ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-04-18 Fri 17:51
マンU×アストン・ビラ
<マンU:4-4-2>
FW:ルーニー-テベス
MF:ギグス-Cロナウド、スコールズ-キャリック
DF:エブラ-ビディッチ-ファーディナンド-ブラウン
GK:クシュチャク

トップが守備をするのかしないのか、それが問題。マンUに当てはまる、このキーワード。今回の試合のマンUにも例外なく当てはまったのも事実。久々に4‐4‐2だったし。ただ、そんなマンU以上にこのキーワードが当てはまったのはアストン・ビラの方だったのが今回の試合だった気がする。このトップが守備をするか、しないかってところでアストン・ビラの運命が決まったイメージ。

そもそも、アストン・ビラのトップは守備をしっかりとやるイメージが強い。少なくとも、過去に見たアーセナル戦とチェルシー戦ではそうだった。マンUのように、守備をしたりしなかったりっていう気まぐれの様子は見られず、忠実に前線からの守備をして行く様子が見て取れたと思う。そして、そのトップの守備こそがアストン・ビラの攻守に渡る流れのスタートとなっていた。

トップが守備のスタートとして機能し、1つ1つのチェックを忠実に行う。それに後ろがしっかりと連動して、高い位置で効果的に奪う。そういう守備から攻撃へのスムーズな切り替え。今度はトップが攻撃の起点として機能して、うまくボールを引き出す。典型的なショートカウンターで攻めきる意図が強いのがアストン・ビラの特徴。攻撃を遅らされたらされたでサイドを利用した攻撃っていう選択肢もあるわけだけど、どちらにしてもトップに当てる意図が強い。だったら、高め=トップの選手の近くで奪ってそのまま切り替えた方が効率がいいわけで。というわけで、アストン・ビラの攻守の流れは前線からの献身的な守備がベースになってるって言ってもいいと思う。

というわけで、試合前の注目点は前線から守備をするアストン・ビラに対してマンUがどうやって攻撃の組み立てを行うかってことだった。何しろマンUのシステムは4‐4‐2。4‐2‐3‐1システムを利用してるときには、組み立てにトップ下(アンデルソン)が助けに来るっていう方法で、高い位置からの相手の守備を否すことにある程度は成功したマンU。足元得意のアンデルソン&キャリック&スコールズが中盤の低めで並ぶことで、相手にプレッシャーをかけられた時にも落ち着きを保ったまま攻撃を組み立てる下地ができあがった。ただし、4‐4‐2では未だその問題は解決していないわけで。アストン・ビラが高い位置から来ることが予想される以上、それをどう否すかってのが今回の試合の1つのポイントだった。でも、ポイントになるはずだったってことで終わってしまったわけだけど。

最初に書いたとおり、今回の試合のアストン・ビラはトップが守備をするかどうか、それが問題だった。立ち上がりの時間は高い位置からの守備の良さが見られたアストン・ビラ。ある程度予想通りに前線からの守備が機能して、中盤で効果的に引っかけるシーンも多くなる。ただ、時間が経つにつれて、それが見せかけのものだってことが判明。見せかけってのは、そういう高い位置の守備がこの試合の本来的な守備のベースではなかったってこと。高い位置からの守備が効くのは、切り替え後の場面だけ。立ち上がりは後で書くようなマンUの問題によって、攻撃で深い位置に入り込むシーンが多くなったから、結果として高い位置での効果的な守備が目立ってってたってのが真相だったと思う。

じゃあ、ベースの守備はどういうやり方か。それは普通にコンパクトな4‐4‐2を自陣に作るってことだったと思う。能動的な守備を予想してた方としては真逆の展開。完全に受ける体制を作って、入ってきたところを狙おうっていう守備の姿勢が見て取れた。結果としてマンUのCBが落ち着いてボールを持てるシーンが多くなった。本当はこの2人をいかに焦らせるかがポイントだったのに。今回の試合でのマンUのGKはファン・デル・サールではなくクシュチャク。よって、いつもようにアストン・ビラがトップからの守備を機能させれば、マンUのCBはいつも以上に焦ったはずだったのに。そういう意味ではアストン・ビラが受けの体制を作ってくれたことは、マンUにとってはラッキーだったかもしれない。

それでもこの時点ではアストン・ビラの守備に致命的な欠陥が見られたわけでもなかった。トップが守備のスタートとして機能しないから、中盤で効果的に奪えなくなったのは事実。ただ、1つ入られれば後ろの4‐4でラストを固めるっていう選択肢がアストン・ビラには残されてた。これはチェルシー戦、アーセナル戦でも見られた形だけど、前からの守備を外された時にアストン・ビラのラストブロックの質はそれなりに高かった。今回は前からの守備を自ら放棄したわけだけど。とにかく、そういう4‐4のブロックに入り込もうとするところを引っ掛けるっていう方法の守備で安定感は維持できてた印象。

ただし、この4‐4‐2の守備にも徐々に綻びが生まれてくる。これについてもキーになったのはトップの2枚。しっかりとしたブロックを作ってるときには、当然のようにトップもそのブロックの一角として機能してたアストン・ビラ。トップが単純に横並びで4の前にいるって形だけじゃなくて、縦っぽい関係性になってたこともあったけど。どちらにしても中盤の4とトップの間にギャップができないような守備のやり方を採ってた。つまり、相手のCBはある程度自由にさせてやるけど、CMFには自由にボールを入れさせないぞっていう形。結果として、マンUの組み立てを本当の意味で機能させることは防いでたって言える。

でも、残念ながら時間とともに2トップが中盤からはがれていった。理由は分からないけど、とにかく4‐4‐‐2になっていったと思う。結果としてマンUのCMFが4‐2の間に入り込んで浮くっていうシーンが明らかに目立ったと思う。そういう4‐2の間でボールをフリーで持つ場面も目立った。要するにマンUの出し手のところが完全に浮いたって形。さらに、4‐2の間でボールを自由に持てるようになった時点でマンUはそこに2枚を横並びにしておく必要がなくなった。1枚は飛び出して行って、前線に厚みを加えるっていう役割を担えることとなったと思う。

もちろん、アストン・ビラの方も黙ってはいられない。スコールズが中盤でフリーでボールを扱ってるなんて状況は怖くて怖くてたまらない。だったら、FWを再び中盤に近づけるってやり方を採ればよかったんだろうけど、アストン・ビラはそういうやり方を選択しなかった。守備をするんだかしないんだか分からないFWに頼ってられないってことで、4‐2の間のスペースへのケアを中盤が担当することとなったと思う。この選択が結果として、致命的だったって言っても過言ではなかったと思う。

中盤が4‐2の間のスペースを埋めるって言ったって、やっぱり1つ1つの対応は遅れ気味。前線で制限がかかってないんだから、これは仕方がない。よって、中盤の選手が実効性が薄いチェックのために、背後にギャップだけを残してきてしまうっていう状況が生まれることとなった。そして、その4‐4の間にできたスペースはマンUの前線の選手の大好物。システムについては後で詳しく書くけど、4‐4‐2を使った今回のマンUは再び前線の流動性が活性化してた。要するにトップ下の場所が空いたことをいいことに、そこへの出入りを激しくし、さらにそれを全体に波及させるようなグルグルポジションチェンジが目立ったってこと。

つまり、マンUの流動性の中で重要なポイントとなるトップ下の場所が今回は空いてたことになる。そして、相手の4‐4の間のスペースがその場所と完全合致。敵も味方もいない空白地帯に、ルーニー、テベス、ギグス、Cロナウド、さらにはボール保持者じゃないCMFが次々に顔を出してくる。相手はそれを捕まえられない。よって、この時点でマンUの方は受け手が浮いてる状況が生まれた。2、3点目がこの場所を1度経由させてる(そして、その経由点になってるのがスコールズとCロナウド)っていう部分を見ても、このスペースの重要性が見て取れると思う。

アストン・ビラの方は致命的な展開。4‐2の間が空いてしまって、マンUの出し手が浮く。それに対応するために中盤の4が引っ張り出されて4‐4の間が浮く。結果としてマンUの受け手が浮く。全く持って、守備の勝負どころが定まらない状況。さらに、4‐4の関係性が崩れてしまって時点で人数をかけて最後を固めるっていう選択肢を選ぶのも不可能になってしまったと言ってもいい。

4‐4の間に入り込まれるシーンが増えたアストン・ビラには当然のように怖さが生まれる。結果として最悪でもゴールへの最短距離は絞めてやろうっていう意識が強まって行った印象。だから、全体として中寄りのポジショニングが目立っていった。そもそも4‐4‐2のコンパクトブロックを作った時点で、一体感をもたらすために全体を中寄りにしたって部分もあったわけだけど。とにかく、そういう中寄りのアストン・ビラブロックに対してマンUは時折、斜めの質で逆サイドの深い場所を突くようなロングボールを蹴ることで揺さぶりをかけていった印象。

そういうわけで、好きなようにマンUにやられてしまった印象の強いアストン・ビラ。だからこそ、アストン・ビラが受ける意識が高いような守備のやり方を採ってきたのが返す返すも残念。アーセナル、チェルシーにも通用した前線からの守備をどうして放棄したのか。しかも、特にマンUに対しては出し手を浮かせた時点で危険な状況を覚悟しなければならない。4‐4‐2を利用してきた今回は。動き回る前線の選手を捕まえるのは難しいわけだから、受け手の方にしっかりと対応するってのは現実的じゃない。だから、そういう前線の選手に対するボールの出所を押さえるべき。そして、ここまで書いてきたとおりアストン・ビラはそれができるチームのはず。今回の試合では前線からの守備をやめて、マンUの出し手を浮かせてしまった時点で勝負ありだったって言えるかもしれない。

ちなみに、前半のカリューのアクシデントによる選手交代でアストン・ビラはシステムを変更。4‐2‐3‐1の形を採ってきた。このシステム変更は合理的だったと思う。守備だけを見れば、全く機能していなかったトップを1枚削る。その代わりに中盤の枚数を増やして1列から2列へ。結果としてトップと中盤との間に前の3が引っ張り出されても、後ろの2がDF前にしっかりといるから大丈夫って形。

でも、実際にはそれほど安定感が出たわけではなかった。それは守備を後ろの4‐2に任せる部分が大きくなってしまったから。確かにマンUのSBが積極的に攻撃に出てこなかったから、数的には4‐2で守れないことはない。でも、前線でポジションを代えまくる相手に対して4‐2は心もとない。特に中盤の2の薄さが目立って、結局はDF前でボールを受けられてしまうシーンは減らなかったと思う。後半途中にマンUの方もシステムを変更して、SBの攻撃参加を活発にしながらサイドをより活性化させても相変わらずアストン・ビラは4‐2守備。結果としてサイドから斜めに入ってきたルーニーが完全にフリーっていう4点目みたいな状況が多々生まれることとなった。

というわけで形勢は圧倒的にマンU有利だった今回の試合。結果を見ても4‐0でマンUが圧倒した。でも、上にも書いたとおり立ち上がりはアストン・ビラの方が良さを見せたのも事実だったと思う。そして、その原因はアストン・ビラの側がめちゃめちゃよかったっていうよりも、マンUがめちゃめちゃ悪かったっていう方に求められる。今回のマンUの立ち上がりは明らかに何かがおかしかった。そのおかしさを一言で表すならば4‐4‐2への戸惑いだった気がする。おそらく、久々の4‐4‐2を使ったこの試合。どうやって守備をするのか、どうやって攻撃をするのか忘れてしまったんじゃないかっていうぐらいに立ち上がりの内容はひどかった。

そのスタートはまず、攻撃から始まってる。攻撃のまずさについては4‐2‐3‐1システムに変更する直前の悪さと大きくは変わらなかった。要するに、なぜか縦縦への急いでしまう現象。今回の試合でも同じように、そういう縦へ急ぐ現象が見て取れた。相手の切り替え後のプレッシャーがそれなりに厳しかったのは上にも書いたとおりだけど、別につなごうと思えばつなげたレベル。にも関わらず、低い位置で保持せずに、早く前線に当てようとする意識が強まってる。

こういう点については後で詳しく書くけど、4‐2‐3‐1よりも4‐4‐2の方が縦への意識が強いのは間違いないと思う。それは中盤の厚さの影響もあってのこと。ただ、4‐4‐2システムでもなんでもかんでも縦へ縦へっていう意識ばかりではない。これは今回の試合の途中からの流れで見て取れた部分。ただし、今回の立ち上がりを含めて悪いときのマンUは例外なく縦を急ぐ様子が見られるのは確かだと思う。

とりあえず、そうやって縦を急いでいた立ち上がりの時間のマンUについて見てみる。縦を急ぐマンUの攻撃ってのは、要するに前線の4人でなんとかしてねっていうやり方。スペースがあればあるほど持ち味を発揮できる前線の選手たちだから、相手の守備のバランスが整う前にそこを使おうとする考え方自体は悪くない。ただし、相手の守備陣にとっても狙いがつきやすいってのを忘れてはいけない。いつでも同じように縦にボールが来るならば、そりゃ相手も狙ってるよって話。それに、上にも書いたようにアストン・ビラの方は攻撃の切り替え後の守備はいい形で効いてたし。

というわけで、アストン・ビラがマンUの縦パスを途中で引っ掛けるシーンが多くなった。そのときにマンUの守備が致命的な状況に陥る。マンUの守備は両極端。前線でやるか、後ろで跳ね返すか。要するに攻撃からの切り替え後の守備がかなりのウエイトを占めてる。でも、縦に急いだマンUの前線は明らかに薄い。しかも、そういう前線の選手の前でボールを引っ掛けられてる。よって、重要な守備の勝負どころである前線の守備が全く機能しない状況。

じゃあ、後ろの守備はどうかって話になるわけだけど、こっちもかなり危険。何しろ攻撃への切り替えの縦パスが引っ掛けられてるわけだから、守備のバランスがいいわけがない。それにCMFが攻撃へ行こうと前線に向かってるシーンも多かった。結果としてバランスが悪いだけじゃなくて、枚数的にも4‐1っていうかなり危ない状態で受けなければならないシーンが多発。そんな状況で守備の勝負に行けるはずもなく。勝負に行って外されたらたまったもんじゃないから。結果、ズルズル下がる。ラストはクリアが精いっぱい。よって立ち上がりのアストン・ビラのCKの多さがかなり目立ってた。

さらにさらに、今回の試合の立ち上がりのマンUは局面局面での守備のあいまいさも目立ってたと思う。アストン・ビラの攻撃は最初にも書いたようにトップに当てることが最初の目標になってる。今回の試合に限って言えば、受ける役割を果たしたのはカリュー。カリューがかなり自由に動き回って効果的に引き出しを行ってたのは事実ではあったけど、あまりにも簡単に起点にさせすぎてたと思う。カリューへのボールの入りどころに対するプレッシャーが全く効いてなかった。

高い位置で効果的に引っ掛けて、しかも簡単に狙いどおりにトップに当てられたアストン・ビラ。当然のように攻撃がうまく回った。カウンター的に一気に攻めきるシーンも目立ったし、深い位置に1つ起点を作れることで後ろからの攻撃参加も活発になった。ボールの近くで関係性を作る人数の多さ、さらに攻撃の厚みはマンUのそれよりも明らかに質が高かった印象。

そして、マンUの立ち上がりの守備はそういう相手の攻撃の厚みに対してもうまい対応ができてなかった。相手のCMFなり、SBなりが後ろから出てきてもマンUの前線の選手が全く戻ってこようとしない。4‐2‐3‐1システム変更後のマンUの守備ブロックは4‐3で守ることが多かったから、今回の試合では久々に4‐2で守るマンUを見れた印象。全体のバランスが悪い、局面が微妙、ラストブロックが薄いっていう問題点を抱えまくりの立ち上がりのマンUの守備だったと思う。ついでに、そこに至る縦急ぎ攻撃もなんとかしたいところだった。

こういう最悪の流れからマンUが抜け出したのはアストン・ビラのおかげ。例の4‐2の間にスペースが出来上がったことが大きかった。これによって4‐2の間でCMFが浮く状態になったってのは上にも書いたとおり。そのCMFの場所を経由させることで、中盤をすり抜けて前線の4に向かっていったボールの縦のスピードがおさまった。要するに落ち着きがもたらされたってこと。加えて、余ったもう1枚のCMFが前に出て行くシーンが増えたってのも上に書いたとおり。結果として前線の4枚だけに任せるような攻撃からの脱却を図ることができたと思う。

ただし、SBは相変わらず攻撃には積極的ではなかった。それまでの時間は縦に急ぎすぎて追いつけないって側面があったんだろうけど、この時間は出ていくタイミング自体はいくらでもあった。だから、たぶん奪われた後の怖さがあったんだと思う。何しろこの時点ではまだ、前線が守備の助けに来てくれてなかったから。CMFが1枚出て行ってしまっていることを考えると、SBまで攻撃に出ていると、奪われた瞬間に大変なことになるし。それから、それまでと比べてマシになったのは言っても、やっぱり中盤であまり時間をかけずに縦を急ぐ意識自体が高かったのも要因の1つだったかもしれない。この時間の縦への意識は上に書いたとおり、出し手も受け手も浮いてる状況での意図があったものだったから、それほど悪かったとも思わないけど。

そんなこんなの流れの中でマンUが先制点を奪う。この得点以降、遅ればせながらやっと守備の方に修正が加えられた(攻撃が一足早く修正されたのはここまで書いてきたとおり)。それまでに悪かったところを一新したイメージのこの修正。やっと4‐4‐2のときの守備のやり方を思い出したかっていうイメージ。この修正以後はそれまでの不安はどこへやら。相手にほとんどいい形を作らせない展開となった。

その修正の1つとしては、まず、前線の選手が戻ってくるようになった。相手のSBの上がりに対して、Cロナウド(ポジションチェンジ中のルーニー)とかギグスがしっかりとついて来るようになった印象。本当の意味の4‐2でてんてこ舞いだった後ろの選手として見れば、これほど有難いことはなかったと思う。同時に2トップを縦関係にして、トップ下のスペースをテベスが埋めることになった。2トップが縦になるときのマンUは前線も守備を頑張るマンU。

テベスはそれまでの時間も自分の前に対してがんばって守備をしてたけど、それが全く報われてなかった。誰もその後に連動してきてくれなかったから。そんなテベスがトップ下の場所に入って、自分の後ろに対する守備を始めてからは目立ちまくり。守備で人が足りないところに助けに行きまくってたのが印象的だった。そして、そうやってテベスが守備で下がってきたことで攻撃の奪った後の攻撃の縦急ぎも減少。下がっていたテベスに1度預けて落ち着かせてから、しっかりと組み立てるってやり方が多くなったと思う。もちろん、チャンスがあれば一気に縦に進んでカウンターを仕掛けるわけだけど。

これによって全体のバランスが回復気味のマンUの守備。さらに、局面での守備の改善が大きかった。相手ボールに対してしっかりとチェックを仕掛けようとする姿勢が見られるようになった。1つ1つがあいまいだから、その実効性は甚だ疑問だったけど、まあ守備意識が高まったってことで。それに、出し手に対する守備がある程度ルーズでも、後ろがきっちりと対応するようになったのが大きい。入りどころに対して距離を詰めた対応が目立った。そして、今や中盤に厚みが生まれてるマンUの守備ブロック。入りどころに対する最初の厳しい対応に対して、前後での挟み込みが目立つようになった。4‐2じゃ無理なこういう挟み込みが多くなったのが、ブロックのバランスが改善された証拠。結果として相手のカリューは全く目立たない存在になってしまったと思う。

さて、ここからは4‐4‐2か4‐3‐3(4‐2‐3‐1、4‐1‐4‐1)かって話に移ろうと思う。今回の試合では4‐4‐2を採用してきたマンU。どっちを使うかをどうやって決めてるのかが、まずは問題。選手のローテーションの意味合いもあるだろうけど、個人的には守備を考えての面が大きいんじゃないかって気がする。ここまで書いてきたとおり4‐4‐2の守備は4‐2になりがちなマンU。それに対して、4‐3‐3だと4‐3ブロックを作れる安定感がある。もう1つシステム合致を作るって意味合いもあるかもしれないけど、それは二次的かなって気がするし。実際に4‐3‐3を使ってきた試合は、同等以上のチームとの対戦が多いと思う。

さて、今回の試合では4‐4‐2を利用してきたマンU。ただ、途中から4‐3‐3へと変更を加えてきた。変更を加えたのは、後半のファーディナンド→ハーグリーブス、エブラ→オシェイ、キャリック→アンデルソンの交代以後。メンバー的にはそのまま4‐4‐2でもできたんだろうけど、形は4‐3‐3っぽいものに変わってた気がする。

っぽいってのは、はっきりしたものじゃなかったから。まず、最終ラインは単純にオシェイ-ファーディナンド-ブラウン-ハーグリーブス。その前にスコールズがいて、OMFの場所にギグスとアンデルソンが並ぶ形だったと思う。難しいのは前線の組み合わせで、左サイドにルーニーが出てたのは確かなんだけど、Cロナウドとテベスはどちらも真ん中っぽい場所でプレーしてた。ちなみに守備時はその2人を前線に残して、中盤を変則的にルーニー-ギグス-スコールズ-アンデルソンみたいな形にしてたと思う。普通の4‐4‐2だったら、アンデルソンを中に入れてギグスをサイドに出せばいいわけだから、この辺から単純な4‐4‐2じゃないだろうなってのが見て取れた。そして、何よりもやり方が大きく変わったと思う。

その変化は2、3点目と4点目を比べると分かりやすい。2点目はカウンター的な流れ、スコールズが攻撃のスタートとして左へ展開、自身は相手の4‐4の間に飛び出していく。その4‐4の間で受けたスコールズは次は右へ展開。そこで受けたCロナウドから一番遠いサイドのテベスへクロスって形。こんだけ左右に振られたら、相手は対応するのは難しかったと思う。3点目は相手のDFの前でCロナウドが方向を変えて、ウラに抜け出したルーニーへ。両方に共通してるのは縦のスピード。対して4点目。このシーンの前段階でマンUはかなりの長時間ボールを保持した。そうやって時間をかけたことで、両SBも高い位置まで上がってきて前線に超厚み。最終的には真ん中でのパス交換で相手を引きつけておいて、完全にフリーになったサイドのルーニーへの展開だった。

ここに4‐4‐2と4‐3‐3の違いが鮮明に表れてる。それはボールを保持できるかどうかってこと。4‐4‐2の場合は中盤で圧倒的にボールを保持するってことがない。その理由はある意味では簡単で、中盤がCMF2枚しか存在してないから。前線は変則4トップって形で動き回りながら、あくまでも受け手として機能する。結果として、後ろが供給役、前線はボールをもらって少人数でなんとかするって形になってる。よって、中盤の滞在時間が短く、結果としてSBの攻撃参加が少なかったのも上に書いたとおり。

対して、4‐3‐3の場合は中盤での滞在時間が圧倒的に長い。中盤の真ん中の場所がたった1枚でも増えた影響は、かなり大きい。そうやって中盤での滞在時間を延ばすことで両SBも積極的に攻撃に参加してくる下地ができる。そうやってSBが上がってくることで、1つ前のWGを中に押し込んでますます中盤を厚くするような相乗効果も生まれる。攻撃の厚みっていう意味では、こちらの方が4‐4‐2よりも圧倒してると思う。

ここまで見てみると、守備面と中盤の構成力っていう意味で4‐3‐3のが優れてるっぽいわけだけど、もちろん4‐4‐2の方が上回る部分もある。それは前線の流動性。上にも書いたけど、トップ下の場所を空けていることで入れ替わり立ち替わり選手が出入りしてくるっていう面白さがある。例えば4‐4‐2のときには本来のトップの場所だけじゃなくて、サイドなり、トップ下なりに積極的に顔を出していたルーニーが4‐3‐3変更後は右サイド張り付きになってたのが象徴的だと思う。全体として相手を混乱させることを考えたら、変則4トップの方が上。つまり、前線へのボールの供給のしやすさで言えば、明らかにこちらの方が上。相手は捕まえ切れないわけだから。

ちなみに個人的には4‐3‐3派になびきつつある。4‐3‐3導入当初はポジション固定っぽいやり方に抵抗があったわけだけど、こないだのローマ戦(この試合の後だけど)を見る限りでは4‐3‐3に4‐4‐2的な流動性の要素を組み合わせる下地もできあがってきたかなって思うわけで。あの試合は基本ポジショントップ下のハーグリーブスが一番目立ったのはサイドだったし。そうやってハーグリーブスがサイドに出ることが、トップ下の場所に出入りができるスペースを空けることにもつながってた。それに、上にも書いたように4‐3‐3の方が攻撃に厚みが加わる。4‐3‐3でSBを高く上げたことがリバプール戦で主導権を握ることにつながったのは、そのときにも書いた通り。そして、攻撃だけじゃなくて守備にも厚みが加わるってのが一番。4‐2なんていう不安定守備よりは常識にかなった4‐3の方がいいに決まってる。ビディッチ不在の現状ではなおさら。

ちなみに、4‐4‐2のマンUにあこがれたのが今回のアストン・ビラだった。攻撃ではトップと両サイドにFW登録の選手を使い、ポジションチェンジも活発化させてた。マンUほどの流動性が生まれてたかって言えば、そこまででははかったけど。さらに、見習わなくていい守備面までマンUを見習ったアストン・ビラ。守備の中で重要な部分を占めたのが攻撃後の切り替え。トップの守備は気まぐれ。途中からは4‐2で守ろうとする。本当にマンUのやり方をまねしたってことはないだろうけど、ある意味ではそっくりな2チームの戦いになった気がする。
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この記事のコメント
お久しぶりです。
これだけ書いていると眼も肥えてきたのではないでしょうか。
マンU―バルサはローマ―アーセナル並に面白そうなカードです。
ムービング化したチェルシーやUEFAで期待のゼニットがどこまでやれるのかも気になります。

ファーガソンのチームは10年位前から見てますが、展開に応じて色々なポジションをやらせますね。
ベッカムもCHの選手でしたし、ギグスは左右トップ下から組み立て役までチーム事情に応じて長年活躍しています。

ポルトでのアンデルソンは典型的な10番タイプだと思っていたので中盤に定着したのは意外でした。
ファーガソンは彼のアタッカーとしての能力も知っているでしょうし、ギグスも年齢的に配給役にしたい選手かもしれません。

4-2-4(4-4-2)と4-3-3(4-5-1)を使い分けますね。
昔は4―5―1で守って強力なサイドアタックというカウンターのチームでしたが、黄金期に入ると2トップにすることで起点を増やし組み立てからのゴールが増え、最近は攻撃タレントを活かした流動的なスタイルですね。
相手に構えられるようなチームに成長するにつれスタイルもタレントも攻撃的になってきました。

4―2―4の流動スタイルはFWが抑えられてもSHが点を取れるので効果的です。(守備は知りません・・・)
アーセナルはピレス・リュングべリ・ウィルトールがいたときのように、SHに決定力や運動量が無いと厳しかったのかもしれません。

ヴェンゲルがエドゥアルドやVペルシーを外で使うのも分かりますが、
オシムが佐藤や播戸・山瀬をSHで使うスタイルを止めて、遠藤・俊輔のところで溜めてサイドチェンジを繰り返しながら楔を入れていくポゼッションスタイルにしたように
フレブやロシツキー、エブエを生かした方が面白いとおもいました。
2008-04-19 Sat 18:19 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
[]
お久しぶりです。

ベンチの人数制限が厳しいこともあってか、複数ポジションができるってことを求めてるかもしれませんね。最近ではハーグリーブスが数試合のうちに、CMFからトップ下、さらにSBからサイドアタッカーといろんな役割をこなしてます。

4‐2‐4システムの方が爆発力があり、面白さがあるのも確かです。ある意味ではマンUらしいですね。守備に関しても、本気で守りたいならばCロナウドをトップにおいて、サイドにルーニーを出すってやり方もあったでしょうし。ただ、ここにきて4‐5‐1で安定感を求め始めたかもしれませんね。攻守に渡って、落ち着きとか安定っていう意味では4‐2‐4<4‐5‐1だと思います。

アーセナルは選手層の薄さが痛いですね。毎回メンバーが違っても同じ質で戦えるリバプール、マンUと比べるとやっぱり違いが見えます。ロシツキーは怪我ですし、エドゥアルドが抜けたことでサイドにウォルコットとかVペルシーを使わざるを得ない状況ですね。最近はあまり見てないので現状はわかりませんが。
2008-04-19 Sat 19:47 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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