ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-07-09 Mon 23:03
アジア杯:日本×カタール
<日本:4-5-1>
FW:高原
MF:山岸-遠藤-俊輔、憲剛-鈴木
DF:今野-中澤-阿部-加地
GK:川口

まずはアジア杯前のオシムジャパン1年目の総括の中で挙げたポイントのうちの2つをおさらい。
http://himajin0112.blog101.fc2.com/blog-entry-165.html

◇軸
これはずっと言ってる部分。
俊輔の加入でも変わらなかった。
というよりも、軸になろうとした俊輔のプレーをオシムが嫌がったようなイメージさえある。
こういう部分からオシムはあくまでも軸を作らずに全員の動きの中での組み立てを目指してることが分かる。

◇個の力
これは絶対に必要な部分だと思う。このチームでは相手に引かれて前が詰まるっていう場面が多く見られる(ジーコのときにも見られた部分だけど)。そういうときに1人で相手数人を相手にできるタイプが絶対に必要。ペルー戦で家長と水野の投入で流れが変わった経緯もあるし。あまりにも止まってボールを触るタイプが多すぎる。


前半は暑さを考えてのスロースタートっていう側面もあっただろうけど、それにしても全く可能性を感じない攻撃の内容だった。自陣でしっかりと組織を形成した相手に対して低い位置でゆっくりとパスを回すってのは間違ってない。実際に相手のプレッシャーのないところでボールを左右によく動かしながらギャップを作り出そうっていう意図は見て取れた。

ただ、そのときに低い位置に鈴木と憲剛の2枚が残るのはちょっと疑問だったけど。序盤から鈴木はボールの散らし役として十分に機能してたから、憲剛は思い切って前のコースを増やす役割を担っても良かったと思う。

何にしても問題になったのはそういう低い位置でのパス回しからスピードアップをするタイミングがはかれないっていう部分だった。

そういうスピードアップの部分を考えたときに上で引用した軸の不在と個の不在が大きな影響を及ぼすことになる。

このチームの軸の不在についてはここまでしつこいほど書いてきたこと。絶対的な王様じゃなきゃいけないってことはないけど、少なくともこの選手にボールが入ったらチーム全体のスイッチが入るっていうような選手の存在は必要のような気がする。特にチーム作りに多くの時間を割けるクラブチームと違って、代表は一緒にプレーできる期間が短いわけだから、1人そういう存在を作ることで1つの意思統一の指標にする必要があるんじゃないかと思う。

もちろんそれは俊輔みたいにテクニックがあるタイプの選手じゃなくてもいい。高原に入ったところで一気にスピードアップするっていう方法も考えられるし、羽生みたいに爆発的なランニングによってチームのスピードを変えるようなタイプでもいい。別に1人の選手に限定しなくてもチーム全体の意志が統一できるようなスイッチができればいいと思う。だから、ここで表す軸の選手ってのはその選手を中心にチームを作らなければならないっていうこととは必ずしもイコールの関係にはならない。

もちろんオシムが狙ってるように流動性の中の複数の動きの連動の中でスピードを上げてくっていう方法もあるとは思うけど、それだとあまりにも多くの条件をクリアする必要が出てくると思う。近い関係でダイレクトのパスが回るみたいなことは試合の中ではなかなか作り出せないシーン。そういうのを待ってたら、いつまでたってもスピードアップはできない。流動性の中に1つでもパターン化された動きを入れることでスピードの転換がうまく行くような気がする。

こんな感じでチームとしての意志統一によるスピードアップが難しいとすれば、そこで頼りになるのが個の突破力。個で仕掛けられる選手なら、他の選手の意志に関わらず(全くとはいわないけど)自分の意志でスピードアップをかけることができる。そういう個の動きによるスピードアップがチーム全体に派生するっていう面もあると思う。そして、誰かがドリブルで仕掛けたらチームがスピードアップするって考えればそれもスイッチの1つになりえる。

この点に関しても個の力は何もドリブル力に限るものではない。何度も登場するけど、羽生みたいに自分の意志によるフリーランニングでチームの動きを活性化することもできる。ただ、スタメンの中にはそういうタイプの選手がいない。ほとんどの選手がボールの出し手タイプの選手だと思う。

このことも前半の攻撃の内容に大きな影響を及ぼした。前半のパス回しの中で相手を1人抜いてパスを出すっていうような場面はほとんどなかったと思う。自分と対面する相手に対する勝負の一切を避けて、パス、パス、パスのつながりだけの組み立てに終始した。

このやり方では相手のブロックにギャップが生まれないのは当然だと思う。パスを左右に回しているとしてもその中に相手を抜くっていう動作が入ってこないから、相手としてみれば1×1の対応がほとんど崩されないことになる。この状況だからどの局面でも数的優位は作れないし、相手の守備に関してもボールに対する平行移動だけで大きくバランスを崩すことはない。結果として相手のブロックに入り込めないような状況が生まれた。

ただし、こういう部分については個の力の不在というよりも考え方の問題を感じたのも事実。前に五輪世代の試合のときにも書いたけど“パス回しのためのパス回し”の状況が生まれてる。いかにゴールに向かうかじゃなくて、いかにパスを回すかっていうことに重点を置いてしまっているように思う。だからこそ、1人を抜いてからパスを出すっていうような奪われるリスクが高まるプレーを避けてしまうんじゃないかと思った。

同時に相手の密集地帯を狙うくさびのパスに関しても同じことが言える。途中で引っ掛けられて奪われることを考えて思い切って縦に通すことができないっていう状況が生まれてた気がする。横横のパス回しが目立って、リズムを変えられなかった。
こういうことは、よく言えば相手の薄いところ薄いところのボールを回してくってことなんだけ勝負をしてないっていう見方の方が適当だった気がする。

こういうスピードアップとかリスクを犯すっていう部分の問題で、前半の日本は相手のゴールに近づくプレーができなかった。ただ、そういう部分に関しては日本の攻撃の問題とともにカタールの守備のよさも要因の1つとしてあったと思う。

カタールの守備のやり方は自陣に引いて人数をかけた組織を作るっていう単純なもの。しかも、自陣に入ってきたボールに対するチェックもゆるゆるで序盤は日本が簡単に得点を取れるんじゃないかっていう印象を与えられた。それでも結局前半は日本が攻撃の糸口を見つけられなかったのは、カタールの守備の選手の配置のよさにあったような気がする。

日本に対するアジアの多くのチームの守備はカタールと同じように自陣に人数をかける守備のやり方。そのときに中盤とDFラインが悪い意味での一体化を起こしてゴール前の瀬戸際のとことでなんとか守るっていう形が多く見られると思う。

それに対して、カタールが他と大きく異なったのは自陣のブロックがしっかりとバランスよく形成されてるってことだったと思う。最終ラインも下げられすぎることがないし、DFと中盤も多くの場面では独立していい関係を保ってる。

さらにボールに対する直接的なチェックが甘いわりにはブロックの移動みたいな部分での間接的なアプローチの極め細やかさが目立った。ピッチに選手がバランスよく配置されてるからボールを奪った後に波状攻撃を仕掛けられることもなかった。しかも、この守備の組織を作る早さも目立ってたと思う。攻→守の切り替えの中ではファールも辞さない構えでとにかく組織をしっかりと作ることに重点を置いてたと思う。

前半に関してはこういうバランスのいい配置によって日本が使えるスペースとかコースを限定してやりたい攻撃をやらせなかったと思う。結果として日本は低い位置でのパス回しから、カタールの守備のブロックを全て飛び越すようなロングボールをウラに蹴りこむっていう場面がかなり多くなってた。

こういう形のカタールの守備には弱点があったのも事実。上に書いたようなボールへのチェックの甘さに加えて局面局面を見ると個に任される部分が大きくて連動した守備ができてなかったと思う。それに全体の選手配置のバランスのよさだけを頼りにしてた部分があるから、1つの局面でバランスが崩されるとそれが一気に全体に派生してしまうっていう状況もあったと思う。

そういう意味での日本の後半の攻撃のやり方は効果的だった気がする。後半の日本は低い位置でのダラダラとしたパス回しを捨てて、早いタイミングで一気にトップを狙うようなボールを増やしてきた。しかも相手のDFライン前のフィルターを跳び越して直接トップに当てるようなボールが増えた。これによって日本としては案外簡単に高い位置で起点が作れるってことが分かったと思う。

この高い位置ってのが重要なのは当然の部分。前半は低い位置でのパス回しの中で相手を一方に集めて大きな展開っていうプレーが見られたけど、後半は同じことを高い位置でできるようになった。高い位置で相手を1つの場所に集中させることで周囲がフリーになるシーンが増えた。後半の最初のチャンスは高原が相手を引っ張ってフリーの山岸に落としたシーンだった。

こうやって簡単にバランスが崩れちゃうのはカタールの守備のまずさ。さらに、高い位置に起点を作ったことで後ろからの飛び出しが促進されたってのも大きかったと思う。得点のシーンもアシストは今野が最前線まで飛び出してきたシーン。こういう後ろからの飛び出しによって高原が本来のポジションで周囲と近い関係を保つことができたし、何よりも相手のブロックを完全に引かせてしまうことに効果的だった。特にSBの飛び出しによって一度相手を真ん中に意識させておいて薄いサイドへっていう効果的な展開が高い位置でできるようになったと思う。

カタールとしては日本の後ろからの飛び出しに対応する中でかなり低い位置まで押し下げられてしまう場面が多くなった。要するに前半のカタールの守備のよさであった選手配置のバランスのよさを崩したってこと。このことによって前半にはなかった波状攻撃を仕掛けられるシーンも多くなった。

こうやって見てみると後半の攻撃のよさは上に書いたまずさの全く逆の状態。思い切って縦にボールを入れることから始まって、高原を中心に前線に入ったところで後ろが飛び出す意志統一もできた。途中の羽生の投入もスイッチの1つとしては十分に機能してたと思う。

さらに後半は個々が対面する相手と勝負しようとするシーンも多くなった。結果としてパスのコースだけをケアしてればよかったカタールの守備陣が個の仕掛けに戸惑うシーンが見えてみたと思う。

後半に関してはシステム的な考え方を変えたのも良かったんじゃないかと思う。イメージとしては山岸-高原-俊輔の3トップ気味の考え方を山岸-高原の変則的な2トップの形にして俊輔は左を捨てた。結果として前線の起点が1枚増えたことになって、後ろからのボールを入れる選択肢が多くなったっていう見方もできる。この辺の柔軟性はよかった部分。

攻撃面に関してはこんな感じで前後半の間にある程度の改善が見られたわけだけど、守備面は90分を通して危ない部分が見られてた。それは前線と後ろの間にできたギャップ。今年に入っての日本代表の試合を見ると守備時の前後の距離の遠さが目立ってたんだけど、この試合では前後が完全に分断されてしまうようなシーンが多く見られた。

基本的な守備のシステムは4-1-4-1で、1度組織を作ってから守備を始める。そうやって相手が縦に入れたところでボールにチェックに行くやり方だった。

その縦パスに対するチェックに鈴木が引っ張り出されたときに、守備のブロックが4-5-1のラインを形成することがかなり多くなったと思う。鈴木に関してはサイドのカバーのために引っ張り出されることも多かったと思う。

この点は4-1-4-1のボランチを外されたときの弱点ってことになるんだけど、DFの4と中盤の5もしくは4の間に広大なスペースが空いてしまうシーンが目立った。このギャップをうまく突かれて相手の攻撃に対して日本のDFラインがさらされてしまうシーンが多くなってたと思う。失点につながったFKを与えたのもミスからの流れとはいえ、DFだけでの守備を余儀なくされた場面だった。

要するに守備時に中盤とDFラインのいい関係性が築けてないってこと。だから中盤でのフィルターがかからずにセバスチャンにあまりにも簡単にボールを入れられてしまった。セバスチャンは能力が高いだけに一度ボールが入るとなかなか奪えない選手。そこに対しては入ってからのケアをするよりはしっかりとコースを切ることで入る前の対応をしたかったところ。

さらにセバスチャンのキープ力を頼った相手が後ろから飛び出してくるような場面も作られてしまった。そういう部分を見てみると、SBの上がりとかも含めてカタールのやり方は守備偏重ってわけでもなかったと思う。

結果は1-1の引き分け。土壇場で追いつかれたことで精神的なショックが大きいけど、前半からの流れを見る限りでは妥当な結果だとも言える。同時に初戦の引き分けはそれほど悲観的になる必要もないと思う。
ただ憲剛→橋本の交代で受身の態勢を作ったことは少し残念だった。攻撃面でかなりの役割をこなしてた憲剛を交代したことで、その後はいい形が生まれなくなったと思う。オシムになってからは初めて見る“勝ちに行く采配”が裏目に出たような気がする。

(U-20のナイジェリア戦については明日か明後日中に書きます。)
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