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ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

2007-01-02 Tue 23:58
高校サッカー2回戦
【静学×佐賀東】
静岡の予選のときの感想は①個の落ち着いたプレー②縦のポジションチェンジ③縦パスに対する対応④運動量の落ちっていう感じだった。

前半は個の部分ではそれなりにいいプレーをしてた。でも、それがチームとしての有機的な攻撃になかなかつながらなかった。前半の攻撃はあまり可能性を感じないものが多かったと思う。相手が引いて守備をしてただけに、DFの選手が高い位置まで運んでの押し上げをかけてた。

ただ、そこからの攻撃の形が作れない。前にコースがなくて結局ロングボールを放り込むっていう形が多くなってしまったと思う。そういうボールは真ん中をしっかりと固める佐賀東の守備陣に簡単に跳ね返されてしまった。初戦ってことでリスクを恐れすぎた試合運びが目立った前半だった。自分のポジションを捨てて積極的に出てくるシーンが少なくて相手も守りやすかったと思う。

後半の開始時から小倉を投入。これによって前の3人の自由度が増した。それで杉浦が最前線に近い位置にいることが多くなったと思う。

さらに前半と違った早いタイミングでの攻撃の組み立ても目立ち始めた。低い位置でのパス回しが少なくなって縦への意識が強くなってたと思う。その縦に対する展開もロングボールを放り込む単調な攻撃からサイドに起点を作るいいものに変わった。相手の目をサイドに向けさせることで中にもボールが入りやすくなったと思う。

こういう攻撃の形が相手に先制点を奪われたことでさらに活性化した。いい意味で吹っ切れて、積極的に前線に飛び出す選手が増えた。それによって前に厚みを増すことができた。その流れの中で同点、逆転ゴールが生まれた。

1点目はCKから。相手を押し込んだことでCKの数が増えてた時間帯だった。中の選手は1度集まってから散らばるやり方で相手のマークがつきづらい状況を作ってた。
2点目は小倉の突破力。狭い局面を個人の能力で突破した。深くまでえぐったことで相手の視線を集中させられたと思う。それによって中のマークが完全にズレていた。さらにそこにつめた人数が多かったってのもよかったと思う。

静学は攻撃面での流れがよくなるにつれて守備面でもよくなった。

そもそも守備面は序盤からいい形でできてたと思う。守備への切り替えが速くて、相手ボールになったらすぐにプレスに行くやり方が見られた。そういういいプレスの中で高い位置で効果的にボールを奪える場面が多かったと思う。前線の選手が戻ってきて挟み込むような守備もよかった。ただ、前半は相手にカウンターの形を作られたのも事実。相手のカウンターのキーになる山下に簡単にボールを入れさせすぎだった印象。結果として先制点も山下に奪われた。

この失点のあと、その部分の守備が明らかに改善した。相手がカウンター時にトップに当ててくるボールを、相手より前で奪う意識が徹底されたと思う。出足の速さが目立った。相手が前線での起点をつぶしたことで相手は押し上げができなくなった。それによって守備陣を完全に引かせてこぼれ球を拾うことができたと思う。

こうやって相手のカウンターを前でつぶせたのは相手の選択肢が少なかったってのもある。監督は相手のビデオを一切見てないって言ってたけど(それが本当だとして)、しっかりと研究してれば前半からこういう守備ができたんじゃないかと思う。

佐賀東も負けたとはいえ、いいサッカーをしてた。特に守備面ではしっかりと鍛えられてる印象を受けた。守備のやり方は自陣に引いてスペースを消すもの。DFラインとダブルボランチを中心とした中盤のラインの距離感がよくてゴール前にはほとんどスペースを与えてなかった。1人1人も相手が個で仕掛けてくる個人技に対してはしっかりと対応してた気がする。GKの守備範囲の広さもあって堅い守備を見せてくれた。

結果は3-1で静学。ちなみに④の運動量の問題はほとんど見られなかった。むしろ時間が経つにつれて動きがよくなってた印象。


【鹿島学園×帝京可児】
鹿島学園は切り替えの速さが目立った。攻→守の切り替えでは、相手に奪われた後すぐに自陣に引いて組織を作る。相手のボール保持者に対してしっかりとプレスに行って攻撃を遅らせつつ、その間に一気に引く。だから、前半の帝京可児はいいカウンターを仕掛けることができなかった。さらに守備面では前線の選手の戻りながらの守備の質の高さが目立った。

後ろでの組織的な守備も質の高いものだった。後半はある程度攻め込まれる時間帯もあったけど、結局は決定的なシーンを作らせてない。DFの4人が絞って距離感を近づけることで、真ん中のスペースを完全に消してしまっていた。

守→攻への切り替えの速さも目についた。3点目のシーンが代表的。相手が前がかってたこともあるけど、引いて攻撃を受けてた状態でのインターセプトから最後のシーンでは3人がゴール前に出てきてた。押し込んでた時間が長かったこともあるけど、試合全体を通して攻撃への移行が速くて前に人数が揃ってる状態を作り出せた。

鹿島学園は攻撃面での戦術的な柔軟性も見せてくれた。

序盤は地上からの攻撃が目立った。でも、それに対して帝京可児の守備が組織的に対応してきた。帝京可児の守備は引いて組織的に守る形。ラインをコンパクトに保ってスペースを消した。で、相手の縦パスが自陣に入ったところで一気にプレッシャーをかける。鹿島学園がドリブルで仕掛けるシーンも目立ったけど、それもスペースを消されてただけにうまく突破できなかった。

それを見て鹿島学園は戦い方を変えた。地上からの攻撃から空中への攻撃へ変えた印象。相手のプレッシャーがほとんどないDFラインでの左右へのパス回しから一気にスペースのない中盤を省略するロングボールを放り込んだ。そのロングボールをサイドに入れたのが上手かったと思う。単純に真ん中を狙ってたら跳ね返されたはず。

先制点のシーンもサイドへのロングボールからの流れからだった。後半は相手が前に出てきたこともあって、もとの地上からの攻撃に変えてた。こういう柔軟性は武器になる。

1点目は木之内のゴールだった。木之内ドリブルで相手DFラインに仕掛けてったけど、相棒の杉下が前に走ったことで木之内の前にうまくスペースを空けたと思う。このシーンに現れてるように2トップの関係性はよかった。木之内が高さで競りながらウラに杉下が走りこむシーンとか、木之内が真ん中に残って杉下が引いて受ける場面なんかがあった。関係としては1トップ1シャドーだった。

帝京可児もいい攻撃を仕掛けるときはいい形を作ってた。前半のよくない時間帯はサイドに起点をつくっての攻撃だった。でも、本当にいいときは真ん中からの攻撃。FWが絡んだダイレクトでのいいリズムのパス回しが見られる。そういうパス回しに中にドリブルの仕掛けが混ざってきていいアクセントになってた。特に武井の仕掛けはいいものだった。

結果は3-0で鹿島学園。


【ハイライトから】
前回から注目してた、八千代は勝ち上がり。守備はスピードにぶっちぎられた部分が目立ってた。戻りながらの守備が多かったのは前でのプレスが効いてなかったからかもしれない。
攻撃は相変わらず味方のドリブルに対するフォローがいい。前に人数が入ってくるから一番遠いサイドがフリーになってるシーンが多かった。
明日は野洲との試合。この試合は絶対に見たいんだけど、日テレで放送してくれるか。
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