ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

-------- -- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 |
2007-02-28 Wed 22:12
U-22:日本×香港
<日本代表:3-4-3>
FW:平山、カレン-李
MF:本田圭-青山敏-梶山-水野
DF:水本-伊野波-青山直
GK:松井

前回のアメリカ戦から、本田拓と青山敏が変わった形。FW登録が3人でその3人を全員先発で使ってきたのは意外だった。

全体を通して満足の行く内容だったとはいえない。前回のアメリカ戦から取り入れた3-4-3のシステムだけど、イマイチしっくりこない。たった2戦で決めるのは早計かもしれないけど、このチームにはあってないんじゃないかと思う。

このシステムだと専業の中盤の選手がボランチの2枚しかいない。サイドの選手が中に入ってきてプレーするようなことがあれば違って来るんだろうけど、どちらも純粋なサイドアタッカータイプ。だから、中盤の部分にかなり薄さを感じる。攻守のつなぎ役になる部分が薄いことで、全体として人と人との距離感の遠さを感じる。このことが攻守に渡ってよくない流れを作り出してる印象。

攻撃面では反町監督がいう「個人プレーに偏りすぎ」っていう状況が生まれた。人と人との距離が遠いことでなかなか関係性が作りづらい。そうやって次のプレーの選択に時間がかかることで、球離れが悪い状況が生まれる。さらに周囲に選択肢がなければ自分の力で打開しなきゃならなくなってしまうんだと思う。

特にそれが見られたのが右サイドの水野。前回のアメリカ戦と比べると高い位置でのタッチ数とか仕掛けの部分が増えてたけど、そこに対する味方のフォローが少なかった。2点目も水野の粘りから生まれたわけだけど、一連のプレーの中で個の力で打開しなきゃならない状況が生まれてしまっていた。

さらに前回のアメリカ戦のときに書いたようなFWと2列以降の分断も解消されてなかった。特に今日の試合は平山の収まりが悪かったこととか、ウラを狙った1発の攻撃が目立ったことも原因の1つ。

それに3トップが前線でふたの役割をしてしまっているんじゃないかって気がする。前にも書いたとおり3トップは真ん中よりに並べてる。序盤こそカレンが最前線から下がって、そこからもう一度相手のDFラインに勝負をかけるようなやり方で前線に動きを作り出してた。FWがサイドに流れみたいな流動性もそれなりにあった。

ただ、時間が経つにつれて3トップが前で待っているだけの場面が多くなってきた気がする。そうやって前線にふたをされること2列以降が飛び出すスペースがつぶされてしまっていたんじゃないかって思う。そもそも2列以降ってのが具体的に梶山しかいない(青山は基本的にバランサー)ってのも、FWが絡みづらい原因だと思うけど。

こういう攻撃面のところは後半には解消の兆しは見えた。まずは後半開始時の家長の投入。家長も本来的には本田とか水野と同じようにサイドアタッカータイプだけど、この試合に関しては左サイドにこだわるようなことはなかった。

とはいっても基本は左サイド。そうすることで本田との関係性が生まれて左サイドには厚みが増した。前半は低い位置でのタッチが目立った本田が高い位置でボールを触れるようになったと思う。

それによって右に偏り気味だったサイド攻撃もバランスのいいものになった。右サイドの水野は相変わらず孤立気味の状況だったけど、左サイドを崩す中で右サイドが空いてくるようないい関係も生まれてた。

その後の増田の投入でさらにいい方向に向かってった。本来の中盤の選手を増やしたことで上に書いたような、中盤の薄さに改善が見られたような気がする。そうやって人と人との距離感が改善され、少ないタッチ数でのパスが生まれるようになった。後半ロスタイムの決定的なチャンスも狭いところを少ないタッチで抜け出したシーンからだった。さらにFWを平山の1枚にしたことで後ろの選手が飛び出す余地が生まれたのもよくなった要因だったと思う。

中盤が薄いことの攻撃面での弊害をもう1つ。それはビルドアップの部分。ビルドアップのときに中盤に一度中継点を作るのが難しい状況が生まれてた。中盤に選手がいないうえに、今日の試合ではFWが下がってきて起点になるプレーもほとんど見られなかったと思う。そうやってコースがないままに半ば適当に入れた縦パスを何度もカットされてしまった。パスの中継点が生まれなかったことでなかなかリズムを作ることができなかったと思う。

その上、つなぎの中での安易なミスが重なってしっかりと組み立てる攻撃が見られなかった。その悪い流れの中で結局は両サイドの2人が下がって受けなきゃならない状況だった。この2人は高い位置で得点に直結するプレーを求めたいだけに、もったいない。

次に守備面での弊害。これはアメリカ戦でも書いたようなこと。このシステムになる前までのこのチームの守備面でのよさが完全に消えてしまった印象。人と人と距離が遠いことで連動した守備ができないような状況が生まれてる。最初のところでのプレスがかかって相手を遅らせたとしても、それを一気に囲い組むような状況が生まれにくい。

さらに1枚でのプレスだと完全にコースを限定できなくて次のパスも狙いにくい状況だった。そういう状況の中で香港に簡単に前までボールを運ばれてしまうシーンが多かったと思う。こういう状況を打破するために、高い位置で積極的に守備に行っても、強引なやり方でファールになってしまうことが多かった。そうやって高い位置での効果的なカットができなかったと思う。

それにアメリカ戦と同じようにトップ下の位置に空くギャップに入り込まれると、自由にやらせてしまうことも多かった。その位置では相手のパスの出し手に対しての寄せが甘くなって、簡単にチャンスにつなげられる可能性が高かったと思う。

最後に香港について。香港は予想に反して完全にゴール前を固めるような守備のやり方をしてこなかった。守備時の選手の配置自体を見るとバランスがいい感じ。ただ、そのバランスのよさに中身が伴ってなかったような印象。DFラインを高くするのはいいけど、パスの出し手に対してのプレスが甘いから簡単に決定的なパスを出されてしまう。それに致命的だったのが最終ラインの統率がメチャメチャだった点。そういう意味では1点目を含めて、日本が相手のウラを狙ってた序盤はいい意図だったんじゃないかと思う。

結果は3-0。今日は相手に助けられた印象が強い。これから修正する部分はかなり多いと思う。ひとまず、4-5-1でも3-6-1でもこのチームは中盤を厚くした方がいいと思う。攻撃はもちろん守備のよさはここ2試合で完全に消えてしまっている。それから中盤のパスの中継点+積極的な飛び出し+守備の起点ができる増田はスタメンで使ったほうがチームが上手く回る印象。
スポンサーサイト
別窓 | 日本五輪代表 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-26 Mon 13:17
セルティック×ミラン
<セルティック:4-4-2>
FW:ヘッセリンク-ミラー
MF:マクギーディー-レノン-スノ-中村
DF:ネイラー-オデイ-マクマナス-ウィルソン
GK:ボルツ

<ミラン:4-5-1>
FW:ジラルディーノ
MF:カカ、グルキュフ-ピルロ-ガットゥーゾ-アンブロジーニ
DF:ヤンクロフスキ-マルディーニ-カラーゼ-オッド
GK:カラッツ

両チームとも自分達の立場にあったやり方で試合に入ってたと思う。つまりセルティックはホームの立場としてアグレッシブに、ミランはアウェーの戦い方でまずは受身の形になりぎみだった。

セルティックのアグレッシブな姿勢は守備面から見て取れた部分。立ち上がりからとにかく相手ボール保持者に対しての速い寄せが目立った。そうやって一気に距離をつめて、自分達の土俵であるフィジカルの勝負に持ち込めればミランとしても簡単にボールを扱うことができない状況になってた。

それにレノンの働きを見ても守備の積極性が伺える。前回セルティックの試合(1月の終わりのインヴァーネス戦)を見たときはレノンが完全に消えてしまっていた。それと同時にチーム全体の守備もうまく機能してなかったと思う。

それに比べてミラン戦ではレノンがとにかく献身的に相手ボール保持者に対してアプローチするシーンが目立った。ガットゥーゾと比べても守備への貢献度は遜色なかったし、むしろ守備での運動量では上回ってたような印象。

こうやってレノンが高い位置での積極的なチェイシングに引っ張られてチーム全体の守備も前がかってた。中盤のブロックの位置が高く設定されて、同時にDFラインもある程度高い位置をキープできてたように思う。そのウラのスペースをジラルディーノに突かれることもあったけど、パスの出し手に対してのプレッシャーがかかってるときは決定的な場面にはつながらなかった。

こういう積極的なセルティックの守備に対してミランはサイドをうまく使うことで否そうという意識が見て取れた。左右をワイドに使うことで相手の選手間の距離を開けてプレッシャーを分散させる。さらにサイドに相手のボランチをサイドに引っ張り出すことで、今度は逆に中が空いてくるっていう状況も作り出せてたと思う。

右サイドに関してはオッドが積極的にオーバーラップを仕掛けることがかなり深い位置までえぐることができた。それはアンブロジーニが流動的にプレーしたことで生まれたものだったと思う。アンブロジーニは中から逆サイドで自由に動いてたから右サイドにはオッドがオーバーラップするだけのスペースが空いてたし、相手のマークも甘くなってた。

そうやってセルティックの守備のブロックが低い位置へ下げられるような時間帯が増えてきた。それは1つ下のポジションにいるピルロが自由にボールを触れる時間を増やすことができるってことを意味する。そうやって自由になったピルロからの正確な散らしで、うまく攻撃を還元させることができてたと思う。

こんな感じで攻撃面でもいい効果をもたらしたミランのサイドに起点を作るやり方だったけど、最初の目的は守備を考えたものだったと思う。それは序盤はグルキュフが左サイドに張り付いて、そこにボールを集めることが多かったのから分かる。

ミランの左サイドは、つまりセルティックでいうと中村のサイド。そのサイドから攻撃を仕掛けることで中村の守備の負担を増やそうっていう狙いがあったと思う。こういうことから考えると、ミランの守備は相手のよさを消すことを第一に考えたものだったと思う。

守備のやり方は基本的には受身の形。縦パスが入ってくれば一応寄せには行くけど、相手が低い位置でボールを回している内はプレッシャーをかけずに自陣でブロックを形成してた。ただ、その低い位置でのパス回しの中でセルティックのSBがボールを受けたときは状況が変わってくる。しっかりと縦のコースを切るとともに、サイドの1枚前の選手との距離をスッとつめてそこに入ったときにすぐに対応できる状況を作り出してた。

さらにサイドの前の選手にボールが入ったとしてもSBが縦を切りつつ、中盤の選手が寄せて中をふたすることで仕事をさせないようにしてたと思う。そうやってセルティックがサイドに起点を作れないような状況を作り出した。

セルティックの攻撃は、左のマクギーディーの仕掛けと右の中村の組み立てを1つの形としてる。ただ、どちらもボールを持ってこその選手だけにそこにボールを入れさせないような守備のやり方は理にかなってたと思う。

そして、セルティックの攻撃のもう1つの形は前線に対する単純なロングボール。こっちに関しては画面に前の動きがなかなか映らないからはっきりしたことは言えないけど、セルティックの低い位置からのロングボールが少なかったことを考えると前でしっかりと対応してたんじゃないかと思う。ロングボールが供給されたとしてもミランの守備陣が簡単に跳ね返してた。

この辺はセルティックとしてはかなり戦いにくかった部分だと思う。国内を考えればヘッセリンクが前線で起点になれるし、ミラーが流れてボールを引き出すことも多い。そういう場面はこの試合ではほとんど見られなかった。

こうやってミランに攻撃のよさを消されてしまったセルティックだけど、ずっとそのままの状況だったわけではもちろんない。チームの中に動きが生まれ始めたのは前半の終了間際から。レノンが積極的にサイド(特に左)のフォローに回るようになって、厚みを加えようとしてた。そうやって数的優位を作る意図でアクションを起こしたことでチームにいい流れが生まれたと思う。

そして後半に入ってからはもっとダイナミックな動きが見られるようになった。その起点になったのが中村。前半は右サイドに張り付いてのプレーが目立ってたけど、後半開始とともに積極的にポジションを捨てる動きが見られた。

こうやって後半開始とともに自由にプレーを始めるのは今までの試合でも何度も見られたような部分。チームとしての考えか、中村自身の考えかは分からないけど(たぶんチームの戦術)、リスクを考えたやり方だと思う。

とにかく中村が積極的にポジションを動かすことでチーム全体にも動きが生じるようになった。右サイドでは相手のアンブロジーニとオッドとの関係と同じようにウィルソンが積極的に攻撃に参加できるようになったと思う。

同時に相手の守備のバランスも徐々に崩れてった。前半は中村に対して、正対するグルキュフとヤンクロフスキ対応するっていうような単純なやり方が通用しなくなった。そうやってミランの守備のバランスが崩れる中でセルティックのFWのボールタッチ数が格段に増えた印象。

ただ、この流れもミラーとヤロシクの交代で終わってしまった気がする。前線で動き回るミラーから、どちらかというと待ってるタイプのヤロシクが入ったことで相手の守備陣は守りやすくなってしまったんじゃないかと思う。それにセルティックの動きのある攻撃に慣れられてしまったっていう側面もあるかもしれない。

視点を変えて以下はミランの攻撃とセルティックの守備の構図で。

セルティックの守備は上にも書いたとおりフィジカル勝負に持ち込むようなやり方だった。例えばカカに対するスノの対応なんかを見るとよく分かる。この試合では基本的にスノがカカを見る役割を担ってたと思う。

スノは前から個人的に評価の高い選手。フィジカルの強さと体の入れ方のうまさが目立つ。距離をつめて守備をすることができれば、相手は自由にプレーできないはず。この試合ではビルドアップ時のボールタッチも多かった。その後のプレーが雑なのが気になる部分だけど。

とにかく、スノと同じようにチーム全体が距離をつめて体を密着させたときの守備には強さを見せた。カカにしろピルロにしろ足元でボールを受けたときに寄せられてしまうと自由にプレーできなかった。

問題は入り際を狙えなかったときにどうするかっていう部分だと思う。カカに前向きにドリブルをされると距離をつめられずにズルズルと下がってしまう。ピルロにしてもボールをしっかりと自分のものにされてしまうとなかなか奪うことができなかったし、低い位置で持たれたときのチェックの甘さも目立った。

そういうときはピルロがボールを持つことでミランに一度時間を作らせてしまう。低い位置でボールを持ったピルロに対して誰が対応するのかっていうことをしっかりと決めたほうがいいように思った。逆に言えばそのためにピルロを1枚低い位置に置いてるわけだけど。

それにカカとかピルロっていうキープレーヤー以外に対する対応が甘くなってしまうシーンも目立った。と言ってもそれは致し方ない部分であって、そのギャップをうまく突いてきたミランのうまさだったってことも言えると思う。

んで、ミランの側でそのギャップを突いてきたのがガットゥーゾ。この試合に関しては、その運動量を攻撃面に生かすシーンが多く見られた(もちろん、いつものように守備のハードワークもかかさないわけだけど)。相手の中盤のブロックの2枚(レノンとスノ)がサイドのケアとかカカの対応に追われてできたギャップに何度も進入してくることで、フリーな状態でボールを受けられる場面が目立った。

これに関しては低い位置から何度も長い距離を上がってくる運動量が要求される。その辺はガットゥーゾのよさが出た部分なんじゃないかと思う。同時にいい場所で受けても決定的なチャンスにつながらないのも、ガットゥーゾらしいと言えばらしい。

こういうプレーを見ると、ミランの中盤はピルロの組み立てを中心にいい関係性でできてるように思う。ガットゥーゾの攻撃への飛び出しに加えて、アンブロジーニはかなり自由に動き回って相手の守備のバランスを崩すのに一役買った。

そうやって所々にできたスペースをカカが見つけて使う。左サイドのグルキュフにしても、サイドに張ってたのは戦術的な意図によるものだろうし、本来は中でもプレーできる(本人は左がしっくり来るって言ってたけど)。カカとのポジションチェンジで中に入ってくるプレーとか、ゴール前まで出てくるプレーも見られた。そして底の位置からピルロがそれを操るっていういい関係性が生まれてると思う。

そう考えると1トップのジラルディーノだけが浮いてるような印象。1トップとしては中途半端な存在のような気がする。前線でポストプレーをこなすわけでもなければ、左右に流れて下の選手が飛び出すスペースを作るわけでもない。真ん中の位置でジラルディーノがふたをしてしまって、中盤の連携が中盤で完結してしまってるイメージ。

つまり、中盤のいい関係≠攻撃のいい関係っていうこと。この試合と同じ中盤でトップにロナウドを組み合わせたほうが意図は明確になると思う。CLを考えるならば、意図が明確になるって言う意味で流れてのプレーが多くて中盤の飛び出しを促進できるオリベイラの方がジラルディーノよりも上のような気がする。とにかくジラルディーノはこの試合のシステムにはなじめない印象。

残りはその他気づいたことを箇条書きで。
・セルティックの相手FK時の守備→ゾーンでラインを高めに設定
・ミランの守備陣の落ち着き→味方ゴール前でもつなごうとする意識の高さ
・ミランの真ん中の守備の安定感と厚いブロックの形成→リーグでは?

結果は0-0で引き分け。2戦目が面白くなるような結果だったと思う。セルティックが先制するようだとさらに面白くなるんだけど、さすがにミランが優位かな。
別窓 | CL | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-24 Sat 22:08
ゼロックス:レッズ×ガンバ
<レッズ:3-6-1>
FW:ワシントン
MF:ポンテ-山田、小野-阿部-鈴木-平川
DF:ネネ-内館-坪井
GK:山岸

<ガンバ:4-4-2>
FW:マグノ・アウベス-播戸
MF:二川-橋本-明神-遠藤
DF:安田-山口-シジクレイ-加地
GK:松代

今日のレッズはベストメンバーじゃないってことで、勝手にベストメンバーを考えた。
<3-6-1>
FW:ワシントン
MF:ポンテ-小野、相馬-長谷部-鈴木-山田(平川)
DF:ネネ(堀之内)-トゥーリオ-坪井
GK:山岸

今日の試合ではサントスが抜けたところに小野が入った。最初は小野が左サイドからゲームメイクをしようとする意識が見られた。前線でボールを待ってるわけじゃなくて、ある程度低い位置まで下がってボールタッチを増やす。そこからうまく前線にボールを供給してた。ただ、えぐるようなプレーをするタイプではないし、本来の真ん中の方がしっくりくるはず。今までも書いてきたとおり相馬の守備面は信用してないけど、それでも本職の相馬のがいい。

ボランチの位置は長谷部と鈴木。今日の試合では長谷部がケガ(?)ってことでで阿部と鈴木のダブルボランチ。局所的に見ると、このダブルボランチはかなり機能する可能性が見られた。

阿部がバランスをとる役割を担うことで鈴木が今まで以上に積極的にボールに対してアプローチができるだろうし、最終ラインの攻撃参加のあとのカバーっていう意味でも最終ラインもこなせる阿部がボランチにいることでバランスがとりやすい。

今日の試合ではネネが積極的に上がってくシーンが目立ったけど、トゥーリオが戻ってきたときも同じように使える。阿部のキックの精度があれば、左右への散らしからのゲームメイクとか単純な前線へのフィードも計算できる。

ただ、チーム全体のバランスを見たときはこの2人のダブルボランチが必ずしもいいとは言えない。攻撃に参加するプレーが全くないわけではないけど、どちらも守備のメンタリティーが強い選手。そういう意味で前後のつなぎの面で不安が残る。詳しくは下で書くけど、今日の試合を見てもレッズは前後が分断されてしまうシーンが攻守でかなり多かった。

そういう意味ではどちらかを残して長谷部を入れたほうがバランスとしてはよくなると思う。その方が守備の鈴木と攻撃の長谷部っていうおおまかな役割分担ができてわかりやすい。

阿部に関しては今日みたいにトゥーリオがいないとき、鈴木がいないときのバックアッパー要因として考えたほうがいい気がする。最終ラインでのトゥーリオとの併用もどちらもリベロタイプだけに可能性は低そう。

というわけで、本来の試合内容について。まずは上に書いたようなレッズの前後の分断について詳しく。組織として見たときの分断は、その言葉のまま単純なもの。前後の選手が攻撃と守備に分かれてしまってチームとしての連動性が感じられなかった。

攻撃は基本的に前の3人に任せられる。ワシントンを抜いてポンテとか山田がでてくシーンがいくつかあったけど、動きはそこだけ。最終ラインからの攻撃参加にしてもビルドアップ時のミスが目立ったこともあって最前線まで攻め込むシーンはなかった。そういう意味ではダイナミックさが感じられなかった。

選手間の距離も遠くて、1人1人が孤立する場面が目立ったと思う。特に小野がサイドでボールを保持したときの周囲のフォローの少なさが気になった。

結果として、攻撃は単調。多くは前に人数が揃ってないうちから単純に前線に放り込む形。あとはワシントンの個人能力に任せるって形で可能性が感じられなかった。ガンバもしっかりとワシントンをケアしてたから、さらに攻撃に手詰まり感が生まれてた。

それに中盤からしっかりと組み立てようっていうときもパスが足元足元でつながってく。さらに、大きな展開もなくて近い選手の足元に無難なパスをつないでくっていう相手としてはかなり守りやすい形ばかりだった。

んで、この攻撃の選手と後ろの選手の間にかなりの距離が生まれてる。だから守備の移ったときに、その間の中盤に位置にかなり広いスペースが生まれてる。その上、距離が遠いことで前後の連動した守備もできなくなってしまった。

中盤の底では鈴木、阿部が常にインターセプトを狙ってたけど、前線で規制がかかならにだけに取り所を限定するのが難しくなってしまっていた。確かに散発的には2人の効果的なカットも見られたけど、守備能力を考えたらもっとあってもいいはず。そうやってボールの取り所が定まらないうちに結局はDFラインに吸収されてしまっていた。

そもそも今日のレッズは守備のチームだなんてお世辞にも言えない守備内容だった。まず、1人1人の守備意識の低さが目立った。守備をサボってるシーンが多いというか、中途半端な寄せで守備をしてるフリをしてる場面が多かったと思う。

2点目の二川のミドルまでの流れなんかはそれを如実に表してる。二川がドリブルを開始したのはハーフェイラインより低い位置。スピードアップしてレッズのダブルボランチの間を抜け出たところ以外は余裕を持ってドリブルをしてた。それだけの長い距離の中でレッズの選手が守備をサボってたのが分かる。

さらにシュートのシーンに対する寄せも甘かった。得点シーン以外にも自由にミドルシュートを打たせる場面が目立ったと思う。

それにガンバのパス回しもやけにスムーズに回ってた気がする。レッズの守備のやり方はいつものように自陣にブロックを形成してスペースをなくす形。それぞれがしっかりと守備をすれば簡単には崩されない形だし、去年までのレッズはそうだった。

それでも簡単にパスを回されるってことは、それぞれの寄せの甘さがあったからこそだと思う。去年のレッズは個々の守備意識の高さで成り立ってたはずだから、今日の守備意識の低さはかなり不満だった。

さらにチームとしてのバランスの悪さ、守備意識の低さも目立った。まずは守備への切り替えの部分から。ボールを失ってもすぐにプレッシャーが効かないから簡単に前線へ運ばれるシーンが多かった。

それに攻撃だけじゃなくて守備についても距離感が遠かったのが気になる。複数枚での効果的なプレスが効かない状況だった。それでもそうやって前線での守備が効かない中でも最後の所でしっかりとブロックを形成するってのが去年の終わりごろからのレッズの形。その最後のとこの守備にも安定感を感じなかった。

特に最終ラインの混乱が目立ってた。攻撃に参加しようとしたところでボールを奪われて、しっかりと自分の位置に戻りきれないってことが多く見られたような気がする。それにトゥーリオの不在も大きかったかも。

チームとしても相手FWが外に流れてDFが引っ張り出された後の対応とか、相手の2列目からの飛び出しを誰が見るのかって部分があやふやだった。相手のFWの動きでDFが引っ張り出される→ボランチがDFラインに入ってケア→2列目からの飛び出しは誰が見るの??ってこと。こういうシーンが多かった。

ここまでのレッズの悪い部分が凝縮されたのが1点目のシーン。そもそも最初カウンターを仕掛けたのはレッズ。でも、後ろからの選手の上がりがないから簡単に止められる。そして奪われた後のプレッシャーが甘いから簡単に前につなげられる。

そのボールを前で受けたのが遠藤。遠藤はレッズの前後が分かれた中盤のスペースで完全にフリーな状態でボールを扱える。そこから前線へのフィード。ボールを受けたのは2列目から飛び出した二川。ポイントは3バックの大外で受けたってこと。3バックの弱点である一番外側で待つことで相手の視野に入らないでボールを受けられるようなシーンは多かった。

こういうことも含めて全体としてガンバはゴール前に飛び出しの入り方がよかった。斜めにDFとDFの間を狙って入ってくることで、うまくマークを外してたと思う。とにかく、その二川のシュートのリアクションをマグノ・アウベスが決めた。マグノ・アウベスは1つ下で待ってたことでレッズは誰もつききれなかった。

ここまでレッズに対しての不満ばかり書いてきたけど、ガンバが3点目を奪ってスローダウンした辺りの時間帯が今日の中では一番いい時間だった。守備面ではポンテが戻ってきて後ろの選手と挟み込むような場面が見られて、寄せも速く厳しくなってた。そうやって高い位置で奪うことで攻撃にもいい影響をもたらしてたと思う。

阿部がゴール前に上がったり、小野が左サイドを捨てて中に入ったりして動きも生まれたし、その動きに促進されてゴール前に入ってくる人数も増えた。3失点で逆にモチベーションが上がった(意地が出てきた?)ってことなのかもしれないけど、ああいうプレーこそレッズのそれ。上に書いたようなことは疲れのせいだって割り切って、この時間帯のプレーを念頭においてJの本番は見たほうがいいのかもしれない。

さて、ここからはガンバについて。

守備のやり方は全体をコンパクトにするもの。最初の時間帯はそれを自陣でやってたけど、時間が経つにつれて押し込むことが多くなってからはだんだんと高い位置に移行してった。ただ、あれだけ押し込んだのは想定外で基本はレッズと同じ自陣でのブロックかもしれない。

といっても、今日の試合に関してはレッズと比べると格段にいい守備をしてた。まず、切り替えの部分。根本にあるのはボールを失った選手がファーストDFになるっていう基本的なこと。そうやって相手の攻撃をしっかりと遅らせているうちにしっかりと組織を作る。ボールにアプローチする選手にしても、自分のポジションに戻る選手にしても切り替えの早さが目立った。

それに寄せの速さも目立ってた。足元につないでくることが多い相手に対して、ボールが入ったところでしっかりと体をつけて仕事をさせない。簡単には前を向かせない守備ができてたと思う。個人としてはワシントンにボールを触らせなかった守備も光る。最終ラインの選手がそこをしっかりと抑えてたってのもあるけど、その1つ前で橋本を中心にフィルターをかけてた印象。

攻撃面はとにかく厚みがあった。3点目につながったのはボランチの橋本のゴール前への飛び出し。それに明神とか左SBの安田なんかも積極的に攻撃に参加してきてた。この厚みは前の3人(二川、遠藤、マグノ)のキープ力のおかげだと思う。3人とも足元でしっかりとボールを保持できる選手だから、後ろの選手が安心して攻撃に参加することができる。

さらに3人ともタメて相手を引きつけての決定的なパスも持ってる。こういう選手が揃ってるからこそ、ゴール前の狭いところでも落ち着いてパスを回せてたと思う。特に遠藤は完全に復調したっぽい。攻撃面ではもちろん、守備面での貢献度も高くて運動量も多かった。

さらに相手が高い位置からプレッシャーをかけてこなかったことで、遠藤とかDFラインからの効果的なフィードも多かった。長短のパスのバランスもよかったと思う。

ガンバは2トップの関係性も相変わらずいい。前は縦の関係性が目立ったけど、今日の試合で基本ポジションが決まらない本当の意味で自由な関係だった。その中でどちらも1.5列目を主として中途半端な位置を動き回るから、相手としてはかなり捕まえにくい。それに左右に流れてのプレーで相手のDFを分散させるとともに、味方の飛び出しも促進してた。

とりあえず今日は上にも書いたマグノ・アウベスの1つ下で待つプレーをピックアップ。1、4点目ともマグノ・アウベスはゴール前まで飛び込まずに1つ下で待ってた。相手守備陣としては最前線の選手に合わせてポジショニングするからどうしても1つ下が空く。そこでこぼれ球を余裕を持ってゴールに流し込むことができてた。もちろん、こぼれ球だけじゃない。今日の試合では序盤に2回、サイドからのボールに対して1つ下で待ってる場面があった。

19歳安田についても少し。攻撃面では積極的なオーバーラップが目立ったと思う。さらに守備面。平川に対して体を密着させることで前を向いてドリブルをするスペースを与えなかった。同じポジションに家長がいるのがどうかってことだけど、今日の試合を見る限り安田も十分にJで通用する選手だと思った。

結果は0-4でガンバ。最近は内容ではガンバのが上ってことが多かったってことを考えると、やっと勝ったかって感じ。
別窓 | 国内リーグ | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-21 Wed 22:13
U-22:日本×アメリカ
<日本代表:3-4-3>
FW:平山、カレン-李
MF:本田圭-本田拓-梶山-水野
DF:水本-伊野波-青山
GK:松井

まず、今日のシステムの1番の特徴である3トップについて触れなきゃならない。基本的に3人の関係性はよかったと思う。軸として真ん中でくさびを受けることが多い平山、ドリブルでの仕掛けでアクセントをつけるカレン、やや低い位置からプレーを開始する李。

それぞれが互いをフォローする動きもできてた。真ん中で1人がボールを持ったときに残りの2枚が両サイドに開くことでボール保持者のマークを分散させたり、平山がサイドとか下に流れてできたスペースを他の2人が動き回ることで利用したり。平山にくさびが入ったときに2人の距離感もよかった。

平山自身も前線で起点になるという求められた仕事をきっちりこなしてた。それに加えて決定的なチャンスにつながったようなウラを狙った動きが見られたのも収穫。守備の貢献度も今までの試合に比べれば高かった(後半は怠慢になってたけど)。今日のプレーならば軸として信頼できる。あとは得点を決めきれるかどうかのところ。

李は初めて見た選手だったけど、守備面での貢献度が高かったと思う。数的不利を作られてるサイドの守備のカバーに奔走してた。攻撃面ではやや引いた位置で受けたり、そこからの飛び出しも面白い動きだった。

3人の位置関係としては全員が平山を中心に真ん中に凝縮される形。ウイングを置くような形じゃなくて、1トップ2シャドーって感じだった。これは水野と本田の両サイドの攻撃力を活かす狙いがあったんだと思う。特に水野は前にスペースがあったほうが生きてくる選手。ウイングを置かないことでそうやって前のスペースを与えようとしたと思う。

さらにサイドに起点を作ったときに、真ん中に3トップを凝縮させることでゴール前の人数が多くなる。サイドからのクロスの確率が上がる形だったと思う。ただ、こういう形は狙い通りに行かなかった。水野も本田も守備に追われる時間が多くなって、攻撃面でのよさを見せられなかったと思う。

それはアメリカがサイドに起点を作ってきたことと、日本が3バックでやったことで両サイドの守備の負担が増えたことによる。水野の方が高い位置でボールを持つシーンが多かったけど、そのときに縦に仕掛けるシーンがなかったのが不満。えぐってクロスを上げれば中が揃ってただけに面白かった。そういう意味では途中出場の家長のプレーはよかった。

サイドからの攻撃がうまく行かなかったのと同時に日本の攻撃は3トップだけに頼った形になってしまった。序盤から単純にトップを狙うロングボールが目立ったと思う。

そういう形でも序盤はアメリカがブロックを低い位置に設定したことで高めの位置から精度の高いロングボールが前線に供給された。ハーフェイライン付近から守備を始めるアメリカに対して日本の3バックもかなり高い位置まで上がってきてプレーすることができた。そこに梶山が絡むゆっくりとしたパス回しから、前線へのいいフィードが繰り返された。

相手が自陣でスペースをつぶす守備をしてたから、スペースのない中盤を省略するのも理にかなってる。3トップのいい関係性で相手の守備陣を混乱させることもできて、序盤はそういう攻撃のしかたでもチャンスを作ることができてた。

ただ、前半の途中辺りからアメリカの慣れもあってそういう攻撃がうまく回らなくなってしまった。同時にアメリカの守備の開始位置が高めに変わってきて、日本のロングボールも意図したものから苦し紛れのものへと変わっていった。そういう単調な攻撃の中で前線でのFWの孤立が目立ってた。

本当は日本の側としては3トップにうまく中盤以降が絡んでくる攻撃を仕掛けたかったんだと思う。3トップだけに頼った攻撃は最初こそ効果的だったけど、相手が慣れてきてからはうまく機能しなかった。チャンスの部分を振り返ってみても中盤以降の選手が絡んできたシーンが多かったと思う。

この点についても序盤はうまく回ってたと思う。最終ラインの選手を含めて切り替えの速さが目立った。本田拓がボランチの位置からサイドのスペースへ飛び出すシーンが目立ったし、最終ラインからの積極的な攻撃参加も見られた。

さらに平山がしっかりと収めることで後ろの選手が上がる時間を稼いでた。相手が日本の3トップを捕まえきれずにズルズルと下がっていくことでDFラインの前にスペースが空いてたから、本当はそこをもっと使いたかった。梶山がミドルシュートを打った場面があったけど、そうやって相手のギャップに入り込むプレーを増やしたら面白かったと思う。

そう考えるとやっぱり梶山がそこに入ってくるプレーがもっと見たかった。梶山自身は下で組み立てに専念してた印象だけど、自身でのシュートとか平山へのスルーパスみたいに高い位置で持つと何かやってくれそうな気がする。

こういう中盤以降とFWが分断されてしまった原因としては守備の問題が大きかった気がする。あとになって考えてみると中盤の守備のラインが低くて前線では“取る”じゃなくて“切る”に重点が置かれてたような気もするけど、序盤の守備は基本的には内容の濃いやり方だったと思う。

今まで通りボールを失った選手がファーストDFになるっていう原則の中で前線からしっかりとプレッシャーをかけてた。FWのチェイシングからコースを限定してくやり方も目立った。そういう中でサイドで孤立させたときとか、相手がもたついたときに一気に集中してボールを奪うやり方ができてた。

中盤では本田拓が積極的にボール保持者にアプローチするシーンが目立ったと思う。その後ろでは梶山がしっかりとバランスを取ってた。こういう守備で相手を遅らせたところに前線の選手が戻って挟み込むようないい形での守備も見られた。

最終ラインについてはマンマーク気味に相手について、FWへの縦パスに対してはしっかりと体を当てて自由にプレーさせなかった。そうやってDFが引き出されたときは両サイドがDFラインに入ってバランスを取ってた。

特に本田圭がDFラインのカバーをするシーンが目立ってたと思う。攻撃面ではこのことがサイドに起点を作れないっていう弊害を生んでたけど、守備面でのバランスを考えるとしかたのない部分だったのかも。

とにかく序盤は相手に思ったような攻撃をさせなかった。今まで通りに高い位置でのカットを攻撃につなげられるシーンも多かったし、そういうときは後ろの選手も勢いのまま攻撃に参加しやすかったと思う。

この守備が変わってきたのがアメリカが前がかりになり始めた前半の途中辺りから。上に書いたようにアメリカの守備の位置が高くなった時間帯。この時間帯から日本は高い位置でボールを奪うことができなくなってしまった。

まず、日本のトップ下の位置にうまく入り込まれたってのが原因の1つ。日本の守備のブロックは3バックの前に中盤の4枚をフラットに並べ、最前線にFW3枚が位置する形。これだと必然的に中盤高めのところにはスペースが空くことになる。そこに対してのアプローチが遅れてた。そのギャップにうまく入り込まれてしまったと思う。

アメリカはそこを起点にして左右にうまくボールを散らしてきた。この左右のサイドも日本の守備から見ると薄い部分。システム的には日本はサイドには1枚、相手は2枚置いてるわけだからその時点で数的不利を作られてる。序盤はそれでも複数枚で囲むとこでうまく孤立させることができてた。それが相手がプレッシャーに慣れ、SBの上がりが活発化されることでうまくそのプレッシャーをいなされてしまった。

さらに左右を使われることで真ん中のプレッシャーも分散されてしまう悪循環。そうやって徐々に守備の位置が低くなってしまったと思う。前半の最後の時間帯には日本のゴール前に9枚が集結するようなこともあって、押し込まれるのがよく分かった。こうやって多くの選手がゴール前にいるってことはそのまま前線は薄いことを表してる。これが前後の分断を生んで攻撃にも悪い影響を与えてしまった。

このチームは守備では今までいいものを見せてくれていた。4-1-4-1のシステムで前線で1つのブロックを形成することで高い位置で積極的に奪う形だった。ただ、今日の試合を見る限りレベルの高い相手に対してはそういう守備ができないのかなとも思う。サイドで囲んでも抜け出されてしまったり、ドリブルでの仕掛けに対して後手後手の対応が目立った。

確かにシステムはいつもと違ってたけど1対1(数的優位でも)の守備で打開されるってのはシステムと関係ない部分だと思う。ドリブルに対する対応の甘さは韓国戦でも見られた部分だし、1人1人の守備力に弱点があるってことなのかも。

基本的には日本は攻撃をうまく組み立てることができなかった。ロングボール主体の攻撃になったことで相手の二次攻撃も許してしまったし、チームとしてキープできなかったことで押し上げることもできない悪循環が生まれた。そうやって多くの時間で受身のサッカーを余儀なくされた。受身のサッカーでスタミナを徐々に削られて、後半は切り替えの遅さとか危ない位置にスペースができてしまっているシーンが目立った。

ただ、ロングボールは悪い部分ばかりだとはいえない。遠い距離のボールの精度とか見ている場所がいいものも多かった。そればかりを繰り返したら単調になるけど、1つの攻撃パターンとしては計算できる形だったんじゃないかと思う。

守備面では今までの高い位置で積極的に奪いに行くっていういい形が見られなかった。それでも失点0だったのはよかった部分。ゴール前に集中して最後のところで体を張る守備がしっかりできてた。そうやって押し込まれたときの守備もしっかりできたのはよかったんじゃないかと思う。

チームとしてはそうやって引かされたときにその1つ前にスペースができてしまう部分を修正して欲しい。中盤までがDFラインに吸収されてしまってボール保持者に当たりにいけない場面が目立った。

あとは個々の守備力の部分。最終ラインで言えばボールの受け手に対しての守備はいいものがある。出足の速さが目立ってボールが入っても自由にプレーさせない。あとはボール保持者と正対したとき。相手を遅らせるっていう最低限のところはできてたけど、やっぱりどこかで勝負をかけなきゃならない。

そういうのは味方のカバーの状態とか組織の部分も大いに関係してくるけど、最終的に取れるかどうかは個人の力量だと思う。このチームは組織の守備でいいものを持ってるから、個々の守備力が上がれば相当堅くなると思う。

結果は0-0。采配的には森島と平山を交代させたとこが疑問だった。前半からロングボール主体の攻撃をしてたわけだから、前線に2枚を並べてパワープレーにでてもよかった気がする。
別窓 | 日本五輪代表 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-17 Sat 21:29
フランス×アルゼンチン
<フランス:4-4-2>
FW:アンリ-トレゼゲ
MF:マルダ-リベリ、マケレレ-ビエラ
DF:アビダル-エスキュデ-スキラッチ-サニョル
GK:クペ

<アルゼンチン:4-4-2>
FW:サビオラ-クレスポ
MF:Lゴンザレス-カンビアッソ-ガゴ-サネッティ
DF:エインセ-ミリート-アジャラ-ブルディッソ
GK:アボンダンシエリ 

フランスはジダンが抜けたことでどうスタイルが変わってくるか注目だった。結論から言っちゃえばかなりスタイルが変わってきた印象。前は良くも悪くもジダンを中心としてジダンを経由する攻撃の仕方だった。つまり真ん中から攻めることが多かったと思う。

この試合を見る限りフランスはサイドを起点にしようとする意識がかなり強かった。チャンスにつながったシーンはほとんどがサイドからのクロスだったし、比較的低い位置からサイドに散らしてた。

両サイドの前後はW杯と同じでリベリ-サニョルとマルダ-アビダルの組み合わせでスタート。W杯のときのリベリとマルダは1トップのアンリを抜いて出てくってのが1つの仕事になってたし、真ん中よりでのプレーが目立ってた。この試合を見る限りこの2人ともライン際での仕事を任せられてたと思う。確かにゴール前に入ってくるプレーもあったけど、それはボールと逆サイドの選手が中に入ることでゴール前の人数を増やそうとするような場面。

両SBの攻撃参加も積極的でサイドで数的優位を作ろうとしてた。ただ前半の右サイドはリベリが孤立気味。1人でボールを受けて1人で仕掛けなきゃならないことが多かった。リベリ自身も本来の調子ではなかったような気がする。1対1での仕掛けでとめられてしまうことが多かった。

この攻撃に対してアルゼンチンの縦を切っるような守備の仕方も効果的だった。結局フランスはサイドを起点にしても、早めにクロスを上げることになってしまってアルゼンチンの守備陣は安定して跳ね返すことができてた。

それにアルゼンチンは縦をえぐられると危ないシーンにつなげられる場面が多かった。アルゼンチンは基本的にはバランスのいい守備をしてたけど、サイドをえぐられたときはCB(アジャラ)がサイドに引き出されることで中のバランスが崩れた。

そのスペースに中盤の選手(カンビアッソ)が戻ることになって、中盤がDFラインに吸収される。さらにサイドに目が行くことでズルズルとラインが交代した。そうやってDFラインの前に大きなスペースが空いてしまってたと思う。そこを突かれたら危なかった。

後半にはフランスはマルダに変えてゴブ、サニョルに変えてクレールを投入。この交代からもサイドの攻撃を重視してることが分かると思う。ゴブが右、リベリが左を基本としながらもやや流動的にやってた。クレールはかなり積極的に攻撃に参加してきて右サイドに厚みのある状態が保たれてた。そうやってサイドをえぐろうとする意識が高くなってたと思う。

その中でアルゼンチンもうまく適応してた。相手の右サイドでの数的優位に対して、守備面ではカンビアッソがサイドの対応に回った。こうやって人数をかけて崩されることを防いでたと思う。

攻撃面でもクレスポが左サイド(フランスの右)に張り出してのプレー。相手のSBの攻撃参加を減らせようとする意識が見られた。時間によってはサビオラが右サイドに張り出してアルゼンチンの2トップが両サイドにワイドに開いてることもあった。この辺の駆け引きは面白かった。

フランスのこういうサイド攻撃の起点になったのがボランチ。低い位置からサイドへの大きな展開が目立った。こういう散らしの部分を含めて、ジダンがいなくなったことでボランチに求められる攻撃の役割が増えてたような気がする。

まずトップ下のスペースを埋める役割。この試合ではビエラがかなり積極的に前線に飛び出してくシーンが多かった。FWが下がってくるのとあわせて、トップ下に空いたスペースを有効活用しようとしてたと思う。

ビエラが高めのポジションを取ったことで、マケレレのポジションも高めの位置に設定されてたと思う。攻撃の組み立ての部分をマケレレが担うことが多かった。左右への散らしを代表としてかなり攻撃でのボールタッチの回数が多かった。攻撃面でマケレレがこれだけ目立ってる試合はフランス代表の中では初めて見たかもしれない。

こういう形でボランチが攻撃に参加することで攻撃面でのジダンの穴を埋めようとしてた。ただ、同時に守備面でのもろさにもつながってた気がする。

例えば失点シーン。カンビアッソにビルドアップ時にインターセプトされたシーンからだった。こういうときにボランチが攻撃に入ってたことでファーストディフェンスが遅れた。ボール保持者に対してのプレッシャーが効かずにうまく展開されてしまった。後ろはバランスの崩れたDFラインだけでの守備を余儀なくされてたと思う。

失点の直接的な原因は相手のうまいパス交換だったけど、そのシーンでフランスの選手が戻りながら守備をしているのも事実。中盤の守備が薄くなることで、相手に速攻を仕掛けられたときのもろさを感じさせた。

ただ、フランスの組織をつくったときの守備は全体としてバランスのいいものだった。これまで何度か書いてきてるように前線からしっかりとプレッシャーをかけることで相手の選択肢を削ってくやり方。

まずはとにかく縦のパスコースを切る。そうやって相手が1度後ろに戻さなければならない状況を作った。1度遅らせたところで、それを戦術的に追うことでコースを消す。最初の守備のスタートはハーフェイライン付近だけど、相手が一気に攻撃できなければ深い位置まで追いかけていってた。

そうやって規制をかけて最終的にはサイドに追い込む形が目立ったと思う。アルゼンチンもフランスの守備に対して苦し紛れのロングボールを蹴ることが多かった。

さらに後半の守備のしかたを見る限り、規制をかける意味でのプレッシャーだけじゃなくてボールを奪う意味でのプレッシャーも見られた。プレッシャーをかけはじめる位置を高い位置に設定して前線から複数枚でチャレンジする積極的な守備のやり方だった。

守備の積極性っていう意味だと前半からフランスのDFラインが高めの位置を設定してた。W杯のときは深めの位置で最後の所でで跳ね返すことが多かったと思う。そう考えるとファーストディフェンスの位置を高めにしながら、チーム全体がコンパクトなまま高い位置へと移行してた気もする。

アルゼンチンはこういうフランスの守備に対して、序盤はロングボール主体の攻撃が目立った。上に書いたとおり相手のプレスがきつかったからロングボールを蹴らざるを得ない部分もあったけど、そのボールには相手の高いDFラインのウラを突くっていう意図が感じられた。サビオラとクレスポも常にウラを狙ってたと思う。ある意味ではこの時間帯はアルゼンチンらしくなかったって言えるかもしれない。

それでも前半15分の得点シーンはアルゼンチンらしいパス交換から。サビオラとサネッティが右サイドでパス交換をしたところから。いくつかのパス&ゴーの組み合わせの中で得点までつながった。ボールと人が動く理想的な形の中でのゴール。最初のシュートを打ったクレスポの動きの質も高かった。

このシーンの少し前から序盤は徹底して相手のウラを狙ってたサビオラが、下がってきてボールを足元で受けようとするシーンが目立ち始めた。そうやって2列目とのポジションチェンジをすることでフランスのDFがつかまえきれない状況を作りだしてたと思う。選手の出入りが生まれたことでフランスのDFとしては誰が誰を見るべきかがはっきりしてなかったんだと思う。縦のポジションチェンジを取り入れたが功を奏したと思う。

上にも書いたとおりこの得点の一番の起点はカンビアッソの高い位置でのインターセプト。
カンビアッソは危機察知能力が抜群に優れてた。このカンビアッソを中心にアルゼンチンの守備はボール保持者に対しての寄せの速さが目立った。

ボール保持者に対して必ず1枚は寄せて自由にプレーさせないやり方。多くの選手が低い位置に入ってブロックを形成することでそれぞれの距離を縮めて相手にプレッシャーに行きやすい状況を作ってた。相手と正対するときはDFラインと中盤のラインを配置するバランスのよさも目立ってた。そういう守備の中で特に真ん中は堅い。トレゼゲとアンリが2トップを組んでるときはほとんどボールを触らせなかった。

さらに得点シーンみたいな効果的なインターセプトが決まったのには相手の攻撃のやり方の問題もあった。フランスは足元でボールを受けようとする意識が高すぎた気がする。サイドからの攻撃にしてもリベリ、マルダが低い位置でボールを受けてから仕掛けてくシーンが多かった。

つまりボールを持ってから何かをやるっていう形。それだと相手が距離を縮めてくる時間が十分にある。そうやって結局は相手に複数枚で当たられて孤立してしまった。もっとスペースで受けるようなシーンを増やしてもよかった気もするけど、ジダンがいなくなってパサーがいなくなったのが痛いってことかもしれない。

なかなかボールが触れなかったアンリとトレゼゲの2トップ。あまりに2トップ的過ぎたような気がする。確かに引いてきて起点になるような場面も見られたけど、基本的に2人とも真ん中のトップの位置をキープしてた。

サイドからのクロスに対しても2人がゴール前で待ってるっていう場面が多かった。待ってるってのは悪い意味で。ゴール前での動きが足らずに、いわゆる詰まってるっていう形。1人をおとりにしてもう1人がやや低い位置から出てくるようなシーンもなかった。

そういう意味ではトレゼゲに変わってアネルカが入ってきた後の方が動きが見られた。アンリが積極的にサイドに流れるシーンが多くなってボールタッチの回数も増えてたと思う。その中でリベリとの関係でサイドを崩すような場面が見られた。中ではアネルカがやや引いた中途半端なポジションをとって面白い形だった。トレゼゲとアンリの2トップよりは可能性を感じさせる組み合わせだった。

それに比べてアルゼンチンの2トップの関係は洗練されてた。1人が流れてもう1人が中にいるとか、1人が下がって1人がウラを狙うみたいな関係性が随所で見られる。しかも、その役割が固定されてないのもいい部分。さらに上にも書いたとおり2トップが両サイドに張るみたいな変則的な形にも対応してた。

最後につけたし。フランスの守備は高いラインを設定してたって書いたけど、もちろん下がったとき(下げられたとき)の安定感も見られた。そういうときはDFラインの前に2枚のボランチがしっかりと位置するわけだし、W杯時のようにリベリが下がってきての守備の貢献度も高い。一度しっかりとブロックを形成されたらなかなか崩せないと思う。

結果は0-1でアルゼンチン。最近W杯の振り返りをした両チームだけに見るべき部分が多かった。
別窓 | 国際親善試合・大会・大陸予選 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-14 Wed 16:24
07年日本代表始動
GK:川口能活、山岸範宏、川島永嗣、林彰洋
DF:中澤佑二、坪井慶介、田中マルクス闘莉王、阿部勇樹、今野泰幸
MF:橋本英郎、羽生直剛、加地亮、遠藤保仁、中村憲剛、鈴木啓太、駒野友一、野沢拓也、相馬崇人、佐藤勇人、田中隼磨、山岸智、藤本淳吾
FW:播戸竜二、巻誠一郎、我那覇和樹、高松大樹、佐藤寿人、矢野貴章

初招集は川島、林、橋本、相馬、藤本、矢野。
相馬の招集はびっくりした。今までのプレーを見る限り、守備の意識の薄さが目立つ。オシムはそういう選手は求めてないと思ってただけに意外。サントスが海外に移籍して、それだけ左サイドのポジションが手薄ってことか。それとも、ここで相馬を見ておきたいってことなのかもしれない。いずれにしても今までのようなプレーでは生き残れないと思う。
矢野、藤本は前々から招集されるんじゃないかって言われてた。じっくりプレーを見たことがないだけにコメントは避けとく。というか、ここで試合に出られるなら見ておきたい。
GKの川島はずっと評価してた選手だから、この招集は素直にうれしい。

とりあえず、このメンバーで素直にスタメンを考えて見たい。ペルーのことを知らないから、ペルーは2トップと勝手に予測。だから3バックにしといた。

<3-5-2>
FW:我那覇(巻)-播戸
MF:遠藤-中村、駒野-鈴木-加地
DF:今野(阿部)-トゥーリオ-坪井
GK:川口

システムは去年多く見られた3-3-2-2。

3バックの軸はトゥーリオで確定的。あとの2枚はバランスを考えた。つまり1人は守備に特化した選手1枚と本来中盤の選手を1枚。とりあえずファーストチョイスは坪井と今野。

中盤の底は鈴木。ここが中盤の軸。両翼はこれまで通りに加地と駒野で。
トップ下には中村と遠藤を並べた。左右に散らしてゲームメイクをする遠藤とタテを狙ってチャンスメイクをする中村のイメージ。

2トップは1トップ1シャドーで。我那覇は巻よりも低い位置で受けられるから、前線に播戸が動き回るスペースが豊富に与えられる。そう考えると2列目の前線に飛び出すタイプの山岸ってのも面白いかも。前線で播戸が引っ掻き回すことで2列目からの飛び出しが促進される。

さて、ここにペルー戦では海外組が絡んでくる予定。呼ばれそうなのは中村、高原、中田あたりか。松井は体の状況を見てのような気がする。
中村が入るとすれば中村憲の位置か。そこにすっぽり収まる気がする。
高原は使い勝手がいい。1トップ1シャドーを考えたらどちらにも使える。最近の調子のよさを考えたら軸になりえる存在。あとはチームのコンセプトでトップに使うかシャドーに使うかを選べばいい。

中田は今野(阿部)の位置か。中田は最近では最終ラインでプレーしてるらしいから坪井のポジションで使える可能性もある。

松井を使うとすればトップ下。3バックのサイドでは使いづらい。WGを置く布陣なら、両翼に松井と佐藤を置くって形も面白い。
別窓 | 日本代表 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-12 Mon 12:39
イングランド×スペイン
<イングランド:4-5-1>
GK:フォスター
DF:Gネビル、ファーディナンド、ウッドゲイト、Pネビル
MF:SWフィリップス、ジェラード、キャリック、ランパード
FW:ダイアー、クラウチ

<スペイン:4-4-2>
GK:カシージャス
DF:Sラモス、パブロ、プジョール、カプデビラ
MF:アングロ、シャビ、アルベルダ、シルバ
FW:モリエンテス、ビジャ

イングランドのスタメンはバランスの悪さが目立った。特に中盤の構成。底の位置のキャリックは固定して、ダイアーが1・5列目気味でクラウチのフォローってのは決まった形だったと思う。それにSWフィリップスは右サイドに張ってた。

んで、残ったのがランパードとジェラード。この2人が中目でプレーすることでお互いがお互いのプレーエリアを狭めてしまってた。ランパードとジェラードを併用するといつもそういう懸念が生まれるけど、今日は特にバランスの悪さが目立った。

中盤に左サイドを基本にする選手がいなかったことで左サイドにはスペースが生まれてた。そのスペースの分だけ真ん中でのプレーエリアが消されてた印象。ジェラードは低い位置から前線に蹴りこむような場面で結構顔を出してたけど、ランパードは本当に消えてしまっていた。

それにサイドに起点をつくる場合も右のSWフィリップスに偏りすぎの印象。システムを絶対にシンメトリーにすべきだとは思わないけど、あまりに偏りすぎてた。SWフィリップスが試合の中で左右のポジションを変えてプレーできる選手だったら面白い中盤の構成だったかもしれない。例えばSWフィリップスが左に流れたときはジェラードが右に張り出してプレーするようなオプションも考えられる。

そもそもSWフィリップスが精彩を欠いてた。それは相手の左SBの選手の守備がよかったのもある。SWフィリップスに入ったところですぐに距離を縮めてスピードに乗らせなかった。ドリブルで仕掛けてきたときの対応のうまさも光ったと思う。こうやって結局は両サイドとも攻撃の糸口が消えてしまった。

こういうシステム上のバランスの悪さは守備面にも影響を及ぼしてたと思う。スペインの攻撃は右サイドを起点にしたものが多くなった。イングランドの左サイドにはPネビルしかいないわけだから、薄いところをつくのは当たり前といえば当たり前。攻撃時はある程度バランスを崩すことも許される(むしろバランスを崩したほうが相手としては守りづらい)だろうけど、守備時は相手の形を見ながらバランスよく守ることが要求されるんじゃないかと思う。

後半はジェラードとバリーを交代して、バリーを左サイド基本の選手とすることである程度はバランスの悪さを解消した。スペインの攻撃を見てもイングランドの左サイドを徹底して突いてくることがなくなってた。攻撃でも左サイドに起点をつくってクロスを上げるような場面が増えたと思う。

こういう状況の中でも序盤のイングランドはいい形で展開できてた。立ち上がりは守備の積極性が見られて、それが攻撃にもいい流れを生んでた。序盤は前線からの寄せが速くて高い位置でボールを奪うシーンが目立った。スペインとしてもそういう激しいプレッシャーに対してロングボールを前線に蹴りこむだけの攻撃が増えてしまったから、その時間帯のペースはイングランドが握ってた。

高い位置でボールを奪うことで攻撃への移行も早くなった。高い位置でボールを奪うってことは前線に人数が残ってる時点で守備から攻撃に切り替えられるっていうこと。そういう中で人と人の距離が近くていい連携の中での攻撃が組み立てられてた。

スペインもボール保持者に対しての寄せは欠かさなかったけど、寄きる前の早いタイミングでボールがうまく回ってた。そういう中でスペインの高めのラインのウラを突く効果的な攻撃が生まれてた。クラウチがトップに張って、やや後ろからダイアーが飛び出すことで相手に捕まらずに抜け出しを図れてた。

ただこういういい形も前半の途中から陰りを見せ始めた。イングランドの試合を見てるといつもそういう印象だから、積極性を長時間維持できないっていう問題がある気がする。ただ、この試合に関してはスペインの攻撃のやり方がうまかったってことも原因の1つだった。

スペインは相手の時間とともにプレッシャーに慣れてきて、自分達の攻撃を組み立てられるようになった。その中でサイドを広く使った攻撃が目立ったと思う。そうやってワイドに使うことでイングランドのプレッシャーを分散させた。上にも書いたとおり前半は特に右サイドに起点を作ることが多くなった。右サイドはスペインの選手が余ってる状態だったわけだから、Sラモスも積極的に攻撃に参加することができてた。

前半の決定的なチャンスも右サイドを起点にして生まれた。サイドにビジャが流れてきて、空いたスペースに入れ替わってアングロが抜け出す。そうやってイングランド守備陣のバランスが崩れたところでモリエンテスにボールを預けたシーン。結果としてゴールにならなかったけど、その過程は1点ものだった。この3人の関係性は先週のバレンシアの2点目と全く同じ(サイドは逆だけど)。代表でもうまく機能してたと思う。

そうやってサイドに起点をつくる中で徐々にイングランドの選手を深い位置まで押し込んでいったと思う。時間が経つにつれてイングランドの前線での守備がだんだんと弱まったり、単発になったりしてきた。そうなればもうスペインペースでDFラインでのパス回しからゆっくりと組み立ててった。

ただ、そうやってスペインのペースで試合が流れても決定的なチャンスは上に書いた場面と得点シーンだけだったと思う。それはイングランドが最後のところで守る守備に切り替えを図ったから(不本意でも)。押し下げられたってことはゴール前には人数がしっかりと揃ってるっていうこと。そうやってゴール前のスペースを消してスペインのFWに高い位置で自由にプレーさせなかった。

ビジャとアングロの関係は別にして2列目から純粋に飛び込んでくる選手がいなかったことで、イングランドとしても守りやすかったはず。真ん中のポジションのシャビとアルベルタがゴール前に出てくるようなシーンは見られなかった。イングランドの守備は低い位置にブロックを形成してたから、そのブロックの前にはある程度のスペースがあった。そこをうまく使えてなかった気がする。

ただ、得点シーンはそのスペースをうまく使ったシーン。それに試合の状況の全てが凝縮されたような得点だった。最初は左サイドに流れたビジャがボールをキープして中の選手の上がりを待つ。ビジャは前線で動き回ってボールを引き出すことが多かった。特に下がってのプレーで中盤の選手と入れ替わったりすると、可能性を感じる。とにかく、ビジャにサイド深くに起点をつくられたイングランドの守備陣は慌てて戻った。

中の上がりを待ってビジャがクロス。押し下げられたイングランド守備陣の前に広大なスペースがあって、そこにポジショニングしたイニエスタにボールが渡る。結局、イングランド守備陣はイニエスタに寄せきれずにゴールを奪われた。前半はシャビとかアルベルタがこういう位置まで出てくることがほとんどなかった。

押し込まれたイングランドは結局のところ攻撃も悪い流れになっていってしまった。序盤は前線の選手が多い状態で攻撃が組み立てられたけど、多くの選手が低い位置での守備に吸収されたことで前線に人が足りなくなってしまった。

これはイングランドのスタイルを考えると致命的。イングランドのスタイルは完全にクラウチに当てて、セカンドボールを拾うっていう形。この攻撃だとクラウチと周囲の選手の距離が近くないと機能しない。言ってみればクラウチのそばにどれだけ多くの選手を置けるかってのが勝負になる。

試合全体を通してダイアーはクラウチのそばでプレーしてた。低い位置からドリブルで仕掛けようとするシーンもあったけど、基本的にはクラウチのこぼれ球狙いだった印象。序盤はこれに加えて中盤の選手も距離を縮めてセカンドボールを拾える位置にいた。それは上にも書いたとおり高い位置でボールを奪うことで前線に選手が足りてたから。それがだんだんと中盤の選手が守備に回るにつれて、前線に人数をかけられなくなった。

それにクラウチに対するボールの質の部分でも悪い影響が出た。単純に考えて高い位置でボールを奪ってクラウチに当てるボールと、自陣深くからクラウチを狙うボールだったら前者の方が精度が高いのは当たり前。序盤はクラウチが胸でトラップして自分でコントロールできるシーンが多かったけど、時間が経つにつれて頭で競るのがやっとっていうボールになってしまった。長距離のキックの精度があるジェラードが交代したのも痛かった。

こういうトップの頭に向けてのロングボールってのはイングランドらしいといえばイングランドらしいけど、やっぱり確率が低い。んで、どういうメンバーが一番試合しやすいかを勝手に考えてみた。

<4-5-1>
FW:クラウチ
MF:ルーニー、Jコール-ジェラード-ハーグリーブス-レノン
DF:Aコール-テリー-ファーディナンド-Gネビル
GK:ロビンソン

GKおよび最終ラインはよし。リチャーズの攻撃の積極性とか守備の強さは認めるけど、現状ではGネビルの方が上だと思う。

両サイドには自分で打開できる選手を配置した。この試合を見てもSWフィリップスが抑えられた時点で1人打開できる選手がいなかった。クロスにしても相手を抜ききらずに出すから確率が低い。Jコールは中に入ってきてのプレーもできるからプレーの選択肢が多い。

ボランチの1枚はハーグリーヴス。ハーグリーヴスは1ボランチでも適応できるだけの守備力を持ってるし、タイミングのいい攻撃参加も魅力。キャリックはこの試合を見る限り悪くはなかった。低い位置でボール保持者に対してのフォローを欠かさずにボールを受けにいってたし、受けた後の散らしもバランスがよかった。ただ、守備面を考慮に入れるとハーグリーヴスが帰ってきたらセカンドチョイスになると思う。

ボランチのもう1枚はジェラードを選択。結局はクラウチを狙うことになったとき長い距離のキックの精度は魅力。ランパードを使うならルーニーのところか、ルーニーを1枚出してトップ下に入れるかのどちらか。

最後に両チームの守備面について触れとく。

イングランドは結構書いてきたからひとことだけ。よくない時間帯になってもシャビに対するプレッシャーを欠かさなかったのは評価できる部分だと思う。結局シャビはほとんど目立たずに終わった。守備面ではクラウチの前線でのチェイシングに後ろがどれだけ連動できるかがポイントになる気がする。

スペインは前線からある程度積極的な守備のやり方だった。相手がシャビに対してしっかりと寄せをしてきたのと同じように、スペインはキャリックに入ったところから守備を始めた。そうなったらボール保持者に対してのプレッシャーを欠かさない。

そうやってコースを切りつつ、相手が少しでももたつくことがあれば複数枚で囲いに行く。前線の選手がしっかりと戻って挟み込むような場面が多かった。特にサイドで相手を孤立させたら一気に集中してたと思う。結局イングランドの攻撃がクラウチ頼みになったのはスペインのこういう守備があったからともいえる。

得点を取ってからはある程度自由にやらせて下でしっかりと組織を形成する形に変えてた。高い位置にしろ低い位置にしろラインをコンパクトに設定することでスペースをうまく消してた。最後のところの守備も強さを見せた。全体として1対1、人に対しての強さが目立ったと思う。プジョールが抜けても同じような守備ができたのは収穫だったんじゃないかと思う。

結果は0-1でスペイン。
別窓 | 国際親善試合・大会・大陸予選 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-09 Fri 18:44
U-22アジア予選第1戦の招集メンバー発表
GK:山本海人、松井謙弥、林彰洋
DF:水本裕貴、千葉和彦、青山直晃、福元洋平、一柳夢吾、内田篤人、伊野波雅彦
MF:本田拓也、本田圭佑、青山敏弘、谷口博之、梶山陽平、水野晃樹、家長昭博、増田誓志、上田康太
FW:カレン・ロバート、平山相太、森島康仁、苔口卓也

下の世代からは福元、林、内田、森島が呼ばれた。内田はJでもレギュラーとして出てるから妥当。森島はここで今までも何度か書いてきたように4-1-4-1の頭を担う選手。やっと平山のバックアッパーが入った。といっても、去年のU-19の試合を見る限りではまだまだ平山の方が上。GK林は安定感に疑問も西川不在の関係上呼ばれたんだと思う。福元は人に対する強さが見られる選手。そう考えると全体を通して大きなサプライズはなかった。

<予想スタメン:4-1-4-1>
FW:平山
MF:本田圭-梶山-増田-水野、青山敏
DF:家長-水本-青山直-内田
GK:松井

予想もサプライズ無しで。GKに西川、右SBに中村北斗が入るのが今まで見てきた中ではベスト布陣だと思う。
別窓 | 日本五輪代表 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-05 Mon 21:45
インヴァーネス×セルティック
<セルティック:4-4-2>
FW:ヘッセリンク-ビーティー
MF:ライオダン-レノン-グラベセン-中村
DF:ネイラー-マクマナス-プレスリー-テルファー
GK:ボルツ

積極性という面においてはインヴァーネスの方がセルティックを上回ってた。特に守備面での積極性は明らかにインヴァーネス側に見られた。インヴァーネスは前線からボール保持者に対しての寄せの速さが目立った。ボール保持者との距離を一気につめてボールのコントロールの瞬間を狙うような守備が見られた。

そういう中でセルティックの側にミスが目立ったと思う。さらにセルティックをリズムに乗らせないっていう意味でも効果的だった。激しいプレッシャーでセルティックの選手を思い通りにプレーさせなかったことで、リズムはインヴァーネスの側が握ってた印象。

ただ、この積極的な守備も組織という面から見るとまだまだ不完全だった。前線からのチェイシングとかボール保持者に対してのアプローチが個々の選手の力量に任せられてた気がする。組織の連携した守備っていう視点から見ると、いまいちな部分が多かった。

それが一番表れてたのが先制点のシーンに代表されるプレー。ボールサイドに多くの人数が集まってしまって逆サイドが完全にフリー。結果としてクリアミスが失点につながったわけだけど、得点者のライオダンに対してインヴァーネスの選手は全くアプローチをすることができないポジションにいた。

このシーンだけじゃなくてボールに選手が集まって周囲にフリーな選手ができてしまうシーンは多かった。後半にあった、中村が真ん中で溜めてサイドのヘッセリンクに散らした決定的なシーンも同じ。セルティックとしてはもっとそういう部分を突きたかったところ。

本当はダイレクトパスの組み合わせとかで簡単に崩せたはず。相手が寄せたところを否してく感じで。ただ、この試合のセルティックは攻撃時の人と人の距離が遠すぎてそういう攻撃を仕掛けるのは無理だった。とりあえず、こういう欠点があったにせよインヴァーネスの守備の意識の高さは評価したい。

それに比べてセルティックの守備は酷かった。試合全体を通してボール保持者に対してのプレッシャーが全く効いてなかった。特に中盤では相手を全くの自由にしてたっていう状態。いつもはレノンがボール保持者に対して積極的にアプローチに行くはずなんだけど、この試合では全然目立ってなかった。

そうやってチーム全体がボールウォッチャーになってしまっていた。DFもボールを見てしまうからマークを外すことが多くて危ないシーンを多くつくられてしまった。失点シーンもサイドからのボールに対して、相手の得点者を完全にフリーにしてしまっていた。相手にウラを狙われて危ない場面を作られるシーンも目立ってたと思う。DFとDFの間に入り込まれたときとか、1枚後ろから走りこまれたときはマークを完全に外されてしまった。

それに中盤で相手にプレッシャーが効いてないってことは、相手はパスを出し放題だった状況。もうちょっと質の高いパスを出す選手が相手にいれば、大量失点もありえた内容だった。個人技に対する対応も後手後手で簡単に入り込まれてしまったし、本当に1失点はラッキーだった。

それにこういう守備は攻撃にも悪影響を及ぼしたと思う。全体としてボール保持者に対する守備が甘かったことで、ボールの取り所がはっきりしなくなってしまっていた。そういう中で中盤の選手がDFラインに吸収されるほど低い位置まで下げられるようなシーンも多かった。

そうやって中盤が押し込まれてしまうから前線でセルティックのFWが孤立状態。ヘッセリンクに収まるようなボールは結構多かったけど、ヘッセリンクと他の選手との距離が遠かったことで、守備を攻撃につなげることができなかった。

それにヘッセリンクがくさびのパスを受ける位置がハーフェイライン近くだったってのもチームがうまく回ってないことを表してるような気がする。トップの位置から下がってきてボールを受け、そのスペースに2列目が出てくみたいな意図だったらヘッセリンクがその位置でボールを受けても問題はない。ただ、この試合に関しては定位置がハーフェイライン近くだったわけで、攻撃時はFWがハーフェイライン辺りにいる状況からスタートしなきゃならなかった。どれだけ押し込まれてたかが分かると思う。

トップがその位置に決まれば必然的に中盤は自陣でプレーすることになる。サイドに起点を作ろうとしても、中村とはライオダンはかなり低い位置でボールを処理してた。そういう低い位置での組み立ての中でのミスも多くて、相手の攻撃のチャンスを与えてしまっていた。

それにクリアが不完全だった場面も多い。そういう中で味方の押し上げが促進できないっていう悪循環が生まれてた。

その中でいくつか攻撃の形ができたっていう場面をピックアップ。この試合を見てセルティックの攻撃の組み立てを担ってるのはグラベセンだと思った。ダイジェストで中村の映像ばっか見せられてると気づかない部分だけど、組み立てっていう部分においては中村よりもグラベセンの方が働いてる。真ん中の位置から左右にうまく散らすことも多いし、くさびのパスもグラベセンから供給されることが多い。

上にも書いたとおり、今日の相手はボールの逆サイドが空く傾向にあった。グラベセンはそういう部分もうまく見つけてた印象。昨日書いたばっかの言葉を使うなら、CMFのゲームを組み立てる能力が多くの場面で見られた。それに加えて、ボールの運び役としても役割とかゴール前への飛び出しの部分も多く見られる。

でもだからといって中村が悪いってわけでもない。中村はチームにリズム変化をもたらす役割。グラベセンはある意味では単調なリズムでボールをはたく。
そのボールが中村に入ったところで、ダイレクトではたいてスピードを上げるなり、キープして時間を作るなりしてる。そういう意味では最初の頃のギクシャクした関係と比べると、うまく住み分けができてきた。

中村に関しては後半の途中から自由に動き回ってのプレーが目立ち始めた。そのときに特徴的なのが右サイドでボールを受けて、それを出した後の動き。すぐに次のボールをもらえる位置に移動するんだけど、斜めに入り込むことで相手のマークを外してる。そうやってうまくボールをもらえる体勢を作ってると思う。そこでボールをもらえれないにしても、相手が中村を気にすることでバランスを崩すことができる。

ロスタイムの得点シーンも中村がポジションを変えたところから。ヘッセリンクが競ったボールを拾った形だけど、本来のポジションじゃなかったから相手のマークの対応が遅れてた。ポジションチェンジが功を奏した形。

中村の逆サイドに位置するライオダンはイマイチだった気がする。ボールを持って相手が多い中に切れ込むシーンが多かった。そうやってネイラーの攻撃参加のスペースを作ったっていう部分もあったから、そのこと自体が特別悪いわけではない。ただその中で不用意に奪われるシーンが目立った。それも上に書いた通り低い位置でやってしまうからピンチに直結した。このサイドについては相手の右サイドの選手のドリブルに対する対応も不満だった点。

結果は1-2でセルティック。チームが悪い状態でも勝ちきるのが強さか。ってか、この試合先週のものだったらしい。
別窓 | 国外リーグ | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-04 Sun 12:48
セントラルMF論
今週発売のWorld Soccer Kingから。ちょっと興味深い特集だったからピックアップ。


■ベンゲルのインタビュー記事から。
○攻撃面ではゲームの組み立てが最も重要な役割
・スルーパスやゴール前への飛び出しは副業
・前線の味方をパスやコーチングでうまく操りながら、相手を揺さぶる

○守備面では幅広いプレーが求められる
・1対1、カバーリング、クロスやセットプレーへの対応など
・さらに状況に応じたプレッシングも仕掛けなければならない

○アーセナルでの役割
・セスクは自ら仕掛けるように指示
・ジウベルトには底の位置からあまり動かず守備に重点を置くように指示
・フラミニにはバランスを重視するよう指示
・ジュリオ・バチスタには攻撃的プレーを求める
・CMFとしてのウォルコットの力量に注目

○リーグや国籍によるスタイルの違い
・イタリアのCMFは守備能力に長け、戦術理解力の高い選手が多い
・スペインではワイドな展開のための中長距離パスの精度と視野の広さが求められる
・イングランドではフィジカルが求められる


■CMFに必要とされる8つの資質
①ゲームを組み立てる能力
・くさびのパスやダイレクトパスで攻撃のリズムをコントロール
・ロングレンジのパスでサイドへ展開し、攻撃のバリエーションを増やす
・ドリブルやオフザボールの走り込みで攻撃のテンポを加速させる

②攻撃の起点となる能力
・守備から攻撃の切り替えの中で後方からのパスをフリーで受ける体勢をつくる
・サイドや前線の選手との連携を軸にパスやドリブルでゴールへの道筋をつくる

③状況を判断する能力
・ボールを受ける前に周囲の状況を察知し、フリーの味方選手を判別できる
・試合の流れを見極め、攻勢守勢のタイミングに応じた正しいプレー選択をする

④相手の攻撃を止める能力
・タイミングよくボール保持者との間合いを詰め、ファールを犯さずにボールを奪う
・プレーの展開を的確に読み、周囲との連携でスペースをつぶす
・中盤エリアだけではなく、時には最終ラインまで戻ってピンチを防ぐ

⑤チームを統率する能力
・ピッチ上の指揮官として攻守の方向性や緩急をメンバーに伝える
・試合の状況に応じたコーチングで、中盤や守備陣の位置取りを確認する

⑥強靭なフィジカル
・90分ピッチを駆け回り、攻守両面のプレーに積極的に関与する
・空中戦や激しいコンタクトに負けない競り合いの強さ

⑦チームへの強い影響力
・代えの利かない絶対的な存在としてチームのパフォーマンスを左右する
・何事にも屈しない精神力と闘志溢れるプレーでメンバーの士気を高める

⑧ゴールを演出する能力
・ミドルシュートやゴール前への飛び出しでゴールを狙う
・前線でフリーになった選手に決定的なラストパスを供給する
・精度の高いクロスやプレイスキックからゴールやアシストを狙う

■システムの中でのCMFの役割
○4-4-2(B)
・2トップ、SMFにパスを散らし、攻撃を組み立てる
・機を見て攻撃に参加し、ゴールに絡む働きをする
・2ボランチで攻守の役割を分担しつつ、互いをフォロー

○4-3-3
・両サイドの攻め上がりを促し、サイドアタックを演出
・3トップにパスを供給し、タイミングを見計らって攻撃参加
・MF間の距離を一定に保ち、ボール支配率を高める

○4-2-3-1
・タイミングのいい攻め上がりで1トップをフォロー
・パートナーとの連携で中央からの進入を着実に防ぐ
・中盤の数的優位を活かし、積極的に相手のボールを奪う

○4-3-1-2
・機を見てサイドに流れ、ワイドな攻撃を促す
・攻守の切り替え役として着実にトップ下につなぐ
・3CMFで連携して、攻撃の起点をおさえる

○4-4-2(D)
・MF間の距離を広く保ち、サイドを起点にして攻撃を展開
・ワイドに開いた配置を生かして、効果的にスペースを埋める
・相手の攻撃を遅らせ、中盤の底での数的不利を回避

○4-1-4-1
・攻撃の舵とり役として1トップ、両サイドにパスを散らす
・タイミングのいい攻め上がりで、前線で数的優位を作る
・CMF陣の連携で手薄な両SMFの後方をカバー


ここまではWorld Soccer Kingの内容。あとはワールドサッカーシステムからセントラルMF論に関係するコメントをピックアップ。

カペッロ
「現代サッカーにおいて最も重要な役割を担うポジション、それは中盤だ。中盤を制すものは全てを制す」

サッキ
「イタリアのサッカーは、ある種我慢比べに似たものがある。勝負どころでもあるペナルティーエリア付近は、相手も最も警戒しているので実に激しい攻防が繰り広げられている。自由にボールを持ってプレーすることは不可能に近い。したがって、起点を創ることなど現代のサッカーでは不可能だ。ならば、プレッシャーの比較的緩いディフェンスラインの前に長短の正確なパスを出せる選手を起用すれば、効果的な攻撃を展開できる可能性が拡がる。仮にピルロからのボールを警戒し、彼に対して厳しいプレッシャーをかけようとすれば、今度は逆にペナルティー付近ではスペースが生まれる可能性も出てくる。もちろん、このポジションをこなせる選手じゃボールキープに相当な技量が求められるけれどもね」

モウリーニョ
「彼(マケレレ)のポジションは守備と中盤のつなぎ役だから、チームの中でもっとも重要だ。ボールを奪い返せる能力と、パスの展開力。マケレレは生まれてこのかたずっと、あのポジションでプレーしている。一夜漬けで学べる類のものではないよ。」
別窓 | 雑談 | コメント:0 | トラックバック:0 |
2007-02-02 Fri 22:07
第11回トヨタカップ:ミラン×オリンピア


<ミラン:4-4-2>
GK:パッツァリ
DF:タソッティ、バレージ、コスタクルタ、マルディーニ
MF:ライカールト、ドナドーニ、ストロッパ、カルボーネ
FW:ファンバステン、フリット

<オリンピア:4-4-2>
GK:アルメイダ
DF:スアレス、フェルナンデス、カセレス、ラミレス
MF:モンソン、バルブエナ、ハラ・エイン、グアシュ
FW:サマニエゴ、アマリージャ

ミランのプレッシングの部分から。最近のサッカーと比べると明らかに守備への積極性が高い。守備を始める位置っていう意味だと、今でも前線からコースを限定していくようなプレーは見られるから特別高いってこともないかもしれないけど。最近の守備が上で制限を欠けながら段々と相手を詰んでくようなやり方だとすれば、このミランのサッカーは1発もしくは2発目の守備でボールを奪おうっていう意思が見られる。ボールへの寄せが抜群に速くて相手に考える時間を作らせない。

そうやって激しいプレッシャーの中から相手のミスを誘ってボールを奪い取る。奪い取れなかったとしてもそういう守備でコースを限定させてるし、相手を後ろ向きにプレーさせることが多いから効果的。そうやってコースを限定しつつサイドに追い込んだところで複数枚で囲んだりしてボールを奪っていく。

前線の積極的な守備に対して後ろの選手もしっかり連動する。今のサッカーだとラインを低めに設定してゴール前にブロックを形成する形が目立つ。それに比べると最終ラインが抜群に高い位置に設定されてる。これは前線でしっかりとプレッシャーがかかってるからこそできる守備の形。前でしっかりとプレッシャーがかからないとウラに決定的なパスを通され放題になってしまう。

とにかく、そうやってコンパクトに設定することで人と人との距離感が近くなる。複数枚でプレッシャーに行くには効果的な配置ができあがると思う。だから、1人が激しくプレッシャーに行って相手をもたつかせたときに前後ではさみこむような守備で効果的にボールを奪うことができる。それに相手のスペースをつぶして相手のパス回しの消すっていう効果もあった。

ミランがコンパクトにやってた上にオリンピアもある程度ラインをコンパクトに保ってきた。つまり、少ないスペースに多くの選手が集まってることを意味する。そうやってオリンピアはパスを出すスペースがなくなって足元にボールを入れなきゃならないようになってしまった。

ミランの選手はそういう足元へのパスを徹底して狙った。前線でコースを限定してるからボールが入る選手はある程度予測できる。そこで相手にボールが入る前に体をしっかりと密着させて先にボールを触ろうって意志が見られた。

前線でのプレッシングにしろ足元のパスへの対応にしろ、ミランの選手は誰が誰につくかっていう決まりごとがなかったのが特徴的。大雑把な言い方をすれば、そのとき一番近くにいる選手が守備をするっていうイメージだった。攻撃でもかなりの自由度を持ってやってて、そこから素早い切り替えで守備に行くだけに基本ポジションに戻るっていうのは難しい。だから、決まりごとを作らない守備のしかたをしてるんだと思う。

ただ、そういう守備のしかたをしても全体としてのバランスは崩れない。選手の配置はそのままで、個々のポジションの選手だけが変わるイメージ。こういうやり方ができるのはチーム全体の戦術理解の高さを物語ってる気がする。

守備の要になってくるDFラインについて。上にも書いたとおりミランのDFラインはかなり高い位置に設定してくる。そういう意味ではラインの統率の決め細やかさが要求される。オフサイドをとるにしても少しのズレがあっただけでウラの広大なスペースに抜け出されてしまう。前でのプレッシャーで制限がかかってるとはいっても結局はDFラインの駆け引きが重要。そもそも前でのプレッシャーの状況に応じてラインを上げ下げしなければならない。

こういう部分にほころびがでると危ない。例えばオリンピアのDFラインは後半になって統率の部分で乱れができはじめた。そうやってウラのスペースに抜け出されて決定的なチャンスを作られるシーンが目立ってた(失点にもつながってる)。

そういう意味ではミランのDFラインはさすが。4人がバランスよく配置してラインの上げ下げに関しても統率が取れてる。それに相手をオフサイドにかけるかどうかの判断もしっかりできてる。危ないと思ったらバレージがウラのスペースをケアするようなシーンが目立った。

こういう攻撃的な守備に加えてひかされたときの守備も安定感を感じた。そういうときは両SBが絞って真ん中にブロックを形成する。その前にライカールトを配置してボール保持者に対してもしっかりとプレスにいってた。結局、こういう場面は少なかったけど。

守備面はこれぐらいにして、ミランの攻撃面について。攻撃面で特徴的なのは守備をした選手がそのまま攻撃に出てくっていうこと。前を向いてボールを奪った勢いそのままに前線に飛び出してく。特にバレージがCBの位置から積極的に攻撃に参加するシーンが目立った。ボールを奪われた選手がファーストDFになるっていうのは今までも紹介したけど、ボールを奪った選手がそのまま攻めあがるっていうのはあまりなかったと思う。身近なトゥーリオがそういうプレーを見せることが結構あるけど、ミランはチーム全体にそういう意識が浸透してた印象。

攻撃に関してはかなりの自由度が認められていた。求められる役割はある程度あったとは思うけどポジションはかなり流動的でいろいろなところでポジションチェンジが見られた。特に両SBのオーバーラップを含めた縦のポジションチェンジが多く見られたと思う。

この縦のポジションチェンジが特に目立つのがライカールト。90分の間にDF~FWまでを全てカバーしてた。DFラインに入ってのプレーはバレージのオーバーラップのカバー。本来の中盤でのプレーではボールタッチの回数を増やしてゲームを作る役割をこなしてた。一度中盤でライカールトがキープすることでチームに落ち着きがもたらされた。そうやって組み立ててる中から機を見てFWの位置まで飛び出してくることも多い。そのままFWの位置に残ってプレーするような時間帯もあった。

2トップの2人に関してもトップに張り付いてるだけじゃない時間帯が多かった。特にフリットは右サイド低目を基本にしてプレーしてたように思う。そうやってサイドの低い位置でボールを受けてからドリブルで自分で持ち上がるシーンが多かった。サイドで1度起点になって相手を引きつける役割も担った。それに低い位置から飛び出すことで相手がつかまえにくい状況も作ってた。低い位置で中継点として前を向く味方にボールを落とすような役割も担った。

ファンバステンは中目でのプレーがある程度多い。それでも低い位置からのドリブルで仕掛けるシーンとかサイドでボールを引き出すシーンもあった。ファンバステンに関してはDFラインとの駆け引きの中での動き方が抜群にうまい。とにかく2人とも万能型でキープ力、足元の技術、相手との駆け引きが全て超一流。

ミランの攻撃は序盤はロングボールを単純にトップに当てるようなものが目立った。相手がある程度高い位置から守備をしようとしてたからそれを回避する意味では有効だった。トップの選手がしっかりとキープできるから後ろの押し上げも促進できて、こういうやり方でも十分に形として機能してた。

こういう攻撃のやり方で相手の守備をある程度下げさせたあとは、自分たちの組み立てに入る。そういう組み立ての中で左右のサイドをワイドに使った攻撃が見られた。そうやってワイドに攻撃を組み立てることで相手のプレッシャーを拡散してさらに自由に攻撃を組み立てられるようになってたと思う。そういう中でアイディアを感じさせる少ないタッチ数での組み立ても目立ってた。

こういう流動的な形については今まで否定的なコメントをしてただけにちょっと言い訳をしとかなきゃいけない。今までは軸が必要だってことを言って、あまりに流動的にやりすぎるとチームが混乱するって書いてきた。ミランに関してはライカールトが軸として機能してるっていう見方もできるけど、もっと別の視点から見てみたい。

単純に言っちゃえば、守備と同じで攻撃も選手が動いてもチーム全体のコンセプトは変わらないってこと。選手個々のの位置が変わっても上から見た全体の選手の配置はあまり変わらない。だからこそチームとしてのコンセプトにズレが生まれないんだと思う。流動的にやってるとは言っても同じサイドに多くの選手が集まっちゃうなんていうシーンはほとんどない。むしろ右サイドでフリットがキープして人を集めてから、逆サイドで自由になってるストロッパへパスみたいなシーンが目立った。そういう部分のバランス感覚があるからこそこれだけ流動的にやってもチームがうまく回るんだと思った。

得点シーンについても少し。
1点目はCKの流れから。フリットがサイドでキープしたことで相手の目がそっちに奪われた。中でライカールトがあわせたわけだけど、相手はボールウォッチャーになってる選手が多かった。ちなみにCKはごとんど単純には上げてこなかった。
2点目と3点目はゴール前にしっかりと詰めるっていう基本のところがゴールにつながった。
どちらもポストに当たったボールを押し込んだ形。3点目のライカールトは高い位置でボールを奪って攻撃の起点にもなってる。そのボールを一度ファンバステンに預けて、自身は止まらずにゴール前まで飛び出した。こういうパス&ゴーの基本的な部分は全体を通して多く見られた。

結果は3-0でミラン。やろうとしてるサッカーはどちらも同じような形だった。でもオリンピアはファンバステンとかフリットに簡単にドリブルをさせるような寄せの甘さがいろいろな場面で見られた。そういう差が結果として表れたと思う。
別窓 | クラブワールドカップ | コメント:0 | トラックバック:0 |
| サッカー好きの日記帳(引越し中) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。