ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-03-07 Fri 18:39
バルサ×セルティック
<バルサ:4-3-3>
FW:ロナウジーニョ-エトー-メッシ
MF:デコ-シャビ、ヤヤ・トゥーレ
DF:シウビーニョ-プジョール-テュラム-ザンブロッタ
GK:バルデス

<セルティック:4-2-3-1>
FW:ヘッセリンク
MF:マクギーディー-中村-Sブラウン、ドナーティー-ハートリー
DF:ネイラー-マクマナス-Gコールドウェル-ウィルソン
GK:ボルツ

遅ればせながらセルティックはシステムを4-4-2から4-2-3-1へと変更してきた。この変更はバルサに対してただ単に中盤の人数を増やすことで対応するっていう意図以上のものがあったように感じるし、実際にその効果も見られた気がする。今回の試合でのこのシステム変更は守備の安定に対して、かなり大きな影響を与えたように思う。

それは前回の対戦で4-4-2システムに大問題が見られたから。それもこれも、守備においては問題児だとしか思えないヘッセリンク&マクドナルドの2トップのせいだといってもいい。2人が守備に関心をよせないことによって、後ろがいくら頑張っても構造上の数的不利が生まれるっていう致命的な現象が起こっていた。これは前回の試合のときに詳しく書いたとおり。

2トップが守備をしないことの直接的な影響は、バルサの中盤の底に入ったヤヤ・トゥーレが完全に浮いてしまうっていう部分に現れてきた。他の場所は基本的に1×1(相手CFに対応するCBのところは1人余らせてカウント)をはっきりさせていくと、本当にトゥーレに対応することができる選手が余っていなかった。

だからといって、完全に浮いているトゥーレをそのまま放っておくわけにはいかないわけで。仕方がないから、中盤の真ん中の2枚で相手の3枚に対応するっていうイレギュラーなやり方を取るしかなくなった。そうなれば当然のようにギャップが生まれる。そして、そのギャップが全体に波及していくこととなった。常に相手選手がどこかしらで浮いてるような状況に陥っていたと思う。

それじゃなくてもFWが守備をしないことで守備のスタートが切れなかったセルティック。にも関わらず、後ろも人数が足りてないから、受ける形での守備も満足にできない。結局は根拠のないとりあえず守備でなんとかしなければならない状況に陥った。

そういう流れの中で途中からは構造上の問題がどうだとかっていう話とは関係ないぐらいに圧倒的な展開になってしまったわけだけど、そのスタートは相手のヤヤ・トゥーレを浮かせてしまったことにあったのは間違いのない事実だった。

ただし、ここのところに対応するのは簡単だったはずだった。単純に守備時にFWを配置してトゥーレを抑えればいい。もう1つ相手のCBに積極的にプレッシャーをかけていって、トゥーレに入るボールの出所を絶つって考え方もなくはないけど、守備における問題児2枚がならんだ状況では現実的ではなかった。

そうは言っても守備時に縦関係になることぐらいはやってくれないと困るわけで。でも、結局は90分間2トップがそういうちょっとした守備意識を見せることはなかった(実際には途中でヘッセリンクが交代したけど)。つまり、90分間トゥーレは浮きまくってた。それは90分間構造上の不利を抱えたまま戦ってたってことと同義になる。

そして、1戦目をを全てそういう問題を抱えた状態で戦い終えた後の今回の2戦目。ここに来てやっと問題を解決しようとするシステム変更。これが“遅ればせながら”っていう言葉の意味するところだし、その効果が単純に中盤の枚数を増やしたこと以上の効果をもたらしたってことも分かってもらえたと思う。

このシステム変更で2トップを単純に縦にしなかったのは、アウェーの戦い方だったからなのか、それともヘッセリンク&マクドナルドの2トップは維持でも守備をしないからなのか。ただ、そういう部分も含めて全体の選手起用と配置にちょっとした工夫が見られたのもよかった点だった気がする。それは中盤の3の部分だった。

前回の試合で好き放題にやられてしまった感のあるロナウジーニョのサイド。今回はそのセルティックにとっての右サイドに本来の中村ではなく、守備的な中盤に入ることもあるブラウンを起用。そうやって守備力強化を図る意図があったんだと思う。実際にこの効果が現れたかどうかは分からないけど、少なくとも前回の試合に比べてロナウジーニョが目立たない存在になったのは事実だった。

そうやって右サイドにブラウンが入ったことで、中村はトップ下の場所に押し込まれる。中村の守備意識がマクドナルドより高いことは明白だから、トゥーレを見る役割を中村に任せるのは何ら問題はない。同時に中村の守備負担を少しでも排除する目的もあったと思う。

トゥーレは組み立てのところでは押さえておくべき選手ではあるけど、試合の中で頻繁に最前線まで飛び出してくるタイプではない。中村にとっては右サイドに入ってロナウジーニョと相手左SB(前回はアビダル、今回はシウビーニョ)の対応に引きずり降ろされることを考えれば、かなりの守備負担の軽減になる。チームとしてもそういうサイドでの守備をより守備の力がある選手に任せるほうが合理的だった印象。

こんな感じで今回のシステム変更によって、前回の試合で見られた問題点のうちある程度簡単に修正が図れる部分はしっかりと修正がなされた印象。そして、その副産物として(意図的な狙いだったかもしれないけど)相手とのシステム的な合致関係が生み出された。4-1-2-3と4-2-3-1のシステム上の合致は完全に1×1が定まるっていう意味でかなりはっきりしたものになるから、これを利用しない手はなかったと思う。

ただ、立ち上がりはこのシステム上の合致を全く有効に活用できなかった。見るべき相手が定まってるはずなのに、その相手に対して厳しく守備ができない。この時間は相手もダイナミックにポジションを変えずに、せいぜい上下の動きぐらいだったのに、はっきりとした対応ができてなかったと思う。対応しようとはするけど、中途半端に距離をとった寄せが目立って、これじゃバルサにとっては何のプレッシャーにもならないだろうなって感じた。

そして、この中途半端な対応はその対応が中途半端だから問題につながった。対応する相手に中途半端にプレッシャーに行くことは、背後にギャップを残してくることになる。前に対しては厳しく効果的にチェックを行わず、後ろに対してはギャップを残してくる最悪の状況。そして、相手はギャップギャップをつないでいくのが大得意のバルサ。致命的欠陥だった。

この時点で前回の試合と同じ臭いを感じさせられた。システムの修正が行われたとしても、内在する問題は何も解決されてないってこと。どの場所でも中途半端なチェックしかできないから、守備の勝負どころが定まらない。ついでにギャップだけを残してくる。そういうギャップに簡単にボールを動かされ、さらに効果的なチェックができない。でも、放っておくわけには行かないから、とりあえずチェックに行く。

完全に後手後手の対応。守備の勝負どころが定まらないのに、ズルズルと引っ張り出されてギャップだけを残してきてしまう問題点。この部分が全く修正されてないと感じさせられた。結果として開始3分で奪われた先制点が全てを物語っていたと思う。一連の流れの中で、セルティックの選手は常に後手後手の対応。全く守備の狙いどころを定められない状況の中で、バルサに好きなようにパスを回されて絵に描いたような展開でゴールまで行かれてしまった。

ただ、今回のセルティックは前回とは違った。失点をして発奮したのか、相手の攻撃に慣れがでてきたのかは分からないけど、とにかく時間とともに1つ1つのチェックの質が上がっていったと思う。そこではシステム的な合致を利用して、すばやくプレッシャーをかけることができるようになっていった印象。結果として相手との距離が明らかに狭まった。

失点後の時間になってファールで相手にFKを与えるシーンがやっと生まれた。それがいいか悪いかは別にしても、それまでの時間はファールするほど近い場所で対応できてなかったのも、また事実。本来のセルティックの考え方ならばファールをするぐらいの厳しい対応の方がよかったように思う。

そういうわけで時間とともに1つ1つの守備の内容が好転していったセルティック。加えて、前回の試合ではうまくできなかったべた引きラスト跳ね返しの質が今回の試合では明らかに高まってた印象。チームとしてラストブロックで跳ね返すときに意思統一が図れてた感じがした。前回のように人はたくさんいるのにみんながやりたいことが違ってギャップができまくりなってことにはならなかったと思う。守るときには守るとして最後の最後の人数ベースの守備ブロックが形成されてた印象。

こういう1つ1つの守備意識の好転とラストブロックの堅さが生まれたことで、前回の試合よりは明らかにバルサの決定的なチャンスは少なくなった。後半にセルティックが攻撃的に行ってる時間を除けば、得点シーン以外で決定的に崩されたシーンがなかったと言ってもいいかもしれない。ただ、決定的なチャンスを作らせなかったとは言っても主導権を握ったのは明らかにバルサ。ここには守ることと奪うことの違いが見えてた気がする。

守ることに関しては今回のセルティックには前回ほどの問題が感じられなかった。ただ、ボールを奪うってことになるとやっぱり見劣る部分が大きい。これはセルティックのやり方の問題というよりは、埋めようのない個の力差による部分が大きかった気がする。セルティックにとっては、守備における1×1をいかに1× 多にもってくかっていうテーマに悩まされることになった印象。

前回の試合と今回の試合の立ち上がりの時間は中途半端なチェックが目立つ中で、そもそも1×1自体も満足に作れてなかった。それが今回の試合ではシステム合致と個々の意識の高揚によって、しっかりと距離を詰めて1×1を作ること自体はできるようになってた印象。ただ、バルサの選手からボールを奪おうとすれば、1×1の関係でってのはやっぱり現実的ではない。本気で奪うとなれば、その勝負どころを決めて1×多で囲い込むシーンを作るしかないと思う。

1×1を1×多にするために考えられるには、まず1×1のところで相手を足止めする。つまり、厳しいチェックで仕事をさせずもたつかせるってこと。その瞬間に周囲が連動して囲い込むっていう考え方。セルティックのベースとなる守備のやり方を考えると、このやり方が現実的だと思う。前線から積極的、能動的になってるなら1×1で足止めするっていう過程を経なくても、チームとして狙いどころが定まるんだろうけどセルティックはそういう考え方ではない。だから、1×1で足止めをしたところをスイッチとして機能させる必要がある。

だから、1×多への移行においては1×1でいかに足止めできるかどうかが大きなポイントになると思う。しかも、セルティックはシステム合致を利用した守備のやり方だったわけで、つまりこれは基本的な1×1ができあがってることを意味する。逆に言えば、1×多を作り出せば他の場所が空いてくる。だから、それだけのリスクを犯してでも囲い込みに参加できるだけの根拠が必要になるっていえる。

そして、今回の試合ではそれだけの根拠を作り出せないのが実際のところだった。相手からボールを奪うためには1×多を作らなければならないってことは分かってただろうけど、それでも1× 多を作り出すところまで行かなかった。つまり、1×多に移行するだけの根拠、守備勝負どころのスイッチを作り出すことができなかったって言っていい。結果としてバルサから効果的にボールを奪うシーンは少なくなり、奪うというよりも跳ね返すシーンが増えた。奪いどころは相手が狭いところを強引に来たところをきっちり締めるって場所になることが多かったと思う。

ただし、上にも書いたようにこれはセルティックの守備の問題というよりも両チームの力差による部分が大きかったのも事実だったと思う。単純に考えれば1×1で相手を押さえ込むには、それなりにそれぞれの個の力が拮抗してる必要がある。そこに差があれば、1×1で次を考えて足止めするなんてことよりも、その局面で最低限の仕事をさせないってことが優先されるわけだから。

加えて、バルサの攻撃のやり方の中には“静”のタイミングがない。ボールも人も常に動き回ってる。どこかしらで攻撃側に止まるタイミングがあれば、そこで狙うっていう考え方もできる。でも、バルサにはそれがない。いや、あることはある。でも、それは止まったことで相手が守備の狙いを定めることを逆に利用する。今回の試合で言えば、ロナウジーニョが止まって受け、セルティックがここぞと数的優位を作ったところで外を回ったシウビーニョに出すっていうシーンが多かった。得点シーンもそういう形だったわけで。

とにかく本来的にはボールと人が動き回ってるバルサ。基本的に1タッチ2タッチでギャップギャップをボールがいろんな方向に動いている。それにあわせて、人が適切な場所に入り込む。ボールを出した後の選手も、すぐに次の場所に入っていく。ボールを受ける選手は動きながら引き出し、動きながら受け、そのまま動きながら次に展開する。ボールの保持時間が長い選手はボールを動かしながら、つまりドリブルをしながら次の展開を狙う。本当の意味で止まるなんてことは上に書いたロナウジーニョみたいな例みたいなときぐらい。

こういう文字通りに流れるようなバルサの展開の中で、セルティックの側が相手を足止めをするってのはかなり難しいと言わざるを得ない。ボールなり人なりが動きの中でいろいろな展開が生まれていくっていう意味では、バルサの攻撃の中には特異点がない。特異点がなければセルティックはチームとしての狙いどころが定められない。本気で1×多を作るためのスイッチとして相手を足止めするならば、セルティックの個の判断とか力量で行われるしかない。そして、個の力ではバルサが圧倒してたのが現実だった。

こういう部分をセルティックの攻撃×バルサの守備っていう側面から見ると個々の力差の影響が見て取れる。バルサの方の守備も基本的には最初のボールへのチェック、つまり1×1がスタートになる。そして、その1×1の中で相手を足止めしたり選択肢を制限したりする。そして、最終的には複数枚が協力してだんだんと相手のプレーエリアを狭めて行って奪い取る形。1×1から最終的には1×多での守備へとつながっていく。

そして、セルティックの攻撃×バルサの守備の側面ではセルティックの攻撃側が1×1で相手に圧倒されてしまう状況が目立った。後ろに戻すボールがかなり多かったし、そういう1×1で相手に主導権を握られてしまってパスミスをする、出しどころがなくて持ち過ぎてしまい結局は複数枚に囲まれてしまうってことが多かったと思う。

もちろん、ここには攻撃の質の差があるのも事実。人数をかけて、しかもそのそれぞれが適切な場所に入って選択肢を増やすバルサに対して、セルティックのボール保持者の選択肢は圧倒的に少ない。だから、1×1の状況でもセルティックはコースが消されて余裕がなくなる。逆にバルサは相手1枚に1つのコースを消されたとしても、他にもいくらでも出しどころはありますよって感じだった。実質的にはバルサの攻撃 ×セルティックの守備は多×1で、セルティックの攻撃×バルサの攻撃は本当の意味での1×1だったって言えるのかもしれない。

でも、こういう部分を見てみると個の力ってものの威力をかなり感じさせられてしまう。個々の力があったバルサが勝ったって言ったら元も子もないのは確かだけど、それでも今回の対戦(1、2戦目通して)は個の力差が明確に現れたのも事実だったと思う。

ただし、セルティックの守備における1×1から1×多への移行を阻んだのはバルサの選手個々との力差だけではないのは事実だった。バルサの方には組み立てにおける組織としての工夫が、そういう状況を生んだのも確かだと思う。それはつまり、セルティックが1×多に持ってくための根拠となる選手の密集地帯をいかに作らせないかっていう部分だったと思う。

1×多を作り出すために必要なのは上にも書いたように、そのスイッチ。加えて、スイッチが入った瞬間に周囲が囲い込めるような選手の近さも要求される。たとえば、バルサは最終ラインを高い位置に保ってコンパクトなブロックを作り出すことで、その近さを生み出しているといってもいいと思う。逆にセルティックはそういう近さを生み出すことができなかった。

その理由はバルサの組み立てのやり方にある。バルサの組み立ては幅をかなり有効に活用してくる。まず、左右に関してはWG+SBで両サイドのタッチライン際までの幅を利用。その中で中→外→中→逆サイドみたいなボールの動きをかなり繰り返してた印象。

これに対してセルティックのブロックは大きく揺さぶられる。これはセルティックが受動的な守備のやり方を取っている以上、ある程度は仕方がない。特に前半は相手の最終ラインを浮かせてたから、好きなように左右への展開を許してしまった。そして、そういう左右への展開に対して受動的なセルティックの守備ブロックはその都度ボールサイドに寄せられる。それを繰り返されれば、当然のようにセルティックな横に対しての間延びが生まれてしまう。つまり、選手間の距離が遠くなったと言えると思う。

それに1つのサイドに寄せといて、逆サイドの広いところを使うっていうパターンもある。セルティックの守備ブロックはボールサイドに寄ってるわけだから、逆サイドは過疎化。そこでは1×多を作り出すような人口密度が確保できてなかったと思う。

バルサはこういう左右の揺さぶりに加えて、上下の揺さぶりも有効活用。1つは簡単な組み立てなおし。相手がゴール前のラストブロック作りに入ったら、無理をせずに1度下げることが多かった。その下げたところではヤヤ・トゥーレが浮いてたわけで、そこからもう1度左右を使うような組み立て直しが見られたと思う。そして、そういう組み立てなおしによって相手のラストブロックから選手を引っ張り出す考え方があったと思う。

これに加えて、もっと多く見られてもっと効果的に決まった縦の揺さぶりがある。それが相手のシステム合致を逆手に取った考え方だったと思う。その主役はデコ、シャビ、メッシ。今回の試合ではデコとシャビが自陣に降りてくるシーンがかなり多かった。システム合致を利用するセルティックの守備陣は、これによってCMFが引っ張り出されることとなる。そうなれば当然のようにその背後にスペースが残されることとなった。

なぜならばセルティックの守備の考え方はあくまでも受動的だったから。CMFが引っ張り出されたのはあくまでも対応する選手を見るっていう個々の役割のため。だから、そうやってCMFが引っ張り出されたからといって最終ラインがそれにあわせてラインを上げる義理はない。結果としてDFラインと中盤の間に広大なスペースが生まれることとなった。

この広大なスペースを有効活用したのがメッシ。メッシは右サイドを積極的に攻撃参加するザンブロッに任せて、自分は中に流れていくシーンが多くなった。そして、多くの場合でメッシはDFラインと中盤の間っていう絶好のポジションで浮きまくってた。そして、そこにパスを供給する下がったシャビ(とデコ)も自陣で浮きまくってた。

ここにはセルティックの迷いが見え隠れする。まずCMFはかなり下がって受けようするデコとかシャビに対して、どこまで着いて行くべきか分からなくなった。さすがにFWの高さまで行くのはダメだろってな感じで、途中で着いてくのをやめることが多かった。そして、多くの場合は着いてくのをやめた後は自分のポジションに戻るんじゃなくて、未練を残したかのように高い位置に留まった。

で、これに対してSMFが影響を受ける。シャビ(デコ)が自陣とはいえフリーだけどいいのか?って感じ。でも、それに対応するにしてはバルサのSBの攻撃参加が怖い。結局、SMFも中途半端な場所に残る。これがセルティックのSBに影響を及ぼす。相手のSBに対応しなきゃならんってことで、中に流れてくメッシを簡単に離してしまった。ついでに、メッシはDFラインを横切るように入ってくるから、セルティックの方はCBが対応するってのも難しかったと思う。

結果としてバルサの方は出し手も受け手もフリーの状況を作り出した。その上、メッシが相手のDFと中盤の間である程度自由にボールを扱えるっていう最高の状態も作り出した。このメッシの中への流れは得点シーンの起点にもなってるし、バルサの攻撃の1つのパターンと言ってもいい程に何度も見られた形だった。

ただ、このやり方は諸刃の剣だっていえる。OMFが下がってボールを扱い、トップ下の場所にスペースを空けてくるっていうやり方は確かにメッシの中への流れによって、かなり効果的に機能したと言っていい。ただ、同じようにトップ下の場所にスペースを作るようなやり方がリヨン戦では問題点として現れてた。

リヨン戦のOMFの組み合わせはシャビとグジョンセン。シャビは今回の試合と同じように下がってきて、ヤヤ・トゥーレと同じぐらいの高さでボールを裁くシーンが多かった。対するグジョンセンは2列目から前線に飛び出すような動きを繰り返して、前への意識を高めた。結果としてトップ下の場所にスペースが生まれたのは今回と同じ。

ただし、このリヨン戦ではメッシが下がってきてボールを触ろうとする意図が強かった(ちなみに逆サイドのイニエスタも)。これはリヨンがコンパクトな守備ブロックを作ったこともあるんだろうけど。とにかく、トップ下の場所のスペースがスペースのままに残されるような状況。これによって前後の分断が起こり、結果としてバルサは攻撃における経由点を失い、効果的に前線にボールを供給できない状況に陥った。

そして、今回の試合でもメッシが負傷交代をした後はこういうトップ下不在の問題点が浮き彫りになった気がする。つまり、トップ下のスペースがスペースのまま残されたってこと。このやり方を採るならばメッシの存在が不可欠だったってことを感じさせられた。最前線のロナウジーニョ&エトー&アンリの中にメッシの代わりとなる(能力的にというよりもタイプ的に)選手はいなかったと思う。

そもそも最前線の3人はメッシのように思い切った動きをしなかった。つまり、相手の最終ライン前を横切るような動き(時間によって3枚の並びを入れ替えたりはしてたけど)。確かに相手のDFラインと中盤の間に空いたスペースを使おうっていう意図自体はあった。でも、それは単純に下がって受けようっていうやり方。今やシステム合致の1×1がはっきりと意識づけられているセルティックは、そういう単純な動きには問題なく対応してたと思う。

さらに、こういう単純な動きには問題がある。それは、上に書いたように前半のバルサでは見られなかった特異点が現れてしまうっていう事。トップに入った場所っていう狙いどころが相手に作られてしまう。それはなぜかって話。

前半のバルサもトップに入れるボールを使わなかったわけではない。ただ、トップに縦パスを入れるのは最後のブロックに対する仕掛けのときだった。この段階ではバルサは攻撃に人数をかけて近い関係を作ってるから、トップに入ったボールもほとんどダイレクトで次に展開された。だから、トップへの縦パスだからっていう理由だけでセルティックの狙いどころになることはなかった。

でも、後半のトップへの縦パスは組み立ての一環。しかも、ここで重要なのはバルサのOMFは低い位置に下がってプレーしてるってこと。つまり、トップに入ったときに次への出し所がなかったってことになる。結果としてトップのところでもたつく場所ができるわけで。しかも、エトー、ロナウジーニョ、アンリといえども相手を背負った状態で個で突破するのは難しい。だから、良くない体勢でのキープが生まれる。セルティックにとっては待ちに待った狙いどころの発生。入った瞬間に前後で挟み込む場面が見られ始めたし、むしろ入りどころを狙ってカットするって場面も目立った。

こういうバルサの状況はリヨン戦とは確かに微妙に違う。リヨン戦は前線にボールを送ること自体が不可能だったのに対して、今回は前線にボールを入れた後の展開ができなかった。ただ、根本的に攻撃がスムーズに行かないってのは同じだったと思う。前線でいい形でボールが保持できないから、後ろからの攻撃参加も停滞して前がはがれた状態になるシーンが目立った。むしろ、後ろが押し上げてる途中で奪われてカウンターを食らうシーンも増えたように思う。

ちなみに、この後半は時間とともに改善傾向にあったセルティックの守備がいい形で機能してた。上にも書いたように1つ1つのチェックが厳しくなり、孤立気味の相手の前で触る意識も見られ始めた。それにスノの投入も大きかったと思う。下がってプレーする相手のOMFにどこまで着いて行くか迷ってたドナーティーに対して、スノーはどこまででも着いて行った(もちろん指示もあったはず)。そうやって、相手の守備のスタートすらもスムーズに切らせなかった印象。後半は4-1-4-1みたいに見える時間が長かった気がする。

こういうスノの積極性に触発されてか(もちろん、この部分も指示があっただろうけど)、守備における前への意識も高まったと思う。自分達から能動的に前へ前へのプレッシャーをかける意識が高まった。これによって後ろが狙える下地が生まれたのも事実だったと思う。バルサとしても前半のように最終ラインで左右の幅を使って揺さぶりをかけるのは難しかった。

そういうわけで後半のセルティックは攻撃に出るシーンが増えたと思う。この攻撃においては、前半の攻められてる時間からの流れを含めて中村の存在が大きかった。この試合での中村は、とにかくボールのタッチ数を増やそうっていう意識が強く見られた。左右上下に積極的に動き回ってボールを引き出そうとしてたと思う。この点においては、守備負担が減ったトップ下の場所に入ったことで自由度が増したって言えると思う。

特に前半は中村のこういう引き出しによって安定感が増してた。前回の試合ほど相手の切り替え後のプレッシャーに困らせることもなかった気がする(それでも高い位置で奪われるシーンはいくつか見られた)。前回は相手のプレッシャーに負けてやみくもに蹴りだすか、なんとかつなげようとして相手に引っ掛けられるかのどちらかだったから。

対して今回は守備で奪った後の次のところで受けられる場所に中村が入ってくることが多かった。そこに1度入れることで落ち着きをもたらすシーンが目立ったと思う。そうやって、とりあえず相手の最初の猛守(切り替え後の厳しい守備)をいなし、ある程度落ち着いて組み立てができる状態を作り出した。

結果として今回の試合でのセルティックはかなりつなぐ意識が強かったと思う。そこでも経由点としての中村の存在は目立ってた。逆につなぐ意識が高まったことで、ロングボールは本当にほとんど見られなかった。ただ、今回みたいに余裕がある状態で意図のあるボールが蹴れるならばロングボールも効果的かなって思う。高さではヘッセリンクが確実に勝ってたし、相手の高いラインウラにマクギーディーを走られるパターンも考えられた。

今回の試合ではいいときのバルサと悪いときのバルサが共存した。前半のバルサ=いいときのバルサはチームとして戦えるのに対して、後半のバルサ=悪いときのバルサは個々が分断する。そして、この良悪にロナウジーニョがかなり左右されるってのを感じさせられた。

ロナウジーニョは個人で何でもできると見せかけて、実は組織の中でこそ生かされるタイプのような気がする。セルティックとの2試合でいいパフォーマンスが見られたわけだけど、そこに大きな役割を果たしたのが左SBの存在だった。前にも書いたようにロナウジーニョが一番いいプレーを見せてたのは、ファン・ブロンクホルストとの関係が良好だったときなわけで。そして、SBが効果的に攻撃に参加できるのはバルサがチームとしてサッカーができてるとき。

だから、ロナウジーニョのコンディションの良し悪しの問題は実はバルサのチームとしての内容を反映してるように思う。逆にメッシは本当にどういう状況でも個でなんとかできるタイプ。チームがいいとか悪いとかは関係ない。だからこそ、コンスタントに活躍できてるって言える。だから、そのメッシの離脱がバルサに与える影響はかなり大きいはず。逆にメッシなしでもいいサッカーができるならば、チームとしていいサッカーができてるってことなのかもしれない。
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