ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-30 Fri 19:26
バーミンガム×リバプール
<リバプール:4-4-2>
FW:ボロニン-クラウチ
MF:べナユン-プレシス-ルーカス-ペナント
DF:リーセ-ヒーピア-スクルテル-フィナン
GK:レイナ

CL準決勝の間の試合。というわけで、例のごとくリバプールは控えメンバー中心。そういえば前回見たアーセナル戦も今回と同じようなメンバーだった。何だか毎年こんなことをやってる気がするリバプール。ターンオーバー採用で連携が噛み合わず勝ちきれない試合が続いてリーグは絶望。じゃあってわけでリーグは捨ててCLに本気出しましょうっていう。ただし、今年はCLでも準決勝で負けてしまったわけだけど。

とにかく、トーレス、ジェラード、カイト、バベル、Xアロンソ、マスケラーノの組み合わせを見たのは遠い過去のことになってしまいました。ルーニー&テベスと同じぐらいに頑張りまくるFWカイトなんかは休まなきゃやってられないんだろうけど。ルーニー&テベスは試合によってはサボってるけど、カイトは頑張りが評価されてサボれないサイドに配置されてるわけだから。まあ、サイドにいてもサボる人はサボるんだけど。

で、今回のメンバー。あまりにも控え組が多すぎる。だから、攻撃の方向が定まらないっていう可能性は十分に考えられた。その点について、同じようなメンバーで戦ったアーセナル戦ではしっかりと対策を立ててきたと思う。シンプル、単純(同じか)、分かりやすくっていうのがモットー。要するに、とにかくクラウチを目標にやろうって形。クラウチを軸にしてチームとしてクラウチを目指し、クラウチもそれに応えてうまく起点になってた。

今回の試合でも立ち上がりは同じ考え方。とにかくクラウチへの1発のボールが増やす増やす。そうやってクラウチが競ったこぼれ球をボロニンが狙うようなやり方がいくつか続いた。ただし、普段から立ち上がりは蹴りまくるリバプール。しかも、今回はホームのバーミンガムがそれなりに前線から守備をしてきた。立ち上がりの数分だけだけど。そんなこともあってのクラウチの頭狙いだった可能性は十分に考えられる。

なんで、そんなことが言えるかって話。それはバーミガムがいつもの守備のやり方に変更してからは、リバプールのクラウチ狙いが全く見られなくなったから。立ち上がりの数プレーを除いて、少なくとも前半の25分ぐらいまではクラウチは完全に空気。全く名前が出てこない存在だった。ただし、試合全体の流れを見てみると、このクラウチが消えていた時間帯がリバプールの攻撃の質が最も高まった時間帯だったように思う。

とりあえずはバーミンガムの守備のやり方について見てみたい。立ち上がりは上にも書いたように、前線からの意識が見られたバーミンガム。FWが深い位置の相手ボール保持者に対して積極的にプレッシャーをかけて行ってたし、それにつられて中盤の選手も敵陣で守備をするシーンが目立ってた。ただし、この時間帯はリバプールの立ち上がりの蹴りまくりタイムと重なってたから、そういう前線からの守備が効果的に機能するってことはなかったわけだけど。

それに、バーミンガムの方としても、そういう前線からの守備を90分間続けるつもりは毛頭なかったと思う。おそらくホームだってこともあって、立ち上がりからいきなり相手を楽にさせないため、自分たちのペースに少しでも巻き込むための守備。立ち上がりだけは積極的にやる守備なんて、どのチームも採用してるし。そんな気分だったはず。だから、前線からの守備を否されて、ボールが頭の上を越えていったとしてもそれほど痛くはなかったと思う。

というわけで、すぐにバーミンガムは本来の自分たちの守備に移行して行った。そのバーミンガムの本来の守備とはどういうものかって言うと、それは立ち上がりの前線からの守備とは真逆の質のやり方。4‐4‐2の守備ブロックを形成して受ける形の守備。ただし、最終ラインはある程度高い位置に設定してるから、全体がかなりコンパクトになってるのがポイント。ちなみに、最終ラインが高いってことも今回のリバプール相手には相性が良かった部分の1つだと思う。クラウチの頭をゴールから遠ざけておくことができるから。ボロニンもウラに抜けるよりは中盤に降りてきてのプレーの方が目立ったし。

で、このバーミンガムの4‐4‐2ブロックの質はとてつもなく高い。特に4‐4のバイタルつぶしは相当のもの。相手はその4‐4の間になかなか入り込めない。4‐4が近い関係を保ってるから、まず中盤の4が完全にフィルターとして機能する。馬鹿正直な縦パスはことごとくこの中盤の場所で引っかかる。それに運よく間に入り込めたとしても、そこにはスペースが全くない。入った瞬間に四方八方から囲まれてしまう始末。何しろコンパクトな4‐4ブロック。選手間の距離は近くなってるよって話。

この守備にはマンUもアーセナルもかなり悩まされてた。にも関わらず、バーミンガムは降格。おそらくプレミアの多くの相手にはこの守備のやり方は相性が悪いんだろうなって思ったりする。バーミンガムが4‐4の確固たる守備ブロックを作ったとしても、それを利用できなければ意味がない。要するにその4‐4の間が使えなければ困るチームじゃなければ意味がない。もっと言えば、地上から攻めてくるチームに対して有効な戦術だって言える。ポゼッション率は高まっても相手ゴールに仕掛けられない困ったなってのがこの守備の狙い。でも、知っての通りプレミアは百姓一揆主流。地上から攻めてくるチームは少ないから、いくらいい形で4‐4守備ブロックを作ったとしても、それを有効活用できないわけ。

だから、今シーズンのバーミンガムの成績は面白いことになってる。上位の4チームと引き分けが4つ。負けも全て1点差っていう。個人的には上の4チームとの戦いばかりを見てるから、バーミンガムが降格するようなチームだとは全然思えないわけで。だからこそ、やっぱりプレミア的なやり方と相性が悪いんだろうなっていう。上位の4つはよくも悪くもプレミアのサッカー(のやり方)を代表してるわけではないし。

で、前にも書いたことがあるかもしれないけど、おそらくこのバーミンガム悩みはリバプールも抱えてるものだと思う。リバプールだってバランスのいいコンパクトブロックを作って、そこに入ってきた相手を囲い込んだり挟み込んだりってのが守備の狙い。つまり、相手が地上から攻めてきたときに効果を存分に発揮する守備のやり方だって言える。逆に頭の上を越えられるとそんな守備の根拠がなくなってしまう。だから、頭の上を越えるチームが多いプレミアでは苦しむ。玉石混合のCLのグループリーグでも苦しむ。でも、地上から攻めてくる相手が多くなるCLの決勝Tになると力を発揮する。そう考えると納得できる気がする。

話を戻す。コンパクト4‐4に悩まされたアーセナルとかマンUはどういうアプローチに出たか。アーセナルは珍しく蹴ることに決めた。アーセナルにアーセナルらしさを失わせるレベルの4‐4の堅さってことがわかる。とにかく、相手最終ラインのウラへの1発のボールを増やすことによって4‐4の間に隙間を空けようと頑張ったと思う。とりあえずは成功した、この試みもバーミンガムの中盤が下がることであっさりと対応されてしまったわけだけど。結果として引き分け。

対するマンUは逆のアプローチをとった。バーミンガムの4‐2の間を有効に使うことで相手の中盤を前に引っ張り出すっていう。そして、1度4‐4の間をこじ開けてしまえばそこへの出入りを激しくするのがマンUのやり方。アーセナルのやり方よりはバーミンガムの守備ブロックのバランスを崩すことに成功したと思う。ただし、この時期はちょっとマンUの様子がおかしくなりはじめてたころだったから、なんとか1‐0でマンUの勝ちっていう結果に終わったわけだけど。

じゃあ、今回のリバプールはどうしたのかっていう話。まず、最初の時点で目標にしてたクラウチ狙いが現実的ではないのは確か。クラウチに入れる縦パスは4‐4にことごとく引っ掛けられてしまうはず。クラウチに入っても、相手の四方八方からの囲い込みによってすぐにつぶされてしまうはず。頭を狙って蹴ったとしてもゴールから遠い場所ではチャンスに直結させることができない。そもそも競ったボールは相手の4‐4密集地帯に転がるわけだから、バーミンガムのボールになってしまう可能性が高かったわけだし。

というわけで、バーミンガムがバーミンガムらしい守備ブロックに移行した段階で、上にも書いたように立ち上がりの数プレーでクラウチ狙いは諦めることにしたのが今回のリバプール。じゃあ、どうやってバーミンガムの守備ブロックにアプローチして行くか。それが問題になった。で、その中でマンUのやり方ともアーセナルのやり方ともちょっと違ったアプローチに仕方が見られたように思う。それは簡単に言えば左右の幅を活用したアプローチだった。

ボールを持ったら即前線へが合言葉だった立ち上がりのリバプール。前回のアーセナル戦もそんな感じだった。そういう即前線の意識を弱めたのが今回の対バーミンガム用の攻撃のアプローチの始まりだったと思う。DFライン+1つ前のプレシスのパス交換で低い位置での保持時間を伸ばすようになったと思う。そして、そういう低い位置でのパス回しでSBを有効活用しながら左右の幅を利用してたのが特徴的。

そういう低い位置での幅を使ったアプローチで相手の中盤の4が横に間延びしてくれるのがリバプールにとっては理想の展開。ただし、質の高いバーミンガムの守備ブロックはそう簡単にフィルターに隙間を空けることはなかった。要するに、低い位置で左右に回して、ここぞでクラウチへっていうリバプールのアプローチは思惑通りに行かなかったと思う。たまに思惑通りに縦パスを狙うと、ことごとく引っ掛けられる始末だった。

この時点でおそらくリバプールはクラウチ経由の攻撃を捨てたんだと思う。以降、前半の25分ぐらいまでクラウチが消えたってのは上にも書いたとおり。最初みたいに単純クラウチは無理でも、ちょっとずらしてやればクラウチに当てられるだろうっていうリバプールの希望ははかなくも散ってしまったことになる。だから、リバプールは他のやり方を考えなければならなくなった。

で、その次のアプローチも基本的には左右の幅を利用するってものになった印象。低い位置での左右の幅を利用したパス回し→真ん中への縦パスってやり方は失敗。だから、低い位置での左右の幅を利用したパス回し→サイドへっていうやり方に移行していた。目立ったのは右サイドに起点を作るもの。低い位置でパスを回しておいて、左サイドから一発サイドチェンジで逆のペナントへっていう流れが多くなった印象。同サイドを縦に行くよりも相手にとっては厄介な展開だったと思う。

そうやって1発のサイドチェンジによってサイドに起点を作ったリバプール。そのサイドの起点を確固たるものにしようっていう考え方も見られた。つまり、ペナント1人を孤立させずに、ボロニン、ルーカス、フィナンが助けることでしっかりとボールを保持しようっていうもの。そういうサイドに厚みを加えるやり方はプレミアの他のチームではそれなりに見られるけど、リバプールで見るのは珍しいような気がする。

そうやってサイドから相手ブロックへ仕掛けて行く場面が目立ったリバプール、上に書いたように右のペナントを軸にすることが多かったけど、もちろん左サイドも全く使わなかったわけではなかった。とにかく、サイドチェンジを織り交ぜながらサイドに深みを与えるのがリバプールの相手ブロックへのアプローチだったと思う。完全に固められてる真ん中から比べれば、サイドのガードはそれほど厳しくはなかったから、現実的なやり方だったって言える。

そうやってリバプールがサイドで深みを与えてきた時点でバーミンガムのブロックは押し下げられることになった。1発のサイドチェンジでリバプールがSMFの場所に起点を作るっていうやり方もよかった。バーミンガムはそのアプローチの中で狙いどころを定めることができないままに、リバプールの攻撃に深みを与えてしまっていたから。よって、ブロックを下げるっていう選択肢しか残されないことになってたと思う。

この時点でバーミンガムの4‐4‐2の3ラインは消滅。前線に2枚を残して、後ろの4‐4がラストを固めるようなやり方が採られることとなった。リバプールとしてはこの4‐2の間は有効に活用できる場所になったわけで、実際にその4‐2の間、つまり相手の中盤の4の前を使いながら相手ラストブロックに仕掛けて行くようなやり方が見られるようになったと思う。

ここでも使われたのは左右の幅だった。相手のブロック前を通り過ぎるようなサイドチェンジが多くなったと思う。最初は右に起点を作ることが多かったリバプールだから、右→左の展開が目立った。右サイドでは積極的に攻撃に参加してくるルーカスがパス回しに絡み、SBも絡ませながら厚みを加え、そうやって相手の意識を寄せておいて、逆サイドへ振っていう展開。その間で経由点になることが多かったのがボロニンだった。

今回の試合のボロニンはずっと同じような場所でプレーしてた印象。どういう意味か。チーム全体が低めの位置にいるときにはクラウチのそばにいるボロニンだったけど、チーム全体が押し上げられたとしても、その場所に居座ってたイメージ。よって、必然的にチーム全体が押し上げられるとトップ下みたいな場所に浮きあがってくることになった。そして、その場所は相手の4‐4ブロックの外だった。そういう場所でサイドの数的優位に貢献したり、サイドチェンジの経由点になったりっていう役割をこなしてたと思う。

そんな感じで全体として役割が定まり気味だったのが今回のリバプールの特徴でもある。上にも書いたように、低い位置のパス回しには最終ライン+プレシス。ただし、このプレシスが攻撃の流れを止め気味。安易なパスで引っ掛けられることが多かったし、ボールコントロールに手間取ることも多かった。だから、4‐4のブロック作りが念頭にあったバーミンガムの選手も、プレシスに入ったところだけは、ブロックから引っ張り出されて積極的にプレッシャーをかけて行ったと思う。結果としてプレシスはますますボール処理に手間取ることになった。役割分担で低い位置に入ったってことは要するに攻撃のスタートを任されたってことであって、そこが停滞してしまったのはリバプールにとっては痛かったと思う。

だったら、相棒のルーカスが助けに行けばよかったんだけど、今回の試合のルーカスは低い位置での組み立てには全く興味がなかった模様。さっさと前線に飛び出して行ってしまった。これも役割分担。ルーカスの飛び出しはリバプールの攻撃がいい形で回っている時には、いい形で機能してたと思う。高い位置でのパス回しから積極的なシュートまで、目立った存在になってた印象。ただし、時間とともにルーカスは明らかに消えていった。その理由はまた後で。

とにかく、この時間のリバプールの攻撃には工夫が見られた。左右の揺さぶりもそうだし、詰まったら無理をせずに作り直すっていう考え方も見られたと思う。結果として左右だけではなくて上下にも揺さぶるような攻撃のアプローチが可能になってた印象。ただし、その揺さぶりからどうやってゴールに向かうかっていう部分が全く見えてこなかった。この辺にいつものメンバーじゃないっていう弊害を感じさせられた。

相手を押し込んだのはいいけど、そこからラストブロックへの仕掛けはどうするかっていう問題。目標にしやすいクラウチは未だ相手ブロックの中。そもそも、相手がベタ引きになった時点で、これまで以上にクラウチに入れるのは難しくなったって言っていい。そして、そんなベタ引きの相手をこじ開けるほどの連動性がなかったのが今回のメンバーの弱点。可能性があるとすれば、サイドに起点があるのをいいことに、そのままサイドから攻めきってしまおうっていうやり方。

真ん中にクラウチがいるんだから、サイドをえぐってクロスっていう方法は現実的ではある。ベタ引きの相手に対しても横からのボールなら高度な連動性を要せずに付け入るすきはある。でも、このサイドからのクロスがチャンスにつながりえない問題が今回のリバプールにはあった。それは真ん中にはクラウチしかいないってこと。サイドの選手はサイドでプレーし、ボロニンはトップ下的な場所に、ルーカスもトップ下の場所にまでしか出てこなかったのが今回のリバプール。よって押し込んでるのに、ゴール前が薄いっていう謎な展開に。みんな狭い場所に入りたがらなかったってのもあるんだろうけど。いくらクラウチでも1枚じゃ厳しかったっていう話。

確かにリバプールがラストが崩せなかった要因はバーミンガムの守備の方にもあった。バーミンガムのラストブロックはリバプールの左右上下の揺さぶりに対して、予想以上に揺さぶられなかった。押し下げられた時点で最後を固めるって開き直ったような守備。だから、リバプールが頑張っていろいろ工夫してもそれが効果を発揮しない状況だったって言える。

これを見たリバプールが馬鹿馬鹿しいと思ったのか、段々と丁寧な攻撃をやめて言った印象。じっくりと準備して仕掛けても相手ブロックは揺さぶられず、だったらそんな面倒なことはやめようとリバプールの選手が思ったかどうかは分からない。でも、上でも触れた前半の25分ぐらいをさかいにして、明らかにリバプールの攻撃のやり方が雑になっていった。しかも、時間とともにその雑さが増していくっていう最悪の流れだったと思う。

この時間以降のバーミンガムはとっても楽だったと思う。とりあえず守備ブロックを作っておけば、何の心配もなかったから。そして、その守備ブロックを作って待っていれば、相手から勝手に網に引っ掛かってきてくれるような状況。しかも、その守備ブロックを崩してしまおうっていう悪しき陰謀に悩まされることもなく。だからこそ、2点のリードを守れなかったのは痛かったなと思う。普通に考えればリバプール相手に2‐2はいい結果だけど、試合内容を見る限りでは勝ち点2を失ったっていう意識の方が強い。そして、勝ち点2あれば降格を免れてたのもまた事実。たらればを言っても仕方ないけど。

とにかく、リバプールの攻撃の変化の最初の兆候は左右の幅を使うのをやめたっていうこと。左右の揺さぶりにも相手は揺さぶられない。だったら、サイドチェンジなんていらなくね?っていう話になった。それまで通りに起点はサイドに作ることはやめなかったけど、そこから相手ブロック前を横切るサイドチェンジなんていうのは皆無になったと思う。同時に可能性が薄いことが判明したサイドからのクロスも激減した。

じゃあ、どうしたかっていうとサイドから斜めにクラウチを狙う楔を入れる試みが目立つようになったと思う。まだ、この時点では真ん中→真ん中の単純な縦パスじゃ駄目だろっていう意識は残ってたらしい。でも、サイドから斜めに入れるのもまだ駄目だった。何しろ相手の4‐4に何のアプローチもしてないってのは変わってない。斜めに入れようが正面から入れようが。だから、ことごとく引っかかるのは当たり前。この辺の時間からクラウチが目立つようになってきたけど、実際は目立っちゃいけなかった。相手にしっかりと対応されてるわけだから。目立つことは目立っても仕事は全くできなかったと思う。

よって、サイドから斜めのくさびも失敗。じゃあってことで、サイドはサイドで攻めさせてもらいますよっていう流れになっていった。それまではサイドには起点が作られてたわけだけど、それがだんだんと消えて行く。かといって、サイドの重要性がそれほど変化したわけでもなかった。一見すると矛盾する言い方だけど、実際にそうだったんだから仕方ない。どういうことかっていうと、文字どおりに相手ブロックに仕掛けるための起点っていう意識が減っていったってこと。起点ってのは1つの収めどころであり、ボールの落ち着きどころ。上に書いたようにいい時間のリバプールはサイドに起点を作って、攻撃に深みを与えてた。そこでは複数の選手が絡む関係性もできてた。

それがだんだんと起点の役割を失って行く。サイドでボールを受けた選手が、そのまま縦に向かっていくっていうシーンが増えていったと思う。つまり、ボールの落ち着きどころがなくなったわけ。結果として、複数の関係性も築きにくい。基本的に連動性に不安がある選手たちだからなおさら。サイドの場所ではペナント、べナユンが1人でドリブル突破を仕掛けるシーンが増えていったと思う。そこにはSBをはじめとして、誰も他の選手が絡んで行けなかった。

このサイドの使い方の変化とともに、もう1つの変化が生まれる。それはトップへのロングボールの数が再び多くなっていったこと。何をやっても駄目なら信じられるのはやっぱりクラウチの頭しかなかった。蹴るわ蹴るわ。ボールを持ったら即前線へのリバプール方式の復活。でも、それに絡むことができる選手が全然いなかった。せいぜいボロニンぐらい。でも、クラウチが競ったボールをボロニンが拾えない。逆もだけど。この辺にも急造2トップぶりが発揮されてた印象。

これでルーカスが消えてしまった要因が見えてきたと思う。要するにリバプールは縦に急ぎ過ぎなのが原因。サイドでは受けた選手がノンストップで前へ前へと向かっていくし、真ん中では一気に前線までボールが送られる。攻撃の上でボールの経由点、ボールの落ち着きどころが見つからないから、攻撃に厚みを加えることができなかった。逆にルーカスが久々に出てきたところが同点ゴールにつながってるんだから、前半の最初の攻撃をずっと続けてればよかったのにと思ったりもする。

とにかく、リバプールどこかで聞いたことがある流れになっていったと思う。それはまさに暗黒の1月のリバプール。とにかく、トップへトップへの意識が強かったのがそのときの特徴だった。ボールを持ったら即トップ。前線が足りないから、当然のように途中で引っ掛けられる。前線に収まったとしても、縦に急ぎすぎてるから後ろがついてこれない。個人任せのサイドの機能性は期待できなかったから、今回も普通にトップ任せの暗黒期と同じ。でも、ペナントのドリブル突破が1点目につながったわけだけど。

まあ、とにかく攻撃においては暗黒期に逆戻りしたリバプールだったけど、偶然というかなんというか守備の流れもまるで暗黒期のそれだった印象。ただ、その大本の原因はちょっと違ったけど。暗黒期はFWが守備をしなかったことによって問題が起こったけど、今回は全体の1つ1つの場所の守備のルーズさの蓄積が問題を生み出した印象。

アーセナル戦と同じく今回のリバプールも前線から守備をするタイプだった。こうなってくるとトーレスを使うかどうかで守備のやり方が変化するのかなっていう気がする。とにかく、積極的に敵陣内のボール保持者にプレッシャーをかけるやり方が見られた。相手SBに対してリバプールのSMFがどこまでプレッシャーをかけに行くかってのが1つの指標。トーレスがいるときには、ある程度の場所に来るまでは放っておかれるけど、今回はリミッターなくプレッシャーがかけられてたと思う。それに伴って最終ラインもかなり高い位置に設定された。1度守備ブロックをセットするのは同じでも、そのセットされるブロックの積極性に違いがあるかなって思う。

ただ、今回の積極的な守備にはほころびがあった。確かに最前線から忠実にプレッシャーがかかってはいるんだけど、逃げ場が多いっていう大問題。単発守備ではないんだけど、直接的にプレッシャーをかけている周囲の選手がいい形で次を狙えてないというか。チームとして選択肢を切りきれてなかったように思う。結果として背後にスペースを残してくる問題を抱えることになったのが今回のリバプール。バーミンガムがつなぐチームじゃないだけに致命的な欠陥にはならなかったけど、やっぱり問題は残った。ブロックから引っ張り出された選手が引っ張り出されたままになってしまうことで、全体が間延び気味。選手間の距離が広がってしまって、囲い込みとか挟み込みで奪い切るシーンが作れなかったと思う。リバプールにとっては大事件だった。

で、逃げ場の多かったバーミンガムは案外ボールを保持することができた。というか、案外ボールを保持してた。上にも書いたようにつないで崩すチームじゃないし、つないで崩そうとしたらおそらく失敗したはず。リバプールの守備の質だって特別酷いってわけじゃなかったから。でも、相手がまだ本気で守備をしてこない低い位置での保持時間をある程度増やすことには意味があったと思う。それに、保持時間を伸ばしつつある程度の場所まで持ち上がったことにも。

それでも最終的には前線に蹴るバーミンガムだけど、低い位置である程度時間を使うことによって前線に人数を送り込むことができた。単純にロングボールを送り込むにしても前線が2トップだけの状況よりもよっぽど心強い。でも、実際には攻撃の方ではあまり効果を発揮しなかったのも事実。何しろバーミンガムの選手の前線へのボールの精度が悪いのなんのって。全く味方がいない場所にボールが送られることが多々あった。ただし、これはやっぱりリバプールの前線からのプレッシャーが聞いた結果だろうなって思う。逃げ場は与えてしまったリバプールの守備だけど、チャンスに直結するようなボールまでは簡単に出させてくれなかったから。

低い位置でのバーミンガムのボール保持は攻撃面ではあまり意味がなかったとして、じゃあどういう意味があったのか。それは守備面。前線に人数が入ったことで相手にボールが渡った瞬間の守備、要するに切り替えの守備を効果的に行うことができたと思う。それこそ2トップだけじゃ不可能な部分。実際に先制点も切り替えの守備で効果的に奪ってからの流れだったし。1人1人の意識の高さはもちろんだけど、やっぱり前線に人数がいたことの意味は大きかった印象。

このバーミンガムの切り替えの守備の質が高かっただけに、逆にリバプールの切り替えの守備の酷さが目立ってたように思う。ブロックをセットしたときの守備に問題があったのはここまで書いてきたとおりだけど、ただ、それはまだ許容範囲内だった。連動性に不安のあるメンバーなら仕方ないかなっていう面もあったと思う。まあ、アーセナル戦では質の高い守備ができたんだから、今回もやろうと思えばできただろって思うことは思うけど。

それに対して切り替えの守備は、まず何よりも個々の意識が重要になってくる。そして、その切り替えの守備が効かなかったのが今回のリバプールだったってのは書いたとおり。攻撃でボールを奪われた瞬間に全く相手にプレッシャーがかからないシーンがかなり多かったと思う。だから、バーミンガムの選手は落ち着いて奪ったボールをつなぐことができた。それに対してリバプールの選手はおとなしく戻って守備ブロックを形成。よって、両者の攻撃が交互に繰り返されるような展開が生まれたと思う。

力関係から言えばリバプールが圧倒するはずの試合が互角の展開になった理由はここにある。リバプールは切り替えの守備が効かなかったことで、1度の攻撃で満足しなければならない状況に陥った。前半の最初の時間はかなり相手を押し込んだはずなのに、波状攻撃になることは全くなかったと思う。結果として相手が守備のバランスを整える時間帯を与えてしまった。そうなれば当然のように、そのバランスを崩す、つまり押し込むアプローチからやり直さなければならない。切り替えでもう少し頑張ればそんな面倒なことをしなくてもよかったのに。

今回のリバプールは完全に自滅的な流れをひた走った。クラウチ頭→前後左右の揺さぶりアプローチ→サイドからトップへの斜めのくさび狙い→サイドの孤立&クラウチの頭復活→クラウチの頭って感じ。最後のクラウチの頭の後に再びサイドの活性化が図られる。リーセとインスーアが交代した後の時間ぐらいから。そして、そのサイドからの流れで2点を奪って同点に追いついた。雰囲気としては完全に負け試合だったんだけど、自力というかなんというか。

ちなみに、1点を奪われた時点でバーミンガムが引いてしまったのもリバプールにとっては好材料だったと思う。おそらく本気で守りに行ったんだろうけど。陣地を増やすアプローチを捨てたリバプールにしてみれば、バーミンガムが引いてくれたおかげで勝手に陣地が増える嬉しい状況に。陣地が増えれば全体が押し上げられ、強制的に前線に厚みが生まれるって話。バーミンガムとしてみれば、それまでのコンパクト4‐4‐2を維持したかった。いわゆる2‐0が一番危ないってやつか。
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