ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-04-11 Fri 15:36
マンU×ローマ
<マンU:4-1-4-1>
FW:テベス
MF:ギグス-アンデルソン-ハーグリーブス-パク・チソン、キャリック
DF:シルベストル-ファーディナンド-ピケ-ブラウン
GK:ファン・デル・サール

<ローマ:4-2-3-1>
FW:ブチニッチ
MF:マンシーニ-ペロッタ-タッデイ、ピサーロ-デ・ロッシ
DF:カセッティ-ジュアン-メクセス-パヌッチ
GK:ドーニ

前回の試合の記事の終わり。ローマが勝つためには後先考えずに前線から追いかけまわすような守備をすべきだって書いた。ローマの守備は引いた4‐4ブロックでバイタルをつぶすってのが本来のやり方。今回の状況でそういうやり方を採ったらどうなるか?おそらく、マンUは無理に攻めていかない。ゆっくりとボールを回しながら時間を使い、ここぞのチャンスでゴールに向かっていくってやり方を採ってくるはず。そうなったらもう、最低でも2点が必要なローマは絶望的。というわけで、本来の自分たちの形とは違ってでも自分たちから積極的に守備をするやり方が要求されたって言っていい。そして、それはマンUにとって苦手な部分だってのも今まで何度も書いてきたとおり。

さて、実際にローマはどういうやり方を採ってきたか。後先考えないレベルで前線から追いかけたかって言えば、そうではなかった。だからと言って、いつものように4‐4で受けるような形を採ったわけでもない。その中間的なイメージ。そもそも本来のローマも守備のブロックを作った時点では、前線の3のフィルターで引っ掛けられればいいなってやり方をまずは採ってくる。ただ、基本的に重心は後ろに傾いてるから、引っ掛けられればラッキーっていう程度。その引っ掛けられればいいなっていう意識を高めたってのが今回の試合だったように思う。

まず、いつもとの違いが見られたのがFWの守備意識。トッティがトップに入ろうが、ブチニッチが入ろうが、ローマのFWはそれほど守備の役割を求められてないってのがこれまで見られた形。中盤の3の前にただいるだけっていう形が目立ってた。だからこそ、中盤の3で引っ掛けられればいいなっていうレベルの根拠の薄い形になってしまっているわけだけど。そのブチニッチが今回は守備のスタートとして機能しようっていう意識を見せてた。

ただし、深い位置の相手の最終ラインまで追いかけまわそうっていう意識までは見られなかったと思う。あくまでもローマの守備は4‐2‐3‐1のブロックを作るところが最初。そのブロックを自陣の方に引きつけた状態で形成。その上で、ある一定の場所に入ってきた相手のボールに対して守備を開始するっていうようなイメージ。この辺が後先考えずにっていう守備の質ではなかったっていう部分。ただ、それでもブチニッチが守備のスタートとして機能し、相手の最終ラインに対してプレッシャーをかけてくれるってのは大きな意味を持ってた。

いつもはトップの守備が機能しないローマ。そして、基本は4‐4バイタルつぶしに置いてるローマ。最初に4‐2‐3‐1のブロックを作り、中盤に3のフィルターを築いたとはいっても、その2列目の選手たちの意識は後ろに向いてると言ってもいい。前の守備には根拠がないから、頑張っても無駄に終わってしまう可能性が高いわけだから。よって、中盤の3が高めの位置で効果的に機能することができない。相手がもたついたときに、その3から選手が出て行ってスイッチを入れるようなやり方が見られるのは事実ではあるけど。

それに対して、今回はブチニッチが守備に参加。よって、前の守備に根拠が生まれたこととなる。結果として2列目の3枚の前への守備意識が明らかに高まった。敵陣内の相手に対しても、次々とプレッシャーをかけに飛び出していくシーンが多かった。そうやって、相手のボールに対して自分たちから能動的に守備を開始することが多くなった印象。結果として今回のローマは4‐4‐1‐1よりは4‐2‐3‐1で戦う時間が長くなったと思う。途中で一瞬4‐4‐1‐1になった時間帯があったけど、それは後で詳しく。

とにかく、前線から能動的な守備が見られたローマ。この守備が狙いどおりに機能したならば、ローマのペースになったかもしれない。攻撃における後ろからの飛び出しがいいローマ。低い位置の4‐4で奪ったときでも、カウンターの流れで人数をかけられるローマ。そんなローマが高い位置で奪ってショートカウンターを仕掛けまくる流れになれば、それはマンUにとっては歓迎できないこと。どちらにしても、高い位置から積極的に守備を仕掛けられたマンUの攻撃が少なからずうまく回らなくってことは想定できたと思う。

でも、実際にはそうならなかった。確かにローマが高い位置の3のフィルターで引っ掛けるシーンも1つ2つは見られた。でも、基本は逃げられまくった。それにマンUの方も相手の守備に対して焦りを見せなかったように思う。追いかけられて蹴ってしまうシーンがあったのは事実だったけど、それがつながった。前が準備できてないのに仕方なく蹴ってしまうような、いつものマンUのロングボールではなかったと思う。前は準備できてたし、後ろからのボールの質も高いってことが多かった。前にマンUはロングボールの使い方が下手だって書いたけど、今回の試合を見るとすみませんって感じ。こうなってくると、逆に、縦に急いでどんどん効果の薄いボールを蹴りまくってたときは何だったんだって話になるわけだけど。そういえば1つ前に見たリバプール戦でもロングボールの使い方のうまさが目立ってた。

話を戻して。今回の試合でのマンU、そもそも相手のプレッシャーに負けて蹴りだしてしまうってこと自体も少なかったように思う。相手の前からの守備に対しても、落ち着いてつなぐ意識が見て取れた。つなぐ意識を持ちすぎて、相手の前線からの守備に引っ掛けられるってこともなく。そして、要所要所では“効果的な”ロングボールが供給されるわけで。ローマにとっては話が違うよってとこだったかもしれない。

ただ、その責任の一端はローマ自身の守備のやり方にあった。ブチニッチが守備のスタートとして機能し、2列目もそれに連動して前への意識を高めたローマ。でも、前への守備意識が高まってたのはこの前線の4枚だけだったようなイメージ。要するに前後で守備の分断が起こっていたようなイメージ。全体として間延び気味だったのが気になったし、何よりも前線の守備の後ろがついてこない。前で制限しても次が狙えてない。相手の選手は浮きまくり。よって、前線の選手が出ていっただけのギャップが残っていたことになると思う。

マンUはボールをそのギャップを送り込めばよかった。出し手の方は相手の前線からのプレッシャーによって完全には自由になってなかったけど、その代り受け手の方は周囲に人がいないような状況を作り出すことができたと思う。ギャップ探しがうまいギグスが相手のライン間でボールを受けるシーンが多かったこと多かったこと。それ以外でもマンUらしい前線の流動性をベースにしながら、相手につかまらない状況でボールを受ける選手が多々。ロングボールにしても、テベスがプレッシャーなしでそのままコントロールできるシーンが目立ったと思う。これがロングボールが効果的に前線に収まった要因。

そういうわけでローマは前線からの守備のギャップを突かれて、むしろ危険な状態に。いつもは4‐4で守ってるローマ。それが今や後ろだけがさらされた状態。前回の試合ではバイタルをつぶされてなかなかラスト1/3を崩せなかった、マンUだったけど、今回は恐ろしく簡単だった。相手の前線の守備を抜け出して、ギャップに入ってしまえば、あとはゴールに向かうだけ。立ち上がりからゴール前のシーンがかなり多い試合になったと思う。

こういう危険な状態をローマとしても放っておくわけにはいかない。時間が進むにつれて、守備のやり方を変更しながら対応した。大雑把にはこの後、2回の守備のやり方の変更があったと思う。それについては後で詳しく。とにかく、立ち上がりからローマが前回(いつも)とは違った守備のやり方を採ってきたっていうのがポイントだった。

対してマンUはどうだったかってことなんだけど、マンUの方も前回のローマ戦とは違った趣の守備が見られたと思う。前回のローマ戦では完全に受ける形を採ったマンU。もっと言えば、ベタ引きブロックが一番の守備の勝負どころだったと言ってもいい。そうやって状況によっては6‐3の超人数をかけた守備で相手の攻撃のラストを跳ね返し続けた。そのために1トップCロナウドの選択だったのかもしれないってのは前にも書いたとおり。そういうわけで1戦目ではどちらもベタ引きブロックをベースとした守備で、結果として逆に言えば両チームとも1/3がなかなか崩せないっていう試合展開になったわけ。

それに対して今回のマンUは立ち上がりのテベスの追いかけまわしが象徴的な守備のやり方。要するに前から積極的に守備をする意識が見られたってこと。ローマと同じく重点を後ろから前に移す変更。その理由は単純にアウェーとホームの戦い方の違いだったと思うけど。ただ、ベースの4‐4バイタルつぶしから大きな転換を図ったローマに対して、マンUの方はベースの部分は変わらなかった気がする。つまり、人につく意識が強い守備のやり方と、そのためのシステム合致の利用。その守備をどこから始めるかっていう部分だけが前回との違いだった。

守備を全体として前に置いたマンU。前回の試合では自陣深くで跳ね返し役になっていた中盤の選手たちが、今回は敵陣内で守備をする時間が長かったと思う。少なくとも立ち上がりは。その中で1つ1つの守備の意識が高まってた印象。前回は相手の流動性に混乱した部分があったとはいえ、1つ1つのチェックがルーズでシステム合致を効果的に使えたとは言えなかったマンU。それに対して、今回はシステム合致をしっかりと利用して、自分の対応する相手にきっちりとチェックをして行くやり方が多かったと思う。

これが効いた要因はここまで書いてきたように、守備の場所を1つ高いところに置いたからだったと思う。これが意味することは大きかった。そうやって守備に位置を高めたことで、相手の流動性が発揮されないような場所で守備をすることができたから。前回の試合では全員が自陣に引きつけられて守備ブロックを作ったマンU。前に対する守備意識も高くはなかった。結果としてローマの攻撃のスタートとなるボランチのところが浮きまくり。自由に組み立てができる状況だった。そして、ボランチが出し手としてしっかりと機能したローマは同時に流動性ベースの受け手が動き回る。結果として、出し手も受け手も浮いた状態で組み立てが行われた。逆にマンUは狙いどころが定められなくなって、下がるしかなくなった。最初からそういうズル下がりを念頭に置いてたのも確かだとは思うけど。

これに対して高い位置に守備の意識を置いたマンU。自分の前に対する守備意識も高かった。これによって、一番の効果が発揮されたのが相手ボランチに対する守備。しっかりとシステム合致上で対応する選手が相手のボランチにプレッシャーをかけていった。完全に浮いていた前回の試合と比べると雲泥の差。これによってローマは攻撃のスタートをうまく切れなくなってしまった。ローマの攻撃においてボランチが果たすスタートのところの役割が大きいだけになおさら。しかも、本当にキーとなるピサーロに対してハーグリーブスをぶつけられてたわけで。普通に考えたら、ハーグリーブスが底に入った方がしっくり来るのにも関わらず。

こういう状況の中で攻撃のスタートの要のところをつぶされてしまったローマの選択肢は2つ。サイドに起点を作るか、ブチニッチの頭か。前者は難しかった。高い位置に守備の意識を持っていったマンUは当然のようにサイドのところにもきっちりと対応してきたから。よって、ブチニッチの頭が多くなる。というか、とりあえず前線へっていうボールが多くなった。これでは前線の流動性も何も関係ない。

というわけで珍しく(?)守備の機能性を感じさせられたマンU。この守備もローマと同じく、段々と変質してくるわけだけど、それについても後で詳しく。ただし、いい形の守備にしてもシステム合致を利用した人ベースのやり方っていう意味ではいつもと変わらない。これは上にも書いたとおり。それよりも、今回の試合で興味深かったのは攻撃のやり方の面白さだった。

守備では4‐1‐4‐1のマンU。これはいつも見られる形。残念ながら相手が4‐2‐3‐1システムのチームとの試合ばかり見てるから、システム合致を作るためにこういう形を採ってるのかどうかが未だ判明しないけど。それでも、1つ言えるのは攻撃時の形は4‐2‐3‐1を採ってるってこと。スコールズ&キャリック&アンデルソンの組み合わせのときには、守備時はキャリックを底にスコールズとアンデルソンが前に入り、攻撃時はスコールズとキャリックの2枚が横並びになってアンデルソンがトップ下に入る。そういうやり方が今までは見られた。

それに対して今回の試合では攻撃時にも4‐1‐4‐1の形での攻撃になってたと思う。今までにも書いてきたとおり、トップ下に人を入れるべきか入れないべきかってのはマンUにとっては1つのポイント。普通に4‐4‐2で戦って前線の変則4トップの面白さを使ってもいいし、リバプール戦のようにトップ下に軸を置くことで中盤で正統パス回しが見られるって形もありうる。ただ、やっぱりトップ下の場所は空けておいて次から次へといろんな人が入ってくるってのがマンUには合ってるような気もする。そういう意味では4‐2‐3‐1よりも4‐4‐2の方がいいのかなって思ったりもするわけで。そういう風に考えてみると、トップ下が1枚から2枚に増えた今回の試合はどういう形になるのかってのがかなり興味深かった。

で、その結果どうなったか。結論から端的に言っちゃえば、トップ下が1枚増えたことでトップ下がいなくなったようなイメージ。トップ下が2枚になったことで、絶対唯一のトップ下がいなくなったイメージ。その2枚も流動性の波に押し込まれたって感じだった。今回の試合ではアンデルソンが動き方を今までとはちょっと変えたこと、それからもう1枚のトップ下がハーグリーブスだったこと(今回の試合のハーグリーブスみたいな動きができる選手が入ったこと)が大きな意味を持ってた印象。以下で、詳しく見ていきたいと思う。

まずはアンデルソンの動きの変化。今回の試合でのアンデルソンは全くトップ下の場所にこだわらなかった。実質的に底の場所で1枚になったキャリックを助けたり、テベスが流れたところに入り込んでFWになってみたり、ギグスと入れ替わってSMFに出てみたり。いろいろなところに顔を出す動きが目立ったと思う。これはトップ下が2枚になったからというよりは、このシステムに適用してきた結果っていうように見た方がいいかもしれない。

リバプール戦では絶対的なトップ下的に振舞っていたアンデルソンだけど、前回のローマ戦では意図的にトップ下の場所を空ける(同時に組み立てを手伝う)動きを見せ、今回の試合ではさらに幅が広がったイメージ。上にも書いたように、前線の流動性の波に押し流される(いい意味で)ようになってきたかもしれない。これによって中盤の厚みを維持しながら、トップ下の場所の出入りが激しいような一石二鳥的なやり方ができるようになるかもしれない。

そして、もう1枚のハーグリーブス。今回の試合では、このハーグリーブスの役割というか動きが効果的に機能していた。ひとことで表すなら受動的なイメージだったハーグリーブスの動きのよさが目立った。前線の選手がある意味では好き勝手に動くマンU。もちろん、それぞれがそれぞれの動きを見ながらっていう面があるからこそ、ここまで機能してるわけではあるけど。それでも、そういう前線の流動性に補完的に働くハーグリーブスの動きがさらに機能性を上げることに役立ってたと思う。

で、受動的っていう意味だけど、それは主体的に前線が動いてできたスペースにハーグリーブスが動くってこと。自分からっていうよりは、全体を見ながらっていうイメージが強い。だから、サイドのスペースに流れたり、トップの場所に飛び出してきたり。さらに、そうやって動くときに見ているのは味方の動きだけではないように思う。しっかりと相手のギャップを見つけられてた印象。だから、動いたハーグリーブスがフリーな状態でボールを受けるシーンが目立った。

相手としても、ハーグリーブスよりはギグス、テベス、パク・チソン、アンデルソンの方が怖い相手。どうしても、そちらに引きつけられる。加えて、動き回る4人。そういう4人の主体的な動きが相手の混乱を誘う。そういうところに、他の選手と比べれば意識を向けていないハーグリーブスが出て行く。絶好のタイミングで絶好の場所に。捕まえ切れるかって話だと思う。ローマの方は本当に最後までハーグリーブスだけは捕まえ切れてなかった印象。そして、最終的には決定的な仕事をされてしまった。

その決定的な仕事、つまり得点シーンは右からのクロス。この試合のマンUはとにかく右からの攻撃が目立った。もしかしたら、左からのクロスはなかったかもしれないぐらい。それはハーグリーブスが右SMF的に振舞うことが多かったってことにも関係してると思う。FWの位置に飛び出して行って決定的なチャンスに2つぐらい絡んだハーグリーブスだったけど、全体としては右サイド寄りでのプレーが目立った。右サイドにはもともとパク・チソンがいるわけで、さらにテベスが流れてくるシーンも多かった。よって右サイドには絶対的な数的優位。真ん中に人がいなくなることを防ぐために、アンデルソンとギグスは中寄りに入ってくるから、チーム全体が右寄りになってた今回のマンUだった。

立ち上がりはこういう右からの攻撃を中心としてマンUがチャンスを量産。最初にも書いたように、ローマの守備にギャップが多かったから、そこに入り込んじゃえば後は攻めきるのは簡単だった。真ん中から相手のブロックに入り込み、サイドへ展開、最終的にクロスっていう一連の中→外→中の流れが多かったのも効果的だったと思う。薄くなっているローマのブロックを揺さぶりまくった。スピーディーな流れでゴール前まで攻めきる流れが続いた。スピーディーにってのは悪いときのマンUのように縦に急ぐ状況ではなく。

そうやって攻めまくってる流れの中でもSBをあまり攻撃に参加させなかったのが、今回のマンUの特徴的な部分だったと思う。上にも書いたように、縦へ急ぐっていう状況とはちょっと違ったから攻撃に参加しようと思えばできたと思う。にもかかわらず、SBが上がってこなかったのは単純にリスクを考えてのものか。その代わりにサイドにハーグリーブスを出して厚みを加えたって見方もできる。攻撃ではハーグリーブスが絡むことでサイドの厚みを維持しつつ、後ろはしっかりと安定させておく。サイドの攻防でマンUが上回ったイメージ。特にローマのマンシーニのサイドってことに意味があったかもしれない。

そんなこんなで攻められまくりのローマだったけど、上にも書いたように途中で守備のやり方に修正を加えてきた。前から積極的に行っても狙いどおりに奪えず、むしろ危険なシーンを作られまくったローマ。前半の20分過ぎに、いつもとは違う前線からの守備をあきらめた。守備の重点を後ろに置いて、バイタルつぶしの4‐4ブロックで受ける意識が明らかに高まってた印象。その後(結果的にこういう守備をしたのは10分ぐらい)は当然のようにマンUのポゼッション率が高まり始めたけど、同時にそれまでのような決定的なシーンも作られなくなった。むしろ、おびき寄せておいてカウンターっていう方法で自分たちが相手ゴールに近づくシーンが目立っていったと思う。

そして、こういうローマのやり方の変更につられてなのかどうなのかマンUの方も守備のやり方を変更。本当はいつもの気まぐれ守備が発動したのかもしれない。テベスの守備に対する意識が弱まり、チーム全体としても自陣にブロックを置いて受ける形に。どちらかというと、前回のローマ戦のような受身形の守備の形になったと思う。

結果としてローマの方はこの試合では初めてボランチが浮いた。攻撃のスタートがスムーズに切れるようになったのと同時に、ピサーロにそういう役割を任せておいてデ・ロッシが前線に出て行くシーンも目立っていったと思う。そして、ここでやっとローマ的流動性が発動。出し手が浮いている状態で受け手も動きながらボールを引き出す。特に今回はブチニッチが起点として機能しまくった。中盤に1つ降りてきて受ける動きが効果的だったと思う。1つ下がペロッタに戻ったことで、前回よりも関係性がうまく機能したのかもしれない。

とにかく、それまで要所要所を押さえていたマンUの守備陣の対応が1つずつ遅れるようになっていった。結果として狙いどころが定まらないマンUの守備陣はラストで跳ね返すっていうどこかで見たような流れになって行った。とは言っても、前回のように6‐3ブロックっていう超極端な形にはならなかったけど。

こういう雰囲気がちょっとずつ見られ始めた時間に生まれたのがローマのPKのチャンス。このシーンにしても、最初のところではピサーロが起点になってるわけで。攻撃のスタートがスムーズに切れる、つまりボランチが浮くことに意味は大きかったと思う。でも、この絶好のチャンスをデ・ロッシが外す。この後のところで、もう1つの変化が生まれたと思う。

PKを外したことでローマが開き直ったのかまたしても前からの守備が復活。そして、この後の前線からの守備は第一次前線からの守備とは違って、機能性が高まっていた。何よりも前後の関係性の回復が大きい。前の頑張りを後ろがしっかりと活用してた。マンUの受け手が浮きまくっていた第一次前線からの守備とは違って、入りどころにしっかりと対応するシーンが目立ったと思う。出足が明らかに速くなって、相手より前で触るシーンも多かった。結果としてマンUはそれまでのようなスムーズな攻撃が不可能に。どちらかと言えば、蹴って相手ボールになってしまうマンUの悪い流れがちょっとだけ見られたと思う。それまで目立ちまくりのハーグリーブスも目立たなくなってしまった。

ローマの守備は回復。でも、マンUの守備は回復せず。よって、ローマが敵陣内に入るのはそれほど難しくなくなった。そして、敵陣内にボールが入れば後ろからの飛び出し、動きながらのパス回しで攻撃に厚みを加えながら相手に狙いどころを定めさせないようなローマのサッカーが可能になったと思う。要するに前回と同じ流れ。結果としてマンUがズルズルと下がってラスト跳ね返しの形になったってのも上に書いたとおりだった。

ちなみに、そのベタ引きブロックが前回ほど極端なものではなかったってのも上に書いたとおり。そもそも、今回のマンUの左サイドに入ったのはギグスであって、守備を頑張れるルーニーが左サイドに入った前回とは趣が違った(右のパク・チソンは変わらなかったけど)。もともとCロナウドに比べれば守備に戻ってくる意識が高いギグスだし、今回の試合でも相手のSBについてしっかり戻ってくることが多かったのは確か。でも、全て献身的にやるかって言えばそういうわけでもなかった。守備ブロックにも参加したり参加しなかったり。

リバプール戦で同じような形が見られたときには、アンデルソンがサイドの助けに行ってた。これは今回も変わらなかった。ただ、今回の試合ではもっと極端なやり方が見られたのも確か。それはそのままアンデルソンが左SMFみたいな形でブロックに入っちゃうってやり方。結果として4‐4ブロックができるこの形が試合中に何度か見られた。

そういうわけで前回のローマ戦と比べると守備にかける人数が多かったってわけではないマンU。それでも一時期の4‐2ブロックよりはよっぽど人数が多く、安定したブロックを作れてたのも事実。というわけで、ローマは再び困ったことになる。敵陣内に入るのは立ち上がりから比べれば恐ろしく楽になった。その中である程度ボールを回すこともできる。でも、ラストの1/3をどうやって崩そうか。この問題は前回の試合で90分かけても解決できなかったこと。今回は実質的には60分ぐらいか。しかも、アウェー。やっぱり難しかった。最後の最後は跳ね返されてしまうっていうシーンが続いたように思う。

マンUの方からすれば計画通りの試合展開か。ルーニーとCロナウド、さらにスコールズを温存。加えて、故障明けのシルベストルをスタメンで使い、Gネビルも投入できた。ただ、本当のことを言えばもっと早くに試合を決めてしまいたかったんだと思うけど。具体的には立ち上がりのチャンス量産の時間帯に得点を奪いたかった。逆に言えば、その時間に試合を決められなかったから長期専用のやり方を採ってきたのかも。立ち上がりは前から前から積極的に守備をして行って、そこで試合を決めてしまう意識。それが不可能となった時点で、だったら引いて受けてやろうと。マンUは2点を奪われなければいいんだから、何も疲れるような追いかけまわしをする必要もないわけだし。そして、ラスト跳ね返しは崩されない自信もあったんだと思う。

月並みだけどローマとしては1戦目と同じくトッティの不在を嘆く試合展開。ラスト1/3のところで決定的な混乱を相手に来すことができなかった。やっぱり今回も1トップは1トップだったっていう感じか。それに、狭い場所でも絶対的な技術力で対応できるトッティの存在はラスト1/3を崩すことを考えたら、絶対的に重要だった気がする。やっぱり最後のところの微妙な差でマンUとの差が出てたのは否めない。それから守備の問題。途中からの前後がしっかりと一体感を持ったやり方を立ち上がりからできてれば、もう少し変わったかもしれないと思う。時間が惜しい中で、立ち上がりの20分を前後分断の守備で無駄に使ってしまった印象。
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