ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-04-27 Sun 17:13
ヴェルディ×グランパス
<ヴェルディ:4-3-1-2>
FW:飯尾-レアンドロ
MF:ディエゴ、大野-菅原-福西
DF:服部-那須-土屋-和田
GK:土肥

<グランパス:4-4-2>
FW:玉田-ヨンセン
MF:マギヌン-吉村-中村-小川
DF:阿部-吉田-バヤリッツァ-竹内
GK:楢崎

噂のグランパス。好調を反映してかメディアで取り上げられることも多くなってるわけだけど、その中でアーセナルと比較する場面が多々ある。まあ、攻守に渡ってアーセナル的な部分がないわけではないけど、やっぱりまだ比べるのはおこがましいかなって感じ。ストイコビッチ自身が今期のアーセナルのサッカーが理想だって言ってること、さらにグランパスとベンゲルとの関係がその比較を生み出すんだろうけど、アーセナルのサッカーがそう簡単に実現できてたまるかってとこ。とはいえ、結果を残してるのは事実であって。そういう意味では、アーセナル的であろうがなかろうが1度グランパスのサッカーを見てみたいなって思ってたのは確か。それで、やっと機会に恵まれたのがこの試合。夜中にやってたカットカットの試合だったので軽く。

とりあえず、こちらからしてみれば、何もここで負けなくてもっていう気持ちが強い。他の試合を全く見てないからはっきりとしたことは言えないけど、残念ながら今回の試合では特別すごいっていう様子は見られなかった。負け試合だから参考がいにするべきなのか。むしろ、内容で上回ったのは明らかにヴェルディだったと言ってもいいぐらい。まあ、うだうだ言ってても仕方がないので試合内容について見ていきたいと思う。

ヴェルディの守備はおそらく対グランパスを想定してのもの。グランパスの攻撃は文字情報で読んだ限り、トップに当てる→サイドへ展開→ボールサイドに人数をかけて、近い関係性を作る(トライアングル形成)→少ないタッチでシンプルな打開。こんな感じ。確かにアーセナルに似ていると言えば似ている、このやり方。文字情報から得たこのグランパスの攻撃のやり方が正しいのならば、ヴェルディはそれを押さえるための守備のやり方を採ってきたように感じた。

なぜなら、ヴェルディの守備のポイントは、真ん中を固める=トップに当てさせないことと、サイドに人数をかける=相手にサイドで数的優位を作らせないってことにあったと思うから。つまり、グランパスの攻撃の起点となる場所をつぶそうっていう意識が見られた。ただし、このポイントの2つはある意味では真逆の部分になってる。真ん中を固めながら、サイドにも人数をかけるってものなわけだから。これをどうやって実現したかってのが、今回のヴェルディのやり方で興味深い部分だった。

上に書いたようにヴェルディのシステムは4‐3‐1‐2。3ボランチは今回の試合で特別に使ってきた形だったっぽいから、その辺からも対グランパスのための守備をやろうっていう意識が見て取れる。グランパスとしては強くなってしまったことの代償か。とにかく、ヴェルディのDFライン前には3枚のフィルターが並ぶことになった。さらに、トップの場所はディエゴが1つ押し出される形。自陣に引いて受ける形の守備をしていたことを考えると、逆に2トップが1つずつ下がってディエゴと同じラインに入ったって見る方が妥当かもしれないけど。どちらにしても、要するにヴェルディの守備ブロックは4‐3‐3の3ラインを形成するものだった。

4‐3‐3の3ライン。3枚のフィルターの2段構え。この時点でグランパスが真ん中→真ん中の縦パスを通すのは絶望的。目指すトップの前には3‐3のフィルターが待ち構えてるわけだから。結果として、グランパスは攻撃のスタートとなるはずのトップへの縦パスが収まらない状況に。ヨンセンも玉田も今回の試合では前線で全くと言ってもいいほど起点になれなかった。今回の試合でのグランパスは全体として動きが少なかったような気がしたけど、それは攻撃のスイッチとなる縦パスが入らなかったことに起因するかも。もし、そうならアーセナルと似てるねって話だけど。アーセナルも縦パスが入ったところで、例の流動性が開始される。逆に縦パスがいい形で入らないと、攻撃がうまく回らないってのは今までにも書いてきたとおり。

ちなみに、ヴェルディは基本的には受ける体制の守備。チャンスがあれば3トップがグランパスの最終ラインにプレッシャーをかけていくけど、多くの場合ではグランパスの最終ラインは自由にボールを保持できてた。だから、プレッシャーのない最終ラインからバヤリッツァがボールを持ちあがるシーンがちらほら。アーセナル的と言えばアーセナル的。あのチームも突然、ギャラスあたりがボールを持ちあがって出てきたりするから。まあ、別に全てをアーセナルと比べる必要はないんだろうけど。

とにかく、最終ライン=ボールの出し手がフリーでボールを持てたとしても、相手の二段構えのフィルターに邪魔をされてトップに縦パスを入れられなかったグランパス。仕方がないので、上の攻撃のプロセスの中からトップに当てるって項目を省略。じゃあってことで、攻撃のスタートはサイドへの展開から。普段からトップに当てる→サイドへの展開なんて定型的なことを常にやってるとは思えないから、いきなりサイドへの展開から攻撃のスタートをするのは別にイレギュラーなことではなかったかもしれない。むしろ、最近は“グランパスのサイド攻撃”っていうフレーズをよく聞くことを考えると、サイドこそがグランパスの攻撃のポイントだろうし。

で、そのサイドに起点を作ったところに対するヴェルディの対応。これはいたって単純だった。それまで真ん中のフィルターとして機能してた3‐3をそのままボールサイドにスライドさせる形。この時点で単純にサイドにはSB-ボランチ-トップの3枚がいるわけで、これによってサイドの守備の厚みが完成。チーム全体として見ても当然のようにボールサイドに人数が寄ってるから、相手の強みであるはずのサイドで、むしろヴェルディの守備の方が優位に立つって状況が生まれた。

グランパスの方からこのサイドでの攻防を見ると、やっぱり今回の試合では動きの精彩を欠いてるんじゃないかってのを強く感じた。いい攻撃の片鱗が見られたときには、サイドのボールに対してSB、SMFに流れてきたボランチとかFWまでが絡んで近い関係でのトライアングルを作ってたのは確か。でも、これがコンスタントな状況ではなかったと思う。サイドでボールを受けた選手が迷うっていうシーンが圧倒的に多かった。

その要因は簡単で、ボールに対する動きが明らかに少なかったから。これは上でもちょっと触れたとおり。結果として出し所が恐ろしく少ない。1つのボールに対する動きを増やしてパスの選択肢を複数作り出し、1タッチ2タッチでシンプルにつないでいくのがグランパスの売りのはず。実際に見たことはないけど。今回の試合では動きが少ないこと、距離が遠いことで、パスの選択肢が複数どころか1つもないシーンが多々。結果として1タッチ2タッチのパス回しが実現されるわけもなく。1人1人の保持時間がむやみに伸びてしまう状況が生まれてたと思う。

よって、作り直しが圧倒的に多くなる。サイドに起点を作る→相手の守備ブロックがボールサイドに寄ってきて、味方はパスコースを作ってくれない→仕方がないから後ろに戻す。恐ろしくアーセナル的ではない展開。さらに、この作り直しのアプローチにも問題があった。オシム風にいえば各駅停車。後ろに戻したところから、隣→隣をつないで逆サイドへってやり方が多かったと思う。これじゃあ、ボールサイドに寄ってたヴェルディの守備ブロックも十分にバランスを回復する余地があるわけで。結果として、サイドへ→詰まって戻す→各駅停車で逆サイドへ→詰まって戻す→…っていう展開が続くこととなった。

こういうサイドのやり方については後半にちょっとした反省が見られたのも事実。まず、前半には全く見られなかった逆サイドへの1発の展開が目立つようになった。ボールサイドに寄ってるヴェルディブロックにとっては、逆サイドは完全に薄くなってる場所なわけで。この1発のサイドチェンジによって、グランパスはやっとサイドの深い場所に起点を作れるようになったと思う。それとともにサイドでの複数枚の関係性も前半から見ると改善傾向。ただし、どちらもやっぱりコンスタントに続けられなかったのは残念。だから、後半も代わりなく決め手に欠くこととなった。

トップへの縦パスが入らず、サイドに起点を作ってもいい形で攻撃ができなかったグランパス。必然的に攻撃が停滞。作り直しを繰り返してる間にミスが出て相手に奪われたり、焦れてトップに無理やり入れようとしたところを引っ掛けられたり。全く攻めきれない流れが続いて行く。これも全ては、中と外を同時に押さえるっていう離れ業をやってのけたヴェルディの4‐3‐3ブロックの賜物。かどうかは微妙なところ。4‐3‐3ブロックを全体としてみると、確かに機能性は高かったし、それによってグランパスの攻撃の停滞を生んだのは確か。でも、局面局面を見ると不安な部分が多々。どちらかと言えば、グランパスが精彩を欠いてくれた結果押さえ切れたっていう部分の方が大きかったかもしれない。

特に目立ったのが1つ1つの消極性。サイドの局面では相手に作り直しを許したってのがそれ。明らかにヴェルディの方が数的優位の状況なのに、誰も勝負に行かない。人数は足りてるのに中途半端な距離を空ける。相手がゴールに向かう選択肢をしっかりと押さえてたのは確かだけど、ちょっと気になった部分。真ん中でも同じような状況。フィルターとなってる3‐3はフィルターとしての意識が強すぎたように思う。入りこまれないことを念頭に置いてるというか。だから、相手が3‐3の間に入り込んだときに誰も寄せようとしない。その場所で完全なるエアーポケットが生まれてた。

それでも今回の試合では後ろの方にそういう曖昧さがなかったのが幸いした。ルーズさが目立ったのは、前の3‐3の方。とりあえず、その場所なら致命的なシーンにはつながらない。最低限の仕事をしてたことを考えれば、チームとしては十分に働いてくれたってところかもしれない。対して、後ろの方でも、グランパスのトップに入るボールは最終ラインの選手が入り際に対してしっかりと厳しい対応をしてた。フィルターの効果もあったけど、そういう局面での厳しさによってグランパスのトップの選手が機能できなかったっていう要因も大きかったと思う。ただし、そういう入ってきたところを狙うっていう形の守備だと危うさを感じるのも事実。グランパスがもっと運動量を増やして、前線に厚みとか流動性を増してたらどうなっただろうかってのは気になるところではある。

とにもかくにも、ヴェルディの守備がグランパスの攻撃を上回ったってのは紛れもない事実。上にも書いたように、グランパスは最後の最後まで攻めきるシーンがかなり少なかった。逆にいえば、途中でヴェルディが引っ掛けるシーンが多くなった。そして、このときにグランパスの切り替えの守備が効果的に決まらない。全然、アーセナル的ではない。攻撃後に相手にボールが渡ったときに、その相手選手が余裕を持ってボールを扱える状況が多かった。そして、あまりにも簡単にヴェルディは前線の選手にボールを預けることができてたと思う。

そうやって前線にボールを預けるってのはヴェルディの攻撃の重要なプロセスの1つ。カウンターの流れに関わらず、普通に攻撃を組み立てる時にも同じ。これについては昨シーズンから継続して見られてる形でもある。ヴェルディはグランパスの攻撃のプロセスをうまく分断した。対して、グランパスは切り替えの守備が効果的に機能しないことで、ヴェルディの攻撃の重要なプロセスをあまりにも簡単に機能させてしまっていた気がする。

そもそもの組織を作った時のグランパスの守備に関しては、アーセナル的。これは本当にアーセナル的だって言ってもいいと思う。念頭にあるのは、ボールに対する忠実な1つ1つのチェックの繰り返し。その中で相手の攻撃の最短距離を切ってくってやり方。そういう最短距離を切るチェックを繰り返す中で、相手の選択肢を制限していく。そうやって追いこんでおいて、最終的にはボールサイドに人数をかけて完全に選択肢を0にする。そういう守備のやり方が見られたと思う。

ただし、今回の試合について言えばその守備のやり方が機能したとは言えない状況だった。その理由の1つはグランパス自身の問題。今回の試合では立ち上がりからずっと3ラインが間延びしてた。2トップが相手最終ラインにプレッシャーをかけても、中盤が連動しない。中盤は中盤で新たに守備を始めて、チェックチェックで追い込んでいこうとする。でも、最終ラインが遠い。だから、チェックチェックで追い込んだはずが簡単に4‐4の間に入り込まれるシーンが多発。4‐4‐2のうちの、特に4‐4の間のバイタルエリアの隙間はかなり危険な状況で空いてたと思う。相手の前線の選手がそこを有効活用してたことを含めて。1失点目のシーンも4‐4の間に1つ起点を作られたところからだった。

問題は単純に4‐4の間が遠いこと。アーセナルみたいに馬鹿みたいに最終ラインを高い位置に設定すれば、4‐4の間に隙間は生まれず、中盤のチェックを抜けられても最終ラインが対応できる状況となる。後はフラミニがいないってことか。ボールに対して忠実にチェックに行く意識があるのはいいけど、それによってみんなが前に引っ張り出されてしまう。誰も後ろで抜けてきたボールを掃除する役割を担ってない。結果としてどんどんとDFラインとの間が広がってしまうような状況が生まれてしまっていた印象。

そういうグランパス自身の問題に加えて、ヴェルディの攻撃のやり方との相性の問題もあったように思う。ヴェルディは上にも書いたように、まずは前線に預けるってやり方を採ってくる。だから、攻撃の最初ははっきり言って大雑把。丁寧につないでどうこうというよりは、前線に蹴ってしまうことの方が多い。これがグランパスの守備と相性が悪かったように思う。詰み将棋的な1つ1つ最短距離を切って追いこんでいくグランパスの守備は相手がパスをしっかりとつないでくれないと狙いどおりに機能しない。中盤での1つ1つのチェックが重要なのに、その中盤を飛び越してしまうのが今回のヴェルディの攻撃の最初の部分。

しかも、運悪く4‐4の間に隙間があった今回のグランパス。ある意味では大雑把なヴェルディの最初のパスが、前線の選手に収まるシーンが多くなったと思う。結果としてグランパスの選手は本来的な前に向けての守備ではなく、後ろに向けての守備をしなければならなくなる。単純に前線にボールを収められてしまう状況の中で守備ブロック全体としても低い位置に押し込まれてしまう状況が生まれた。

ここでポイントとなるのはヴェルディの前線の選手(特にディエゴ)はボールをキープできるってこと。相手数人に対しても、奪われずに時間を作ることができる。これによってヴェルディの後ろからの押し上げが活性化される状況。しかも、この時点ですでにグランパスのブロック全体が押し下げられていることが、よりヴェルディの後ろからの押し上げを活性化させたと思う。昨シーズンのヴェルディも攻撃のアプローチは前線任せってやり方だったわけだけど、それは本当に前線の外国人数人に任せるってやり方だった。対して、今シーズンはそれに後ろからの押し上げの要素が加わったことでいい形での攻撃が可能になってると思う。

ヴェルディの攻撃の組み立てが面白いのは、DF→FW→MFって形でビルドアップが行われるから。低い位置から大雑把なボールを前線に入れ、そこで時間を稼いでおいてボールを中盤に落とす。そうやって今度はゆったりと組み立てる。この時点では上にも書いたように、相手は押し込まれた状況。だから、ヴェルディの方が使える陣地は多くなってる。グランパスの4‐2の間に入り込んで、自由にボールを展開するシーンが目立ったと思う。そして、この中盤での組み立ての質の高さも目立ってた印象。

これには厚みがあるってことが何よりも大きな意味を持ってる。前線の3枚、SB、さらにボランチ(特に大野)が絡んで高い位置での組み立てを可能にしてると思う。しかも、その中で近さと遠さのバランスがうまく使えてると思う。近い関係性に関しては、むしろグランパスよりもいいんじゃないかって内容。前線の外国人2人はポジションにこだわらずに動き回りながらギャップギャップに入り込んでボールを引き出すし、そこにボランチも積極的に絡んでくる。その中で基本的なトライアングルを形成して、うまくパスを回していくシーンが見られた。加えて、遠さに関してはSBが担当。高い位置に置かれた両SB。ボールサイドのSBは近いパス回しに参加し、そのサイドが詰まれば逆SBが待つ逆サイドへの展開を行って局面を一気に変えていった。先制点のシーンも両サイドを有効に活用してるシーンからだったし。

さて、今回はグランパスの試合を見るつもりが、むしろヴェルディの質の高さを見せられたわけで。実際のところヴェルディの方もめちゃめちゃよかったかっていえば、そういうわけでもない。単純に今回のグランパスのやり方と相性がよかったってのが一番大きかった気がする。それは攻守に渡って。もちろん、スカウティングの結果、そういうやり方を採ってきたっていう意味ではヴェルディの勝ちなんだろうけど。

とりあえずグランパスについてはアーセナルと無理やり比べてみたりもしたけど(初めて見るから比較対象がないだけに)、やっぱり結果そのままに精彩を欠いてたんじゃないかと思う。少なくともシンプルに少ないタッチでパスが回るなんてシーンはほとんど見られなかったし、それが可能となるような選手間の距離の近さとか運動量の豊富さなんかも目立ったものではなかった。守備に関しては、やりたい形が何なのかってことはちょっと見えたけど。こっちもライン間の距離が開くっていう致命的な欠陥があったから、十分に機能したとは言えない。ひとことでいえば、攻守に渡って距離が遠かったのが今回のグランパスの問題だったと思う。次は今回の試合がベースにしながら見てみたいと思う。見る機会があればだけど。できれば、次はグランパス本来の強さを見せてくれるような試合で。
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