ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-03-11 Tue 17:10
マンU×マンC
<ユナイテッド:4-4-2>
FW:Cロナウド-テベス
MF:ギグス-アンデルソン-スコールズ-ナニ
DF:オシェイ-ビディッチ-ファーディナンド-ブラウン
GK:ファン・デル・サール

<シティー:4-1-4-1>
FW:ベンジャニ
MF:ペトロフ-アイルランド-フェルナンデス-バッセル、ハマン
DF:ボール-ダン-リチャーズ-オヌオハ
GK:ハート

ミュンヘンの悲劇から50年ということでちょっと普段とは違った雰囲気の中行われたこの試合。このある意味では異様な雰囲気の影響をもろに受けたのはユナイテッドだったように感じる。立ち上がりから、ちょっとおかしな感じを受ける部分が多くなった。もちろんユナイテッドが負けた原因の全てが、この雰囲気に帰結されるわけではないと思うけど、少なくともその原因の一端を担ってたのは確かだった気がする。ちなみに、もう1つの大きな要因はルーニーとエブラの不在だったけど、それは後述。

まず、そういう雰囲気に呑まれてるなって感じたのが守備面。そもそもユナイテッドの守備は気まぐれ。前線から追いかけまくったかと思えば、見てるだけの選手ばっかになったりする。それでもルーニーがいるときにはしっかりと守備をするんだろうなって思ってたら、1つ前のトッテナム戦でルーニーがいなくても守備をしないときはしないってことがバレた。

それでもルーニーみたいに追いかけてくれる可能性がある選手がいればマシな方。今回の2トップはテベス&Cロナウド。テベスは守備意識がないわけではないけど、相棒ルーニーが頑張ってるときにしか守備をやろうとしない。守備をしないサハと組んだときに、それが判明。そして、今回はおそらくサハ以上に守備をしないであろうCロナウドが相棒。こりゃ前線からの守備には期待しない方がいいなってのがメンバーを見たときの感想。

それでもCロナウドが1枚上がったことで、下のブロックは安定するだろうなって思った。ギグスは本来的にCロナウドよりは守備においてブロックに参加しようとする意識が高いし、ナニにもそれがいえる。だから、いつもみたいにバランスが崩れた4-3または4-2にならず、安定した4-4が築ける気はした。それならば、別にトップが守備をしなくても致命的ではないかなって話。

ここまでがメンバーを見て考えた部分。でも、実際に試合が始まってみたら驚くべき状況が見られた。2トップをはじめとして、みんなの守備意識が高いこと高いこと。しかも、敵陣の一番深いところから相手のボール保持者に対してプレッシャーをかけるような積極性が普通に見られた。全体が守備における前への意識を高め、敵陣内でボールを奪い返すシーンがとにかく増えたと思う。局面を見ても相手よりも前で触る意識がかなり高かったから、チーム全体の意識の高さを感じさせられた。

上にも書いたようにユナイテッドの守備は気まぐれなわけで。特別な試合とスタジアムの雰囲気っていう外的要因に守備が影響を受けたとしても何の不思議もない。そして、立ち上がりの守備意識の高さはおそらく本当にそういう雰囲気に呑まれた部分が大きかったと思う。なぜなら、前半の時間が経つごとに目に見えて守備意識が減退していったから。たぶん、立ち上がりに雰囲気に呑まれて勢いがついちゃったって感じだと思う。ちなみに、後半は2点ビハインドで折り返したこともあって、これはやばいってことで再び前線から守備をしまくったけど。

ちなみに余談だけど後ろの4-4が安定するっていう方も予想外だった。確かに受ける形を築いたときには、ナニもギグスも中盤のラインに入って見た目は4-4の形成ができてるように見えた。もっと言えば、Cロナウドがしっかりとトップ下の場所を埋めるユナイテッドらしくないバランスの取れた4-4-1-1が形成される時間もあった。

ただ、実際には見せかけ的な部分が大きかったと思う。全体のバランスはいいはずなのに、なぜかアンデルソンがかなりの広さの場所で守備をすることが多かった。つまり、いるだけで機能しない問題児が多かったってこと。早い話が前線の変則4トップなんだけど。守備をするときとしないときはやっぱり気まぐれ。最終ラインの位置まで戻ってみたり、上がっていく選手を放っておいて前線で歩いてたり。そういうわけで、常時計算できたのはやっぱり4-2。ユナイテッドらしいといえばユナイテッドらしい。

ちょっと話がずれたけど、とりあえず立ち上がりからユナイテッドが前線からガツガツと守備をしていったのは確か。この流れに引っ張られて、試合全体のスピード感も増すことになった。でも、このハイペースはユナイテッドにとっては好ましくなかったものだったと思う。自ら作ったものであるにも関わらず。保持率が高めたい(実際に高かった)ユナイテッドよりも、カウンターを狙い続けたシティーの方がこういうハイペースに適合してた印象。ボールの行き来が激しくなった方がカウンターを仕掛けられる可能性も高くなるわけだから。

だから、ユナイテッドはどこかで試合の流れを落ち着かせる必要があった。立ち上がりの前線からの守備はとりあえず悪いっていうものではなかった(ユナイテッドらしくはなかったけど)から、落ち着かせるとするならば攻撃。実際に相手がカウンターを狙ってることを考えたときに、一番重要なのは相手にボールを渡さないこと。できるだけ保持時間を延ばし、攻めるときは攻めきってしまうことが必要だったと思う。

この両面において、今回の試合のユナイテッドは失敗した気がする。保持できなかったし攻めきれない流れも続いた。そして、この部分が雰囲気に呑まれてるなって感じた2点目。そして、時間とともに勝手に減退して行った前線の守備とは違って攻撃におけるこの問題点はなかなか修正ができなかった印象。

そもそもシティーの守備は前線では厳しくこない。アーセナル戦のときにも書いたように、シティーの守備の基本的な考え方は受ける意識が強い。だから、ユナイテッドの低い位置のボール保持者(最終ラインとか低い位置で触るCMF)は落ち着いてボールを保持できる状況にあるといっていい。

でも、今回の試合でのユナイテッドの低い位置のボール保持者はなぜか焦ってた。ゆっくりと低い位置で落ち着かせればいいのに、すぐに前線にボールを入れたがった。これはユナイテッドの悪いときの流れ。高い位置から相手にプレッシャーをかけられると、とにかくボールを前線に蹴りこむってやり方を取ろうとする。そういう悪い状況が、相手が前線からプレッシャーに来ない今回の試合でなぜか見られた。

確かに今回の試合では単純に前線に蹴りだすボールが有効だったのも事実だった。これについては後で詳しく書くけど、最終ラインを高めに設定する相手の守備ブロックに対するアプローチとして単純なロングボールを蹴りこむのは悪くはない考え方。でも、あまりにも急ぎすぎ。前線に人材が揃ってないのもあるんだろうけど、ユナイテッドはロングボールの使い方が下手くそな気がする。

とにかく今回の試合のユナイテッドは前へ前へを焦ってるような印象を受けた。どの場所でも落ち着くっていうことがなくて、とにかくボールを前に運ぼうとする。そのときに問題なのは前で準備ができてないことが多いってこと。後ろで時間をかけずに、すぐにボールが来るんだから仕方がない。

結果としてボールが入った前線の選手はボールを受けてから、次のことを考えるような場面が増える。後ろで使われなかった時間を前で使うっていうイメージ。ただし、これは落ち着きではなくてもたつき。そして、そのもたつきがシティーの守備のスイッチとなった。これについても後で詳しく書くけど、とにかくシティーの守備網に引っかかってユナイテッドの攻撃がぶつ切りになるシーンが多くなったと思う。つまり、ユナイテッドにとっては攻めきれない状況。相手にカウンターのチャンスを多く作らせることとなった。

こういう前への焦りはやっぱり雰囲気に呑まれた部分が大きかった気がする。いろいろなアプローチをしながら、相手のブロックのバランスを崩してから攻めるっていう遠回りになってしまう考え方は頭に無かった気がする。とにかく、前へゴールへっていう意識が高くなった。最終的にはパワープレーに頼ることになったユナイテッドだったけど、攻撃のアプローチの仕方はそれまでとは大きく変わらなかったと思う。

要するにユナイテッドの攻撃はかなり単純だったっていえると思う。そして、この単純なやり方は雰囲気に呑まれたことに加えて、上にも書いたとおりエブラとルーニーの不在が強く影響した部分でもあった。特にエブラの不在はそのままダイレクトに大きな問題を引き起こすことになってしまった印象。

今回の試合ではCロナウドが中盤に降りてきてボールを受けるっていうシーンがかなり目立った。特にトップの位置に入ってた前半は。逆にいつものようにサイドに流れてボールを引き出すっていうシーンはほとんど見られなかったと思う。これがちょっと謎。全ての始まりは、このCロナウドの横ではなく縦に流れる動きにあった。

想像するならば、今回の試合のユナイテッドは相手のブロックを縦に揺さぶる意図が強かったのかもしれない。そう考えると1発のロングボールの多用も説明がつく。ロングボールで相手の最終ラインの意識を後ろに向かせておいて、前線の選手は降りてきて中盤でボールを受ける。そういえば、Cロナウドだけではなくて前線の選手が降りてきてボールを受けるシーンが目立ったのは確か。ただ、その実効性はいかほどかって話だけど。

とにかく、Cロナウドは降りてきてボールを受ける。そして、Cロナウドが降りてきたスペースに左サイドのギグスが斜めに入っていくってのがパターン化されてた印象。考え方としては、そうやってギグスが空けたスペースにエブラが上がってくるってもの。でも、今回の左SBはエブラじゃなくてオシェイ。そして、オシェイは思い切って攻撃に参加できなかった。結果として左サイドには人がいませんねっていう状態になったと思う。

下がってきたCロナウドも次の対応に困った。サイドにはたく選択肢は失われる。残されたのは3つ。相手につぶされるか、無理せず下げるか、振り向いて個人で突破するか。最後の選択肢が一番Cロナウドらしいけど、振り向いた先には既にギグスがスタンバイ。個人で突破していくスペースは残されてなかった。結果として無難に下げるシーンが多くなってしまったと思う。

そうやってCロナウドがボールを下げた時点で前線ではギグスとテベスとCロナウドの3人が真ん中に固まってる。下がってきたCロナウドと入れ替わりにアンデルソンが出て行ったりするシーンも多かったから、前線の真ん中は完全に渋滞状態。ここで本当は左右をワイドに使いたいところ。でも、ここまで書いてきたように左サイドは人がいませんね状態。必然的に使うとしたら右サイドってことになった。

その右サイドはナニとブラウンの関係性だったんだけど、こっちのサイドも死んでた。なぜか。まずブラウンに対しては、対応する相手のペトロフがしっかりとマークについてた。だから、そもそも効果的に使えない状況。さらに、1つ前のナニが右サイドに居座り気味だったのが問題を大きくした気がする。

本来的には前線の4人が流動的にポジションを変える変則4トップがユナイテッドの形。でも、今回の試合ではナニがその変則4トップからあふれ出してた。最終的に真ん中に集まってしまったとはっていも、一応残りの3人はポジションをかえながらいい感じで流動性を築いてた。でも、ナニは上にも書いたように右サイドに居座るような状態だったと思う。

相手にとってはかなり捕まえやすい。本来のユナイテッドは前線をグルグルと入れ替える中で浮いてる選手を作るわけだけど、逆に今回のナニみたいに固定ポジションになってしまうと相手に捕まえられてしまう。そんな相手に捕まった状態の選手にボールを簡単に入れられるわけもなく。結果として、右サイドにも起点を作れない状態に陥ってしまった。

ちなみにナニは右サイドにいてもボールが来ないってことに途中で気づいた模様。途中から真ん中に寄ってプレーするシーンが多くなってきた。ただ、問題はその代わりにサイドに出て行く選手がいなかったこと。結果として真ん中の渋滞を酷くしただけ。今回の試合のユナイテッドは前線の関係性のギクシャク感がかなり感じられた。確かに今回のメンバーの組み合わせはあまり見ないから、その変も影響したのかもしれない。

こんな感じで前線が真ん中に偏ってしまったユナイテッド。さらに問題は後ろも真ん中に偏ってしまったことにあったと思う。ここにもエブラの不在が影響してる。本来的に攻撃時の最終ラインはエブラが高い位置に入って右寄りの3人でパス交換をすることが多い。その右寄りの3人(ビディッチ-ファーディナンド-ブラウン)の組み合わせは今回も変わらなかったわけだけど、そのパス交換はほとんどなかったと言ってもいい。

それはブラウンの攻撃意識が強まってたから。エブラがいないから俺が攻撃に出てやるぜって思ったかどうかは知らないけど、低い位置で味方がボールを保持してるときにいつものように、そのボール保持に加わるんじゃなくて前線に出て行って受け手になろうとうすることが多くなった。

だったら、いつもとは逆になって左のオシェイがパス回しに参加してくれればよかったんだけど、オシェイはこっちにも参加せず。エブラの不在を強く感じさせられるバランスの崩れ方。結果としてパス交換はCBの2枚とその1つ前にいるCMF(多くの場合でスコールズ)。結果として真ん中にしか選択肢がない。ここで効果的に左右の幅を使ったりできないことが、低い位置で保持してても仕方ないっていう意識を生んだのかもしれない。

そういうわけで今回のユナイテッドは全く横幅が使えなかった。出し手は真ん中にしかいないし、受け手も真ん中にしかいない。真ん中→真ん中のこじんまりとした展開が多くなる。当然のように途中で引っ掛けられることも多くなるわけで、2点目のCKの流れはそもそも真ん中→真ん中のパスをカットしとこから生まれてる。縦の揺さぶりはロングボールと前線の選手の中盤に降りてくる動きでそれなりにかけたけど、横の揺さぶりはほとんどかけられなかったと言っていい。

そして、縦の揺さぶりも実効的には機能しなかった。なぜなら相手を間延びさせても、それを使える下地がなかったから。準備ができてない状態で前線にボールを入れても後ろがついて行けてない。つまり前線がはがれた状態。そして、その関係性を築く前にハマンを初めとした相手の中盤がつぶしに来た。これによって確かに相手のブロック自体は下がった。結果としてユナイテッドは陣地を増やすことができたけど、シティーとしてはラストブロックは崩されませんよって形。むしろ相手をおびき寄せた分、次のカウンターがかけやすいぐらいだったと思う。

なぜなら何度も書くようにユナイテッドの攻撃は真ん中に限定されてた。そして、その真ん中の場所はシティーの守備ブロックでは最強の場所だった。全く横の揺さぶりをかけられてないシティーの守備ブロックは、その最強の真ん中の場所がベストの状態で相手の攻撃を受けることができた。そう簡単には崩されないって分かってただろうし、実際に崩されてない。

じゃあ、なんでそんなに真ん中が強いかって話。まず、人材的な部分。ダン&リチャーズのCBは今回の試合で活躍しまくり。さらに重要な場所である中盤の底のハマンもハードワークで守備に貢献した。本来的にこの3人で絶対的に抑えられてるわけだから、単純な攻撃で崩せるはずもなかった。

さらに基本的には守備時(ほとんどが守備時だったけど)には1つ前に入ったアイルランド&フェルナンデスも助けに来た。これで真ん中は2-3の計5枚で抑えてることになるわけで、枚数的にも5枚が位置する。守備時には中盤がフラットな5のラインに見えるような形がこれを実現した。実際の真ん中はアイルランドが相手ボール保持者にアプローチをかけ、フェルナンデスがハマンと共にDFライン前を押さえる役割分担ができてた。ちなみに、サイドもしっかりと人数が足りてることを付け加えておく。

ユナイテッドは何の工夫もなく、相手がこれだけ固めてる真ん中を何の工夫もなく攻めようとしてたわけで。いくらなんでも無理ですねって話。敵も味方もいっぱい入ってる真ん中の場所では得意の個人技を繰り出すスペースがつぶされてしまっていたのも痛かった。

ただ、シティーの守備に弱点がないわけではない。それはアーセナル戦でも見られた部分。つまり、結局どこでボールを取るの?っていう問題。シティーの守備ブロックはコンパクトだし、人数をかけてるから選手間の距離は近い。だから、守備のスイッチが入った時点で一気に連動できるような下地はある。

でも、アーセナル戦ではそのスイッチが入らない問題があった。最初の縦パスが入るっていうようなスイッチになりえる場所で厳しい対応をしない。だから、簡単に起点になられてしまう。そして、前線に起点ができればアーセナルのパス回しは開始される。後はギャップギャップをつないでひたすらにボールを回すだけだった。シティーの守備ブロックも何も関係ない状況だったと思う。

基本的にこの場所が大きく改善されたイメージはない。ユナイテッドの選手が本来のポジションからちょっと動けば、ボールを受けるのは簡単だった。ちょっと下がったアデバヨールが簡単に起点になれたアーセナルと同じ状況。そういう意味でシティーの守備のやり方はアーセナル戦のときとは違ったと思う。

ただ、今回の相手はアーセナルではなくユナイテッド。しかも、この試合のユナイテッドは様子がおかしかった。上にも書いたとおり、関係がギクシャクしてた印象を受けたし、ボールを受けてから考えるっていう状況も目立ってたと思う。そして、そうやってできた微妙な時間をシティーが効果的に使ったと思う。

入りどころに厳しく対応をする形ではないシティーの守備。そこをスイッチにできないかわりに、今回のユナイテッドに多く見られたようにちょっと時間ができれば、それをスイッチとしたと思う。ユナイテッドのボール保持者がもたついた瞬間、つまり選択肢が少なくなった瞬間に守備の勝負のスイッチが入るイメージが強かったと思う。ここにおいて、ついに近さが有効活用された。効果的な前後の挟みこみがかなり多く見られたと思う。そういう意味で、前の選手が後ろの向かってする守備の質の高さも感じさせられた。

だから、シティーにとっては守備のスイッチをどうやって入れるかがポイントになるかもしれないと思う。守備のスイッチを入れる前段階の組織作りと、スイッチが入った後の挟み込み、囲い込みによる数的優位の作り方の質は高い。問題は一番重要なスイッチをどう入れるかってことになる気がする。

この点についてはあまり気にする必要もないかなって気がしたのも事実。今回の試合みたいに、相手が自分達のブロック内にボールを入れたところで前後(左右)から挟み込むってやり方でいい気がする。アーセナルみたいに、一度起点を作られたら奪いどころがないなんてチームはほとんどないわけだから。今回の試合では時間とともに自信がついたのか、間合いが分かったのか、こういう形の守備の質が高まってったのも事実。だから、このやり方の質を高めていくっていうのも1つだと思う。

ただし、あくまでも受け身っていうことを忘れてはいけない気がする。今回の試合でもいくつか見られたようなアーセナル的やり方、つまり最初に起点を作ってそのまま人もボールも動かして少ないタッチでギャップギャップをつないで行く形ではユナイテッドも抜け出しそうなシーンを作り出した。シティーのやり方はどうしても後手後手に回される可能性が高くなるから、こういう危険性もはらんでいるように感じる。

こういう守備をベースとしたシティーの攻撃はカウンター。今回は完全にユナイテッドに攻めさせておいて、その背後を狙う形に徹した印象。実際にそれで2得点を奪ってる(2点目は直接的ではないけど)わけだし、成功した形と言ってもいいと思う。このカウンターの流れで重要になるのが、ベンジャニの収まり、ペトロフのスピード、フェルナンデス&アイルランドの運動量だったと思う。

攻撃への切り替えにおいて、まず目標とされるのがベンジャニ。ベンジャニに入れることで1つ時間を作り、後ろの攻撃参加を促進させるっていう形が多かったと思う。これはカウンターに限らず、遅攻の場面でも。そういう意味ではベンジャニは1トップとしての役割をかなり高い質でこなしてるって言えると思う。

で、カウンターにおいてはこのベンジャニを経由させたボールは左サイドに展開される。場合によっては直接左サイドに行くこともある。とにかく、カウンターにおけるペトロフの役割は大きい。ペトロフは上にも書いたように、守備において相手に引きずり降ろされてる。次のカウンターを流れを見ると、この引きずり降ろされてるのは罠かもしれないとさえ思う。

攻撃の流れの中でペトロフはスピード能力を発揮。低い位置に引きずり降ろされてるってことは、それだけ相手を高い位置におびき出してるって言える。シティー陣内から戻るブラウンと飛び出すペトロフのスピード比べ。基本的にはペトロフが勝って、フリーな状態でサイドを駆け上がっていくシーンが多かった。このパターンは面白い。

この中→左サイド→ペトロフ駆け上がりっていう一連の流れの間にフェルナンデスとアイルランド(とバッセル)が猛烈に前線に飛び出してくる。これがカウンターに厚みを加える要因。その意味でフェルナンデスとアイルランドの運動量はすばらしい。守備時はハマンとの逆三角形の関係を築き、攻撃時はベンジャニとの三角形を築く。この前後の行き来を何度も行ってた印象。

前半はこういう形で効果的なカウンターを繰り出しまくったシティーだけど、後半は前半ほど多くのカウンターを繰り出すことができなくなってしまった印象。その要因はユナイテッドのやり方の変更にあったと思う。もちろん前半のスタミナの消費量が尋常じゃなかったシティー自身の疲れもあったんだろうけど。

とにかく後半のユナイテッドは横幅を使うようになった。これが最大の改善点。前線の並びを変えてCロナウドをサイドに出し、オシェイの攻撃参加も活発化させた。これによってサイドの深い位置に入るシーンが増えて、結果として前半のように真ん中にこだわるようなやり方は明らかに消えたと思う。

それでも最後の最後のところはシティーの真ん中の強さに抑えられてしまうこととなったわけだけど、ここで重要なのは攻めきる流れが生まれたってこと。変な場所で引っ掛けられてカウンターを食らうっていう心配はとりあえずなくなった。

そうやってカウンターの心配を取り去った上で大胆な交代。オシェイ→キャリック、アンデルソン→ハーグリーブス(その前に、ナニ→パク・チソン)。これでギグスを左SBに下げ、スコールズをトップ下に上げた。さらにビディッチをトップに上げてパワープレーへ。この一連の変更にはFWの人材不足の苦しさを感じさせられるわけだけど、とにかく何が何でも得点が欲しい本気度は見られたわけで。結果としてそれが実って1点を返したわけだけど、時既に遅し。
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