ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-01-06 Sun 16:36
高校サッカー準決勝
【流経大柏×津工】
津工は何もできなかった。津工の試合を見るのは初めてだから何とも言えないけど、解説を聞く限りではショートパスをつなぐチーム。そのショートパスと個の突破を組み合わせる中で攻めて行くチームだと思う。そして、そういう攻撃のやり方はこれまで何度か書いてきた流経大柏の守備にとっては抜群に相性がいい形。

津工は深いところからでもしっかりとボールをつないで組み立てて行こうとする意図が見られた。それに対して流経大柏の1つ1つのチェックをしっかりとやってくる。最終ラインをハーフェイライン付近の超高い場所に設定して、敵陣の深いところから最初の守備を開始して行った。そうやって最前線からの忠実なチェックに対する次のよさがあるのは、これまでにも書いてきたとおり。前線の守備でしっかりと制限をして後ろの出足の速さを促進し、相手がつなごうとするボールの入りどころでことごとく奪う。奪えなくても距離を0にして相手に前を向かせず、そこに対してすかさず周囲が囲い込みに入る。

結果としてほとんどの時間は津工陣地で試合が進んでいった。しっかりとつなごうとする津工のパスはことごとく流経大柏の網に引っかかった。津工としては、つなごうとすればするほど相手にボールを奪われるジレンマに陥ったと思う。足元足元のパス回しは完全に狙われてたのに、その状況を続けてしまった。ウラへの一発のボールをもっともっと多用すべきだったと思う。基本的にほとんどプレッシャーがかからなかった流経大柏の最終ラインはラインを高い位置に保ち続けた。逆に言えば、トップの位置からのしっかりとした守備で流経大柏がロングボールを蹴らせなかったっていう側面もあったと思う。

この高い位置での守備は実際に得点にもつながった。点が入りすぎて何点目かは分からないけど、2得点は最前線で奪ったところから。ただ、流経大柏にとってはあまりにも守備が高い位置で機能しすぎたっていう贅沢な悩みもあった気がする。ボールはことごとく敵陣で奪うことができた。それは相手にしてみれば、全く押し上げの時間がないってことを意味する。だから、奪われたときには守備のブロックがそのままの形で維持されてることが多かった。だから、流経大柏は高い位置で奪っても相手のしっかりと作られたブロックを相手にしなければならなかった。

津工としても後ろのバランスをあまり崩したくなかったのも事実だったと思う。攻撃は2トップ+2OMFの4枚をベースとして行うことが多かったように思う。相手を深い位置まで押し込めば、そこにボランチが絡んだりすることもあるけど。基本は2+2の攻撃、4+2の守備のバランスはあまり崩さなかった。攻撃の時間があまり長くなかったこともあるけど、SBの攻撃参加なんかはほとんど見られなかった。攻撃の際にも大きくはバランスを崩さずに個の突破をベースに攻めきろうっていう意図が見られた気がする。

でも、ここまでも書いてきたようにほとんどは津工の陣地の中で試合が進んだ。津工は4+2の守備と2+2で攻撃どころではなくて、4-4が全員深い位置に釘付けにされてしまっていたと思う。

ただし、当たり前のことだけど津工としてはこういう状態は不本意だった。それを作り出したのは縦の意識が強い流経大柏の攻撃だった。相手が少しでもラインを押し上げようとすると、ウラのスペースに対して一発のボールを蹴り込んでいった。奪ったらまず縦ってのが流経大柏の本来のやり方であって、そのロングボール一発のプレッシャーが津工の守備陣にのしかかってたように感じる。

そういう意味ではこの試合でトップに入った久場は前線で言い動きをしてたと思う。止まって待っているだけではなくて、常に相手の最終ラインと駆け引きをしながら動き回ってた。そこに対してロングボールが出てくるとスピードがあるだけに、相手のマークを離してチャンスになるシーンも多かったと思う。昨日の試合では右サイド基本のプレーが見られたけど、今回の試合のようなトップの位置で常に動き出しを狙うやり方の方が相手にとっては脅威になるように感じた。組み立ての中でも久場の動きを中心として前線での流動性を高めながら、相手の最後のブロックにアプローチしていくやり方が多くなったと思う。

流経大柏はこういうトップへの縦パスをいつものように最初のアプローチにしていたし、実際に4y点目はそういうボールから生まれたと言っていい。でも、今回の試合に関してはそういうやり方にこだわらないバリエーション豊かな攻撃も見せてくれたと思う。自陣に入られたときには、まず縦一発で距離を稼ぐ。そうやって相手を押し込んでおいて、今度は自分たちのよさである高い位置での守備が見られてくる。そういう高い位置で奪ったときには、上にも書いたように相手がベタ引き状態で守備のバランスが崩れていなかったから、単純な縦一発では可能性が薄かったと思う。そういう中で高円宮杯の決勝でも見られたようなサイドへの展開が増えることになったと思う。

このサイドへの展開が効果的だった。津工の守備ブロックは真ん中に寄る。守備を重点的に行うSBは真ん中に絞ってきて、4バックで中を固めるようなやり方が見られた。だから、両サイドへの展開でボール保持者がある程度フリーになれる状況をもたらした印象。そこにSB、ボランチの攻撃参加を加えながらサイドで優位な状況を作り出した。

ただ、そうやってサイドで単純に進攻していくのがポイントだったわけではない。重要だったのはそうやって1度サイドに作った後の逆サイドへの大きな展開。相手は4バックの作り方を見ても分かるように、人数をかけたブロックの一体感をベースとする。だから、1つのサイドに作ると、津工のブロック全体がそのサイドに寄ることになる。そこからの大きな展開によって、完全に薄いサイドに入り込むことができた。相手の大外を有効に利用する攻撃が多かったと思う。実際に先制点は右サイドに相手ブロックを寄せ、真ん中を経由して左サイドの大前を使ったシーンだった。本来は最初にケアするべき大前が逆サイドからの展開を使ったことによって、一瞬フリーにすることができた。

このシーンでは真ん中で経由点になった田口(だと思う)も重要な役割を担ったと思う。この試合での流経大柏の前線は2トップか1トップか微妙なやり方を取っていた。久場は完全にトップの位置だったけど、田口は中盤かトップか微妙な場所でのプレーが多かった。FWにしてはゴール前に入るプレーが少なく(久場とも斜めっぽい関係)、トップ下としては中盤でのタッチが少ない。そういう中途半端な場所でプレーをしたことによって相手としてみればかなり捕まえ状況が生まれた。得点につながったシーンも、DFと中盤の間に完全に浮いてる存在だったと思う。

流経大柏はこういう左右への展開によって相手のブロックを左右に動かした。1つのサイドに相手を寄せてから逆サイドへ展開することによって、相手は再びブロックを動かす必要があるわけだから。さらに上下のアプローチも効果的に利用してたように感じた。何でもかんでも仕掛けていくのではなく、前線が詰まったら1度下に下げる。そこから再び展開するやり方が多かったように感じる。

津工の方としては守備の時間が長くなった上に上下左右にブロックを動かさなければならなくなった。前半はそれでも最後に人数をかけるブロックを形成して最後のところを跳ね返していたけど、後半になって完全に切れてしまったと思う。立て続けの失点シーンはマークもルーズで集中力が切れたとしかいいようがなかった。攻められ続ける内容の中で体力的にも精神的にもギリギリだったように感じる。

結果として沈黙を守っていた大前が4得点の大爆発。ここ2試合は左サイドを基本としたプレーが多かったけど、この試合の前半途中から本来の真ん中に戻してゴールの近くで仕事をする時間が長くなった。後半は相手の守備がルーズになったこともあって、決めるべきところをことごとく決めていったと思う。


【藤枝東×高川学園】
立ち上がりは高川の内容が悪すぎた。4-3-3の各ラインが攻守に渡る分断が起こってしまっていた。特に守備の分断がその悪い内容の要因になってしまっていたと思う。

その守備の分断はトップの守備意識があまり高くなかったことから生まれた。トップの3枚は前線に残しておくようなやり方の中で、守備がある程度免除されてたような印象を受けた。だから、簡単にトップの3を抜けられ、後ろの4-3に仕掛けられる状況が目立った気がする。

この後ろの4-3を考えたときに特に問題になったのが中盤の3だった。3-5-2システムの藤枝東の中盤5枚に対して、どう考えても人数が足りなくなってしまうのは明白だった。さらに、その中盤の選手はボールに寄せる意識を持っている。確かにそうやってボールに行ったところで奪えれば問題ない。でも、ピッチ全体をケアするには枚数が足りなさ過ぎて相手のボールに対しても距離が空きすぎてしまう状況が生まれてた。結果、中途半端な守備になってしまったと思う。

そういう中途半端な守備によってギャップばかりが目立って、中盤がスカスカ状況が生まれた。藤枝東の選手は相手が寄せてきたところでちょっとズラしてやれば、自分の前には完全にスペースが空いている状況が生まれてた。高川のDFだけがはがされて、守備の厚みを効果的に作れない状態に陥ってたと思う。

高川の守備がこういう状態だから、また藤枝東が圧倒的に中盤を支配する展開が生まれると思ってた。でも、実際にはそういう状況にはならなかったと思う。確かに押し込んではいたけど、ボールポゼッション率を圧倒的に高める三鷹戦のような展開は生まれなかった印象(サイドを広く使いながら、広いところ広いところを使うやり方は相変わらず見られたわけだけど)。

その要因は藤枝東がロングボールを多用したから。とりあえずロングボールで距離を稼いでおいて、それから相手のブロックにアプローチを始めるっていう高校サッカー的なやり方が増えた。それによって実際に相手を押し込むことに成功したわけだから、現実的なやり方だったって言える。

これが成功したのは相手の3ラインがバラバラな状況があったから。逆にロングボールを多用することによって相手のラインをバラバラにしたっていうこともあった。まず、前線の守備意識がそれほど高くないからロングボールの出し手はあまりプレッシャーがない状況でボールを供給できた。だから、トップに対してはそれなりの精度のボールが供給されたと思う。さらに、高川は後ろのDFと中盤の関係もはがれてる。だから、競り合いの後のボール藤枝東につながる可能性が高くなったと思う。それでも前との関係を築くためにラインを上げようとする最終ラインに対しては、ウラにロングボールを放り込むことで後ろへの意識を高くさせた。

ロングボールにしろスカスカの中盤を進攻していくやり方にしろ、藤枝東はかなり楽にボールを深い位置まで持っていくことができた。トップの引き出しの動きがよくて前線に起点を作れたのもよかったと思う。そうやって深い位置まで押し込まれれば、高川の中盤も後ろに戻らざるを得ない。それまでは分断していた関係が、今度は悪い意味で一体化してしまった。藤枝東はその相手のラストブロックを崩すことに重点を置いておけばよかったと思う。

そのラストブロックに対してはいい仕掛けができてた。得点シーンがよく表してるように、密集地帯でも質の高いプレーができる個の技術に加えて、ランニングの質もよかったと思う。さらに、後ろからの飛び出しも加えながら、攻撃の人数を増やし近い距離関係を作った。そういうやり方をベースに相手の密集地帯を細かく速いつなぎで打開していこうとする姿勢が見られたと思う。

こういう状況で前半は藤枝東が押し込む展開になった。高川の攻撃を考えると守備に押し込まれてしまった中盤以降とトップの間に大きな距離が開くことになってしまったと思う。そういう状況でトップにボールが出ても、フォローができない状況。3枚は残してるもののそれぞれの距離が遠くて、結局は個の力に頼るやり方になってしまったと思う。そして、そういう個の勝負は藤荏田東の守備陣の土俵だった。

これに対して高川は途中でシステムを変更した。トップの1枚を下げて4-4-2の形に。これによって枚数的には中盤のスカスカ状態は解消されたことになる。でも、実際には大きな変化は生まれなかった。守備ではシステムを変更しても、やり方自体がはっきりしなかった。どこからどういう守備をすべきか?ってことがあいまいだったと思う。結果として枚数だけが増えても、まだギャップが多く見られる状況だったと思う。逆に前線の枚数が1枚少なくなってしまったことで、それまで以上に攻撃のチャンスがなくなってしまったように思う。

これに対しては後半の高川は明らかに守備をはっきりしてきた。4-4-2の組織を作った上で最前線から守備をする意図が強くなったと思う。ここにはトップの選手も守備の一角として機能してたから、4-4-2の3ラインの関係もよくなった。しっかりとコンパクトな3ラインを形成できてた印象。

こういう守備の改善をベースにしながら、後半は高川のペースで試合が進んだと思う。高川の最前線からの守備のよって藤枝東は思ったような攻撃を仕掛けられなくなったし、前半多く見られたロングボールもほとんどなくなってしまった。それだけ、高川の前線のチェックが速かったって言えると思う。攻撃からの切り替えもよかったから、多くの時間で藤枝東陣内で試合が進むことになった。

この守備の改善によって高川は攻撃の形も作れるようになった。守備時に3ラインのバランスが大きく崩れずにいい関係を保ててるから、攻撃でも2トップがはがれるような状況が少なくなったと思う。中盤も効果的に絡ませながら厚みのある攻撃の組み立てができたと思う。そういう中でサイドに起点を作ったことによって、藤枝東のWBを押し込むことにも成功した。

そういう意味で後半は高川のペースで試合が進んだと言ってもいい。でも、実際にはほとんど決定的なチャンスを作れなかったと思う。その要因は高川の攻撃が最終的には個ベースになってしまったから。上にも書いたとおり、個ベースの攻守の1×1の対応関係は藤枝東の土俵。局面局面で個をつぶされ流れを分断されたことで、高川は畳み掛けるような攻撃をすることができなかった。1つ1つの守備の強さをベースとした藤枝東の守備の安定感が光った試合でもあったと思う。

これで決勝は流経大柏×藤枝東の対戦に。流経大柏は高円宮杯決勝と選手権の2試合(計3試合)、藤枝東はインターハイ県予選決勝と選手権の4試合(計5試合)。個人的に今シーズン何度も見たチーム同士の対戦になった。前にも書いたとおり、個をベースとする藤枝東と組織をベースとする流経大柏の対戦。時間があれば展望も書こうと思うけど、興味深い試合になるはず。
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