ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-03-01 Sat 18:49
ゼロックス:アントラーズ×サンフレッチェ
<アントラーズ:4-4-2>
FW:マルキーニョス-田代
MF:本山-野沢、青木-小笠原
DF:新井場-大岩-岩政-内田
GK:曽ヶ端

<サンフレッチェ:3-5-2>
FW:佐藤-平繁
MF:森崎浩-桑田、服部-青山-李
DF:槙野-ストヤノフ-森脇
GK:木寺

昨シーズンのアントラーズは攻守に渡って状況に応じた色々なやり方を選択できる強みが見られた。守備では高い位置からの積極的な守備、コンパクトな3ラインを形成した上で受ける形、さらにラストブロックで跳ね返す形。こういう守備のやり方と関連した攻撃はポゼッションと速攻。それぞれのやり方が高レベルで機能してたと思う。そのベースとなるのは個々の戦術理解とそれを体現する技術、そしてそういう個々の意識がチームにしっかりと還元させれるようになった昨シーズンの後半は本当に隙のないサッカーが展開できてた気がする。

今回の試合でアントラーズが選択してきたのは、守備では前線からの積極的な守備、攻撃ではポゼッション(遅攻)の考え方だった印象。天皇杯のときにも立ち上がりは、前線から相手を追い掛け回すようなやり方で入ったはずだから、そういう意味では同じようなイメージでの立ち上がりだったって言えるかもしれない。

そのアントラーズの守備のやり方。上にも書いたように前線からの積極的な追いかけが目立った。敵陣のかなり深い場所でボールを保持している相手最終ラインに対しても迷わずにプレッシャーをかけていくような積極性が見られた。結果としてサンフレッチェの選手はピッチ上のどの場所でも余裕が持てないっていうような状況に陥ってたと思う。

サンフレッチェの攻撃は奪ったらトップなりサイドなりにすぐに展開するような印象が強い。そういう展開をアントラーズの高い位置からの守備は全く許してくれなかった。結果としてサンフレッチェは高い位置で相手に奪われるか、意図の薄いボールを蹴りだしてやっぱり相手のボールになってしまうかのどちらかを選ぶような状態だったと思う。基本的には後者の方がまだマシなんだろうけど、今回の試合のサンフレッチェはつなぐ意識が強かったから、高い位置で奪い返されるってことも多かったと思う。

こうやってアントラーズの守備が高い位置で効果的に機能するためにはトップが深い位置まで追いかけていけば、それでいいってわけじゃないのは当たり前。トップの積極的な追いかけに対する2列目以降の連動性の高さも目立ってた。最初のスイッチが入った時点で、後ろの選手が次々のブロックから引っ張り出されてくるイメージ。そうやって次の場所を狙っていった。見た目としては全体が前へ前へと引っ張り出されていくような感じだった。

こういう部分を含めて、アントラーズの守備には最初の守備に対する連動性のよさが目立ったと思う。高い位置からの追いかけに対する次の狙いもそうだし、素早いチェックで相手を足止めしたときの囲い込みの速さも目立った。1つめの寄せに対して、2つめ3つめが素早く参加してくるってことが多かったと思う。サンフレッチェのボール保持者があっという間にアントラーズの複数枚に囲まれて、完全に孤立させられるシーンがかなり目立った印象。

どちらにしてもベースには最初の守備の積極性があるのは、こういうやり方の中では当然とされてる気がする。ボールに対してはサボらずに必ず意図のあるプレッシャーをかけていく。ここでは意図のあるってのが重要。一応のチェックではなく、そこで狙えるチェック、次を考えたチェックが全ての場所でかかる。結果として次の連動もしやすい気がする。

ただ、こうやって最前線から強度を高める守備だけにスタミナ的な問題が表れてくるのも事実。だからこそ、攻撃でのポゼッション(遅攻)っていうのが重要になるんだと思う。効果的な場所で奪えば一気に攻めきってしまうけど、そこで1度詰まったら無理をせずにポゼッションに入る。今回の試合でも立ち上がりの時間帯に最終ラインでパスを回す時間が長くなってた印象。

これにはアントラーズの事情だけではなくサンフレッチェの守備のやり方の要因もあったと思う。サンフレッチェの守備のやり方については後で詳しく書くけど、昨シーズンに見た2試合と同じように基本的な守備ブロックは自陣に引いて形成した。だから、アントラーズの最終ラインは必然的に浮く状況になってし、逆に言えば最終ラインはフリーにしても縦パスは入れさせませんよっていう守備の意図だったと思う。アントラーズとしても立ち上がりのまだ様子見の時間帯。無理やり相手の密集地帯にボールを入れる必要もない。だから、最終ラインでの様子見のパス回しが目立ったっていう側面もあった気がする。

それでも時間が進むごとにアントラーズが相手ブロックに対してアプローチを開始する。そのときにはまずサイドに起点を作ることが多かったと思う。これは天皇杯のときと同じ。そうやってサイドに作ってから、逆サイドに向かう。天皇杯のときのように一発でサイドを変えるパスはあまり見られなかったけど、アプローチの意図としては同じような感じだったと思う。1つのサイドに作り、真ん中の小笠原を経由して逆サイドへっていう展開が見られた。そうやって両サイドを使う過程の中で降りてきたマルキーニョスに縦パスを入れる。この縦パスによって相手のブロックを低い位置に押し下げ、釘付けにするっていう効果があったと思う。

時間とともに左右の展開と機を見た縦パスでサンフレッチェのブロックを押し込み出したアントラーズ。でも、この時点ではトップから中盤の流動性はそれほどでもなかったし、SBも高い位置に入り込むというよりは組み立てでの役割を担うっていう意図の方が強かった。それでも様子見の時間帯は終って、そろそろ仕掛けようかっていう雰囲気は見られ始めたと思うわけだけど。でも、岩政の退場によってその雰囲気が実現されることはなかった。

この岩政の退場に対してアントラーズは交代なしで対処する。ボランチに入った青木がCBに入り、マルキーニョスを1つ下げて4-4-1に。さらに立ち上がりから見られた前線での積極的な守備を中止。コンパクトな3ライン(と言っても実質4-4の2ライン)で受ける形へと移行した。それまでは全体を前に引っ張り出すイメージの守備だったのが、岩政退場後は後ろに引き付けるっていう180°異なるやり方で対処。最初に書いた臨機応変性が存分に発揮された気がする。

ちなみに天皇杯のときも立ち上がりは前線から積極的に守備をし、今回と同じぐらいの時間帯でコンパクトな3ラインで受ける守備へと移行した。ただ、そのきっかけは全く違う。前回は得点、今回は退場。天皇杯のときにはコンパクト3ラインで相手に縦パスを入れることすら許さなかったけど、今回はそれほど完璧なやり方を貫くのは不可能だったと思う。

まず、最前線が数的に足りない。サンフレッチェは天皇杯と同じ最終ラインのパス回しでも、3バックを1CB+2SBみたいな形に広げるやり方を取ってきた。これはアントラーズが1トップだったから。2トップで守備をされたら、あれだけ両翼を広げるのは難しかったと思う。サンフレッチェの真ん中が攻撃力(=足元の技術)もあるストヤノフってことも要因の1つだったとは思うけど。とにかく、サンフレッチェは攻撃のスタートの時点で天皇杯の時にはなかった幅を利用できた。それにパス回しに深みを与えることにも成功したと思う。

こんな感じで攻撃のスタートのところで幅を使うサンフレッチェに対して、アントラーズはブロックを左右に動かされる問題が生まれた。2トップなら後ろは安定させておいて、前の関係でそういうスタートにアプローチをかけることもできるんだろうけど、今回は直接的に中盤に揺さぶりをかけられるような状況になってしまったと思う。加えて、アントラーズのブロックが下がったことでサンフレッチェの両WBが高い位置を取ることができた。この場所はサンフレッチェの攻撃の起点になる場所だから、アントラーズとしても意識を向けざるを得なかったと思う。

つまり、アントラーズの守備ブロックが物理的にも心理的にも横に揺さぶられたことになる。結果として真ん中が空いてくる効果が生まれたと思う。結果としてサンフレッチェは真ん中→真ん中を直接的に狙うようなパスが結構、収まるようになってた。これは真ん中の出し手も受け手も浮いてることによる。

まずは出し手の方。サンフレッチェは最終ライン前に青山と下がってきた森崎がいることが多かった。2人がいるから、アントラーズは田代1人で見るのは難しい。だからと言って、中盤が引っ張り出されたら4-4-1にした意味合いがなくなる。アントラーズの方もそういう出し手のところは仕方ないとあきらめてたかもしれない。

その代わりに4-4の関係性で受け手の方は抑えようっていう意識はあったはず。でも、サンフレッチェのやり方によって上に書いたように物理的、心理的に横に揺さぶられたアントラーズ。フィルターとなるべき中盤が横に間延びするような形になってしまって、真ん中が締め切れなくなってた。この辺は青木が1つ下がったことで、小笠原&本山っていうWボランチの組み合わせになったのも影響してたと思う。

とにかく、サンフレッチェとしては真ん中の場所で出し手も受け手も浮くこととなった。最前線から4-4の間に降りてきた平繁にボールが収るシーンが明らかに多くなった。そうやって真ん中に1度起点を作ってアントラーズのブロックを今度は中に寄せ、そうしてからサイドに展開っていう効果的なやり方もいくつか見られた気がする。サンフレッチェとしては思惑通りに行きかけた。

でも、それをずっと許してくれるほどにアントラーズは甘くはなかった。平繁に2つ3つ効果的なボールが収まった時点で、アントラーズは簡単に入れさせすぎな状況に気づいたと思う。そして、あっさりと修正を加えてきた。結果として、平繁は岩政退場後の数プレーで目立っただけで、後は完全に消え去ってしまった印象。

そのアントラーズの修正は真ん中に起点を作られたくないなら、真ん中を固めればいいじゃんっていうかなりシンプルなものだった。逆に言えば、サイドでの守備にあまり重点を置かなくなったって言える。もっと言えばサイドは捨てたといってもいい。サイドである程度作られても、どうせ最後は真ん中で跳ね返せばいいっていうような割り切ったやり方だったと思う。

結果としてサンフレッチェの揺さぶりは通用しなくなる。3バックを広げてパスを回しても、アントラーズの中盤は釣り出せない。もっと言えば、その1つ前のWBも完全に浮いてるっていう場面が目立ってた。さすがにアントラーズも高い位置でサンフレッチェのWBに入れば、そのまま放っておくってことはなかったけど、入るまではフリーでもほとんど意識を向けてなかった印象。

だから、サンフレッチェはサイドを利用しながら攻撃に深みを与えること自体は可能だった。でも、深みを与えられるだけだった。最後のアプローチは全く許してもらえなかったと思う。アントラーズはサンフレッチェに決定的なチャンスを作らせずに、ことごとく跳ね返し続けた。そうやってボールを奪ってからはトップに当てて一気に出てくっていう形が多くなったと思う。

サンフレッチェはボールを持てても決定的なチャンスにつなげられない。アントラーズはカウンター頼みになったけど、前線に1枚残しじゃさすがにきつい。11人×10人の時間帯はある意味では膠着状態だったって言える。そして、この膠着状態を抜け出したのはサンフレッチェの李が退場してからだった。

CBが退場したアントラーズとWBが退場したサンフレッチェ。一般的に言えば、アントラーズのがつらそうな気がする。でも、退場の影響をより受けたのは実はサンフレッチェの方だったってのが素直な感想。最終的にはPKで勝ったサンフレッチェだけど、李が退場したことによって生まれたギャップは最後まで埋めきれてなかった気がする。

アントラーズの方は岩政の退場に対して4-4-1で何の問題もなかった。前線からの守備が消えたこと、守備に重点を置いて攻撃ができなかったっていう影響は多大だったように見えるけど、これは岩政が退場したからではなくて、相手の方が1人多かったから。実際に人数が同じになってからは、どちらの問題も解消してるわけで。攻撃は変則4トップ+小笠原+SBで行うアントラーズ。相手と人数が同じになれば、普段どおりにできるだけの人材は残ってた。

対するサンフレッチェ。まず、上にも書いたようにサンフレッチェの攻撃の起点はWBに置かれる。特に今回の試合では、10人になった後のアントラーズが真ん中を固めたことで攻撃でのタッチ数が増えてたわけで、その重要度はさらに高まってた気がする。つまり、攻撃ではただ単に1人少なくなったっていう数的な問題以上の影響があったと思う。

ただし、こういう攻撃面よりは守備面に与える影響の方がもっと大きかったように感じた。その守備面への影響を見るために、11人×11人のサンフレッチェの守備について見てみたいと思う。まず、上にも書いたようにサンフレッチェの守備は自陣に全員を引かせたところから開始。相手の最終ラインは自由にしといて、自陣に相手が入り込んできたところで守備を開始するっていう受身の考え方だと思う。

そのサンフレッチェの守備はどこが勝負どころだかイマイチ分からないってのを天皇杯のときに書いた。今回の試合を見ても、そんなイメージだったと思う。自陣に入ってきたボールに対しては、最低1枚が忠実に対応してる。下では人をしっかりと捕まえて対応できてる。でも、どこでも最低限仕事をさせないような守備でボールを奪うってことが意識されてないような気がする。結果としてボールが取れるのかどうかは相手任せになってしまう部分が大きい。ミスをするとか、シュートを打ってくれるとか。最後のブロックに人数をかけるっていう感じでもないから、跳ね返し力があるってわけでもないと思う。

天皇杯と比べてよくなったところをあえて挙げるとすれば、局面での対応の部分。1つ1つのボールへの寄せ、低い位置で人を見てる選手の対応が天皇杯のときより厳しくなった気がする。だから、今回の試合ではそういう個々の器量で守備の勝負どころが決まってたって言ってもいいかもしれない。でも、それに伴ってファールが増えたのも事実だし、チームとして見るとやっぱり問題がある気がする。守備がベースになるJ2だとどうか?明らかに力差がある(メンバー的に)だけに、攻めて攻めて攻めまくる考え方でもいいかもしれないけど。

そういう守備のベースのなるやり方の中で、ちょっと注目だったのは相手のサイドに対する対応。この場所は3-5-2×4-4-2で構造上、数的に不利になる場所だから。天皇杯でも相手の左右の展開に対してやられっぱなしだったわけで、そこをどう見るかが1つのポイントになったと思う。そういうサイドへの対応について見て行きたい。

この対応についてはある意味では普通だった。ボールサイドのWBが引っ張り出され、逆サイドが下がるっていうやり方。アントラーズのSBがボールを持ったときに同サイドのWBが寄せに行く。対して、逆サイドのWBは下がって最終ラインに入る。結果として最終ラインは実質的に4バックになるわけで、ボールと同サイドの数的不利は解消されることとなる。

こういうやり方はあくまでも応急処置的なのは事実。なぜならば逆サイドの問題は何も解決されてないわけだから。今回の試合に関して言えば、アントラーズが天皇杯のときのように大きな展開をあまり利用しなかったこと、立ち上がりの時間はSBがそれほど積極的に出てこなかったことで大きな問題にはつながらなかったわけだけど。それでも逆サイドに展開されるときにはFWが助けに行くシーンが見られた。

でも、こういうサイドへの対応はあくまでもバランスのいいブロックが構築されてるときに限る。例えば、アントラーズが徐々に押し込んでいった時間にはサンフレッチェの最終ラインは5バックになってしまうことが多かった。こうなると後ろから出てくる相手SBに対してWBが対応するのは難しい状況になってしまう。

そうなったときにサイドの守備を助けてたのがトップ下に入った森崎と桑田。実際には青山が守備の軸と置いた3ボランチ気味とも捉えられる形だったけど。その守備の軸の青山が引っ張り出されないように、前の2枚が相手SBに対応するやり方が見られた。要するに相手に押し込まれたときのサイドの対応はOMFとWGが協力してやるってことで、ここがポイントになる。

じゃあ、李が退場したサンフレッチェはどうしたかって話。とりあえず前半のうちは桑田を右サイドに出して3-4-2みたいな形にした。つまり、それまで押し込まれてたときにサイドの守備を助けてた場所の選手がいなくなったことを意味する。森崎はボランチに入ったような形になってしまったし。

そして、アントラーズはここぞとばかりに攻撃に出てきた。要するにサンフレッチェにとっては、まさに押し込まれた状況に陥った。しかも、立ち上がりは自重気味だったアントラーズのSBの攻撃参加が活性化。サンフレッチェとしてはこれによってサイドでの数的不利が明らかになって、アントラーズの方に浮いてる選手が現れ始めた。オフサイドでノーゴールになったシーンも、新井場がフリーで抜け出してきたシーンだったし。

とにかく、10人×10人になった後のアントラーズはまたしてもやり方を変更した。前半は時間が少なかったこともあって(しかも、相手が混乱気味だって事もあって)、一気に攻勢に出たと思う。守備も立ち上がりのように最前線からの追い掛け回しと、それに対する2列目以降の連動が見られるような形だったし、攻撃では両SBの攻撃参加も活発化したように前にかける人数が明らかに増えた。

この傾向は後半の立ち上がりとともにもっとはっきりする。後半のアントラーズはシステムを4-3-2にしてきたと思う。守備面を考えれば、再び最前線からの守備が効きやすい形。単純にトップの場所の人数が1人増えたっていうだけでも大きな影響をもたらした。実際に2点目は高い位置からの積極的な守備から生まれてるし、それ以外にもそういう守備からのチャンスが目立ったと思う。

攻撃においては相手のサイドを突くっていうことを再確認したイメージ。SBの活発な攻撃参加を継続させた上で、この試合では初めてサイドの出入りっていうアントラーズらしさが見られてきた。トップ、2列目の選手がサイドに流れていくっていう動きが目立ってたと思う。

こういうサイドからの攻撃に対してサンフレッチェは押し込まれる流れに。アントラーズはここぞとばかりに小笠原、本山を含めて前線の厚みを一気に増す。相手が苦し紛れに跳ね返したボールを拾いまくっての2次、3次攻撃が効果的に機能した。相手がしっかり奪ったとしても、そこにはすぐにアントラーズの前線からの効くわけで。

そういうわけで後半の立ち上がりは完全にアントラーズが敵陣内でプレーする時間帯だった。そして、あっさりと先制点、追加点を奪う。行くと決めたときの決定力は素晴らしかった気がする。そして、この2点後は前線での守備の勢いを弱めて後ろに引き付け、攻撃でも人数をあまりかけないようになってきた。さらに中盤の守備の安定のために中後を投入してアントラーズとしては、完全な逃げ切りパターンだったと思う。

対するサンフレッチェ。後半開始とともに桑田に変えて高萩を投入。李が退場した後の前半の混乱を鎮めにかかった。まず、守備時の形は4-3-2になったと思う。左の服部をSB的な場所において、右には森脇をそのまま押し出してた印象。中盤は青山を軸に左右に森崎と高萩を置く形だった。

だから、ある意味では11人時に押し込まれた5-3-2の形から最終ラインを1人減らしたようなイメージ。相手のサイドに対してはボールサイドのMFとSBが対応し、逆サイドのMFが真ん中に絞るような形が見られた。この逆サイドが真ん中を絞るやり方によって、当然のように逆サイドの人数は薄い状況に。アントラーズのサイドチェンジに振り回される状況が目立ったと思う。実際に1点目はそういう流れからだったし。

ただ、2失点目以降は守備の問題がどうこうなんて言ってる場合じゃなかった。幸いなことにアントラーズが攻撃への意識を弱めてくれたから、後ろを気にせずに攻撃に出て行けるような下地もあったと思う。久保の投入、ユキッチの投入(特にユキッチは青山に代えて)で前線を活性化して、得点に出て行く意識を浸透させたと思う。

メンバー交代以外でも例えば守備のブロックの作り方に変化が見られた。一貫して自陣に全員を戻す守備ブロックを作ってたサンフレッチェだったけど、2点目を取られたからは2つぐらい守備ブロックを高い位置に上げたと思う。2トップが敵陣の真ん中あたりにポジショニングするやり方が見られた。

これはいい考え方だった気がする。全体のブロックが前に押し出されたことで、アントラーズの最終ラインにそれまでほどの余裕がもたらされなかった。結果としてアントラーズは時間をつぶしたり、チーム全体を休ませるようなボール保持が難しくなってた印象。立ち上がりから積極的にやったアントラーズ。それじゃなくても10人で長い時間を戦ったわけで、ここで休めないのは痛かった。実際に2点目のシーンではほとんど前線の選手が帰ってこれなかった。

対して、この2点目のシーンはサンフレッチェの前への意識を感じさせた。カウンターの流れにも関わらず、後ろから次々に選手が飛び出して来たのが印象的。最終的にエリア内に3人が入ってた気がする。相手の前線の守備を抜け出してからは、相手の最終ラインに対して多くの人数で仕掛けられる下地ができてた。

この2点目のシーンはともかくとして、全体としてみればアントラーズの逃げ切り濃厚の展開だった。サンフレッチェの前へ前への圧力は確かにあったけど、ちょっと空回り気味。人は前に行っても効果的にボールが供給されない展開だった。それにアントラーズのラストブロックの安定感もあるわけで、得点が期待できる状況ではなかったと思う。PKのシーンにしてもサンフレッチェが前に人数をかけてたのと同じようにアントラーズもしっかりと最後を締めてた普通に危険なシーンにつながる状況ではなかったと思う。PKは交通事故。

そういうわけでアントラーズとしては罰ゲーム的な試合展開になった。タイトルが取れなかったのはもちろん、過密日程が控えてるのに、10人で長い時間を戦うこととなり、その上CBの2枚が開幕戦に出場停止。伊野波を獲得しといてよかったねって話。青木、中後、伊野波でCB2枚とボランチを組み合わせることになるか。

対するサンフレッチェは2点を追いついての勝利だけにJ2開幕に向けていいスタートを切れた。そもそも上にも書いたように、メンバー的に圧倒してるわけで、少々の守備の問題は関係なく、来シーズンは順当にJ1に帰ってくると見てよさそう。たぶん、自分たちが主導権を握る試合で強さを発揮するタイプのチームだと思う。

最後に余談だけど、サンフレッチェには日本人の左利きがいっぱいいる。久保、佐藤、服部、柏木、森崎浩。日本代表が左利き欠乏症で困ってる現状で、この人材の多さは特筆すべきものかと。たぶん、たまたまこうなったんだろうけど。
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