ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-11-13 Tue 02:18
ACL決勝第1戦:セパハン×レッズ
<レッズ:3-5-2>
FW:永井-ワシントン
MF:ポンテ、平川-長谷部-鈴木-阿部
DF:ネネ-堀之内-坪井
GK:都築

便宜上3-5-2と置いたものの、この試合のレッズのシステムは変則的なものだった。攻撃時は4バック気味になったし、守備時は完全な5バック。メンバーはかなり異なるもののA3での山東魯能戦の形に近い形だったように思う。

まずはそのレッズの守備の形から。守備時は上に書いたように両サイドが完全に最終ラインに入る5バックの形だった。それに対して前線ではポンテが1つ押し出されて3枚のフィルターが形成されてる。だから、システム的には5-2-3という形になった。

ナビスコ杯決勝でフロンターレが取ってきた布陣も同じような5-3-2だったけど、この試合のレッズもフロンターレと同じようにボランチの役割が多くなるっていう状況が生み出されたと思う。WBが最終ラインに入ったためにがら空きになったサイドのカバーから、中盤でのボールのアプローチ、DFラインが晒されないようにするためのフィルターの役割などなど中盤の守備の役割を全て任されてたような印象だった。この試合では鈴木だけではなく、長谷部も守備面での貢献度が高かったように思う。

ただ、これだけボランチの2枚ががんばったとしても中盤のスペースを埋めきることは物理的に不可能だった。トップ下のポンテが(次の攻撃を考えて)守備時は完全に3トップの一角的なところに入るから、中盤の守備は文字通り、全てボランチの2人に任されたって言っていい。
横幅はもちろん、前線に残る3枚とかなり深い位置にラインを設定した最終ラインとの間の縦の幅もケアすることになった。この状況では中盤をいいように利用されてしまうのは、当然のことだったと思う。

問題となったのはレッズのこの守備のやり方が、セパハンのスタイルに対してかなり相性が悪かったってことだと思う。

そのセパハンの攻撃のキーワードになるのは、後ろからの飛び出しの多さ。前に空いたスペースに対して、次から次への後ろの選手が飛び出してくる。逆に言えばレッズの中盤には後ろの選手が飛び出して来放題のスペースが空いていったって言える。
レッズの失点シーンに関しても、最初のシュート(パス?)はそういうシーンだった。長谷部と鈴木がボールサイドに寄せられている間に、その2人がケアしきれない逆サイドに後ろから選手が出てきた。最後は長谷部ががんばったけど、十分に寄せきるところまでは行かなかったと思う。さすがに2人でピッチの横幅をカバーするのは不可能だったことを思い知らされたシーンだった。

後半に関しては終始同じような状況だったと思う。中盤でがんばってボランチの2枚がボールにアプローチしても、スペースに後ろから出てきたフリーの選手に簡単に展開されてしまった。そういう場所はボランチの2枚のフィルターがかかっていない場所。結果としてDFラインだけが晒されるシーンがかなり多かったように思う。だから、セパハンはトップへのボールを入れ放題の状況だったと思う。

セパハンの後ろからの飛び出しの多さについては後でもう少し触れるとして、他にもレッズの5-2-3と相性の悪いセパハンのやり方が見られたので、それについても。それはセパハンの最後のアプローチのところで見られた。基本的にはセパハンの最後のアプローチは2種類しかないわけだけど、その2種類ともがレッズの守備のやり方のおかげでうまく機能したと思う。

1つは個での突破。組み立ての時点では、後ろからの飛び出しをベースとしながら選択肢を増やすっていう組織としてのアプローチが目立ったセパハンだけど、最後の仕上げのところは個の突破に頼る面が大きかったように思う。そう考えるとレッズとしては守りやすかったはず。にも関わらず、この試合では個の突破によって深いところまで入り込まれるシーンが多々見られた。

その理由としては個の能力が高かったってことが挙げられるのは確か。ボディーコンタクトの中でもバランスを崩さずにキープする力とか、それをベースにして強引に仕掛ける突破力は脅威だったと思う。ただ、5-2-3のレッズのシステムがその個の能力を存分に発揮させてしまったような気がする。

その理由は簡単で、中盤がなくなったことで個の仕掛けの最初のところにアプローチができなくなったから。仕掛けの最初のスピードに乗り切っていないときよりも、スピードに乗ったときの方が止めるのが難しくなるのは当然。この試合のレッズの守備ではスピードが乗り切っていないところへのアプローチが難しかった。
同時に上に書いたようにボランチを外されて、DFラインに直接仕掛けられるシーンが増えたのも痛かった。中盤で1つ勢いを殺して、最終ラインで次を狙うっていう体制が作れずに、直接最終ラインに仕掛けられることになったと思う。
さらに、DFラインはセパハンの後ろからの飛び出しへの対応だけで精一杯だった。結果として相手の個の突破に対して中盤の助けなしでは人数をせけない状況だったと思う。そして、その中盤を外されることによって、最後のシーンでも1×1になってしまうような状況が生まれてしまっていた。

セパハンの最後のアプローチはこういう個の突破と、もう1つは一発で打開できる可能性のあるスルーパス。狭いところでも強引に通してしまおうっていう狙いのパスが前半からかなり多くなった。そして、そういう強引なやり方もレッズは水際で防ぐシーンが多くなったような気がする。

この要因も5-2-3システムに求めることができる。中盤にスペースが多くできたこのシステムではセパハンのボール保持者はかなり高い位置まで自由にボールを運ぶことができた。この時点でパスの出し手が自由になるっていう状況が生まれた。同時にウラのスペースを狙おうとするパスの受け手との距離がかなり縮まってたのも重要な要素だった。ギリギリのタイミングを狙う意味では、距離は近ければ近い方がいいに決まってる。

さらに、そのウラへのスルーパスを狙う上で見るべき相手が最終ラインに限定されてたのもやりやすかったんじゃないかと思う。中盤が外されてDFラインが晒されれたレッズの守備組織は、横並びのラインとは言わないけど、ウラへのスルーパスを考えるとかなり脆い存在だった。
結果として完全に引いてゴールギリギリのところにラインを設定してるのにも関わらず、ウラに抜け出されるっていうような状況が生まれたと思う。

と、ここまでは基本的にしっかりと主導権を握ったセパハンの攻撃について見てきた。この試合については(特に後半は)、完全にセパハンがポゼッションを握って、試合の多くの時間がレッズ陣内で行われてるような状況だったと思う。ただ、本来のセパハンの姿はこうやってポゼッション率を上げて主導権を握るようややり方ではないはず。基本的なスタイルは堅守速攻だと思う。

この試合でもセパハンの速攻のキレは素晴らしかった。ここまで書いてきたような、後ろからの飛び出しの多さは特にこのカウンターの場面で圧倒的な効果を発揮したと思う。守備から攻撃への切り替えで、後ろから次から次へと選手が飛び出していって、カウンターに厚みを加えた。
このときにスイッチの役割をするのはトップに収まったたといとか、味方が自分の前のスペースを埋めるドリブルをしたときっていうことが多くなった印象。
とにかく、チーム全体の攻撃への切り替えの速さが抜群で、かなり効果的なカウンターを仕掛けられていたように思う。

そうは言っても、常にこういう地上からの人数をかけたカウンターを繰り出すかというと、そうでもない。相手が切り替えをきっちりと行って、高い位置で効果的な守備が効いている場合にはセーフティーファーストの姿勢が見て取れたと思う。単純に前線に蹴りだすだけっていう質の切り替えが多くなった。そういう場合はトップの能力に頼る面が増えたと思う。

でも、この試合では圧倒的に前者の効果的なカウンターの数が増えたと思う。この点についてもレッズのやり方との相性が大きかった。
レッズは上に書いたように中盤が薄い5-2-3。そして、5-2は圧倒的に引かされてるから攻撃では前線の3に頼る面がかなり多くなってた。だから、攻撃のやり方の中では単純にトップを狙う質のボールが多くなったと思う。

そして、セパハンはこのボールを狙っていた。低い位置での組み立てから縦に入るボールを途中で引っ掛けることで効果的にカウンターを仕掛ける意図があったと思う。
レッズはそういう縦パスを引っ掛けられると一気にピンチに陥った。ボールを待ってたFW(ポンテ含め)は切り替え後すぐの守備に参加するのは不可能だから、結局はここでも中盤の薄さを露呈することになったと思う。奪われると一気に中盤のスペースを利用されてゴール近くまで持
ち込まれるシーンが多くなった。

こういうシステム上の要因に加えて、そもそも相手のカウンターに対する意識自体にも問題があったんじゃないかと思わされた。
特に気になったのが、攻撃後の最初の守備が全く機能しないこと。中盤で引っ掛けられずに深い場所まで押し込んでも、その後の守備が全く機能しないシーンが目立って、結局一気にピンチに陥るシーンが目立った。これにはそもそもシステム的に前線に入る人数が少ないことで、最初の守備を簡単にかわされてしまうっていう要因があったのも事実だったと思う。でも、この試合では個の意識の問題の方が気になった。

切り替え後の最初の守備が効かないばかりか、相手のカウンターの要所となる場所も押さえられてなかった。それは相手のトップのところ。
中盤がないシステムの中でカウンターの上でのフィルターがなくなってたのは確か。でも、そういうシーンで前で奪えないばかりかキーになる選手を完全に離してしまっているシーンが多かったと思う。結果としてセパハンはスイッチが入りやすくなった。

さらに、最初の守備が効かないばかりか、すぐに切り替えて本来の持ち場に戻るのも遅れ気味だったと思う。結局、相手は少々時間がかかってもカウンター的な攻撃を仕掛けられる状況になってたと思う。こういうシーンでもDFが晒されるシーンが目に付いた。

こういう切り替えの遅さを見ると、非常にレッズらしくない。しっかりと組織を作ったときにも1つ1つのアプローチが怠慢になってたのも気になった。
そういう意味では高地っていう環境の影響が少なからずあったんじゃないかと思う。それが守備でのギャップとして現れてしまったような気がする。
ちなみに攻撃でもロングボールの精度がかなり低くなってたけど、それも空気が薄いことと関連してたのかもしれないと思う。

セパハンはこんな感じでカウンターのよさを見せてくれたわけだけど、そのカウンターを繰り出すための守備もしっかりと行ってきた。

そのセパハンのシステムもレッズと負けず劣らず、いまいちつかみにくかった。最終ラインは前半が4枚で後半が3枚だったってことはある程度はっきりしてたけど、前線の組み合わせが流れの中で流動的に変化してた気がする。

とりあえず、まずは前半の4バックシステムについて。
前半は4-3-1-2が基本になってたと思うけど、形が4-3-2-1になったり4-3-3になったり4-4-1-1になったりと色々と変化してた。分かる限りでは前半の途中からは前線に1枚(カリミ?)を残す形になってたこと。とりあえず、そういうシステムにこだわっても仕方ないので、基本的なやり方を見て行きたい。

セパハンはまず守備ブロックを作るところから守備を始める。そういう意味で、まず守備ブロックを作るための切り替えのよさは明らかにレッズよりも上だった。
守備のスタートについても試合の中で変化してたように思うけど、とりあえずはレッズの最終ラインから1つ縦パスが入ったところからってことを基本にすることが多かった。

そして、その守備のスタートからは全ての選手がボールへのアプローチをサボらずに行う。その1つ1つのチェックをベースとした連動した守備が見られたと思う。
1つめのアプローチに連動して複数で囲い込んだり、1つめで制限した次できっちりとインターセプトしたりっていう場面がかなり多くなった。中盤で1つ1つのチェックの積み重ねによって質の高い守備が可能になってた印象。そして、これが中盤で効果的に引っ掛けるシーンが多くなった要因だった。

こういうセパハンの守備のよさに対してレッズは怖さを感じたんじゃないかと思う。前半の途中までは上に書いたように、とりあえずトップに入れるっていうようなやり方を取ってきたけど、それを途中で引っ掛けられて危険なシーンにつながることが多くなった。それを見て、やり方に変更を加えてた来た。

1つはサイドを一杯に使うっていう方法。このときには阿部より平川の方が攻撃的になるっていう左右の意図的なバランス崩しが見られた。これが阿部と平川のスタイルの違いによって生まれたものである可能性も否定できないけど、攻撃時は変則4バックになったと考える方が妥当だった印象。とにかく、低い位置の阿部→高い位置の平川への大きなサイドチェンジはかなり多くなった。

こういう大きな展開よって、相手のブロックにズレを生じさせ、相手の守備の連動性を築かせない狙いがあったんだと思う。同時にサイドを使うことで攻撃に深さを与えようとしたと思う。実際にこういう変更が見られたすぐ後に、平川のクロスから中央でフリーの永井へっていう決定的なシーンも生まれた。

このサイド攻撃よりも圧倒的に増えたのがトップへの単純な一発のボール。それまでは地上から攻めようとして途中で引っ掛けられることが多かったから、その途中を全て省略した形。相手の効果的な守備が機能してる中盤を飛ばして、直接トップへっていう質のボールが多くなった。

でも、相手の守備陣はそのロングボールも許してくれなかった。キーとなるワシントンには密着マークで全く仕事をさせなかったと思う。それを嫌がったワシントンが中盤に降りてくることも多くなった印象。
これを見ても分かるように、セパハンは最終ラインの人に対する強さを見せてくれた。中盤での効果的な守備を含めて、さすがにここまでの失点数が少ないのがうなずける内容だったと思う。

とはいえ、レッズのトップへのロングボール攻撃によってセパハンのカウンターは明らかに減った。これは、レッズが下手に前に人数を入れずに、後ろのバランスを崩さないまま、トップに頼る攻撃を展開したからだった。
これに対してセパハンは後半になってシステムを変更して望んできた。前線の形は前半と同じように変化してたように思うけど、基本は3-5-2だったと思う。この3-5-2は5バックを想定したレッズとは違って、守備を見ても3-2-3-2のような(実際にはボールと逆サイドは下がり目のポジションを取るけど)前に人をかけたやり方。
さらに、システムだけではなくてチームとしての守備の開始位置も前半よりは1枚高くしたようなイメージだった。

前半よりも中盤の枚数が増え、さらに前から来るようになったセパハンの守備(とその後の攻撃)に対してレッズは為す術がなかったと言っていい。立ち上がりすぐ、システム変更の相手に戸惑ったままに失点をしてから、結局は効果的な修正を行えなかったと思う。前半はそれなりにあった相手ゴールへ迫る時間も、後半は全くなくなってしまった。

その要因はもちろん相手のシステム変更にあったわけだけど、これによってまずサイドを利用した攻撃が不可能になった。相手のWBのプレッシャーに対してレッズは後半は完全に5バックにされてしまい、平川とか阿部が敵陣に入っていったプレーはほとんど見られなくなったんじゃ以下と思う。

それにトップへの単純なロングボールも難しくなった。それは相手の守備位置が1枚上がったことで、前半は自由になってた低い位置のボール保持者にもプレッシャーがきつくなったから。前半はとりあえずトップを狙う質のボールは蹴れてたけど、後半は全く余裕がなくなって蹴りだすのがやっとだった。
それに前半はうまく機能したボランチの経由点を使えなくなったのも痛かったと思う。前半は切り替えで1つボランチに収め、そこから広い場所へ展開して落ち着かせるっていうやり方が取れた。それはボランチに対するプレッシャーがそれほど厳しくなかったから。後半はそれが全く不可能になってしまって、切り替えでの余裕が作れなくなってしまった。

結果として押し上げがはかれない状況が生まれた。この時点で悪い流れのチームでよく見られる悪循環が生まれた。要するに、守備ブロックが押し下げられ前線との間に距離(中盤をいいように使われる)→奪ってからの切り替えがスムーズに行かない→相手にボールを拾われる→押し上げが図れない→・・・というもの。正直なところ、よく1点で守れたっていう状況だった。

はっきり言ってこの試合でレッズが引き分けたのは運が良かったから。明らかに相手の決定力不足に助けられた。
でも、次はホームでの試合。この試合のような内容にはならないはず。そうなったときに運でもいいからアウェーゴールを奪っての引き分けはかなりのアドバンテージになるはず。

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