ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-06-29 Fri 22:56
リベルタドーレス杯決勝(第2戦):グレミオ×ボカ
<グレミオ:4-4-2>
GK:サハ
DF:パトリッシオ、テコ、ウィリアン、ルッシオ
MF:ガビラン、ルーカス、ジエゴ・ソウザ、チェコ
FW:トゥッタ、カルロス・エドゥアルド

<ボカ:4-4-2>
GK:カランタ
DF:イバーラ、ディアス、モレル・ロドリゲス、クレメンテ・ロドリゲス
MF:レデスマ、バネガ、カルドーソ、リケルメ
FW:パラシオ、パレルモ

第1戦はホームのボカが3-0で勝利。この試合はそれを踏まえた内容になってたと思う。ボカはアウェイの戦い方を意識したし、逆にグレミオは序盤から攻撃に人数をかける意識が見て取れた。ただし、そういう流れの中で実際にペースを握ったのはボカだった。守備を基本としながら少ない人数の攻撃で効果的に流れを自分たちに引き寄せた。

その守備のやり方から。基本的には自陣にブロックを作るような形。前線には2トップ+リケルメの必要最小限の人数を残してるけど、その残りの7人は自陣深くに4-3の安定したブロックを形成する。DFの4の前に3枚のボランチをフィルターとして配置するこの守備のやり方は、相手の真ん中からの攻撃に対して強さを見せる部分。

実際に相手のボールが自陣に入ってきたときにはボランチの選手がしっかりとチェックに行くことで真ん中の最短距離を切った。結果として相手はトップのトゥッタに対してくさびを入れるシーンはほとんど見られなかった。

つまり、グレミオとしてはサイドに逃がされるようなイメージ。ただし、グレミオの攻撃の当初の狙いがサイドに起点を作るものだったってのも確かだったと思う。ボカの守備の布陣はボランチの3枚が真ん中に集まることでサイドのケアが薄くなるっていうのを突こうとする意識が序盤からかなり見られた。それについては後で詳しく書くけど、とにかく序盤のグレミオの攻撃はこういうサイドからの攻撃が効果的に機能して相手をボカを押し込むことに成功したと思う。

それに対してボカの守備陣もしっかりと対応してきた。1つは中盤の選手が真ん中のフィルターとしての役割だけじゃなくて、サイドのケアの仕事を割合を増やすこと。そうやって味方のSBと協力することで相手と最低でも数的同数の関係を築くことができた。

そのSBもボールへアタックする位置を高い位置へと移行したと思う。SBが積極的に相手のサイドの選手のマークに飛び出してくることで、相手がサイドで作る起点の位置がだんだんと浅い位置に変わって行った。

同時にボールが入っても積極的に距離を詰めたから、相手が縦に勝負を仕掛けられなくなった。この中盤とSBの守備のやり方の変更で相手はサイドにもうまく起点が作れなくなったと思う。結果としてグレミオは攻撃の術がなくなってしまった。

こういう堅い安定した守備のやり方は3-0のアドバンテージが大きかったってのも確かだったと思う。無理に攻めることなくしっかりと守りを重視すれば3失点を食らうことはそうそうない。そういう意識が高かったと思う。

例えば攻撃はほとんどを前3人の関係性に任せてる。そこに絡んできたとしても、せいぜいボランチ1枚とSB1枚程度。ボランチからはカルドーソが出て来ることが多かったけど、何度も長い距離の上下動を繰り返した運動量は魅力。低い位置からのランニングでうまく相手のギャップに入り込むことで、1人の攻撃参加だけでもかなりの厚みを持たせることに成功した。

とにかく、こういう後ろからの攻撃参加を考慮しても攻撃に移ったときにでも最低でも後ろには5枚が残ってる形。さらに大きかったのは、攻撃のときにはこういう少ない人数でも深い位置まで攻め込めたってことだったと思う。それは相手の守備のまずさ(後で書く)に加えて、ボカの選手の1人1人のテクニックが大きかった。

特にリケルメはさすがに1人格の違うプレーを見せてくれたと思う。相手複数に対応されても落ち着いてしっかりとキープすることで、低い位置にブロックを作る味方選手が押し上げる時間を作った。相手の守備陣を集めることでギャップを作り出す効果も大きかったと思う。そういう時間と場所を作るプレーの貢献度はかなり大きかった。

ボカの選手も守備からしっかりと攻撃を作るときには、まずリケルメを見る意識が徹底してたし、リケルメ自身も自由に動いて受けやすいポジションにうまく入ってた。こういうリケルメを中心とした攻撃で少ない人数でも押し込めたことが、次の守備を考えたときには大きかった。

ボカの選手が攻め込むってことは当然グレミオの選手は戻って守備の対応に回らなきゃいけない。だから、グレミオの選手は上下動を余儀なくされたしボールを奪う位置が低いから長い距離を出てかなきゃいけない。どちらにしても攻撃に時間がかなりかかるのは事実。その間にボカの選手は戻って守備の組織をしっかりと形成する時間を稼ぐことができた。もともと5枚は必ず残って守備のベースは崩れてないから、後は前線に出てった選手が戻ってくるだけで組織を作られたと思う。

こういう攻撃に人数をかけないやり方も守備の意識が高かった証拠の1つだったけど、もう1つそういう守備の意識の高さが見られる部分があった。それは守備でボールを奪った後の対応。上に書いたようにリケルメを探して預けるっていうプレーが多かったのは確かだけど、それはあくまでも余裕があるときに話。この試合でのボールを奪った後の対応で一番目立ったのは単純に前線に蹴りだすようなプレー。守備のブロックを深い位置に作ったことで当然ボールを奪う位置も低くなったから、そこで無駄にこねくるよりはセーフティーにっていう意識が強かったと思う。

たぶんそういう守備の安全を考える面が大きかったと思うんだけど、この前線に蹴りだすボールが意外な効果をもたらした。それは相手の守備のバランスを崩すっていうこと。

序盤の基本的なグレミオの守備はあまり悪いっていうことはなかった。立場上前線からある程度ボールへプレスをかけながら、それ以下のラインも連動性を持たせることで高めの位置でのカットが目立ってたと思う。中盤とDFラインとの関係もいい距離感を保ちながら、前後で挟み込むような守備をする場面もいくつかあった思う。

ただし、相手の前線へのボールに対して徐々にDFラインが怖さを感じていったと思う。相手が味方の前線の守備のブロックを飛び越してDFラインに直接攻撃を仕掛けてきたら、むやみに最終ラインを上げられなくなってしまった。ボカの2トップ(特にパラシオ)の動きがスペースにうまく抜け出そうとするものだったからなおさらだったと思う。

そうやって最終ラインは深い位置で相手の攻撃を受けることに重点を置き始めた。それに対して前線の守備は序盤と同じようにボールへの厳しいアプローチをしかけてた印象。この時点で前後の分断が起こってしまった。前線のボールへのチェックに対して次のところが連動しないから1つ1つが単発で効果が薄かったし、何よりもボカの選手の技術がグレミオのチェックを完全に上回った。

そうやって1つめのブロックを抜けられるとDFラインが深い位置を保ってるだけに、そのウラには大きなスペースが生まれてしまっていた。ボカの選手はこのギャップにうまく入り込むことで少ない人数でも深い位置まで攻撃することに成功したと思う。

グレミオのDFラインとしても自分たちの前に味方のブロックがなかったから、相手がボールを持って出てくると勝負にいけずにズルズルと下がる展開が生まれてしまった。相手のロングボールに対して、低い位置で受けるのか、屈せずに高い位置の守備を続けるのかっていう意思統一が必要だったと思う。実際に中盤とDFラインの間のギャップに入り込まれて、前線の選手は戻って対応しなきゃならないことになったわけだから、最初から受ける守備に変更してもよかったかもしれない。そういう部分では守備の組織を作る遅さが気になった。

そのグレミオの攻撃について。攻撃については上にも書いたとおりサイドに起点を作る意識が高かったと思う。そもそも最初に4-4-2って書いたけど、カルロス・エドゥアルドが左に入ってトップ下にジエゴ・ソウザ、右にチェコっていう4-5-1って言った方がしっくり来る戦い方だった。

その中で基本的には左サイドを深くえぐれることが多かった。右のチェコに比べて左のカルロス・エドゥアルドの方が突破力があったし、SBもルッシオの方が積極的に攻撃に参加してきてた。

そうやってサイドに数的優位を作る中で序盤はグレミオが攻勢に出たのは上にも書いたとおり。ただし、そうやってうまく攻撃の形を作れた時間帯でも最後のブロックを崩しきるようなものにはつながらなかった。それはボカの真ん中の守備の堅さもそうだけど、グレミオのラストの工夫のなさも原因の1つだった気がする。サイドから作っても簡単にクロスを上げるだけだし、中の選手の動きも少なくて待ってるだけっていうイメージだった。

そういう最後の工夫のなさは、この時間帯だけじゃなくて後半にも見られた部分。後半のグレミオは絶対に得点が必要になったから、3トップの布陣にして後ろからの飛び出しも積極化させた。同時にボカの側もこれまで以上に守備に意識を置いた布陣に変更してきた。カルドーソに変えてバダグリアを入れることで完全に7枚で守る意識を徹底させたと思う。

結果としてグレミオがボールを支配できるようになった。組み立ての部分では自由にボールを持って左右への展開を織り交ぜながら相手のブロックにギャップを作ろうとする意図が見られたと思う。

ただし、そういう組み立ての意図に比べて前線に入った選手の動きの少なさが目立ってた。人数は多く揃っててもその選手たちが前線で待ってる状況になったから、完全に前が詰まってる状態。ある程度自由に組み立てられても、相手の最後のブロックへ仕掛けることができなくて結果としてミドルを打つようなシーンが多くなってしまった。

結果は2-0でボカ。何度も書くようだけど、この試合のボカは2戦目の戦い方に終始したから本来の形だったとは言えなかったと思う。というわけでここからはトヨタカップに向けてボカについて考えてみたい。

ボカの攻撃の形は1点目のシーンがよく表してたと思う。
後半はこもって出てこない時間が長かったけど、このシーンはFKってこともあって前に人数が出てきたところだった。そのFKから大きな展開と細かいパス回し、スペースを埋める個のドリブルを織り交ぜながら相手のブロックをかく乱した。
そういうパス回しの中ではしっかりと1度トップを経由させることで大きな展開による左右の幅に加えて、深さもうまく与えてた。それに、ボールに対するフリーランニングも豊富でリケルメのゴールをアシストしたのも、外を回ったフリーランニングだったって言える。アルゼンチン代表を考えてもこういう多くの人数をかける組み立てがボカの本来の形だったと思う。

守備面ではトヨタカップを考えると少し気に部分があった。それは後半の守備のやり方。

もともとのやり方は前半以上に4-3の完全なブロックを低い位置に凝縮させることで相手の最後のスペースを使わせないようにさせるものだった。ただ、そのやり方だと当然だけどその1つ前のスペースを使われてしまう。本来埋めるべきなのはリケルメだけど、リケルメは守備の役割を免除されてる。だから遠目からのシュートを自由に打たれてしまう場面が目立った。

これはこれで最後のところにブロックを作ってるだけに仕方ないと割り切ればいい部分なんだろうけど、後半途中からその点について前後の意識が違ってくることが多くなった。これはグレミオの守備のまずさと似たようなもの。ボカは中盤の選手がボールに行った時にしっかりと前線へのコースを切りながら複数枚で対応してたから、致命的なものにはならなかった。

でも、多くの人数にプレッシャーをかけられるDFラインとの間にスペースが空いてしまったのは事実。この点はミランとの戦いを想定すると危険な部分だと思う。カカとかセードルフはそういうギャップにうまく入り込むのが抜群にうまいし、中盤で複数枚で対応してもその網を完全に抜けられてしまうシーンも生まれてくると思う。

最後にこれを書いている間にリケルメがAマドリードに移籍の噂が。この試合でも2得点、タッチ数を増やしながらうまくリズムを作ってただけにリケルメがいなくなるとするとボカの色は大きく変わってくると思う。12月にそういう部分を見るのも楽しみ。
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2007-06-16 Sat 22:31
高校総体静岡県大会決勝:藤枝東×静岡学園
去年の選手権の県予選と同じカードになったこの試合。そのときのイメージがあったし、知ってる選手も何人かいたからある程度イメージを持った中での観戦になった。

藤枝東は3-5-2、静学は4-4-2でスタートした試合内容について。

守備の意識とか狙いは両チームとも似たような形だった。決勝ってことで両チームが前がかってたっていう側面もあっただろうけど、両チームとも最前線からの積極的な守備をしてた印象。トップを起点にしながら敵陣のボール保持者に対してもかなり厳しいチェックを仕掛けてく。そうやってボール保持者を自由にさせないことで、相手にリズムを作らせないっていう意図を両チームとも持ってたと思う。特に両チームとも前半は満足に組み立てられるような状況が生まれたなかった。

ただし、こういう高い位置での積極的な守備に隙が見えてたのも事実だった。それはこの守備のやり方が結局は個々の意識の積み重ねになってしまっているから。もちろん個々の高い守備意識をベースにしなければこういう積極的な守備ができないってのは事実なんだけど、そういう意識に戦術的な成熟が追いついていないような印象を受けた。

つまり守備が個々の守備の足し算だけで行われてるようなイメージ。だから、個でのプレッシャーによってどうしても次のところにギャップができてしまう場面が目立った。1つめのプレッシャーを起点とした次の守備のイメージの共有ができてなかったような印象。

そして、特にこういう部分が見られたのが静学の守備だった。ボールに対して複数枚でプレッシャーに行くのはいいんだけど、プレッシャーに選手が出た次のところのカバーが追いついてないシーンが目立った。2失点は両方ともボールに選手が寄せられて、次のところが完全にフリーになってしまった形。プレッシャーに行ったところできっちり止めないと、薄いところに簡単に展開されてしまうっていう状況が生まれてた。そもそもボランチの1枚をほぼ完全に相手のトップ下にマンマークにつけてたから、ギャップが生まれやすい状況だったって言える。

こういう静学に比べると藤枝東の方が組織的な守備ができてたような印象を受けた。静学と比べるとそもそもの選手の配置のバランスのよさを感じた。これは攻撃時に流動的になる静学とある程度ポジションを固定しながら攻める藤枝東の違いが現れた部分だってことも言えるけど。とにかく、こういう配置のバランスのよさを生かして中盤でのこぼれ球を自分たちのボールにする場面が多く見られた。

それに、上での最初のチェックによる制限を効果的に利用した次のところの守備もうまく機能してた。特に相手の縦パスに対して先に触る意識の高さが目立ってたと思う。こぼれ球を拾う形にしろ、相手のパスを前でカットする守備にしろ個々の出足の速さがベースになってたことも事実そういう意味での個々の守備の部分でも藤枝東が静学を上回ってたと思う。

ただこういう守備のやり方は相手ありきのものだから、相手の攻撃のやり方に左右されるのも確か。そしてその攻撃面の狙いは両者が正反対のものを見せてくれたと思う。具体的には個をベースにする静学と組織に重点を置いた藤枝東。

静学が個人技の高さはずっと言われてきた部分。この試合でも最初の選択肢として個での突破を考慮する場面が目立った。ただ、こういうやり方が逆に藤枝東にとって守りやすい状況を作り出してたような気がする。

そもそもこの試合の藤枝東は相手の個に対する対応をしっかりと考えてたと思う。基本的には上にも書いたように高い位置でのプレスをするためにチーム全体が前にかかってる。だから必然的に最終ラインもかなり高い位置に設定されることになる。ただ、そうやって全体をコンパクトにしながらスペースを消す考え方の中でも人に対する意識もしっかりと持ってた印象。マンマークとまでは言わないけど、ある程度は人にしっかりとつく中で相手との距離を縮めた守備のやり方が目立った。こういうやり方が上に書いたような相手の前でカットする守備を生んだ要因でもある。特に最終ラインは相手のFWをしっかりと見る意識が強かったように感じた。

藤枝東の前線からのプレスによって序盤の静学はロングボールを藤枝東最終ラインのウラにシンプルに蹴りこむシーンが目立った。そういう状況の中でもしっかりと人につくことで落ち着いた対応をしてたと思う。

そして、こういう人への意識が強い藤枝東の守備に対してなおも静学が個を優先した試合運びをしたことが藤枝東に流れを呼び込んだと思う。パスの選択肢よりも個の選択肢が先に来るからある程度思い切ってボールへのアプローチができるし、1人の保持時間が長くなるから狙いどころも定めやすい。こういう静学の攻撃のやり方と藤枝東の守備のやり方の合致によって、藤枝東の守備の方が効果的に機能してるように見えた要因になったと思う。

逆に藤枝東の攻撃は少ないタッチでシンプルにつなぐ意識が強かったと思う。こういう攻撃のやり方は相手にとっては狙いどころが定めにくい。ボールに対してアプローチしたとしても、早いタイミングで次の局面に移行されてしまうから、うまくギャップギャップに入り込まれてしまうことになる。藤枝東の攻撃は組み立ての中ではトップ下の河井を経由しながら狙いどころを定められないような展開をしてたし、そもそも奪った後にはすぐに前線に入れるっていう狙いがはっきりしてた。

そういう早い攻撃は相手にとっては守備の組織を作る時間を与えないようなものだった。そういう個々のシンプルな対応が相手の守備のギャップにうまく入り込む要因を作り出したと思う。ただし途中のやり方の変更で藤枝東も個に任される部分が大きくなったってことは書いとく。

その途中の変更について。特に先制点の後にその変更が見られた。最初の変化は藤枝東の守備の部分だったと思う。それまでのような高い位置でのチェックを完全になくすわけではないけど、徐々に安定したブロックの形成へと移行していった。最終ラインの位置も序盤に比べると低い位置に変わって、チーム全体としても自陣に組織をバランスよく作る時間が長くなってたと思う。

そして、こういう藤枝東の守備のやり方の変更に伴って、静学の攻撃にも変化が生まれた。相手のブロックが下がったことで中盤ではある程度ボールを持てるようになったから、自分たちのリズムを作ることができはじめた。それに伴ってSBの積極的な攻撃参加も目立つようになったと思う。そうやって前線に人数をかけて厚みを加えていった。

こういう前線に厚みを加えながらの攻撃は可能性を感じる部分があったのも事実。個々の技術力と近い距離感のいい関係性に効果的なフリーランニングも加わって、相手ゴール近くでいいリズムでパスが回るシーンも見られた。

その中ではこのチームの特徴である前後のポジションチェンジも多く見られてたと思う。トップの大石が流れてボールを引き出しながら、空いたスペースに他の選手が出てくっていうシーンが多かったと思う。相手が人につく守備をしてただけに、こういうやり方が一番相手にギャップを作るうえでは効果的だったかもしれない。

ただ、こういういい流れの中でも結果として藤枝東の最後のブロックの突破まではつながらなかった。その要因としてはやっぱり個に頼りすぎる部分とそれによる連動性の希薄さがあった気がする。もちろん最後のところをきっちりと固めたときの藤枝東の守備の堅さもあったけど。

とにかく、藤枝東はこういう堅い守備をベースにしながら攻撃はカウンターを狙う形が多くなった。そのカウンターは基本的に2トップ+1の3人の関係で攻めることが多かった。そういう数的に不利な状況でも効果的に攻める上での工夫が見られたのは良かった部分。

具体的には相手のSBのウラのスペースを徹底して狙う形。しかもボールを奪ったら迷いなく一気にそこを狙うボールを入れる。この迷いなく相手の最後のブロックにシンプルに勝負を仕掛けるボールは序盤から目立った形。相手の中盤でのプレスがきつかったこともあったし、上にも書いたようにこういうシンプルなやり方が効果的に決まったと思う。

さらに前線3人の技術の高さがこういう攻撃を意味のあるものにしてた印象。この部分に関しても序盤からWBがやや守備に意識を向けてたこともあって、試合全体を通じて重要な部分だったっていえる。特にFWの松田はボールのないところの抜け出しのうまさ、ボールを持ったときのテクニックの両方を兼ね備えてた。そうやって前線でボールをうまく引き出しながらしっかりと時間を作って、チームを助けてたと思う。

結果は2-0で藤枝東。最後に静学のGK浅野について少し。この試合では静学もかなり高い位置にラインを設定してた。特に失点後の攻撃時は2バック気味の形になってたと思う。結果としてラインのウラをカバーする浅野の役割が重要になってた。そういう意味ではエリア外にも積極的に飛び出してくるプレーが多かったのは好感。
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2007-06-01 Fri 23:33
日本×モンテネグロ
<日本:4-4-2>
FW:高原-矢野
MF:山岸-遠藤、憲剛-鈴木
DF:阿部-中澤-坪井-駒野
GK:楢崎

この試合の日本代表は攻守に渡って選手間の距離の遠さが目立ってた。というよりも、攻撃面での距離の遠さがそのまま守備に影響を及ぼしたっていう見方が適切だと思うけど。

その原因として気になったのが走りの質。序盤から走りの量に関しては申し分なくて、基本的なパス&ゴーを含めて多くの選手が動き回るシーンが目立ってた。ただし、そのランニングが文字通りの“無駄走り”になってしまっているシーンが多かった気がする。

具体的には走りの質がゴールに向かいすぎてたような印象を受けた。例えば2点目のシーン。得点を決めた高原の動きを含めてゴール前での動きの質とそこにいる人数は申し分なかった。ただしクロスを上げた駒野は1人。このシーンは中村からの効果的なサイドチェンジで完全にフリーになれたシーンだったけど、通常の場面を考えると個に頼る部分が大きくなるのは確率が低い。オシムとしても連携の中での崩しを狙ってたようだし。

こういうシーンがサイドの駒野だけじゃなくて全体に見られた。結局何がいいたいかというと、ゴールのためのランニングに比べて組み立てのためのランニングが圧倒的に少ないっていうこと。特に深刻だったのがボールを受けた選手に対するフォロー。ボールが誰かに入った瞬間にあまりにもゴールに向かう動きを狙う選手が多すぎて、ボール保持者の周りにフォローの選手が少ないっていうシーンが目立った。

今までの書き方でいうなら、ボールから遠ざかる選手が多くてボールに近づく選手が少なかったってこと。だから自然と選手間の距離が開いていってしまう結果になった。結果として基本的なトライアングルの形成もままならなかったから、いいリズムでのパス回しができなかった。その中で1人1人のボール保持時間が延びてしまって相手に狙いどころを定められやすくなってしまった印象。

こういう状況がオシムの試合後のコメントに現れてたと思う。それは「個人プレーに走る選手が居て、1タッチ2タッチでのパス回しができなくなってしまった」っていうニュアンス。個人的には「個人プレー⇒パス回し不可能」じゃなくて「選手間の距離が遠くなったことで関係性を築いた1タッチ2タッチのパス回しが不可能⇒個人の力に頼らざるを得ない」っていうイメージを持った内容だった。

このフリーランニングの質の問題は高原がベンチに下がったことでさらに浮き彫りになった。それまでの時間帯で唯一ボールに近づく動きをしてたのが高原だった。多くの選手がゴールに向かっての動きをするなかで、1人だけゴールから遠ざかってボールを引き出すような動きを繰り返してた。その中で1つボールの経由点として機能してたと思う。

その高原が下がったことで攻撃の形が全く生まれなくなってしまったと思う。ボールを受けて起点になろうとする動きをする選手がいなくなったから、攻撃の中での前線の経由点がなくなった。結果として攻撃の際に最初に見るべきところがなくなって、攻撃への移行がスムーズに進まなくなってしまった。

こういう選手間の距離の問題はチームとしての選手の配置にも原因があったような気がする。スタートのシステムは上に書いた4-4-2の形でよかったと思う。守備に入ったところを見る限りでは基本は4-4-2の形だった。ただ、それが攻撃に移ったところで大きく(意図的に)崩れてくる。そこに少し違和感を感じた。流動的にポジションが動くというよりも、そのポジション変更がパターン化してたイメージだったから。本当は図に表すようなものでもないけど、無理矢理当てはめてみる。

    矢
山   遠  駒  
   高 
   中
    鈴
 阿 中 坪

    楢

あくまでもイメージだけど、図にフォーメーションで書き出すとこんな形。中盤の真ん中のところは中村、遠藤、鈴木がローテーションで入れ替わる。基本的には低い位置に中村と鈴木、高い位置に遠藤が入ることが多かった。

この形になった1つの要因が攻撃的な中盤の2人の役割の違い。遠藤は低い位置に下がってきてのボールタッチを含めて中目のポジションでのプレーが多くなる。逆に山岸はWG的な役割。基本のポジションは左サイドで、中に入ってくるプレーに関してもサイドを基本にして斜めに入ってくるような動きが多かった。

この2人の役割の違いがそのままSBの役割の違いに現れてくる。左サイドの駒野は自分の前に広大なスペースがあるから、そこを埋めるために積極的な攻撃参加が求められた。右サイドとのバランスを考えても駒野の攻撃参加は重要だったと思う。

逆の左サイドの阿部はあまり攻撃に出ていく場面が見られなかった。山岸が前を詰めてるってこともあるし、かなり積極的に駒野が上がることを考慮してバランスを考えたっていう側面もあったと思う。だから、攻撃時の最終ラインは変則的な3バックの形になってた。結果として上みたいなイメージの攻撃時の選手の配置が生まれた。

このポジションに見られる中でよかった部分があったのも確か。それは前後のポジションチェンジの豊富さ。一番分かりやすいのは駒野のところ。最終ラインの選手がFWよりも高いポジションまで出てくるような大きな飛び出しが見られた。

そして、そういう場面でボールを奪われたときにはしっかりと駒野の出たスペースを埋めることも徹底されてた。基本的にはいつものように鈴木がケア(CBがケアしてそこに鈴木が戻ることも含めて)するってことが多くなるわけだけど、流れの中でFWの高原がそのケアに回るシーンがいくつか見られた。

こういう展開の中では最終ラインの駒野が最前線、最前線の高原が最終ラインっていうダイナミックなポジションチェンジが行われることになる。これは湯浅健二さんがよく言っているような最終ラインとFWがそのまま逆転するようなサッカーが近づけてるっていうことでいいかもしれない。要するに全ての選手が全てのポジションをケアしえるっていう理想の形に近づいてるってこと。そういうダイナミックな飛び出しっていう部分だと中澤が最終ラインから最前線まで出てくようなプレーもその1つだった。

こういうダイナミックな縦のポジションチェンジに加えて、要所要所でも積極的な縦のポジションチェンジが行われてた。特に上に書いた高原が下がってくるプレーを利用したポジションチェンジが目立った。

高原は上にも書いたとおり最前線のポジションを捨てて、かなり下がってきてボールを受ける場面が目立った。そのときに前線にできたスペースに積極的に中盤の選手が飛び出して行った。特にいい動きが目立ったのが遠藤と山岸。遠藤はやや低い位置から長い距離を走って最前線まで出てくことで、山岸はサイドから斜めに切れ込んでくることで相手のマークを外しながらゴール前に入り込めた。

こういうプレーを誘発する意味での矢野のスペースを作る動きはいいものだったと思う。高原との関係も得点シーンを含めてうまく回ってるシーンが目立った。

攻撃面でのダイナミックさはポジションチェンジだけじゃなくてパスの質にも見られた。その1つが2点目につながった中村のサイドチェンジ。この試合は1度左に起点を作りながら大きな展開でフリーの駒野へっていう意図のボールが多く見られたと思う。

さらに縦のロングボールもバランスよく組み合わせてたと思う。遠藤、中村、鈴木の一発のパスで相手のウラに放り込む攻撃が有効だった。特に前半に山岸が抜け出したプレーによって相手の最終ラインを押し下げる効果が生まれたと思う。その後はある程度高い位置まで自由にボールを持ってプレーすることができた。

ただし、選手間の距離の問題のところにもこの選手の配置が影響を及ぼしてたのは事実。具体的にはライン間の距離が遠くなってしまったってこと。というよりも前後でチームが分断されてしまったような印象を受けた。

前線の選手は上にも書いたようにゴールに向かおうとする動きをする。選手の配置的にもSBの駒野に押し出されるわけだし、中盤の選手がFWの位置まで飛び出そうとする。逆に守備陣は積極的にラインを上げられないような状況。相手がスピードを持ってたし、攻撃時は上に書いたように自分たちのバランスが崩れてるっていう意識が働いてたと思う。

だから極端なことを言えば、最終ライン(阿部-中澤-坪井+鈴木)と最前線(山岸-高原-遠藤-矢野-駒野)の2本のラインとそれをつなげる中村っていう配置になってしまう。中村はつなぎ役としてやや低い位置でタッチ数を増やしながらゲームの組み立ての方に重点を置いたプレーが目立った。

もちろん何度も書くように高原がつなぎのところに下がってきたり遠藤が本来の中盤の位置でプレーすること、鈴木が前に出てくことを考えれば、そこまで極端な配置になるってことは少なかったけど。ただし、最終ラインと最前線の間の距離が遠くなってしまったのは事実だった。トップへのボールに関しても1つ下に下がってきた高原に入れるのが精一杯だった。

守備への移行を考えたときも選手間の距離の遠さとラインの間延びは問題につながってた印象。

まずボールを奪われてすぐのところの守備。上にも書いたように攻撃時にボール保持者の近くに選手がいないわけだから、そこで奪われても奪われた選手の近くには選手がいないことになる。だから、最初のところでの効果的な守備が効きにくい状況だった。

さらに次に攻撃時に崩したバランスが問題になってくる。最初で相手の攻撃を遅らせられないから、自分達がバランスを元に戻す時間がない。結果としてバランスが崩れたままの守備を余儀なくされてしまう。相手も駒野のウラのスペースを狙う意図ははっきりしてた。

さらに相手はトップの選手にシンプルにボールを入れてくる意図もはっきりしてた。そうなれば最終ラインはリスクを減らすためにラインを下げることになる。

それに中盤以前が連動できてなかったと思う。だからその間にギャップができて相手に一気にゴール近くまで持ち込まれてしまう場面が目立った。ただし、相手も前に人数をかけてこなかったから決定的なチャンスにはつなげられなかったわけだけど。

どちらにしても最終ラインが跳ね返したボールを味方が効果的に拾うのは難しい状況だった。結果として守備から攻撃への移行もスムーズに行えない状態だったと思う。

それに前後のラインの関係での守備も難しい状況だった。だから、高い位置で効果的に相手を囲い込むような守備ができなかったと思う。

ちなみに守備のラインに関してはしっかりと組織を作った中でも間延びしてるような印象を受けた。4-4-2のシステムでの守備だったけど、中盤の4をラインで配置せずにボックス型に置いてたと思う。結果として4-2-2-2のラインができあがっていた。

後半の10分になって日本はシステムの変更。4-4-2から3-5-2に変更した。理由としては相手の2トップの変更、さらに坪井を交代した相手のスピードのある選手に当てる意図があったんじゃないかと思う。それまで相手の1トップの選手についてた坪井のマークの相手が変わった。一応それまでは、駒野のウラのスペースを狙ってくる相手の交代選手に対して鈴木がしっかりとついてたけどスピードで上回れる場面がいくつか見られた。それを見てのシステム変更だったんじゃないかと思う。

このシステム変更で守備面に関しては安定性が増したと思う。攻撃時にバランスが崩れる4-4-2と違って、3-5-2では攻守に渡ってある程度の役割が決まった状態でプレーできる。それによってバランスが増したと思う。ただし、高原が下がったことで攻撃の方はうまく回らなくなってしまったけど。

最後にモンテネグロについて。まずは個々の部分で球際の激しさが目立ってた。組織としては自陣でしっかりとしたブロックを作る意図が強かった。ある程度までは日本にボールを持たせてもいいっていうやり方だったと思う。その代わり最後のところはしっかりと人数をかけて守る。

ただし、自陣での4-4のラインの形成に特別安定感があったってわけでもなかった。この2つのラインに一体感がなくなって間にギャップができてしまうシーンも多かったと思う。そういう意味ではオシムが本当にやりたかったパス回しでの崩しができれば、相手のギャップギャップにうまく入り込めたんじゃないかって気がする。

攻撃はカウンターを狙って1トップにシンプルに当てるものが多かった。その中で日本の駒野のウラを狙う工夫が見られたのはよかった部分だったと思う。そこを狙った選手を含めてスピードがある選手も多かった。後半、日本がシステム変更によって複数枚でボール保持者にアプローチするような状況を作り出したけど、そこを打開するだけの技術も持ってた印象。

結果は2-0で日本。PKにつながったCKで相手を完全にフリーにした場面は残念。あれは集中力の問題だった気がする。
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