ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-12-28 Fri 17:14
マンU×エバートン
<マンU:4‐4‐2>
FW:テベス-ルーニー
MF:ギグス-アンデルソン-キャリック-Cロナウド
DF:エブラ-ビディッチ-ブラウン-シンプソン
GK:クシュチャク

<エバートン:4-4-2>
FW:ヤクブ-ジョンソン
MF:ピエナール-ケーヒル-Pネビル、カーズリー
DF:レスコット-ジャギエルカ-ヨボ-ヒバート
GK:ハワード

まずは基本的なエバートンの守備のメカニズムから。ベースとなるのは中盤ダイヤモンドの4-4-2だったけど、実際にはマンUの攻撃をつぶすために意図的なバランス崩しをしてきたと思う。

(○:マンU、●:エバートン)  

○ ○●○●○ 
        
● ○●○
○       ○
    ●    ●
   ○ ○
●  ● ● ●

エバートンの2トップの配置。ヤクブが相手CBに対してプレッシャーをかけ、ジョンソンが右サイド寄りに配置される形。これによってマンUのCBのエブラへの選択肢をつぶした。

中盤はダイヤモンドというよりは平行四辺形的な形だったと思う。右肩下がりと言ってもいい。その中盤の役割について見てみる。

まず、平行四辺形の上辺の2人はトップの2枚と協力して相手の攻撃をつぶす役割。トップ下のケーヒルがマンUのボランチへのコースをつぶす。結果としてエバートンの守備が機能してる時間はアンデルソンもキャリックもほぼボールを触れてなかった。

左サイドのピエナールは相手の右SBシンプソンに対するケア。ジョンソンの役割によってエブラへの選択肢がなくなり、ケーヒルによってボランチへの選択肢がなくなったマンUには攻撃のスタートとしてシンプソンを使わざるを得なかった。

それに対して、ピエナールはジョンソンとは違って入る前段階を切るというよりも、入った後にアプローチを仕掛ける役割。シンプソンにボールが入った段階でシンプソン→Cロナウドの縦のコースを切りながら、うまく寄せていったと思う。

こういう形のエバートンの2トップ+上辺のMFの守備によってマンUの出し手はしっかりとケアされたと言える。ボランチとエブラにはボール自体が入らず、シンプソンは入った段階で対応されてしまう。結果としてエバートンの守備が機能している時間帯のマンUの攻撃はロングボール一辺倒。本来の右SBの場所でも攻撃のスタートとして機能することが多いブラウンからのフィードが目立ったと思う。

攻撃の出し手をしっかりと押さえたエバートンは受け手への対応もしっかりとやってきた。その中心が平行四辺形の下辺に入った2枚。

上の図を見ても浮いているのが分かる底のカーズリーは誰を見るってことははっきりしてなかった。その中でトップ下のゾーンに入ってくる相手を見る役割を担ってた印象。守備がしっかりと機能してる時間はCロナウド、ギグスの両サイドとボランチの2枚が積極的に入ってくることはあまり多くなかったから、多くの場合で下がって受ける2トップを見る役割を担ってた。

ただ、厄介なことにマンUの2トップはかなり下がって受けに来るシーンも目立った。前線にいい形でボールが供給されなかったからだと思う。そういうときにはカーズリーもそのままついて行って引っ張り出されるシーンが目立ったと思う。そうなるとDFライン前にはギャップが生まれることになる。そこに対しては右サイドのネビルが絞って対応するシーンが目立った印象。

そうは言っても、ネビルの基本的な役割はカーズリーのカバーではなかったのも事実。おそらくエブラの攻撃参加に対する対応が1番だった気がする。おそらくエブラの攻撃参加が怖かったからこそ、ネビルを1枚上の中盤に使ったんじゃないかって気がする。ただ、実際には守備が機能してる時間にはエブラの攻撃参加もそれほど積極的じゃなかったから、サイドに流れるテベスとかルーニーの守備に回ることが多かった。

この左右のバランスを崩した守備が立ち上がりはかなり機能した。出し手も受け手もつぶされたマンUは上に書いたようにロングボール主体の攻撃が目立ってた印象。そういう状況では前線でのタメが期待できないから、攻撃に厚みも加わらずに前線の数枚でなんとかするシーンが目立った。そもそも、リバプール戦のときにも書いたとおり2トップの性質上ロングボールの攻撃はいいとは言えない。サイドに流れて受けても、そこで孤立してしまうシーンが多くなったと思う。

こういうマンUの閉塞感が打破され始めたのが前半の20分過ぎの時間から。それまでおとなしかった前線の動きが一気に活性化されて、前の4人がグルグルとポジションを変えるやり方が見られ始めた。そして、サイドにうまく入り込むことで攻撃に深みを与え、相手を押し下げるやり方を取ってきたように思う。

そのときにエバートンとしては意図的な左右のバランス崩しを逆に突かれる形になってしまった。もう1度上の図に戻ってみる。

上の図では右サイドは人数が足りてるのが分かる。SBが余ってるからルーニーとかテベスがサイドに流れてきても単純にSBが見ればよかった。エブラの攻撃参加にしても、ジョンソンがそのままついて戻ってくることで対応してたように思う。

対する右サイドは人が足りない。1つのパターンとしてはCロナウドにボールが入ったシーンから。Cロナウドにボールが入った時点でエバートンは右SBが対応するわけだけど、当然のことながら1枚前のピエナールも後ろへのイメージが強くなる。結果としてフィルターがなくなったシンプソンの攻撃参加が生まれ、さらにルーニーなんかが流れて絡んでくるとマンUの数的優位が生まれることになった。

もちろん、エバートンとしてはこの数的不利をほっとくわけには行かない。だから、トップ下のケーヒルがサイドに流れて守備をしたり、底のカーズリーが引っ張り出されたりってシーンが多くなる。結果としてそれまで機能してた守備組織のバランスが崩れることになったと思う。

だから、マンUとしてはこの右サイドを利用して攻撃に深みを与える最初のアプローチをすることが多くなった。そのまま右サイドから崩しきるってシーンもあったけど、相手の守備組織のバランスを崩しておいて、もう1度作り直すことが多かった気がする。

その時点ではアンデルソンとかキャリックっていうCMFに対するケアが甘くなってるし、右に1度作ったことで左のエブラが空くことも多くなった。そうやって本来やりたい状況を作り出した上で、左右の幅を使い、前線の流動性を使った攻撃のアプローチが見られるようになった。

これに対してエバートンも今までの守備のやり方を継続しようとはしなかった。相手の前線の流動性を発端としてバランスが崩れてしまった守備組織にこだわらなかったのはよかったと思う。1点は奪われたものの(すぐに追いついたし)、その後は再びマンUの攻撃に思い通りに攻撃をさせなかった印象。もしも、形によって相手を押さえるやり方に固執していればマンUの思う壺だったはず。

具体的にその守備は運動量と献身性をベースにしたものになったと思う。一番最初の時間に見られたような前線からの追いかけが復活した(立ち上がりはハイペースで入り、段々とペースを落としながら自分たちの守備のやり方に移行していった)。

ある意味ではここまで書いてきた守備は省エネ的。自分の入るべきポジションに入って、最低限の仕事をしていれば相手の攻撃が勝手に停滞してしまうっていうイメージだった。本当はこの省エネ的な守備で行ければエバートンとしては最高だったけど、そこまでマンUも甘くはなかったってとこか。

変更後のエバートンの守備はトップから相手のボールを追い掛け回した。それまでサイドに開いて相手の外へのコースを切ってたジョンソンが真ん中に戻ってきたのが分かりやすかった。そうやって相手の出し手に対する守備の意識をかなり高めた印象。

トップからの激しい守備によって出し手の選択肢が制限されれば、マンUの受け手がどれだけ流動的にやってきても関係ない。前が動いていても、出てくる場所が分かれば狙いどころが定められるし、相手のパスの精度も弱まってる。要所要所でボールに対してしっかりとアプローチをすることで、マンUの攻撃は再びスムーズさを失った。

ただ、この守備も前半までで終了。トップの場所から追い掛け回すやり方ではさすがに最後まで持たないと判断したかもしれない。後半はそれまでの積極性から一転、引きこもって最後で跳ね返すやり方になった。もちろん、マンUが攻撃に出てきた側面もあったから圧倒的にボールを保持される結果になったと思う。

後半のエバートンの守備組織は4‐4‐1‐1みたいな形。ジョンソンが1枚下がって、一応相手のボランチのケアみたいな役割を担ったけど、あまり意味がなかった。そして、後ろの4-4は真ん中に凝縮して、最後はやらせないっていう考えを徹底した印象。

結果としてマンUはかなり好きなように組み立てができた。相手が真ん中を固めたことでサイドが空いてきたから、Cロナウドが前を向いてドリブルで仕掛けるシーンも多くなった。さらに、前の蓋がなくなった両SBが積極的に攻撃参加を繰り返す。真ん中ではルーニー、テベスが相手のブロックの外に降りてくることでタッチ数を増やした。前線は変則4トップ的にポジションをグルグルと変更し、そこにキャリック、アンデルソンも出てきて厚みを加える。左右、真ん中からのバリエーション豊かな組み立てが可能になった印象。

ただ、それは組み立てまで。いい形での最後のアプローチができても最後の最後はエバートンの守備陣に跳ね返されてしまった。圧倒的にボールを支配し、ゴール1歩手前まで行くのにゴールが奪えないっていうもどかしい時間が過ぎていった。

この状況に対してファーガソンは超攻撃的な交代を決断。キャリックに変えてサハを投入して総攻撃に入った。形としては4バック-アンデルソン-5トップ(ギグスはやや低めでバランスを取ってた)のイメージ。守備時には前線の選手が交互に戻って対応してた。

さらに相手がヤクブに変えてグラベセンを投入した時点でさらに攻撃的なアプローチ。それまでは後ろはSBの1枚+CB+アンデルソンを残してたけど、相手が完全な1トップになった時点で両SBが攻撃に参加。後ろのケアはアンデルソン+CBに任せられることになった。その後、さすがに危ないと思ったのかアンデルソンに変えてフレッチャーを投入したけど。

この超攻撃的な姿勢が功を奏して終了間際にPKを獲得。結果として勝ち点3を手に入れた。後半はエバートンがほとんど出てくる姿勢を見せてなかったからこそのやり方だっただろうけど、勇気が要ったんじゃないかと思う。エバートンとしては後半は守りに入ったからこそ逆に相手の攻撃力を増やしてしまったっていう状況だったかもしれない。

次にマンUの守備×エバートンの攻撃っていう側面で見てみたい。リバプール戦では前線から役割をはっきりとすることでいい内容の守備が見られたマンUだけど、個人的にはまだ半信半疑だった。そういう意味で今回の試合でのマンUの守備は1つの注目点になってた。

結果から言えば、リバプール戦ほどいい内容の守備ではなかった。というか、ある意味ではマンUらしい後ろの4-2だけで守る状況だった。前線の守備への意識は高いものの、それはあくまでも自分の前にボールがあるとき。基本的に後ろを助けることは少なかった気がする。

例外はギグス。後で書くように左サイドに人数が足りなくなるシーンが多かったから、それを見て守備ブロックに参加する場面が多くなったように思う。あとのテベス、ルーニー、Cロナウドが前線に残って次の攻撃に備えるっていうイメージ。

(○:マンU、●:エバートン)  

    ○
○  ○  ○   
 ●  
●○ ○  ●
○ ○●○ ○

ちょっと分かりにくいけど、こういう形でマンUの左サイドに密集地帯が築かれるシーンが多かった。これはエバートンの守備のやり方と関係する。

上に書いたようにエバートンの守備は左右のバランスが崩れてる。だから、奪った瞬間には左右のバランスが崩れた状態で攻撃に出ることになる。そのときにエバートンの攻撃はまずトップに当てようとする意図が強い。そして、そのトップは右寄り(マンUの左)の配置。結果として右寄りに起点を作ることになるんだけど、トップ下のケーヒルがそれを助けに右に流れることが多くなる。それが上の状況。

エブラとジョンソンは対応関係ができてたから、マンUの守備時もジョンソン×エブラの関係が生まれることが多い。普通にCBが対応することもあったけど。そして、相手のケーヒルの流れに対してマンUのアンデルソンとキャリックが左寄りに対応。CMF2枚の横幅の守備の負担が大きくなるのはマンUの守備の特徴でもある。

とりあえず上の状況を見れば分かるとおり、マンUの右サイドは薄い。密集地帯を抜け出されるとピンチにつながる。そして、失点シーンがまさにその通りだった。このシーンは数少ない相手の右SBが攻撃に出てきたシーン。それ以外のところではCロナウドがついて戻ってたけど、このシーンは対応しなかった。CMFは左に寄せられて対応に行けない。結果としてブラウンが引っ張り出された。だから、得点者と競ったのがエブラ(その前でケアしたのがキャリック)って状況が生まれてしまっていた。

マンUのDFラインが晒されるメカニズムは大体このパターン。DF前のフィルターが2枚しかいないから、そこがずらされる(サイドに引っ張り出される、前に引っ張り出される)とDFだけで守らなければならない。それでも最終ラインの跳ね返し力でなんとかするのがマンUの守備の力ってとこか。

ちなみに例外となるギグスについて取り上げてみる。上の図は守備時に受け手をケアする前の4人でエバートンが攻めてるシーン。守備からの流れでは3トップ的に見えることも多かった。多くの場合ではエバートンは前の4人だけで攻めようとする意図が強かったけど、遅攻に入ればさすがに後ろも出てくる。

そのときに一番出てきやすいのはネビル。ダイヤモンドと考えれば攻撃の役割も求められるわけだから。 そして、そのネビルはマンUの左サイドに対応する。上に状況を見てみると、マンUの対応関係はすでに一杯一杯。だから、ネビルの攻撃参加にはギグスが対応する場合が多くなったっていう状況だった。

失点はCロナウドが守備に入らないことで生まれたけど、得点もCロナウドが戻らないことで生まれた。守備後に縦のルーニーに入れ、そこからCロナウドは展開。Cロナウドが距離を稼ぎゴール前にはテベスとルーニー。1度目ではシュートまで行けなかったわけだけど、これに対して後ろから次々に出てきたこと、急いで戻ってきたエバートンの守備陣が見るべきところをはっきりできなかったことで、最終的にシュートを打ったCロナウドには寄せ切れなかった。

この守備のやり方は諸刃の剣だっていえる。後ろの4-2で守り前の4を残すことで相手の攻撃の人数を減らす役割もある。今回の試合でも相手の後ろの4+1はコンスタントに攻撃に出て来ていない。前の人材が揃ってるだけに相手もしっかりと人数を揃えておく必要があるから。だから、結果として後ろの4-2だけで対応できる人数しか相手は攻めてこないってことになる。そう考えれば前線の4枚は間接的に守備に貢献してるとも言える。切り替えを含めて、自分の前に対する守備は献身的に行うわけだし。

こういう状況の中で、危うそうに見えても実際には失点が少ないっていう結果が生まれてる。リバプールみたいなチームには全体の守備をはっきりする必要があっても、基本は4-2-4でやれてしまうのかもしれない。実際に、ファン・デル・サール、ファーディナンド、ハーグリーヴスっていう守備の核なしで1失点に守りきったのはさすがだったと思う。実質的には前半だけだったけど。
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