ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-12-30 Sun 04:14
フロンターレ×アントラーズ
準決勝のもう1試合 ガンバ×サンフレッチェ
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-260.html

<フロンターレ:3-5-2>
FW:ジュニーニョ-鄭
MF:マギヌン、村上-中村-河村-森
DF:伊藤-寺田-箕輪
GK:川島

<アントラーズ:4-4-2>
FW:田代-マルキーニョス
MF:本山-青木-小笠原-野沢
DF:新井場-大岩-岩政-内田
GK:曽ヶ端

どちらが主導権を握ってもおかしくなかった試合だったと思う。それは両チームの攻守のベースにある考え方に類似点があったから。攻撃面の連動性と守備面での1つ1つの忠実なチェック。そして、立ち上がりの時間帯はどちらも自分たちのやり方をやろうとしてた。

アントラーズの攻撃は前線の変則4トップに1枚下の小笠原、オーバーラップしてきたSBが絡む形。前に人数を入れ、さらにポジションを回しながら近い関係を作り、局面を打開していくやり方を狙いとしている。トップの場所、サイドへの出入りの激しさの中で相手の守備にギャップを作り出すアプローチ。

対するフロンターレの攻撃は縦のポジションチェンジが活発。フロンターレの試合は今シーズンいくつか見たけど、縦のポジションチェンジっていう面でのフロンターレらしさが見られたのは久々だった気がする。トップ下的なトップ下の大橋を入れたときにはそれはそれでよさも出るけど、やっぱりトップ下のマギヌンがフロンターレらしさを生み出す要因になってる気がする。来シーズンはどうするのか見もの。

とにかく、この試合のフロンターレは縦のポジションチェンジが活発だった。ジュニーニョと鄭の2トップは全くトップの位置にこだわらずにどんどんと中盤に下りてくる。これに対して入れ替わりでマギヌンが出て行くのが1つのパターンだけど、中村とかWBの2枚を中心にしたダイナミックな縦の入れ替えも見られた。

アントラーズとフロンターレではのポジションチェンジとは性格が違うけど、前線に動きをもたらしながらアプローチをするっていう点では類似しているといっていい。しかも、その動きが局所に留まらずダイナミックなのが特徴的。前線が詰まったガンバの試合を見た後だけに余計に目に付いた。

対する守備面にも類似点がある。どちらも切り替えで厳しく当たり、後ろの組織を作るところが守備のスタート。そうやって組織を作っておいてから、相手のボールに対してのアプローチを開始する。特にブロック内に入ってくるボールに対しては1つ1つ忠実に厳しいチェックをするのが共通点。そうやって相手の攻撃をスムーズには行わせない狙いを持ってる。

同時にブロックのバランスが大きく崩れないっていうメリットがある。1つ1つの入りどころに対してしっかりとチェックをしていくから、簡単には深い場所まで持ち込まれない。もちろん、最後のブロック作りの速さとか堅さはあるものの、あくまでも守備の勝負どころは1つ前に置いてる印象。両チームとも中盤のチェックで奪い、そこから一気にカウンターで攻めきる意図が見られた。

こんな感じで攻守のベースにある考え方が似てる両チームだから、どちらが主導権を握ってもよかったってのは上にも書いたとおり。ただ、結果として主導権を握ることになったのはフロンターレであって、そこにはある程度の必然性があったように感じた。

ここまでの両チームの比較であえて挙げていないことが1つある。それが守備の最も根本にある部分。フロンターレは3-5-2システムの中で相手の人の存在を念頭に置いた守備をするのに対して、アントラーズは4-4-2でゾーン寄りの守備。この180°異なる両チームの守備の考え方が試合の流れの決定の最初の一因になってたと思う。

ここまでをまとめると、攻撃は流動的で守備はどちらも1つ1つのチェックをベースにしてる。これに両チームの根本的な守備のやり方を併せて考えてみるとフロンターレの優位性が見られる。

流動的な相手の動きに対してフロンターレは基本的に受け渡しをしない。見るべき選手がついてしっかりと見る。対して、ゾーン寄りのアントラーズは受け渡しをする。フロンターレの2トップが中盤に降りてきたときにはCBはある程度まではついて行くけど、最終的には中盤の選手に任せることになる。

このやり方のどちらが両チームの守備のベースとなる1つ1つのチェックをしやすいかって問題。フロンターレは見るべきところがはっきりとしてるから、そのまま入ったところにチェックに行ける。むしろ、入りどころを狙うことも可能になる。アントラーズは受け渡しをするから微妙にズレが生じる。個々のチェックの意識はあっても、フロンターレと比べると1つ寄せが遅くなる。これは中途半端な位置に入られるとマークがあいまいになってしまうだけに仕方がない部分。

特に1つ下に下りてくるジュニーニョと鄭は最後まで捕まえきれてなかったと思う。後で書くけど、後半は1つ下がった位置からの2トップの個の仕掛けにかなり冷や冷やさせられた。それに前半には村上の飛び出しで決定的なシーンも作られた。 アントラーズの守備陣はフロンターレの上下の動きに対して、かなり手を焼いてた気がする。

この部分において微妙に差が生まれた。要するにどちらが守備のスイッチを入れやすく、はっきりした守備ができるかってこと。その中で立ち上がりに狙い通りに中盤でのインターセプトが多くなったのはフロンターレだったと思う。そして、このフロンターレの中盤での引っ掛けが両チームの主導権争いにさらに大きな影響を及ぼした。

フロンターレの攻撃は縦への意図が強い。奪ったらまずトップに当てる。ここまで書いてきたとおり、ジュニーニョも鄭もボールを引き出しに下がってくるシーンが多いのは、切り替えの場面でも同じ。1つボールを受けることによって前線の起点になることが多い。

そして基本的なフロンターレの狙いは前の3人でできるならやっちゃってってイメージ。マギヌン、ジュニーニョ、鄭の3人でフィニッシュまで行こうとするのがファーストチョイスだと思う。ただし、3人で攻めきれるほどアントラーズの守備も甘くない。だから、前に当てた時点では最低限前線に起点を作ることが求められる。

そうやって前線に起点を作っておいて、後ろから選手が飛び出してくるのがフロンターレの守備後の切り替え。このときにフロンターレの後ろの飛び出しに引っ張られて、アントラーズの中盤が下がってくる。ボールが自分の背後にあるのに頑なに前に残ってても仕方ないわけだから、これは正しい選択。ただ、結果として守備のブロックがかなり低い位置まで押し下げられる状況が生まれると思う。

そういう低い位置で奪ったアントラーズの選択肢はトップへの1発のパスだった。特に前半は前線に蹴りだすだけのシーンが多くなった印象。2トップがはがれて前で流動性をどうこうなんて状況は作り出せなかった。同時に1発のパスに対する跳ね返しの力は圧倒的に強いフロンターレの最終ライン。結果として1発のパスは攻撃のチャンスにつながらず、アントラーズは守備ブロックを一気に押し上げることができなくなったと思う。そうやって徐々にフロンターレが陣地を増やしていった。

フロンターレの陣地増やしにはもう1つのアプローチがあった。それも前の3枚にまず当てたところがスタート。これによってアントラーズの意識は真ん中に凝縮される。だから、必然的にサイドに対するケアが甘くなっていったと思う。そういう流れの中でフロンターレの両WBがかなり攻撃的な姿勢を見せ始めた。特に右サイドの森の個の仕掛けはかなり効果的だったと思う。押し込まれたアントラーズの両SBはなかなか攻撃に出て行けなくなった印象。システム的にサイドが不利なフロンターレがサイドの主導権を握るっていう面白い展開が生まれた。

ちなみにフロンターレは守備時にもブロックを作った時点でサイドの攻防に対するアプローチはしてた。フロンターレの守備の形といえば、これまで何度か取り上げてきた5-2-3がすぐに思い浮かぶ。前線の3はマギヌンが1つ押し出されることでフィルターを作るわけだけど、この試合に関してはマギヌンの守備面での仕事はいつもよりも多かったと思う。

1つはアントラーズの最終ラインがボールを持ってるときにボランチ(小笠原とやりあうシーンが見られた)への対応。もう1つは相手のSB、特に内田の攻撃参加の蓋になることだった。守備時に左サイドに入ったマギヌンは内田に対してけん制をする。それでも内田が攻撃に出てくれば、しっかりとついて後ろの守備を助けるシーンが目立った印象。

さらに、このサイドの攻防についてはアントラーズの守備のジレンマもあったと思う。フロンターレの陣地を増やすアプローチによってアントラーズは多くの選手が自陣に押し下げられた。逆にフロンターレは最終ラインがハーフェイライン付近までボールを持ち上がれる状況が生まれた。

要するにフロンターレは中盤以前が敵陣に押し出されてる状況。その中で攻撃のアプローチにはいくつかの選択肢があった。大きく分けると外を使うか中を使うかってことなわけだけど。1つは両サイドをワイドに使った展開。最終ラインでのパス回しに1つ前のWGを参加させながら、横幅一杯を使ったアプローチが見られた。もう1つは中盤に降りてくるトップを利用して真ん中の最短寄りを進むやり方だった。

アントラーズとしてはかなりやりにくい。相手のWBのケアに行くと横の間延びが起こって真ん中が空いてしまう。真ん中の場所ではジュニーニョ、鄭が下がって受ける。アントラーズは最後までそこを完全に捕まえ切れなかったのは上にも書いたとおり。さらに、1つ降りた中盤の位置からの仕掛けも脅威だった。

だからと言って、真ん中を固めると今度は両サイドが空いてくる。中盤が中に絞ればフロンターレのSB×アントラーズのSBの関係になり、3-5-2×4-4-2のシステム上のサイドの枚数は関係なくなる。むしろ、アントラーズのSBのケアが行き届かない場所でボールを受けて仕掛けてくるフロンターレのWBの方が主導権を握ることになる。

で、結局アントラーズは真ん中を固めることに重点を置くことにした。幸いなことに前半のフロンターレの真ん中の攻撃にはあまり怖さがなかった。マギヌンが目立たなかったし、中村も自重気味。2トップの2人に注意しとけば、大きな問題は起きないような状況だったと思う。

サイドに関してはある程度捨てた側面がある。相手WBの攻撃参加も許した。その代わり、そこから上がってくるクロスは跳ね返すことでピンチを逃れてたと思う。フロンターレと同じく最後の跳ね返し力のあるアントラーズならではかもしれない。それにフロンターレはサイドで主導権を握っても、2トップが中盤に降りちゃってて中の枚数が足りてないってシーンが多かった。

ちなみにフロンターレはカウンターだけのチームではない。ここまで書いてきたことからだと、中盤で引っ掛けてトップに当ててそこからアプローチっていうイメージが強すぎるけど。上に書いた後ろでの左右の展開を含めた遅攻のよさも持ってる。

その中でこの試合ではサイドを変えるうまさが目立ってたと思う。そもそもフロンターレの攻撃はしっかりと組み立ててるときでも前線の動きが活発。トップの中盤降りを利用した出入りの激しさ、さらに後ろからの飛び出しが見られる。

基本はそういう飛び出し、トップの引き出しを利用しながら縦へ縦への意識が強いやり方。これは速攻時に限らないし、サイドでの森の縦への仕掛けも同じイメージだと思う。ただ、流れの中で前線の動きが停滞してしまう状況も生まれる。それはタイミングの問題であって、ある程度仕方ない部分。そうなったときに思い切ってサイドを変えるやり方が目立った。そうやって再び作り直す意図があるんだと思う。そうやって常に動きの中で組み立てていくのが印象的だった部分。

この試合のいい時間のフロンターレはセパハン的だった。セパハンが後半に勝負に出てくる3-5-2の形を思い出させた。相手の攻撃は要所要所でしっかりと押さえ、自分たちの攻撃は飛び出しをベースにし、実質的3バックで攻撃に特化した両WBを利用して幅を利用するっていう。

前半はこんな感じで完全なフロンターレペースで試合が進んだって言ってもいい。ただ、同時にzアントラーズも慌ててはいなかったはず。ブロックを押し下げられて、ボールも持たれたけど、ほとんど危ないシーンは作られなかった。村上のウラへの抜け出しは決定的だったけど、あれはアントラーズが完全に腹を決める前。最後で跳ね返すと決めてからはことごとく跳ね返していった。

これに対して、後半の最初に出てきたのはフロンターレだった。明らかに中村がプレーする場所が1つ高い場所になった印象。前半は低い位置で組み立てながらバランスを取ってた中村が後半は相手ゴール近くでプレーする時間が長くなった。

アントラーズも後半はやり方を変えてきた印象。前半はボールを奪ったらほとんどトップに放り込んでたけど、後半は奪った後にしっかりとつなぐ意識が強くなった。相手の切り替えでの守備を潜り抜けながら、うまくパスをつないで行った。これは中村が攻撃の意識を強くしたフロンターレの中盤の守備がややルーズになった側面もあると思う。

そのパス回しで時間を作れたことで、後ろからの飛び出しが活性化した印象。一気に後ろから押し上げていくシーンが目立った。結果、FWがはがれてた前半とは打って変わって前線に人数をかけられる状況が生まれた印象。その中でアントラーズ本来の前線の関係性も回復して行った。

次の守備を考えても切り替えでつなぐアントラーズのやり方は効果的だったと思う。上にも書いたとおり、前半はトップへの放り込みで押し上げの時間を作れなかった。対して後半はつなぐ意識を持ったことで守備ブロックの押し上げにも貢献した。それに、攻撃で前線に人数をかえられたことによって、前線での前に向けての守備も復活した印象。相手の最終ラインが前半ほど高い位置を取れなくなったのが1つの指標となってた気がする。

ちなみにアントラーズは1発で距離を稼がなければならない状況(相手の切り替えの守備がいいとか)でも工夫をしてきた。前半は田代の高さを頼って相手の最終ラインとの高さ勝負に出たけど、それは効果的でなかった。だから、後半はマルキーニョス(本山、野沢含めて)の引き出しの動きで勝負した印象。ボールを奪ったところから斜めに逆サイドのスペースに放り込むシーンが多くなったと思う。相手のWBウラを狙い、スピードとか動きで勝負する意識が強くなってたと思う。

後半はフロンターレの中村の攻撃参加をきっかけに試合が動いき、それに伴ってアントラーズも前半のように守備に重点を置かずに攻めてきたってのがここまで書いた流れ。アントラーズがこうやって前に出ていたことはフロンターレの攻撃をも活性化させることになったと思う。

前半のアントラーズは自陣で守備をし(させられ)、サイドを捨てて真ん中を押さえてきたってのは上にも書いたとおり。この真ん中押さえには自陣に人数をかけたブロックをつくり、スペースを消すってのが1つの条件だった。狙いかどうかは分からないけど、前半のアントラーズは攻撃に人数をかけずに後ろのブロックを崩さなかった。結果、フロンターレの2トップはあまり目立たない存在だった。

後半はアントラーズが攻撃に出てきたことで、後ろのブロックは前半ほどきつくはなくなった。さらに中村が攻撃に参加してきたことで、フロンターレは真ん中にも厚みを加えることに成功したと思う。ジュニーニョと鄭のタッチ数も増えてたと思う。

そして、1つ下で受けた2人は個の力でゴールまで運んで行った。2人へのボールの入りどころを浮かせていたアントラーズは、前を向いた2人の攻撃力に常に晒されることになったと思う。だからと言って、そこに人数を凝縮させると今度はサイドが空いた。このサイド空きは前半とは性格が違う。サイドの選手がよりゴールに近い位置でボールを受けるシーンが多くなっただけに、前半のようにルーズにしておくわけには行かなかったと思う。そういう危険な展開の中でもアントラーズの守備陣は守りきった。

対するフロンターレの守備陣も最後の最後で守りきるシーンが多くなった。アントラーズが本来の流動性を復活させたこと、さらに味方が攻撃的に行ったことで前半の立ち上がりほど完璧に押さえられなくなってたと思う。特に弱点である3バック脇のスペースを突かれると、もろさを見せてた気がする。

結果として後半は攻め合いの展開になった。逆に言えば守り合いの展開になった。切り替えも速くて、両チームのボールの行き来がめまぐるしい展開になった印象。その中での本山のゴールだった。本山のシュート自体は素晴らしかったけど、あそこにボールが来たのは交通事故的。素晴らしい試合展開の中でのあっけない決勝点になった。

この得点後、アントラーズは野沢→ダニーロの交代で試合を落ち着けにかかる。シーズン当初、不用意なキープで攻撃の流れを分断してた印象が強かったダニーロ。でも、この場面ではキープ力が存分に生かされる。アントラーズとしては下手に攻め合い、守り合いの展開にする必要はないわけで。アントラーズの側が攻撃に1つ落ち着きをもたらすことで、試合全体の流れを停滞させに入ったと思う。最近しばしば見られるバルサのロナウジーニョ、五輪代表の家長と同じ役割。

でも、このダニーロが予想以上に守備をした。本山、小笠原の守備意識に負けるとも劣らない(はいいすぎか?)守備意識の高さを見せて、自陣深くまで戻ってくるシーンが目立った。本来ならば歓迎すべき事態なんだろうけど、アントラーズとしては狙い通りではなかったはず。前線のダニーロに当てて時間を作るはずが、前線にダニーロはいなかった。結果として跳ね返しても跳ね返しても相手に拾われる展開が生まれてしまった印象。

それでもシステムを4-3-3に変更し、それまで以上に後ろから飛び出して人数をかけてきたフロンターレの攻撃(しかも個の力が抜群)を跳ね返し続けたのはさすがというべきか。
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