ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-12-27 Thu 18:15
チェルシー×アストン・ビラ
<チェルシー:4-3-3>
FW:カルー-シェフチェンコ-Jコール
MF:ランパード-ピサロ、エッシェン
DF:Aコール-カルバーリョ-アレックス-フェレイラ
GK:チェフ

レッドカードが3枚、スコアが4-4っていう結果だけを見てしまうと大荒れのように見えるこの試合。ただ、試合内容はそれほど荒れた展開ではなかったように思う。むしろ、試合の結果が決まったと思うたび(アストン・ビラ2-0、チェルシー3-2、チェルシー4-3)にそれが覆される面白い試合展開だった。

その中で前半は完全にアストン・ビラのペース。攻守に渡ってアストン・ビラがやりたいことをやりたいようにやり、チェルシーにはやりたいことをやりたいようにはさせなかった。そうなれば当然の結果としてアストン・ビラが圧倒的に試合の主導権を握る展開が生まれた。

アストン・ビラの一番の狙いは積極的な守備によって高い位置でボールを奪い、一気にショートカウンターで攻めきるっていう流れ。そういう意味でアストン・ビラは基本的には守備のチームだって言うことができる。攻撃では多くの場合で一気に縦に突っ切るやり方が多い。奪ってからの縦への意識が高い、典型的な堅守速攻型のチームだと思う。

だから、アストン・ビラのやり方を貫くためには守備の堅さが絶対に必要になる。しかも、守備のからの攻撃っていう流れを考えればより高い位置でボールを奪うことが目指される。そして、それを実現させるためには個々の守備意識の高さが絶対的に必要になると思う。アストン・ビラの選手は最前線からボールに対する素早く、厳しいチェックを誰もサボらずに忠実にこなしてた。

こういうアストン・ビラの前線からの守備の狙いは以前に見たアーセナル戦でも見られた。ただ、アーセナル戦ではアーセナルの攻撃のよさに対して、アストン・ビラの守備のよさが消されてしまったのは前にも書いたとおり。アーセナルは流動性を織り交ぜた近い関係で、少ないタッチで次々のパスを回していく。このパス回しがアストン・ビラの寄せの速さを上回った。結果としてアストン・ビラは効果的にボールにアプローチをすることができず、守備の狙いどころを定められなかったと思う。

ただ、後半のアーセナルの動きが停滞された状況ではアストン・ビラの守備が機能し始めたってのも前に書いた通り。動きが減り、前の人数を減らしたアーセナルは選択肢が少なくなった。結果として1人1人の保持時間が伸び、アストン・ビラにとっては守備の狙いどころが定めやすくなったと思う。この時点でアストン・ビラ本来の守備が見られた気がする。

この試合の相手のチェルシーはアーセナルほど組織でパスを回していくタイプではない。少なくともこの試合のチームは個の色が強く出ていた。結果としてアーセナルのように1タッチ2タッチでパスを回していくチームにはなり得ない。そして、それはアストン・ビラの守備が機能する下地を与えてたと思う。

アストン・ビラはアウェーにも関わらず立ち上がりから積極的に出てきた。格上(と思われる)のチェルシーに対して自陣で受けるっていう姿勢を見せなかった。敵陣深くから相手のボールを追い掛け回し、相手のビルドアップ時のミスを誘ったと思う。立ち上がりはチェルシーがペースに飲み込まれ、完全にアストン・ビラの狙い通りの展開が生まれたと思う。

要するに上にも書いたように高い位置で奪ってからのショートカウンター。立ち上がりの時間にアストン・ビラのCKがかなり多かったのが象徴的。ビルドアップ中に奪われて、バランスが崩れたブロックで受けざるを得なかったチェルシーはギリギリで逃げるシーンが多くなってたと思う。

そういう流れの中でのアストン・ビラの先制点。この場面はチェルシーがボールを奪った後すぐに、抜群の切り替えでアストン・ビラが奪い返したシーン。アストン・ビラは高い位置での守備を機能させるための切り替えの速さも素晴らしかった。このシーンでチェルシーの最終ラインはボールを奪った時点でマークを1度離してしまった。その後すぐに奪われたことで、掴みなおす時間がなかったと思う。アストン・ビラのアグボンラホールがボールを奪い返した場所が敵のペナルティーエリア前だったのがこの試合のアストン・ビラのよさを象徴してたと思う。ちなみに、2点目も敵陣内で相手ボールを奪ってからの流れだった。

この時間はこういうシーンに象徴されるようにチェルシーが自陣から抜け出すのにかなり苦労してた。敵陣に入るボールは苦し紛れのロングボールばかりだったように思う。だから、立ち上がりの多くの時間はチェルシー陣内で試合が進められてたような印象。アストン・ビラが奪う→一気に相手ゴールへ向かう→相手に奪われば切り替えで奪い返す、またはCKを得て跳ね返しを奪い合ええう、っていう展開の中でアストン・ビラが相手ゴールに迫るシーンがかなり多くなった。

ただ、先制点の前後の時間にはさすがにチェルシーもアストン・ビラのハイプレッシャーに慣れ始めた。とはいっても、思い通りのことはできなかったけど。それでも、意図のあるロングボールを放り込んだり、サイドを利用したりっていう中で徐々に自陣から抜け出す場面も目立っていったと思う。

それでも決定的なチャンスにつながらなかったのは、やっぱりアストン・ビラの守備のよさがあったからだと思う。前線で相手ボール保持者にプレッシャーをかけていくやり方は維持し、そこを抜け出されたときのブロックもしっかりと形成できてた。

前線でのプレッシャーが出し手へのケアだとすれば、後ろは受け手へのケア。後ろではチェルシーの受け手をしっかりと捕まえる対応をすることで、パスの入りどころを狙えてた印象。入る前に奪うシーンが多くなったし、入れられたとしても全く前を向かせずに後ろの戻させることに成功した。

チェルシーにとっては前半はこの作り直しがかなり痛かった気がする。1つ縦パスが入ることで相手のブロックを1枚押し下げられたのは確か。結果として組み立て役のエッシェンが浮く場面も作り出せた(基本的には相手のバリーがしっかりと対応してたけど)。そこからのボールの展開も多くなった。

ただ、アストン・ビラは1つ入られるとすぐに全体が戻ってブロックを形成する。前へ前への意識が高い中で前後のギャップが気になるところだけど、入られたときに自陣に密集地帯を作るのも速かった。Aコールの上がりに対してアグボンラホールが最後までついて対応するみたいに、前線の選手の後ろの対する守備意識の高さも目立ってたように思う。

そして、前半のチェルシーは組織を作った相手に対しての攻め手がなかった。というか、チェルシー自身の攻撃が1度スピードダウンしてしまうと、そこから再びリズムを変えることができなかった。前線の動きが少なく、個々が遠く、足元足元を狙う単調なパス回しをするうちに相手に奪われるシーンが多くなったと思う。

逆に言えば、スピードを緩めずに一気に攻めきたときにはそれなりに可能性を感じさせるやり方ができたと思う。ボールに対する動きが多く、それに伴って近さも生まれるから少ないタッチでパスを回せるシーンにつながる。ただ、実際には前半はほとんどこういうシーンがなかったわけだけど。

そういう意味ではチェルシーはスイッチの入れる(入れ直し)がうまくないのかもしれない。前に少し見たダービー戦でも同じような傾向が見られた。得点シーンは一気のスピードアップからの流れが見られたけど、それ以外は引ききった相手に対して単調なパス回しが多かった。相手がシステム的な合致を利用して見るところをはっきりしたことで、1つ縦に入っても下げてしまうっていう今回の試合と似たような状況も多かったと思う。

ちなみにチェルシーがリズムを落とさずに攻めきるシーンでは前線の流動性がキーになった。しっかりと受け手を見てるアストン・ビラの守備陣もポジションを動かされると、その受け渡しなんかの中でギャップが生まれる。そういう場所をつなぎながらの攻撃では可能性を感じさせた。

アーセナルもグルグルとポジションを変える中でアストン・ビラの守備の狙いどころを定めさせず、捕まえられなかった。この動きの多さはやっぱりアストン・ビラを崩しきるヒントになると思う。

チェルシーも後半は流動性(特にシェフチェンコ)を利用してゴールに迫るシーンを増やしたわけだけど、前半は単発に終わることが多かった気がする。例えばシェフチェンコが流れても、シェフチェンコが流れるだけ、もしくは縦のピサロとの入れ替え、横のカルーとの入れ替えなんかと2人の関係性が多くなった。結果として相手守備陣に大きな混乱をもたらす結果にはならなかった気がする。

対するアストン・ビラの攻撃は狙い通りに展開ができたんじゃないかと思う。立ち上がりのショートカウンターでゴールに迫るシーンが多くなったのはもちろんだけど、チェルシーがアストン・ビラ陣地に入ってくることが多くなってもアストン・ビラはチャンスを作り続けた。

そもそもアストン・ビラの攻撃はとにかく縦への意識が高い。高い位置で奪って一気にゴールに迫るのは当たり前として、自陣の深い位置で奪ったとしても一気に縦を狙う。基本的にゴールへのアプローチ以外で横だったり後ろだったりっていう選択肢はないといってもいい。ことごとく前線に蹴り出すボールが多くなる。

この前線への蹴り出しによってアストン・ビラは押し上げの時間を作れる。1度自陣に戻されても、再び前線でのいい守備の回復に持っていける。それに相手の波状攻撃を食らわないっていう意味もあると思う。前線へのボールが案外トップにつながるのもアストン・ビラの特徴だと思う。

こういう状況だからチェルシーは切り替え後の最初の守備が機能しない。ボールを奪った相手が少しでも保持してくれれば、そこに対しての守備が機能したはず。でも、アストン・ビラの前線への蹴り出しはチェルシーのその守備を許さなかった。だから、アストン・ビラとは対照的にチェルシーは切り替え後の守備で効果的に前線でボールを奪うっていうシーンは作れなかったように思う。

そもそも、この試合のチェルシーはどこに守備の勝負どころを置くかがはっきりしてなかったのも事実。立ち上がりを見ると、中盤のボールに対しての忠実なチェックとそれに対する周囲の囲い込みが見られた。ただ、アストン・ビラの攻撃はチェルシーの中盤での守備も許さなかったと思う。

その要因は単純な話。アストン・ビラの縦へ速い攻撃は中盤を簡単に通り過ぎてしまう。中盤で時間を使わないから、チェルシーの守備陣の1つ目のチェックとそれに対する連動が行われる前に、すでにボールは中盤にはない。

ちなみに、中盤にはないといっても全てトップに当てたっていうわけでもない。だから、正確にはチェルシーが狙った場所にはないって言った方がいいかもしれない。この点については縦場狩りではないアストン・ビラの攻撃の組み立てのよさが見えた点であるとも言えると思う。

これはアーセナル戦のときにも見られた点だった。1度トップに当てることで相手の真ん中への意識を強め、さらに深みを与えることで陣地を増やし、それから左右への効果的な展開を利用するってやり方。アストン・ビラはこういうやり方をはじめとして、場所を作るうまさと、その場所への展開力が目立つと思う。

今回の試合でも1つの形は真ん中に相手を集めて→サイドに展開→クロスからのフィニッシュ、っていうパターンが多くなった。上にも書いたとおり、ボールに対する意識が高いチェルシーの守備陣には、その集中を抜け出すとスペースがあるっていう状況が見られた。だからこそ、効果的な攻撃だったって言える。

特に効果的だったのがアグボンラホールへの展開。相手の中盤をボールに寄せたことで、アグボンラホールの周囲に場所を作り出すことができた。そして、そういう場所でボールを受けたアグボンラホールは積極的な仕掛けを見せる。人が足りてないチェルシーはその仕掛けに対してズルズル下がるだけで、勝負に行けないシーンが多かった。こういうアストン・ビラのやり方は立ち上がりは左サイドのヤングでも見られたけど、途中からはほとんどが右のアグボンラホールに預けることが多くなったと思う。

この一連の流れがチェルシーの守備の勝負どころが定まらなかった要因。中盤で奪いに行こうとするところを通り過ぎられ、抜け出されたところに1×1を作り出される。そういう場所での相手の仕掛けに対して勝負にいけず、結果全体がズルズルと下げられる。そうやって時間を作ってる間にアストン・ビラは後ろの選手も飛び出してくるから、ランパード(途中からバラック)だったりカルーだったりがかなり低い位置まで下げられるシーンが多くなった。

ここまでが前半の流れ。最初に書いたとおりやりたいことをやったアストン・ビラとやりたいことをやらせてもらえなかったチェルシーっていう構図が明確だと思う。だから、前半終了間際のPKは試合の流れを完全に変えた。ここまでの流れでチェルシーの巻き返しは難しいと思った。このシーンにしても前半のそれまでの流れを象徴してたと思う。1度ペースを落としたところで前線が詰まって動きがなくなってた。その中で偶々とれたPKだって言ってもいい。それでも、このPKは大きかった。PKで1点を返し、さらに相手が1人少なくなったチェルシーはかなり楽になった。

後半は1人少なくなったアストン・ビラは引きこもった。11人でもあれだけのハイペースを維持するのは難しいはずなのに、後半は1人少なくなったことで前線の守備を捨てたと言っていい。その代わりに自陣深くに4-4を形成するやり方に変更してきた。

こうやって前線への守備を捨てざるを得なくなったのはアストン・ビラにとって致命的だった。チェルシーの3点目につながったのはアレックスの攻撃参加。これは1トップになったことで後ろが余ったからだけど、前半から多かったのも事実だった。こういう最終ラインからの攻撃参加よりもむしろ、最終ラインがフリーでボールを持ち上がれた効果の方が大きかった。

最終ラインがかなり高い位置までボールを持ち上がれることになったことによって、前線が押し出される効果が生まれた。結果として前線の人数が増え、強制的に近い関係が生まれた。そして、エッシェンを含めた出し手がフリーになったことでいい形のボールが供給されることとなった。

こうやっていい形で前線にボールが供給されたことで前線の形も変わった。4-3-3的な形だった前半から4-4-2的な形になった。

<前半>                 <後半>
       シェバ             シェバ  ピサ
カル  ラン   ピサ  Jコ    カル   バラ    Jコ
      エッシェ              エッシェ

前半は前線にボールが入らない状況でピサロが中盤でプレーしてた。逆に基本はピサロのプレーエリアは中盤であって、後半は全体が押し出された結果ピサロがトップに出たっていう見方もできるわけだけど。ただ、守備時(特に前半)にはランパード(バラック)を1つ下げてダブルボランチ気味。基本は4-4-2とも見れた気がする。

前半はピサロは中盤に降りたFW的な役割。1つ下でくさびを受けたり、ロングボールに競ったり、2列目から飛び出したり。グジョンセン的なイメージだったかも。ピサロが適任かどうかはともかくとして、ランパードとかバラックを生かす上では面白い組み合わせだった。中盤で相手に背を向けてプレーし、そこからFWの位置に飛び出すっていうセカンドストライカー的な役割で2人との差別化をはかったと思う。

それに対して後半は完全に2トップの一角的な役割になった印象。前半のように中盤に降りてくるシーンはほとんど見られなかった。だから、2トップの軸的な役割になったって言える。結果としてシェフチェンコがセカンドストライカー的に働けることになったと思う。

前半もシェフチェンコが流れるシーンはあったけど、やっぱり1枚のCFっていう意識が強かったように感じる。だから、思い切って動き回るシーンは作り出せなかった。それが後半は2トップ的な形になったことで、前線をピサロに任せて思い切って動けるようになった。

そして、ポジションを変えることがアストン・ビラの守備を崩す1つのヒントであることは上にも書いたとおり。後半はシェフチェンコが中盤の位置でかなりフリーになった。同点ゴールもそういうシーンからだったし。しかも、中盤で1度ボールを触って展開し、そこから一気に前線に出てくっていうやり方でチームに動きを作り出した。シェフチェンコとしても前を向けて動くシーンが多くなった印象。

このシェフチェンコの動きをはじめとしてチーム全体に動きが生まれた。シェフチェンコとバラックの上下の入れ替え、さらに最終ラインがスタートとなれたことによってエッシェンの攻撃参加も増えた。前線でボールを回せる状況でのSBの攻撃も活性化して、前線の動きと厚みが増した。

こういうチェルシーの攻撃陣をアストン・ビラの攻撃陣は捕まえ切れなかった。前でのチェイスが弱まって、コースを限定できなかったのも痛かった。結果として出し手にも受け手にも効果的に対応できなくなった。結果、完全にチェルシーが主導権を握る展開が生まれた。

だから、3点目が生まれたときには完全に試合が決まったと思った。アストン・ビラには反撃の手立てが残っていなかったし、それまでの後半の流れの中で可能性は感じさせなかった。にも関わらず、FKからのワンチャンスを生かして同点。GKとDFの間にボールを入れる教科書どおりの展開だった。

その後、フェレイラの退場から4-4の流れまで動きの多い試合になった。ただ、どちらにとっても勝ち点2を落としたイメージが強かったんじゃないかって気がする。アストン・ビラの方からしてみれば前半の退場が痛かった。チェルシーの方からすれば2度の同点ゴールは必要ない失点だった。

主力に怪我人続出のチェルシーのサッカーは悪い状態は脱したように見えた。前半は個々の距離の遠さとか動きの少なさによって個の分断が目立ったものの、ドログバ任せの状態よりはよっぽどマシ。流れを止めずに一気に攻めきった前半の攻撃、後半の流れの中には近い関係でのいい流れが見られた。しかも、その流れの中ではシェフチェンコだったりバラックだったりが目立ってたのが象徴的だった気がする。
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