ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-03-18 Tue 17:11
ローマ×ミラン
<ローマ:4-2-3-1>
FW:トッティ
MF:マンシーニ-ペロッタ-タッデイ、ピサーロ-デ・ロッシ
DF:トネット-ジュアン-パヌッチ-シシーニョ
GK:ドーニ

<ミラン:4-3-2-1>
FW:パト
MF:セードルフ-カカ、アンブロジーニ-ピルロ-ガットゥーゾ
DF:ファバッリ-カラーゼ-マルディーニ-オッド
GK:カラッツ

知らないうちに5位まで順位を押し上げてたミラン。この分なら昨シーズンと同じような展開でCL出場権を確保するところまで行けるか。ただ、昨シーズンはマイナススタートだったこと、今シーズンのCLで早々と敗退してしまったことを考えると、チーム力の衰えは隠しきれない問題になってきたかもしれない。

知らない間に変化してたのはミランの順位だけではなかった。ミランのやり方も知らない間に大幅な変化を遂げていた印象。去年は見ることが多かったミランの試合も年が明けてからあまり見る機会がなかったから。そして、その年明けからはパトの存在があったわけで。今年に入って唯一見たジェノア戦でも変化を感じたのは事実。その変化が今回の試合を見る限りでは恒常的に、今後のミランのスタイルになって行くのかもしれないと思ってるところ。

そのミランの変化を一言で表すならば、横から縦へ。これはジェノア戦でも見られた傾向だったけど、今回もそういう状況が明らかに見られた。難しいのは、この変化が改善なのか改悪なのかの判断がつきにくいこと。ミランの圧倒的なポゼッションが強い者としては違和感を覚えるけど、結果が出てるのは事実であって。とりあえず、具体的に見ていきたいと思う。

ミランの横から縦への変化を一番特徴的に表してるのが中盤でのボールの滞在時間。ミランと言えば、これでもかってぐらいのポゼッションで中盤を圧倒的に制圧するチームだってのが一番の印象。そういう状況が明らかに薄れてるのが、横から縦への変化にあると思う。中盤を通り過ぎて前線に次から次へとボールが供給されていくことが多くなってると思う。

こういう変化をもたらした要因の1つにパトの存在があるのは明らかだと思う。ジェノア戦のときにも書いたけど、パトはこれまでのミランの主力FWとは大きな違いがある。これまでの主力ってのはジラルディーノとインザーギ。2人のスタイルはかなり異なってるのは事実だけど、基本的には真ん中でプレーするタイプってことに代わりはない。エリア内でプレーするタイプって言い換えてもいい。

そして、この2人の存在が最前線の蓋となっていたのがミランの状況だった。2トップが真ん中から動かず、スペースを作る動きもしないから2列目以降がトップの場所に出て行きにくい。ついでに言えば、2人とも試合中に空気になってしまうことが多い(特にジラルディーノは)。

結果としてミランは中盤から人が前線に出て行けず、ボールも前線に出せない。必然的に中盤の場所に人が溜まっていく。SBも攻撃に参加して。これによって強制的に中盤の厚みが生まれるミラン。あとは個々のギャップに入り込むうまさをベースにしながら、無限にボールを回していくだけの話。ボールを回しまくってもFWが消えてるから、最後の仕掛けができないのもミランだった。つまり、ミランの圧倒的な中盤支配は仕掛けができない問題をはらんでいたとも言えるわけ。

今や、その問題を生み出した2人はいない。スタメンに名を連ねるのは、2人とは全く逆のタイプのパト。パトはとにかく動きまわる。エリア内以外での仕事の方が多いぐらいに動いてボールを受ける。ボールを受けてから自分で仕掛ける。今回の試合でもサイドに流れまくってボールを引き出す動きが目立ってたし、そういうゴールから遠い場所で受けてからの個での突破の試みも多くなった。

1トップのパトが動き回る。つまり本来のトップの場所にはスペースが生まれる。それをそのまま放って置いたら、文字どおりの0トップになってしまう(前はトップの場所に人がいるのに消えてしまう0トップだった)。そういうわけで、カカとセードルフのFW的な役割が強まる。ジェノア戦のときには、カカとパトが2トップを組んで、セードルフは中盤的な振る舞いが目立ってたけど、今回の試合ではセードルフも前への意識を高めてた。3トップ的ともいえる形。

最前線でパトが動き回ってボールを引き出す。これまで組み立て時にトップの引き出しの動きがなかった(ラストの仕掛けではインザーギが動きまくったとしても)ミランの後ろの選手は嬉しくなって、前線にボールを供給してやりたくなる。そうじゃなくても、攻撃の中心となるべきカカとセードルフは前線に行ってしまっている。攻撃では2人を見る意識がどうしても強くなるのは仕方ない。結果として、これも前線へボールを供給する要因となる。

セードルフとカカが攻撃の中心であることは変わらない。そこにボールを集めようとする意識も変わらない。でも、2人のいる場所が変わった。以前はトップが蓋になっていて強制的に中盤でプレーせざるを得なかった2人。今はトップの場所でのプレーが多い2人。このことが中盤重視から縦への意識の重視へとミランのやり方を変化させた要因であった気がする。

とにかく、今回の試合でも中盤をすり抜けて前線に供給されるボールが多くなった。トップ下に経由点がないわけだから、当たり前と言えば当たり前。問題はこのことが何を生み出したかっていう部分。縦への意識が高まり、最前線にボールが供給されることが多くなったこと自体は以前のミランからすれば改善とも取れる。前は最前線にどうやってボールを供給すればいいか分からなかったわけだから。でも、もちろん失ったものも大きいわけで、その辺を見ていきたいと思う。

縦への意識が高くなったことで生まれた一番の問題は前線がはがれてるってこと。中盤でのボールの滞在時間が短くなり、一気に縦に送られるボール。ボールのスピードに後ろはついてこれない。結果として前線の3人で攻めなければならないシーンが多くなった。この3人の爆発力なら、続けてればそのうち決定機は作れるだろうと思う。ただし、攻撃の厚み自体がなくなったのは事実として見ておかなければならない部分。

これに関連して、攻撃で幅を使えなくなった。今までも何度も書いてきたことだけど、ミランの攻撃において幅を使う役割を担うのは両SB。中盤は流動的にやる中で、サイド専業でタッチライン際のエリアを一手に引き受けるSB。そういうSBの組み立てへの参加が攻撃に幅を生み出し、左右の展開を織り交ぜながら相手の狙いどころを失わせていく。それがミラン的やり方。

そのSBの組み立てへの参加がほぼ皆無になった。これはある意味では当たり前。前線にボールがどんどんと蹴られていく状況の中ではSBが押し上げてくる時間はない。それにチーム自体の横幅を使う意識も弱まってるわけだし。結果として攻撃が真ん中に偏ってしまう事態に陥った印象。

さらにSBの攻撃参加が促進されないことが、もう1つの問題を引き受ける。上にも書いたように本来的にミランのサイドを担うのはSB。これは1つ前の中盤の選手を中に押し込む効果をもたらす。結果として、真ん中に人が多くなるミラン。後ろからの押し上げも相まって、強制的に近さが生み出される。そういう近い関係性の中で少ないタッチでパスを回していくのがミラン的なパス回し。

この近さが生み出されなかった。そもそも前線がはがれてるわけだから、当たり前と言えば当たり前だけど。ただ、遅攻になったときにも全体としての遠さが目立った。これには今回の試合でアンブロジーニがタッチライン際でのボールタッチばかりになってたような状況が少なからず影響してたと思う。つまり、中盤が横に広げられたってこと。縦の間延びと相まって、ミランらしい中盤の形は作られえなかった。

そういうわけでミランの攻撃は非常に単調。後ろから前線に一発のボールを蹴るだけ。出し手としてのピルロの力と前線3人の能力をもってしても、ほとんど決定的なチャンスを生み出せてない。得点シーンは皮肉にもSBオッドの攻撃参加から生まれたわけだし。この試合で唯一サイドを効果的に侵攻したシーンだった。

そんなミランも本来的なミランの片鱗を前半の途中に見せてくれた。この時間帯はセードルフとカカがヤバいって気づいた時間帯。それまでのように前にばかり出て行くんじゃなくて、下がってきての中盤の場所でのタッチ数を増やした時間だった。そうやって中盤に1つの経由点を作り、中盤で時間を作ることで重要なSBの攻撃参加が生み出された。SBに限らず全体の押し上げもできた。

幅を使いながら、前線の厚みを増すことに成功。しかも、最前線では相変わらずパトの動きが活発。最前線の出入りが激しくなったことで、本来的なミランのやり方に戻っても、仕掛けができない状況には戻らなかった。これこそ理想形だと思うわけだけど。なぜか、カカとセードルフが中盤で組み立てに関与するプレーはあまり増えなかった。

そういうわけで攻撃での様子のおかしさが見られたミラン。同時に守備についても、ちょっと違った印象を受けた。攻守の違和感の因果関係ははっきりとはしなかったけど、そのベースになっている問題は同じ。つまり、前後の分断にあったと思う。

ミランの守備ブロックは4‐3‐3だった。あまり見たことがない形(でも、今シーズンのホームでのローマ戦はこの形。対ローマ用?)。カカが前線に押し出される形はよく見かけるけど、セードルフはどちらかというと後ろに引きつけられることが多い。4‐3‐2‐1からセードルフを下げて4‐4‐1‐1のブロックを作ることは多いと思う。でも、今回は完全に前線にセードルフを押し出した4‐3‐3だった。

そして、最前線の3トップは基本的には守備を免除されてる。この点については攻撃と関係あるのかもしれない。縦への意識を高めてるのが明らかなミラン。だったら、最初の選択肢はカウンターで攻めきっちゃうこと。そう考えたら能力の高い3人の守備を免除し、最前線に残しておく効果は多大なわけで。そういう意味があるのかもしれない。

とりあえず、最前線の3トップが守備を免除されてることは確定。よって守備は後ろの4‐3が担当することになる。後ろは最終ラインを高めに設定して、コンパクトなブロックを高い位置に作る意図を持ってたと思う。ただ、4‐3で守備をしなければならない以上、高い位置での効果的な守備はちょっと期待できない。最前線から行われるミラン的な切って、切って、追い込む方式も難しい。あれは前線の守備の貢献と、中盤の厚さがあってことだから。そういうわけで受ける意図が強い守備ブロックの形成になったと思う。

それでも立ち上がりは迷いが見られた。中盤の3がどういう守備をしていいのか分からなかった気がする。とりあえず、本来のミランのやり方どおりに前線から1つ1つのボールにプレッシャーをかけて行こうかなって感じだった。

でも、これには大きな問題がある。最前線の3が守備をしないミラン。中盤のプレッシャーには根拠が薄い。守備のスタートを中盤が担わなければならない状況だから。結果、そういうプレッシャーで引っ張り出されて後ろにギャップを残してきちゃうパターンが増えた。中盤が3枚しかいないのに、1枚が引っ張り出されるのは結構痛い。そういうわけで、中盤の選手は後ろとの関係を重視することに決めた。

結果としてミランのブロックは4‐3‐‐3のイメージ。最前線の3はとりあえず自分の前に対する守備はしようとしてたけど、ウラに入られたら守備をやめた。中盤は上にも書いたように、4‐3の方の関係性を重視。結果としてFWと中盤の間にできた3‐3のギャップは放っておかれた。

ローマにとっては願ってもない状況だった。攻撃の組み立ての中心となるデ・ロッシは浮きまくり。ついでに、3‐3の間では何のプレッシャーも受けずにボールを持ちあがることも可能になってたと思う。これによってローマの攻撃のスタートは恐ろしくスムーズに切られる状況が生み出された。

この時間のローマの攻撃のやり方は非常にシンプル(この時間に限らず、非常にシンプルな攻撃が目立ったけど)。相手の3‐3の間に入り込んで余裕を持って攻撃のスタートを切る。そして、そのスタートとなるボールはサイドに展開されるシーンが目立った。これも合理的。相手の4‐3ブロックは真ん中に凝縮気味だから、サイドのスペースは空いてる。そして、そこからのシンプルクロス。ローマらしい後ろからの厚み増しによってゴール前にも人数が揃ってた。そして、クロスの対応はもうずっとミランの弱点である。

この中→外→中の展開で敵陣深くまで攻めきるシーンが目立ったと思う。サイドではSBの攻撃参加を活発化させて、数的優位を作ろうとするのも忘れなかった。相手のガットゥーゾがどれだけ低い位置まで押し込まれてたかってのが1つの指標。ローマの攻撃については後で詳しく書くけど、とりあえず、全体として最後のシーンにまで行けることが多くなった。その割には決定的なチャンスが少なかったけど。それは4‐3で守ると決めたミランの最後の最後の厚さのせいだった。

とりあえずミランの方にもちょっと好きなようにやらせすぎっていう意識がだんだんと増してきたんじゃないかって気がする。攻撃のスタートであるデ・ロッシはあまりにもフリーだったし、その後のサイドからのクロスも簡単に上げさせてしまった。そういうわけで、ミランの方も守備を見直そうって時間が前半の30分前後に訪れた。

この時間になって、最前線の3が守備意識を増大。後ろに戻っての守備には相変わらず意識が高くなかったけど、最低限自分の前に対する守備を頑張りましょうねってことになった。そして、これによってミランの中盤の3が前に向けての守備をすることが可能になったと思う。最前線でしっかりと制限がかかるようになったから。そうして、今までいいように使われてた3‐3の間のスペースに対する守備意識を高めた。

これに対してローマはそれまでの時間のように好きなように攻撃をするのは不可能に。でも、これで手詰まりになるほどの状況には陥らなかった。とりあえず、中長距離のボールを有効活用することで相手の前線からのプレッシャーを否しにかかったと思う。ミランの守備はボールサイドに人をかけるものだから、別の場所にはスペースが存在する。それをシンプルかつ効果的に使った。2点目のシーンにもつながったように、今回の試合のローマは遠くのスペースを有効活用する中長距離のパスのよさが目立ってたように思う。

こういう中長距離のパスに加えて、ローマ式流動性も相手の前線からのプレッシャーを否すのに効果を発揮。相手の守備が変更されてから、ローマの前線の動きが活性化されたと思う。正確にはそれまでも流動性はあったから、流動性が効果的に機能するようになったって言った方がいいかもしれないけど。相手が4‐3で受けてる時は、前線で動きを作ってもギャップ自体が少なかった。いまや、前から守備をする相手の背後にはギャップができており、そこに動き回るローマの前線の選手が入り込むシーンが多くなった。中盤に降りてくるトッティの存在が目立ち始めたのもこの時間帯からだったと思う。

ギャップに入り込まれたミランの守備陣には怖さが生まれる。しかも、相手の流動性は捕まえるのは難しい。やっぱり4‐3の関係性を築いて、スペースを自体をつぶしましょうねっていうやり方に回帰。これが後半。ただし、前半の反省もしっかりと踏まえた。セードルフにデ・ロッシを見させることで、とりあえず前半のように自由に攻撃の組み立てをさせないようにしたと思う。

そのうちにミランに先制点が生まれる。この後のミランは非常にミランらしいやり方に変更。とりあえずはおびき寄せ作戦の決行。それまでの最終ラインの高さが嘘のように全体を押し下げて受ける体制を築いた。最前線の3トップでさえも自陣に戻っていたぐらい。そうやって相手をおびき寄せといて、奪ったら一気に前の3人でカウンターを仕掛けるやり方。結果的にはこのおびき寄せ作戦で追加点が奪えなかったのが痛かった。

ただし、守備だけを考えれば圧倒的に安定感は増した。この時間はローマが選手交代でスムーズさを失ってた時間とも重なる。ピサーロとジュリの交代で前線の枚数を増やしたけど、ボールを前線に運ぶ存在がいなくなった。デ・ロッシはセードルフに抑えられてて、他の選手はボールを前線でもらおうとしてる。効果的に組み立てができなくなって、守りに入ったミランのブロックに引っ掛けられるシーンが多くなった。そして、それはカウンターを食らう危険を意味した。

この流れの中ではミランの逃げ切り濃厚の雰囲気。これに対してローマはアクイラーニを投入してバランスの回復を図る。底の位置を増やして組み立てを再びスムーズにさせる意図があったと思う。そういう意味では効果的な交代だった。そして、何よりも大きかったのはこれと時を同じくして行われたミランの選手交代。セードルフに代えてエメルソンが入った。

普通に考えれば守備の安定を増すための交代。実際に4‐4‐1‐1の形に変更することで、ますます堅さが増したと思う。ただ、この交代で抜けたのがセードルフだったのが痛かった。まず、ローマにとって相手のカウンターの怖さが半減。そして、何よりも後半にセードルフが行っていた守備の仕事が宙に浮いた状況になった。

それは上にも書いたようにデ・ロッシを抑えること。それまでのローマはとにかく出し手がいないことに困ってた。だから、アクイラーニを入れて出し手を増やそうとした。そしたら、相手が勝手にデ・ロッシを放してくれた。ローマにとっては超ラッキー。その後の時間は再びデ・ロッシが浮いた。前半のように好きなように組み立てができるようになった。2点目もフリーのデ・ロッシがアシスト。

そして、逆転を許したミラン、セードルフを下げたミランにはもはや攻める方法がなかった。そのうえカカも負傷で下がってしまう不運。セードルフ→エメルソンの交代は、まさにこの試合のターニングポイントになったと思う。怪我明けのセードルフを休ませたかったとは言っても。

ここまでミラン中心の論じてきたので、以下ではローマについて触れてみる。CLでは再びマンUとの対戦を控えるローマ。ローマのやり方には結構注目してるんだけど、いかんせん見る機会が少ない。トッティがいる試合となると本当に久し振り。そして、ミランと同様にローマにもイメチェンの跡が見て取れた。

ローマの守備は4‐2‐3‐1の形を作るところから始める。そのうえで中盤の3のフィルターで引っ掛けられればいいねって形。特別、能動的にその3で引っ掛けようとする意図が見られるわけではない。よって本当の守備の勝負どころは、後ろに置かれることになる。単純に両サイドを下げた4‐4‐1‐1の中盤の4にマンシーニが参加しないブロックが作られることが多かった。早い話が左右のバランス崩しの4‐3‐2‐1みたいな形。

その上で4‐3で受けることが守備の本当のベース。4‐3を深い位置に作っておいて、とにかくバイタルをつぶそうっていうもの。そこに入ってきた縦パスに厳しく当たることで、ブロックに対する相手のアプローチをことごとくつぶしていった。

こういう後ろに重点を置くローマの守備のやり方は前からのイメージ通り。ただ、前からのイメージよりは前線での守備意識が高まったかなって気がする。相手がもたついたところで、自分たちから守備を仕掛けていくやり方が見て取れた。前のやり方はもっとスパッと後ろのバイタルつぶしのブロック作りに入ってた気がするから。

この守備の変化と共にトッティ依存も明らかに減退している。前はベタ引きブロックで受ける→奪ったらトッティへ→一気に飛び出しってのがパターンだったけど、今回の試合のローマにはこういうパターン化が見られなかった。普通の攻撃の中でもトッティを経由させるボールは明らかに減ってたと思う。

その代わりに見られたのが上でも触れたようなサイドに起点を作るやり方。トッティよりもデ・ロッシ(今回はラッキーなことに浮けたこともあって)が中心となって攻撃の組み立てを行った。ミランの守備ブロックがそもそも真ん中を固める型であることは事実だけど、トッティの存在が相手を真ん中に引きつけるってのもあると思う。その上でサイドを使うことで、サイドの選手が比較的自由になれる。SBを積極的に上げてサイドで数的優位を作るのも忘れなかったのは上にも書いたとおり。

そうやって徹底してサイドに起点を作っていると、相手の意識もサイドに向いてくる。つまり、真ん中が空いてくる。ここでトッティの登場。トップの場所にこだわらないトッティが積極的に中盤でのタッチを増やす。その時には、前にしっかりと2列目の選手が入れ替わりに出て行っている。

中にも外にも実効的に起点を作れるのが今回見られたローマの強み。相手に狙いどころを定めさせないことが可能になった。もっと言えば、相手の守備ブロックを分散させることにも成功。変幻自在にいろいろなところに起点を作りながら、その1つ1つはシンプルにやることで(サイドに起点を作れば、簡単にクロスを上げるとか)相手ゴールへの仕掛けを増やしたと思う。

そのローマの攻撃のベースといえばランニング。もっと言えば人を抜くランニング。今回の試合では、それが明らかに目立つってことは少なかった。その要因は上にも書いたように、今回のローマが中長距離のパスを中心として攻撃を組み立ててから。ランニングが目立つのは、近い関係性を築いてるとき。

でも、これはランニングが目立たなかったっていうだけ。少なかったってことではない。広いスペースを使う中長距離のパスが出たのは、それを引き出す遠い場所でのランニングがあったから。多くの場合では斜めの質のパスが多くなったわけだけど、そのボールが飛んでいる間に地上では人が次々に前線に入って行くっていう形が多かった。だからこそ、大きな展開でサイドを変えたときに中にしっかりと人が揃っていて、時間をかけずにシンプルにクロスを上げることが可能だったと思う。

もちろん近い関係性で可能性を感じさせるプレーもあった。ボールを抜く人、そこにボールを出して再び抜き返す。簡単にいえばそういう関係。これを2人だけじゃなくて3人でやるようなシーンも見られた。何かのインタビューでジュリ(だったかな)が言ってたことを引用すれば“三つ編み”。そういう近い関係性のよさを利用した、ダイレクトが多いリズムのいいパス回しも目立ったと思う。

こんな感じでローマの攻撃には明らかに幅が広がった。なぜか幅が狭まってしまったミランとは対照的。今回の試合を見る限りでは、今の順位も両チームにとって妥当な結果だってことを感じさせられた。そして、今シーズンに限らず今後もそれは逆転しないかなって思う。ミランが抜本的に改革をしないかぎり。ローマは今のままの路線を継続したら、面白い。
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