ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-27 Tue 18:37
アーセナル×レディング
<アーセナル:4-4-2>
FW:アデバヨール-ファン・ペルシー
MF:フレブ-セスク-Gシウバ-ウォルコット
DF:クリシー-ソング-ギャラス-コロ・トゥーレ
GK:レーマン

アーセナルに対する守備をおさらい。別にどれも対アーセナルだけに有効っていうわけではないけど。1つは前線から追いかけまくってアーセナルの攻撃のスタートをさせないっていうもの。ただし、この方法で成功したチームを見たことはない。ミドルスブラは追いかけようとして背後のギャップに入られ、怖くなってベタ引きになったし。2つめは受身の形で入ってきたところをつぶすってもの。アーセナルタイムをスタートさせる縦パスをいい形で前線に収めさせない作戦。バーミンガムパターン。3つめはベタ引きでラストを固めるってもの。多くのチームが使う形。というか、結局はアーセナルのパス回しに対する狙いどころを定められずに強制的にベタ引きにされるっていう部分が多いわけだけど。

今回のレディングは4つめの方法を採ってきた。そもそもレディングの守備は2つめ又は3つ目かなって思ってた試合前。前にマンU戦を見たときがそうだった。FWの守備は免除して、後ろの4‐4ブロックで守る形。4‐4の間のバイタルをしっかりと押さえて、そこに入ってくる縦パスを徹底的に潰すもの。このやり方はアーセナルに対しても有効だろうから、普通にそのやり方を採ってくるだろうって思ってたわけだけど。実際に採用されたのは全く別の形だった。

その守備のやり方は完全マンマーク。オールコートのマンツーマン。マンUみたいにシステム的合致を利用しながら、ある程度見るべき相手をはっきりさせる守備のやり方は普通に見られる形。そういう人ベースの守備は守備のやり方の1つとしてありうるし、完全なるゾーンよりは主流といっても間違いではないかもしれない。でも、今回のレディングはもっと徹底したマンマークだったと思う。

一番顕著だったのが、アデバヨール×ソンコの関係。CBのソンコがアデバヨールを追いかけてハーフェイライン付近まで付いて行くシーンが見られたと思う。アデバヨールがいつもよりゴール前にいる時間が短かったのも、このことが原因だったかもしれない。そして、このアデバヨールの場所に限らず、他の場所でも基本的にはどこまでも追いかけることが念頭に置かれてたのが今回のレディングだった。

相手の2トップに対しては、CBの2枚+1つ前のビケイの3枚で1人余る形に。アデバヨールとかファン・ペルシーの対応に真ん中から引っ張り出されることが多くなるだろうことを予想して、中盤の底にDF登録のビケイを入れたと思われる。逆にトップのキットソンが相手の2枚のCBに対応することで、残りの場所は1×1が明確になった。結果としてシステム的には4‐1‐4‐1みたいな形になってたと思う。

ただし、完全に見るべき相手を定めたマンマークで守るのは相手の組み立てのところまで。相手がある程度深い位置まで入ってきたら、ラストの人数ベース守備ブロックへと移行した。そんな危険な場所で1×1なんて言ってたら、大変なことになるだろうから。それに、カウンター的な流れで見るべき相手を捕まえ切れなくなった場合も自分の見るべき相手を探すよりも、とにかくゴール前に戻って最後を固めるっていうやり方を採っていたように思う。

ただ、この人数ベースの守備ブロックに不安がありあり。全体としてボールにばかり寄せられてしまう傾向が強くて、人数は多いのに他の場所が空いてるシーンが多々。1点目のシーンもそういう場面だったし。攻められる時間が長くなるにつれて徐々に集中力を上げていって最後の最後で跳ね返すシーンも多くなったけど、相手の組み立てを押さえる方に意識が向いている時間のラストブロックは結構危険な状況だった気がする。

オールコートのマンツーマン守備。なるほどなっていう新鮮さがあった。目から鱗というか。立ち上がりはそんな守備のやり方に気付かなかったから、なんだかやけに前線から積極的に守備をしてるなっていう印象を受けた。相手の低い位置の選手にまで積極的にプレッシャーをかけて行くから。後になってみればそれは自分が見るべき相手だったからだったんだけど、この時間は後ろのギャップは大丈夫かっていう部分が気になった。上にも書いたように、アーセナル相手に最前線からの積極的な守備が機能したのを見たことがないから。それにこれも上に書いたようにレディングは受けてバイタルをつぶすチームだと思ってたから。

にも関わらず、なかなかアーセナルがスムーズな攻撃を繰り出せない時間が続いた立ち上がり。後で書くように、今回の試合のアーセナルはスロースタートだったっていう要因が1つ。最初はそっちが気になってた。でも、試合が進むにつれてレディングの守備のやり方に興味が出てくる。そして、そのレディングのオールコートマンツーマンの守備がアーセナルのスムーズさを失わせたもう1つの要因だったように思う。

最終的には崩壊気味だった、この守備のやり方だったけど、案外アーセナルの攻撃に対しては相性がいいのかもしれないって思ったりもする。アーセナルの攻撃のやり方は縦パスを入れて、そのボールに対して複数の選択肢を用意するために周囲が動き、そうやって前の選手が動いた場所にそのまた周囲が動くっていうやり方。ボールが動くたびにそれが繰り返される。結果として文字どおりにボールも人も動くサッカーが可能になる。

ただし、ここにもう1つのポイントがある。それはボールに選択肢を与える選手が相手のギャップに入り込むってこと。そして、そのギャップで前を向くってこと。基本的には攻め始めれば前へ前へと向かっていくアーセナル。その推進力のために、高い位置で選手が前を向くっていうのは重要なポイントとなる。そんな中で近い関係で相手のギャップギャップを少ないタッチで次々にボールが動いて行くことで、相手に狙いどころを定めさせない。そうやってギャップギャップを素早く移動しながら相手ゴールに直線的に向かうのがアーセナルの攻撃。

じゃあ、今回の試合ではどうだったか。まず、狙いたいギャップは用意されまくってた。何しろアーセナルの選手が動けば相手もついてくる。しかも、ある程度までついてくるなんていう甘っちょろいものではない。基本的にはどこまでもついてくる。よって、動いた選手がもともといた場所にはスペースが残されてる。これによってアーセナルにとっては大好物のギャップが生み出されてることになる。

ただ、そのギャップにアーセナルの選手が入ってきたらどうなるか?普段のアーセナルならその場所で浮いた選手を作り出す。こないだの日本代表がやったように。SMFが降りてきて、代わりにSBとかボランチ、FWがそのスペースに入ることでスムーズにボールを引き出すっていう形が1つの例。でも、今回はそうは行かなかった。前の選手が動いてできたギャップに次の選手が入ろうとすると、その選手に対してもレディングの選手はしっかりとついてきた。この時点でギャップはギャップではなくなるっていう話。

結果としてアーセナルの選手は前を向けない。ギャップに入り込んで、一瞬でも浮いた瞬間に前を向くのがアーセナルの攻撃の中ではポイントになるってのは上のも書いたとおり。そして、ひとたび前を向く選手が現れれば、後ろから次から次へと選手が飛び出してきて前への推進力を高める。結果としてゴールに向かって直線的なアーセナルらしい攻撃が生まれるわけ。

逆に言えば、相手が常に近くにいて前を向く時間を与えてもらえなかったのが今回の試合。そうなるとアーセナルらしいゴールに向かったスピード感は失われる。立ち上がりの時間のアーセナルはパス自体はそれなりに回ってた。でも、そのパスの方向が後ろだったり横だったりってことが多いのなんのって。確かにパスは回ってたし、ポゼッション率も高まってた。でも、そのパス回しはアーセナルのパス回しではなかったと思う。ギャップギャップ、もっと言えば相手の急所急所を突きながら縦へと進んでくるアーセナルらしいパス回しではなかったって言える。

よって、アーセナルタイムは発動できず。低い位置で無為なパス回しが続くことになったと思う。そんな状況では相手の守備ブロックを押し込むこともできなかった。普段のアーセナルなら縦パスを入れてパス回しを始めた瞬間に相手には守備の狙いどころがなくなる。でも、今回のアーセナルはまず縦パスを入れたとしてもそこから本来的なパス回しを始めることができなかった。さらに、相手にはいまだ狙いどころが残されてた。極端なことを言えば、アーセナルがいくらパスを回そうがレディングには関係ない。レディングの選手は自分が見るべき相手だけをしっかりと見ていればよかった。だから、狙いどころは常に維持されてたって言える。

結果としていつものように相手をズルズルと押し下げられなかったアーセナル。しかも、攻撃のスムーズさがないアーセナル。組み立ての途中で引っ掛けられるシーンがいつもよりも多くなったと思う。いつものアーセナルならば1度攻め始めれば、一気に縦へと侵攻しちゃうんだけど、それも無理だったから。そして、こんな下地のもとに守備の方にもいつもとはちょっと違った側面が表れたと思う。

いつものアーセナルの守備の一番の勝負どころは攻撃後の切り替えの場所。攻撃に人数をかけてるから、その切り替えでも人数をかけた守備ができる。よって、相手に奪われてからすぐには全体のブロックを押し下げずに、攻撃のままの高さを保ったままに守備を行う。そして、2次3次攻撃へとつなげていく。ここで考えなければならないのは、この守備のベースには攻撃において相手を押し込んでるっていう事実もあるってこと。完全に押し込まれた相手には前線の選択肢が少ない。だから、アーセナルが切り替えで守備を行うと、相手は全く逃げ場がなくなってしまうってこと。

そして、攻撃において相手を押し込めなかったのが今回のアーセナル。さらに言えば、そもそも自分たちの攻撃にいい形で人数をかけることができなかった。何しろいつものアーセナルらしいパスを回せてないんだから。もう1つ直接的な(レディングの守備に関係ない)アーセナル自身の問題もあったわけだけど、それは後の話。とにかく、いつもの守備の勝負どころである攻撃後の切り替えの守備は完全に機能しなくなっていたといってもいい。

じゃあ、組織を作った時の守備はどうなのかって話。こちらもいつものアーセナルのやり方から見てみると、いつものアーセナルは1つ1つの場所で最短距離を切りながら追いこむっていうやり方を採ってる。そして、最終的にはボールサイドに人数をかけて相手を孤立してボールを奪う。ただし、FWから積極的に守備をしないから、あくまでも相手が地上から仕掛けてきてくれればってことになるわけだけど。よって、トップへの意識が強いレディングの攻撃は苦手。ブロックを作った上で、中盤で効果的に守備ができたシーンはほとんどなかったと言ってもいい。それに深い位置まで攻め込めなかったってことは、要するに途中で引っ掛けられるシーンが多かった立ち上がりの時間帯のアーセナル。守備ブロックを作って受けること自体が少なかったって言えると思う。

そんなわけで今回の試合の立ち上がりの時間帯のアーセナルはとにかく深い位置でボールを奪うシーンが多くなった。この時間はレディングの方も守備で後ろに人数が増えるようなアンバランスな状況になってなかったから、それなりに攻撃に人数をかけてきてたし。まあ、そんな中でレディングがチャンスを作ったかと言われれば、全然チャンスはなかったわけだけど。

ちなみに、実はそうやって深い位置で奪うアーセナルの守備は作戦なんじゃないかとも思ったりした。何しろ相手はオールコートマンツーマンの守備。これが厄介だったわけで。じゃあ、そのマークを一番外せるのはどんなときかって言えば、相手が攻撃に出てるとき。つまり、アーセナルは守備からの切り替えにおいてもっとも自由になることができる。だから、あえて深い位置まで攻めさせて、そこから一気にカウンターっていう方法を選んだんじゃないのかなっていう。実際にはたぶん、そんな考え方はなかったであろうことが後々になって分かるわけだけど。

さて、そんなアーセナルもちょっとした工夫はしてた。そもそも相手のオールコートマンツーマンの弱点は何か?それは1×1をはっきりとさせること。これは長所にも短所にもなりうること。長所ってのは見るべき相手がはっきりすること。さらに、それを固定することで相手がどれだけ動こうが浮いた選手を作ることは原理的にあり得ない。ただし、逆に1×1が固定されてるだけに、その1×1の勝負に負けると一気に危険なシーンに陥る。そして、どう考えたって単純な1×1ではアーセナルの選手の方が上。これが弱点になりうる部分。

もちろん、レディングの方もそのためにある程度の対策は採ってきた。どちらもここまで取り上げてきたこと。1つは相手に前を向かせないっていうこと。これならばアーセナル相手の1×1の関係でも守備側が優位に立つことができる。1×1を作ったことで前を向かせなかったし、前を向かせなかったことで1×1を維持したって言える。さらに、もう1つはゴール前は1×1の原則を外して人数ベースで守備ブロックを作ったっていうこと。これについても上に書いたとおり。

アーセナルとしてはこの1×1をどう自分たちに優位に働かせるかっていうのがポイントになった。あとになって分かることだけど、実はアーセナルはいつもどおりに戦ってれば、普通に1×1を自分たちに優位に働かせることができた。というか、いつもどおりに戦ってれば相手のオールコートマンツーマンなんて気にも留めずに攻撃ができた。でも、最初のアーセナルのアプローチはいつもどおりに戦うっていうことではなかったと思う。というか、むしろいつものやり方を捨てる方向に進んでいた気がする。

パスはつなげても横方向、後ろ方向の質が多くなってしまったアーセナル。ここで選択に迫られた。パスをつなぐっていう自分たちのやり方を採るのか?縦に急ぐっていう自分たちのやり方を採るのか?どちらもアーセナルのやり方。いつもは短いパスをつなぎつつ、同時に縦へ縦へと急ぐアーセナル。でも、現状ではその共存は不可能。ここでアーセナルは決断を迫られた。そして、この時点では後者を重視するようなやり方を採ってきたと思う。

つまり、ショートショートをつないで縦に進むんじゃなくて遠めのパスを織り交ぜながら縦に進むやり方を採ってきたってこと。いつものアーセナルよりもパスにおいて遠くを見てるような状況が見られるようになった。低い位置から一気に、またはワンクッションおいて相手のウラを狙うボールを増やしていった印象。そして、そこに1×1の勝負を強調してきた。クリシーの一気に縦に進む運動量だったり、ウォルコットのスピードだったりを有効活用しようとするボールが増えたと思う。短い距離よりも長い距離で勝負させた方が力差は顕著になるはず。そんなやり方が多くなっていったと思う。

ただし、いつものように近い場所をつなぐパス回しよりも確実性は明らかに落ちてしまう。パスの距離が遠くなるのもそうだし、相手と勝負させるからにはギリギリの場所を狙わなければならない。その中で微妙なズレが生じて、ボールがつながらないっていうシーンが多発。結果として攻撃が分断されることが多くなって、うまくリズムを作ることができなくなった。

こんな感じのアーセナルの苦労だけど、最初の方で書いたとおり、その要因はレディングの守備のやり方だけにはない。というか、むしろアーセナル自身の問題の方が大きかったと言ってもいいと思う。なぜなら、アーセナルが本来的なやり方を用いるようになってからは、完全にアーセナルのペースになったから。そこではレディングのオールコートマンツーマンも無効化されたってのは上でも触れたとおり。

そもそも先制点を奪う前後の時間までのアーセナルは明らかに様子がおかしかった。具体的に言えば、とにかく運動量が少なかったと思う。だから、アーセナルらしいボールに対して複数の選択肢を作る動きは皆無。ボール保持者は常に孤立気味。さらに、そうやってボールに対する複数の選択肢を作るための動きから生まれる流動性も皆無。ボールを追いぬくような後ろからの飛び出しも皆無。そもそも攻撃のスタートとなるボールを引き出す動きすらもほとんど見られなかった。

この時間に頑張ってたのはアデバヨールとクリシーのみ。アデバヨールは左右に流れて積極的にボールを引き出す動きを繰り返した。この時点で相手のCBソンコが完全に引っ張り出されてるのに、別の選手がそこを突く動きをせず。さらにボールを引き出したアデバヨールに対するフォローもほとんどなし。クリシーの積極的な飛び出しでなんとか深い場所にボールを入れてるような状況だった。

1つ前のマンU戦でもらしいパス回しができなかったアーセナル。その要因はファン・ペルシーが消えたこととSB&Gシウバが攻撃参加を自重したこと。結果として攻撃に絡んだとは2トップのアデバヨール&フレブと中盤からエブエ&セスクのみ。これじゃあ近さは作れないってのは前のときに書いたとおり。今回はフレブとファン・ペルシーの場所を入れ替えて、その辺に改善を図ってきたのかなって思ったのに、悪い時間帯にはどちらも完全に消えてしまった。これなら前回の方がマシだったんじゃないかっていう話。その上、セスクも攻撃に顔を出さなかったし、ウォルコットも単発突破のみ。今回は最悪だったって言える。

そんな流れが変化したのが前半の25分過ぎから。このぐらいの時間からフレブが突如として目立ち始める。それまでどこにいたのか分からなかったフレブだったけど、真ん中に流れてきたりCMFの場所まで下がったりしながら、徐々にボールタッチの回数を増やしていったと思う。そんな流れの中で生まれたアーセナルの先制点。この得点自体はアーセナルの攻撃の改善を示したものではなかったけど、この得点がスイッチとなって突如としアーセナルの攻撃に変化が生まれた。

それまでの運動量の少なさが嘘のよう。フレブだけではなくて、全体としての動きが活性化した。まず、目に見えて動きが変わったのが右サイドのコロ・トゥーレ。それまでは一切攻撃に参加してこなかったコロ・トゥーレが突如として上下動を繰り返すようになった。さらに、眠っていたセスクも動きだす。これが一番、大きかった。高めの位置に入りながら常にボールを受けられるような場所に位置してタッチ数を増やしてたと思う。もちろん、FWになるセスク本来のよさも見られた。さらに得点を奪ったGシウバが攻撃に積極的に顔を出すようになった印象。

ただし、ファン・ペルシーとウォルコットはそういうアーセナルらしい攻撃にイマイチ乗り切れてないかなっていう印象を受けた。ファン・ペルシーは一時期のエドゥアルド状態。つまり、組み立てのところではあまり目立たないっていうこと。結果としてアデバヨールの組み立てへの負担が久々に大きくなってた。ウォルコットに関してはスタイルの問題かなっていう。他の選手が少ないタッチで次々にパスを回していく中で、1人だけドリブルでの仕掛けがファーストチョイスになってる。もちろん、それが悪いってことではない。この試合に関してはキレキレのウォルコットがアクセントを加えてた面は大きかったし。

それでも、立ち上がりの悪い時間から比べれば格段に素晴らしさを増したアーセナルの攻撃。チーム全体の運動量が増した時点でアーセナルらしさを復活させたと思う。ボールに対して近い場所で複数の選択肢を用意することができるようになり、結果として一気に攻撃のスムーズさが増したアーセナル。パス回しにスピード感が生まれたと思う。それはめでたいこととして、レディングの守備はどう崩したのかっていう話になってくるわけだけど、上にも書いたように本来のアーセナルらしさを取り戻した時点でその問題は自然と解決されていった。

パス回しのスピードが格段に上がったアーセナル。最初の時点では前を向かせてもらえないから、当てて戻してっていうパス交換の繰り返しなんだけど、そういうパス交換をスピーディーに行っている中で、どこかしらに相手の守備がルーズな場所が生まれてきた。その瞬間に前を向くアーセナルの選手。そして、1度前を向いて前に向かったパスができるようになれば、もうアーセナルタイムの始まり。後ろから抜いて行く選手も多いアーセナル。前へ前へっていう推進力を相手は止められない。前を向かせないっていう目標が崩された時点で、レディングのオールコートマンツーマンの守備の機能性は崩壊したといってもいい。

前を向かれた時点で1×1では分が悪いレディングだから、この時点で守備の根拠がなくなったって言える。結局はいつものアーセナルの相手と同じく、ズルズルと引いて行くしかなくなってしまった。それまでは相手CMFに対して敵陣内までプレッシャーをかけて行ってたのに、それがだんだんと弱まっていった。この時点で本来のアーセナルに戻ったと思う。相手の前線の選択肢が少なく、アーセナルの攻撃にかける人数が多いから、攻撃の切り替えからの高い位置での守備も機能するようになった。レディングの方は立ち上がりの時間が嘘のように敵陣内に入る人数が減っていった印象。

ちなみに、ここでレディングの守備の根拠をなくした原因がもう1つ。それはアーセナルのCBの積極的な攻撃参加。このCBの攻撃参加は立ち上がりからずっと見られた形。相手の守備の根拠をなくすヒントとしてずっと提示されてた。アーセナルのCBを見る役割はキットソン。でも、実際にはCBの持ち上がりに対しても無反応だった。マンU戦を見てもFWの守備は免除されてたから、その辺も関係してたかもしれない。

というわけで、自由にボールを持ちあがれたアーセナルのCB。しかも、2人とも攻撃が好きっぽい。的陣に入ってくこともしばしば。ここでレディングには問題が生じる。相手のCBを誰が見るんだ?っていうこと。何しろ後ろは1×1がはっきりとされてて、誰にも余裕がないわけだから。最初は誰も相手CBのドリブルの持ち上がりに対応できなかった。さすがに自陣に入られたろころでヤバいだろっていうことで誰かしらがプレッシャーに行く状態。底の選手が出て行くなんていうイレギュラーな状況も多々見られたと思う。このギャップを立ち上がりのアーセナルは有効活用できなかった。せっかくのチャンスなのに、前線の動きが足りずにギャップがギャップのまま残ることが多くなったと思う。そこのところを利用できるようになったのも、本来のアーセナルになってからだった。

ここで大いなる疑問。なぜアーセナルは最初から本来の戦い方をしなかったのか?その後の時間を考えれば、もっと早く試合を決められたはずなのに。ここで低調な立ち上がりは作戦だったんじゃないかって考えると面白い。何のための作戦か?それは後遺症をなくすため。最初からトップスピードで入るいつもの試合では、必ず後半になると運動量がガクッと落ちるアーセナル。そして、運動量の落ちはアーセナルの攻撃にとっては致命傷。何もできなくなってしまう。これへの対策として後半からシステムを4‐5‐1に変更するなんてやり方も試してみてはいたけど、そううまく行ったっていう印象もなく。というわけで、これまでは現実的な解決策が見つからずにいたってのが本当のところだった。

この抜本的な解決のためのテストが今回の試合だったかもしれない。アーセナルにとっては消化試合といってもこの試合。相手も手ごろ。絶好のテスト日和。要するに最初はゆっくりと入る。守備をベースに戦えば、しっかりと守備もできそうなアーセナルだから、0点に抑えるのはそんなに難しくない。攻撃の方は省エネで、できればアデバヨールが個人の力で行ってくれればラッキーってとこか。

もちろん今回の試合のように運よく先制点が取れないことだってあるはず。そしたら、ある一定の時間から勝負に出ればいい。相手にとっては試合開始直後の元気な時間よりも、疲れている時間にアーセナルのパス回しを防ぐ方がよっぽど嫌に決まってる。省エネで入って試合を決めるところでアーセナルらしさを出す。そんなやり方も面白いと思う。

これまではある意味ではアーセナルは馬鹿正直すぎた。常にパスを回すし、常に最初からトップスピード。そこにメスを入れたのが今回の試合だったと思う。実際に途中からペースを上げた今回の試合では後遺症の影響もさほど出ず。攻撃の中心だったアデバヨールとフレブが抜けてからはちょっと勢いが衰えたけど、それは運動量の問題とは別。そういう意味ではテストは成功だったって言える。本当にテストだったらだけど。

最後にアーセナルのCKのやり方についてちょっとだけ。今回の試合のアーセナルのCKはすべてショート。セスクとファン・ペルシーが近くにいて、1人がボールを動かしてもう1人が止めてから、最初の1人がクロスを上げるっていう形だった。このやり方のメリットの1つは相手のマークが外れるってこと。さらにもう1つは角度をつけることによってゴールに向かう質のボールを蹴れるってこと。いわゆる、触っても触らなくてもっていう質のボールが多くなったと思う。ただ、いつもこのやり方だと慣れられてしまうので時にはファン・ペルシーがクロスを上げずにドリブルで入って行くなんていうバリエーションも織り交ぜてた。このCKはなかなか面白かったと思う。

ところで、アーセナルな方向に向かっている予感の日本代表。今日のパラグアイ戦でその是非が見られるんじゃないかって思ってたりする。でも、残念ながら今日もリアルタイムで見られそうもありませんので、記事の更新は明日か明後日になりそうです。ご了承ください。
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