ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-12 Mon 22:41
マンU×アーセナル
<マンU:4-1-4-1>
FW:ルーニー
MF:パク・チソン-スコールズ-ハーグリーブス-Cロナウド、キャリック
DF:エブラ-ピケ-ファーディナンド-ブラウン
GK:ファン・デル・サール

<アーセナル:4-4-2>
FW:アデバヨール-フレブ
MF:ファン・ペルシー-Gシウバ-セスク-エブエ
DF:クリシー-ギャラス-ソング-コロ・トゥーレ
GK:レーマン

アーセナルの攻撃を止めるのはどうすればいいか。選択肢は2つ。積極的か消極的か。アーセナル相手じゃなくても守備のやり方は大まかに積極的か消極的かに分けられるって言われればそうなんだけど、アーセナルを相手にするにはその中間のやり方では駄目。最悪なのは中途半端に積極的っていうやり方。もうアーセナルにとっては思うつぼ。

積極的ってのにも2つある。本当の意味で積極的って言うのと、見た目は消極的っていうのと。前者は文字どおり最前線から追いかけまくりってやり方。追いかけて追いかけて相手の攻撃のスタートのところを自由にさせないやり方。ただし、これは難しい。ちょっとでも後ろがついてこないと、アーセナルにとって大好物であるギャップを生み出す。だから、完璧を求められる。もしかしたら現実的ではないかもしれない。ミドルスブラが前線からの守備を放棄せざるを得なかったのはこないだのこと。

見た目は消極的な積極的守備。上に書いたみたいに前線から追いかけ回すことはなく、むしろ受けるっていうやり方。これでもアーセナルの攻撃を止めることができる。そのためにはバーミンガム方式。受けの形でバランスのいいブロックを作り、絶対にバイタルを空けない。そして、アーセナルの攻撃のスタートである縦パスは絶対的につぶす。今までもしつこいほど書いたきたし、あとでも触れるけど、アーセナルの流動性にはボールの存在が必要。だから、そのボールが入ってきたところをつぶせばいいっていう考え方。

こういう受けの形の守備も中途半端にやると最悪な結果を生み出す。アーセナルのボールが入ってきたら守備を開始するなんていう悠長な考え方がそれ。入ったところにチェックをして、次でまたチェック、チェックと忠実にチェックを繰り返す方法は現実的ではない。1つ1つの単発チェックとアーセナルが創出する攻撃の選択肢とどちらが多いかって話。普通ならだんだん限定してくって方法もあるんだろうけど、アーセナルのパスが回り始めたら勝負どころを定められなくなると思った方がいい。だから、受けの形の守備では入ってきたところ、まさにそこが守備の勝負どころってやり方を採らなければならない。

こういう積極的なやり方はどちらにしてもアーセナルの攻撃を途中で分断してやろうっていう意識に基づいてる。これに対して消極的なやり方は途中で分断するなんてとんでもありませんよって考え方。いくらパスを回したって最後はゴールに向かってくるんでしょってやり方。途中途中で狙って下手にギャップを作るぐらいなら、最初っから中盤はあきらめる。そういう開き直りをもとにしてゴール前に人数と根性ベースの絶対的な守備の壁を作る。ここでアーセナルの弱点が露呈。何が何でもショートパスで崩したいアーセナル。でも、最後の最後には隙間がない。だから、アーセナルはいくらいい形でボールを運んできたとしても、ゴールに近づけない。そして、パス回しの代償としてのスタミナ切れがじわじわと迫ってくる。消極的な守備をする相手は、その代償が表れるまで耐えきれるかどうかが勝負になる。

さて、マンU。ここ最近何度も見せてくれているように、マンUが得意なのは後者。ラストの絶対的な強さをベースにしてゴール前にブロックを作るってもの。ローマ、バルサ相手にこの方法で絶対的に安定した守備を見せつけてきたマンU。いくらアーセナルが相手だとしてもこの守備で戦えば怖いものはないはずだった。

ただし、このベタ引きの守備の方法を採用するためには越えなければならない壁があった。1つは攻撃力が圧倒的に落ちるってこと。極端なことをいえば前線に1人を残して全員を守備に回す、しかもかなり深い位置の守備に回すわけだから、攻撃力は超低い。ただし、この壁は乗り越えられるものだった。なぜなら、この試合のマンUは引き分けでも万々歳の状況。それに前半を乗り切れば、アーセナルはスタミナ切れを起こすだろうことも予想された(実際にスタミナが切れた)。そこでアーセナルがうらやましがるほどのベンチの面子を投入して勝負を決めてやればいいわけだし。

というわけで1つ目の壁はあっさりとクリア。でも、2つ目の壁を越えることができなかったんだと思う。それは今回はホームでの試合だったってこと。バルサにもローマにもベタ引き守備を採用したのはあくまでもアウェー。そりゃ、ホームで6バックなんて使ったら許してくれないだろうなって話なわけで。だから、今回のマンUは最初っから開き直ってベタ引きになることはなかった。ルーニーが頭でCロナウドがサイドに出た前線の配置を見ても明らか。ベタ引き守備が念頭にあるならば、そこは逆にしてきたはずだと思う。

そんなマンUはどういう守備のやり方を採ってきたかって言うと、普通のマンU的なやり方だった。つまり、システム合致を利用しながら人をベースとした守備をやるってこと。トップに入ったルーニーが前線から追いかけ回してた立ち上がりの時間帯については、全体として前がかったブロック。ルーニーが追いかけなくなってからは全体を自陣に引きつけて受ける体制を作った上で、入ってきたところ1つ1つにしっかりと対応してくっていうようなイメージの守備が行われた印象。

ここで考えなければならないのは、システム合致を利用して人を見る守備がアーセナル相手にどれほど機能するかってこと。アーセナルと言えば流動性。ポジションは全く関係なく、本当に全く関係なくボールを動かして行くのがアーセナル。そんなアーセナルに対して、システム合致をベースとした守備の意味があるのか。これは大きな懸念材料。

でも、実際にはそれほど心配することではなかった。なぜならば、上に書いたようなアーセナル的な攻撃のスタートがあるから。アーセナルの流動性が生まれる、そして、ポジションの意味がなくなるのはボールに対する動きによって。ボールに対して複数の選択肢を作る、そうやって前の選手がいなくなったスペースに次の選手が入るってのがアーセナルの流動性のベース。そして、ボールが動いたところで選手が動き直す。ボールが動き、人が動き、ボールが動く。今までにも書いてきたとおり。もちろん、そんな動きのベースががあったとしても、その場その場の状況に応じて選手は動くから定型的なポジションチェンジにはなりえないわけだけど。

それでもやっぱりアーセナルの流動性が始まるためにはボールがなければならない。そのボールを前線に引き出すための動きがあるのは確か。前線の選手が引いてきて受けたり、サイドに流れたり。でも、そういう動きは常識に適ったものだって言える。うまく受け渡せばしっかりと対応できるレベル。ボールがないところでの流動性だったらマンUの方が複雑なことをやってると思う。逆にアーセナルはボールに対する流動性が複雑極まりなくて、その全てを押さえるのは実質的に不可能。だからこそ、いかにボールを前線に入れさせないかってのがポイントになるわけで。

というわけでマンUの守備がベースとしていた守備のやり方自体に問題があったとは言えない。実際に、しっかりと守備ブロックを形成してるときにはアーセナルに自由に攻撃をさせたのは思えなかったわけで。アーセナルの最終ラインの選手が縦にボールを入れられずに低い位置でボールを保持する時間も延びてた。つまり、マンUの方が要所要所を押さえてたってこと。でも、全体としては前半はアーセナルがアーセナルらしくサッカーを展開してたってイメージの方が強い。これは、守備が機能してる=しっかりとブロックを作ったとき以外の時間が長くなってしまったからだと思う。

その原因を知るためには攻撃からの流れを見る必要がある。今回のマンUは攻撃における様子のおかしさが見られたと思う。それはトップ下が不在であるってこと。今までの4‐5‐1=4‐3‐3ならば固定的にトップ下がいるってことが多かったし、本来の4‐4‐2では空いているトップ下の場所の出入りを激しくすることがマンUの攻撃のポイント。これは今までにも触れてきたとおり。だから、4‐5‐1だろうが4‐4‐2だろうがトップ下の場所には誰かしらの選手がいるってのがマンU本来の形。

それが今回の試合では、トップ下の場所が空いてることが多かった。本来的にトップ下の場所に該当しそうな中盤真ん中の3枚。キャリックは低い位置でボールの配給役となることが多く、スコールズはキャリックを助けに低い位置に降りてくることが多かった。そもそも、今回の試合ではスコールズがあまり目立たなかったのも気になった部分。残ったハーグリーブスはトップ下の場所を留守にすることが多かった。ハーグリーブスが目立ったのはFWの場所への飛び出しとサイドのボール保持者のフォロー。基本的にはこの試合の前に行われたローマ戦と似たような役割を担って大活躍だったわけだから、ハーグリーブスの動き方自体が悪かったってことはないわけだけど。

こんな感じで本来的なトップ下が不在になったマンU。でも、4‐4‐2のときのようにトップ下の場所の出入りを激しくすれば解決する問題だったのも事実。むしろ、相手にとってはそっちの方が嫌だったかもしれない。でも、なぜかそのトップ下の場所に誰も入ってこようとしない。ルーニーは1トップであることを意識したのか何のか、FWの場所にいる時間が長かった。パク・チソンは本来的にそうなんだけど、サイドから斜めにFWの位置まで飛び出していく動きを繰り返す。Cロナウドはサイドでの動きが多い。この辺のそれぞれの動きについてはアーセナルの守備との関係があったかもしれないけど、

というわけでトップ下の場所に空白ができてしまったのが、今回のマンU。でも、ここで押さえるべきことは今回の試合のマンUは4‐5‐1=4‐3‐3だったってこと。4‐3‐3のときのマンUはつなぐ意識が高い。少なくともこれまで見た試合の中では4‐3‐3=保持型、4‐4‐2=縦型っていう印象が強いのはこれまでにも書いてきたとおり。今回の試合も例外ではなかったと思う。そして、このことが大きな問題となって表れることとなった。

つなぐ意識が高いのはいい。キャリックのところまではそのつなぐ意識がスムーズに具現化された。でも、そこからどこへ向かうか?って話。トップ下の場所に経由点がなくなってしまったのが今回のマンUだったわけで。キャリックからのボールを受ける選手がいなかった。いても遠かった。そして、この遠い距離を無理やり通そうとするシーンが目立ったと思う。当然のように途中で引っ掛けられるシーンが多くなる。しかも、つなぐ意識が強い=攻撃に時間をかけてたわけで、当然のように前線に入っている選手の数も多い。前線4トップのみとかだったら、まだマシな状況だったかもしれないけど。

ここで問題なのは、途中で引っ掛けられるシーンが増えたマンUがどういう事態に陥るのかってこと。それは簡単。カウンターを食らうってこと。ボールの失い方が悪かったわけだから、相手にボールが渡った瞬間に切り替えの守備が効かないってことが多くなった。攻撃からの切り替えでの守備意識が高いマンUではあるけど、攻撃の途中で引っ掛けられると、その切り替えの守備も効果的に機能しない。逆に途中でいい形で引っ掛けたアーセナルの攻撃への切り替えが抜群に速くなるっていう状況だったと思う。

いい形でボールを奪ったアーセナルはまずアデバヨールを見る。マンUの切り替えの守備が効果的に効いてないからアーセナルの出し手はフリー。さらに時間をかけた攻撃で全体が前がかってるマンUは守備ブロックの体制を立て直せてない状況。さらに悪いことに、4‐1‐4‐1的なシステムではDF前のフィルターが全くかからない状況だったって言える(4‐1に仕掛けられるから)。

よってアデバヨール(なりフレブなり)に収まりまくりのアーセナル。待ちに待った縦パススイッチがオン。縦に入った瞬間に後ろの選手が一気に飛び出してくる。これこそがアーセナルの真骨頂。パス回しのイメージが強く、よってポゼッション志向っていう印象が強くなるアーセナルだけど、本当に狙ってるのは縦への最短距離。ただ、この最短距離を地上から進もうっていう条件付き。最短距離市場主義だったら、悪いときのチェルシーみたいにドログバ=アデバヨール任せのロングボールを入れとくのが一番早いわけだから。

今回は久々に最短距離を目指すアーセナルが見られたと思う。アデバヨールに入った瞬間にセスクが一気に最前線まで飛び出してくるシーンが多かった。少ない人数で攻めきるっていう場面も目立ったと思う。ちなみに、普通にパス回しの中でも最短距離の意識が見られるのがアーセナル。最近はちょっと趣が異なってきてるけど、一番徹底されてた時はサイドチェンジが本当に少なかった。相手をずらすために横方向に遠回りするなら、狭いところをそのまま崩しきってやるぞっていう。前にミランのパス回しと比較した時にも書いたけど、アーセナルのパス回しはゴールに直結してくものの比重が大きいと思う。逆にゴールに向かうための準備としてのパスの比重が少ない。それがいいのか悪いのかは別にして。

とにかく、マンUの攻撃を途中で引っ掛けて、カウンター的に一気に攻めきれればアーセナルとしては一番よかったんだと思う。ただし、マンUの守備陣も単純なやり方ではゴールに向かわせてくれない。だから、1度ペースダウンして作り直すってことも多くなった。でも、このときには圧倒的にアーセナルが優位な展開だったって言える。上でも触れたようにマンUの守備のベースはシステム合致で人を見るってもの。これを機能させるためには、1度組織を作って受ける体制を整える必要がある。でも、今は相手のカウンターで1度バランスが崩れた状態。アーセナルの方も1度縦パスを入れてスイッチが入ってる。つまり、本来のポジションにはいないってことになる。

ここにおいてマンUの守備の根拠がなくなることになった。自分たちの守備ブロックのバランスが崩れてる。さらに、相手の選手がいるべきところにいない。人を見ることをベースにすると言ったって、誰を見ればいいんだって話。そんなことに迷ってるうちにもアーセナルのパスは次々に回ってく。それに合わせて人も動いてく。マンUは相手選手に対して全くプレッシャーに行けない状況に陥った。相手の中盤でのパス回しに対して、本当にルーズな対応が目立って行く。結果、狙いどころが定まらない。ズルズルと引いて行く。アーセナルが好きにボールを回す時間が長くなっていったと思う。

ズルズル引かされたマンUの守備ブロック。自ら引いたか、相手によって引かされたかっていう大きな違いはあるものの、要するにマンUの一番強い守備がお披露目。ショートショートの選択肢しかないアーセナル。人数をかければなんとかなった。アーセナルはこれを崩し切ることができず、前半を無得点で終わる。嘘。本当はカウンターを含めて崩し切るシーンも多々あったんだけど、アデバヨールが当たってなかった。これはアーセナルにとっては不安材料。なぜならば代償としてのスタミナ切れがすぐそこまで迫ってるから。攻めてるときに獲れないと本当に困ったことになる。だからこそ後半開始直後の先制点はかなりの嬉しかったと思う。だからこそ、その直後の同点ゴールはかなり悲しかったと思う。

どちらにしても前半はアーセナルのペースで試合が進んだことは確か。でも、そのアーセナルの攻撃もマンUと同じく様子のおかしさを感じさせられた。なんだか普通のチームになってるというか。攻撃、というか1つのボールに対して関わる人数が思ったよりも多くなかった。もちろん、ボール保持者を孤立させてしまうようなシーンは少なかったわけだけど、アーセナルってもっとボールに関わる人数が多かった気がするから。メンバーを落としたリバプール戦を除くと、その前の試合はミドルスブラ戦だからその辺の時間的なギャップもあるのかもしれない。

まず、アデバヨール&フレブの2トップと右サイドエブエっていう組み合わせ。これは以前、圧倒的な超密集地帯を作る組み合わせだった。右サイドの特異点となるエブエに対して2トップのアデバヨールとフレブの両方が流れて関係性を作る。そこにSBサーニャが絡んで右サイドに超密集地帯。ゴール前にはセスクと逆サイドのロシツキーが入ってるみたいな。以前のアーセナルで頻繁に見られた形。まさに、誰もがチャンスメイカーになり、誰もがゲッターになれる状況。これが今回は大きく様変わりしてた。

まず、アデバヨールが組み立てに参加する機会が圧倒的に減った。これはエドゥアルドがフィットしてきた頃だから、かなり前から見られた傾向ではあるけど。組み立ての最初の段階を担うため、つまりアーセナルのスイッチである縦パスを受けるためにトップの場所から流れることは多いアデバヨールそうやって引き出しつつ、収まりがめちゃめちゃ安定。やっぱりベントナーとは一味も二味も違うなってとこ。でも、起点になることはあってもパス回しに本格参戦するシーンはほとんどなかった。味方が組み立てを行ってる間にゴール前に入ってるってことが多かったと思う。FW的になった。

よってアデバヨールと関係を作りたかったら自分が近づきましょうってことに。エブエは右サイドの特異点ではなく、真ん中に流れてきてのプレーが多くなった。そして、そんなエブエがいなくなった右サイドのスペースをフレブが埋めるみたいな関係性も目立ってた気がする。やっぱり変化の跡が見て取れた。それでも右サイドを起点にした攻撃が目立ったわけだけど。ただ、これは戦術的な意図か。

問題はそうやって右で作るシーンが増えたことによって、逆の左サイドに入ったファン・ペルシーが完全に消えてしまったってこと。ここまで書いてきた以前の右サイド特異点。そのときには本当に右半分でサッカーをしてた印象があるアーセナル。それでも逆に入ってたロシツキーは消えなかった。上にも書いたとおり、FWとしてゴール前に出てくるシーンが増えてたし、なんなら自分も右半分の攻撃の組み立てに絡むなんてシーンも多かった。左サイドはクリシーに任せておいて。これで1枚減る。

さらに、今回のアーセナルはSBの攻撃参加が活発ではなかった。これに関してはやっぱりマンU相手、しかもアウェー、負けたくないとは言っても点を取られたら厳しい…っていう諸々の事情を考慮してのものだったと思うけど。だから、これは今回の試合限定として捉えた方がいいかもしれない。どちらにしても、これによって今回の試合で攻撃の厚みが失われたことは事実だった。これで2枚減る。合計3枚減り。

次にCMFの関係。フラミニとセスクが組んでいるときにも、後ろでバランスを取るフラミニと前に飛び出していくセスクっていうある程度の役割分担が見られるアーセナルのCMF。でも、今回の試合ではセスクとGシウバの関係性が完全に硬直化してた。つまり、攻撃のセスクと守備のGシウバ。フラミニの場合は気を見て最前線の攻撃にまで絡んで来るシーンがしばしば。セスクとの関係も一応の役割分担だって言える。対してGシウバは攻撃参加皆無。ここにもSBと同じ事情がなかったとは言い切れないわけだけど。とにかく、さらに1枚減った。

これでアーセナルの攻撃はフレブ、エブエ、アデバヨールにセスクの4枚。これでは薄さを感じるのも仕方がない。個々の距離も広がり、近い関係性を作るのも難しい。さらに悪いことに、それぞれの関係性が定型化してた。右サイド担当のエブエ&フレブの関係性と真ん中担当のアデバヨール&セスクの関係みたいに。フレブはギリギリ両方に参加したかなっていう。これでは有機的な関係性の形成は難しい。しかも、それぞれが1×1の関係。複数の選択肢を作るのは実質的に不可能だったって言える。この辺がアーセナルの攻撃におかしさを感じた要因だった。

さて、マンUの攻撃が途中で引っ掛けられたところまで話をさかのぼる。この要因の1つは上にも書いたようにマンUの攻撃のまずさ。でも、加えてアーセナルの守備の良さがあったのも事実だったと思う。そのアーセナルの守備のよさがマンUの攻撃に様子のおかしさを生み出したのも、また事実だったと思う。それでも、基本的にはアーセナルの守備のやり方は今までの試合と大きく変わった部分はなかったから、軽く触れるだけにしとく。

アーセナルの守備はブロックを超高い位置に設定する。最終ラインを高めに設定して、中盤以前を前に押し出すと同時に3ラインの距離を縮める。これがマンUにとっては厄介だった。1つは相手のウラにはスペースがあるってこと。ルーニーはそっちに意識が持って行かれて、後ろのトップ下のスペースを埋めるって方に意識が向かなかったかもしれない。大体において、トップ下のスペースなんてものが本当にあったかっていう話。マンUだけを見ればあった。でも、相手の4‐4のラインはそこを完全につぶしてる。誰がそんなスペースに好き好んで入ってくかって話。

ちなみに、アーセナルの守備のスタートは相手が縦に1つ入ってきたところ。高いラインを敷いてるわりに2トップは前線から頑張って追いかけない。最低限のコースを切るようなポジショニングを採るやり方。相手が蹴ろうとしたら距離を近づける。で、相手が1つ縦に入れてきたところから守備をはじめるアーセナル。中盤の選手が念頭に置いてるのは最短距離を切るって考え方。このとき1つ1つのチェックを忠実に、しかも厳しく行くってのがポイント。そういう最短距離を切るチェックの繰り返しの中で相手を追い込み、途中で引っ掛けるってやり方。

これによってマンUのボールの出し手が好きなタイミングで前線にボールを供給できない状況に陥ったと思う。だから、本当は前線でトップ下の場所に出入りがあったとしても(いつもより少なかったのは確かだけど)、そこで味方が浮いたタイミングどんぴしゃで出せなかった可能性がある。そうやって受け手と出し手のタイミングが合わない間にパスミスが出て相手に引っ掛けられる、出し手が焦れて自分のタイミングで出して引っ掛けられるってことが続いた気がする。この引っ掛けにおいてはアーセナルの中盤の4が面白いようにフィルターとして機能した。

前半の大部分をこの引っ掛かりまくり→カウンター食らいまくり→アーセナルのパス回しに翻弄されまくりで過ごしたマンU。でも、徐々にその流れに変化が生まれてくる。それはつなぐ意識を放棄したことから生まれた。つなげるときはつなぐ、つなげないときはつながないっていう柔軟な対応をするようになったと思う。つまり、受け手と出し手のタイミングが合わない、中盤に経由点がないっていうような場合には強引にパスを通そうとしなくなった。途中で引っ掛けられる恐れのない、つまり相手の頭の上を越えるようなボールを単純に前線に放り込むようになったと思う。

で、うまくタイミングがあった時にはしっかりとつなぐ。アーセナルの守備陣といえども間間に入り込むマンUのパス回しは厄介。マンUがパスをつなぎ始めたら、全体のブロックを押し下げて自陣深め(相対的に)の守備ブロックへと移行した。マンUとしては相手を押し込む時間が延びたわけで、結果として組み立ての途中で悪い形でボールを失うシーンも少なくなった。これによって、バランスの崩れたブロックで受けるっていうシーンも減る。自分たちのベースとするシステム合致の人ベース守備で守る時間が延びて、徐々にアーセナルが好きなようにボールを回す時間は短くなっていった。

後半はそんな流れが顕著になって行く。やっと整理されて互角の勝負に持ち込めるって思った瞬間に先制点を奪われたマンU。おそらく、ここでファーガソンは4‐3‐3を捨てようと決断した。4‐3‐3は持ち直したとは言っても、できれば組み立てる、できなければ蹴るなんて状況は明らかに不本意。中盤のところをなんとか取り戻したいと思ったはず。その後すぐに同点ゴールが生まれたものの、スコールズ→アンデルソン、パク・チソン→テベスの交代を敢行した。

これによってシステムを4‐4‐2に変更。トップ下を空けておいて自らその場所の出入りを激しくするっていう本来のマンUらしい形にした。さらに交代もそのトップ下の場所を有効活用しようっていう意図が見られる。今回の試合では低めの位置でのプレーが目立ったスコールズに代えて、前線に積極的に出て行くアンデルソン。トップ下の場所よりもFWの場所に顔を出していたパク。チソンに代えて、最近はルーニーと縦っぽい関係が板についてきたテベスを投入。そして、一気に畳みかけにかかる。

この時点でアーセナルは打つ手なしだったと思う。チーム全体に前半のパス回しの後遺症が見られ始め、明らかに運動量が落ちた。それじゃなくてもいつもより遠めだった前線の関係がますます遠くなったと思う。さらに、大きかったのが守備。前半のように中盤での1つ1つのチェックが機能しなくなり、ルーズな対応が目立って行く。加えて、4‐4‐2の3ラインの関係も離れていく。そこに相手はテベスとアンデルソンを投入してきたんだから溜まったもんじゃないって話。Cロナウドが蹴ると見せかけてハーグリーブスのFKであっさりと逆転を許し、その後の反撃の元気も残ってなかった。

この試合を見てもシーズン全体を見ても柔軟性が差を分けたなって思う。今回の試合でいえば、マンUは途中でロングボールを織り交ぜることで悪い形でボールを失うことを避けた。アーセナルは理想的に人数をかけられていない状況でもショートショートにこだわった。チーム状況がチームのコンセプトについて行けてなかったイメージ。だから、どうすればよかったかっていう他の選択肢がないのもアーセナルにとっては痛い。ウォルコットのスピードに頼らざるを得ない状況だから。まあ、それがアーセナルらしいといえばアーセナルらしい。

シーズン全体を見れば、アーセナルは連携重視のサッカーの中で固定メンバーで戦わざるを得なかった。固定メンバーじゃないとそれなのにケガ人多数の不運。対するマンUはシーズン途中でシステムのバリエーションを増やし、いろいろな戦い方に対応できるようにした。ファーストチョイスである変則4トップじゃなくても戦える。チームとしての状態が悪くても、個の力で何とか乗り切っちゃうっていうスタイルもいい方向に向いた要因のような気がする。

あとは選手層だろうなって思う。マンUとアーセナルと比べて何が一番違うかって言われれば、選手層だと思うし。今回の試合でもアーセナルの交代出場はウォルコット、ベントナー、ホイトだったのに対して、マンUはテベス、アンデルソン、ギグス。アンデルソンはアーセナルと同じ若手に分類するとしたって、他の2人がベンチから出てくるのかよっていう。アーセナルは今シーズン後の放出の話もちらほら。何よりもフラミニが出るのは痛いだろうなっていう。ここ2試合を見ても、Gシウバは今シーズンのアーセナルのサッカーにフィットしてないだけに、どうなるか。
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