ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-10-28 Sun 17:19
ベンフィカ×セルティック
<ベンフィカ:4-4-2>
FW:カルドソ-ベルへシオ
MF:ロドリゲス-ルイ・コスタ-ビニャ-ヌノ・アシス
DF:レオ-カツラニス-ルイゾン-フェレイラ
GK:キム

<セルティック:4-1-4-1>
FW:キレン
MF:マクギーディー-ドナーティ-ブラウン-ヤロシク、ハートリー
DF:ネイラー-マクマナス-ケネディ-コールドウェル
GK:ボルツ

セルティックは完全にアウェーの戦い方で試合に入り、それを90分間貫いた。負けないことを狙いとしたやり方が見て取れたと思う。
そうやって負けないことを念頭に置くならば、まずは守備を固める必要がある。この試合のセルティックは当然のように守備偏重の戦い方になってた。

セルティックのシステムは上に書いたような4-1-4-1。4-1-4-1の考え方としては、トップの1を守備のスタートにして前線の4で引っ掛けることを狙って前線から積極的にプレッシャーをかけていくっていうやり方がある。
でも、この試合のセルティックはそういう積極的な守備をやるためにこの4-1-4-1を使ったわけではなかった。おそらく単純に中盤を厚くする意図と相手のSBへの対応のためだったと思う。

それが一番よく分かるのがセルティックが守備の組織を作る場所。
セルティックはトップに入ったキネンまでも自陣に入れて守備の組織を作ってたと思う。そして、敵陣のボールに関しては基本的には関与しない。さすがに相手のミスがあったり、切り替えの中で味方が敵陣に多く残ってれば、しっかりと守備はするものの、相手がスムーズにボールを持ってるときには追いかける意志が見られなかったと思う。だから、必然的に相手の最終ラインはノープレッシャーでボールを持つことができてた。

セルティックの考え方とすれば、あくまでもボールが自陣に入った時点でしっかりと対応するってことだったんだと思う。ボールが自陣に入ってきたときには最低でも1枚が対応する形を作り出した。ただ、そのときは奪いに行くというよりも最低限自由に仕事をさせないっていう意図が強かった気がする。
さらに、自陣の守備ではボール以外のところの対応にも気を使ってた印象。

敵陣にいる出し手に対しての守備をしてないことを考えると、ボールの受け手は絶対に対応してなきゃ駄目ってことになる。この受け手に対する対応についても、密着マークでボールの入りどころを狙うっていうような質ではなかった。
このややルーズなやり方が最終的には失点につながってしまったわけだけど、多くの時間ではうまく機能してたと思う。ボールと関係のないときには距離を空けながらも、完全に浮いた選手を作らずにボールが入れば寄せられる体制を作り出してた。そうやって局面局面で最低限の仕事をさせないやり方をとってた印象。

そのときに奪う意図が薄かったのは、おそらく、思い切って奪いに行って個の力で交わされるのを恐れてたんじゃないかと思う。だから、守備の勝負をかけるのはサイドの局面とゴール前。前者は交わされても致命的なシーンにはつながらないし、後者は有無を言わさず守備をしなえればならないところ。
サイドでは守備の意識が高いSMFがSBと協力して相手を孤立させようという意図の守備をした。深いところまで入られればファールも辞さない構えで厳しい対応が見られたと思う。さらにゴール前では体を張って相手の攻撃のことごとく跳ね返してた。

こうやって守備の意識が強かったセルティックに対してベンフィカも意図がはっきりしたアプローチを仕掛けてきたと思う。結果としてセルティックの守備のバランスが崩れることも多かった。

そのベンフィカの攻撃で最も目立ったのがポルトガルらしいサイドに起点を作るやり方だった。
スタートとなるのはSB。上にも書いたとおり、相手の守備の考え方的に低い位置でのSBのボールタッチに対してはプレッシャーがない。以下、そのSBをスタートとした攻撃の1パターン。

まずはSBからサイドに張った1つ前のSMFにサイド→サイドの縦パスを入れる。このときSMFは本来よりもやや低い位置に入ることで相手のSMFにもSBにも捕まらずにボールを受けた。そして、SMFにボールを預けたSBは猛スピードで一気に前線に飛び出していく。
立ち上がりの時間はシンプルにSMFがSBにボールを返して、サイドをえぐる考え方が見られたと思う。時間とともにSMFがボールを持ったまま中に入ったりっていうバリエーションも増えてきたわけだけど。
こうやってSBが攻撃のスタートとなって、その後自身も積極的に深いところまで出て行くっていうやり方は90分を通して見られた形。

ただ、立ち上がりはサイドをえぐっていく考え方が特に強かったように思う。それはセルティックの前の4のフィルターを避ける意図があったんじゃないかと思う。4-1-4-1は正面からの攻撃に対してはうまく機能するけど、サイドに入られるとそのよさを十分に発揮できない(サイドに入られるともろいっていうよりはメリットを生かせないっていうイメージ)。
さらにサイドを使うことによって、中盤に人数をかけたセルティックの守備陣の真ん中の密集地帯を避けると同時に、セルティックの守備陣の真ん中の密集地帯を崩す意図があったんだと思う。

要するに相手がしっかりと組織した4-1-4-1のバランスを崩したかったんだと思う。そして、その通りの状況が作り出せた。
セルティックのSMF2枚は上にも書いたとおりかなり守備の意識が強かった。相手のSBのオーバーラップに対しては最終ラインの位置まで戻って対応することが多かったと思う。
だから、ベンフィカのSBの積極的なオーバーラップに対してセルティックの前線の4のフィルターは両翼を失う形になってしまった。
そうなれば残った選手がケアするべきエリアが広くなるわけだから、前線のフィルターとしての役割は薄くなってしまう。結果として1ボランチの場所がさらされる状況が生まれたと思う。

この時点でベンフィカは攻撃に柔軟性を持たせ始めたと思う。要するにサイドにこだわらずに、中からの攻撃もバランスよく織り交ぜるっていうやり方。
同時にベルへシオがかなり目立ちはじめた。ベルへシオは2トップの一角っていう位置づけだけど、かなり自由に動き回ってたと思う。特に前半の目立った時間は中盤に降りてきて、うまく攻撃の経由点として機能してた印象。
前半はもう1人のカルドソがトップの場所で引き出す動きをあまりやらなかったから、ベルへシオの引き出す動きがベンフィカとしては1つのスイッチとして機能してたと思う。セルティックの1ボランチのギャップに入り込んで、ボールを受けて、シンプルに次へ展開するっていうシーンがかなり多くなった。

チームとしてもベルへシオに入ったところで相手のブロックへの仕掛けを開始するっていう意思統一ができてたんじゃないかと思う。ベルへシオに縦パスが入った瞬間に多くの選手が動きを開始するシーンが多かった。
この時間のセルティックは自由に動き回るベルへシオに対する対応にかなり迷ってたような気がする。
上にも書いたとおり出し手をケアしない以上、受け手はしっかりと見ておかなければならない。それがベルへシオに対してはできずに、あまりにも簡単にボールが入る状況ができてしまった。

さらにフィルターがなくなってさらされた1ボランチの場所に対して、ベンフィカの選手が入れかわり立ちかわり入り込んできた。SMFのロドリゲスとかヌノ・アシスはサイドをSBに任せて中に流れてくることが多くなったと思う。
セルティックとしてはこうやって真ん中を簡単に使われるのは好ましくない。結果として1ボランチのところのギャップを埋めるために、前の2枚が降りてくることになった。
これで前の4のフィルターのうち、サイドがSBに引きずり下ろされて、ギャップを埋めるために中の2枚も引きずり下ろされた。これによって完全に4-1-4-1のバランスは崩れてしまって、ある意味では“ゴール前にいっぱい”システムに変更された。

ただし、ベンフィカにとってはこの“ゴール前にいっぱい”システムの方が崩すのが難しかったんじゃないかと思う。確かに相手を深い位置に押し込んだことによって、相手の跳ね返したボールを拾って攻撃時間を長くすることはできた。ただ、そうやってボールは保持しても最後の仕掛けは許してもらえなかったと思う。

それまで攻撃開始のスイッチになってたベルへシオがまず消えた。それはボールを受けてた場所を完全につぶされてしまったから。結果としてブロック内に入り込む手立てがなくなってしまったと思う。
そのうちにカウンターでセルティックが攻撃の糸口をつかむようになった。

そうやってセルティックが盛り返した時間帯にもやっぱりセルティックの攻撃はリスクを最小限にしたものだった。そのやり方はきわめてスコットランド的なもの。守備に多くの人数をかけて前に残したキレンに1発のパスを徹底して狙う。いい時間帯にはロングボールに個で突破が加わった程度。基本的には人数をかけずに一気に深いところまで行くことを念頭に置いてた気がする。

それでも出てきた相手に対しては効果的にカウンターを仕掛けることができた。こういうカウンターによって、押し込まれた状況をある程度跳ね返してからは、もう1度守備のバランスを取り直そうとしてた。そして、前半に関しては途中で取り戻した4-1-4-1のバランスを維持し続けることに成功したと思う。

その要因は相手のベンフィカのジレンマにあったと思う。
ベンフィカは自分たちが主導権を握るになってから、序盤ほどサイドにこだわるやり方をとらなくなった。SBがスタートとなったりそこから積極的に出て行ったりっていうシーンは変わらず多かったけど、立ち上がりほどそのSBを利用しなくなった印象。
逆にSMFが中に入ったりっていうように、最短距離の中に作ろうとすることが多くなった。これはベルへシオが起点となった1ボランチのギャップをつくやり方が想像以上にうまくいったってことを元にしてるんだと思う。

何にしても、サイドのプレッシャーが弱まればセルティックの前線の4はそれほどバランスを崩さない。バランスが崩れていなければ、単純な縦パスが通るほど甘くはなかった。
さらに致命的だったのが最短距離の攻撃に必要なベルへシオの動きがなくなってしまったこと。SMFの動きによってハートリーを他の場所に引っ張り出せるシーンは多かったけど、そうやって空いた場所に入ってくる選手がいなかった。
ベルへシオの動きがなくなったことでそういう場所を有効活用できなくなってしまった。ベルへシオの動きにセルティックの選手が慣れたこともあったけど、もっと大きかったのはベルへシオ自身が疲れてしまったことにあったんじゃないかって思う。

とにかく、結果としてベンフィカはセルティックのブロックに対して効果的にアプローチできない状況になってしまった。
元のようにサイドを起点としても、それにあわせてセルティックが4-1-4-1から“ゴール前いっぱい”システムに変更するから、崩しきることはできなかったと思う。サイドに限らず、1つ入られたときにゴール前の集中の速さはかなり目立った。

こんな感じでセルティックはとにかく自陣に人数をかける守備組織を作った。ただ、そのためにはミラン戦で見られたような前線での守備意識も必要になったと思う。それは切り替えのところ。
攻撃にはあまり人数をかけないとは言っても、攻撃からの切り替えで相手を遅れさせられなければ守備のバランスを作りきれない。この試合では組織作りの時間を稼ぐための高い位置での守備が見られた。立ち上がりすぐのハーフェイライン付近でのブラウンのファールが代表的なシーン。カウンターに出て来ようとする相手をつぶした場面だった。
そうやって高い位置でしっかりとやるべきことはやって、その上ですばやく自陣に組織を作ったと思う。このやり方で前半はほとんど決定的なチャンスを作らせなかった。

その前半に対して後半は危ないシーンがかなり目立ってきたと思う。
その要因はベンフィカの意識の変化にあった気がする。チームとしてのやり方の変更も微妙にあったとは思うけど、そのベースにあったのは個々の意識変革だった印象。

チームとしての変更としてはロングボールが増えたことが挙げられる。前半はとにかく地上からつないで行くやり方が目立ったけど、後半は1発でトップに入れたり、逆サイドに振ったりっていうボールが多くなった印象。これによって前半とは違ったやり方で相手の組織に対して揺さぶりを仕掛けることができたと思う。

ただ、このロングボールの多用にも個の意識の変革が見られた。
特にトップへの一発のパスについては、カルドソの引き出す動きが果たす役割は大きかったように思う。前半のカルドソはトップの場所にいるだけで、ほとんど顔を出してこなかった。それに対して後半は得点シーンにもあるような細かい動きで相手最終ラインにプレッシャーをかけ続けてた印象。

その中で1発のロングボールも多く引き出した。特筆すべきはそのロングボールの収まりのよさ。本当にぴったりと収めるから、次のチャンスにつながる。ロングボールで相手の守備ブロックを全部飛び越してあれだけしっかりと収まるなら、前半みたいな小細工はある意味では全くいらない。
こういうプレッシャーによってどんどんとセルティックの守備のブロックが押し下げられていった。

さらに、相手の守備ブロックへのアプローチの中では本来の持ち味である個の力を前面に押し出した。
その中心にいたのがロドリゲス。ロドリゲスに関しては前半から積極的にタッチ数を増やして、ボールの運び役として機能してた。そのロドリゲスが後半になると、動きの自由度を増して攻めてきたと思う。
前半はあくまでも左を基本としてプレーして、中に流れるとしても左でボールを受けてから切れ込む形が多くなった。それが後半はボールなしの状態でいろいろなところに顔を出し、所かまわずドリブルで突っかけていくシーンが多くなったと思う。
これは右のヌノ・アシス他、多くの選手にも同じことが言えた。

結果としてセルティックの守備陣は個の仕掛けに対応しなければならな状況が多くなったと思う。そうやってバランスを崩されるうちに、だんだんとそれまでついていた場所が空いてきた。それまで抑えてきたカルドソに決定的なシーンをいくつも作られたのが象徴的だったと思う。

さらに一番大きかったのはルイ・コスタが明らかにプレーエリアを1枚上げたこと。前半はビニャと横並びに気味に低い位置でのタッチが多かったルイ・コスタだったけど、後半になって積極的に前線に出てくるシーンが多くなった。そういう意味では本来のトップ下に入ったと考えてもよかったかもしれない。これによって数的にも厚みが増したし、何よりもそれがルイ・コスタだったことでセルティックの守備陣はかなりかき回されてしまったと思う。

こういう押された状況の中運にも助けられ無失点でこらえていたセルティック。
後半の30分過ぎになると、自陣のさらに半分の場所まで全員を入れて完全に守りきりに入った。でも、結果として終了間際に失点してしまうことになった。

この失点の要因の1つがややルーズな守備のやり方にあったのは上にも書いたとおり。この失点の一連の展開の中でも、ボールに対しては最低1枚が対応してる。でも、その1つ1つのところで奪う意図がなかったのも事実だったと思う。
上にも書いたとおり、狙いは相手に仕事をさせないことだったし、少なくとも決定的な仕事はさせてない。それがアシストのディアリアに1つ遅れてしまったことと、一瞬カルドソから目を離してしまったことっていう微妙な2点が失点までつながってしまった。
もう1つ前のところで奪う意図を持って厳しいあたりをしていれば防げた失点だったんじゃないかと思う。少なくともこの時間は人数が足りてただけに、勝負に行ってはずされても即決定的シーンにはつながらなかったはず。

最後にベンフィカの守備について。
ベンフィカの守備といっても組織を作って守らなければならないシーンはほとんどなかったから、カウンターを防ぐ意味でのリスクマネジメントの方に注目した。
基本的にセルティックは前線にキレン1枚しか(下手するとキレンすらも)残してなかったから、ベンフィカも守備には人数を割かなかった。多くの場合は2CB+ボランチのビニャの3枚で守っていたと思う。
そして、キレンに対してはCBが密着マーク。さらにキレンの前にビニャを置いて完全に相手の攻撃の起点を作らせなかった。

このビニャはキレンへのコースを切る以外にも、相手の攻撃の芽をことごとくつぶしてたと思う。相手の守備から攻撃への切り替えの中で、相手が完全に切り替えきる前につぶしに行くことでスムーズな移行をゆるさなかった。DFの前で相手のカウンターをつぶす役割の多くを担ってた印象。
さらに攻撃でも低い位置での1つの経由点になったり、自身が前線に出て行ったりってプレーで貢献した。特に相手が引ききった後のボランチの場所からの飛び出しは、相手も捕まえられなかったから効果的だったと思う。
このビニャっていう選手はいい選手だと思った。

とにかく、こういうカウンターを防ぐ守備にも見られるようにベンフィカの守備は先手先手で対応してた印象。相手の前線の選択肢が少ないから、ボールに対しては一気に距離を詰めて行ったし、そうやって焦った相手の苦し紛れのプレーを見逃さずに高い位置で奪うことに成功した。さらに、低い位置でもキレンを絶対に放さないようなやり方が見られて、ボールを含めて要所要所をしっかりと押さえてた印象。

結果は1-0でベンフィカ。この勝利でベンフィカとセルティックの勝ち点が3で並んだ。次のセルティックホームでの試合が2チームの明暗を分けることは確実。
この試合では守ってFWへの1発パスを入れ続けるセルティックと、個の力をベースにサイドに起点を作るベンフィカ。それぞれの国のスタイルが出ておもしろい試合になった印象。
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