ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-12-06 Thu 06:20
ミラン×ユーベ
<ミラン:4-2-3-1>
FW:ジラルディーノ
MF:セードルフ-カカ、アンブロジーニ-ピルロ-ガットゥーゾ
DF:セルジーニョ-カラーゼ-ネスタ-オッド
GK:ジーダ

<ユーベ:4-4-2>
FW:トレゼゲ-イアキンタ
MF:ネドベド-ザネッティ-ノチェリーノ-サリハミジッチ
DF:モリナーロ-キエッリーニ-レグロッターリエ-ゼビナ
GK:ブッフォン

この試合のミランはいい意味でも悪い意味でも全くミラン的じゃないサッカーを見せてくれた。特に攻撃面はイメージをガラリと変えた内容だったと思う。

これはユーベと守備との関係性が大きい。ミランのユーベの守備に対するアプローチだとも見えるし、ユーベがミランに本来のやり方をさせなかったとも見える。というわけで、まずはユーベの守備のやり方から見てみる。

ユーベの守備は自陣に4-4-2を作る形。トップがハーフェイライン前後にいて、その後ろの中盤とDFの4-4が続くような形だった。そして、最終ラインの4はかなり高い位置に設定されてた。要するにトップからDFまでを自陣に超コンパクトにまとめる形。中盤の4もフラットなラインを形成してたから、理路整然としたきれいな3ラインがコンパクトに一体感を持った形を作り出してたと思う。

そういう組織を作ったうえで、守備の意図は完全に受ける形。トップも特別にアプローチせずに相手の最終ラインには自由にやらせてた(ピルロを見る役割は担ってたけど)。そうやっておいて、守備を始めるのは自陣にボールが入ってきたところって決めてたと思う。一応、相手の攻撃のスタートになるところにもアプローチをかける場面も見られたけど、基本は受け手へのケア。自陣に入ったボールへの厳しい対応もそうだし、そもそもその前の時点でスペースを与えずにボールの入れどころをなくすって考え方だったと思う。

で、ユーベの守備の狙いは相手をおびき出すことにあったんじゃないかと思う。最終ラインのボールに対しては本当にプレッシャーに行かないから、ミランの最終ラインの選手はボールを持ったまま高い位置まで上がっていくことができた。結果、途中で下手に経由点を作らなくても最終ラインがそのまま攻撃のスタートの役割を担うことができたと思う。

そうなったときにミランの中盤以前の選手はみんな受け手となろうとする。最終ラインがスタートとして機能するのに、下手に低い位置に人数を置いておく必要がないから。今回の試合では遅攻時にピルロが攻撃のスタートとなるシーンがほとんどなかったと思う。

要するに最終ラインが出てきたことで前が押し出されたってこと。だから、最終ラインがハーフェイライン付近までボールを持って出てきて、中盤以前は全員敵陣内っていう形が多く見られることになった。場合によってはSBも敵陣に入って自陣はCBだけっていう時間もあったように思う。

ユーベの方から見れば、これはうまくおびき出したってことになるんだと思う。こういう状況で相手の攻撃を途中で引っ掛ければ、崩すべき相手はほとんどいない。思惑通りに行けば、相手2人に対して勝負をかけられるってシーンもありえるわけで。ミランの絶対的な4-4の組織を崩すことを考えたら、これほど楽なことはない。

だからこそ守備の組織が引っ掛けること重視のやり方になってる。上に書いたような4-4-2の理路整然とした3ラインの形成によって完全に網を張り巡らせてた。ミランが本来使いたい中盤の場所は、ユーベのコンパクトな組織が完全にスペースをつぶしてしまった。それでもミランが強引に中盤を使おうとすれば、その網に引っ掛けられるような状況はできてたと思う。中盤の4の網はかなり厄介な存在だったし、その中盤後ろにすぐにDFの4が控えてることで二重に網を張り巡らせたと思う。

でも、ミランはさすがにこういうユーベの思惑通りには引っかかってこなかった。中盤がつぶされてるのに、いつもの自分たちのやり方に固執するほど頭が堅くはなかったと思う。そして、ミランはいつものやり方とは正反対のやり方に終始したと思う。それが中盤省略+サイド利用の組み立て。

本来は中盤で嫌というほどキープする。ギャップギャップに入りながらボールをつなぐやり方でポゼッション率を高めるってのはいつも書いてるとおり。さらに、いつもの攻撃の第一目標は真ん中の最短距離。サイド利用もあくまでも真ん中を空けるために1度経由するっていうイメージが強いし、SBの攻撃参加も1つ前を中に押し込んで真ん中に厚みを加える意図が強い。

これに対して今回の試合では真ん中から崩しに行ったシーンは皆無に等しかったと思う。そして、中盤を省略する縦一発でサイドに深みを与えるやり方が徹底的に繰り返された。このときにサイド→サイドでサイドを縦に進んで行くシーンが多くなった。ピルロ経由が見られなかったことからも分かるとおり、中→サイドの展開はほとんどなかった。あくまでもスタートのところでサイドを使って、そのままサイドを進攻してくイメージ。

だから、攻撃のスタートとなるのはSBの選手。これは上に書いたように最終ラインがボールを自由に持てたことも関係してると思うけど。この試合でのSBの役割はとにかく攻撃のスタートだったと思う。いつものように前に入って行って高い位置での組み立てに参加するシーンはほとんど見られなかった。

これは中盤省略に関係する。中盤を使わないで前線に入れるから、それだけ縦へのスピードが上がったことになる。要するにSBが攻撃に参加してくるような時間が攻撃の中ではほとんどなかったってこと。これもミランとしては異例だったと思う。

で、攻撃のスタートとしては右SBのオッドがかなり目立った。意図はよく分からないけど(ネドベドに守備をさせるため?)、特に前半は右から崩す意識が異常なほど高かったと思う。だから、攻撃のスタートはほとんどオッドが担ったといってもいいぐらいだった。

こんな感じでボールの出し手はSBが担ったわけだけど、受け手は中盤以前の選手が入れ替わり立ち代りサイドに流れてくることが多かった。多かったのは前線のカカ、ジラルディーノ、セードルフが交互に流れてボールを引き出すやり方が多くなった。さらに、機を見てアンブロジーニだったりガットゥーゾだったりが出てくるって形。

そういう引き出しの動きに合わせて、サイドウラのスペースに一発のボールが供給された。これで一気に距離を稼ぐ形を繰り返し繰り返し使ったわけだけど、実際にそこからチャンスは生まれてないような印象。深みを与えたものの、相手もしっかりと対応してきたから、そのサイドで孤立させられて攻撃の切られることが多くなった。むしろ、そうやって深みを与えて相手のブロックを押し下げた後の二次攻撃が可能性を感じさせた。とはいっても、決定的なチャンスはほとんど作れなかったわけだけど。

この一連の流れの中で目立ったのがジラルディーノ。個人的なイメージとしてはエリア内で待つタイプだったから、この試合で見られたような左右のサイドでの引き出しはプレーの幅を感じさせた。

逆にピルロは乗り切れなかった。上にも書いてるとおり、スタートの役割は免除されて受け手の役割を求められてたんだろうけど、うまくボールをもらうことができなかったと思う。動き自体はボランチの位置から長い距離を走ってトップの場所まで出てくような質の高いランニングもいくつか見られたけど、サイドに意識を向けるチームの中にあって、真ん中の動き出しにはうまくボールが出てこなかったような気がする。

カカについては本来プレーしたい場所であるDFと中盤の間を完全につぶされたのは痛かったと思う。ボールをうまく受けても、相手がファール覚悟でかなり厳しく対応してきたから、思い通りにプレーできなかったかもしれない。いつもはそういう状況の中でもいいプレーを要所要所で見せてくれるけど、この試合はユーベのカカへの対応が素晴らしかったと言えるかもしれない。それでも、FKをもらってる時点で最低限の仕事はしてると思う。

セードルフはいつもどおりのプレー。いろいろ動き回りながらタッチ数を増やした。
立ち上がりはジラルディーノ、カカと同様に前線で引き出す動きが多くなったと思う。これによって前線の枚数が多くなったから、サイドに引き出しても中にもしっかりと選手を置くことができてた。
前半途中には下がり気味でタッチ数を増やす時間もあった。これを見るとサイド→サイドの進攻の徹底は不本意だった部分もあるかもしれないと思った。トレゼゲにピルロが対応されてたから、それを助けに来てなんとか真ん中に攻撃のスタートを作る場面を作りたかったのかもしれない。

こうやってユーベの思惑通りに行かないようにミランは工夫をした攻撃を仕掛けたわけだけど、そういう状況下でもやっぱりユーベの思惑に近い展開につながるシーンがいくつか見られた。そして、それはことごとくチャンスにつながった。

このユーベの思惑を実現するためには守備のやり方のよさだけでは足りない。そこには攻撃の上での工夫も要求される。

そういう意味でユーベは切り替えの速さとそこからの縦へのスピードが光った。奪った後にすぐに縦に入れて、同時に後ろの選手も飛び出していく。そうやって一気に相手ゴールまで迫っていくシーンが多かった。ミランの攻撃から守備への切り替えのスピードを上回ることで、組織を作る前の相手守備陣に仕掛けることが可能になったと思う。

こういう一連の流れの中で経由点の役割を担うことが多かったのがネドベドだった。攻撃への切り替えで1度ネドベドに当てることが多かった。ボールを受けたネドベドは状況を判断して一気に少ない人数でゴールに向かうか、味方の押し上げを待つかの判断をしてたと思う。

ネドベドのこの試合での役割はミランのセードルフと似た質だったと思う。守備では中盤の4のラインの一角として参加し、攻撃ではその4のラインの他の3人よりはやや高い位置に入り込んでくる。サイドにこだわらずにタッチ数を増やすのも似たような点だと思った。

話を戻して。ミランが組織を作る前の攻撃には切り替えのスピード以外にも要因がある。それはここまで書いてきてるようにおびき出したこと。ミランは敵陣に多くの人数が入り、その上で前線に流動性を加えてる。そういう状況で奪われるとどうなるか?守備に戻るときに本来の自分のポジションにすぐに戻ることができなくなる。もちろん、いつものミランなら切り替え後最初の守備のよさによってそういう時間を作り出すんだけど、この試合ではユーベの切り替えに上を行かれたことで難しくなった。だから、攻撃の流れのまま守備に帰るシーンが多くなったと思う。セードルフが右サイドに入るシーンが目立ったのが象徴的(これはネドベド対策にアンブロジーニを当てる意図もあったかもしない)。

こういう状況の中でミランは組織をしっかりと作って守備をする時間をほとんど作れなかった。相手の攻撃を受けるときには多かれ少なかれバランスが崩れてることが多くなったと思う。どうも守備のバランスが悪くて、人が足りないというか、厚みがないというかっていう印象を常に感じさせた。本来、一体感を保ってる4-4(4-3)の間にギャップが生まれることも多くなった。簡単に間に入りこまれて、DFだけが晒されてしまうシーンが目立ったような気がする。

DFだけが晒されるってのは一応の組織を作ったときの前後のギャップによっても生まれてたけど、一番ピンチになったのはカウンターの流れで完全にDFだけに勝負を仕掛けられたシーン。これこそがユーベが狙ってたやり方だったと思う。

それでも実際にはほとんどのシーンでミランが無難に切り抜けたと思う。それはDFだけが晒されたと言っても、ミランのDFの枚数がしっかりと揃ってたから。一気に縦に進んできたユーベはしっかりと人数をかけることができてないから、ミランの守備陣が枚数で上回ることができた。

これはミランが上に書いたようなやり方でユーベの思惑を100%機能させなかったから。いつものように中盤で組み立ててるときに奪われればもっと危ないシーンになってただろうし、そのときに本来のやり方通りにSBが高い位置を保ってたら最悪。中盤を省略するにしても強引に真ん中の最短距離を攻めていけば、奪われたときには相手にとっても最短距離になる。一発のパスでサイドウラに蹴りこんで、相手を押し下げたことでカウンターの脅威を減らした。同時にそのボールの出し手となったSBがあがってくるようなシーンが少なかったのも上に書いたとおり。こういう部分での両者の思惑の交錯は興味深い点だった。

むしろユーベがチャンスを作ったのは高い位置でのカットだったと思う。基本的な守備組織は自陣に作るわけだけど、攻撃後の切り替えではしっかりと守備をしてくる。そういう意味では攻→守備の切り替えもよかったって言えるし、そういう切り替えのよさがチャンスにつながった。

ミランの攻→守の切り替えに比べて、ユーベが上回ってたのは人数のかけ方。ミランの切り替えもしっかりと最初の守備をかけるっていう意味ではユーベと似てるけど、その守備に対しての人数の絡み方はユーベが格段に上回ってた。切り替え後の最初の守備に、2枚目3枚目がすぐに連動して複数で囲い込むことが多かったように思う。

これはミランの考え方による部分も大きかったと思う。ミランは奪った後、基本的にショートパスをつなぐ選択に出る。だから、敵も味方も密集した場所でパスをつなぐことになる。結果、ユーベは高い位置でも複数の関係が作りやすかったんだと思う。もしも一気に広いところに逃げられたら、そういう関係性を作るのは難しかったはず。
そして、奪った後のつなぎの中でボールが入るピルロは狙われていた。ポストに当たったトレ是gの決定的なシュートも高い位置でピルロからボールを奪ったのが起点だった。

組織を作ってからにしろ、攻撃後の流れの中にしろ、ユーベの攻撃は相手のボールを奪ってからを念頭に置いたやり方が目立った。自分たちが能動的に試合を進めるというよりも、相手との関係で攻撃をするイメージ。これは相手がミランだったこと、しかもアウェーだったことも大いに影響してると思うけど。

これを反映して、ユーベの攻撃の中では複数の関係性で崩すシーンがほとんど見られなかった。正確には近い位置で複数の関係を作るシーンがほとんど見られなかったっていえる。ボールを奪持ったら、その選手の選択肢は基本的に2つ。1つはより前線の選手につなぐこと。もう1つは自分の前のスペースを埋めるドリブルをすること。同時にボールを持たない選手は一気に縦に向けてランニングをする。結果、遠い位置での引き出しは増えても近い位置での引き出しはあまり多くならなかった。この試合のユーベのやり方を考えれば問題となる部分ではないけど。

最後にミランの守備について。上にも書いたとおり、ほとんどはバランスが崩れた状態で守備をすることを余儀なくされたけど、その中で意図通りに守備ができたところから見てみたい。

この試合で感じたのはミランの前への守備の意識がちょっと高まってるかもしれないってこと。今シーズンは4-4-1-1で受ける試合が多く見られたけど、昨シーズンの積極的な守備(何度か書いてるように、マンUとの試合での守備の内容は素晴らしかった)の片鱗が見られた。

守備のスタートはトップのジラルディーノ。カカもほぼ横並びになってた点を見ても4-4-2的なイメージがあったかもしれない。とにかくここで重要なのはある程度高い位置に守備のスタートが置かれてること。そして、そこを起点として中盤にかけて切って切って追い込む質の守備が見られた。結果、中盤で引っ掛けられるシーンが多くなったし、高い位置で複数の関係で対応できることも多くなったと思う。今後のやり方に注目(平行放送のCLをチラッと見る限りではやっぱり上からのイメージが強かったと思う。この試合に関してはそのうち見ます)。

ミランは結局この試合でもホームで勝てなかったわけだけど、内容自体に大きな問題は感じなかった。いつものミランとは違う形でも、アプローチの工夫としては面白かったと思う。ただ、個人的にはインザーギを頭から使うのもありだったかなと思う。インザーギに徹底してユーベの高いラインのウラを狙わせ続ける中で4-4の間に無理やりスペースを作り出すやり方も考えられた。

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