ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-01-18 Fri 18:57
大学サッカー決勝:早稲田×法政
両チームとも攻守に渡って似たようなチームだったと思う。攻撃ではショートパス中心の組み立て、守備では1つ1つの忠実なチェックをベースにボールサイドに人数をかけるやり方が両チームの目指すものだったように思う。こういう似たようなチーム同士の対戦で、結果として早稲田が勝つことになる。試合内容を見る限りでは攻守に渡って1枚上手に行った早稲田が順当に勝ったっていう印象を受けた。

法政の攻撃はショートパスを念頭においてはいるものの、微妙な距離感の遠さが気になった。基本となる4-4-2の形を思い切って崩さないやり方が見られて、どうしてもそれぞれの持ち場に対する意識が強くなってしまったと思う。味方の持ち場に入り込んで積極的に近さを生み出そうとする意識があまり見られなかった。

じゃあ、どうやってショートパスをつなぐかっていうことが問題になってくる。実は味方の持ち場に入って関係性を築こうとする形がないわけではない。ただ、それはあくまでもボールが入った後の動きであることが多かったと思う。ボールが入ることをスイッチとして、それから近づくランニングを始めるイメージだった。

だから、必然的にフォローが微妙に遅れることになる。さらに言えば、相手にとって予測がしやすい状況も生まれたと思う。気になるのは決勝まで勝ち上がる上でどうやって戦ってきたかってこと。ここまで書いたように、あくまでもボールが入った後のフォローの繰り返しで組み立てを図ったのか、もしくは本来的にはもっと積極的に近さを作るチームなのか。後半は本田の攻撃参加をスイッチに全体の動きの活性化が見られ、そこに個の仕掛けを織り交ぜることで、相手を押し込む展開が生まれた。そう考えると後者の可能性もあると思う。

とりあえず、今回の試合では失点をするまでの多くの時間は前者の戦い方が見られたのは事実だった。そして、そのやり方は早稲田の守備網にことごとく引っかかるような攻撃だったと思う。前半は早稲田の守備の前にほとんど中盤で引っ掛けられてしまうシーンが目立ったと思う。

早稲田の守備のやり方は最初にも書いたようにボールサイドに人数をかけるもの。高い位置からの激しい追いかけが見られない代わりに、後ろではしっかりとコンパクトなブロックを作ってスペースをつぶしてた。そして、そういうブロックにボールが入ってきたところが本格的な守備のスタートになる。

相手のボールが入ったところで1つめの忠実なチェックが行われるのは当然として、さらにサイドにブロックを凝縮させて守備における距離の近さを生み出す。そうやってボールに対して一気に数的優位の状況を作り出してたと思う。

このときに周囲がしっかりと相手の選択肢をつぶしてたのも重要な点。相手の1つ遅れてくるフォローにしっかりとマークがつくことで、そのフォローをフォローとして機能させなかった。法政としては見た目では選手が近くにいたとしても、実質的にはボール保持者が孤立するっていう状況に陥ることが多かったと思う。早稲田としては、このフォローを抑えることを考えたときに相手がボールが入った後に動いてくれるのは守りやすい状況だった気がする。

この早稲田の守備の中では前の選手の戻りながらの守備のよさが見られた。相手の後ろからの飛び出しにしっかりとついてきたり、手のボール保持者の囲い込みに参加したり。こういう前の選手の守備意識の高さによって、上下で挟み込んでボールを奪うシーンがかなり多くなってた印象。

こういう形の早稲田の守備に対して法政は攻撃の逃げ場を失うことが多かった。そもそも、相手のブロックに入った時点ですぐに相手の複数枚に距離を縮められてしまう。だから、大きな展開で逆サイドに逃げるってことを許してもらえなかった。

つまり、プレーエリアがかなり狭い場所に限定される状況が多く見られたと思う。相手の守備のストロングサイドから抜け出せずに、狭い場所でなんとかボールを保持している間に、早稲田の守備網がジワジワと距離を縮めてくるイメージ。最終的には完全に囲まれてボールを奪われるシーンが多くなった印象。

こうやって狭い場所に入り込んでしまい相手に奪われることが多くなった法政に対して、早稲田は狭い場所でも常に複数の選択肢を用意しておくことで、そういう局面を抜け出すシーンが多くなった。さらにいえば、そもそも狭い場所に入り込まずに広い場所の効果的な利用もできてたと思う。

その要因の1つはボールに対するフォロー。上にも書いたように、フォローが1つ遅れる法政は少ないタッチですぐに次に展開するってのが難しかった。ボールが入って少し時間を作ったところで助けが来るようなイメージだったわけだから。結果として早稲田の守備陣がボールに狙いを定めて距離をつめる対応がしやすかったって言える。それに、法政のフォローはやや遅れ気味に単発で対応しやすかったのも事実だったと思う。

対する早稲田の攻撃。法政ほどポジションにこだわりを見せずに柔軟に動きながらの組み立てができたと思う。その中で法政よりも1つ素早く味方に対するフォローができてたと思う。そして、守備の考え方と同じように近さを生かす攻撃につながった。ボールに対して常に複数枚を関連付けることで、少ないタッチでのリズムのいいパス回しが可能になった。

こうなってくると法政の守備陣は狙いを定めることができない。早稲田と同じようにボールサイドに人数をかける意識は見られたものの、実際には局面に人数をかけて相手を囲い込むようなシーンはあまり作れなかった。距離をつめようとするとそれを否されて次に展開されてしまうような状況だったと思う。

要所要所を見ても法政の守備が後手後手に回っているのが分かった。その1つが相手の縦パスに対する対応。法政の選手は守備意識自体は高いから、そういう場所を押さえようとする意図自体は見られる。でも、あくまでも縦パスが入った後の対応が目立った。しっかりと寄せることで直接的な仕事はさせないけど、後手に回ることで縦パスを入れさせないとか奪うっていうところまではできない。法政としては最低限抑えてるけど、早稲田のトップも収めてその後の展開っていう最低限の仕事ができてたと思う。

ちなみに、このトップの存在感も両チームの差を生んだ1つの要因になってた気がする。早稲田の2トップは引いてきてボールを受けたり、サイドに流れたり、さらには相手のらいんウラに抜け出そうとしたりっていう動きを繰り返した。チームとしてもそれをしっかりと見て使おうっていう意図が見られたと思う。だから、トップに入ったときに次の展開が可能になる場所にすぐに選手が入ったりっていう動きが見られた。

対する法政はトップが孤立してたと思う。4-4-2をあまり崩さないやり方の中で前線の2枚だけが後ろとはがれてたと思う。だから、ボールがあまり入らないし、ボールが入った後の周囲との関係も築けなかった。2トップが2人とも積極的に動かなかったってのも、うまく関係性が築けなかった要因の1つになってたと思う。

トップをうまく利用できた早稲田は要所要所で縦パスを入れることができた。これによって相手のブロックにプレッシャー与えることができて、深い位置に相手を釘付けにし、1つ下の中盤のところのプレッシャーを弱めたと思う。さらにトップに縦パスを入れた後の展開も可能になってた。

とにかく、法政は守備の勝負どころが定められない展開が生まれた。だから、早稲田は自分たちがやりたい攻撃をある程度はできる状況だったと思う。その中で効果的な展開が多く生み出されてた印象。

相手の守備のよさがあったとは言え攻撃のエリアが狭い場所に限定されてしまった法政に対して、早稲田はピッチを広く、しかも効果的に利用できてたと思う。相手の守備にストロングポイントを作らせなかったことがこういうやり方を可能にしたと言えるし、逆にこのやり方が相手の守備の分散につながったとも言える。そういう相乗効果が生まれたと思う。

そして、こういうやり方を生み出したのがパスの質の多様性にあったと思う。それを象徴してたのが先制点のシーン。降りてきた渡邉に対する楔→渡邉からのバックパス(落しのパス)→鈴木(?)からのロングボール1発→広いサイドを使う横パス。

このシーンに代表されるようにパスの長短、方向のバリーションがかなり多かったように感じた。ちなみにこのシーンでは降りてきた渡邉と中盤の松本が上下の入れ替わりの動きを見せたのもポイントだった気がする。

とにかく、早稲田のサッカーには展開のよさが見られた。そして、中心にいたのが中盤の低い位置に入った鈴木。特にこの鈴木は中長距離のパスでリズムを作った印象。トップの動きに合わせて1発のパスを相手のウラに放り込んだり、真ん中でサイドチェンジの経由点にもなった。左右上(下)のパスで相手を揺さぶるのに貢献してたと思う。

もちろん鈴木に限らず、チーム全体としてこういう展開を利用しようっていう意図が見られた。トップが引き出す動きをしたのは書いた通りだし、大きなサイドチェンジで相手の薄いサイドを突こうっていう展開が多くなったと思う。

特に効果的だったのが左サイドで作ってからの右サイドへの展開。左サイドには兵藤がいるから、相手としてもどうしてもそのサイドに意識が向けられる。相手の守備のやり方を考えても逆サイドには広い場所が生まれることとなった。そして、そのサイドにいた松本はドリブルのキレが目立つ選手。広い場所でボールを持たせることで、その仕掛けをさらに効果的なものにしてた印象。

早稲田はこうやって長短のパスで相手の守備ブロックを打開していった。基本的なトライアングルを形成し近い関係で少ないタッチで崩すことをベースにしながらも、そこに大きな展開を織り交ぜることによって、相手のブロックを集中させないことに成功したと思う。

こういう早稲田の攻撃を組織よりのショートパススタイルと置くならば、法政は個寄りのショートパススタイルだったと思う。後半は積極的な個の仕掛けによって、相手の守備を切り裂くやり方が見て取れた。その中で早稲田の守備陣が前半のような安定感を失い、危険な位置でファールをするシーンが目立ってたと思う。

後半はこういう形の個の積極性が見られる中で徐々に連動性も見ることができた。個の突破が周囲の動きを引っ張ったようなイメージ。明らかに周囲の動きがよくなるとともに、個の仕掛けを加えた選択肢も多くなった。結果として早稲田は前半のように守備の狙いどころを定められない状況に陥ったと思う。

結果として上にも書いたように早稲田のブロック全体が押し込まれる状況が生まれる。逆に言えば前線が薄いことを意味するわけで、これによって法政の守備のよさが見られるようになった。入りどころに対する対応が1歩も2歩も速まって、さらに相手の選択肢が少なくなったことで本当の意味で仕事をさせないことが可能になった。そうやって相手の勢いを止めたところで前後で挟み込んで奪うようなよさも見られたと思う。

そう考えると前半からもっと積極的な仕掛けがあってもよかったんじゃないかって感じた。ある意味では2失点で尻に火がついてから見られるようになった個の突破だけど、相手は対応しきれてなかった。前半のようにボールを止まった状態で受けて、止まった状態で処理しようとすれば相手に狙いどころを定められてしまうのは当たり前。受けたときに味方のフォローが薄かったとしても後半のように積極的に仕掛けていけば、そう簡単に囲い込まれる状況にはならなかった気がする。

前半はシステムを崩さない戦い方も含めて、リスクを考えて抑えていたのかもしれない。ただ、もしそうだとしたら裏目に出たってのが実際のところだったんじゃないかっていう気がした。

最後に、法政の本田は大学レベルに入るとやっぱり目立つなって思った。五輪代表では守備にばかり目が行く存在だけど、この試合の後半では攻撃に出たときの怖さも見られた。積極的な仕掛けを繰り返し、しかも簡単には相手に奪われなかった。

今後の進路はエスパルスってことで、らしさを活かせるチームに入ったなってのが素直な感想。1ボランチシステムを使うエスパルスの中では本田の持ち味が生きると思う。同時にエスパルスとしてもベテラン伊東の負担を減らす意味でいい選手を取ったと思う。

今回の出場選手ではアントラーズに入団する鈴木にも注目したい。上に書いたように、中盤での長短のパスを操り、組み立て(ときにはチャンスメイクまでも)を担う。低い位置でそういうパスを操れるピルロみたいなタイプはなかなかいないだけに注目したい。ちなみにこの選手は五輪代表で見たときには積極的に前線に飛び出す動きも見せて得点もしている。攻撃のバリエーションが多いと思う。
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