いてきてのプレーがうまく機能した。原さんの言葉を借りればマグノ・アウベスは中途半端な位置でプレーしてた。低い位置でプレーすることでネネをDFラインから引き出すことが多かったと思う。そうやってできたFWのスペースを播戸が走り回ったり、二川が2列目から出てきてうまく使ったりしてた。

その辺はレッズの3バックが普段ベンチのメンバーだったことも効いてたと思う。レッズとしてはそうやってバランスが崩れたスペースを中盤の選手が埋めたりしているうちに、DFラインに吸収されてしまってDFライン前に大きなスペースを作ってしまう結果になった。

DFラインから選手が引き出されるって意味だと、ガンバの加地のサイドに引き出されることも多かった。これは相馬の怠慢さのせいっていう原因が大きい気がする。一番ひどかったのが、加地にぶっちぎられる→山田が対応→相馬はその場で立ち止まるってシーン。結局、加地のタッチが大きかったおかげで助かったわけだけど。

ガンバは前半から上に書いたような形でいい形を何度も作ってた。ただ、最後は典型的な攻め疲れの状態に陥ったと思う。後半の序盤ぐらいまでは圧倒的に攻めてたけど、レッズが長谷部を投入したあたりから勢いがかげり始めた。

この時間帯辺りからレッズの前線の守備が最悪の状態を脱したってこともあるけど、一番大きかったのは播戸だったと思う。上に引用した中にも書いてあるけど、今日の播戸もと途中から消え始めた。前のときは怪我明けの影響もあっただろうから、そのときほどではなかったけど。前線での引き出す動きが減ったことで後ろの選手がボールを持つ時間が長くなったことが相手に寄せる時間を作らせてしまった要員だったと思う。もちろん多くの時間で播戸の動きがチームを助けてたわけだけど。逆にその動きが減ったことでチーム全体の動きも連動してしまったってことだと思う。

ここまではレッズの守備×ガンバの攻撃っていう構図で書いてきたけど、ここからは逆にレッズの攻撃×ガンバの守備っていう構図で。

レッズの攻撃は本当に形を作れなかった。守備からのつながりで見るなら、引かされてしまったのがその原因。ボールを取る位置が低くなった上に、前線に選手がいないから跳ね返したボールを相手に拾われて攻撃につなげなかった。

それに準決でも書いたとおりワシントンの不在も大きい。これも同じことになるけど、永井は前線で時間を作るタイプの選手じゃない。だから引いたチームを押し上げることができない。それでレッズの前線の選手が孤立してしまう場面が目立った。このことは攻撃面での問題とともに守備ラインが押し上げられないっていう状況も生んでしまった気がする。

じゃあ、準決はどうやってたかっていうと1枚後ろの小野とかポンテがうまくボールを落ち着かせる役割を担ってた。ただこの試合では相手の守備陣がしっかりとこの2人に対応してたと思う。特に明神と遠藤のダブルボランチは効いてた。

こういうガンバの守備面から見れば、前線からの守備がかなりうまく機能してた。この辺は前線に播戸が入ったことが大きい。前線から積極的なチェイシングをかけるから後ろの選手も守りやすいと思う。

さらに個々の守備への切り替えの速さも目立った。ボールが相手に渡ったら、すぐにプレッシャーをかけた縦へのコースを消して遅らせる。その間に他の選手が戻ってきて挟み込むっていういい守備の形が何度も見られた。縦パスに対する厳しい対応もよかったと思う。

ここまで書いてきても明らかにガンバ>レッズ。結局、レッズが勝ったのはやっぱり交代の部分が大きかった気がする。結果として得点シーンには交代出場の2人が絡んでるわけだし。

まず、長谷部の投入。上にも書いたとおり相手の勢いが衰えたこともあって、この時間帯から前線での守備がマシな状況になってきた。得点シーンの前のカットは長谷部が戻りながら高い位置で相手のボールを奪ったところからだった。そんな感じで長谷部が前目で守備の起点になることができたと思う。

それまでの時間帯は守備の起点は鈴木。前の試合と比べても前に出てきて守備をすることが多かったと思うけど、それに周囲が連動せずに逆にバランスを崩してしまった気がする。そのときは後ろで山田がバランサー的になってた。

それが長谷部の投入で普段の形に戻ったことが効果的だったと思う。今日の鈴木はチーム状態が悪い中で攻守に渡って孤軍奮闘って感じだった。守備では高い位置のボール保持者に対するプレッシャー、攻撃では数少ないカウンターの起点として働いた。終了間際での交代が怪我によるものだとしたらちょっと心配。

長谷部の投入で守備面でのバランスがマシになって、次が攻撃面での岡野の投入。岡野が入ったことで前線の動きが明らかに増えた。最前線で走り回ることで相手の守備にギャップを作った。それによってスペースが生まれて、相棒の永井のらしいドリブルを引き出したりできたと思う。さらに得点につながったシーンのようにボールを引き出すことも増えた。こうやって見るとブッフバルトの交代は本当に的確だった。

結果は1-0でレッズ。2連覇おめでとうって言いたいところだけど、来シーズンを考えると不安が残る内容だったと思う。

それにケガ人も心配。特に小野。今日の試合も味方ボール保持者と近い距離感を保ってタッチ数を増やしてた。その中でさすがと思わされるパスも多かったと思う。せっかくコンディションが上向きになってるだけに怪我は痛すぎる。軽症を願う。
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