ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-24 Sat 22:10
07-08CL決勝:マンU×チェルシー
<マンU:4-4-2>
FW:テベス-ルーニー
MF:Cロナウド-キャリック-スコールズ-ハーグリーブス
DF:エブラ-ビディッチ-ファーディナンド-ブラウン
GK:ファン・デル・サール

<チェルシー:4-3-3>
FW:マルダ-ドログバ-Jコール
MF:ランパード-バラック、マケレレ
DF:Aコール-テリー-カルバーリョ-エッシェン
GK:チェフ

気まぐれな両チーム。特に守備はそんなイメージ。今回みたいな4‐4‐2(4‐2‐4)システムを採用するマンUは前線の4トップが守備をするのか、しないのか、それが問題。守備意識がめちゃめちゃ高いときには4‐4(6‐2)で圧倒的にラストを固める。そうじゃないときは4人は前に対する守備だけを頑張って、後ろは4‐2に任せる。最悪のときには4トップは前も後も全く守備をしない。ただし、最近は現実主義に傾きつつあるマンU。イレギュラーな4‐2‐4というよりも、普通に4‐4‐2で守ることが多い。今回の試合もわざわざサイドにハーグリーブスを使ってる時点で4‐2だけで守る気はないだろうなってことが予想された。

対するチェルシーも中盤の守備が機能するかどうかが気まぐれ。いいときには自分たちの守備ゾーンに入ってきた相手に対して、中盤で厳しいプレッシャーをかけ、途中で引っ掛けるシーンも多くなる。悪いときには、1つ1つのチェックがルーズになり、連動が図れず単発に終わる。さらに、中途半端な守備で背後にスペースを残してきてDFラインだけが晒されるシーンが多発。中盤で守備が効いてないのに、後ろの人数も足りてないっていう最悪な状況。

じゃあ、攻撃はどうか。マンUの方は攻撃についても守備に負けず劣らず変化に富んでる。ここでも何度も取り上げてきたとおり、4‐3‐3ならば中盤で保持する傾向が強くなり、対する4‐4‐2ならば縦に急ぐ傾向が強くなる。今回は上にも書いたように4‐4‐2だったマンU。これまで通りだとするならば、空いているトップ下の場所に出入りを激しくし、前線の変則4トップがグルグルと回りながら流動性を高めることが予想された。その前線のバランスを見ながらSB、CMFが機を見て攻撃に出てくる。ただし、4トップの一角がギグスではなくてハーグリーブスになったことで、どういう変化が生まれるのかってのが1つのポイントになってた気がする。

対するチェルシーの攻撃はマンUほどいろいろな形を持っているわけではない。システムは基本的に4‐3‐3。そして、攻撃においてボールを大切にするのが最近のチェルシーの特徴。ギャップに入り込むうまさを利用して、ゆっくりと確実にボールつないでいくチェルシー。そんなゆっくりとしたパス回しの中で人もボールも高い位置に入って行く。ビルドアップがスムーズなのが最近のチェルシー。

ただし、そこからラストの1/3をどう崩すかってのがチェルシーの問題。ギャップを使ううまさはあっても、ギャップを作るうまさはないチェルシー。ボールを大切にする意識も相まってブロックの外外でのパス回しが続くことになる。ポゼッション率は上がってもシュートが増えないっていうミラン的な悩みが見られるチェルシー。今回と同じようにドログバがトップに入った時には、目標ができることでブロックに仕掛ける縦パスもそれなりに入る。そういう点についてはアネルカよりはマシと言えばマシ。ただし、アネルカと違って真ん中に居座るドログバ。結果として全体の関係性の固着化を生み出し、相手のブロックに決定的な混乱を与えることができないっていうジレンマを抱える。

というわけで、攻守に渡る両者のやり方の選択によって試合の流れはどのようにでも変わる予感。よって、試合が始まってみないと分からないっていう部分が大きかったって言える。本来的にはじまってみないと分からない部分が大きいサッカーの試合ではあるけど、今回の対戦はそれが顕著だったって言える。実際に今回の試合は前後半で全く違う展開が生まれてるわけで、その辺にも気まぐれな両者の特徴が表れてたと思う。

さて、実際の試合。立ち上がりの時間帯は典型的な決勝戦的な流れ。どちらもボールを持ったら下手につなごうとせずに蹴りまくった。相手が前線からプレッシャーに来たとか、味方がいい感じでウラを狙ってるとか、そんなことは二の次。とにかく、最悪なのは下手につないで途中で引っ掛けられること。試合開始直後だけにちょっとしたミスが出やすいし。そんな流れの中でショートカウンターから失点なんてシーンは悪夢以外の何物でもない。よって、どちらもリスクを冒さない蹴りまくり作戦から入ったと思う。

その蹴りまくりを最初にやめたのはマンUの方だった。前半の5分過ぎになると、そろそろ普通につないでも大丈夫かなって形で大雑把なロングボールの数を減らしていったと思う。ここにはチェルシーの守備の問題もあったと思う。立ち上がりのチェルシーの守備を見て、こりゃ普通につなげるんじゃねっていう気持ちがマンUの選手たちに生まれたはず。結果として、上にも書いたとおり最近はボールが大好きなはずのチェルシーよりも先に地上からの攻撃に移ることになったと思う。そして、その流れのまま前半のペースはマンUが握った。

で、そのチェルシーの守備の問題ってのはなんだったのか?実際のところチェルシーがいつもと違う戦い方をしてたかって言えば、そんなことはなかった。いや、攻撃では違う戦い方をしてたけど(それは後の話)、守備においてはいつもと同じ考え方が見られたし、それを実際に実行することもできてた。リーグでのマンU戦のときとも大きく異なったやり方を採ってたとは言えない。ただし、前回はマンUが守備的に戦ったことで見えてこなかった弱点が、今回の試合では見えてきてしまったっていう気がする。

いつもと同じチェルシーの守備は1度4‐3‐3(4‐1‐4‐1)ブロックを作って受ける形。トップに入った選手(今回の場合はドログバ)は前線に向かって積極的に追いかけをせず、よって守備のスタート役としても機能しない。じゃあ、守備のスタートはどこで切られるかと言えば、それは相手が1つ縦パスを入れたきたところ。CBだけは浮かせておいてやるけど、実質的な攻撃のスタートのところは浮かせないぞって考え方。マンUのSB、CMFにボールが入った時点でチェルシーの2列目が守備を開始する。それはいつも見られる形だって言える。

ここで、上に書いたチェルシーの気まぐれさは、その2列目がどの程度しっかりとプレッシャーをかけていくかってこと。いいときには一気に距離を詰めて前を向かせないような守備をするけど、悪いときにはルーズになってしまうってのは上でも触れたとおり。その2列目のところがルーズになってしまうってのは要するに守備のスタートがうまく切れないってことを意味する。でも、2列目はルーズではあっても守備をしようとする意識は持ってる。よって引っ張り出される。その背後には1ボランチの弱点。そこに入り込まれてDFが晒される。これがチェルシーの悪いときに流れ。

こないだのリーグでのマンU戦の前半にはそんな流れが見られなかった。1つの要因はそもそもチェルシーが守備をする時間がそんなになかったってこと。ずっとチェルシーがボールをポゼッションしてたわけだから。それにマンUの方にボールが渡っても、マンUの攻撃は前線にただ蹴るだけだった。しかも、マンUの攻撃の人数も少ないからチェルシーは何の問題もなく跳ね返すことができた。そうやって再びポゼッションに入って行ったと思う。

ただ、後半になると弱点が露呈。マンUが攻撃に出てきたのと同時にチェルシーの2列目の場所の守備がルーズになった。その中で簡単にブロックに入られるシーンが多発。DFが晒される最高に危険なシーンも多発。エバートン戦でも同じような流れが見られたチェルシーだから、まさか自らそうしてるんじゃないかと思ったぐらい。まあ、自分たちからそうしてるんだとしたらとんだ失敗策だと思うわけだけど。何しろ守備の安定性がなくなると同時に、チェルシーの攻撃のポイントであるはずのポゼッションもできなくなっていたから。

ちょっと話がそれたけど、そんな危ないチェルシーが今回の試合では前半から見られた。前回と違ってマンUが攻撃に出てきたから、早々と目立った可能性が高い。逆にマンUの方がチェルシーの守備の弱点を突くために、相手よりも先に蹴りまくり作戦をやめた可能性もある。どちらにしても、この前半の流れの中にはチェルシーの守備の問題の本質が見え隠れしてたのは確かだったと思う。

チェルシーの守備は上にも書いたように受ける形。自分たちから積極的に守備はしない。さらにトップが守備を免除されてるってのがポイントになってくる。上にも書いたように、チェルシーのトップの選手は前に向かっての追いかけない。よってマンUのCBはある程度フリーでボールを持ち上がれる。今回の限って言えば、ある程度というよりも完全にフリーでボールを扱うことができてた。

そんなCBの選手がボールを預けるのは、普通に行けば1つ前のCMF。そこから実質的な攻撃を始めるため。ただし、そのCMFにボールが入ったところはチェルシーにとっての守備のスタートになるってのは上にも書いたとおり。ただし、やっぱり入りどころを狙ってくってのは難しいのも事実。前で全く制限がかかってないわけだから。やっぱり入ってからの対応、後手の対応とならざるを得ない。

それでもしっかりと厳しく当たることによって、相手CMFに前を向いて仕事をさせないことはできなくはない。そうすれば相手の実質的な攻撃のスタートのところを抑えることができる。でも、この時点では抜け道が残されてる。それはCMFが単純に後ろに逃げてしまうっていうパターン。本当はトップの選手にそのバックパスのコースを切って置いてもらいたいんだけど、今回のドログバは全くそんな動きをせず。2列目の選手がしっかりと対応して相手CMFに前を向かせなかったとしても、バックパスで逃げられてしまっては奪うところまでは行かない。キャリック&スコールズを考えれば、1発のチェックだけで何とかなるはずもないから。

現状を整理。フリーのマンUのCBから1つ前のCMFにボールが入ったところでチェルシーの2列目が守備を開始する。そこでマンUのCMFはシンプルに後ろに戻す。ポイントはこの時点でもマンUのCBはフリーであること。しかも、1度CMFに預けてることでさらに高い位置まで入り込んでいる。前を向いて高い位置でボールをもらうCB。CMFが前を向けなくても、CBが実質的に攻撃のスタートになってやればいいじゃんっていうことになるわけ。

さらにチェルシーの方はマンUCMFに対する対応のために2列目が引っ張り出された状況。背後には1ボランチの弱点をさらけ出してる。その1ボランチのスペースはチェルシーにとって弱点であると同時に、マンUにとっては格好のスペース。相手が1枚しかいない場所であるとともに、トップ下の場所の出入りを激しくするのが4‐4‐2マンUの戦い方なわけだから。マンUが4‐4‐2の良さを発揮する下地が完全に整ったって言える。

ただし、今回のマンUの4‐4‐2はちょっとイメージが異なってたのも事実。それでもテベス&ルーニーは積極的に1ボランチのスペースに降りてきてボールを引き出す。マンUはそこを簡単に使っていった。相手の2列目の背後のスペースを有効活用して、簡単に相手ブロック内に入り込むシーンが増えていったと思う。この辺は前回のチェルシー戦では見られなかった点。やっぱり攻撃的に出ると違うねっていう話。それに間間に入るうまさがあるマンUだからこそ、チェルシーよりも先に地上からの攻撃に移行できたんだと思う。

さて、簡単に自分たちの背後に入られるシーンを作られたチェルシーの2列目は黙って見てられない。さすがに後ろに対する意識が高まって行ったと思う。というか、どうしていいか分からなくなった。自分たちの仕事は前に向かった守備で守備のスタートを切ること。でも、それをやることで後ろが危険な状態になっている。このジレンマ。最終的にはチェルシーの方は開き直った。マンUのCMFなんて余裕で浮かせるし、余裕で前を向かせる状況が増えていく。そんなところはいいから、後ろを固めようと。場合によっては4‐4‐1‐1みたいな形でゴール前に人数をかけて守ろうっていう守備の開き直り守備が見られるようになっていった印象。当然のようにマンUの陣地が増えることとなった。

引っ張り出す→背後を突く→陣地を増やすっていう一連のマンUのアプローチ。どこかで聞いた話。それはまさにリーグでのチェルシー×マンUでチェルシーがやったやり方だった。ビルドアップの中で↓↑の動きのよさが見られたチェルシー。前線の選手が降りてきて相手を引っ張り出し、それによってできたスペースに後ろの選手が飛び出す。そんなやり方で相手ブロックに入って行ったチェルシー。マンUの方は簡単にブロックに入られるわ、守備の狙いどころは定まらないわ。結局は中盤の守備を捨てて開き直りのラストブロックへ。結果としてチェルシーの圧倒的なポゼッションにつながったわけ。今回の試合は真逆の展開が生まれたっていう点において、面白い内容だったと思う。

ただ、そんなマンUの攻撃にもちょっとした違和感があった。上にも書いたとおり、いつもの4‐4‐2とは異なった内容が見られたと思う。というか、4‐2‐4のいつもの戦い方と比べると極めて4‐4‐2的に戦ってたイメージ。両サイドのハーグリーブスとCロナウドはどちらもサイドに張り付き続けてたし、ルーニー&テベスの動きもも常識的なFWって感じだった。トップ下の場所の出入りも2トップが交互に降りてきたり、CMFのキャリックが飛び出して行ったりっていう普通の流れ。イメージとしてはリバプールの平行移動4‐4‐2のイメージ。いつものようなマンUの変則4トップのぐるぐるポジションチェンジはなりを潜めた。右サイドにハーグリーブスを起用したってことを見ても、守備を考えた結果かなって思ったりする。

それでもこの常識的な4‐4‐2で面白い攻撃が見られたのも事実。今回のマンUの攻撃で目立ったのが、左に起点→右に展開→仕上げっていうもの。このサイド利用の攻撃の合間合間に、ルーニー&テベスを利用しながら相手のブロック内に打ち込む縦パスを織り交ぜて行くってやり方が見られた気がする。そういう意味では相手に狙いどころを定めさせない攻撃ができてたのかなっていう気もする。

それでも攻撃の上で最重要ポイントとなったのはサイドだった。そして、そのサイドの使い方が特徴的。上にも書いたように、最初の起点は左サイドの作られることが多かったと思う。このときにCロナウドが低めの位置でボールを受けることが多かったってのが今回の試合では目立った部分。ハーフェイライン付近でのボールタッチが目立ったと思う。そして、その低めの位置でボールを受けたCロナウドをエブラが一気に抜いて行く。相手のJコールを引きずりながら。エブラとCロナウドの上下関係が変わってたシーンも多かった。

この時点でチェルシーの方はボールを持ったCロナウドに対してJコールとエッシェンの挟み込み体制を作ることができない。仕方がないので、ボールを持ったCロナウドの守備はバラックが助けに行くことになる。結果としてバラックが本来見るべきスコールズが浮く。Cロナウドはバラックが自分のところに向かってきた瞬間にスコールズに預ける。そのスコールズが逆サイドへ展開。深い位置のハーグリーブスに斜めのボールを通す。そんな一連の流れが何度も見られた印象。

この一連の流れはバルサみたいだなって思った。一昨シーズン、昨シーズンぐらいのバルサ。ロナウジーニョが低めで受ける→ファン・ブロンクホルストがロナウジーニョを抜いて飛び出していく→ロナウジーニョから逆サイドへのサイドチェンジ。今回のマンUはCロナウドからスコールズを経由してるから完全に同じだとは言えないけど、ふと思い浮かんできたので。

じゃあ、マンUはなぜにこんな攻撃をしたのかってこと。普通に考えればCロナウドが高めでボールに触れ、ハーグリーブスが低い位置でバランスを取るっていう形の方が適当。というか、メンバーを見た時点では変則4‐3‐3なんじゃないかって思ったほどだし。左肩上がりの4‐3‐3。左寄りのCロナウド-テベス-ルーニーの下に右寄りのスコールズ-キャリック-ハーグリーブスっていう。攻守のバランスを考えれば、なくはないかなっていう。実際は普通に4‐4‐2、しかもCロナウドよりもハーグリーブスの方が高めに入る4‐4‐2だったわけだけど。

1つの理由はちびっこ2トップ。相手の真ん中はテリー&カルバーリョ。真ん中から行ったら普通に跳ね返されてしまうし、サイドからクロスを上げても簡単に競り負けるだろうことが予想される。だったら、真ん中に高さが必要だろうって話。よってCロナウドは真ん中に入ってきてもらいたいところ。で、そこには抜群の質を誇るハーグリーブスのクロスが上がってくる形でゴールへの可能性が高まる。ただし、ハーグリーブスはCロナウドとは違って突破力はない。そう考えると単純に右サイドを崩すのは難しい。だから、左に1度作って置いて相手をそのサイドに寄せ(Cロナウドの存在がなおさら)、その後に一発の展開でサイドを変えることでハーグリーブスに広いスペースを与えようとしたと思う。

前半は引っ張り出し→背後を突き→押し下げ→陣地を増やすっていうパターンと左で作って→右へ展開→フィニッシュへっていうパータンで主導権を握ったマンU。得点も右サイドからのクロスに大外のCロナウドっていう思った通りの形だった。だけど、この得点の後から段々と旗色が悪くなっていったマンU。マンUの問題の露呈ととチェルシーの改善によって流れが変わっていったと思う。そして、その流れは試合終了まで続くこととなった。

それについて見る前に、そもそもチェルシーはどんな戦い方をしてたかっていう点について見てみたいと思う。立ち上がりは両者とも蹴りまくってたってのは上にも書いたとおり。その流れから最初に抜け出したのはマンUだってのも、ここまで書いてきたとおり。でも、チェルシーの方は蹴りまくりの流れから抜け出せなかった。悪い時間帯はずっと蹴りまくりの流れだったと思う。その時間帯のチェルシーはなぜだか知らないけど、ドログバ任せの意識がかなり高まってた印象。

よって、一昔前のチェルシーを見てるようだった。ボールを持ったらまずはドログバ。最近のチェルシーの中でもドログバの存在が大きかったのは事実だと思うけど、それでもビルドアップはチーム全体で上手く行ってたってのは上にも書いたとおり。ドログバ依存はあくまでも相手のラストブロックへの仕掛けの部分だったでも、今回は最初っからドログバにボールを預けておいて、あとはなんとかしてねっていう。守備をやらないんだから攻撃は1人で頑張れよって思ったのかどうかは知らない。

とにかく、守備において全体が押し下げられる流れの中では残念ながらドログバは孤立。マンUの方もドログバだけを見ておけばいいんだから、こんなに守りやすいことはない。前回のリーグでの試合では案外ドログバに収まってしまったけど、今回はきっちりと潰してた印象。ドログバ自身も前の試合ほど収まりがよくなかった。よって、ドログバの場所で時間が作れなかったチェルシー。結果押し上げられずに相手にボールが渡る。無限ループ状態へと突入。

まあ、でもチェルシーが蹴りまくったのも分からなくはない。なぜなら今回の試合はマンUの守備の質が前回のリーグでの試合とは全く違っていた。リーグでの試合では中盤の守備を捨て気味だったマンU。それに対して今回は前線から1つ1つ厳しいプレッシャーをかけていったと思う。チェルシーとしてはそのプレッシャーをダイレクトに受ける状況では、さすがに攻撃の流れを作るのは難しい。というか、中盤で下手に奪われたら困るってのもある。

だから、とりあえずドログバって考え方。ボールを大切にするチェルシーだからこそ、ボールをゆったりと扱える場所を増やしたい。逆にボールをゆったり扱えない場所は嫌だ。一発のボールでそんな場所を飛び越える。同時にドログバに収めることで相手の守備の後ろへの意識を高める。そんな狙いがあったと思う。ただし、あまりにもドログバにこだわりすぎたせいでその場所を相手に完全に狙われてしまった。結果、マンUの守備ブロックを押し下げることには失敗したと思う。

それに今回の試合ではギャップを使ううまさもイマイチ発揮できなかったと思う。そもそも、最近のチェルシーにおいてギャップ使いのうまさが光っているのはカルー。OMFが降りていったときにそのスペースにカルーが流れて浮いた存在になり、その外側をAコールが回りこむってのが1つのやり方。そういう意味ではAコールがハーグリーブスをぶつけられたのも痛かった。結果、起点になることが多い左サイドが死んでしまった気がする。

そんなチェルシーの悪い流れが変わったのが前半の30分過ぎ。上にも書いたようにマンUの得点後の時間帯だったと思う。この時間になって、ようやくチェルシーが本来的なやり方に回帰していった。つまり、1発の大雑把なボールで距離を稼ぐんじゃなくて、しっかりとつないで行こうとするやり方。簡単に言うと、DF→FW→MF(低い位置から一発FWへ、そこに中盤が絡む)っていうやり方から、DF→MF→FWっていうやり方に変化した印象。

そして、ここにぴったりとマンUのまずさが重なってきた。得点後のマンUは全体の意思統一が図れない状況に陥ってた印象。とりあえず、前半は1‐0で終わらせようっていう意識がでてきた選手と、それまで通りに積極的に行こうっていう選手の間のギャップ。これがライン間にスペースを与えてしまう原因となっていたと思う。

そもそも前からしっかりと守備をしていた今回のマンUは、守備時にここ最近では珍しく横並びの2トップの関係性。チーム全体が積極的な守備意識を持ってる時間帯は4‐4‐2の3ラインが高めの位置でコンパクトになってたからよかったけど、後ろの方に受ける意識が出てきた時点でトップ下の場所に空いたスペースが気になり始めた。ランパード、バラックがそのスペースを有効活用し始める。そうなると黙っておけないマンUのCMFが引っ張り出される。結果として、今度は4‐4の間にスペースが生まれる。で、そのスペースの場所で前線の3トップが横の動きを活発にした。今回はドログバがあまり蓋として機能せず、というかJコールとかマルダがドログバに遠慮せずにポジションを変えまくりって感じでボールを引き出した。

そんな流れの中で生まれた同点ゴール。またしても、前半の終了間際。マンUとしてはライン間の距離が空いてしまったいたことが諸に出てしまったと思う。中盤がスカスカでクリアボールがあっさりと相手に渡ってしまったところからだった。そして、チェルシーにとってはここで最初にシュートを打ったのがエッシェンだったってのがポイント。前半は1発ボールばかりの攻撃で全く前線に出てこなかったエッシェンがこの試合始めて、飛びだして来たシーン。これが後半の流れにつながっていくこととなった。

その後半のチェルシーは大幅な改革を図ってきた。前半の流れはどうしたんだっていうほどドログバが消える。全ての攻撃はドログバに始まっていた前半のチェルシーからすれば考えられないことだった。その代わりにサイドが活性化。そのサイドももはや死んでしまった左サイドではなく、未だ使わずに未知の魅力満載で残された右サイドを重視した戦い方をしてたと思う。ここでポイントになったのが上に書いたとおりエッシェンだった。エッシェンの攻撃参加はSB的ではない。あっさりとサイドを捨てて来る。これによってマンUの守備陣は混乱しまくりだった。

特に前半にはほとんど見られなかったエッシェンの攻撃参加に戸惑ったのがCロナウド。エッシェンに対応すべきなのはCロナウド。でも、中に入っていったエッシェンはどうすればいいのか。とりあえず、下がっておくかって感じ。さすがのCロナウドも一発勝負の決勝戦では4‐4のブロックにしっかりと参加してた印象。ただし、攻撃を考えると必ずしも歓迎できることだとは言えないけど。

そんなマンUの守備は後半も微妙なギャップを残したまま。ライン間の距離が空いてしまって、そこかしこにスペースが生まれてた。中盤は特にスカスカ。相手がドログバを経由させずにサイドに起点を作るようになったから、さらに問題が大きくなったとも言える。前半はとりあえずドログバを押えとけばなんとかなったけど、後半はそうはいかなくなった。さらに相手がサイドに起点を作ったことによって、ブロックが横に間延び。縦横間延びでスカスカ度合が増した印象。

よって後半は圧倒的なチェルシーのペースへ。ギャップを使うのはうまいチェルシーだから、スカスカのマンUブロックの間間をうまくつなぎながらポゼッションを高めた。加えて今回のチェルシーはシュートの数が圧倒的。なかなか相手ブロックに入り込めずに外外でパス回しのためのパス回しをするチェルシーではなかった。この辺も徹底的にサイドに起点を作ったことが功を奏したって言える。サイドに起点を作って相手の守備ブロックの真ん中を空けたから、ブロック内に入り込みやすかったって言える。実際にはブロック外からの積極性も目立ってたわけだけど。とりあえず、絶対的にボールを保持するような意識は今回の試合では薄まってたと思う。それは前半の蹴りまくりからもわかる部分だったと思う。

さて、守備の内容がまずかったマンUは攻撃の流れも悪くなってしまう。何よりも攻撃の選択肢が少ない。守備によって両サイドが押し込まれてたマンUには前半のようにピッチ全体をバランスよく使った攻撃なんてものは夢のまた夢。前半は活躍しまくりの右サイドも完全に消えてしまった。よって攻撃の選択肢は真ん中の2トップのみ。でも、そこにしか来ないと分かっているならば、相手としても守りやすい。マケレレが目立ちまくった後半だったって言える。

そんな悪い流れのマンUに悪循環が登場。例の悪いときに縦急ぎマンUの雰囲気が見え隠れし始める。相変わらずドログバは守備をしないチェルシーが相手だから、1度落ち着けばいいのに、簡単に前線にボールを蹴ってしまう場面が多くなっていく。この時点で当然のように前線は薄い薄い。後半はCロナウドの個人でのチャレンジが目立ちまくった。仕方なしの個人技だった気がする。とにかく、そんな状況のマンUが人数をかけた効果的な攻撃を行えるはずもなく。ボールはやっぱりチェルシーの側に渡ってしまうことになった。前半とは真逆のマンUの悪循環。

攻守に渡って内容が悪いマンU。とりあえず失点だけは避けようってことでシステムの変更に入る。ハーグリーブスを真ん中に移し、ルーニーを右サイドに。相手の左サイドはこの時点で機能性を失っていた。マルダは左を留守にすることが多かったし、Aコールもケガの影響か全く目立たなくなっていた。よって、わざわざハーグリーブスを当てる必要はないっていう判断か。守備時には中盤の5枚をフラットにして4‐5ブロックを形成するようになったと思う。

これによって当面の守備のバランスは回復。相手がサイドに起点を作ったとしても、真ん中は3枚がしっかりと固める状況を作り出した。だから、それまでのようにチェルシーのバラックとかランパードが危険な場所に簡単に入り込むっていうシーンは減ったと思う。さらに、後ろへの心配が軽減したCロナウドが攻撃への意識を高めることにもつながった。どちらにしても攻撃に人数をかけられず状況ではなかったから、意味がなかったと言えばなかったけど。でも、それによってエッシェンの攻撃参加は停滞したと思う。

そんなこんなで後半はマンUがしのぎ切ったっていうイメージが強かった。そして、延長へ突入。延長戦に関しては書くべきことはあまりないかなっていう。とりあえず、マンUは4‐5‐1で中盤を厚くして戦ってたってことぐらい。それでも後半の最も決定的なシーンでは相手が外に起点→中へっていう流れの中で真ん中でランパードを浮かせてしまったわけだけど。危ない危ない。それに対して、チェルシーの方も4‐4‐1‐1っぽい安定した守備ブロックで受ける形が目立つようになっていった。とはいえ、両者とも疲労困憊。あまり効果的な攻撃を仕掛けられず、でも、1度ボールを持たれると奪いに行けないっていうような流れだったと思う。

というわけで両者決定的なチャンスを作りつつもPK戦へ突入。ちなみに、延長の後半にドログバが退場した。今度はバラックじゃなくてビディッチと喧嘩して。PK戦については、まあ運だから書くこともないかなっていう。ただし、Cロナウドは精神的な部分のもろさをまだ払しょくしきれてない気がした。ける前から外す雰囲気プンプン。4年前のEUROから比べればそういう部分の弱点は克服しつつあるんだろうけど。バルサ戦のPK失敗も含めて、ちょっと気になっている部分。

この試合に関してはチェルシーとマンUの間に差はほとんどなかったって言える。ただし、チェルシーの方が弱点を見せたかなっていう。チェルシーの弱点は攻撃のゴールと守備のスタート。シュートを打ちまくった今回も、得点シーンを含めて完全に崩し切ったシーンはほとんどなかった。シュートはブロックの外からのものが多かったし。守備のスタートについては最初の方で書いたとおり。マンUが攻撃に出てきた時間は本当に目立った部分だった。この2点は今シーズンのチェルシーの問題点であり、来シーズンに向けた課題。

対してマンUの方も弱点が見えた。それは波。攻撃がうまく回っている時には守備もうまく回り、チームとして行け行けになるマンU。でも、ひとたびどちらかが停滞すると、もう片方も引きずられて停滞する。攻撃がうまく回らないと前線の選手が守備をしなくなる。逆に守備にばかり追われて本来の攻撃ができなくなる。そして、そこから抜け出す術がない。これは死角がなさそうに見えるマンUの最大の問題点だったと思う。来シーズン、マンUに対するチームは立ち上がりの時間帯に全精力をかけて流れを引き寄せるのがポイントになるかも。そうすれば自分たちのペースで戦える。ただし、それはあくまでもマンUが課題を克服できなかったら。

ところで、この試合にドログバとカルーが出てたけど、ってことはさっきやってたコートジボワール代表には不在ってことか。まあ、キリンカップなんかよりもCLを優先するに決まってるのは言うまでもないことだけど。ってことは、コートジボワール代表はやっぱり1.5~2軍だったのかな。ビデオに撮っておいたので、明日か明後日には見てコメントしたいと思います。
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