ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-01-14 Mon 18:19
高校サッカー決勝:藤枝東×流経大柏
<藤枝東:3-5-2>
FW:松田-岡崎
MF:河井、平井-小林-石神-藤田
DF:鳥羽-小関-村松
GK:木村

<流経大柏:4-4-2>
FW:上條-大前
MF:村瀬-中里-海老原-名雪
DF:比嘉-秋山-天野-中冨
GK:須藤

試合以前のところというか、本質的な部分の1つ手前の時点で流経大柏が上回ってたような気がする。準決勝までの流れからロングボールを多用して相手の高い位置での守備のよさをかいくぐるかもしれないと思っていた藤枝東は本来のパス回しを貫いた。それはそれでいいけど、当然のように高い位置からの流経大柏の守備にことごとく引っかかる結果。分かっていてやったのだから仕方がない。対する流経大柏はおそらく藤枝東ようにシステムを作ってきたように感じた。

そもそも今回の試合では、本来の2トップの一角である上條が戻ってきたのが大きかったと思う。準々決、準決のときにも書いたとおり、久場の前線でのスピードを活かした引き出しも魅力的ではあったけど、やっぱり本来的にはしっかりとボールを収められる上條が合っている。高円宮杯決勝でも見られたように、ボールを受けやすい場所に柔軟に動き、そこでしっかりと収めるプレーが目立った。

結果として流経大柏の攻撃に厚みが加わったと思う。縦への意識が強いことに変わりはないけど、久場がトップに入る場合にはウラに抜ける動きが多く、そこに対する1発のボールが多かった流経大柏。でも、今回は上條が相手DF前でしっかりと時間を作ってくれた。結果として後ろからの飛び出しが促進され、近い関係性の構築ができるようになった気がする。しっかりと軸として働ける上條とのコンビによって大前も生きてくることになった。

で、流経大柏の形としてはこの2人の2トップを含めて、上にも書いたような4-4-2が予想された。でも、立ち上がりの形は村瀬を1つ上げた3トップみたいな形になってた印象。その後ろに名雪と中里、さらに藤枝東の河井を見る海老原が並ぶ4-3-3みたいな形だった。

藤枝東はこういう相手の形に戸惑った。便宜上の3トップは流動的に動き回る。軸は一応上條なんだろうけど、上條も真ん中に張っているだけではなくて、流れながらボールを受ける動きを繰り返した。加えて村瀬と大前は中盤の低い位置まで降りていくプレーが目立ったと思う。さらに、上條に収まったところに積極的に名雪だったり中里だったりが絡んでいって厚みを加える形だった。この5人に関してはポジションを超流動的に動かしながら攻撃に絡んでいった印象。

加えて、SBがかなり高い位置を取ってくるのも今回の流経大柏の特徴だったように思う。前線にボールが入った瞬間に両SB(特に左の比嘉)がSMFとかWGと言ってもいいぐらいの高い位置まで入り込んできた。これは前の3-3の基本ポジションが中に寄ってるで、SB前の蓋がなかったことによると思う。

そのSBの攻撃参加にトップの選手だったり中盤の選手だったりを絡めさせながら、相手の構造上の弱点であるサイドへのアプローチをしてたように感じる。予想のように2トップを両翼に開かせる形ではなかったけど、SBの攻撃参加によって相手の3バック脇を攻める目標を達成してた印象。

こういうやり方に対して立ち上がりの藤枝東は完全に戸惑ってた。まず相手の基本的な形がつかめない。さらに、グルグルとポジションを変えてくる。下がってく選手がいるかと思えば飛び出していく選手がいるし、サイドに流れる選手がいるかと思えばSBが中に入ってきたりする。藤枝東は完全に後手後手の対応になってしまった。結果、立ち上がりのファールの多さにつながったと思う。

先制点のシーンもそういう形だったといっていいと思う。大前のボール保持に多くの人数が寄せられてしまった問題はあったものの、ゴールの村瀬を誰が見るかがはっきりしてなかった。予想外の3トップの形に対して、対応関係がイマイチつかみきれない時間帯に失点してしまったように思う。

ただ、こういう流れは時間とともに安定していく。藤枝東の選手が相手のやり方を見極め始めて、安定した守備に移行していった。結果ファールの数が明らかに減って行ったと思う。でも、実際のところは流経大柏のやり方のドツボにはまってたような気がした。

(●:流経大柏 ○:藤枝東)

  ○ ○ ○
  ● ● ●
   ○  ○  
○  ●  ●  ○
     ○
●    ●    ●
   ○  ○
   ●  ●

両チームの基本的な配置はこんな感じ。これまで書いてきたことを踏まえながら、この配置が意味するものを見てみたいと思う。

まず、3トップ×3バックは相性が悪い。展望では守備における1×1には絶対的な強さがあるって書いた藤枝東だけど、本当の意味での1×1はさすがに攻撃側が有利になる。守備側が主導権を握るためには、1×1の後ろにカバーがいなければならない。カバーがいることで守備の勝負ができるわけだから。

つまり本当の意味での1×1では守備の勝負ができないことになる。藤枝東の1×1の守備の強さはあくまでも守備の勝負におけるもの。守備の勝負ができない本当の意味での1×1の状況では藤枝東の守備のよさを発揮できなかった。結果として、これまで通りに先手を取る守備ができずにズルズル下げられるシーンが目立ったと思う。

ただ、藤枝東としてもそういう本当の意味での1×1をほっておくわけにはいかない。周囲のどこかが助ける必要が生まれたと思う。上にも書いたとおり、相手の2トップは図のように常に最前線に張っていたわけではないから、特に中盤に降りてくるときにはボランチが見る形になる。必然的にそのままトップの位置に3枚(最終ラインと1×1が生まれるときにも)がいるときにもボランチが助ける役割を担っていたように感じた。

そうやって藤枝東のボランチの後ろへの意識が強くなったところを畳み掛けるように名雪とか中里が飛び出していくこととなった。これによって藤枝東のボランチの守備への負担が増えたと思う。降りてくるトップへの対応、DFと協力しての守備、飛び出してくる相手中盤への対応ってことで。これで藤枝東のボランチは守備色に染められた。

同じことがWBにも言える。上にも書いたとおり、3トップとか中盤の位置から流経大柏の選手が代わる代わるサイドに出てきた。そして、そういう場所でボールを引き出して起点になる役割を担ってたと思う。これに対して、藤枝東の両WBが守備をしなきゃだめかなって意識になったんだと思う。。

それを畳み掛けるかのように上にも書いたようなSBの超積極的な攻撃参加。藤枝東がサイドの主導権争いに敗れた瞬間だった。WBの選手が深い位置に押し込まれ守備色に染まってしまう状況が生まれた印象。事前の展望に書いたとおり、藤枝東にとってWBが押し込まれてしまうのは致命的な状況。

ボランチもWBも守備色に染まった藤枝東の攻撃は実質上前線の3人に任せられることとなってしまった。そして、その3人のうちで核となるべき河井に対して流経大柏は完全なマンマークをつけて対応。藤枝東は何も仕事をさせてもらえなかったと思う。

これによって藤枝東は前線における収まりどころがなくなってしまった。そうじゃなくても流経大柏の高い位置からのプレッシャーは効いてて落ち着いてボールを保持できない状況なのに、前線にも目標がない。結果、守備のスパイラルから抜け出す術がなくなってしまったと思う。藤枝東が跳ね返したボールはことごとく流経大柏が拾っていった。

これに関しては藤枝東の2トップの動きの質の要因もあったように感じる。藤枝東のトップの2人は遠ざかる動きの量が多くなってた。まあ、流経大柏の最終ラインウラに広大なスペースがあったことを考えれば仕方のないところか。それに、近づいて(下がって)受けようとしても相手のCBが密着マークで仕事をするのを許してくれなかったし。

結果として藤枝東は個々の距離が遠ざかることになった。そもそも前線が過疎化してるのに、そのそれぞれの距離も遠い。ボールが収まったとしても、その後の展開場所がなかったと思う。そして、組織としての近さとそれをベースにした個の突破のよさも消えてしまった。

それは初戦でも見られた形だから、その内容を想定すればいいと思う。ボールが入っても次に展開できず、保持時間が長くなって、結果として相手につぶされてしまった。守備に人数を裂いていた分、攻撃の人数が少ないから、選択肢の少なさはさらに深刻だったように思う。

ただし、初戦と圧倒的に違ったのはこれが流経大柏のやり方のよさによってもたらされた点。流経大柏の方は攻撃のやり方によって藤枝東は守備のスパイラルに陥れたっていえる。はっきり言って、守備のよさを使うまでもないほど(もちろん、守備のよさがベースにあったのは事実だけど。特に最初の守備がしっかりと効くことで相手に切り替えで蹴りだす選択肢しか与えなかった。)に相手の攻撃の選択肢をなくしてしまった。

そして、この攻撃のやり方があったからこそ流経大柏は相手の攻撃を封じられたっていう面が大きかったと思う。前後半の立ち上がりの時間帯、藤枝東の攻撃のバランスが崩れていないときには、その攻撃が流経大柏の守備のよさを上回る可能性は感じさせてくれたから。

個の力と近い関係のランニングを組み合わせによって相手の守備の密集地帯を打開する場面も見られたし、何よりも大きな展開で広い場所を使うやり方が効果的だった。ボールサイドに人数をかける流経大柏の守備ブロックの大外を使うことで、フリーの選手を使うことができてたと思う。

こういう点においては、藤枝東のサッカーを貫いてもやり切れる可能性はあったと思う。ただし、そこには人数っていうベースがなければならない。ボール保持者が孤立しないように近い関係で数的優位は作りたいし、さらに大外の攻撃参加も必要。

そして、流経大柏のアプローチによって攻撃に人数をかけさせてもらえなかったのがこの試合の藤枝東だった。後半の立ち上がりにはボランチもWGも守備から攻撃に重点を移し変えて積極的に出て行こうとした。その瞬間にまさに3バック脇のスペースに起点を作られたところからの失点。結局、後半の決意も削がれてしまうことになった。

そういう意味で一番最初の話に戻るわけ。藤枝東は人数をかける攻撃ができれば、自分たちのやり方にこだわったとしても、相手を上回る可能性はあった。でも、流経大柏のやり方がそれを許さなかった。そして、その流経大柏のやり方は本来の自分たちの守備のよさにプラスアルファーをした攻撃の部分。おそらく相手の藤枝東のことを考えてのものだったんじゃないかと思う(河井のマンマークの海老原起用を考えても、相手に合わせた形をとることは十分に考えられる)。このプラスアルファーが最終的には圧倒的な差として出てきた気がする。

ちなみに、4-3-3で攻撃をしてた流経大柏だけど、守備時(相手にボールを保持されたときの守備時)には村瀬を中盤の一角に入れた4-4-2に戻していた。その上で本来的な高い位置からの守備のよさが見られたと思う。

トップの2人が追いかけ、後ろは超コンパクトな(中盤とDFが一体化するほど)ブロックを形成。トップの追いかけで出しどころを抑え、状況に応じてオフサイドも奪いながら高いラインを維持してたと思う。その上でブロックに入ってくるボールをことごとく引っ掛けた。その中でもボールを保持されればコンパクトなブロックにおける近さを生かした守備に入る。ボールサイドにブロックを寄せ、相手のボール保持者を孤立させ囲い込むやり方が見られたと思う。

さらに、流経大柏の守備では要所要所では人を抑えるのも特徴的。河井×海老原がその最たる部分だし、SBも相手のFWにしっかりとつくことで起点としての仕事をさせなかった。これは高円宮杯でも見られた形だけど、少しも自由にボールを持たせる時間を与えてないっていう意味で効果があったと思う。それに、そこで1つ抑えたところに対する周囲の連動の速さも光る。

とはいえ、上にも書いたとおりこういう守備のよさを見せる機会はほとんどなかったって言っていい。攻撃後の最初の守備をしっかりとやることで相手にボールを保持させなかった。そうやって相手が蹴りだしたボールを苦もなく拾うっていう場面の方が圧倒的に目立ったように思う。苦もなくといっても、そこには出足の速さとかっていう要素があるのは当然なわけだけど。

この流経大柏のサッカーの一番の素晴らしさが見られたのが3点目以降の時間帯の攻撃のやり方だったと思う。それまでは縦への意識が強いやり方を見せてた流経大柏だったけど、この得点の後はボールを保持しにかかった。そのボール保持の内容が藤枝東のお株を奪うようなものだったと思う。ちなみに後半は普通の4-4-2になってた気がする。

流経大柏がキープに入ったときには遅攻時に見られるようにやっぱりサイドに起点を作った。ボランチの展開力をベースにしながら、うまく左右のサイド(大前が流れたがる左サイドが多かったけど)をうまく利用したと思う。このボランチの展開力のよさは、いつ見てもこのチームに見られる気がする。

そうやってサイドに起点を作ったところで守備と同じように近さを利用。SBの攻撃参加にトップの流れ、ボランチの助けも利用しながらサイドにおける数的優位を作る。そうやってシンプルなトライアングルを形成すると思う。そういう形式的なものにそれぞれの動きを組み合わせながら、しっかりとパスを回してた。この時間帯はボール保持に入ったわけだから、詰まったら1度戻して作り直す余裕もあったと思う。その中でポゼッション率を高めていった。

こういう組織としての流経大柏のパス回しに対して、個ベースの藤枝東の守備では対処ができなかった。流経大柏と同じように前線から追いかけるし、流経大柏と同じように要所要所を抑える力は持ってる。でも、流経大柏と違うのは守備の連動性だった気がする。流経大柏の守備は1つめの守備はもちろん、それに対する2つめ以降の連動性が素晴らしいってのはこれまでにも書いてきたとおり。藤枝東はそれができなかったことで攻めたい時間にボールを持てないっていう歯がゆい展開になってしまった。

本当はこういう可能性はどの試合にもあった。これまでにも藤枝東の守備は個の強さによる部分が大きいってのは書いてきたとおり。それでも問題が起きなかったのは、自分たちが攻撃に出ることができたから。相手が今回の藤枝東と同じ状況に陥ってたから。要するに守備に人数を割かれ、攻撃は数人に任せられるって形。相手が攻撃に連携を用いない状況なら、守備にも連携はそれほど必要ない。個×個で上回ってれば何の問題も起きなかった。

そして、藤枝東にはそういう形を作り出すだけの攻撃力があった。チームとしての保持力もあるから、主導権を握ることができた。実際に全国の舞台でも初戦の悪い内容の試合を含めて、ほとんどの場合で主導権を握ったのは藤枝東だった。

ただし、その中でやや弱点を露呈したのが高川学園との準決勝の後半。今大会初めて相手に主導権を握られ、守り続ける状況に陥った。自分たちの攻撃の時間はほとんどなかったと思う。それでも、1点を持っているアドバンテージがあったためにべた引きのラスト守備でも何の問題も起きなかった。今回の流経大柏戦では立ち上がりから同じ状況を作り出されてしまったって言える。それは前半部分で書いたような相手のちょっとした工夫によって。

ここで考えなければならないのは、藤枝東は攻撃力で勝ち上がってきたチームだってこと。守備が悪いわけではなかったけど、攻撃力に見合った守備のよさがあるチームだった。だから、攻撃力をベースとして戦えれば全国決勝レベルのチームであっても、守備がベースとなったら全国決勝レベルかどうかは分からない。

対する流経大柏。今までにも書いてきたとおり、流経大柏のよさは守備力っていう意見を変えるつもりはない。でも、その守備から攻撃に移るだけの攻撃力も持ってるチーム。準々決勝では0-0だとはいえ攻め続ける内容だったし、準決勝はそのまま6-0っていうスコアがあらわしてる。決勝までは守備をベースとした攻撃力も見せながら勝ちあがってきたチーム。

本当は藤枝東の攻撃×流経大柏の守備っていうストロングポイント同士での争いになれば、もっと競った内容になったと思う。でも、実際には流経大柏の攻撃×藤枝東の守備っていう展開になった。というか、流経大柏がそういう展開に持ち込んだ。結果として藤枝東のみがベースとなるものを捨てて戦うことを余儀なくされてしまった。結果として力差を強く感じさせる試合につながったように思う。
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