ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-12-12 Wed 23:51
エトワール・サヘル×ボカ
<ボカ:4-4-2>
FW:パレルモ-パラシオ
MF:バネガ-カルドーソ-バダグリア、バルガス
DF:モレル-マイダナ-パレッタ-イバラ
GK:カランタ

両チームの守備の内容のよさが光った。組織の作り方に違いはあるものの、どちらも個々の基本的な守備の仕事を組織に還元することで相手の攻撃を分断させるような守備ができてたように思う。今大会は守備のチームが集まったってことをこれまでも何度か書いてきたけど、今回の試合ではそれを再認識させられた。

両チームの守備の根本にあるのは相手のボールに対する忠実なチェック。後で書くようにその忠実なチェックをどこから始めるかの違いはあったものの、自分たちの守備の開始地点に入ってきたときには1つ1つのチェックを両チームの全選手がサボらずに繰り返した。

そして、特筆すべきはこのチェックに対する2つめ以降の連動性だったように思う。これも両チームに共通して言えたことだったわけだけど。最初のチェックに対して、周囲の選手がすぐに適切なポジションに入る。この連動した周囲のポジショニングが素晴らしかったと思う。

この最初のチェックと周囲のポジショニングによってだんだんと相手のコースを限定していく。そうやって徐々に狭いところ狭いところに追い込むやり方が見られたと思う。そして、相手の選択肢がほとんどなくなったところで複数の関係で囲い込み完全に選択肢をゼロに。そうやって効果的に奪うシーンが両チームともかなり多くなった印象。

組織作りについてはサヘルの方は前回のパチューカ戦と同じような考え方だったと思う。今回は基本的には試合中の微妙な変化を加えずに、一貫して4-2-3-1の組織での守備が見られた。トップを1枚にすることによって、そのあたりをはっきりさせてきてた印象。

その4-2-3-1のうち、トップのシェルミティだけを敵陣のチェイスに残し、残りは自陣に入っての守備。注目の中盤のブロックは2列目の3枚をハーフェイライン付近に並べることが基本となってた。そして、ボールを奪われた後にはまずこの4-2-3-1を作ることを意識した素早い切り替えが目立った印象。前半は攻撃に効果的に人数をかける時間もあったけど、そういうときに奪われた後にも守備の組織作りの速さは目立った。

この4-2-3-1の組織を作ったとしてもその組織で完全に受身にやるようなことはなかった。前回は組織を1度作ったら敵陣のボールにはあまり守備をせずに、あくまでも自分たちの組織のバランスを保つことが重視されてたように思う。フィルターのフィルターとしての役割を崩さないために2列目の4もしくは3は横並びでバランスを取る時間が長かった。そして、その最初のフィルターの存在が相手の攻撃を停滞させた要因になってたと思う。

ただ、同時に相手にポゼッションを握られたのも事実だった。確かに危ない場所に入られることは少なかったけど、守備を捨てた敵陣では自由にボールを持たれていた。そして、相手はサヘルのフィルターを怖がってなかなか縦パスを入れてこない。守備だけを考えれば成功だろうけど、ボールを奪うには相手の出方が重要になるってことでかなり完全に受身の体制だったって言っていい。だから、攻撃へのつながりの守備という意味ではあまり効果的なやり方とは言えなかった。

それに対してパチューカ戦の後半ではサヘルは前への意識を強くしだした。敵陣のボールに対しても前半に比べて明らかにプレッシャーに行くことが多くなったと思う。そして、今回のボカ戦では前半からそういう守備における積極性が垣間見られた印象。

チームのレベルとしてはボカ>パチューカだろうから、これは面白いアプローチだったような気がする。もしかしたらポジショニングだけで相手の攻撃を防ぐっていうやり方はボカには通用しないっていう考えもあったかもしれないけど。とにかく、今回の試合では前への守備の意識がかなり目立った。

そのスタートとなるのがトップのシェルミティ。上に書いたように敵陣で積極的にボールを追いかける姿勢が見て取れた。この最初のチェイス自体が前回よりも前への意識を感じさせた。前回はシェルミティ自身がフィルターの一部に入ったり、もしくは守備を免除されてたりってことで積極的なボールのアプローチが見られなかったから。

この最初のチェイスである程度相手の攻撃の最初のコースが限定された。とは言っても1枚だけだから、最前線で奪うまでにはなかなかつながらなかったけど。だから、本格的な守備は実質的に2列目から始まることになった。

トップのシェルミティのチェイスによって相手の最終ラインからのパスは限定された。だから、2列目の選手は1つ前に入ったときにすぐに近づく対応ができてたと思う。これが絶対的に前回の試合とは変わった部分だった印象。

     ○
AAAAAAAAAAA
 ○  ○  ○
BBBBBBBBBBBB
   ○  ○

前回の試合でのサヘルの守備の狙いはAのゾーンからBのゾーンに入り込む縦パスを狙うこと。狙うというよりは、2列目のフィルターによってBのゾーンには入れさせないっていう狙いが強かったわけだけど。その中ではAのゾーンの相手のボール保持者はほとんどの場合で自由にしていた。

それが今回はAのゾーンの相手ボール保持者に対して2列目の選手が組織から飛び出してきての対応が目立った。シェルミティがパスコースを限定させ、Aのゾーンにパスが出た瞬間に2列目の選手がチェックに行くシーンが多くなったと思う。そういう意味で今回は2列目の選手のフィルターの役割は薄かったように感じた。

そして、そのチェックに対する2つめ以降の対応は上にも書いたとおり。1つ目のチェックに対してすぐに周囲がポジションを動かすことで相手の選択肢を制限して、だんだんと追い込んでいった。そして、最終的には相手の個を分断させて複数で囲い込んで奪うことができたと思う。

この前線からの限定は後ろの守備にもいい影響を及ぼした。前回は2列目のフィルターによって相手のBのゾーンに侵入させないことはできたけど、Bのゾーンに入られると案外相手がルーズになってしまう場面が目立ってた。それは基本的には2列目がいるだけの守備のイメージが強かったから。フィルターとしてはいい内容の守備ではあったけど、後ろとの関係では今考えるとイマイチだったような気がする。前で意図的な限定ができないから、後ろが狙いどころを定められなかったと思う。

対して、今回は前線から戦術的な追い込みによる守備。結果として自陣Bゾーンに入ってくる縦パスに対しても前回よりも明らかにいい内容の守備が見られた。しっかりと相手のマークについて、自陣で簡単には自由にさせない守備ができてた印象。

こういう形でサヘルの前半の守備は前線からかなり効果的なやり方ができたと思う。中盤では5枚×4枚の数的優位をうまく活用しながら相手のやりたいように使わせなかった。

ただ、後半になって前線からのいい内容の守備が鳴りを潜めてしまったように思う。要因としては攻撃的に2トップにしたことによって中盤の数的優位が作れなったことが1つ。基本が1×1だとやっぱり相手の方に分がある。それから前半から積極的に守備をしたことによる運動量の低下もあったかもしれない。ボールに対して距離を空ける対応が多くなってた。同時に後半になってボカの攻撃の内容がよくなったのも痛かった。結果として深い位置に多くの人数が下げられて、最後にシーンまでつなげられることが多くなった印象。

とりあえず、サヘルの守備についてはこんな感じだけどベースとなる部分はボカも同じだったのは上にも書いたとおり。ただ、組織作りの部分での違いが見られた。

サヘルの守備は高めの位置からのチェックが見られたとは言っても、最初に目指されたのは安定した4-2-3-1の組織作り。あくまでも、その組織を作ってから守備が始まるイメージだった。敵陣のボールに対するアプローチも組織を1度作った後、その組織から飛び出してきて対応するっていう考え方だったように思う。だから、誰が誰を見るかってことがある程度ははっきりしてた。

対してボカは攻撃からの切り替えの流れのまま守備に突入することが多い。切り替えの最初の守備で厳しく相手のボールにプレッシャーをかけ、それをスタートとして周囲がポジションを動かして連動を図る。こうやって攻撃の流れの中でかなり高い位置から守備を開始するから、高い位置で奪ってそのまま相手ゴールに向かえるような可能性を持った場面もいくつか見られた。

そういう最初の守備で奪えなかったとしても、基本的な守備組織はサヘルよりも高い位置に置かれてたと思う。4-1-3-2気味の配置にも高い位置からの守備の意図が見て取れた。

この4-1-3-2の守備組織はちょっと意外だった。リベルタドーレス杯を見たときには立場的な部分もあったんだろうけど、4-3-1-2で完全に守備を固める意図が見られたのから比べると大きな変更点だったような気がする。

この4-1-3-2の配置の配置だとやっぱりボランチの1のところがギャップになってくる。しかも、それを増長する要因もあった。前線の3-2はここまで見てきたように前に向けての守備の意識が高い。対して後ろは人につく意識が高い守備だったと思う。SBは相手SMFに相手の1トップはCBがっていう形でしっかりと人を見るやり方が見られた。だから、ボールが入ったときには完全に体を密着した対応ができてた印象。でも、この人を見る意識が高い守備は相手のポジショニングによってラインが下げられてしまう危険性がある。これによって前線とDFの間の距離ができてしまって、それを埋めるのは1枚のボランチだけっていう状況が生まれてた。

そういう意味では全体を見ると前後が間延びしたブロックができあがってた気がする。相手がサイドをえぐったときにDFだけになってしまっているシーンも見られた。

ただ、こういう全体のバランスの悪さを局面の守備で乗り切ってたような印象を受けた。追い込んで複数の関係を作るのはサヘルと同じように抜群にうまかったから、相手をスペースに入れるなんてことはほとんどなかったと思う。そういう意味では見た目のバランスが悪くても、守備はなんら影響がないのかもしれない。リベルタドーレス杯決勝の2戦目の後半にも同じような状況になってたけど、結局スペースは使わせなかった。この辺はミラン戦(戦うことになれば)では注目点になる。何しろ空けてしまっている場所はカカとセードルフのエリアだから。

とりあえず、今回の試合を見る限りでは個人的なボカの守備のイメージは崩された。前に見た試合では中央に凝縮された4-3のブロックを低い位置に置いて最後のところはやらせない守備が見られたけど、今回はこういうスペースをつぶすやり方よりも、ボールとか人への意識を強く持った守備のやり方が見られたと思う。

それを考えさせれたのが10人になった後の戦い方。残りの時間はさすがに前線からの守備を捨てて自陣に全員を引かせた守備に変更された。でも、上に書いたような4-3を真ん中に凝縮させて受けるような守備はしなかった。自陣に入ってきた人とかボールをしっかりとケアする方に重点が置かれてたと思う。それは中盤の3枚の配置を見ても分かる部分だった。3枚はDFと一体感を持ってスペースをつぶすというよりも、より中盤としての独立した守備の役割を担ってた印象。

とりあえず今回の試合も予想通りに守りあいの試合展開になった。それはここまで書いてきたように両チームの守備、特に中盤以前の守備のやり方が素晴らしかったことが要因の1つ。何度も書くけど、前線からの追いかけとそれに対する連動性を生かした戦術的な守備の内容はスバラしかった。でも、両チームの攻撃の内容がイマイチだったのも確かだったと思う。

まずサヘルの攻撃についてはある程度予想通りだった。前回の試合もそうだったけど、守備を重視する中であまり攻撃に人数をかけようとしない。

そういう意味では前半のある時間の攻撃の内容はいいものだったように思う。高い位置でのカットからの攻撃の中で後ろからの飛び出しが活発化した。特に1トップを生かした2列目からの飛び出しの豊富さが目立ったと思う。SBも積極的に攻撃に出てきて、チャンスを作り出してた印象。このSBの攻撃参加は90分通して相手の守備のバランスを崩すのに一番可能性を感じるやり方だった。

後半になって前線を2トップにしてからは本格的に攻撃に力を入れてくるかと思ったけど、その通りにはならなかった。上に書いたように守備が機能しなくなって押し込まれたから、思惑通りに前線に人数をかけられなかったと思う。3トップにした後も基本は同じで、人と人の距離が遠すぎて個の力でなんとかしなきゃならないシーンが多かった。

対してボカの攻撃の内容もよくはなかった。初戦ってことでどこまで本来の力を発揮してたのかは微妙だけど、今回の試合だけを見るとリケルメがいたらっていう仮定をしてしまいたくなるような内容だった。

ボカの攻撃で一番チャンスにつながったのはロングボールで距離を稼いでからの展開。相手が中盤を抑えてきてることを考えれば、ロングボールっていう選択自体は悪くなかったと思う。実際に前回のパチューカを見てしまうとなおさら。

でも、そのロングボールに反応するのは常に2トップだけ(せいぜい、+カルドーソ)だった。基本的に2トップと中盤の距離が離されてしまっていた気がする。守備でも前後に距離が開いてしまっているって書いたけど、攻撃でも前後のライン間の距離が気になった部分。守備ではそれでも大きな問題にはなってなかったけど、攻撃に関しては明らかに前線が薄いっていう問題が起こってた気がする。

だから、このロングボールはギャンブル的な側面が大きかった気がする。とりあえずロングボールによって相手のブロックを押し下げることはできた。でも、前線が薄いから自分たちのボールにするのは難しい。こぼれ球が自分たちに来ればブロックを下げた相手に対してスムーズな攻撃ができたけど、それが相手に行ってしまえば攻撃はそこで終わってしまった。

そもそも、中盤が相手に抑えられてしまったのにもボカの攻撃の問題が見られた気がする。確かにサヘルの守備の内容もよかったけど、あまりにもその思惑通りに守備をさせてしまっていた印象。

その原因となったのが攻撃における個の分断だった。ボール保持者に対するフォローが本当に少なすぎた気がする。近い位置に選手がいなかったし、引き出す動きも少なかった。結果として相手の守備以前に自分たちで攻撃の選択肢を狭めてしまっていた。
前線にボールを入れる方法がロングボールしかなくて、両SMFが降りてくるシーンが多くなったと思う。これが前線との距離を広げる要因の1つにもなった印象。

前半は特にこの状況が酷かった気がする。ボール保持者が出し所がなくて無為にボールを保持してしまうシーンが目立った。そうやってちょっとでも無駄な時間をすごせば相手がしっかりと距離を詰めてきたから、結局はそこで奪われたり強引なパスを次で奪われたりっていうシーンが多くなった印象。前半は堅さもあったのか、個の力も見られなかった。

一応、後半になるとある程度の改善は見られた。でも、これは相手の守備が衰えたことと、システム的に相手の中盤が空いてきたことが大きいわけだけど、同時に雰囲気に慣れたのか、個々のミスが減ったのも大きかったとは思うけど。

その中で攻撃の可能性は見せてくれた。後ろからの選手の飛び出しが活性化して、前線の選手の距離感が改善された。同時に個々のランニングも見られ始めていいリズムでのパス回しもいくつか見られたと思う。トップに1つ当ててからの展開も見られ始めた。結局は退場によって前線に頼るやり方に戻ってしまったわけだけど。

こういう片鱗を見せてはくれたけど、やっぱり不満点が多かった。どうしても個に頼る面が大きくなってしまっていたし、チームとしての攻撃にリズムの変化があまりつけられてなかった気がする。どうしても最後はトップの力任せになってしまうのも気になった点。うまく中盤との連動性が築けてなかった。今回は初戦だったってことで次に向けての修正を期待したい。とりあえず前にボールを運ぶのをもう少しスムーズにしないと辛い。

このチームにあって攻撃面で大きな役割を果たしたのがパラシオだった。この選手はリベルタドーレス杯で見たときにもいい選手だと思ったけど、今回の試合でも前線での動きの豊富さが見られた。前線で左右に動き回りながらうまくボールを引き出すシーンが目立った気がする。実質的にはチームとしてはこのパラシオの動きにしか選択肢を見出せなかったわけだから、今回果たした役割はかなり重要だった印象。

とりあえず今回のボカを見る限りでは決勝はどちらが来ても、また守りあいになる予感がしてくる。ボカの守備戦術はいいけど、攻撃がイマイチなだけに。

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