ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-10-12 Fri 23:29
高円宮杯決勝:サンフレッチェユース×流経大附柏高校
<サンフレッチェ:4-2-3-1>
GK:原
DF:山根、宮本、佐藤、篠原
MF:岡本、内田、横竹
FW:中野、不老、大崎

<流経大柏:4-4-2>
GK:須藤
DF:中冨、天野、阿佐見、比嘉
MF:中野、村瀬、小島、名雪
FW:大前、上條

流経大柏のサッカーは守備をベースにして行われてたと思う。そして、その守備の内容が素晴らしかった。

流経大柏の守備の基本組織は重心がかなり前に偏ったもの。最終ラインが恐れずにかなり高い位置を取ることで、その前を高い位置まで押し上げてたと思う。同時にライン間の距離を近づける効果も生まれてた。この選手間の距離の近さが流経大柏の守備のベースにあったのは確かだったと思う。

最も基本的な個々の守備意識の高さは当たり前のものとして、さらにその1段階上の周囲の連動の所にまできっちりとした意識が向けられてた。1つ1つの守備が単発で終わらずに、2つめ3つめが連動することで効果的な挟み込みとか囲い込みにつながってた印象。そのときに距離の近さによって素早くそういう連動性を築きやすい状況が生まれたと思う。そういうやり方の中で相手の個々を孤立させて分断した。
そういう意味では最終ラインの設定は高い位置で守備をするためだけでなく、近い関係を維持するためにも使われたって言える。

さらに、こういうベースとなる守備の組織に加えてこの試合では相手との関係での守備のよさも見られた。相手との関係を考えると、とにかくきれいに組み立てさせないことが狙いとしてあったと思う。そのために相手のキーとなる場所をきっちりと押さえてきた。中盤のダイヤモンドの配置をうまく生かして、ボランチ(サ)×トップ下(柏)、トップ下(サ)×ボランチ(柏)の対応関係をはっきりさせた。

サンフレッチェとしては、コンパクトな相手の守備組織のせいでそもそも自由に使えるスペースがないのに、さらにキーとなる人まで対応されてしまって、苦しい状況に追い込まれたと思う。そうなったサンフレッチェの逃げ道としては、相手のブロックの外からのロングボールとかサイドに逃げるとかっていう選択肢もあったけど、そういう部分まで流経大柏はしっかりと対応してきてた。

まず、ブロックの外からのロングボールについてはFWがキッチリとプレッシャーをかけてたと思う。上にも書いたとおり流経大柏の守備ブロックはかなり高い位置に押し出されてるから、トップが相手の最終ラインを追いかけても後ろとの関係が離れることはなかったし、かなり深い位置の相手にまでプレッシャーをかけることができてた。結果としてサンフレッチェはラインの高い流経大柏に対してロングボールでプレッシャーをかけるっていう選択肢が制限されてしまったと思う。

さらに、もう1つのサイドの逃げ道もキッチリと押さえてきた。相手のSMFに対してはSBが基本的について自由に仕事をさせないようにしてたし、さらにそこにボールが入れば味方のSMFと協力して相手をサイドで孤立させた。これに関しても上に書いた近さをベースとしてる。
とにかく、サイドに限らず1×複数の関係を作るのが抜群にうまかったと思う。

そして、そこには個々の意識の高さがあるってのは上にも書いたとおり。単純な寄せの速さとかマークの部分はもちろんだけど、それに加えて流経大柏の守備には頭のよさを感じた。上からのプレッシャーでの相手の選択肢の切り方、次を狙うためのポジショニング、守備の勝負どころの判断、危機察知能力(高い最終ラインのウラのケア)などなどしっかりと考えた守備が見られたと思う。

最初に流経大柏の考え方が守備をベースに置いてるって書いたのは、こういう守備のよさだけの理由だけじゃない。そういう部分を強く感じたのは守備から攻撃への切り替えのところだった。このチームはボールを奪った後にとりあえず蹴りだすだけっていう大雑把なやり方がかなり目立った。

ただ、その大雑把なやり方が案外、相手を苦しめてたのも事実だったと思う。
それは流経大柏の2人のFWの動き方が厄介だったっていう側面が大きい。大前も上條もFW的ではない場所での動きが多くなったと思う。大前はやや下がった場所でのプレーを好んだし、上條は右サイドを中心に真ん中にこだわらずに色々な場所に動き回った。結果として相手が捕まえにくくなってしまって、2トップが浮くような状況が生まれた。
こうやって前線の選手がはっきりと抑えられてない状況だったから、大雑把なボールでも収まる確率が大きくなったって言える。

同時に徹底して相手の組織が作られる前に放り込んだやり方もよかったと思う。上條はサイドでも真ん中でもうまくボールを受けて起点になることができたし、大前も薄い相手に対して積極的に仕掛けることができた。これは敵の枚数が足りなかったりしっかりとバランスが取れてなかったことで少ない人数でも余裕が持てたからだったと思う。

とはいえ、流経大柏としても常に蹴りだすだけっていう攻撃を繰り返したわけでもなかった。しっかりと意図のあるアプローチでの攻撃の内容もよかったと思う。
ただし、そのときにも縦へのスピードは意識されてた印象。サンフレッチェの守備は最前線から積極的に来るような質のものではなかったけど、最終ラインでゆっくりと回すような時間はほとんどなかった。相手のゴールに向かって常に最短距離を狙うような意図があったような気がする。

で、そういう相手のブロックへのアプローチの上でサイドを使うことが多くなったと思う。
そして、ここも選手の近さをうまく利用してた。攻撃から守備への切り替えを考えたときに、守備時の距離の近さがあるだけに、切り替えで関係性を作り出すことがスムーズに行われてる。さらに、SBが高い位置を保ったり、トップが流れたりしながら、サイドに多くの人数をかけて近い距離を作り出してたと思う。

そういう数的優位に個々のランニングを組み合わせることで少ないタッチでのパス回しを実現したと思う。そういうリズムのいいパス回しで狭いサイドの局面を打開して敵陣深くまで入り込んで行った。

こういうサイドの打開ではうまくタッチラインを味方につけてると思う。タッチライン際でのボール保持は相手のプレッシャーの方向を限定させる。そのときに保持者自身が孤立してると意味がないわけだけど、ここでは近さとランニングによって選択肢が多い。結果として相手が寄せきる前に次の場所に抜け出せる。
そういう意味でプレッシャーの方向が1つ少ないメリットが生かされてると思う。それにサイドでは相手も奪いに来るわけだから、そこを抜け出すとある程度自由になれることが多い。

逆に守備でもタッチラインをうまく利用してる。サイドでは相手との距離を複数で一気に詰めることでタッチラインを実質的に味方の1人として使えてる。要するに相手の逃げ場はタッチライン側にはないわけだから。そうやって相手を孤立させる場面が多くなったってのは上にも書いたとおり。

ここまで書いてきたのは近い関係での打開のよさだけど、流経大柏はそこにうまく遠い関係も織り交ぜてきた。一応、トップへの大雑把なボールもその1つではあるけど、以下で書くのは横に対するアプローチ。

その中心にいたのは1ボランチに入った選手だった(誰だか分からなかったけど)。この選手がうまく左右に散らす役割を担ってた印象。しかも、そのときにシンプルな展開を意識してたのが印象的だった。ボランチのところで下手に時間を使わずに、あくまでも1つの経由点として左右にサイド(トップへのロングボールを含めて)へボールを展開した。ここにも縦への意識が出てると思う。

こういう状況でも分かるように流経大柏の大きな展開は積極的な意図が強かった。要するにある場所で手詰まりになったから、局面を変えるっていうような質ではなかった。あくまでも先手先手で相手の薄いサイドに展開するっていう質が多かったと思う。

こういう流経大柏のサッカーの内容はサンフレッチェにとっては相性が悪かった。深い位置まで持ち込まれることが多かったサンフレッチェの守備陣だけど、中盤での守備の内容にはよさが見られた。上にも書いたとおり最前線からの積極的な守備の意識はなかったから、枚数的にも厚くした中盤に相手が入ってたところで勝負をかける意図があったと思う。実際に中盤でのボールへの寄せの速さは際立ってたし、流経大柏の選手も自由にさせてもらえてなかった。

ただ、問題は流経大柏がそういうサンフレッチェの守備のよさをことごとく外してきたってこと。上に書いたように縦へのスピードによってそういう中盤の組織を作り出せなかったし、大雑把なロングボールも中盤を飛ばす意味では効果的だった。それに、サイドのところはやっぱりやや対応が薄くなる部分。
こうやって見てみると、流経大柏の攻撃がサンフレッチェの中盤のよさを外してるのが分かる。だから、サンフレッチェは自分達の形で効果的な守備ができなくなってしまったんだと思う。

同じように攻撃についても上に書いた流経大柏の守備のよさによって攻め手がなくなってしまった。でも、この点については後半になってある程度の修正を加えてきた。具体的にはSBを押し上げたっていうこと。
前半はサイドで数的不利ができあがって、相手に孤立させられてしまっていた。そこに対してSBが積極的に攻撃に出てくることで、打開策を探った。

そして、このアプローチは結果的に成功したと思う。サイドのところに空く選手ができはじめて、深い場所までボールを運ぶことができるようになってきた。
同時にトップが前半よりも動きを活発にしたのもよかったと思う。結果として深い場所に収めどころが生まれた。そういう流れの中で後ろの選手も出てきやすい状況になったと思う。そして、攻撃に厚みが加えられた。

ただ、逆にカウンターの危険が増したのも事実だった。失点シーンもそうだけど、サンフレッチェの上での守備がやや甘いことと流経大柏の縦への意識によって一気にゴール近くまで運ばれることが多くなった印象。

結果は0-1で流経大柏。隙なく試合を進めた流経大が勝ったと思う。
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