ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-04-26 Sat 18:46
バルサ×マンU
<バルサ:4-3-3>
FW:イニエスタ-エトー-メッシ
MF:シャビ-デコ、ヤヤ・トゥーレ
DF:アビダル-ミリート-マルケス-ザンブロッタ
GK:Vバルデス

<マンU:4-4-2>
FW:テベス-Cロナウド
MF:パク・チソン-スコールズ-キャリック-ルーニー
DF:エブラ-ブラウン-ファーディナンド-ハーグリーブス
GK:ファン・デル・サール

マンUのシステムは4‐4‐2。セオリー通りに考えれば4‐3‐3(4‐5‐1)かなって思った試合前。なぜなら、相手がバルサってことを考えれば中盤は厚くしたいところだし、何よりも今までも何度も書いてきたように人ベースの守備をするマンUだから、システム合致を考えても4‐4‐2よりも4‐5‐1の方がしっくりと来る。なぜに4‐4‐2かってのがメンバーを見た時点の感想だったわけ。ただし、実際に試合が始まってみたら何のことはない普通に4‐5‐1だったわけだけど、なんでアンデルソンじゃなくてテベスなのかってのが1つのポイントになるかもしれないと思った。そして、それは相手との関係を考えた結果だったのかなって思う。そういう部分について見てみたい。

マンUのメンバーを素直に捉えればルーニー&テベスの2トップにCロナウドとパク・チソンが中盤の両サイド。守備に重点を置くときのマンUのやり方の選択肢に、こういうやり方があるのも事実。Cロナウドの守備は計算に入れず、逆サイドのパク・チソンがCMF的に振舞う。結果としてCロナウドが守備をしなくても、4‐3っていうとりあえずは安定した守備ブロックは形成できるってもの。

でも、今回の試合ではさらに守備的な布陣に。Cロナウドをトップに押し出して、両サイドをルーニーとパク・チソンに。どっかで見たことがある、このやり方。それは準々決勝のローマとの第1戦。あの試合はベースとなるシステムが4‐5‐1だったけど、両サイドにパク・チソン&ルーニーを置くってのは今回と同じ。守備の計算ができないCロナウドをトップに置くってのも今回と同じ。バルサ相手、しかもアウェーの今回の戦い。いくら片方のサイドにパク・チソンを置いたとしても逆サイドがCロナウドじゃ不安ってことか。4‐3ではなくて、あくまでも4‐4のブロックを作りたいって考え方が見られたと思う。

ただし、ここまでの時点ではなぜに4‐5‐1ではなくて4‐4‐2かってことに答えられてない。別に4‐5‐1の両サイドにルーニーとパク・チソンを配置してもいいわけで。なぜにアンデルソンじゃなくてテベスがスタメンだったのかっていう疑問には答えきれてない。実際に本当のところの意図を推し量るのが難しいってのも事実なわけだけど(当たり前か)、ちょっと考えてみたところを書いてみたい。

1つの理由としては、絶対的に劣勢になるっていうことが念頭にあったんじゃないかと思う。相手はバルサでしかもアウェー。そりゃ、絶対的な優位に立つのはおそらく無理。というか、パスを回されまくって、ベタ引きにさせられるっていう想定は少なからずあったはず。むしろ、チームとして最後の最後の場所に人数をかけて固めようっていう積極的ベタ引きの考え方があった気がする。ローマとの第1戦でも見られたような簡単に前の守備をあきらめて最後で跳ね返しましょうっていう積極的ベタ引き。しつこいけど、今回の相手はバルサ。ローマ戦よりももっとゴール前にベタ引きにされるだろうなっていう気持ちがあってもおかしくない。

そのときに攻撃をどう仕掛けるか。前にも書いたことがあるけど、マンUの4‐5‐1は自分たちが主導権を握る形。4‐5‐1だから主導権を握るのか、主導権を握りたい試合で4‐5‐1を使うのかは微妙。とにかく、中盤の厚みを増すことでボールの支配率が上がるのは確か。中盤での保持時間を伸ばし、後ろからの上がりを促進して、攻撃に厚みを加える。じっくり攻めるのが4‐5‐1。4‐5‐1について詳しく書いても仕方がないから、このぐらいにするけど。

対して4‐4‐2は攻撃は前線に任せますよって狙い。攻撃時の考え方は4‐2‐4。トップ下の場所を空けて、その場所の出入りを激しくしながら前線の流動性を高める。そして、早めにその前線の選手にボールを送る。そうやって早めに前線にボールを送ることで、敵は未だ準備ができてない。味方も少ないけど、そこはスペースがあればあるほど生きてくるマンUの前線の選手たち。動き回ってマークを振りほどき、敵も味方も少ない広大なスペースの中で少人数で攻めきる。それが4‐4‐2システム時の攻撃。CMFがうまく絡んで前線に厚みを加えることもなくはないけど、最近のマンUの4‐4‐2は4‐5‐1との差別化で縦へのスピードが目立ってるのも事実。

さて、今回の試合ではどちらを選択した方がいいのかって問題。ボール支配型の4‐5‐1か、縦急ぎの4‐4‐2か。守備でベタ引きにされる(意図的にベタ引きで守る)ことを考えれば、どう考えても攻撃はカウンター頼みにならざるをえない。そして、それに適してるのは縦急ぎの4‐4‐2。両サイドのパク・チソンとルーニーは守備でかなり深い位置まで押し込まれたとしても、攻撃になれば最前線まで出てくる頑張り屋。それはローマとの第1戦でも証明済み。ベタ引き守備で跳ね返し、前線に速攻で送ったところに頑張って両サイドが追い付く。相手が攻撃に人数をかけてくることを考えれば、十分に人数は足りてるカウンター。狙いとしては間違ってないと思う。ただし、それが狙いどおりにできたのかどうかは後々の話。

そういうわけで4‐5‐1じゃなくて、4‐4‐2を使った理由の1つは守備と攻撃のつながりを考えてのものなんじゃないかと思う。そして、もう1つの理由が相手の攻撃との関係性。特にヤヤ・トゥーレの存在。バルサの中盤のアンカーに入ったヤヤ・トゥーレは攻撃時にはバランサー的な役割を担う。前線にいつも入り込んでいくわけじゃなくて、後ろに残って逃げ場として機能しつつ、ここぞの場面で飛び出すっていう動きが多い。つまり、ヤヤ・トゥーレはあくまでもヤヤ・トゥーレの場所でプレーするわけで、攻撃時に後ろに残っていることが多いってことになる。それに対してマンUはわざわざ中盤の選手をつける必要があるのかってことがあった気がする。普通に2トップを縦関係にすれば、済むだけの話じゃないかっていう。

マンUが4‐5‐1を使うときには相手が4‐2‐3‐1であることが多い。つまり、中盤の底の場所に2人が置かれてる形。だから、相手の1枚が残って1枚が前線まで飛び出してくるってことが多いわけ。その飛び出しに対応するために、中盤の選手をつけるっていうことがあるのかもしれない。まだ、実際には見てないけどアーセナル戦でもマンUは4‐5‐1を使った模様。アーセナルのCMFも積極的に飛び出してくるわけで、それに対応するために中盤の選手をつけようっていう考え方のもとの4‐5‐1だったかもしれない。もちろん、アーセナルの中盤が怖いから厚みを加えたってのもあっただろうけど、それは後日見たときに注目してみたい。

話がちょっとずれたけど、とにかくヤヤ・トゥーレはそんなにめちゃめちゃ積極的にゴール前に出てくる選手じゃない。よって、わざわざ中盤の選手をつける必要がない。それに飛び出して来たとしても、そこにいるのは後ろへの守備が大得意のテベス。実際に試合の中で、ヤヤ・トゥーレの上がりに対してしっかりと戻って対応してたし。そういうことを考えたら、守備と攻撃のつながりを考えて2トップの方がいいんじゃないのっていったところか。結果として4‐4‐2が採用されたのかもしれない。

というわけで、ちょっと憶測めいた内容が多くなってしまったので、ここからは実際に試合を見た感想へ。試合開始からやっぱりマンUの方は積極的に行く意識はないなってイメージだった。トップに入ったCロナウドは完全に守備免除で(ちょっとやってもいいんじゃないかって思わされる部分は多々)、相手CBは完全にフリー。両サイドも前に向かって頑張るっていうよりは、後ろへの意識の方が強かったから(背後に相手WGがいたし)、低い位置でボールを触れる相手SBもフリー。バルサが低い位置でゆったりとボールを持つシーンが多かったと思う。

じゃあ、マンUの守備の勝負どころはどこだったか。普通に考えれば、相手が自陣に入ってきたところ=相手がブロックに入ってきたところってことになる。実質的な4‐5‐1を使ってシステム合致を作ってるんだから、入ってきたところで1つ1つ忠実に守備をしてくってのが妥当。でも、実際にはそうはならなかった。確かにチェックはする。でも、それは守備の勝負に持って行けるような厳しいものではない。一応のチェック、とりあえず最短距離は切りますよのチェックが多かったと思う。要するにローマとの第1戦と同じ考え方。相手がブロックに入ってきたところは、まだ守備の勝負どころではないっていうやり方。見方によってはルーズなやり方だけど、仕方のない部分もあった。

まず、距離を一気に詰めていくと抜かれるのが怖いってこと。何しろ相手はバルサ。1人1人の技術がとんでもない。相手のボール保持者にはりきって飛び込んで行ったら、あっさりと交わされるなんてことだってありうる。そして、それは非常に困るわけで。結果として飛び込めない。つまり、厳しく距離を詰めていけない。飛び込まない守備は傍から見てると、中途半端に距離を空けたルーズなやり方に見えてしまうってこと。

ただ、こういう状況を免れるための方法がないわけではない。それは相手の前線の選手にボール自体を触らせないってやり方。ボールの入りどころで先に触ればいい。でも、これも現実的ではなかった。何しろ前線では全く制限が効いてないマンUの守備。だから、どこかに狙いを定めるのは不可能。そして、動きながらボールを引き出すバルサの前線の選手たち。こういう状況下でゼロ距離の守備をするのは無理。よって、相手の入りどころを狙うってのは至難の業だった。

よって、マンUは相手が自分たちのブロック内にボールを送り込んでくるのをある意味では指をくわえて見てる状況だった。そして、この部分にはバルサの前線へのボール供給のうまさがあったのも事実だったと思う。マンUの選手たちは、バルサのやり方によってあるジレンマに陥ってしまった。結果として出し手に対しても、受け手に対しても効果的に守備に行けないっていう悪循環にはまって行ったと思う。実際にはこれがマンUにとっての悪循環だったのか、別にいいやってことだったのかは微妙なところだけど。

とりあえず、バルサのやり方について見ていきたい。スタートはバルサのトップ下が降りて行くことから。これに対して、マンUの守備陣、特に対応する相手であるCMFがどういう行動に出るかってのが1つのポイント。大雑把に言えば、(1)低い位置まで降りていく相手トップ下について行く(2)ついて行かないっていう2つの選択肢。でも、どちらにしてもマンUにとっては苦しい状況だった。

(1)ついて行く
:システム合致のマンUとしては、対応する選手にある程度までならついて行くのがベースとなるやり方。じゃあ、そのベースのやり方どおりに相手のトップ下に対してCMFがついて行ったら=引っ張り出されたらどうなるか。

その降りて行ったバルサのトップ下の選手がボールを自由に受けたり、扱ったりするのは難しくなる。後ろには対応するマンUのCMFがついてきてるわけだから。ただし、マンUのCMFとしては背後にスペースを残してきていることになる。DFと中盤の間のバイタルエリアにギャップを残すっていうリスクを負った上での守備ってことになる。そして、そのギャップをバルサの選手たちは見逃さない。メッシ、イニエスタ、エトーあたりがそのスペースにスルスルと流れてくる。特に目立ったのがメッシ。エトーが下がってそのスペースに出てくる場合には、単純にマンUのCBがついてくればいい。イニエスタも中に入ってくるような動きが目立ったのは事実だけど、今回の試合では根本的にバルサがメッシを経由させるような攻撃をしてたから。

この時点でバイタルエリアに受け手が入り込んだバルサ。マンUとしては、そこには何としてもボールを入れさせたくない。でも、その受け手の方は誰が見ればいいのか分からない状況。SBが中まで入ってくるのか、誰かに受け渡すのか。受け渡すって言ったって、誰に?って話。結果として中に入って行ったメッシ(なりイニエスタなり)が浮いてる状況。これは何としても出し手の方にしっかりとプレッシャーをかけて、パスを出させないような対応をしなければならない。

幸い相手の降りていったトップ下の選手にはしっかりと対応できてる。そのためにギャップができてるんだから当たり前と言えば、当たり前。ヤヤ・トゥーレもテベスがしっかりと見てる。でも、ここで思い出さなければならないことが1つ。相手の最終ラインは自由にボールを扱ってるってこと。しかも、高めの位置までフリーで出てきてた。この辺でCロナウドがもう少し守備をしてもいいんじゃないかって思ったわけ。何しろミリート、マルケスがヤヤ・トゥーレと同じぐらいの高さからパスを出すシーンがちらほら。それじゃ、他の場所を抑えても意味がないって話。どちらにしてもバルサの最終ラインが完全に浮いてて、何の問題もなくパスの供給役として機能したことで、出し手も受け手も浮く状況がバルサに出来上がった印象。

(2)ついて行かない
:(1)に失敗して、困ってしまったマンUの守備。とりあえずバイタルに入り込まれるのはヤバいだろってことで、相手のトップ下が降りて行ってもついていかない=引っ張り出されないっていう考え方が目立つようになって来る。ただし、根本的な問題解決には至らなかったわけだけど。

バルサのトップ下は低い位置に降りていくとマンUのCMFから離れることができた。よって、ボールを受けるのも扱うのも自由な状況。じゃあ、ついて行かなかったマンUのCMFはって言うと困ったことになった。そもそも人ベースの守備をするマンU。自分の対応する選手を放してしまったら、何をすればいいのかって話。しかも、その迷いに拍車をかけてきたバルサのやり方。低い位置でボールを受けたトップ下の選手が、ドリブルで持ちあがってきた。同時にまたしてもバイタルエリアに対する相手3トップの動きによる仕掛けが始まる。マンUのCMFはどっちを見るべきなのか。ドリブルに対応しようとすれば、その瞬間バイタルが空いてしまって、ついて行かずに待ってた意味がない。対応しなければ、相手は構わずに上がって来て決定的な仕事ができる場所にまで来られてしまう。

ちなみに、こうのときにマンUが困ってたバルサの攻撃のやり方はマンUの攻撃のやり方に似てたとも言える。トップ下の選手が降りていったバルサは、その時点ではトップ下不在。そうやってできたスペースに、メッシ、エトー、イニエスタが入ってくる。さらに、低い位置からの飛び出しもある(バルサの場合は1度下がって行ったトップ下の選手が帰ってくる)。要するにトップ下のスペースをみんなで使いましょうねって考え方。相手としては誰が誰を見るのかってのがはっきりしなくなってしまう。マンUとしては皮肉な状況に陥っていた。

(1)でも(2)でもバルサの思う壺。困ったマンU。1つの可能性があるとすれば最終ラインを高い位置に設定すること。しかも、かなり高めの位置に。そうやってCMFが高い位置で相手のプレッシャーをかけられるようにする。同時にバイタルを空けない。ただ、これは無理な相談なわけだけど。何しろ相手のトップに入ってるのはエトー。そのエトーはウラを狙う機会を虎視眈々と狙ってる。前線で満足に守備をしてない状況で、超高いラインを敷いたりしたらエトーとスピード勝負をしなければならなかった。それじゃ分が悪いだろってのは、誰にでも分かること。

というわけで、マンUはもう1つの選択肢を採った。それがベタ引き守備ブロック。要するにバイタルを空けなきゃいいんだろってやり方。もっと言えば、相手をエリア内に入れさせなきゃいいんだろってやり方。立ち上がりからベタ引き守備が頭にあったのは事実だったけど、それでもまだ最初のブロックはある程度の高さにセットしてたマンU。この時間帯はカウンター的な流れでパク・チソン、ルーニーあたりが絡むシーンも見られた。でも、このやり方でバイタルに簡単に入り込まれてしまう問題が生まれ、完全に最後を固める方法に。どうせ深い位置まで来られてしまうなら、DFラインだけよりも中盤も含めて鬼のように人数をかけた方がいいよっていう開き直り。もちろん、相手に支配された結果、中盤では全く守備をさせてもらえなかったっていう側面も多分にあったとは思うけど。

そういうわけでマンUの守備×バルサの攻撃っていう展開になったわけ。これはもう、立ち上がりからずっと。バルサにしてみれば、立ち上がりは相手のブロックにどうやって仕掛けて、そこからどうやって最後まで持ってくか。時間とともに相手が完全ベタ引きになったから、前線にボールを運ぶのは簡単だけど、相手のラストブロックをどうやって崩すかってことに変化していった。実際には、大した変化はなったかもしれないけど。

とりあえず、バルサの攻撃のやり方についてちょっと復習。ここまではマンUの守備との関連で見てきたから、1度流れとして一番目立つパターンについて見てみたい。まず、上に書いたようにバルサのトップ下の選手は積極的に中盤に降りて行く。そうやってバイタルエリアを空けておいて、そこに両WGが流れていく。そうやって両WGが中に入って生まれたサイドのスペースにSBが飛び出していくってパターン。エトーはWGとの関係で横に流れて行ったり、相手DFラインにプレッシャーをかけるようなウラを狙ってますよの動きだしをしたり。細かい動きでチームを助けてた。

というわけで、ボールを受ける準備は整った前線だけど、枚数的にもトップ下が降りる⇔SBが上がるって関係ができてるから、薄くなったってことはないし、何よりも相手に混乱が生まれてる。だから、前線へのボールの供給が恐ろしくスムーズ。場合によっては左右の幅を利用することで相手の選手間の距離を広げて、隙間を作るみたいなアプローチも織り交ぜてくるし。

そうやってスムーズにボールを送った後はどうするか。もう完全なるバルサタイム。とにかく、ギャップギャップをつなぎまくる圧倒的なポゼッション。そして、この時点でのポイントは1度下がったトップ下の選手が舞い戻ってきてるってこと。1度下がったとは行っても、高い位置でチームとしてボールを保持してるならば本来の場所に戻ってこれる。そして、このときにポイントとなるのは相手につかまってない状況で出てこれるってこと。バルサの攻撃の厚みと狙いどころが定まらないパス回しに対してズルズルと下がってしまう相手ブロック。後ろから出てくる選手までしっかりと見るなんていう余裕はない。だから、舞い戻ってきたバルサのトップ下の選手は自由な状況で攻撃に絡めるってシーンが目立った。

これを最大限活用したのがデコ。1つ下がったところで攻撃のスタートを切り前線にボールを供給しておいて、今度は舞い戻ってギャップに入り込む。こういう形の中でタッチ数が増えまくり。ギャップに入り込んでボールを受け、相手を引きつけて次のギャップへはたくっていう形で、攻撃の経由点として目立ちまくり。メッシ、デコが関係性を作った右サイドが今回のバルサではかなり目立った。

この右サイドが目立ったってのは、今回のバルサの1つの特徴だったと思う。そして、それがだんだんと弱点的になって行った印象。前半の圧倒的にいい時間帯でも右サイドが目立ってたのは事実。ただ、この時間帯は右に作りながら左に向かっていくみたいな攻撃が見られた。ほとんどの攻撃が右をスタートとしてたのは事実だったけど、その中で相手ブロック前を横切るパス回しで左サイドにボールを送ったり、メッシ自身が横切る動きで逆サイドまで出ていくって場面も目立ったと思う。ベタ引きブロックのマンUにしてみれば、この横切るっていう形がかなり嫌なわけで。誰も対応に行けないし、サイドを変えられるとせっかくの密集ブロックに綻びが生じるから。それが効果的だったのは、チャンスの数を見てもわかる部分。

ただし、時間とともに右でスタートして右で攻めきるって攻撃が多くなる。正確にいえば、右でスタートして最終的には真ん中に入り込むっていうやり方だけど。つまり、右半分だけを使った攻撃。これではマンUのベタ引きブロックは真ん中で待ってればよかった。最終的には真ん中に入り込むにしても、いい時間帯みたいに右→中→左→中っていうような揺さぶりがあれば、それなりにブロックを分散させることも可能なわけだけど、右→中だけでは何の綻びも生じさせられなかった印象。それでもメッシの仕掛け、デコの切れ切れの動きで何とか攻めきるシーンを続けてたわけだけど、この2人の交代で全く攻撃の手がなくなってしまったと思う。

こないだアルディージャ×レッズの試合にも当てはまるけど、相手がベタ引きだと遠回りをするのが面倒になるのかなって思った。ボールはいくらでも保持できるわけだから、別にわざわざ遠回りして左右に振ったりしなくても、とにかくゴールに向かいたいっていう。これは最終的に中に入り込んでしまう攻撃のやり方にも当てはまる部分。いい時間帯にはサイドをえぐってマイナスクロス(グラウンダーのパスってのがバルサらしい)っていう、ベタ引きの相手には一番効果的な形がいくつも見られたバルサだったのに、そういうやり方がほとんどなくなって行った。つなぎまくりがバルサの形はいいけど、何も馬鹿正直に相手の一番固い所に入り込まなくてもって思う。

とはいえ、それでもやっぱりバルサが試合を圧倒的に支配してたのは紛れもない事実。パスを回しまくるバルサタイムが延々と続いた。そのバルサのパス回しの特徴は落ち着きがあること。同じくショートパスをつなごうとするアーセナルとは違った色がある。アーセナルは1タッチ2タッチで次々に局面を変えていくことで、相手に狙いどころを定めさせないパス回し。同じ狙いどころを定めさせないパス回しでもバルサのやり方はちょっと違う。ゆったりとしたパス回しで、相手に狙いどころを定めさせない。

どういうことか。バルサのパス回しでポイントになるのはギャップギャップに入り込むこと。そのために1人1人がギャップを見つけて入り込むことが要求されるのと同時に、ギャップを作り出すことも求められる。つまり、ボールを持ったらすぐに次へってことではなくて、相手を引きつけて場所を空けてから、次へっていうやり方が目立つってこと。もちろん、チャンスがあればダイレクトダイレクトでつないでいくし、1人1人の保持時間も無駄に長くないから、ゆっくりとしたイメージはない。でも、スピーディーに次から次へとっていうのとはちょっと異質のパス回し。1人1人の技術力をベースに、相手を引きつけてっていうワンクッションを置くパス回しだと思う。とはいえ、相手としては奪おうとしたところを次に展開されてしまうわけだから、狙いどころが定まらないことに変わりはない。

ちなみにアーセナルと似た部分としては人もボールも動かしながらパスを回してくことで捕まらないってやり方。前にも書いたことがあるけど、人が止まってボールを持つってシーンがほとんどない。1人の保持時間が伸びるときは、ドリブルによる仕掛けに限られる気がする。そういう仕掛けの意識もあって、パス回しのときの選手の距離感をある程度保ってるのがバルサ。ここはアーセナルとの違いか。そういえばアーセナルもそういう方向にシフトしてきてたんだけど、最近あまり見る機会がないから、どうなったかが分からない。

とにかく、バルサはある程度の距離感でパスを回す。だから、遠くと近くの選択肢が生まれる。ボールの動く方向も多様。今回は右サイドに入り込んでしまったってのは上にも書いたとおりだけど、基本的には横、後ろにもボールを動かしていく。そうやって常にボールを動かしながら、仕掛けどころを探って行くのがバルサのパス回しのやり方だって印象。その中で仕掛けどころが見つかれば、ダイレクトダイレクトでスピードアップを図るし、個人の突破っていうアクセントもうまく取り入れてる印象。改めて言うまでもないけど。

とにかく、マンUにとっては守備の狙いどころが定まらない状況。あまりにも簡単にバルサの前線へのボールの供給を許した時点で覚悟はあっただろうけど。というか、ここまで何度も書いてるようにそもそもマンUの守備はベタ引きがベースだったような気もするわけで。中盤で狙いどころが定まらなくて、パスをいくら回されても全く意に介してなかったかもしれない。まあ、積極的にしろ不本意にしろマンUがベタ引き守備をせざるを得なくなったのは確か。

ここで登場したのがローマとの第1戦でも見られた6バックの守備。ルーニーとパク・チソンの両サイドは相手のSBの攻撃参加に合わせて戻ってくるわけだけど、守備時のほとんどの時間はSB的な役割を担ってたと思う。その代わりに本来のSBが真ん中に押し込まれる。結果として4枚がゴール前に密集する形。そして、その前にCMFの2枚が並ぶ。つまり、6‐2の守備(普通に4‐4と言えば4‐4)。ちなみに、相手の後ろからの飛び出しに対してはテベスが戻ってきて対応してきた。

ローマ戦の時にも書いたけど、本来的に4‐2だけで守れるだけの強さがあるマンUの守備。それが今や真ん中だけで4‐2の圧倒的な厚み。そして、相手はなぜかその真ん中を意地でも崩そうとする。これは上にも書いたとおり。マンUの真ん中の4‐2の守備ブロックは、そこで待ち構えて、相手の最後のアプローチを跳ね返してればよかった。この守備が機能したっていう意味ではルーニーとパク・チソンを両サイドに置くやり方は、ローマとの第1戦と同じような効果をもたらしたって言える。

ただし、攻撃はそれほど甘くはなかった。それはバルサの攻撃後の切り替えの意識の抜群の高さによる。マンUも攻撃後の切り替えが最初の守備のポイントになってるチームだけど、そんなのはあっさりと凌駕したと思う。奪われた瞬間に、本当に瞬間に最初の守備が効く。そして、ここぞとばかりに2つ目、3つ目も一気に連動してくる。もともとから言って、相手の上からの守備に脆さを見せがちなマンU。この相手の切り替えを抜け出すのは至難の業だった。しかも、この最初の守備の後ろにはバルサはヤヤ・トゥーレを隠し持ってる。対してマンUは下手するとCロナウド1枚。苦し紛れに前線に送ったボールはことごとく相手の手に渡ってしまった。そして、再びバルサタイムが続くこととなった。

この時点でマンUは普通の4‐4‐2になっていた。守備的な4‐4‐1‐1と言ってもいい。守備は4‐4‐2で攻撃は4‐2‐4でカウンターを仕掛けるっていう思惑は大外れ。いくらルーニーとパク・チソンが頑張り屋でも、上がる時間がなければ攻撃に絡むことはできない。何しろSBの場所まで押し込まれてるんだから。相手の切り替えの守備の前に、その時間を作り出すことができなかったと思う。マンUと戦ったリバプールと同じ問題に陥った今回の試合だったって言える。あのときもリバプールはサイドが押し込まれ、先細りの状況で前線へのボールがことごとくマンUの手に渡り、結果としてカイトの頑張りを生かせなかった。

ちなみに、バルサの攻撃後の守備が効果的に機能したのは今回はトップの一角にイニエスタとエトーっていう比較的守備を頑張るタイプが入ってたこともあったかもしれない。守備ブロックをセットした時にもエトーはマンUのCBを追いかけまわして守備のスタートととして機能した。そのうえで、入ってきたところを後ろが1つ1つ丁寧に寄せていくってやり方。そうやってマンUの選手に簡単には前を向かせないような対応をとってたと思う。

ただし、マンUの選手が簡単に前を向けたポイントが一か所。それがサイドの攻防。このサイドの守備についてはちょっとイレギュラーなやり方をとってるバルサ。これはセルティック戦の時にも書いたとおり。SMFには単純にSBがつくんだけど、それに対してマンUのSBの攻撃参加に対してはバルサのトップ下のシャビとデコが引っ張り出されて対応する。このサイドの攻防は次戦に向けてポイントの1つになるかもしれないと思う。

例えばマンUが4‐3‐3を使ってくるとする。このシステムだと、守備ブロックを4‐3で作れるから前線の3枚は戻ってくる必要がない。今回はルーニーもパク・チソンも守備的で差がてたから、何の問題もなく攻撃に出てこれたバルサのSBだけど、Cロナウドとかギグス(もう1枚は誰を使うか分からないけど)が前線に残っていたら、バルサのSBは攻撃に出てこれるか?出てこれないとするとバルサの攻撃は一気に停滞する可能性がある。上でも触れたとおり、組み立てのときにトップ下が降りて行っても代わりにSBが出ていくことで前線の枚数を維持するバルサ。このSBの上がりがないと、前線は3枚に。これではマンUの方も抑えやすいはず。

さらに、マンUがサイドに攻撃のポイントを持って行ったらどうするのか。SBが積極的に上がって行けば、バルサはトップ下が開いて対応することになるはず。メッシを後ろに残したままSBが上がるのが怖いなら、ローマとの第2戦のように真ん中からハーグリーブスがサイドに回るみたいな動きをすればいい。どちらにしても、このときにマンUのCMFは浮いた状況になる。今回は守備重視の戦いで、ほとんど全然に出て行かなかったスコールズとキャリックだけど、本来的には前線に飛び出していくタイプなわけで。サイドの攻防が、今度は真ん中にも影響を及ぼしてくるかもしれない。この辺は次戦でのポイントの1つになることは間違ない。

そう考えるとマンUが有利かなって思う。今回の試合で明らかに手の内を見せてないのはマンUなわけだから。そのうえ0‐0で乗り切ったわけで。まあ、開始当初のPKが決まってれば、それに越したことはないだろうけど。対して、バルサの方にはちょっとした不安が残った試合。それは後半の勢いの衰え。セルティック戦でも全く同じ状況が訪れたし。メッシがいなくなった影響は大きかった気がする。そして、そんな重要なメッシが途中交代した状況。まだ、万全じゃないっていう不安が残る。

ちなみに、後半のバルサはポゼッションの位置が1つ下がった気がする。前半のように好きなようにバイタルに入り込むことができなくなった。それは、その間での動きが明らかに停滞したから。1つの理由は上にも書いたとおりバイタルに入ってくる選手がいなくなったから。メッシに変わったボ-ジャンはほとんどサイドを基本にプレーしてたし。それに、メッシ自身がいなくなったのも大きい。今回の試合では明らかにメッシ経由での攻撃が多かったバルサ。そのメッシがいなくなったことで、チームとしての目標がなくなったイメージ。後ろの選手が誰に出していいか分からないし、前線の選手が何をスイッチに動きを開始していいか分からない。そして、そうやって前線にボールが入らなくなると後ろからの攻撃参加が停滞する。結果として前線の枚数が薄くなる。後半はボール自体は持ってるのに、前線の選択肢が少ないって状況が生まれたと思う。
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