ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-03-27 Thu 23:53
U-23:日本×アンゴラ(A代表)
<日本:3-5-2>
FW:李-豊田
MF:梅崎、上田-細貝-青山敏-長友
DF:森重-伊野波-青山直
GK:西川

去年から見られるこのチームの課題はビルドアップの問題。それは去年の最終戦だったサウジ戦のときにも書いたとおり。前線に効果的にボールを供給するのがうまくないのがこのチームの特徴。ビルドアップで幅を使えず、前線の動きも少ない。その中で最終ラインからトップへの最長距離のパスを狙うことが多くなり、結果として引っかけられまくり。それがこのチームのビルドアップの特徴だった。特に相手が前線からプレッシャーに来ると致命的になるレベル。

これは五輪に向けて克服しておきたい課題。でも、今回のメンバーだけを見るとビルドアップをなんとかできそうな選手はいないように見えた。というか、去年の悪い内容の中でビルドアップをなんとか機能させてた選手が様々な理由でいなかったのが今回の試合だった。

1つはサイドの選手。低めの意味でボールを扱うことが多い本田圭から前線へのロングフィード、低い位置に降りてきた水野のドリブルでの持ち上がりってのが1つの形。2人とも今回は招集されず。ちなみに4バックを採用するとしたときに(今回は3バックだったけど)サイドのキーになりそうな安田と内田も不在だった。それから、FWの選手。森島と平山不在の今回は困ったらFWの頭への選択肢がなくなった。

そして、何よりも柏木の不在。去年の後半にチーム状態が好転したのは柏木が入ってから。それまで動きのなかった前線に動きをもたらして、うまくボールを引き出してた。柏木に限らず、前線の選手の組み合わせがあまり動かない選手から動く選手へとシフトする中でなんとかビルドアップに光が見え始めた。それが年越し前の状況だった。

これらのビルドアップ要員たちがことごとく不在だった今回の試合。どうなることかっていう思いが大きい試合前だった。でも、実際にはその不安は覆されることとなる。前線へのボールの供給がスムーズに行くシーンが目立ち、相手ブロック内での仕掛けが多くなった印象。確かにアンゴラは前線からプレッシャーをあまりかけてこなかったから、日本が苦手な形にはならなかったとも言える。でも、事前の予想以上にうまい組み立てができてた印象を受けた試合になった。

その形。最初のアプローチにおいてFWへの意識が高いってのは今までとは変化しなかった。実際に立ち上がりはリスクを回避するやり方の中で、これまでと同じようなトップを直接狙う1発のボールが目立ったのも確か。その流れの中でトップが落としたボールを梅崎が前向きで受け、仕掛けるっていうパターンが案外可能性を感じさせたわけだけど。ただ、時間とともにしっかりと組み立てる意識が勝って行き、トップへの大雑把なボールは減少していったと思う。

それでもトップに当てるってのが1つの形だった。でも、同時に、今回はトップへの最長距離を狙うっていうわけではなかった。それはトップが受ける意識を強く持っていたから。つまり、前線でボールが供給されるのを待っているわけではなかったってこと。積極的にトップの位置から中盤の場所に降りてきて、ボールを受けるっていうシーンが目立った印象。

ここでちょっと脱線してアンゴラの守備について。このアンゴラの守備のやり方が、日本の攻撃と関係してくるから。そのアンゴラの守備は上にも書いたように積極的に前線から来る形ではなかった。つまり、受ける形。そして、その守備ブロックはスタンダードな4‐4‐2の3ラインが形成される形だったように思う。とりあえず、その3ラインをコンパクトに維持しようとする意識は見て取れたし、同時に一体感を重要視するような印象も受けた。間に入られまくったことを考えればコンパクトブロックは維持できてなかったかもしれない。要するに、アンゴラの守備についてはちょっと曖昧な印象(あのテレビ局は全体を映してくれないから見えない部分が大きすぎるので)。

この守備をベースに日本の攻撃について再び考えてみる。高い位置から積極的に来ないから、日本の最終ラインはあまりプレッシャーを感じずに高い位置まで持ち上がることができた。そして、出し手としてはフリーの状況。これはボランチの選手でもあまり変わらなかった部分。加えて、上に書いたように前線の選手が積極的に降りてきてボールを受ける動きをする。うまく相手の守備ブロックのラインの間に入り込んで受ける動きを繰り返してた印象。下が押し上げ、上が下がり、どちらもある程度フリー。そういうわけで、中→中でも縦パスが案外簡単に収まるっていう状況が生まれてた。

ただし、このトップへの縦パスが直接的にゴールに向かう動きにつながることは少なかったと思う。確かに1度経由点になって受けるっていう形においては案外フリーになってた受けて。でも、入った後にそのまま相手ゴールに向かうほどにはフリーにはさせてもらえなかった。特別厳しく効果的だったとも思わないけど、ライン間に入った日本の受け手に対してアンゴラの方もとりあえずのチェックは行ってきたから。

日本にとってはそれでもよかった。なぜならトップに当てるってのは攻撃のアプローチの1つだったから。トップに当てる→簡単に下げる→縦パス→下げるっていうパス交換の繰り返しの中でうまく攻撃の形を作って行ったと思う。1つは相手ブロックに対するアプローチ。もう1つは味方の準備を待つっていう形において。

相手ブロックのアプローチっていう意味は簡単。真ん中でのパス交換を増やす中で相手の真ん中への意識を高めるっていうこと。一体感を重視してたような印象が強いアンゴラの守備については上にも書いたとおり。そういう意味ではより効果的だったとも言えると思う。そうやって相手を真ん中に凝縮させておいて、攻撃において意識的に起点を作ろうとしたサイドにスペースを作り出してた印象。真ん中での上下のパス交換からサイドへっていう展開が1つのパターンとして見られたと思う。

そして、そのサイドを有効に活用するためにはスペースがあるだけではなくて、そこに味方がいるってことが当たり前のように必要になる。後で書くように守備においてある程度押し下げられるWBを攻撃に参加させるための時間稼ぎが必要だった。そして、これが2つめの味方の準備を待つっていうことにつながった。パス交換で時間を作り、全体を押し下げさせるっていう考え方があったように思う。

その押し上げってのは今回の試合の日本の1つのテーマだった。これは後で書くビルドアップ以外のもう1つのパターンにおいても。とにかく後ろからの飛び出しが重視されてた気がするし、同時にそれが効果的に機能してた。最も運動量を求められたのは上に書いた両WB(特に長友の運動量は素晴らしかった)だったけど、いい時間帯にはボランチからの飛び出しが目立つようになり、さらに3バックの一角に入った森重が機を見て攻撃に参加してくるシーンを作り出すこともできたと思う。

真ん中での上下のパス交換でサイドを空けると同時にサイドの選手の押し上げを待つ。そういうアプローチの後で本来的に起点を作りたかったサイドへ展開。サイドには前線の選手が流れながらうまく数的優位を形成。そうやってサイドでうまく作っている間に中が上がってくる。逆サイドへの大きな展開を織り交ぜながら、相手に狙いどころを定めさせないやり方も見られた。そうやってボールを保持しながら、後ろからの飛び出しをうまく引き出してたと思う。

後ろの選手が飛び出せば前線の厚みは当然のごとく増す。結果として近さも生まれる。逆にそういう近さが飛び出してきた選手によってもたらされたってのがポイント。これによって前への勢いが増す。動きながらボールを引き出す形が増える。足元足元が多かったこのチームに動いてる選手に出すっていうパスの選択肢が増える。停滞感が生まれない。一番いい時間帯にはそういう動きながらの関係性で効果的にパスがつながって行くシーンが見られたと思う。

加えて、そういう時間帯には上でも触れたような効果的なサイドチェンジが目立つことになった。その要因も単純な話で、全体の押し上げの意識が高い状況の中では当然のように一番遠い選手も上がってきてるっていう話。近い関係でのパス回しのよさは書いたとおりだけど、そういう遠い選手の押し上げもしっかりと見ることができてたってこと。まさに接近→展開→連続ですねといったところか。

そして、こういう中盤でのパス回しの中で目立ちまくったのが梅崎だった。梅崎個人のことだけを考えるならば立ち上がりのような役割の方がよかったと思う。つまり、トップが落としたボールを前向きで受けてドリブルで仕掛けるって言う。ただ、今回の試合ではそういう梅崎らしさよりもチームの中での役割を重視してたような印象。それがいいのか悪いのかは分からないけど。

分かりやすく言っちゃえば柏木的。とにかく動きまわってボールを引き出す。ボール保持者に対しては常に近くに行って助ける動きをする。こういう梅崎の中盤での働きが中盤でのパス回しをスムーズにする潤滑油となっていたと思う。こういう動きもできるんだなっていうのはちょっと意外。どちらかというとこのチームで重視される技術よりで運動量が少ないタイプっていう印象のが強かったから。ただ、上にも書いたとおり、チームのためにっていう今回のプレーがいいのか悪いのかは微妙なところだけど。

というわけで、全体としては質の高いサッカーが見られたのが今回の日本。ただし、こういう質の高いやり方がずっと継続できたかっていえばそういうわけでもない。こういうやり方ができたのは、ほとんどアンゴラがお疲れの後半。それ以外の時間はどちらかと言えばアンゴラペース。確かにビルドアップから中盤の仕掛けとか作り方の部分でのよさが見られた今回の日本ではあったけど、それを生かせない時間が前半は長かったのも確かだった。

ちなみにビルドアップについて補足すると、今回の試合で改善されたのは幅が使えたってこと。中に意識を向けておいて外を空け、そこを利用するっていうアプローチは素晴らしかった。途中から相手の守備がルーズになってくると、そんな前置きなしでサイドに起点を作ることが増えたけど。どちらにしても、サイドに起点を作るってのは今までのこのチームではあまり見られなかったことであって、それがビルドアップの問題を作り出してたとも言える。上に書いたように、相手が1つ1つの入りどころにしっかりとプレッシャーをかけてきたらどうなるかっていう不安はあるものの、基本的には前進が見られたと考えてよかったと思う。

話が完全に右往左往してるわけだけど、ビルドアップから中盤の仕掛けが改善されたのにそれを生かせなかった前半の展開について見ていきたい。前半も立ち上がりの時間は後半のようにいい形での組み立てが見られた日本。真ん中に寄せて外を使うっていう1つのパターンもほとんどはこの時間帯に見られた。ただ、アンゴラの体が温まってくると段々と受ける時間が長くなりだした。その中で攻撃はカウンター主体になって行く。そして、最終的にはベタ引き無限ループにまで押し込まれる形になってしまったと思う。

この流れを考える上で日本の守備について見ていきたいと思う。基本的にA代表と同じように積極型と消極型を併用するこのチーム。ただし、A代表ほど積極型の質が高くない。FWだけが頑張って後ろが連動しないっていう前後分断に陥ることも多い。というわけで、たぶん消極型主体で戦った方が現実的だと思う。相手に合わせてシステムを変更するやり方も、それを念頭に置いてると思うし。A代表は積極型を採った方がいいと思うけど、こっちのチームは消極型でもいいかなって思う。

というわけで今回の試合でも消極型の守備が見られた日本。ただし、そのブロックの作り方がちょっと面白かった。単純に3‐4‐1‐2を作るのではなくて、最前線で李と梅崎をWGっぽく両サイドに張らせた(CFに豊田。ただし、入れ替えながらやってたかもしれない。)3‐4‐3の形になってた印象。これはサウジ戦でも見られた守備の形。このことが何を意味するのか。

1つは単純に攻撃で3‐5‐2を使った時には守備は3‐4‐3にしましょうねっていう考え方。受けると言ってもベタ引きにならずに、より高い位置で相手にプレッシャーをかける意識がある形だって言える。ただ、実際のところは相手に合わせた3‐4‐3っていう意識の方が強い印象。これについては相手が4‐4‐2以外のチームになってくれないと、はっきりとしたことは言えないけど。ただ、少なくとも今回は途中から攻撃も3‐4‐3っぽい形への変化していた。だからこそ、梅崎のサイドでのプレーが明らかに目立ったんだと思う。

3‐4‐3と4‐4‐2。全然違うように見えるこの両システム。でも、実際のところは以下の通りガッチリとシステム的合致が生まれる。オシム時代のガーナ戦がまさにこのシステム的合致を利用した試合だったはず。

<●:4-4-2、○:3-4-3(5-2-3)>
   ●  ●
●   ○    ●
○  ●  ●  ○
●  ○  ○  ●
○  ●  ●  ○
  ○ ○ ○

とにかく全体として見るべき場所をはっきりさせるためのシステム的合致。それはつまり、徹底的に相手に合わせるような戦い方を意味することになる。だからこそ、今回の試合で時間とともにアンゴラがペースを上げてくると、それにそのまま引きずられる形で日本のペースがダウンしていくこととなった印象。今になってみればサウジ戦でも同じような流れが見られたように思う。

それでも最初のうちは相手をおびき寄せておいて逆にカウンターを仕掛けるような余裕もあった。ここでも上に書いた後ろからの飛び出しが効果を発揮。切り替えで多くの人数が飛び出すことによって、効果的な攻撃を可能にしてた印象。そのときにしっかりと豊田が起点になれるシーンも多かった。ただし、これはあくまでもベタ引きにされてないときの状況だったってこと。

この時間は要所要所で止める守備ができてたから、全体が押し下げられる結果になる前にボールを奪えるシーンが目立ってた。システム的合致を活用しながら、自陣に入ってきたボールに対しては忠実にチェックをする。その寄せで相手を足止めしておいて、周囲と協力して挟み込む。1度足止めができれば、周囲の協力が素早く効く形ができたのはよかった部分。その辺は昨日のA代表のバーレーン戦と似ていた部分だった。

ただし、今回の相手はバーレーンではなかった。そして、こちらもA代表ではなかった。昨日の試合ではバーレーンのボールの入りどころに日本が忠実にチェックをしていれば、かなりの確率で足止めは可能だった。でも、今回はそうは行かなかったと思う。基本的な運動能力で上回るアンゴラの選手たち。日本の選手のチェックなどものともせず、むしろチェックが効く前に逃げてしまうシーンがだんだんと目立っていったと思う。

1つ1つのチェックで効果的に足止めできなくなれば、守備の勝負どころが定まらなくなる。守備の勝負どころが定まらなければ、とりあえずはラストに人数ベースの守備ブロックを作るってことが選択肢の最初。さらに、アンゴラは流れが向くにつれて後ろからの飛び出しも活性化させる。特に左SBの選手が攻撃に積極的に出て来まくり。対応する梅崎は押し込まれまくり。前半は守備の方で目立った梅崎だった。その負担を軽減するためか後半は梅崎が左サイドに出てたと思う。

とにかく、もはやベタ引きラストブロックを作るしかなくなった日本。3-4-3⇒5-4-1のヒディンク的移行。想定してたかどうかは分からないけど。奪ってからトップに預けて後ろが一気に飛び出すカウンターがなくはなかったけど、実際のところはないに等しかった。奪って前線に送ったボールを相手に拾われる→相手の攻撃が続く→押し上げが図れない…っていう無限ループ状態にはまった前半の後半の流れだった。

ただ、その中でも決定的なチャンスは作られてない。それはアンゴラの攻撃が個任せ単発だったから。中盤での1つ1つのチェックは個の力で否すことができたアンゴラ。でも、人数ベースの日本のラストブロックを個で崩すのはさすがに難しい。結果としてブロック内に入り込んで密集地帯で窒息させられるか、窒息を嫌ってブロックの外からシュートを打つか。そのどちらかだけ。そんな流れで決定的なチャンスを生み出すのは難しかったと思う。個人が組織に還元できればなって思うけど、それはアフリカ勢永遠の課題か。

さて、そんな感じで前半は一応主導権を握ったように見えたアンゴラ。主導権を握ったと言っても、ゴールに近づけない上にブツ切りの流れだったから圧倒的にっていう状況ではなかったけど。そして、その前半で疲れてしまったらしいアンゴラ。後半に入って再び日本のブロックをベタ引きに押し込むような形を作ることはできなかった。頼みの個は精彩を欠いて日本の忠実なチェックに止められる。そして、すぐに数的不利に陥る。加えて後ろからの押し上げが少ないから、ますます孤立。日本の前線の選手に守備を強いることもできない。

というわけで最初の方に書いたことに戻って、日本が効果的に攻撃を行う流れ。新しく入った選手もうまくチームにフィットして勢いをもたらすことに成功した。特に途中出場の香川はドリブルで仕掛けまくり。梅崎がチームのために働いて自分のよさを出せなかった(何度も書くけど、それでもチームのために働いた評価は高かったはず)のと比べると対照的。もちろん香川も前線でポジションにこだわらず動き回ったり、そうやってボールを引き出したりっていうチームのための働きもきっちりとしてたわけだけど。

こういう流れの中でチャンスも多く作れた。前半から重視してきたサイドからの攻撃もうまく機能してたと思う。上にも書いたけど、そのサイドで前半から上下動を繰り返しまくった長友の運動量は素晴らしい。中盤でのパス回し、接近→展開→連続っていう言葉に表せるようなショートパスと効果的なサイドチェンジの組み合わせ。そこに個々のドリブルも織り交ざられる。後半は相手がお疲れモードだったことを差し引く必要が多分にあるけど、基本的にはかなりいい形の試合運びができてたと思う。

その中で相手の集中力が一瞬切れたっぽいところを突いての得点。相手のお疲れモードを見ても、前半からの流れを見ても、その1点を守りきれる雰囲気がありまくり。逆に追加点が奪える雰囲気もありまくり。少なくとも昨日のA代表に比べれば。だから、内容も結果も伴った素晴らしい試合になる雰囲気がありまくりだった。

と思いきやの失点。ロングボールからの一発。FW2人だけでやられてしまった。どこかで見た流れ。今回の試合ではあまり気にする必要もないけど、オリンピックを見据える上で閉め方も考えていった方がいいかなって思ったりする。ちょっとでもプレッシャーがあると途端に安定感がなくなるっていう弱点が解決されたかどうかが定かではないだけになおさら、何かしらのアプローチをとる必要があると思った。

今回の試合に関しては主力がいなかったのは大きい。全然違うメンバーだったから、今まで見たことのなかったようなやり方があっさり採用できたと思う。でも、今回の試合みたいな形は実際にはこのチームの立ち上げ当初のやり方に近いんじゃないかって思ったりもするけど。あのころも後ろからの飛び出しが1つの攻撃のベースになってた。主力が戻ってきたらどうなるのか。

ちなみに去年の最後の方は技術路線から走り路線への変更を図りかけてたように見えたこのチーム。今回の試合でもどちらかと言えば走り路線。梅崎の役割とか、長友の頑張りを見たりすると。それに後ろからの飛び出しがベースになってたってのも走り路線の1つか
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2008-03-27 Thu 03:41
バーレーン×日本
<日本:3-5-2>
FW:巻-大久保
MF:山瀬、安田-鈴木-中村-駒野
DF:今野-中澤-阿部
GK:川口

はっきり言っちゃうと、見るべき部分があまり多くない試合だった。その理由は簡単。内容重視のサッカーを完全に捨てたから。つまり、結果至上主義のやり方を採ってきたってこと。だから、これまでの内容を踏まえてどうこうっていう形にはならなかったんだと思う。今回の試合で、結果を得るために岡田色もとりあえずは棚上げにされた。結果を求めるための戦い方を採るってのが岡田色と言えば岡田色か。どっちにしても、それだけ結果を求めた試合で結果が残せなかったってことをどう捉えるべきか。今回の試合は結果も内容も得られないものになってしまった。

結果を求めるために日本的なやり方を捨てた日本。どちらかと言えば、バーレーンのサッカーにそっくりだった気がする。それは上にも書いたように結果追求の中で選択されたやり方ではある。でも、実はバーレーンの土俵で戦うってことにつながってしまった気がする。いつもやってるサッカーをしてる(と思うバーレーン)と急遽バーレーン的なやり方を採用した日本。年季が違うって話。そう考えると、結果も予想外ではないのかもしれない。

その日本。立ち上がりからとにかく蹴りまくった。ボールが自分たちのものになったら、とにかく前線へ。それが合言葉だったような気がする。非常に日本らしくないやり方。何しろ中盤をぶっ飛ばしてしまうわけだから。にも関わらず、立ち上がりの時間帯にはこの蹴りまくりがある程度の成功を収めたと思う。

蹴りまくりの相手は前線の2トップ。大久保は動きながらボールを引き出し、巻は高さを生かしてボールを引き出す(巻にも動いて引き出す意識が見られたけど)。立ち上がりは、そこに山瀬もうまく絡むことができた。だから、蹴りまくりのボールが効果的に前線に渡ることが多かったと思う。そうやって前線にボールが渡ったところに、WBが一気の飛び出し。蹴る→2トップ+1へ→サイドへ。この一連の流れの中で深い位置に攻め込むシーンをいくつか作り出せた。相手の3バック脇の弱点も突きながら。

もちろん、大雑把な蹴りまくり作戦。効果的に前線につながる可能性が高いとは言えない。でも、たとえ蹴ったボールが相手に渡ったとしても、それはそれでよかった。なぜならば相手にボールが渡った瞬間に中盤での効果的な切り替え守備が機能するから。蹴って→押し上げた後ろの選手たちが、相手に奪われた瞬間に高い位置で効果的な守備を行った。だからこそ、立ち上がりは中盤で効果的に奪ってからの攻撃が目立ってたと思う。

ただ、こういう流れも長くは続かない。なぜならば日本はあくまでも結果を残すためのやり方を採ってたわけだったから。結果を残すってのは、今回の場合はつまり、負けないっていうこと。負けないためには失点を喫しないことが重要になる。そして、そのために守りに重点を置く意識が高まる。いつのまにか、守備に追われる時間が長くなっていった気がする。

基本的にバーレーンの攻撃も蹴りまくり。2トップ+1を狙って蹴って、後はボランチとWBの押し上げによって前線に厚みを増す。日本のやり方とは大きな差がなかったって言っていい。ただし、ボランチの攻撃参加の意識は立ち上がりからバーレーンのが強かった印象。この辺がホームとアウェーの差か。

どちらにしても一気に距離を稼いでくるバーレーン。日本のブロックは押し下げられる結果になってしまった。それじゃなくても、守りの意識が高い日本。最終ラインはほとんど5バック。これで蹴った後の展開に必要なWBの2枚が前線とは遠い位置まで押し込まれる。さらに、上に書いたような相手のボランチの積極的な攻撃参加に山瀬が引っ張られる状況。

ちょっと余談だけど守備時には最終ラインに帰って、攻撃時には最前線まで出ていくことがWBには求められてた。今回の試合ではサイドの意識が高かった日本の攻撃においてWBの果たす役割は大きかったと思う。結果として攻守に渡るすさまじい上下動を求められた両WB。後半になると安田が消えてしまった。逆にずっと目立ち続けた駒野の素晴らしさを再認識。

話をもとに戻すと、日本の方は典型的にトップがはがれる状態。それまでと同じように奪ったボールを前線に蹴っても、それまでとは違って効果的に前線に起点を作ることができない。蹴ったボールが再び相手に渡るっていうシーンが増えていった。そうなれば、当然のように後ろの押し上げが難しくなる。結果として2トップははがれたまま。だから、前線に起点を作れない。無限ループ状態に陥りかけた前半途中の流れだった。

ただ、この時間帯に圧倒的にバーレーンに流れが行くっていう状況にはならなかったと思う。日本陣内にボールがある時間は明らかに増えてたけど。それでもバーレーンの時間帯だっていう印象を強く受けたわけではなかった。その要因はバーレーンの攻撃のやり方にあった気がする。

バーレーンの攻撃は蹴りまくり。蹴りまくらなくても、2トップ+1に対する意識が高い。縦への意識が高い。中盤で時間をかけて組み立てるっていうよりも、とにかく前線にボールを供給してやろうっていう意識が高いのがバーレーンの攻撃の特徴だった。中盤の選手(WBとかボランチ)が絡んでくるのは、1つ前線に起点を作ってからっていうイメージだった。

流れがバーレーンに行きかけたけど、完全にはバーレーンに傾かなかったのはこのため。あり得ないことなんだろうけど、バーレーンがしっかりと中盤で組み立てるようなやり方を採ってきたとしたら、完全に流れが傾いてもおかしくなかった。なぜならば、日本の守備ブロックは5‐3。中盤は数的にスカスカ。しかも、あとで詳しく書くように全体として後ろに対する守備の意識が高かった今回の日本。後ろに対するってのは、後ろと協力して挟み込むっていうような形。だから、バーレーンが中盤でボールを回したとしたら、あまり苦労せずに実現可能だったと思う。逆に日本からしてみれば、相手がそういうやり方を採ってこないって分かってたからこそ中盤をスカスカのまま放置したっていう側面もあったと思うけど。

中盤を重視しなかったバーレーンは上にも書いたように、前線にボールを供給しようとする。そして、そこは日本の守備がしっかりと固めてるところ。マンベースの最終ラインに中盤が協力して、しっかりと押さえてるところ。そのブロックに入って来たボールは日本の側がうまく抑えることができてた。そして、そういう場所で奪ってから前線に蹴りだす。これが日本のやり方。バーレーンも前線に送りだして、日本側が待ち構えている場所に勝手に入り込んで4くる。蹴りあいの流れが続くことになった。

こういう流れの中で日本の方が工夫を見せ始める。基本的に蹴るってことは変えなかった。でも、蹴り方を変えた。それまでのように単純にトップのいる真ん中を目指すんじゃなくて、サイドのスペースを見るようになったと思う。その中で右→左への斜めの質のロングボールで安田を狙うっていう形が目立つようになっていったと思う。同時に中村の攻撃参加を活発化させたのも、この時間帯から。その中でバーレーンのカウンター的なロングボールが見られるようになってくる。日本の3バック×相手の2トップみたいな少人数での攻防が目立った。ただし、基本的には日本の方が苦もなく跳ね返してたけど。

というわけで、最初の工夫によっては大きな効果を上げることができなかった日本。仕方がないので、次のアプローチへ。それは何かって言うと、日本に戻るっていう単純なことだった。前半の30分過ぎぐらいの時間帯から徐々にしっかりとつないで行こうっていう意識が高まって行った。横に広がった3バックでのパス交換が見られるようになり、同時に低い位置での保持時間が延びた。なんでもかんでも蹴りまくってたそれまでの時間とは明らかに違ったアプローチ。

やっとバーレーン×バーレーンからバーレーン×日本に落ち着いた。そして、地上からの攻撃をしてみると、バーレーンの守備の問題点が明らかになってきたと思う。最初っから日本的に戦っていれば、案外簡単に行けたんじゃないかっていう形。もちろんアウェーの戦い方、つまりリスクを冒さない戦い方っていうことで選択された蹴りまくりだったんだろうけど、ちょっと蹴り過ぎた印象。

そのバーレーンの守備の問題。そもそもバーレーンの守備は3‐5‐2(5‐2‐1‐3というか、3‐4‐1‐2というか)をセットしたところから開始。突如として守備のスイッチが入って(日本がもたついたりしたときに)、全体が前へ前へと出てくるシーンがあったのも事実だけど、基本的には積極的な守備をせずに自陣で受けるイメージが強かった。そういうわけで日本の攻撃のスタートのところは結構浮いた状態でボールを扱うことができたと思う。そのスタートのところっていうのは最終ラインの3枚だけではなくボランチまで含めて。中村が浮いた状態でボールを持って攻撃のスタートを切れるってのは、日本にとってはかなりラッキーな状況だった。

ただ、この時点ではまだバーレーンの守備に大きな問題があるとは言えない。バーレーンとしては日本の攻撃のスタートのところをフリーにしてるんだから、受け手の方は絶対的な対応をしなきゃいけませんねってとこ。ただ、今回の試合を見る限りでは、その受け手の対応の方もルーズな状態だったっていう印象を受けた。

これが問題点。ブロック内に入ってきたボールに対して、中途半端に距離を空けて対応する。ボールが入った後で気づいたように対応する。つまり遅れて対応するシーンが増えて、結果としてラフプレーが増えることとなった。駒野がいい形でドリブルで仕掛けるシーンを増やしたのも、ボールを持ってから余裕があったから。相手が気づいて対応する頃には、主導権を握っているのは駒野の方だった。

出し手も受け手もフリーでボールを扱えた日本。これによって東アジア杯で見られたビルドアップの問題は解決。何の苦もなく攻撃のスタートを切ることができたから。この点については立ち上がりからの蹴りまくり作戦で解決したと言えばしたっていう問題だったわけだけど。とにかく、簡単にブロックに入られてしまうバーレーンはゴール前に人数ベースのベタ引きブロックを作るってことになる。1点リードの最後の時間に見られたような。全体としてのやり方を見る限り、バーレーンの守備のやり方は、そういうベタ引きが基本なんだろうなって思う。

でも、その日本がバーレーンをベタ引き状態にする時間はあまり長くなかった。日本的に中盤を重視して戦えば、簡単にそういう状況にできたと思うんだけど。そして、いつもと同じようにラストの1/3に気を使うことができたと思うんだけど。アウェーとはいえ、主導権も日本の側が握ることができたはず。実際にそういう流れにならなかったのは、ここまで書いてきたように日本が日本的なやり方を捨てたからに他ならなかった。

その中で日本的なやり方が見られた前半の最後の時間の話に戻ってみる。この時間はつなぐ意識を強くし始めて、その中でバーレーンの守備の問題に気付き始めたってのは上にも書いたとおり。出し手も受け手もフリーになって、ビルドアップの問題が解決したってのも上に書いたとおり。

懸念材料だったスタートの1/3の問題が相手の守備のまずさによって解決した日本。でも、今回は途中の1/3がいつものようにスムーズには進まなかったようか気がする。最初のスタートが切れても、次のところでもたつくというかなんというか。だから、ビルドアップの問題が解決されたとしても、ラストの1/3をどうしようかっていうような考えに集中することができなかったような気がする。

その要因の1つは遠藤の不在にあったと思う。このチームにおける遠藤の重要度は高いから。というよりは、遠藤、中村、山瀬の3人が攻撃においてもたらす役割がかなり大きいから。この3人にFW、SBを加え、流動性をベースとしながら次々にトライアングルを作ってくってのが岡田色の1つ。結果として途中の1/3の場所は他の場所に比べて、恐ろしくスムーズに、効果的にパスが回る印象が強いチームになってる。

最初の1/3の怪しさについては東アジア選手権のときに書いたし、今回もここまで触れてきたとおり。最後の1/3の問題については今さら言うまでもない。岡田監督になってから生まれた問題ではないし、すぐに解決する問題でもない。半ばあきらめ気味。そういうわけで、このチームの中の要は必然的に途中の1/3だってことになる。その中核を担う遠藤-中村-山瀬のトライアングルの一角が欠けた今回の試合。途中交代も山瀬→遠藤だったから、この3枚が揃うことは結局なかったわけだけど。その中で効果的に相手のラストブロックに仕掛けられないような状況が見えてきてしまった気がする。

加えて、今回の試合の日本はサイドに起点を作ろうとうする意識が強かった。相手が3バックってことを考えれば間違った選択ではない。ただ、岡田色は真ん中からの攻撃重視な気がする。当初はオシム色を一部引き継いで、サイドに起点を作りながらっていう形も見られたけど、接近→展開→連続の消滅とともに消えていった。その後はここまで書いてきた、中盤の3枚を中心として真ん中を崩していく形が増えてたと思う。サイドはフィニッシュの利用。

そういうわけでサイドに起点を作るっていうやり方も結果を求めたアプローチの1つ。そして、このサイドに起点を作るっていう意識の中で、中核となるトライアングルのうちで残った山瀬と中村も中核から周辺へと押しやられることになってしまったと思う。どちらも役割はサイドの助け(あとは攻撃のスタート)。サイドに流れながらのプレーが多くなった印象。

だからといって、絶対的にサイドに起点を作るかと言えばそういうわけでもなかった。サイドの選手は絶対的な攻撃の選手ってわけではなかったから。今回の試合でいえば、守備に重点を置いていたといってもよかったかもしれない。だから、攻撃の中で核とするにはちょっと足りない。その辺があいまいだったと思う。

結果として、どこからどうやって攻めるかはっきりしなくなった。FWもあまり組み立てに参加してこなかったし。このチームではFWが組み立てに参加するってのが1つのやり方だったはずなんだけど。全体として形が見えなくなってた気がする。これも結果を求めたアプローチの副産物。

自己中サッカーで常に自分たちのやり方を押し通せとは言わないけど、ある程度の核は必要だと思う。今回は3‐5‐2システムでこれまでの4‐4‐2or4‐5‐1が消え、蹴りまくり作戦でパス回しが消え、遠藤の不在で攻撃の中核を担うトライアングルが片手落ちになり。細かいところまで挙げればキリがないけど、あまりにも手を加え過ぎた気がする。結果としてバーレーンの土俵に乗ってしまったってのは上にも書いたとおり。全く試合が落ち着かずに、蹴りまくりの流れになったのは、明らかに日本のスタイルにはあってなかった気がする。

それでもパス回しからバーレーンの守備のギャップをついて光が見え始めた前半の終り。後半に向けてこのやり方を継続をして行けば、日本の土俵に引き戻すことが可能だったと思う。つまり、狙いどころがなくなってベタ引きになったバーレーン守備ブロックに対して、日本がゆっくりとボールを保持しながらギャップを見つけていく(作って行く)っていうやり方。少なくとも前半の終わりには、それを期待してた。

でも、実際には後半になると再び蹴りまくりに流れになった。なぜかはイマイチ分からない。ボールを持ったら前線に蹴りだす。つながらずに相手のボールに。っていう展開が続いたと思う。後半も立ち上がりはリスクを冒さずに、とりあえず蹴りまくりましょうっていう考え方だったのかもしれない。

もう1つ考えられるのが後半は立ち上がりからバーレーンが勝負に出てきたこと。前半にはなかった中盤でつなぐっていうシーンが見られたし、何よりも前線にかける人数が圧倒的に増えた。前線にボールを送り込んで、後ろが飛び出して厚みをもたらすっていう基本的な考え方は変わらない。でも、後ろから飛び出して厚みをもたらす選手が明らかに増えたと思う。

基本的に低い位置で守っている日本の5‐3守備ブロック。後ろから飛び出されまくると、捕まえ切れない。しかも、基本的には人をベースに守備をしている日本の守備。最初の時点で捕まえられてない相手選手にそのままゴール前に入り込まれるシーンが見られるようになる。結果として後半の立ち上がりの時間帯は危険なシーンが増えることとなった。

これに対して蹴りまくりに戻ってしまったって考え方。前線に人数をかけている相手に対して、味方ゴール前でパスをつなぐってのは危険な選択肢。それに、とにかくゴールから遠い位置にボールを送ってしまいたいっていう意識もあったかもしれない。とにかく、せっかくパス回し中心の日本的なやり方に戻りかけた希望があっさりと消えてしまったのは事実だった。

ちなみに、この後半の立ち上がりの時間帯に危険なシーンをいくつか作られた日本の守備ブロックだけど、全体を通して見れば安定感のある守備ができてたと思う。少なくともルーズさが目立つバーレーンの守備ブロックから見れば、格段の差があった。だから、守備だけを見ると今回の試合の結果は妥当だとは言えないかなっていう気がしなくもない。

基本的にこのチームの守備には2種類ある。アジア杯のときにも書いたと思うけど、大雑把に言えば積極的に行くか消極的に受けるか。その判断はFWの守備を見れば分かるってのも前に書いたとおり。FWが深い位置の相手最終ラインにもプレッシャーをかけて行けば積極的、1度戻ってブロック作りに参加すれば消極的っていう考え方でいいと思う。少なくとも、これまでの試合ではその分類が当てはまった。

さて、今回。FWの守備意識を見る限りでは消極型。後半になると相手最終ラインに対して守備をしようっていう意識が見られたのも事実だけど、後ろの連動を見るとチーム全体としての意思統一が図れてたかどうかは微妙。そもそも攻撃のやり方までを大幅に変えてしまうほどに、相手を尊敬してた今回の日本。後ろにギャップを残してくるっていうリスクを背負う積極型の守備を採るってのはちょっと考えられない。

それに、今回のシステムを見た時点でこの消極型の守備は予測できた。前線から積極的に行くにはトップがスタートとなり、その次、次って連動することが不可欠。これまでは4‐1‐3‐2もしくは4‐2‐3‐1の形で2トップか1トップ下に中盤の3枚のフィルターが並ぶ形。対して、今回は3‐4‐1‐2もっと言えば5‐2‐1‐2。トップが頑張ったとしても、次が連動するにはちょっと心もとない。

それにそもそも岡田監督になって初の3‐5‐2採用は消極守備の下地だともいえる。消極守備においてはFWが積極的に追いかけない。だから、相手の出し手はある程度フリーになる。だから、受け手の方をしっかりとケアする必要がある。これはバーレーンの守備について上に書いたことと同じ。そして、受け手をしっかりとケアする1つの方法は見るべき相手をしっかりと見るってこと。そして、そのためにはシステム合致が近道となる。

相手の3‐5‐2に合わせてた3‐5‐2でこれを作った。3バック(日)×2トップ(バ)はよし。両サイドの攻防もよし。中盤の真ん中は相手のトップ下の4番を鈴木が見て、中村が7番、山瀬が10番っていう大まかな決まりごとがあったような印象を受けた。

これを利用したことでバーレーンとは違った質の守備が可能になったと思う。受け手に対してもルーズだったバーレーンの守備に対して、見るべき相手をある程度定めた日本の方は入りどころに対してきっちりとした対応が可能になった。しっかりと距離を詰めて、相手を足止めするような守備ができてたように思う。

そして、今回の試合で目立ったのは上でもちょっと触れたような挟み込みの意識の高さ。1人が相手のボール保持者を足止めにしたときに、1つ上の選手が助けに来るシーンがかなり多く見られた。基本的に効果的にパスを回すっていう選択肢がない(引き出しの動きもそれほど良くない)バーレーン相手には、1人が止めて、もう1人が協力するって形の守備でも十分に大きな効果をもたらした気がする。この前後の関係性のよさは、今回の試合ではっきりとよかったと言える唯一の部分だったかもしれない。

さて、後半の最初にバーレーンが勝負をかけてきたっていう話に戻る。このバーレーンの勝負は長くは続かなかった。日本がしのぎ切ると、バーレーンが完全にペースダウン。もちろん意図しない。同時に日本が遠藤を入れて、本格的に流れを引き戻し始める。

しつこいようだけど、ここで山瀬→遠藤っていう交代はちょっと違う気がする。今回の試合での山瀬の役割、つまりサイドの助けっていうことを考えれば遠藤の方が適してたのは確か。山瀬のよさであるゴール前に顔を出すシーンはほとんど見られなかった(そもそもゴール前のシーンがほとんどなかったけど)し、ボール保持者を助ける役割なら遠藤は大得意だし。だから、それまでの形を継続するならば山瀬→遠藤の交代は間違ってない。何よりも今回の試合はバランスを重要視してたはずだし。

でも、本格的に相手を押し込もうとするならばここまで書いてきたように山瀬を残して遠藤と中村とともに中盤にトライアングルを作りたかった。鈴木を下げるってのは現実的じゃないから、消え気味のFW1枚を下げるか(中盤をなんとかしないと、FWが目立たせられないんだからしょうがない)、いつもの4バックにするか。山瀬と中村でいつもの3人分の働きをしようとして、どちらも窮屈になったそれまでの時間。山瀬→遠藤の交代ではそれが継続するだけだった。

確かに、この交代で日本の方に流れが来たのは事実。後半の開始当初の蹴りまくりも減って行く。それは山瀬よりも遠藤の方が中盤をスムーズに回すってことについては上回ってたからってのが1つ。もう1つは上にも書いたとおり、ここぞの勝負をしのぎ切られたバーレーンの運動量ガタ落ち。相手の運動量が落ちると、嘘みたいに元気が出るこのチームだからなおさら。

それでも最後の最後の相手ブロックに仕掛けることができたかって言えばそれは違った。印象の話になるけど、やっぱりその前の1つのピースが欠けてたイメージ。いつもの1つ手前で抑えられてしまうことが多かったと思う。だから、これだけ攻めてるのにっていうもどかしい展開でもなかったと思う。1つ前で引っ掛けられることが多くなって、最後のシーンに行きそうな気配があまりなかったから。相手ブロック前で無為にパスを回すっていうアジア相手に見られる日本らしさ(いいか悪いかは別にして)も見られなかった。ついでに圧倒的に保持できたわけではなかったし。これは未だ残る縦への意識の起因したわけだけど。

そのうちに失点。今回の試合では日本も多用した縦一発から。やっぱり縦一発ではバーレーンの方が1枚上手でしたっていう話。日本は蹴りまくっても蹴りまくっても、あれほど決定的なチャンスを作ることができなかったわけだし。そして、蹴りまくるならば絶対的なFW、ここぞのチャンスで決められるFWが必要だなとも思うわけで。日本には明らかに合ってないスタイル。というか、あれだけ蹴るならなんで田代&巻にしなかったのかなって思った試合終了後だった。

この得点後のバーレーンは完全引きこもり。本当に完全引きこもり。日本にしてみれば、やっと落ち着いてボールを回せる時間になった。バーレーンにしてみればボールを回させてるってことなんだろうけど。後半の30分過ぎからいつもの課題であるラスト1/3に取り掛かることになった日本。時すでに遅しって。そう考えるとバーレーンはなんて絶妙な時間に先制点を奪ったかって話。

とりあえず、今回の日本は相手を尊敬し過ぎた。相手を尊敬し過ぎて相手と同じやり方を採用した。そして、同じやり方をするならばこれまで培ったものが大きいバーレーンの方が上だった。ただ、それだけの話。本当に相手を尊敬するから、相手の苦手なことをすべきだと思うわけだけど。そして、相手が苦手なのは本来の日本のパス回しだった気がする。あの守備を見ると。ベタ引きにさせてしまえば、相手の蹴りまくり作戦も前線の人数が足りなくなるし。とはいっても得点は前の2人だけで決めたバーレーンだから、それがどれほどの意味を持つかは定かではない。
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