ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-07-14 Sat 02:43
アジア杯:日本×UAE
<日本:4-4-2>
FW:巻-高原
MF:遠藤-俊輔、鈴木-憲剛
DF:駒野-阿部-中澤-加地
GK:川口

前の試合と比べると明らかに内容がよくなったこの試合。その要因としては序盤から相手ゴールまで迫れるシーンが多くなったことが挙げられるわけだけど、その流れを作ったのは両SBの仕事による部分が大きかったと思う。2人とも時間とともに役割を変えながらうまく攻撃の先陣としての役割を担った。

まず、試合の立ち上がりの時間帯の役割は味方を前線に押し出すっていう質のものだった。ビルドアップのときに積極的にボール保持者となって持ち上がるプレーが目立った。そういう意味ではボールを受けるためにスタートのポジションは特別高いものではなかったと思う。ボールを低い位置で受けてから自分の前にあるスペースを埋めるようなドリブルで前線に出て行った。

ここで重要なのはボール保持者となってるのが最終ラインの選手だってこと。このことが前線に厚みが加わる要因になったと思う。ビルドアップのところで中盤の選手がボール保持者になるんじゃなくて、最終ラインの選手がボール保持者になることで、本来ボール保持者となる役割の中盤の選手も前線に飛び出していくことができる。結果として単純に前線に入ることのできる選手の数は増えることになる。この試合では例えば遠藤とか憲剛なんかはビルドアップでの負担が減って、積極的に前線に飛び出していけるような状況が多くなったと思う。

さらにSBがスペースを埋めるドリブルで自分で持ち上がるってのも重要な要素だった。いくらSBがビルドアップ時のボール保持者になったとしても本来のDFラインでプレーしてたら前線もそれに合わせて下がるわけだから、意味がない。このときにSB自身が前に入ったことで中盤より前を前線に押し出すことができた。これによってチームをゴールの近くに向かわせる状況が作れたと思う。

さらにSBの持ち上がりはその1つ前(遠藤と俊輔)を中に押し込むっていう部分にも効果があった。もちろんサイドにいてSBとの近い関係性でサイドに数的優位を作るような場面もあったけど、中に入って厚みを加えるシーンも目立ったと思う。結果としてゴールの近くに人数を揃えやすい状況が生まれた。

相手の意識を外に向けさせておいて中にギャップを作る意味でも2人の持ち上がりは効果的だったと思う。こういうSBのプレーの質によって日本は前線に多くの人数が入る状況が生まれた。このことと後で書く大きな展開の組み合わせによって、相手のブロックを深い場所に押し込むことができたと思う。

そうやって相手を押し込んだ中で、SBの役割の変化が生まれた。今まではビルドアップの部分も含めてボール保持者=ボールの出し手として機能することが多かったけど、相手を押し込んだことで自分たちの基本ポジションを高い位置に設定できるようになってからは受け手としての役割が目立つようになった。相手を押し込むことでチーム全体が前がかったから一番下のポジションのCBが出し手として十分機能できる状況が生まれてた。

そうやってSBが高い位置でボールの受け手になったことで敵陣深くのサイドに1つの起点を作れるシーンが多くなったと思う。結果としてSBからチャンスに直結するようなボールが供給される場面が目立つようになったし、前の選手を中に押し込む効果も大きくなったと思う。

だから、SBが高い位置で起点になったときに中にしっかりと人数が揃っているような場面も多く生まれるようになった。高原の2点目のゴールのまさにそういうシーンだったと思う。

こういうSBの動きの質に加えていい流れを生んだのが上にも書いた大きな展開。このことについて書くには相手の守備のやり方について書かなきゃいけないから、まずはそっちから。

この試合のUAEのシステムはたぶん4-1-4-1の形だったと思う。

この4-1-4-1のシステムは攻撃面ではある程度機能してた印象。特に序盤に日本を攻め込むようなシーンを見ると4-1-4-1のメリットをある程度はうまく生かせてた。まずトップのマタルは色々なところに自由に動き回ってボールを引き出すと同時に、最前線のところにスペースを作る。そこに2列以降が飛び込むっていう形が何度か見られた。中でもジュマの飛び出しは日本が慣れるまでの時間帯はかなり効果的なものになってたと思う。

ただし、守備面ではメリットよりもデメリットの方が際立ってたような気がする。そもそもトップのマタルがある程度守備の役割を免除されてる時点でこのシステムは破綻してたイメージ。最初のところで規制がかからないから中盤の4のところでうまく連動がはかれない。結果として4のところのボールへのチェックが甘くなって弱点であるボランチの1のギャップに簡単に入り込まれてしまった。

ただし、こういうUAEの守備のまずさについては日本の攻撃の組み立てが作り出した部分も多かった。トップのところで規制がかからないのは明らかに相手の戦術の問題だけど、その後の中盤の4を簡単にすり抜けられたのは日本の工夫があったからこそだと思う。

それが大きな展開を織り交ぜたやり方。特に前の試合からから大きな改善が見られたのが縦に単純に入れるロングボールの数だった。カタール戦のときはとにかくパス回しのためのパス回しが目立ってそういう質のボールは(特に前半は)ほとんど見られなかった。だから、相手の最終ラインに直接勝負を仕掛けられずにバランスを大きく崩せなかったんだと思う。それに対してこの試合では序盤から躊躇なく前線に放り込むような質のボールが何本か見られた。

このロングボールについても相手のブロックを押し下げるのには効果的だった。つながるかつながらないかは別にして(つながるに越したことはないけど)、何本かはこういう単純なボールを入れて相手のブロックに揺さぶりを仕掛けることが重要だと思う。この縦へのロングボールは直接相手のラインの縦の間延びを生んだと思う。

さらにこの試合で効果的だったのは横のロングボール。サイドチェンジについては前回の試合でも見られた部分だけど、この試合では数自体が多かったしその質も違ってた。途中で経由せずに一発で局面を変える質のボールが多かったし、使う幅も大きくなった。

幅を広く使えたことについても上に書いたSBの攻撃参加が効果的だったと思う。SBがタッチライン際でのプレーをしたことで左右を大きく使うことができた。

こういう左右の展開は相手の最終ラインの4の考え方によってさらにうまく機能したと思う。UAEの最終ラインは4の意識が強くて一体感を持たせて真ん中を固めるようなやり方を取ってきた。だから、大きな展開をした逆サイドにはスペースが生まれることになったと思う。

さらに相手を横に間延びさせることを考えても効果的だったと思う。この横のロングボールについては一番遠いサイドの選手がボールが来ることをしっかりと意識してたってのも重要だった。これはゴール前のクロスにも言えることだけど、一番遠いサイドの選手がしっかりとボールを呼び込む動きをしてた。例えばPKにつながったのは一番遠いところにいた遠藤がボールを呼び込んだところからだった。

こういう部分を見てみるとこの試合はこういう上下左右の1発の展開がかなり効果的に活用できた試合だったって言える。よく考えてみればこのチームには中長距離のパスの精度が抜群に高い選手が揃ってるわけで、この1発の展開を効果的に取り入れることは今後も重要になる気がする。そういう一発の展開が相手のブロックのバランスを崩したり、狙いどころを定めさせなかったりってことにうまくつながる。

とにかくこの試合では1発のボールの効果的な利用によって上下左右に相手を間延びさせたことで中盤を厚くしたメリットを出させなかった。基本的に中盤を5枚置いてるシステムだから配置的にもスペースがつぶれるわけだけど、大きな展開を織り交ぜることでその選手間の距離を開けた。結果として4-1-4-1の一番の弱点であるボランチの1のところに完全にギャップが生まれたし、そこに対するパスも通りやすい状況が生まれた。このギャップに入り込んだところで攻撃の勝負に行くような意志統一もできてたと思う。

さらに個々で見れば、遠藤がうまくギャップに入り込んでボールを受けるシーンが目立った。この試合の遠藤はギャップに入り込んだところでの中盤的な役割からゴール前に積極的に飛び出すようなセカンドトップ的な動きまで幅広い役割をこなしてたと思う。

ここでロングボールに戻ると、横のロングボールについてはSBの攻撃参加によって縦のロングボールについてはFWの動きによって引き出される部分が大きい。そういう意味では縦へのロングボールが前回に比べて明らかに増えたのは意識的な部分に加えてシステム的な要因も大きかったような気がする。

前回のシステムと比べての一番の変更点はトップが2枚になったこと。ロングボールについて考えてみれば単純に前線にターゲットが増えたことになる。さらに前線の動きを増やす意味でも効果的だった。巻の存在によって高原が本来の自分のプレーをやりたいようにできてた気がする。

高原は最近の代表では軸としての役割を担うことが多かったけど、本来的にはやっぱりシャドー的に動き回る役割の方がしっくり来るんだと思う。この試合では巻がトップの位置でどっしりと構えたことによって高原が自由に動き回ることができた。サイドとか低い位置とかに流れてのプレーが多くなってた印象。

チームとしてみても上に書いたような遠藤を含めた2列目の飛び出しが活発になったし、高原が動くことで前線に1つの起点を作れるようになった。前回は縦に入れられなかったことを考えると高原の動きによってそういう部分が改善したって言える。

システムの変更は守備にもいい影響を及ぼしてたと思う。中盤とDFの関係性を見たときにこのチームは4-5-1よりも4-4-2の方がうまく回ってるような気がする。4-5-1システムだと4-2-3-1のラインができて間延びしたり、4-5-1の4と5の間にギャップが生まれたりっていう場面が多く見られたけど、4-4-2だと単純な3ラインのイメージが作りやすい気がする。この試合では後半のスタミナ面での間延びを除けばDFと中盤の連携がうまく機能してたと思う前半の相手の効果的な2列目からの飛び出しに対してもうまく対応できてた印象。

さらに守備面では局面局面のところもはっきりした対応が見られるようになった。ここ最近の試合ではスペースを見るか人を見るかがあいまいになってしまうことが多かった気がするけど、この試合では本来の人を見る形に統一されたと思う。4-4-2のブロックの中に入ってきた相手ボール保持者に対してはサボらないチェックが効いてたし、受け手に対してもきっちりとマークがついてた。だから、ボールが入ったところでしっかりと距離を近づけた対応ができてた印象。

こういう部分についてはSBの対応を見るとよく分かる。SBが相手の中盤の選手に対して高い位置でも距離をつめる対応をしてたと思う。そうやって思うようにサイドに起点を作らせなかった。

全体としてはこんな感じでボールとしっかりと距離を縮める中で相手の自由をある程度奪って、周りとの連動で囲い込むやり方ができてた。特に中盤では、コースを消しながらボールにチェックに行く⇒選択肢が減った相手を囲い込むやり方とかボールが入ったところに密着で対応⇒周囲が囲い込むっていう効果的な囲い込みのやり方が見られた。

最終ラインについても自由にマタルにしっかりとついていく対応をしてた。そうやってCBが引っ張り出された場面では中盤との連携がものを言った。そのときに重要なのがやっぱり鈴木のプレー。この試合の鈴木はSBの積極的な攻撃参加のウラで仕事がいつも以上に増えてた印象。SBが上がったケアもそうだし、相手の2列目の飛び出しに対する対応、さらに本来的なボールへのチェック。

攻撃からの流れでは相手が蹴りだしたボールをもう1度自分たちのものにする働きも見られた部分。前が詰まったときの組み立て直しのときの役割も含めて、低い位置で自分たちの2次、3次攻撃を生み出す役割を担ってたと思う。そういう中で自分達が攻め込んでるときには前線の厚みを加える攻撃参加も見られた。これだけ多くの仕事をこなす献身的な選手だけにケガの具合が心配な部分。

さて、ここまではよかった部分について書いてきたわけだけどやっぱり後半の1失点はいただけない。この失点の原因としては前半と同じイメージで後半も入ってしまったことが挙げられる。問題は実現可能性と必要性。

実現可能性ってのは要するに前半と同じイメージで攻めることができたのかってこと。高温多湿の厳しい気候+前半からかなり飛ばして入った状況の中で後半も同じイメージで攻撃をするのは不可能だったと思う。つまり、攻撃を前半と同じイメージでやるのは不可能なのに、それを実現するために別の所を削ってしまった気がする。

具体的には守備面なんだけど、SBは前半ほど上下動ができなくなる中でも高い位置を基本としたことによって戻りが遅くなったし、全体としての守備のギャップも生まれた。失点シーンはカウンターを食らったシーンだったけどそれ以外にも時間が進むにつれてヒヤヒヤするシーンが出てきたのは確か。それは前後の間延びによってDFラインだけの守備が多くなったことが原因だったと思う。

そういう時間帯にロングボールを多用するUAEの攻撃もうまかった。そういうロングボールに対して日本はDFラインだけが分断して対応する場面が多くなった。もしも相手が11人のままで、トップの1つ下でロングボールを拾う選手がいれば危ないシーンがもっと増えてたはず。

で、問題はそうやって守備を犠牲にしてまで攻める必要があったかっていう必要性の部分。冷静に考えれば必要性はなかったことで正しいと思う。もちろん緩めずに攻め続けることで相手を出させないっていう考え方もあるけど、戻りきれない、組織を作りきれない状況で多くの人数が前線に出てくまでの必要性は感じない。例えばSBは本来のポジションを基本の位置に戻してから攻めるっていう考え方もあったと思う。

こういう部分については前回の失点にもつながってる。後半の残りわずかの時間帯でなぜかDFだけで守る状況ができあがってたのがあの失点だった。そう考えると試合を自ら膠着させるようなプレーがほしいし、そういう意味でこういう時間こそパス回しのためのパス回しがほしいところ。

結果は3-1で日本の勝利。全体としては前への意識が改善したのが良かった部分だったと思う。ボールを持ち上がるプレーとか仕掛けとかが見られたしシュートも多かった。
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