ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-04-07 Mon 18:33
マンU×リバプール
<マンU:4-1-4-1>
FW:ルーニー
MF:ギグス-アンデルソン-スコールズ-Cロナウド、キャリック
DF:エブラ-ファーディナンド-ビディッチ-ブラウン
GK:ファン・デル・サール

<リバプール:4-2-3-1>
FW:トーレス
MF:バベル-ジェラード-カイト、Xアロンソ-マスケラーノ
DF:ファビオ・アウレリオ-キャラガー-スクルテル-アルベロア
GK:レイナ

リバプールは4‐2‐3‐1への変更がうまく行った模様。少なくともこの試合の前の結果を見る限りでは絶好調。得点も奪いまくり。大スランプの頃の真ん中真ん中に入り込りすぎて得点を奪えないって状況は完全に払拭されたと思われる。今回の試合でも立ち上がりにほんのちょっとだけ、そういう改善の流れが見て取れた。CMFがボールの供給役となって、サイドにボールを送る。サイドにはSMF、SB(特に右サイドのアルベロアは趙積極的だった)が協力して起点を作る。その間に後ろが上がってきて真ん中に厚みを。そういう展開が見られた。トーレスにしても真ん中にこだわらない動きを見せて、攻撃が真ん中に入り込まないような形を作っていたと思う。

ただし、繰り返す通り本当に少しだけ見られた形。とはいえ、主体的に(カウンターではなく)攻撃ができたってこと自体が少なかったわけで、逆にいえば主体的に攻撃をしたときには、いい形の攻撃が見られたのも事実。そういうちょっとしたところからも、この試合の前の絶好調の様子が見て取れた。今回の試合ではマンUに完全に主導権を握られてしまった結果、さらにマスケラーノの退場によって、そのよさを見せられなかったってだけだった気がする。

そういうわけで4‐2‐3‐1がうまく行ってるように見えるリバプール。その4‐2‐3‐1で行われる守備はどういう形かってことをおさらいしてみたい。そもそも4‐4‐2スランプ時のリバプールはトップが守備に参加しないっていう大問題を抱えてた。結果として本来的に守備の狙いどころとなる中盤が守備のスタートの役割も担うことに。効率が悪い上に、ブロックから引っ張り出される状況。結果として4‐4‐2の3ラインの関係性がうまく回らないって形に。簡単に4‐4の間に入り込まれ、やばいと思った中盤の4が後ろに戻り。そうやってベタ引きブロックになることが多かったと思う。

これに対して4‐2‐3‐1採用後のリバプール。この変更によって前線から積極的に守備をするっていうある意味ではリバプールらしい守備は捨てた模様。1トップにトーレスを置いた時点で仕方なかたない選択か。でも、今回の試合ではトーレスは頑張ってたけど。どちらにしても、前から前から追いかけまわすやり方はなりを潜めたっていう事実は見られる。代わりにどうするかって言えば、簡単な話。受ける形の守備へ。せっかく4‐2‐3‐1にして生まれた中盤に厚みを有効活用するためには、いい選択かもしれない。

そういうわけで4‐2‐3‐1採用後のリバプールの守備は受身形。チェルシー戦、ミドルスブラ戦と今回の3試合を見ただけだから、もしかしたら普遍性はないかもしれないけど。とにかく、見た試合では全て受身的な守備。まずは守備組織を作るところが守備のスタート。その上で守備のスタートにリミッターがついてる。前から守備のリバプールはリミッターなしで追いかけまわしてたけど。というわけで、深めの場所の相手最終ラインはフリー。そこからブロックに入ってくるボールを狙おうってのがリバプールの守備のやり方。

入ってきたボールに対しては忠実にチェックが行われる。この辺は前から守備の頃と同じように1人1人の守備意識の高さがベースとなってる。上にも書いたように、中盤を厚くしたシステムになったことで、ブロックに入ってきたボールに対するチェックが素早く効く状況が作られてる。それぞれの距離が近く、結果として1人1人の担当エリアが狭いから。この近さを生み出すために、最終ラインは高めに上げてコンパクトブロックを形成する。

ついでに、この近さが守備の連動の速さも生み出してる。入ってきたボールに1人目が忠実にチェック。それで足止め。そこに周囲が一気に協力。挟み込み、囲い込みで相手からボールを奪い取る。これがリバプールの守備のやり方。受身形の守備でバランスのいい守備網を形成してることが、そういう協力体制のスムーズさを生んでると思う。それに前から守備の頃からリバプールの守備の次のよさがあったのも事実だった。前が追いかけて制限した次を狙うとか、協力して囲い込むとか。そういう部分のよさが生かされてる形。

ただし、リバプールは守備ブロックを作ることが守備のスタート。だから、組織ができる前に攻め込まれると案外簡単に入り込まれてしまう。これはミドルスブラ戦で見られた弱点。ミドルスブラの攻撃が特別に縦へのスピードが高いやり方を採ってるからこそ、目立った弱点だって言えるかもしれないけど。それに、組織が作られてない状態で攻められると脆いってのは何もリバプールだけに言えることだけではない。それに、組織が作れてない状態で受けたり、組織を生かせない状況で攻められると弱いリバプールの守備の問題は前々から弱点になってた気もするし。

これに対して今回の試合では前から追いかけることをやめたことによって生まれた弱点っぽい部分が見られたと思う。リバプールの守備は上にも書いたように、受身形に変更された。受身形ってのはつまり組織を作っておいて、そこに相手が入ってきたっていうことを守備のスタートとするってこと。これも上に書いたとおり。逆に言えば、相手が入ってきてくれなければ守備のスタートが切れないとも言える形ってこと。

例えばチェルシー戦ではこの問題は見られなかった。というか、むしろ守備のよさの方が目立った。それはチェルシーがことごとく入ってきてくれたから。つなぐ意識が高い現状のチェルシー。ショートパスをつなぎつつ相手ブロックに入り込もうとする。リバプールの方から見れば、網の中に入り込んでくるようなもの。入ってきたところで忠実にチェック、さらに囲い込み。これでチェルシーの攻撃を分断し続けた。

対して今回のマンUは網に入り込んでは来なかった。網を飛び越していった。そして、最終的には網を外しにかかった。そういうわけで立ち上がりのマンUはロングボールを蹴りまくった。このロングボールが今回の試合の1つのポイントになったように思う。そもそも、前回の対戦でも立ち上がりは蹴りあいの流れになった両者。でも、マンUのロングボールの意図は前回とは全く異なったものだったように思う。

前回のマンUのロングボールは仕方なしの印象が強かった。この頃はまだ前線から追いかけてたリバプール。そのプレッシャーに負けたマンU。仕方なく前線に意図の薄いロングボールを蹴るシーンが多くなった。つなごうとすればことごとく中盤で引っ掛けられたのも1つの要因。どちらにしても意図が薄いし、前はルーニー&テベスで効果的につながるわけもなく。むしろ、ロングボールのベテランのリバプールの蹴りまくりのプレッシャーに負けてしまった試合だった。

リバプールの守備が前線から来なかった今回。最終ラインはある程度自由にボールを持てた。よって、前回の対戦のように焦って蹴らなければならない状況ではなかったと思う。それでも、蹴る選択肢を選んだマンU。当然のように意図のあるボールが前線に供給されることとなる。相手の高めのラインのウラをルーニーが虎視眈々と狙いまくる。そこに効果的に1発のボールが供給される。こういう形からチャンスにつながるシーンが目立った。つまり、相手ブロックを後ろに向けるっていう意図のあるボール。そして、そのロングボールは相手が待ち構えてる守備網の頭の上を越えるっていう意味もあった。

上にも書いたように、相手の網を取り払うことが最終目標だったマンU。意図的なロングボールはそのための1つのやり方だった。そして、これをボールによるアプローチだとすると、今回のマンUは人によるアプローチも見られたと思う。相手の網を取り払う、要するに相手の守備ブロックを押し下げるっていう1つの目標のためにいろいろな工夫が見られたのが今回の試合だった。というわけで、以下ではもう1つの人によるアプローチについて見てみたい。

このアプローチが一番顕著に表れたのがSBのポジショニングだった。今回の試合は久々にマンUのSBが高い位置を保つ場面を長く見られた試合だったと思う(CLローマ戦でもそういう場面は見られたけど、それはこのリバプール戦の後)。ダービー戦の時に書いたように、縦へ急ぐ意識が目立ってたここ最近のマンU。ボールを持ったら即縦の変則4トップに預ける意識の高さが目立ってた。この形では後ろが追い付くのは難しいわけで。それがSB(特にいつも攻撃に積極的なはずのエブラ)が攻撃で消えてしまう要因の1つになってた印象。

これに対して、今回の試合のマンUはSBをとにかく高い位置に置いておこうとした。というわけで、最終ラインでの保持時間がここ最近の試合に比べると伸びてたと思う。ボールを持ったら即縦っていう意識は薄れてた印象。加えて、この最終ラインでのボールの保持にしても特徴的なやり方が見て取れた。

今まで攻撃時のマンUの最終ラインの形は右寄りになることが多かったように思う。エブラを高い位置に上げて、CB2枚と右SBブラウンでパスを回すっていう。これに対して、今回の試合では右のブラウンも高い位置に上げるシーンが多かった。よって最終ラインはCB2枚がパス交換をするって形。2人が距離をとってパス交換をするってシーンが目立った。正確にはこの2枚にファン・デル・サールを加えた3人でのパス交換ってことが多かったわけだけど。これもリバプールが上から積極的に守備をしてこなかったおかげか。

というわけで、最終ラインで左右の幅を使って揺さぶるようなパス交換は不可能だったマンU。横幅を2枚でカバーしなければならないわけだから、どうしても真ん中に寄ってしまう。だから、最終ラインでのボールの保持の意図はあくまでも時間を作ることにあったと思う。大体において最終ラインから前に供給されるボールはやっぱり縦1本ってことが多かった(ウラ狙いの意図も含めて)。そう考えると縦に急ぎまくる最近のマンUのやり方とは大きくは変わらないとも言える。変化したのは最終ラインでのボールの保持時間であって、そして、それが大きな意味を持つことになった。

SBをかなり高い位置に上げることとなったマンU。これによってリバプールの守備ブロックがどうなるかってことが重要。そもそもリバプールのSMFは後ろへの意識が強い。前への守備をチームとして捨てたリバプール。その中におけるSMFの役割は後ろのSBと協力して、相手のCロナウドだったりギグスだったりを挟み込むってことになる。だから、意識としては後ろに重点が置かれてるわけ。そして、そこに追い打ちをかけるようにマンUのSBの高いポジショニング。ますます後ろへの意識が高められることとなったと思う。

ここで考えなければならないのは4‐2‐3‐1と4‐4‐1‐1は紙一重だったこと。ただ、両SMFが下がっただけのこの形。4‐2‐3‐1の形ならば、前線に3のフィルターもあってより前で守備が可能。中盤の選手配置のバランスもいい。これに対して4‐4‐1‐1は相手の陣地を増やしてしまう可能性が高い。さらに、ここで思い出さなければならないのは、マンUがボールによるアプローチも行ってたってこと。要所要所でウラを狙うボールを送り込む(しかも、決定的なチャンスにつながる)マンU。これに対してリバプールの最終ラインは怖さが生まれる。後ろに押し下げられる。これに引きつけられる中盤の4。4‐4が後ろに押し下げられた状況が徐々に顕著になって行った。結果としてマンUの使える陣地がどんどんと増えていった印象。

ちなみに、4‐2‐3‐1が4‐4‐1‐1になってしまったリバプールは攻撃の方にも悪い流れが生まれた。立ち上がりの流れからも効果的に幅を使えてたリバプール。その幅利用が4‐2‐3‐1へのシステム変更によってもたらされた部分が大きいのは、これまでにも書いてきたとおり。ただ、その4‐2‐3‐1がちょっと変化して4‐4‐1‐1になってしまった段階で真逆の展開が生まれることとなった。

4‐4‐1‐1では単純に考えて前線が1‐1の状況。しかも、真ん中にいる1‐1。4‐2‐3‐1では中→外→中っていう展開が使えても、4‐4‐1‐1ではそれが難しい。サイドを使おうとするなら、中→中→外か外で奪ってそのまま外か。どちらにしてもサイドの選手の頑張りが必要になるけど、現実的には前者が多くなる。要するにサイド攻撃のために、1度中を経由するって形になるわけで。それではトップにこだわりまくってたスランプ時の流れと変わらない。

相手としても狙いどころは定まってる。ジェラードはキャリックがしっかりと押さえてたし、それに相手に陣地が増やされて行く中でジェラード自身も守備ブロックに吸収される始末。マスケラーノ退場後はCMFとしてプレーしたし。というわけで、リバプールの攻撃の最後の希望はトップのトーレス。トーレスは広大なスペースの中で真ん中に居座らずに動き回る工夫を見せた。でも、さすがに1人だけじゃ厳しいって話。ことごとくマンUのCBに潰されてしまった。4‐4‐1‐1で先細りになったリバプールの攻撃の選択肢は恐ろしく制限されてしまったわけだから、マンUとしても守りやすかったと思う。

ちなみに、上に書いたようなキャリックがジェラードをしっかりと押さえていたっていう事実。これはリバプールにとってはチャンスにつながる可能性を持った事実だった。ジェラードが流れるとキャリックもついていく。システム的には1ボランチ的なキャリックが引っ張り出されると、マンUのDFラインにはスペースが。そこにカイト、トーレスが入り込んでフリーで受けるって形がいくつか見られた。結局、そのギャップを有効活用することはできなかった。

本題に戻って。SBの攻撃参加とウラ狙いの1発ボールによって相手のシステムを4‐4‐1‐1にすることに成功したマンU。最終ラインのパス回しで大した工夫をせず、ただ前線に単純なボールを送るだけのやり方でも、ここ最近とは全く違った展開を生み出すことに成功。それが時間を作ったことにあったのは上にも書いたとおりだけど、結果として前線に厚みを加えることに成功。前線変則4トップ任せとは明らかに違うし、単純なボールも拾う選手が多ければそれだけつながりやすいねって話だった。

そして、マンUにとって前線に人数が多いっていうことの意味はかなり大きい。なぜならば、それが直接的に守備のよさにつながるから。マンUの守備の一番の勝負どころは攻撃後の切り替えのところ。守備に関して気まぐれな前線の選手たちも、切り替え後の守備はしっかりとやる。だから、その前線の守備に合わせて畳みかけられる場所で守備をすることが、守備に最も厚みをもたらすことになる。それに、基本的には前に対する守備意識しかない(最近はちょっと違った趣が見られるけど)前線の選手たち。そう考えると、その選手たちの前で守備をすることが一番人数をかけて守備をすることにつながる。

でも、最近の試合ではそういう切り替えの守備のよさを見ることができなかった。なぜならば攻撃において前線がはがれてたから。前線の4人に攻撃が任されてたから。逆に言えば、切り替え後の守備も前線の4人だけに任されてたことになる。いくら前線の選手が切り替え後の守備を頑張っても、4人じゃ抜け出されちゃうって話。そして、後ろに入られれば彼らは守備をしない。後ろが頑張ることになる。非効率的だった。

前線に人数をかけられた今回は切り替え後の守備が全面的に回復。高い位置の切り替えで効果的な守備が効いた。4‐4‐1‐1の相手が前線に選択肢がなかったこともよかったと思う。結果として攻めの時間が続きまくり。2次攻撃、3次攻撃が面白いほどに決まった。先制点のシーンも攻めて、切り替え守備で奪い返して、2次攻撃の流れからだったし。

というわけで、前線の厚みが全てをいい方向に回したって言える。気になるのは、この改善とシステム変更の関係。関連性があるのか、ないのか。個人的な意見からすれば、なかったんじゃないかと思う。システム云々というよりも、ここまで書いてきたように最終ラインのところで時間を作れたのが大きかった。そして、その時間を利用して両SBを上げたったこと。4‐4‐2でもやろうと思えば、できたはず。あえて言うなら、下での時間作りにキャリック&スコールズがもたらした効果か。2人とも相手の網の中でも安定してパス交換を繰り返した。ただし、これにしたって4‐4‐2のCMFを入れ替えればいいだけの話なわけで。

じゃあ、システム変更の効果が全く見られなかったかって言われればそれほどでもない。というか、その効果は大きかったって言えると思う。ただし、それがよかったのか悪かったのか。その辺は微妙なわけだけど、その両面について見てみたいと思う。

少なくとも立ち上がりからのかなりの時間はシステム変更は失敗だっていうイメージの方が強かった。本来的にマンUの攻撃の特徴は変則4トップがグルグルとポジションを変えるってこと。そして、このグルグルポジションチェンジの中の1つは、4‐4‐2システムで空いているトップ下の場所を入れ替わり立ち替わり4人が使うってこと。Cロナウド、ギグスが中に流れてくる。ルーニー、テベスが下がってくる。そういう動きをスタートとして、例えばルーニーが下がって空いたトップの場所にギグスが出て行くみたいな関係性が生まれる。場合によっては、トップ下の場所にアンデルソンが飛び出していくみたいな形で攻撃に勢いをもたらすわけ。

要するにマンUの攻撃においてトップ下不在ってことの意味はかなり大きかったって言える。例えば、後半に4‐4‐2に変更した後にはそういう関係性の中から得点が生まれてるわけだし。これに対して、今回の試合ではトップ下の場所に専業アンデルソンがいた。アンデルソンは中盤の選手。変則4トップの一角にはなりえない。トップ下を基本としてトップ下の場所でプレーする時間が長くなったと思う。これによって前線の流動に停滞感が生まれてたような気がする。

確かに前線のポジションチェンジが目立ったのは事実。でも、それは単純な横関係のポジションチェンジばかりだったと思う。薄っぺらいというかなんというか。相手を大混乱に陥れるほどではなかった。トップ下のフリーゾーンがなかったわけだから、その流動の動きが制限されるのはある意味では仕方がなかったって言えるかもしれない。

というわけで、システム変更を否定的に見ていた立ち上がりの流れ。しかも、この時間はやっぱり蹴りまくってるなって印象を受けた時間帯でもある。まだ、意図が見えてこなかったから。その上でこの後の試合のローマ戦について考えると興味深かった。流動のためにフリーゾーンのトップ下をアンデルソンが空けてたのがローマ戦。そうやって低い位置に3枚CMFを並べることで、蹴りまくりの流れをなくした。ローマ戦ではトップの流動性が今回のリバプール戦と比べると明らかに多くなったし、複雑にもなってた。アンデルソンにしてもトップ下に居座るんじゃなくて、1つ下からトップ下に出ていくことでそのスペースを有効活用したと思う。これをシステムの進化として見ると面白いと思った。

ただ、実際にはこの後の時間にはシステム変更のメリットの部分も見られた。それはもはやマンUが好きなように攻撃を組み立てられてた時間帯。SBが超高い位置に入ってたのは上にも書いたとおり。この高い位置に入ってたSBが1つ前のWG(というかSMF)を1つ中に押し込んだ。結果として真ん中に厚みが加えられることとなる。近さも生まれた。ミランかって話。

この段階でトップ下アンデルソンのよさが見られた。半ば強制的に作られた近さの中でのパス回し。その中心にいたのがアンデルソンだった。アンデルソンを経由しながら、1タッチ2タッチで次々にパスが回る回る。しかも、相手ブロック内で。押し下げられたとはいっても相手はリバプールの守備ブロック。4‐4の安定したブロックを作ってたし、1つ1つのチェックも相変わらず忠実にかけ続けた。それを否すパス回しが見られたのは、大きな収穫。中盤的中盤がトップ下に入った効果がここにあったと思う。Cロナウドもギグスもサイドでの仕掛けはほとんどなし。タッチ数もいつもと比べればとてつもなく少ない。マンUらしくないと言えばマンUらしくないか。

どちらも面白い形ではあるけど、守備を考えると4‐3‐3の方が明らかに安定感がある。最初に書いたように、今回のマンUのシステムは4‐1‐4‐1。ローマ戦と同じく攻撃では4‐2‐3‐1、守備では4‐1‐4‐1みたいな使い分けが行われてた。守備ではローマ戦ほどはっきりした4‐1‐4‐1ではなかったけど。どちらにしても、これも相手が4‐2‐3‐1を使ってることに起因するものだったと思う。

人につく意識が強いマンU。それをはっきりさせるシステム合致。4‐2‐3‐1と4‐1‐4‐1が完全合致なのはローマ戦にも書いたとおり。そして、不思議なものでシステム合致を作ると守備意識が向上する。攻撃においても1×1の意識が強いマンUだからなおさらかもしれない。自分の対応する相手に入ったところで、素早く距離を詰めて仕事をさせないような対応が目立った。

前線の選手もいつも一応はブロックに戻ってくるギグスはしっかりと相手SBについて深い位置まで戻ったし、Cロナウドにしても低めの場所に守備で帰ってくることが多かったように思う。でも、システム合致を利用してる以上、戻ってきたり戻ってこなかったりってのだと大破綻が起きる可能性があるわけで。それを考えて、ローマ戦でのCロナウドを1トップに置く選択が生まれたってこともあったかもしれない。

そして、何よりもラストブロックの安定感。長らく4‐2で守備をしてきたマンU。当然のようにギリギリの守備。CBの跳ね返し力と、何よりもハーグリーヴスの存在が大きかった。でも、スコールズが帰ってきてからはハーグリーヴスはベンチへ。それでも4‐2で守備をしようとすると、さすがに無理が大きい。というわけで、4‐3で守備の安定へ。ついでに攻撃に力のあるCMF3枚を併用することで攻撃力もアップ。そういう公算があったかもしれないと思った。

ここで試合の流れについて軽くおさらい。4‐2‐3‐1から4‐4‐1‐1にされたリバプ-ル。そして失点。加えてマスケラーノの退場。踏んだり蹴ったり。システムを4‐4‐1に変更。前半は4‐4で受けてやり過ごし、後半から回復にかかる。中盤の4は前への守備意識を高めたように見えた。前半に押し込まれた流れをなんとか盛り返そうと頑張った。

そうやって前への意識を高めたリバプールの中盤に対して、マンUは入れ替わり立ち替わり4‐4の間に選手を投入。4‐4の間で受けていいの?って感じで、次から次へと選手が入ってくる。リバプールの中盤の4は怖くなる。前への意識が削がれていく。行こうか行くまいか迷う。結局、4‐4の関係を重視。マンUは相変わらずパスを回しまくりの展開が続いた。

その後、リバプールはバベルを下げてべナユンを投入。べナユンが具体的に何かをしたわけではないけど、この交代で吹っ切れる。背後なんて気にせずに前への守備意識を回復。攻撃でも前線の厚みを増すことに。ある意味では捨て身で前に出てきたリバプール。この勢いに対して、マンUが押し込まれる時間が生まれた。これに対してマンUはシステムを4‐4‐2へ。リバプールと同じく、この交代によって再び流れを回復。お疲れリバプールにとっては、この時間で相手の変則4トップが登場する最悪の展開。追加点を奪われると、切れてしまい3点目を奪われてジ・エンドだった。

マンUは2つのシステムをどうやって使い分けるのか。守備を考えて、相手の形によって使い分けるっていう可能性が1つ。もう1つは4‐4‐2から4‐3‐3へ本格的に移行してる途中だって可能性もある。ファーガソンはときたま4‐3‐3を試そうとすることがあるから、本来的には4‐3‐3をやりたいって可能性もなくはないわけで。ちなみに、そのシステムを利用するなら1トップにCロナウドを置いた形がいいと思う。中盤もアンデルソンをトップ下というよりはCMFの一角として使うローマ的な形がいい。トップ下で使うよさが見られたのは上に書いたとおりだけど、マンUらしい前線のグルグルポジションチェンジが失われるのが惜しい。

対してリバプール。攻撃では良さの片鱗を見せた。守備でも受ける形で入ってきたところをつぶす良さがある。今回はこういう結果になってしまったけど、スランプ時からの立ち直りは明らか。ただ、4‐2‐3‐1が4‐4‐1‐1になってしまってばかりだと問題。やっぱり前からの守備を復活させて、それを防ぐのが一番手っ取り早い気がする。相手SBに対してリバプールSMFが自分たちから向かっていく守備をすれば、今回のように受動的に引かされることはないと思うし。ちなみに、攻撃において今の意識を維持するならば別に4‐2‐3‐1にこだわる必要もないかなって思う。4‐2‐3‐1はリハビリ的に捉えて。
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この記事のコメント
お願いがあります。アーセナル雑感も よろしくおねがいします。 いつも たのしんでみています。 さいこうです。かんしゃして おります
2008-04-08 Tue 18:45 | URL | SOSO #VZU2v4Eg[ 内容変更]
[]
余りあるお言葉ありがとうございます。アーセナルについては試合を見てから、コメントしようと思います。リバプール戦か、もしかしたらその前の試合についてもコメントできるかもしれません。
2008-04-08 Tue 19:12 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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