ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-03-04 Tue 13:35
アーセナル×ブラックバーン
<アーセナル:4-4-2>
FW:エドゥアルド-アデバヨール
MF:フレブ-ジウベルト・シウバ-フラミニ-セスク
DF:クリシー-センデロス-ギャラス-サーニャ
GK:レーマン

<ブラックバーン:4-1-4-1>
FW:サンタクルス
MF:ぺルナー-リード-ペニー・マッカーシー-ベントリー、トゥガイ
DF:ウォーノック-ヒザニシュビリ-オーイエル-エマートン
GK:フリーデル

ブラックバーンはおそらく対アーセナル用システムを採ってきた。前に見たマンU戦ではスタンダードな4-4-2だったけど、今回は4-1-4-1。攻撃を見ても本来は4-4-2でやってるだろうっていう部分が見られたと思う。攻撃で自分たちがボールを支配してるときには、OMF2枚の役割が明確に分かれる。マッカーシーはサンタクルスと横並びになることが多かったし、逆にリードは下がってきて組み立てに参加することが多かった。どちらかと言えば4-4-2の形に近かったような気がする。

じゃあ、なんで4-1-4-1を採用したかって話。当たり前のようにアーセナルの中盤を警戒してってことだと思う。最近の試合を見てみると、アーセナル相手に中盤を5枚にするチームは珍しくないし。中盤を自由に使われたら厄介だってことが分かってるだけに、システム的に少しでもスペースをつぶしてしまおうっていう意図があると思う。

でも、それだったら4-2-3-1でもいいんじゃないかってのも事実。むしろ、攻撃時の4-4-2を考えれば2トップを縦関係にするだけっていう必要最小限の変更を加えればいいわけだし。それにアーセナルに対して中盤のスペースをつぶしたいならば、底の位置は1枚より2枚の方が絶対に安定感がある。

そう考えると、なんで4-2-3-1じゃなくて4-1-4-1なのかっていう疑問を感じるのも事実。ただ、この疑問に対しては試合の中で答えが得られた。この試合のブラックバーンの守備の考え方を体現するためには、4-2-3-1じゃなくて4-1-4-1の方が適してたと思う。

そのブラックバーンの守備の考え方ってのは、アーセナルの攻撃のスタートのところを押さえようっていう狙い。サンタクルスはがんばって守備をする感じではなかったから(相手がもたつけば適切にプレッシャーをかけるけど)、アーセナルのCBはある程度落ち着いてボールを保持することができた。ただし、そこから1つ前に入るところで対応する意識がブラックバーンの守備には強く見られたと思う。

ここではある程度のシステム合致を利用してる。アーセナルの両SBにはブラックバーンの両SMFがつき、アーセナルのCMF2枚にはブラックバーンのOMF2枚が対応。だからこそ、トップ下の場所は1枚じゃなくて2枚いる必要があった気がする。4-2-3-1では完全に押さえるのは無理だから。

この守備のやり方にはアーセナルの攻撃のやり方がしっかりと考慮されてる。基本的にはショートパスをつなぎたいアーセナル。当然のように最終ラインから大雑把なパスを出すのは嫌うと思う(最近は仕方がなければロングボールも蹴るようになったけど)。だから、組み立ての中でCMFなりSBなりを経由するのはほとんど必然。ブラックバーンはトップのサンタクルスが追いかけなくても、狙いどころを定めることができた。

ただ、トップのところで守備のスタートが切られてないから、ブラックバーンの中盤の4での守備はあくまでも受ける意識が強い。対応する相手に入ったところで寄せて前を向かせないっていうやり方が目立った。意図としてあったのは最低限仕事をさせないっていう考え方であって、奪おうっていう質の守備のやり方ではなかった気がする。だから、アーセナルのSBなりCMFがボールを触ること自体は可能だった。そこからの展開は許してもらえなかったけど。

この最低限仕事をさせないっていう守備のやり方はブラックバーンの守備の特徴であり、弱点にもなりうる部分でもある。これはマンU戦でも見られた。ある程度つくべき選手をはっきりとさせる中で、対応する選手にボールが入ると一応の寄せは見せる。だから、直線的にゴールに向かわれることはない。

でも、それはあくまでも一応の対応であって、奪う質のものではない。結果としてボールを自分たちのものにするためには、相手のミスを待つかなんかのきっかけで個人がカットするかってことになる。それに、一応のチェックが多い中で守備のスイッチも入りづらく寄せが単発で終わってしまうことが多い。守備の勝負どころが定まらないっていう問題も生まれると思う。

今回の試合では立ち上がりは前線からの一応のチェックの繰り返しで守備に大きな問題を来たすことはなかった。前線で相手のスタートを押さえる意味では、一応のチェックでも十分だったから。むしろ、アーセナルを相手にするならば前線から積極的に追いかけるよりも、待っていて入ってきたところを狙う方がよさそうってのは、ここでも何度か書いてきてる通り。

前から追いかけても、抜け出されて後ろにギャップを残してきたらアーセナルの思う壺。個々の力量に差がなくて前線から効果的に守備ができるならともかく、個々の能力に差があるならば背伸びをせずに受ける形がアーセナルに対しては適切な気がする。その上でアーセナルの攻撃のスイッチとなる縦パスを忠実に狙うのがいい気がする。

そういう観点から見ると今回のブラックバーンの守備はそれなりに意味があったと思う。立ち上がりは相手のスタートをつぶすことで、アーセナルの中盤のパス回しと押さえつけることができてたのも事実だった。ただ、この時間にセットプレーから失点してしまったのは痛かったと思う。その後、アーセナルがブラックバーンの一応チェックにほころびを見つけて、アーセナルタイムに突入していった。というわけで、アーセナルがどうやってブラックバーンの守備のバランスを崩して行ったかを見てみたい。

相手の中盤の4によって、SBとCMFっていう攻撃のスタートのところを押さえられたアーセナル。そういうわけで、立ち上がりのアーセナルはとりあえずしっかりと組み立てるっていうことをあきらめてた気がする。上に書いたように、この時間はアーセナルの中盤でのパス回しはほとんど見られなかった印象。

じゃあ、どうしたかって言うと、アーセナルは単純に前線に送るボールを増やした。このボールはある程度自由になれたCBから送られることが多かったけど、単純なロングボールっていうよりも長距離のくさびっていうイメージが強かったかもしれない。とにかく、たいした工夫なく前線にボールを送ってたわけだから、つながればラッキーって感じだった。

普通ならあまり効果的じゃないようなこのやり方。何しろつながればラッキーって言うぐらいに確率は高くないわけだから。ただし、ここで思い出さなければならないのはアーセナルの守備。アーセナルの守備が一番効果的に決まるのは攻撃からの切り替えのところ。つまり、敵陣内深くの場所だってこと。

つまり、適当に前線に送ったボールが相手に奪われても何の問題もなかった。奪われた瞬間に高い位置で守備を開始するアーセナル。切り替えでの最初の守備の強さ、素早さが目立ったし、最終ラインを下げずに、高い位置に人数をかけた状態だから連動もしやすい。ことごとく敵陣でボールを奪うことができた。SB、CMFが経由点として機能できない状況の中で、ある意味では相手を経由点にするようなイメージのやり方だった気がする。

こういう敵を経由させたやり方の他に、もう1つ攻撃のスタートを切る方法。こっちの方が正統なやり方だし、アーセナル的なやり方。それは前線の選手が降りてきて攻撃のスタートのなるっていうこと。今回の試合ではフレブ、エドゥアルドがその役割を担うことが多くなった。試合の流れを支配する時間帯になると、セスクもそういう動きを見せ始めてたけど。

上にも書いたようにブラックバーンはつくべき選手をある程度定めている。加えて、1つ1つの守備が単発だってのも書いたとおり。だから、逆に言えばつくべき選手がはっきりしないと効果的に守備ができないともいえると思う。そして、アーセナルの前線の選手が低い位置まで降りてくるってのは、そのつくべき選手がはっきりしないってことに当てはまる。

例えば、フレブがSBの位置まで降りてきてボールを受けるシーン。もちろん、このときにクリシーは入れ代わりに前線に飛び出していく。そうなったときに、相手の右サイドの選手はどちらがどちらを見るかってことを定められなかった。結果としてフレブは浮いた存在になり、攻撃のスタートとして十分に機能することができたと思う。同じことが真ん中のエドゥアルドのところで起こったし、むしろエドゥアルドの方が攻撃のスタートをスムーズに切ることに貢献したといえるかもしれない。

そして、そうやって浮いてしまう選手が1人でもできるとブラックバーンは大混乱に陥る。浮いた選手をフリーにしとくわけにはいかないから、周囲の誰かが助けに来る。これはつまり助けに来た選手がついてたアーセナルの選手が浮くことを意味する。そして、そういうギャップギャップをつないで行くやり方はアーセナルの得意分野。

ブラックバーンにとっては、この時点である程度つくべき選手を決めるやり方ってのが破綻してる。最初の浮いてる相手選手に対応すると次が浮く、さらに次、次っていう連鎖が起こる。守備のベースである見るべき選手がはずされて行く中で、行き当たりばったりの守備のやり方の連続に陥ることが多かったと思う。結果として後手後手に回っていってしまう。

相手を経由させる方法(つまり単純に前線に入れる方法)にしろ、前線の選手が降りてきて経由点になる方法にしろ、とにかくブラックバーンの中盤の4のウラ側に入ることには成功したといえるアーセナル。そして、このウラ側に入ってしまえばアーセナルにとっては障壁は取りされれたっていえる。

アーセナルにとって厄介だったのはあくまでも中盤の4。それより後ろではもはやブラックバーンの一応チェックの繰り返しではアーセナルの攻撃を止めることはできないわけだから。さらに、そういう流れの中でアーセナルが深い位置まで入り込めばブラックバーンの中盤の4は押し下げられることとなる。結果としてアーセナルは攻撃のスタートのところも自由に使えるようになった。

こうなると完全にアーセナルタイムのはじまりはじまり。アーセナルの攻撃の中で重要なのは、縦パスが入るってこと。このことは今までにも何度か書いてきたとおり。縦パスが1つ収まることをスイッチとして、全体の動きが生まれ次々に選択肢を形成してくのがアーセナルのパス回し。その最初の縦パスが入るかどうかが大きなポイントになるってこと。

アーセナルタイムに突入してからは、縦パスが入りまくりの時間を作ることができた。これがブラックバーンの守備の問題点ってことになる。何度も書くように、ブラックバーンの守備の考え方はボールが入った選手に仕事をさせないって言うこと。連動性が築けない中で前線で制限をかけるのが難しく、入りどころを狙うのが難しい以上仕方がない部分。とりあえず、ボールが入った選手にそれ以上仕事をさせないって言う点については忠実に守備ができてるといえば、できてる。

ただし、アーセナルにとって重要なのは縦パスが入るっていうことそのこと自体。縦パスが入った選手がそのままゴールに最短距離で向かえるならばそれはそれでラッキーだけど、とにかく縦パスが入ればアーセナルの攻撃にとっては万々歳の流れ。だから、縦パスが入った後に対応しようとするブラックバーンの一応のチェックはほぼ意味がなかったといっても過言ではなかったように思う。

それでも立ち上がりは攻撃のスタートを切らせないっていうやり方で耐えていたブラックバーン。その役割を担っていた中盤の4はいまや無力化。これでアーセナルのスタートのところが浮いてしまったのは、上にも書いたとおり。結果としてブラックバーンとしては出し手に対しても、受け手に対しても効果的に守備ができないっていう最悪の状況に陥った。

それに対して好きなように組み立てを行ったアーセナル。機を見て縦パスを好きなように入れ、相手を釘付けにしておいて中盤を完全に我が物として制圧した。その中でアーセナルらしいリズムのいいパス回しが繰り返されることになるわけだけど、そういう組み立ての質が変化してるっていうのはマンC戦でも書いたとおり。最近のアーセナルは明らかにイメチェンを図ってる。

そのイメチェンをひとことであらわすならば、柔軟性が増したっていえると思う。何でもかんでも自分たちのパス回しを貫くっていうこだわりが減っている。相手のラインが高ければロングボールを蹴りだすし、左右に大きく展開して相手のブロックに揺さぶりをかけるなんてことも多い。それに攻撃の中で狭いところを何が何でも崩すっていう意識が薄れて、詰まったら広いところを使うなんていう柔軟性も強まってるように感じる。

こういう柔軟性を発揮するためにはピッチ上にある程度バランスよく選手が配置されることが重要になる。一時期のようにピッチの真ん中から右にほとんど全員が入ってしまうっていうような状況では、広い場所を使おうにもその場所に味方がいないなんてことになってしまう。要するに選手の距離感のバランスがある程度よくなる必要があるってこと。超密集地帯でかなり近い三角形を作るなんて場面はあまり見られなくなってる。

こういう距離感の遠さをあらわしてるのがパスの距離。超ショートパスの比率よりも、常識にかなったショートパスのつなぎが多くなってきたと思う。それにタッチ数もそれなりに増えてきてる気がする。めちゃくちゃ近いわけじゃないから、なんでもかんでもダイレクトってのは難しいと思うし、逆に広い場所を使えるからなんでもかんでもダイレクトにする必要がないといえる。

そういう意味で、距離感が遠くなったメリットも多い気がする。これもマンC戦のときに書いたけど、パスの選択肢が増えてると思う。超近い関係性では、その超近い場所へのパスっていう選択肢しかない。敵も味方も密集してるから、そこを抜け出すようなボールを出すのは難しいから。逆に現状はいい感じで選手の距離が開いてるから、広い場所が見える。スペースを見るボールも多くなってるように感じる。

ちなみに、距離感が遠いといってもあくまでもアーセナルにしてみればってことだけど。一時期のアーセナルの距離の近さは異常だったと思うし。サイドに5人ぐらいが集まって超近い関係を作るってのもざらだった。今の状況も普通に考えればパス回しに十分にいい感じに近い関係性が保たれてると思う。それをあらわすように、アーセナルらしいパス回しのよさは消えてないわけだから。

こうやってピッチ全体にある程度均等に選手を配置するっていう意識があるからかは分からないけど、それぞれの役割に秩序が生まれてるのも最近の傾向のような気がする。誰もがゲッターにもチャンスメイカーにもなれるっていう考え方は確かに残ってるけど、一時期ほどの混沌ぶりは見られない。それぞれがそれぞれの役割のうちで重点を置く場所を意識してるようなイメージ。

今回の試合でそれがはっきりしたのがアデバヨール。この試合でアデバヨールはほとんど組み立てに関与してない。前みたいにサイドに積極的に流れてパス回しに参加するなんてのは皆無だったし、下がってボールを受けるシーンもほとんど見られなかった。FW的に相手のゴールの近く、相手の最終ラインにプレッシャーを与える場所で待つこと時間が長かった。というか、ほとんどだった。

この変化はある意味では劇的。同時に混沌とした状態が薄れてる証明になると思う。一時期は2トップのアデバヨールとフレブがサイドのどちらも組み立てに参加して、ゴール前にはセスクとロシツキーなんてシーンも多々見られたわけで。そう考えると、FWの1人はゴール前にいるっていうような秩序が生まれているのかと思う。確かにその方がバランスがいいだろうけど、個人的には2トップがゴール前からいなくなるようなめちゃくちゃなやり方も面白いと思う。

ちなみにゴール近くで待ってることが多かったアデバヨールに対して、今回の試合で組み立てに参加しまくったのが相方のエドゥアルド。上にも書いたように下がってきてボールを受けるシーンが目立ってたし、サイドに流れてのプレーも多かったと思う。ボールに近づく動きが積極的で局面での数的優位に貢献する動きが目立った。

こういうエドゥアルドの組み立てへの参加は試合を重ねるごとに増えてる。最初のころはほとんど組み立てには参加せずにゴール前だけで目立ってたエドゥアルド。代わりにアデバヨールが組み立てに参加してた側面もあったかもしれない。それが、ここのところ変化が見られてきて、今回の試合では完全に逆転した。

そういう意味ではエドゥアルドがついにアーセナルのやり方にフィットしたともいえる。2トップの関係性もよくて、前後逆に動く(アデバヨールがウラを狙い、エドゥアルドが下がって受けに行く)やり方で相手はかなり混乱してたと思う。アデバヨールがウラを狙うことで相手の高めのラインを押し下げてエドゥアルドの受けるスペースを作ったり、逆にエドゥアルドが下がってことで相手の最終ラインにズレをもたらしてアデバヨールがウラを狙うなんてシーンもあった。そういう意味ではバーミンガム戦でのエドゥアルドのケガは非常に残念。この相手にファールを受けた場所も中盤に降りてきたところだった。

こんな感じでアーセナルの攻撃のやり方に変化が見られるのは確かだけど、そのベースとなる確固たる部分は変化してない。それは1つのボールに対していくつもの選択肢を用意するってこと。そして、その選択肢を作るためにポジションにこだわらずに動くってこと。

1つのボールに対して、アーセナルの周囲選手は常に適切なポジションに入る。しかも、1人じゃなくて複数が連動して動く。シンプルなトライアングルが必ず形成される。そして、ボールの周囲の選手が動いたスペースにさらに次が入るような波及的な連動性が見られると思う。そうやってボールに対して局面だけではなく、全体で動くことで多くの選択肢を用意することができてる印象。さらにボールが動けば、それに合わせて周囲も動く。周囲が動けば、その次もっていう連鎖が生まれると思う。

要するにありきたりな言葉で言うならば、ボールも人も動くっていうのが文字通りに体現されてるといっていい。ボールの場所によって人が動き、その人の場所が次のボールの動きを引き出す。それに人の動きが人の動きを生み出すことも多い。エドゥアルドが下がれば、代わりにフラミニが出て行く。セスクが真ん中に流れることが多かった今回は、蓋のなくなったサーニャが右サイドで上下動を繰り返す(セスクはロシツキーみたいなイメージだった)。人が動いたスペースをスペースのまま残さずに、しっかりと有効活用してると思う。

こういうアーセナルのやり方に対して相手としては狙いどころが定まらないのはある意味では当然。ボールを捕まえようとするといろんな方向に次々に動かされてしまう。人を捕まえようとすると、いるはずのない選手が自分の前にいる。結局、最後の最後を固めてなんとかするしかなくなってしまう。これはブラックバーンの守備のやり方がどうだとかっていう問題じゃない。アーセナルタイムに入ったら、相手はもうそれを受け入れるしかない。

ただ、このやり方は疲れる。とにかく常に動き回ってるから。だから、アーセナルタイムが終わった後には必ずその後遺症が現れる。選手の運動量がガクッと落ちてしまう状況。そして、そういう選手の動きが攻撃のベースになっているアーセナルの攻撃は当然のように停滞してしまう。大体、後半はいつもそういう状況に陥るんだけど、今回はそれが前半の途中から来た気がする。それ以降はカウンター以外で効果的な攻撃を仕掛けられなった。交代選手がいなかったのも痛かった気がする。

そうやってアーセナルの攻撃が停滞した要因はブラックバーンの守備に改善が見られたってこともあったと思う。時間とともに守備に対する意識がはっきりする状況が見て取れて、1つ1つのチェックが改善された。一応の寄せから意図を持った厳しい、素早い寄せへの転換が見られたと思う。そういう意識変革がチーム全体に見られるようになった。

これによってブラックバーンの守備にはある意味では勝負どころが定まることとなる。対応関係をある程度はっきりさせた中で、その出足を早めたから相手より先に触ったりっていう狙いができるようになった。相手に保持されたとしても、最低限仕事をさせないような質から完全に0距離で次の展開を許さないような厳しい対応ができるようになったと思う。

そうやって1つ1つの守備が改善されると不思議と連動性も生まれてくる。厳しいチェックで相手を足止めしたところに、周囲が協力して囲い込むっていうシーンも多くなった。それに厳しいチェックによって相手の選択肢が制限され、それにズレることも多くなったから、次の場所で効果的にカットするシーンも目立ったと思う。それまでのように好き放題に縦パスを入れられるなんていう状況にはならなかった。

その中でブラックバーンの攻撃によさが見られてくる。相手に攻められないってことは、相手に攻めた後の守備をされないってことになるから。最初にも書いたようにアーセナルの守備は攻撃後の切り替えのときが一番質が高い。普通に組織を作ったときには、最後の最後の場所は除いて、崩せないっていうほど堅いっていうわけではない。だから、ブラックバーンが攻撃の主導権を握るとチャンスを結構作ることができた。

そのブラックバーンはさすがに中位にいるだけあって、攻撃の質の高さが見られた。そもそもボールをつなぐ意識の高さが目立ったと思う。ブロックを作ったときに最短距離をきるアーセナルにだから、なかなか前線に入れどころがない。大抵のチームはそれでじれてロングボールを蹴っちゃうんだけど、ブラックバーンはしっかりとした意図を持った組み立てが見られたように思う。

それがサイドを利用した攻撃。ブラックバーンは攻撃時には両SBを高い位置に上げて、左右をワイドに使う意図が見られたと思う。そして、そこに供給されるパスの質がよかった。それは中長距離のパスを一発で出すってこと。この中心にいたのが底の場所に入ったトゥガイだった。トゥガイはかなり効果的に左右への散らしをしてたと思う。

ここにはアーセナルの守備の問題点が見られる。まずトゥガイが浮いてること。FWの前への守備意識が薄いアーセナル。低い位置でボールを持つトゥガイは苦もなく組み立てができたと思う。さらに、そのボールの質。中長距離のパスはアーセナルにとっては厄介。最短距離を切りながら、追い込んでいくアーセナルの守備。これには相手がつないでくれるってことが念頭にある。頭の上を行かれたら、追い込むもなにもないわけだから。

ただ、アーセナルに対する多くのチームがロングボールを蹴りこむのも事実。それでも十分にアーセナルの最終ラインは対処できてると思う。それに対して今回はそうはいかなかった。それはサイドのウラのスペースに蹴りだすボールが多かったから。しかも斜めの質で薄いサイドに。これによってアーセナルは単純にロングボールを跳ね返すことが難しくなった。ブラックバーンは右サイドから決定的なチャンスを作り出したし(アーリーが多かったのも特徴的)、そうやって相手のブロックを押し込むことに成功した。

そうやって押し込んでしまうとブラックバーンには地上からのパス回しのよさも見られたと思う。上にも書いたようにもともとつなぐ意識が高そうだから、本来的にはパスで崩すチームなのかもしれない。トップも絡めた基本的なトライアングルを形成して、1タッチ2タッチでパスをつなぐシーンが目立った。そうやって相手のギャップギャップをつなぐやり方は、アーセナルのお株を奪うものだったと思う。

これに対して、アーセナルは引いて受ける形に変更した気がする。特に後半はそういう意識が強まった。もちろんゴール前にみんなが引いてラストで跳ね返すようなバランスの悪い守備は採用しなかったけど。あくまでもそれまでのコンパクトなブロックを一段階下げたイメージだった。1点リードしてたし、自分たちはアーセナルタイムの後遺症で効果的に攻撃を仕掛けられない状況、さらに引いて受ける守備の意識を高めて、相手をおびき寄せてからのカウンターの意図もあったかもしれない。そうやって引いて受けたときにはアーセナルのラストブロックの強さがあるし。

そのうちブラックバーンの攻撃の勢いも弱まっていく。活用可能なスペースがあるのに、人が出てこれないっていうことが多くなったと思う。前半から散々振り回されてたから仕方がないといえば仕方がない。だから、むしろ少ない人数で縦を急ぐアーセナルの方にチャンスが多く生まれた。

とりあえず、今回の試合はセットプレーが明暗を分けた気がする。アーセナルは開始後すぐのCKで先制点。ブラックバーンも効果的に攻める時間がそれなりに長かったから、セットプレーを結構奪えたけど、特にCKほとんどが直接レーマンの手に渡った。そのセットプレーをもっと効果的に活用できてれば、試合の流れも変わったかもしれない。
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