ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-11-20 Tue 21:55
U-22:サウジ戦展望
ここで勝った方(日本は引き分けも可)が北京行きという非常に分かりやすい試合に。

まずは、サウジについて。カタール戦の感想から。

<サウジ:4-4-2>
FW:16-11
MF:20-5-6-7
DF:14-4-18-23
GK:1

■注意すべき選手
(7番)
運動量が豊富。サウジでは珍しく、献身的な動きが目立つ。ボールに対する積極的な動きが多く、捕まえづらそう。右サイドにこだわらない流動性もあり、右サイドにスペースを空け23番の攻撃参加を促す。

(6番)
中盤の守備の要。中盤でのボールに対するアプローチを欠かさず、自陣での守備のスイッチを入れる。攻撃では散らし役として、こちらもスタートを担う。

(11番)
試合途中までとにかく基本ポジションがつかめなかった。サイド一杯に張ったり、中盤に降りてきたり。前線での動きが多くてよくボールを引き出す。こいつに入れるやり方がサウジの攻撃のアプローチの1つ。


■攻撃面
攻撃はやはり個人技中心。上に7番の献身性を書いたわけだけど、それを直接的にはあまり利用しない。
それから、組織としては攻撃のスタートでトップに入れる意識が強い。この試合はカタールがベタ引きで入ったこともあり、最終ラインでのパス回しが目立った。その中で行けると踏んだら、トップに縦パスを狙っていった。そこに2列目の7番とか20番が絡むのが1つの形。
あまりバリエーションの多くない攻撃なので、相手の個のスピードを落とすこと(スペースを与えないこと)とトップを押さえることをしっかりとしておけば、そうそう崩されることはないはず。実際にカタールの自陣守備に対して、サウジはなかなか前線にボールを供給できなかった。


■守備面
A代表よりも守備の内容はいいかもしれない。1つ1つが全て守備の勝負になり、単発が目立つA代表に比べて、このチームは連動性が見られる。1つ当たって、2つ以降が連動して挟み込むっていうやり方が多かった。
ただ、それに比べるとコースを限定して次で狙う考えは希薄。あくまでもボールを取るためのアプローチとしての中盤の守備だった。
ちなみに切り替えはしっかりやってくる。カウンターを狙うカタールにほとんどそのチャンスを作らせなかった。
守備では上に書いたボランチの6番は外したい。この選手が1つ目になり、それに連動する形が多いから。となるとサイドからの攻撃になるだろうけど、左サイドのが守備意識が薄い印象。


以上を考慮に入れながら、明日に向けての展望。

まず、絶対的にやるべきなのは意思統一。明日の試合は引き分けでもいい。もちろん、選手は口では勝ちに行くっていうに決まってるけど、本心の部分まで合わせてもらいたい。もう試合後の「攻めるべきか守るべきか…」なんて言葉は要らない。

で、個人的には(批判を覚悟で言うと)引き分け狙いでもいいんじゃないかと思う。勝ちに行く気持ちの中で相手に飲まれ、バランスが完全に壊れるのは絶対に避けなければならない。だったら、最初からバランスを重視した戦い方の方がいい形につながると思う。そのバランスのよさが結果的に攻撃にもいい循環をもたらす可能性もある。

こういう提案にはカタール戦でのサウジの姿もヒントになってる。この試合でカタールは立ち上がり、全くリスクを負わないやり方を取ってきた。全員を自陣に引かせ、そこで4-4-2の3ラインを形成。
はっきり言って、このカタールの4-4-2のバランスはよくなかった。自陣に全員が引いてるのに、4-4の間に広大なスペースができあがっていた。

にも関わらず、サウジは全くこのブロックにアプローチを仕掛けることができなかった。高い位置まで上がってきた最終ラインで横のパス回しを繰り返すだけで、その後の工夫が見られなかった。結果としてトップへの意図の薄いボールがつながらずに、攻撃が終わるシーンが目立ったと思う。

逆にカタールが攻撃に出てきた後半はサウジも効果的に攻撃に出ることができてた。サウジとしては相手が出てきてくれた方が絶対にやりやすいはず。基本は個の組み合わせだから、個が生きるスペースがある力を発揮できる。日本が前半からガンガン行くようだと、そこを突かれかねない。

だから、日本はまず安定したブロック作りから入るべき。自陣にバランスのいい組織を作り(その気になればカタールよりもいい組織が作れるはず)と自陣に相手が入ってきたときの忠実なチェックによって、サウジをじらす。サウジは攻撃に出て行きたいのに、日本が組織を作ることで焦りを生み出す。無理に攻めてきたウラを日本が狙う。これが現実的。

で、メンバーだけど、このチームのセオリーを見ても、報道を見ても今回は3バックで行きそう。でも個人的にはうまく回った前回と同じ4-4-2でいいんじゃないかと思う。相手の2トップに対しては左に伊野波を置いてるメリットを使えばいい。伊野波が引っ張られることによるバランスの悪さを考慮するなら、青山敏に代えて細貝を使う。それで、細貝にカバーリングを任せる形。

4-4-2で戦いたい理由は上に書いたように前回のよかった形を崩したくないのが1点。もう1つは交通事故でゴールを割られるシーンを極力作りたくないこと。

相手が攻撃的にくるとなるとおそらく両SBは積極的に攻撃に出てくることになる。このSBとSMFによって、サイドに1枚のWBは押し込まれる展開が予想される。これで5バックに。
さらに厄介なのが相手の11番。上に書いたように11番は動き回って両サイドに張るようなシーンも見られる。3バックを組むことを考えると11番についた選手が引っ張り出される状況が予想される。そうなればボランチがDFラインにカバーに入るシーンも出てくるはず。サイドの状況と合わせて、これで完全に押し込まれる。

確かにこのチームはラストの堅さがあるけど、極力相手をゴール近くに置きたくない。しかも、課全に押し込まれると圧倒的にボールを支配される厳しい展開にもつながる可能性が高い。

こういう展開につなげないために4-4-2の展開。サイドは単純に2×2の関係で不利になることはない。水野と本田の守備貢献を考えれば、相手のサイドを無力化することも可能かも。加えて11番に対しても受け渡しての対応が可能になる。
とにかくバランスを重視した戦いを期待したい。

最後に攻撃では相手の左サイド(日本の右サイド)を効果的に利用したい。サウジは攻守に渡って右サイドの方が動きが活発な印象。相手の6番のポジションを考えても、日本の右サイドの方が容易に崩しきれるんじゃないかって気がする。

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2007-11-20 Tue 02:31
レッズ×エスパルス
<レッズ:3-6-1>
FW:永井
MF:長谷部-ポンテ、相馬-阿部-鈴木-平川
DF:ネネ-トゥーリオ-坪井
GK:都築

<エスパルス:4-4-2>
FW:チョ・ジェジン-矢島
MF:兵働-フェルナンジーニョ-藤本、伊藤
DF:児玉-高木和-岩下-市川
GK:西部

両チームとも守備の基本的な考え方は同じだった。どちらも自陣に引きこもって安定した守備組織をつくり、その上で相手の攻撃を受けるっていうことを狙いとする守備のやり方だった。

そして、その守備の組織をしっかりと作るために両チームとも切り替えの中での質の高さも見られる。切り替えで最初の守備がスムーズに効いて、そこに連動する選手も多いから高い位置で奪えそうなシーンも多かったし、少なくとも自分たちの自陣の守備組織を作る時間は稼げた。結果として、カウンターが決定的なシーンにつながったり、DFが晒された状態で攻撃を食らったりっていう場面がほぼなかったといって言い。

こうやって自陣に人数をかけた守備をベースにして戦ったっていう意味では両チームとも共通の面があったわけだけど、その細かい内容を見てみると当然のように相違点も多く見られた。以下で両チームの守備を詳しく見てみたい。

今シーズン始めにエスパルスは何試合か見たんだけど、今回の試合を見る限り守備の狙いが1つ高い位置に移行したようなイメージがあった。
シーズン当初のエスパルスの守備の狙いはあくまでも最後のところだったと思う。最終ラインの4と中盤の3を深い位置でコンパクトにまとめることによって、バイタルエリアをつぶして相手の最後のアプローチを許さないっていうやり方が目立ったと思う。そういう場所に無理やりアプローチしてくる相手に対しては前後左右から素早く囲い込むことで、攻撃の芽を摘み取ってた。

こうやって深い位置で4-3を作るイメージが強かったエスパルスの守備だったけど、この試合では最終ラインを押し上げて1つ高い位置に同じような関係を作ろうと試みた印象。相手のボールの位置によるきめ細かなラインを上下が見られたけど、これによって低い位置のブロック形成からの抜け出しを図ってたような気がする。
こういう最終ラインの高い位置の設定が、中盤でボールを奪おうっていう質の守備につながってた印象。自陣に入ってきたボールに対しては必ず1枚が対応し、それに次、次と選手が連動する場面が多かった。この連動性は自陣に全員が入ったことにって生まれる近さを利用してたと思う。それにエスパルスはボールサイドに人数をかける意図が見られたから、それによっても近さを生み出したと思う。

こうやって中盤でも守備の意識を見せてボールにチェックを繰り返すエスパルスに対して、レッズはいつものように中盤ではある程度相手を自由にするやり方を取ってたと思う。これには鈴木の早期交代の影響もあったと思うけど、エスパルスの中盤のところに対しては一応アプローチはするものの、それはあくまでも一応であって、そこで奪ったり、その次につなげたりっていう意図のあるアプローチではなかったと思う。それに中盤のところにスペース全体を見切れない状況が生まれるのもある意味ではレッズらしかったと思う。

その代わり、これもいつも通りに最後のところは何もやらせない守備のやり方を取ってた。中盤とDFを一体としたブロックを自陣ペナルティーエリア近くに作って、人数をベースとして最後のところを固めてたと思う。

守備ではDF-MF-FWのラインの関係性も両チームとも違ったものになってたと思う。両チームともトップ(のラインに含まれる。つまりエスパルスならフェルナンジーニョ、レッズならポンテと長谷部を含む)の選手の守備意識が高いのは共通して見られた部分。
エスパルスはフェルナンジーニョとか矢島が効果的にボールを奪えるシーンが見られたし、レッズは前線の3人が交互に中盤に戻って守備をしてた。
ただ、こういうトップの守備をどう低い位置の守備に絡ませるかにそれぞれの特徴が現れて多々印象。そして、その特徴はDF-MFの関係にも当てはまるように感じた。

まず、レッズはこの3ラインのバランスをあまり考えていない。正確に言えば、レッズのやり方の中ではバランスが取れてるんだろうけど、3ラインの配置っていうっていう意味ではバランスが取れてないって言った方が適切だと思うけど。
DF-MFは本当の意味で一体になっていて、要するに中盤がDFに吸収されるシーンが多く見られる。セパハンとの第1戦ほどは完全に5バックみたいな形にはなっていなかったけど、それでも低い位置にとにかく選手を配置するっていうイメージが強い。
こういう低い位置の守備組織に前線の3の役割も影響を受けてる。その一番が中盤がDFに吸収されてしまったことによってできたスペースを埋めに入ること。そもそも中盤に人が足りないことが多いから、頻繁に戻ってきてスペースを埋める対応が目立った。

これに対して、エスパルスは3ラインをはっきりとバランスよく配置する意図が見て取れた。

DF-MFのラインはレッズと同じように一体感を持たせるって表現できるけど、その本質は違ったもの。エスパルスの場合はあくまでもDFと中盤を別のラインとして、その上でコンパクトな関係を維持したまま一緒に動くっていうイメージ。1ボランチの伊東が最終ラインのカバーに入るってことはあるけど、基本的にはDFと中盤の区別がつかなくなるようなことは見られない。

この低い場所のラインとトップのラインとの関係もレッズのそれとは違ったもの。中盤のスペースを埋める役割を担うレッズのトップとは違って、エスパルスのトップの役割はボールを奪うこと。中盤のチェックで足止めした相手に対してトップが戻っての守備で挟み込むとか、最後を固めたエスパルスの守備に対してレッズが作り直す質のバックパスを狙うっていうような役割が主なものだったと思う。ある意味ではレッズのトップよりは積極的な役割だったって言えるかもしれない。

こういうやり方を見ると、エスパルスの守備では前後の関係を重視してると思う。トップが下との関係でボール奪取を狙うのもそうだし、低い位置のDF-MFの関係も。エスパルスの守備でバイタルに入った相手をDFと中盤で挟み込むっていうやり方がベースとなってるのは上にも書いたとおり。そういうシーンはこの試合ではあまり見られなかったけど、それはそもそもバイタルエリアにほとんど入れさせなかったからだと思う。そういう意味ではDFと中盤のコンパクトな関係がそれを防いだって言える。

そして、エスパルスの一体感は縦だけではなく横の関係に対しても見られる。
例えば最後のブロックを見ると最終ラインは真ん中に凝縮してそれぞれの距離感を狭く保ってる。両SBが絞ることでラインの意識を高めると同時に、前との関係で真ん中のバイタルエリアをつぶす意識を強く持ってるんだと思う。
そして、こういう最終ラインが横の一体感を持って距離感を保ったまま移動する。こういうことが中盤でも見られるから(1つのサイドに引っ張られると、逆サイドが絞って中に入ってくる)全体としてみたときにボールサイドに人数をかけた守備ブロックにつながるんだと思う。

こんな感じでライン間の関係性に違いが見える両チームだけど、それは守備の最も基本的な部分の違いが反映されてる部分であるとも言える。それは人を見るかスペースを見るかって言うこと。

レッズは人を見ることがある程度はっきりしてる。特に最後の場所では完全に相手の人につく守備のやり方。その中では相手の動きの合わせて選手が引っ張り出されたりってことが日常茶飯事的に起こる。そうなれば周囲の選手はそのスペースを埋めようとするのは当然。そういう状況の中ではどの選手がどのラインの選手かなんてことはあまり重要な要素ではなくなるんだと思う。

逆にエスパルスはスペースを見る意図が強い。この試合ではポンテを見る伊東っていう関係性も作られてたけど、基本的には相手の使えるスペースをつぶすことで相手に仕事をさせない。これがここまで何度も書いてきた、エスパルスのバイタルエリアを消す守備にもつながってると思う。

こういう両チームの違いはどちらが優れてるかってことじゃなくて、スタイルの違い。特にこれが表れてたのが相手FWに対する対応。
エスパルスは前の3人がグルグルと入れ替わるレッズの攻撃陣に対しても自分たちの4-3の組織を守り続けた。そういう場所にボールを入れなければいいっていうイメージで、スペースをつぶしてその間にボールを入り込ませないことでうまく対応したと思う。結果としてその4-3ブロックにレッズがアプローチすることはできなかった。
対するレッズは相手のFWとフェルナンジーニョに完全に人をつけることで対応。マークを外さない守備でボールをトップに入れさせなかった。

もちろん両チームにゾーン的側面とマン的な側面があるのは当たり前。エスパルスは上に書いたようにポンテを見る伊東の関係をある程度はっきりさせてたし、レッズもDF前のボランチにフィルターとしての役割を期待した。
その中で両チームに共通してたのは、最後の部分の堅さだったと思う。守備の根本的なスタイルが違う両チームだけど、どちらもキーとなるトップとかトップ下の選手には全くといってもいいほどボールを触らせてない。そういう選手がボールに触るにはサイドに出たり、低い位置に下がってきたりっていう動きが必要になった。こういう状況では攻撃の効果的な展開は期待できないし、それをさせなかった両チームの守備の堅さは素晴らしかったと思う。

こうやってトップとかトップ下を効果的に使えない以上、両チームの攻撃はブロックを外した場所からのアプローチに頼ることになった。結果として両チームともサイドからの攻撃がかなり増えることになったと思う。

そもそもエスパルスはサイドからの攻撃を1つのスタイルとしてる。ただトップに入らなかったことで、いつもとはやや異なったアプローチの仕方が増えたんじゃないかと思う。
普段はトップに当ててから外への展開っていう方法が見られる。1度トップに当てることで押し上げの時間を作ることができるのと同時に、展開された選手が前を向いてボールを扱うことができる。
それが今回の試合ではトップに当てるのが不能になったことで低い位置のパス回しからいきなり外へ展開するっていう方法を取ることになった。とは言っても、相手が全員自陣に戻ったことでエスパルスの最終ラインはかなり高い位置を取って全体を前に押し出すことができてたから、厚みっていう意味では大きな違いはなかったかもしれない。

とにかく、この低い位置からの外への展開で一役買ったのが1ボランチに入った伊東だった。伊東は自陣ではもちろん、相手の3枚のフィルターのウラに入り込むことで、立ち上がりは浮いた存在になることができてた。そういうフリーな状態でサイドへのボールの展開を数多くこなしてた印象。
レッズとしても時間とともに3枚のフィルターに上下差をつけることで、しっかりと対応するようになったから前半の途中からはあまり見られなくなってしまったやり方ではあったけど。

このエスパルスのサイドからのアプローチの多くは右サイドに起点を作ることが多かった。これは最終ラインの右肩上がりの配置に原因があったと思う。
エスパルスの両SBは攻撃的な市川と守備的な児玉っていう役割分担がある程度固まってた。攻撃に入ると市川は常に高い位置に入ってボールを待つのに対して、児玉は前にボールが入ったところのフォローっていう形での攻撃参加が多くなったと思う。市川は攻撃時はSMFっていう仕事を与えられてたと考えてもよかったかもしれない。

そして、このエスパルスの意図的なバランス崩しがレッズのサイドの使い方に影響を及ぼすことになった。

レッズは左の平川から崩すシーンが多くなったし、その平川がフリーでボールを受けられるシーンが多くなったわけだけど、それにはエスパルスとの関係が表れてた印象。

1つ目の理由は単純に市川が高い位置を取ってくることで、対応するレッズの右サイドの相馬は深い位置に押し込まれることになった。

そして、2つ目の理由はエスパルスが組織を作る前の攻撃を考えた場合。このとき絵スパするの最終ラインは右サイド寄りに、つまり3バック気味に配置されることになる。4バックのうちの市川が前線に出てってるから、残りの3人でスペースを埋めるためのやり方として。
レッズのアプローチとしては3バックのどちらのサイドを使ってもいい。でも、左は上にも書いたように押し込まれてるわけだから、必然的に右サイドの平川を使うことになった。

さらにもう一点。これは相手が組織を作った後のアプローチの仕方。1つここでも重要なのは、前半の相馬は完全に相手に押し込まれてたってこと。市川の攻撃参加もそうだけど、兵働とか藤本も入れ代わり立ち代り入り込んでプレッシャーをかけてきた。

逆に考えれば、相手は右の守備が薄かったことになる。そして、レッズとしても最初の狙いはその左サイド(エスパルスにとっての右サイド)。だから、相手が組織をある程度作ったときにもレッズの攻撃の起点は右になることが多かった。
この左サイドに作るレッズの起点に対してエスパルスは、そのサイドに全体のブロックを偏らせるやり方を取るってのはここまで書いてきたとおり。結果として右サイド(レッズの左サイド)に人を密集させて、レッズの左サイドの縦の突破を許さなかった。
ここでレッズが取ったのが右サイドの平川への大きな展開。ここまで書いてきたとおり、エスパルスの守備ブロックはボールサイドに寄るから、逆サイドはかなり大きなスペースが空いてくる。そこへの大きな展開を増やすことでフリーの平川を使って深みを与えたり、最後のアプローチにつなげたりってことが目立ったと思う。

こんな感じで両チームとも右サイドをうまく使いながら攻撃に深みを与え、最後のアプローチにつなげようとした。ただ、そこでラストの精度の問題と相手の最後の堅さによって決定的なチャンスにつなげられなかったと思う。
レッズはシステム上サイドが1人になってしまうことが多かったし、エスパルスのSMFも中目でのプレーを好むだけにサイドが薄くなるシーンが見られたのも痛かった気がする。

これに対してレッズはもう1つのアプローチを使ってきた。それは相手の1ボランチを狙うやり方。そもそもシステム的に相手の1ボランチに対してレッズは2枚のトップ下が対応する形の数的優位。ただ、この時点ではエスパルスも両SMFの1枚が絞ることでしっかりと対応してた。
でも、そこに後ろからの飛び出しが多くなるとその選手が浮くシーンが見られ始めたと思う。序盤は特に阿部と鈴木が積極的に1ボランチのところに出てくることで、レッズが押し込むシーンが多くなった。その中で序盤のペースはレッズが握ったって言っていい。

ただ、この流れが鈴木の負傷交代で変わってしまった。交代の内館は少なくとも前半は試合の流れに乗り切れてなかったって言っていい。守備では相手の中盤へのチェックが鈴木がいたときと比べて明らかに見劣ってしまったし、攻撃でも思い切った飛び出しが見られなかった。
ちーむとしても鈴木退場から内館の投入までペースを落として戦ったことで、11人に戻っても序盤のような攻撃的な形を作れなくなってしまった印象。結果としてエスパルスに攻め込まれるシーンが増えてしまった。

これに対して後半のレッズは巻き返しを図ってきた。立ち上がりのネネとトゥーリオの積極的な攻撃参加がそれを全て表してたと思う。
まず、内館が復活したのが大きい。中盤でのしっかりとしたチェックが効いたことで前半ほど相手の好きなようにはさせなかった。内館は攻撃でも前線に顔を出す回数を増やした印象。
それに左サイドの相馬が怖がらずに高い位置に入るようになった。この攻撃的な姿勢によって前半とは逆に市川を押し込むシーンも見られてたと思う。後半は市川の攻撃参加が目立たなくなってた。
こういう局所局所の変化がチームとしての中盤の守備の復活と、攻撃時の前線の厚みにつながったと思う。

特に後者の前線の厚みは相手に与える影響が大きかったと思う。前半は1つ前で中盤の守備も機能させてたエスパルスが、完全にゴール近くでの4-3形成っていう個人的なイメージとぴったりな状況になってた。この4-3のブロックの最後の堅さは素晴らしいから、レッズとしては崩しきるところまでは行かなかったけど、主導権を握ったのは完全にレッズだったと思う。

これによって4-3が深い位置まで押し込まれたエスパルスは3ラインの関係を維持できなくなった。前後の関係の守備の中でトップが全く出てこなくなったし、エスパルスが跳ね返しても前線が遠い状況。結果、跳ね返したボールをレッズが拾って、エスパルスは押し上げられないっていう悪循環モードに突入した印象。

この後半のレッズの巻き返しを支えたのがポンテだったと思う。前半を見ても、この試合のポンテの負担はかなり大きかった印象。
この試合ではワシントンがいなかったこと、永井が完全に消えてしまったことで、攻撃をポンテに頼らざるを得ない状況が生まれてた。その中でポンテは前後左右にかなりの距離を動き回りながらうまくボールを引き出してたと思う。
でも、そうやってボールを引き出したポンテに対するチームとしてのフォローがほとんどなかった。完全にポンテの個の力に頼る面が大きくて、ポンテは完全に孤立してしまっていたと思う。だからポンテが半ば強引に仕掛けなければならないシーンが激増してた。

後半にレッズがペースを握ったのは相手がこのポンテへの意識を強く持ったことも要因の1つにあったんじゃないかと思う。ポンテに相手が引っ張られたことで長谷部とかサイドの選手が空いてくることが多かった。例えばポンテが相手SBに向かっていくと、そのもう1つ外のWBが完全にフリーになるっていう場面を作り出せたと思う。もちろん、後半もポンテは孤軍奮闘でボールを扱うシーンがかなり多かったわけだけど。

このポンテの負担の多さの背景には永井の中途半端な動きがあった。中途半端ってのは悪い意味で。後半こそ前の3人でぐるぐるポジションを変えてきたけど、前半の永井は完全に消えてたと言っていい。相手がFWの使えるスペースをつぶす中で、それを打破する意図のある動きが全く見られなかった。

個人的な意見を言わせてもらえば、もっとウラを狙う動きを繰り返してもよかったんじゃないかと思う。上にも書いたとおり、エスパルスは最終ラインを高くすることで中盤とのコンパクトな関係を築いてた。そのウラに抜ける単純な動きを永井が繰り返し、そこに単純なロングボールを放り込むって形を織り交ぜるだけでもかなり違ったはず。相手の最終ラインに後ろへの意識を持たせて、中盤との関係を希薄化させることで本来使いたい場所が空いてきたはず。
もちろん、相手がラインの上下をきめ細やかにやってきたこととか最終ラインが真ん中に凝縮することでラインコントロールがやりやすかったってのはあったかもしれない。それでも、たとえオフサイドになっても仕掛けることで変化が生まれたんじゃないかって思った。

この試合は両チームの守備の意識を表すように0-0。どちらも自陣に引ききっての守備をするだけに、攻撃側の最終ラインでのパス回しがかなり多くなった。攻撃からの切り替えがいいし、引きも早いから基本的に両チームとも遅攻をするしかなかったと思う。そういう意味ではゆっくりとした試合展開になったって言える。

それを一番よく表してるのがエスパルスのカウンターが皆無だったこと。エスパルスの攻撃パターンの1つとして守備からの切り替えの速さとそれをベースにした後ろからの飛び出しの多さが見られる。そういう意味ではセパハンと似たイメージの展開を予想したわけだけど。この試合ではそういう縦のスピードを一切生かせずにレッズにスピードダウンさせられてしまった。

もちろん、レッズの切り替えが素晴らしかったこともあるけど、エスパルスの根本的な弱点もあるのかもしれないと思った。相手が思い切って出てきてくれないとカウンターが威力を発揮しないってこと。エスパルスのやり方は攻撃型チームには効くけど、同じタイプの守備型チームには相性が悪いと思う。

それからこの試合のエスパルスはフェルナンジーニョがトップ下的過ぎたような気もした。トップがチョ・ジェジンと矢島だったからなのかは分からないけど、もっとトップ的な動き(フロンターレのマギヌン的)があると面白かったと思う。ないものねだりをしても仕方ないけど、岡崎(五輪代表で欠場)が入って、チョ・ジェジンを軸に上下の入れ替えを激しくしてたら、レッズの守備にもっと混乱を与えられたはず。実際にエスパルスの一番決定的なシーンはフェルナンジーニョがトップ的にウラに抜け出したシーンだった。

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