ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-11-22 Thu 00:41
U-22:日本×サウジ
<日本:3-5-2>
FW:岡崎-李
MF:柏木、本田-細貝-青山敏-水野
DF:水本-伊野波-青山直
GK:西川

<サウジ:4-4-2>
FW:⑯ユーセフ-⑨アルサハラウィ
MF:⑳アルダウサリ-⑤アルガンナム-⑥アルハイブリ-⑦アルゴワイニム
DF:⑭シュハイル-④アルアムリ-⑱ジュファイン-⑫ファラタ
GK:①ワリード

形にしろやり方にしろ個人的な(あくまでも個人的な)希望を完全に覆された。別に個人的な希望どうこうはどうでもいいんだけど、やっぱりメンバーを見た段階ではバランスが崩れて押し込まれる状況が不安だった。特に相手がサイドのプレッシャーに対して5バックになることはかなり懸念材。

前半の立ち上がりは超ハイプレッシャー。イメージとしてはアウェーのカタール戦と似た形だった。トップから相手の最終ラインに対しても追いかけて、追いかけて、追いかけまくる。

ちなみに、この超ハイプレッシャーのやり方はカタール戦では機能しなかった。前から前から守備をしようとする前線の選手と、ある程度の場所で守備をしようとする後ろの選手との間に完全なギャップが生まれて、連動性が図れなかったと思う。
1つ1つのチェックも次のつなげるというよりも全ての場所が勝負になる単発の質のものが多かったから、相手に簡単にいなされてしまうシーンが目立った。結果的に、ただ無駄に追いかけるだけみたいな展開になって、スタミナの消費が激しくなってしまった。それが後半の逆転劇につながったのは知ってのとおり。

今回の試合でも前線の超ハイプレッシャーがしっかりとチームとして機能するかってのが問題になった。高い位置のチェイスに後ろが連動してこなければ、アウェーのカタール戦と同じようにスタミナだけを無駄に消費するっていう可能性は十分にあった。

でも、今回の試合ではその心配は完全に無用だった。高い位置でのチェイスに中盤以降もしっかりと連動して、序盤はサウジに全く何もやらせなかった。前線にボールが供給されずにかなり低い位置まで降りてきた相手FWに対して、日本のDFがかなり高い位置まで対応しに来てたのが象徴的。

こんな感じでチーム全体が前へ前へっていう意識を持ってたから、前線での激しいプレッシャーがダイレクトに機能した。高い位置にコンパクトなブロックを置いて、最初のチェイスに複数が絡んで囲い込んだり、次で奪いに行ったりっていう連動性も機能したように思う。

この時点で個人的な希望とは全く違った形とやり方でも安心して見られるようになった。それはチーム全体の意思統一ができてるのが分かったから。前への意識が全体に強く表れてた。
結果として一番の懸念材料だった5バックの形も序盤は見られなかった。序盤は両WBがDFラインに吸収されるようなことはなかった。WBは高めのポジションで前線での守備に参加する場面が目立ってたと思う。

ただ、あの超ハイプレッシャーを90分間続けるのは不可能だった。日本としても時間とともに徐々に守備の開始位置を低い場所に移行していった印象。
そうやって下がっていく中で相手に主導権を握られてしまったわけだけど、守備の移行自体にはそれほど悪いイメージはなかった。アウェーのカタール戦ではこの守備の移行時に前後の意思統一がうまく図れずに中盤が空いてしまう状況になったけど、この試合では少なくともチーム全体としての守備の移行は一体感を持って行われた。

それでも相手に主導権を握られてしまったのは、守備の移行のやり方以外のところに問題があったから。守備ブロックのバランスを相手に崩されたことで、深い場所まで持ち込まれてしまった。

特にサウジは日本の左サイドを徹底的につくってことがはっきりしてた。
サウジとしては、日本が守備の開始を低い位置に移行したといっても、さすがに真ん中の守備は堅かったから、サイドを使って深みを与えるやり方を作り出したんだと思う。それに3バックの相手のサイドを突くことはセオリー。単純に1×2の数的優位ができるわけだから、そこでは日本の連動した守備は機能しにくくなる。
そうやってサイドに起点を作り、深みを与えながら、真ん中へのアプローチをするイメージだったと思う。

このサウジの右サイドが活発なサイドへのアプローチは事前の展望でも書いたとおりだった。だから、日本としてもしっかりとそこに対するケアは考えられてたように思う。それは日本の守備ブロック作りに見て取れた。

日本の守備ブロックは3-3-3-1(3-3-1-3)のような形。

        李
岡崎--青敏--柏木
本田--細貝--水野
  水本-伊野-青山

前線では柏木を3トップの一角のような形として見ることで、ワイドな対応を可能にした。(ちなみに、前線の柏木-李-岡崎は守備のポジションをローテーションでやってた。ただ、李が頭に来ることが多かったと思う。)そうやってまず、相手のSBの攻撃参加に対するアプローチを行ったと思う。

システム的にはサイドの対応を2枚にしたことで、単純な1×2は回避することができた。ただ、問題になったのは予想以上にサウジが日本の左サイドに対して徹底してアプローチを仕掛けてきたこと。
事前の予想としては7番が自由に動きその外にSBが駆け上がってくるような単純な形だった。それが今回の試合ではトップの9番が流れたり、逆サイドの20番が入ってきたりと人数をかける意図が明確だったと思う。特に20番についてはカタール戦ではそういう質の動きをほとんど見せなかっただけに意外だった。

さらにSBの攻撃参加に対して前線のフィルターがイマイチ機能しなかった。簡単に前に飛び出されるシーンがかなり多くなったと思う。

要因の1つ目は前線のフィルターのポジショニング。岡崎とか柏木がSBに対してアプローチに行くのは、あくまでもそこにボールが入ってからだった。真ん中にボールがあるときには1-2みたいな形で真ん中に凝縮する。これはこれでボランチを抑える意図があったんだと思うけど。
そういう意味ではSBの上がりのケアというよりは攻撃のスタートのケアのイメージが強かったのかもしれない。だから、相手の中→外の展開の中ではSBに前に入って来られるシーンが多くなった。

2つ目は前後の距離にあったと思う。守備の開始を後ろに移行したとは行っても前の選手には守備における前への意識が強かった。守備のチャンスが少しでもあれば組織作りよりも先にボールにアプローチに行くことが多くなったと思う。
その姿勢自体は悪くないけど、少なくともそういう場面では3-3-3-1のバランスが微妙に崩れることになる。特にボランチの高さの3と前の3-1の間に微妙に距離が空いて、その間に入り込む場所を作ってしまうことが多くなった。
それでも上にも書いたとおり、アウェーのカタール戦と比べると一体感は改善してたけど、守備における優先度が低いサイドの局面ではギャップができたことで相手に主導権を渡してしまったような気がする。

こんな感じで日本は左サイド(サウジの右サイド)にうまく起点を作られてしまった。次から次への入ってくるサウジの選手に対して、日本の左サイドに人が足りない状況が生まれてたと思う。例えば逆サイドの20番の移動にあわせて、水野までが逆サイドの守備に入ってくるシーンが見られた。

これによって負担が大きくなったのが細貝。そもそもこの試合での細貝は相手の7番に対する対応だった気がする。事前の展望にも書いたとおり、相手の7番は自由にポジションを動かしてくるから、そこをうまく見る(本田からマークを引き継ぐ)ような役割を担ってた。そういう意味では細貝は左サイドの守備重視で試合に入ったことになる。これは試合開始直後に相手がイエローをもらったシーンでも見られた。
そうやって細貝が左サイドよりのケアをしたからこそ、序盤の本田の積極的な攻撃参加が生まれたとも言える。

そういう役割の細貝だから、相手が人数をかけてくる左サイドのケアに引きずり出されるのはある意味では仕方のなかった点。問題はこれによってDFの前にスペースが空いてしまったことだった。

基本システムの3-5-2ではDF前には細貝-青山敏が並ぶことになる。ただ、青山敏のこの試合での役割は相手のボランチのケアだった。だから、細貝とは縦関係で並ぶことが多くなった。それでも相手にブロックに入ってこられれば、戻ってきて細貝と基本的なWボランチを組むっていうような形になってたと思う。

この形が細貝がサイドに引っ張り出されたことで機能しなくなった。流れの中で一瞬0ボランチの空白が生まれてしまったし、狙い通りに青山敏が戻ったとしても1ボランチの形。
それにこれを見た青山敏の後ろへの意識が強くなってしまったことで、今度はボランチへのケアがはっきりできなくなった。
戻ったとしてもしっかりとケアできないボランチの場所を含めて、両方が中途半端な形になってしまった気がする。相手のボランチの選手が日本のボランチの場所に出てくるシーンが見られ始めた。結果としてサウジがサイドに作って中を使うっていう考え方が成功しかけたと思う。

ここで成功しかけたって書いたのは、完全に成功したとはいえなかったから。確かに日本のDFライン前にスペースが空く時間が見られたけど、そこに対してすぐに修正を加えてきた。

そこで大きな役割を果たしたのが前の3人。特に李を前線に残して、岡崎と柏木が守備に戻ってくるシーンが多くなったわけだけど。
この2人が守備に帰ってくることによって、ボランチの位置にできてしまったスペースのケアができた。柏木は単純にスペースに戻ってボランチの一角になることが多かったし、岡崎は対応する相手SBに最後までついて戻ってくることでサイドの守備の枚数を増やす効果を発揮した。そうやって細貝を本来のボランチの場所に押し戻そうとしたんだと思う。

こんな感じで一応は守備面の安定が図れたんだけど、やっぱり前の選手が戻ってきての守備の負担が増えることには不安を感じた。チーム全体としての守備意識の高さは結構だけど、このチームには何度も登場するアウェーのカタール戦の前科があるから。

ここまで何度か書いてきたようにカタール戦では前後の守備の分断が起こった。前線の選手はかなり厳しくプレッシャーをかけてるのに、それがことごとく無駄に終わった。要するに前線のプレッシャーむなしく、簡単にブロックに入られたって事。
そうなったときに前線の選手はスカスカな中盤のに戻って守備をした。自分の前後に対しての守備の負担が大きくなって、結果後半は完全に足が止まってしまった。

今回の試合もこれと似たような展開に見えた。前線の選手は自分の前への対応をがんばり、後ろへの対応もがんばった。後で詳しく書くように、前半は攻撃も前の3人に任された。この点もカタール戦との類似点で、前線の負担がかなり大きくなってると感じた。少なくとも前半はそういう可能性は十分にありえたと思う。

これが後半の守備の転換によって解消されることになった。後半は(しかも、時間が経つにつれて)まさに個人的な希望のピッタリの守備のやり方になったと思う。要するに自陣にバランスを重視したブロックを形成するっていうこと。
後半は3-3-3-1の組織を作ることをまず考えて、それから守備を始めるっていうやり方が見られたと思う。その上で自陣に入ってきたボールに対しては忠実なチェックを欠かさない。そのチェックにはすぐに周囲が連動してボールを奪いに行く。
この意図が明確なやり方でサウジの攻撃の怖さが全くなくなってしまった。

これは事前に書いたとおりカタール戦でも見られたこと。受ける体制を作られるとサウジは全く何もできなくなってしまう。個をベースにしたチームだけに前線で引き出すような動きが少ない。ある意味では悪いときの日本と似たイメージ。前線にボールを運ぶ術が全くなくなってしまう。

前半あれだけ活発だったサウジの右サイドも機能しなかった。前半はSBが常に高い位置に入ってたようなイメージだったけど、後半は逆にSMFが降りてきてボールを受けようとするシーンが目立ってた。前半はボランチの高さの3と前の3-1の間に微妙なギャップができたって書いたけど、後半は全員が自陣に引いたことで、そういう場所のギャップも問題なくなったと思う。相手が前半からのハイペースで運動量が落ちたこともプラスに働いた。

ちなみに後半はこれ以外にも微妙な修正をしてきた。それは相手のボランチへの対応。前半は上にも書いたように青山敏が対応してきたわけだけど、後半はそこにもう1枚が対応して2×2で完全に押さえにかかった。
前半の時点で相手は左サイドをほとんど利用してこなかったから、日本の右サイドが絞って対応することが多かったような気がする。岡崎-李-柏木(逆もあり)を左寄りに配置して逆が絞ったり、水野が対応したりってことが見えたと思う。

このやり方で後半の大部分は安定した戦いを進められた。相手に押し込まれるようになった最初は、相手が選手交代で中盤をダイヤモンドに変えてから。これにやや混乱が生じて、交代後数分は相手に押し込まれる展開になった。あとは相手が捨て身で前線に人数を増やしてきた最後の時間。それでも、このチームの持ち味である最後の堅さで乗り切った。

守備はこんな感じで前半から後半への流れの中でバランスがよくなったわけだけど、それに伴って攻撃も後半の方が機能した。そういう意味ではバランス重視で相手をじらし、強引に来たところを逆に攻めるっていう事前の考え方もあながち間違ってなかったんじゃないかと思う。

日本の攻撃を考える前にまずはサウジの守備から。
サウジの守備は1度4-4-2の組織を作って受ける体制を作ったところから始める。この組織はハーフェイライン近くから高い位置に置かれた最終ラインまでかなりコンパクトなライン。日本に中盤を使わせない意図がはっきりしてた。そして、ブロックに入ってきたボールに対しては欠かさない最初のチェックと近さを生かした連動性ですぐに複数の対応をしてきた印象。

その上で日本の攻撃のスタートに対してしっかりとチェックを行う。WB、ボランチはもちろんのことサイドに開いてスタートになろうとする最終ラインの選手に対してもしっかりとした寄せが見られた。

この時点でこの試合での日本の攻撃にはあまり期待してはいけないだろうなっていう予感がした。
ここまで何度も書いてきたけど、このチームはビルドアップがとんでもなく苦手。ちょっとでも相手のプレッシャーがあると、満足にボールをつなぐことができない。それに前にボールを運ぶためのヴァリエーションが恐ろしく少ない。
結果として最終ラインからトップへの最長距離の縦パスが多くなる。そんなところは相手もケアしてるに決まってるから、途中で引っ掛けられることが多い。

こんな中で前回のベトナム戦ではこの点についてある程度の改善が見られた。SBをうまく利用できたし、柏木がボランチに入ったことでうまくボールを散らす役割を担えたって言える。
でも、一番大きかったのはベトナムが攻撃のスタートに対してプレッシャーをかけたこなかったこと。完全に引きこもりのベトナムに対して日本は攻撃の組み立ての部分ではある程度自由にさせてもらえた。このベトナムのやり方は日本にとってはかなり助かった部分だった。

それに対してこの試合のサウジは上に書いたように、日本の攻撃のスタートに対して忠実にチェックをしてきた。その上3-5-2システムの中では前回機能した攻撃のスタートの数自体が少ない。SBは置かれてないし、柏木は1つ上のポジションに上がってしまった。これでは満足に攻撃を組み立てられないはずだと考えた。

その中で前半は最終ラインからの一発のパスが多くなった。そういう意味では満足に組み立てられてないって捉えられる。ただ、同時に言えるのは中盤をつぶしてくる相手に対してはセオリーどおりのやり方ではあったってこと。そういう意味で、これまでの悪い流れの試合での最終ラインからの一発のパスとはやや性格が異なってたと思う。

それは一発のパスの質が明らかに違ってたから。
悪い流れの試合ではとにかく人を狙う一発のパスが多くなった。それはトップに平山とか森島を置くことが多かったからなわけだけど。とりあえず、こいつらに当てとけばいいやっていう意図の薄い一発のパスが目立ったと思う。特にグラウンダーで通そうとするパスはことごとく引っ掛けられた。

それに対してこの試合では相手のウラに落とす質のボールが多くなった。人から場所への目標が変わったと思う。
そして、こういうボールには相手のラインを下げようっていう意図がはっきり出てるし、高いラインのウラに通ればそれこそ決定的なシーンにつながる。そういう意味では前線の引き出しの動きがよかったって言えるし、ここ2戦で走れるタイプを使った効果が出たと思う。

岡崎、李はもちろんこの試合で効果的だったのは水野への一発のボールだった。水野がサイドの低い位置から長い距離を走って相手のウラを何度も狙ったと思う。これによって単純な直線的なやり方が避けられた。斜めの質のボールで一層、相手のラインにプレッシャーをかけられたと思う。

とは言っても、やっぱり前半の攻撃はこういうロングボールに頼らざるを得なかった。それは前線の人数が足りてなかったからだと思う。
前半はここまで書いてきたように、守備に人数をかけなければならない状況だった。その中で多くの選手が引かされて、切り替えで一気に人数が飛び出せない形。結果として攻撃は前線の3人に任されることが多くなったと思う。
逆に相手は前線に人数をかけてて、切り替えでも効果的な守備ができてたわけで、そうなると奪った後に余裕を持ってつないでいるっていう時間はなかったと思う。だから、早めに前線に任せることが多くなってしまった。

それで3人が少ない人数でもうまく自分たちのボールにすることができたと思う。さすがに人数が少ない分、最後まで行けるシーンはなかなか作れなかったけど、1度自分たちのボールにできたのが大きかった。それで守備の組織を1度立て直す時間が生まれたと思う。だからこそ、相手に押し込まれる状況の中でもそれが続く悪循環にはつながらなかった気がする。

そして、ここで特に大きな役割を果たしたのが柏木だった。攻撃への切り替えの中でうまく1度経由点になってたと思う。そして、そこで1度絶対に落ち着かせることができた。その後の展開で息に攻撃に移れれば最高の展開だったけど、少なくとも押し上げの時間は作れてた。

とにかく、この試合でも攻守に渡る柏木の役割はかなり大きかった。それは、フィールドプレイヤーの攻守における仕事は一通り全てこなしてたんじゃないかと思うぐらい。

守備では最初の切り替えでのチェックと前線でのチェイシング。その後ブロックを作ると相手のスタートをつぶす役割。さらにブロックに入り込まれると、後ろのスペースのケアと中盤におけるボールへのアプローチ。
こういう積極的な守備のアプローチに加えて、味方がチェックをかけた次を狙ったり、味方と協力して囲い込んだりっていう仕事もこなした。
基本的にボランチからFWまでの全ての守備の仕事を行った。

攻撃では切り替え後の最初の時間作り。これはキープ力を生かして。その後の攻撃の最初の展開も担う。出し手としてはラストパスの供給役としても目立った。そういう意味ではゲームメイクからチャンスメイクまで幅広い役割を担ったって言える。この試合ではゲッターの場所に出てくるシーンが少なかったけど。それから、受け手として後ろのパスを引き出すことも多い。

柏木は完全にこのチームの核になった。ユース代表のチームのアジア予選から見てきた選手だけど、そのチームでも一貫してチームの核だった。はっきり言ってアジア予選の時点ではユース代表は柏木なしでは何もできないチームだったって言っていい。
そして、いつのまにか五輪代表も同じ状況になってきてる。今の時点で完全に替えが効かない選手。足元がうまくて走れて守れるっていう、このチームが待ち望んだ理想の選手(そういう選手はどのチームにとっても利用だろうけど)。
ユース代表ののアジア予選の最後の記事で柏木は上の世代でもやれるって書いたけど、今回も同じことを書きたい。柏木はA代表でも十分やれる。

ちょっと寄り道したけど、日本の攻撃についてに戻りたい。前半は一貫して前線頼みの一発攻撃に賭けてた日本だけど、前半の最後の時間に可能性のある攻撃が見られた。水野のドリブルから始まった一連の展開だったけど、近い関係の中で人が動いてボールが動くいい展開になったと思う。左右に相手を振るのも効果的だった。この攻撃が後半に期待をもたせた。

そして後半。守備の安定から日本の攻撃がうまく回り始めた。みんなが押し下げられた前半に比べて、多くの選手が守備でバランスよく配置されたから、攻撃に移ったときにスムーズに人数をかけられる状況になった。

こういう状況になって、期待していなかった日本の攻撃の組み立てができるようになった。確かに相手の中盤でのプレッシャーがやや弱まったこともあるんだろうけど、それでも今までの日本ではやっぱりうまく回らなかったと思う。

1つのパターンは左サイドの本田を経由させるもの。相手としてもスタートとなる本田にはしっかりと寄せてきたけど、それ寄せきる前に次の展開をした。それこそが走れる選手を使った賜物だったと思う。前線の動きが豊富で、早いタイミングで次の場所にボールを移すことが可能になった。

前半は相手のサイド利用の選択によって、サイド利用の選択肢がない日本だったけど後半は守備のバランスの改善が攻撃でのサイドの主導権争いの勝ちにつながった。そして、何よりもそういう場所のボール保持者に対するランニングの量が豊富だったと思う。結果、サイドが攻撃のスタートとして機能することになった。

この時点でこれまでのビルドアップが苦手な状況は出し手ではなく、受け手にあったことが明確になったと思う。やっぱり前線で足元に受けようとする選手ばかりを並べてる中でうまくボールを引き出せなかったっていう側面が大きかったはず。
問題は今後、どういう方向に向かうのか?ってこと。基本的にはうまい選手の代表である梶山とか家長はアクシデントによってこの2戦に“出られなかった”。走るチームが攻守に可能性を見せてる中でうまい選手が帰ってきたときにどうするか?監督のやり方に注目したい。

とにかく、後半は前線へのボール運びが抜群にスムーズになった。そして、そうやって前にボールが入れば後ろからの絡みも増えることになる。後半は動きの中でボールが周り、その中で相手ゴールに向かっていけるっていう目指す形の片鱗が見えたといっていい。最後の決定力には不満点が多いものの、作るところまでは最終予選では一番いい内容が見られた後半だった。

今回の試合は知ってのとおり、勝ったチームが五輪への出場権を手に入れるっていう非常に分かりやすい状況だった。加えて、本当に勝たなければならないのがアウェーのサウジだったことが、さらに面白い展開を生み出した。
中盤での両チームの攻防の厳しさは目を見張るものがあったし、切り替え(特に攻撃から守備へ)も抜群に速かった。内容としてはかなり質の高い試合が見られたと思う。

そして、両チームの個々の意識の高さ。中盤でのチェックを忠実にして、それに対する連動性も素晴らしい。前半は日本の守備のバランスが崩れたこともあって個で攻めるサウジが主導権を握り、後半はバランスを回復させた日本が組織として相手守備ブロックに仕掛けた。

その中で両チームのラストの堅さも目立った。日本は自慢の最終ラインが最後まで崩されることはなく、サウジもGKの素晴らしい守備に支えられた。ワリードのプレーは何試合か見たことがあるけど、ワールドクラスと言っていいと思う。

日本はこれで五輪への切符を手にしたわけだけど、まだまだ課題は多い。それでも、今後世界と戦えるのは大きな経験になるはずであり、それを無駄にしないようなチーム作りを期待したい。

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