ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-12-09 Sun 18:52
エトワール・サヘル×パチューカ
エトワール・サヘルの守備は一貫して組織を作って受ける意図が強くなった。そして、この意識をベースとしながら、その組織の作り方を微妙に変更しながら戦ってたように思う。そして、その微妙な変更が試合の内容に大きな影響を及ぼしてたように思う。

後ろは4バックで前との距離を近づける形。で、その前の形を変化させながら戦ってた。以下にいくつかのパターンを挙げてみる。(------:ハーフェイライン)

<パターン1>
     ○
-○-○-○-
    ○ ○

<パターン2>
---○-○---
 ○ ○ ○ ○

<パターン3>
   ○ ○
-○-○-○-○-

<パターン4>
    ○
-○-○-○-○-
    ○

基本となる形はこの4つ。2と3は形としては同じだけど、組織の設定の位置の違いで大きな違いがあったように思う。

立ち上がりは1の形が見られた。基本ポジションが左のガルビがトップ下の位置に入ってくることが多かった。そして、そのガルビがいなくなった左のスペースにはトップの1枚が下がって対応(多くの場合でシェルミティ)。

このブロックは前線のフィルターの役割が大きかったと思う。流れの中で1トップ気味に残った選手がそのフィルターに入ってくる時間も長かったと思う。そうなると4-2-4みたいなブロックが形成されることになった。ハーフェイライン付近の3または4がしっかりと並んだことでパチューカは縦パスを入れられなくなってしまった。

サヘルの前線のフィルターは低い位置のボールに対してチェックに行く意思はほとんど見せなかったけど、逆にそれがパチューカにとってはやりにくかったんじゃないかと思う。その前線のフィルターから飛び出してボールに来る選手がいないってことで、そのフィルターが常にフィルターとして機能してたような気がする。フィルターのバランスが崩れなかったことで、完全にパチューカのブロックへ仕掛けるパスを防いだと思う。結果、パチューカはノープレッシャーの最終ラインでのパス回しが増えた。

サヘルの方から見ると、このブロックは素晴らしく安定してたと思う。ブロックのバランスだけで、相手の攻撃のスタートすらさせなかった。そのうちに勝手に相手がミスをして自分たちのボールになることが多かったように思う。
そうやって奪った後の攻撃もガルビを真ん中に配置したことで、1つそのガルビを経由してからの展開ができるようになってた。

それが途中で2の形に変更したことで攻守にわたってバランスが崩れてしまった。1の安定性をなんで捨てたかが謎。途中でガルビがトップ下の位置から基本の左サイドに入ってのプレーが多くなって普通のフラットな4-4-2の守備になった。

普通のフラットな4-4-2のブロックの形そのものには問題はない。そのブロックでいい守備をしてるチームはいくらでもあるわけだから。でも、サヘルの守備を見る限りでは4-2-4→4-4-2の変更は明らかに改悪だった気がする。

そのサヘルの守備の問題点は1つ入られたときに対応。そもそも4-2-4のときからブロックに入られたときの脆さを露呈してた。そこで気になったのは自陣に入ってきた相手のボールに対しての寄せの甘さ。普通自陣で受ける形を取ってるなら入りどころに厳しく行くはずなのに、そういう意図がほとんど見られなかった。最終ラインのところではしっかりとマークをしてたけど、相手の中盤のボールは浮くことが多かったと思う。その中でファールで止めるシーンも目立った。
要するにサヘルはブロックに入られたときの守備があまりうまくなかったって言える。入られた後は前線がすぐに戻ってきて最後のブロックの人数勝負でなんとかするシーンが多かったと思う。

1の形は前線に選手を並べることで縦パスを入れさせない形。要するにブロックへの仕掛け自体を封じたっていえる。そして、それがうまく行ってた。前線のフィルターを抜けられるとパチューカのリズムのいいパス回しが見られたけど、そういう場面を極力作らせなかった。そうやって相手の攻撃を防いでたと思う。

それが2の形になって前線のフィルターがなくなったことで、パチューカのパスが自陣に入るシーンが多くなってきた。その中でブロックへ仕掛けられるシーンも多くなったと思う。結果、ブロックに仕掛けられたときの脆さが見られるようになった。パチューカの崩しの質も高かったけど、自陣でのボールに対するアプローチが甘くて簡単に深い位置に入られることが多くなった印象。

それにサヘルのサイドの選手が1つずつ下がったのもパチューカの攻撃を促進させた要因だった気がする。
パチューカは組み立て時にサイドに1度起点を作ることが多いんだけど、立ち上がりはほとんどそういうシーンを作り出せなかった。それは受ける選手が相手のフィルターのウラ側に行ってしまっていたから。
サヘルが2の形にしたことでそういう選手にパスが出しやすくなった思う。そうやってサイドにうまく起点を作ることでパチューカが深い位置に入り込むシーンが目立ち始めた。

サヘルがこの形で戦ってた時間帯は完全にパチューカのペース。サヘルは4-4のブロックが深い位置に押し込まれるシーンが目立って、それまでのバランスのいい守備を維持できなくなってた気がする。

そういう流れの中でサヘルは全体を1つずつ押し上げることで打開をはかったと思う。それが3つめのパターン。それまではチーム全体が自陣に入るような形だったのを、ハーフェイライン上に中盤の4のブロックが来るように超高い位置まで持ってきた。

これによってまず、中盤の4が立ち上がりの最前線の3または4と同じフィルターの役割を担うことができた。だから、再び相手を自陣に侵入させないっていうやり方ができたと思う。それに4-2-4の形では中盤の2のところにギャップが生まれてたから、4-4でそのスペースを埋めるっていうような意図もあった気がする(そのスペースを嫌って2の形を採用したのかも)。

同時に自分たちの攻撃を考えてもいい内容をもたらした。相手に主導権を握られた2の形はもちろん、1の形も自分たちの攻撃のことはあまり考えたなかったと思う。トップが横並びになってフィルターを作ることは守備を考えれば引っ掛けられる可能性が高いけど、その後の攻撃で前線に当てるべき味方がいない。トップもそのフィルターに吸収されてるわけだから。3のフィルターだったとしても前が薄いから効果的なカウンターにはつながらなかった。

対して、4-4-2のブロックを作って中盤の4をフィルターとして置くと、奪った後に前線に2トップが残ってることになる。だから、奪った後の攻撃までを考えることができた。2トップはそれぞれ相手の3バック脇のスペースを狙って引き出すような工夫も見られたと思う。こういう展開の中で前半の残りの時間は徐々にサヘルがペースを取り戻して行った。

この3の形はかなりリスキーだったのも確か。中盤の4をハーフェイライン付近に置いて後ろもそれに合わせて高い位置を取る。さらにトップは特別前線から追いかけようとしない。一歩間違えれば一気にウラを抜けられてもおかしくない形だった。

それがなかったのはパチューカの攻撃の特徴を象徴してる。パチューカの攻撃の特徴は徹底して確実性を求めるやり方だったと思う。少しでも強引なやり方はその選択肢になかったように思う。

その1つがロングボールの少なさ。少ないというか、1つもなかったと言ってもいい。通ればチャンスだけど、通らない確率が高いなんて方法は好まなかった。相手のコンパクトなブロックを崩すためには、様子見のパスを1つ2つ蹴りこんでもよかったんじゃないかと思う。相手の守備に対して地上からの攻撃ができなかったことを考えても、もっとシンプルなやり方をとってもよかったと思う。

ちなみに、地上から攻められなかったのもパチューカの確実性重視のやり方が出た。相手のフィルターのよさは確かにあったかもしれないけど、それでもあまりに仕掛けなさ過ぎた。途中で引っ掛けられる可能性が少しでもあったら、縦にボールを入れようとしなかった。全然仕掛けられずに横パス横パスが多くなった印象。

サヘルの高い位置の4-4-2はこのパチューカの特徴を考えてのものだったかもしれない。2つめの4-4-2の形で様子を見たけど、もっと上げても大丈夫そうだみたいな。次のボカ戦で同じ形が使えるかと言えば、微妙。

パチューカの確実性を求める考え方はアジア杯の悪い内容のときの日本代表を見てるようだった。パス回しのためのパス回し、ボールを失わないためのパス回しが多くなって、ゴールに向かう意識があまり見られなかったように思う。

日本的っていう意味では相手のブロックに1度入った後の崩しも似てた。流動性をベースにしたギャップに入るうまさとランニングによって近い関係を生み出す。そうやって少ないタッチでリズムよくパスが回るシーンが多かった。ただ、トップもそのパス回しに参加したときにゴールに向かう選手が少なくなってしまったと思う。

前半は結局膠着状態になった。守るサヘルと仕掛けないパチューカの関係でどちらも決定的なチャンスにもつながらなかった印象。思惑通りっていう意味ではサヘルペースだったって言えるかもしれない。

後半になってサヘルは守備の積極性を見せだした。前半は受けるイメージが強かったサヘルだったけど、後半は前へのイメージが強くなってたと思う。
その中でトップの守備への意識が高くなってた印象。ある意味では前半はいるだけだったのが、トップの位置で守備の役割をこなしてた。シェルミティがボールを追いかけ、ベンディファラーがボランチを見る役割。これは前半の最後ぐらいから見られた形で、2トップが縦になることが多くなった。だから4-4-2が4-4-1-1みたいな形に変化することも多くなった。

このトップの関係に対して、後ろがボランチを見るベンディファラーを吸収するような形で前に押し出された。そのときには前後の関係がはがれないようにつなぎの1枚を残して、4つめの4-1-4-1の形が見られたと思う。

中盤に4を置くのは一緒だったけど前半のフィルターというよりは前への積極的なイメージが強かった。立ち上がりから左サイドのガルビが前へ前へ追いかけていくシーンが目立った。そうやって前線での追いかけが生まれたことで、効果的に前線で引っ掛けられることが多くなったように思う。前半は相手との関係で引っ掛けることが多かったわけだけど、後半は引っ掛け“させる”ことが多かったように思う。

その中で効果的なカウンターがうまく決まった。4-1-4-1的なよさを出して、奪ってから一気の飛び出しですぐに前線に人数をかけることができてた。その中でゴールに迫るシーンも多くなったし、相手を押し込むことに成功した。

このサヘルの積極性に対してパチューカは守備のバランスが崩されてしまった印象。パチューカの守備は立ち上がりから一貫してボールへの意識が強かった。トップの位置から積極的に相手ボールに対して追いかける意識が強かったと思う。

その中で特に効果的に守備ができたのが中盤の場所。中盤のボールの入りどころに対するチェックが素晴らしかった。一気に距離を詰めて、相手に仕事をさせないシーンが目立ってた印象。

前半は相手が攻撃に人数をかけなかったこともあって、この最初のチェックに次が連動してくるのも速かった。ボールに対してすぐに複数枚の関係性を作って囲い込む場面が多くなった印象。そうやって中盤で効果的な守備ができてたから、深い位置まで押し込まれるシーンは少なかったし、組織のバランスも崩れなかった。

対して後半は相手のやり方の変化によって前半のようには守備ができなかったと思う。ビルドアップの途中で引っ掛けられることが多くなってバランスを取る前に仕掛けられた。それに相手を深く押し込めなかったから、相手が攻撃にかけられる人数も多くなった。そもそも上に書いたようにサヘルの攻撃の飛び出し自体も活発化してたわけだけど。

結果としてパチューカは守備のバランスが崩れるシーンが多くなった。後ろから飛び出してくる相手に対して5バック気味になる時間が長くなったと思う。これはつまり、中盤が薄くなることを意味してるわけで、前半に中盤での守備によさで相手の攻撃を受け止めたパチューカにとっては致命的だったと思う。

その展開の中でサヘルの得点シーン。3バック脇に最初に1つ起点を作ることで相手のブロックを押し下げたところから。結果として1つ下が空くことになって、シュートを打った選手はフリーで打てたと思う。

この得点後はサヘルはとにかく守るだけ。2みたいな4-4-1-1のブロックを形成して最後を跳ね返す意図が強くなった。正確には4-4-1-1のブロックは後半の途中ぐらいから見られたわけだけど。時間とともに組織をしっかりと作れなくなってブロック内に入り込まれ、結果4-4-1-1になる時間が長かった。そこから元々の組織に戻すのも難しかったと思う。

パチューカとしてはサヘルの組織作りのスピードが遅れたのをつきたかった。サヘルの選手はボールを奪われても歩いている選手が後半の途中から目だってたから。
でも、パチューカはカウンターがうまく機能しなかった。後ろからの押し上げが全く期待できずに、前線に入れてもその関係だけで攻める必要があった。だから、横パスで遅攻にするか、無理やり少人数で行くかのどっちかだったと思う。攻→守の切り替えの割りに、守→攻の切り替えの質が低かったように思う。

結局、バランスのいい組織ができあがった後のサヘルの守備にアプローチしなければならないシーンが多かった。確実性を求めるやり方と相まって、セットプレー以外ではほとんどゴールに迎えなかった印象。

この試合で勝ち上がったサヘルもこの試合を見る限りでは明らかに守備のチームだった。ここまでで出場の前チームの試合を見れたことになるけど、パチューカが一番攻撃的だったかもしれない。前にも書いたけど、残りの試合もこの試合みたいに膠着した展開になると思う。

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