ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-02 Fri 19:02
マンU×バルサ
<マンU:4-4-2>
FW:テベス-Cロナウド
MF:パク・チソン-スコールズ-キャリック-ナニ
DF:エブラ-ブラウン-ファーディナンド-ハーグリーブス
GK:ファン・デル・サール

<バルサ:4-3-3>
FW:イニエスタ-エトー-メッシ
MF:シャビ-デコ、ヤヤ・トゥーレ
DF:アビダル-ミリート-プジョール-ザンブロッタ
GK:Vバルデス

マンUのシステムは4‐4‐2。前回から変化したのはルーニーとナニのところだけ。これもルーニーのケガのため。おそらく、ルーニーが無事ならば前回と同じメンバーになったはず。前回の4‐4‐2はアウェー用だと思ってた。理由はそのときに書いたとおり、絶対的に守備を安定させる4‐4(6‐2)ベタ引きブロックと前線に攻撃を任せる縦へのスピードがある2トップ(やり方的に4‐4‐2の方が縦急ぎになるマンUだから)の組み合わせのため。こんな想像も、今回の試合でマンUが同じシステムを使ってきた時点であっさりと外れってことに。マンUの主要システムは4‐4‐2なのか、4‐3‐3なのか。その使い分けは何基準なのか。謎。

ただし、同じ4‐4‐2とはいっても、その目指すものは明らかに前回とは異なってた。ホームで前回の試合のような6‐2超ベタ引きブロックを作るなんてことは許されないだろうから、当たり前と言えば当たり前。ローマ戦のときもアウェーでは6‐3ブロック、ホームでは普通のブロックで戦ってたし。とはいっても、今回のマンUのやり方の転換はすさまじかった。前回とは真逆と言っても過言ではない。ほぼ同じメンバーで全く反対のやり方をあっさりと採ってきたマンU。どんだけ戦術的柔軟性を備えてるんだって話。

そのマンUの前回とは真逆の意識は立ち上がりから早速見られる。立ち上がりの数分は全く持ってボールが落ち着かない状況が生まれたと思う。その1つの理由はいつものこと。前線から追いかけるバルサ。追いかけられるともろいマンU。最初のプレーからパスミス。早速のピンチもパスミスから。結果としてバルサが最初に攻め込む流れ。最初に攻めたとすれば、切り替え抜群のバルサの守備が高めで機能する。よってマンUは守備から攻撃への切り替えがうまく行かない。ボールが落ち着かない。これは前回の試合でも見られた状況。

でも、これだけの理由では全体としてボールが落ち着かない状況は生まれない。この時点ではボールが落ち着いてないのはマンUだけ。バルサはいつものように普通にパスを回してればいいだけの話。まさにそれが前回の試合だったわけだし。でも、今回はバルサの方もボールを落ち着かせることができなった。その要因こそがマンUの守備の180°大転換にあったと思う。

前回の試合でのマンUは中盤での1つ1つのチェックがとにかくルーズ。飛び込んだら外されるっていう意識があっただろうし、何よりもその場所が守備の勝負どころではなかったってのが大きい。中盤ではいくらでも自由にやらせてあげるよ、でも最後はやらせないよっていう開き直り守備を採用した前回のマンUだった。よって、個々の選手が重要視するのは自分の前にあるボールへの守備じゃない。どれだけ後ろと一体感を保って、ラストブロックを形成するかってことが重要になる。だから、自分の前に対して本気で守備をするなんて選手は皆無だったって言ってもいい。最後の最後の場所はのぞいて。

対して、今回のマンUは1つ1つのチェックの意識がとんでもなく高まってた。自分の前のボールに対して超積極的に守備に行く。それは前回の試合では完全に守備を放棄した中盤でも例外ではなかった。1つ1つを本当に厳しく行くと、飛び込んで外されるなんて心配もなくなる。なぜなら相手にはこれっぽっちも仕事をさせないんだから。ボール保持者に一気にプレッシャーをかけ、一気に距離を詰めることでスペースを与えないような守備を行った。そういう守備を1人1人が忠実に繰り返すことによって、前回よりも明らかに前の段階で守備が効くようになってたと思う。

これに驚いたバルサ。バルサの個々の技術力、周囲との連動性を発揮すれば抜け出せそうだったマンUの1つ1つのプレッシャーをまともに食らうことになってしまった。前回のルーズなマンUの守備から考えたら、あり得ないほどの大転換。そんなの聞いてないよって話だったかもしれない。結果としてバルサはパスが思うようにつながらず、攻撃が分断しまくり。双方が双方の守備に負けて攻撃のリズムを作れないっていう立ち上がりの流れになったと思う。

それでもバルサはバルサ。すぐにとマンUの守備に適応して行った。最初はびっくりしてパスがつながらなかったけど、冷静になってみれば普通ににパスをつなげるってことに気づいた。ただし、さすがにパス回しの質は前回とは異なってたと思う。マンUが全く違う守備のやり方を採ってるんだから、それに合わせてバルサも攻撃のやり方を変えたってところか。

前回のバルサはとってもゆったりとパスを回した。相手がプレッシャーをかけてこなかったから、ある程度は余裕を持ってボールを扱えるってのもあった。同時にベタ引きの相手をブロックからおびき出すっていう意味もあったと思う。パス回しの中でタメを作り、相手を引っ張り出すっていうステップが入ってたと思う。そうやってこじ開けた次のギャップの選手が入り込み、そこをつないで行くっていうようなパス回し。急がないことで逆に相手の狙いどころを外していくようなパス回し。これは前回、アーセナルのダイレクトダイレクトのパス回しによる狙いどころ外しと比較したとおり。

でも、今回のバルサにはそんな余裕はなかった。1人が保持時間を伸ばしたら、マンUの1つ1つの忠実な守備の餌食になってしまう。相手の守備にギャップをこじ開けるためのタメが自分の選択肢を0にすることにつながってしまったら、元も子もない。よって、1人1人の保持時間は前回と比べると明らかに短くなった。メッシのドリブルは除いて。少ないタッチで次々に局面を変えていくようなパス回しにシフトしたと思う。ただし、それが悪い影響をもたらすことになるわけではないけど、それは後々の話。

パス回しの質は異なったとしても攻撃面を見る限り、バルサはバルサだった。ショートショートでつないでいくこと、そのパス回しに織り交ぜられる個人技。攻撃の意識にも変化なし。アウェーだからと言って大きな変化が見られないのはバルサらしい。ただし、守備面を見てみるとアウェーの戦い方をしようとしてるのかなって思った。マンUみたいにあきらめ超ベタ引きブロック形成なるなんていう極端な形ではないけど、今回のバルサの守備には微妙な変化が見られたのは事実。

守備面で言えば、上にも書いたように攻撃後の切り替えは前回と変わらずに質の高いものだった。ただし、ブロックをセットした後の守備のところでちょっと違いが見られた気がする。それは守備のスタートのところ。前回はトップのエトーが制限なく深い位置の相手最終ラインのボールにもプレッシャーをかけていった。それに後ろが連動して、ブロックから出てきて前へ前への守備が行われていたと思う。それに対して、今回の試合では受ける意識が強くなっていた気がする。エトーはあまり前を追いかけまわさず、エトーが追いかけたとしても後ろが前回のように前へ前へと出てくることは少なかった。守備の積極性を弱めて、ブロックのバランスを重視する。バルサなりのささやかなアウェーの意識か。

ただし、このバルサのささやかなアウェーの意識が大きな意味を持つこととなった。前回は高い位置までボールを持ちあがれなかったマンUの最終ライン。というか、余裕を持ってボールを持つことさえも満足にできなかった。それが、バルサの前線の守備意識が弱まった今回。最終ラインが高めの位置までボールを回しながら出てこれるようになったし、何よりもボール保持自体に余裕が生まることとなった。

これはマンUが低い位置のパス回しに人数をかける必要がなくなったことを意味する。厳しいプレッシャーがかけられれば、逃げ道は多く用意しておかなければ不安。でも、今回の試合では逃げ道は少なくてもよくなった。低い位置のパス回しはCB2枚とGKファン・デル・サールが行う。相手が機を見て前の守備意識を高めてきたときには、キャリックも参加することがあったけど。どちらにしても2つのトライアングルだけで十分な人数だったと言ってもいい。ちなみに、今回の試合でキャリックは攻撃にほとんど参加せず。後で書くようにSBが高い位置まで上がったウラのケアとここに書いた低い位置のパス回しの逃げ道として機能してた。

2枚のCBとGKで低い位置のパス回しを担当する。これはどこかで見た形。それは前のリバプール戦。あの試合は相手のトップが守備を免除されてるトーレスだったこともあって、キャリックが低い位置でのパス回しに参加することもあまり多くなかったわけだけど。その微妙な違いはいいとして、この試合での大きなポイントは何だったか。それはマンUの両SBが高い位置に積極的に入って行くっていうこと。結果としてリバプールの4‐2‐3‐1を4‐4‐1‐1にさせてしまったってのは、その時にも書いたとおり。つまり、簡単に言えば低い位置の2+1のパス回しによってサイドの攻撃が活発化したってこと。

ここで思い出すのは前回のバルサ戦の記事の最後のところ。そこではサイドの攻防が1つのポイントになるって書いたはず。バルサのサイドの守備は特殊。相手がサイドに数的優位を作った時には、OMFが開いて対応。WGは戻ってこない。だから、マンUがサイドに重点を置いてくると相手はとてつもなく広い横幅を3人でケアするイレギュラーな状況が生まれるってこと。マンUがこの状況を作り出せるかどうか、それが今回の試合のポイントだったわけ。

そして、ここまで書いてきたとおりマンUはSBを高い位置に上げてきた。まさにの展開。特に左サイドのエブラは超積極的に攻撃参加。4‐4‐2の形でエブラがこれだけ積極的に攻撃に絡むのは、久々に見た気がする。後ろのケアは上にも書いたようにキャリック。ハーグリーブスも上がったときにはスコールズが残ってバランスを取る形に。とにかく、SBを積極的に攻撃に上げたことによって試合前に考えてたポイントをマンUが有効活用する下地はできた。

そして、思惑通りの展開が生まれる。攻撃参加をしたエブラが浮きまくり。バルサの方は誰がエブラを見るのかはっきりさせられなかった。デコが戻るにしたって、後ろから追いかける形になってしまうわけだから効果的ではない。だから、エブラは高い位置までフリーでボールを持ちあがるシーンが多発。それはまずいってことで誰かがエブラに対応すれば、別の場所が空いてくる。それじゃなくても3枚で中盤の横幅を稼ぐイレギュラーな状況のバルサ。加えて後手後手の対応になってしまったわけで、結果としてマンUが楽に深い位置まで入り込むシーンが多くなる。困ったバルサはメッシ、イニエスタが深い位置まで戻ってくる、今度こそ(バルサにとっては)イレギュラーな状況が見られ始める。こうなると、完全にマンUペースだって言ってもいい流れになったと思う。

加えて、ここまで書いてきたとおり構造上薄くなってるバルサの中盤に対してマンUが別の角度からのアプローチをかけ始める。それは前線の流動性を高めるってやり方。早い話がマンUの変則4トップ。空いているトップ下の場所の出入りを加えながら、4人の関係性をグルグルと入れ替えてく。同じサイドに複数の選手をかぶせてみたり、トップの場所の選手をいなくさせてみたり。ギャップギャップを見つけては好きなように動き回るマンUの前線。中盤の人数が足りてない、しかもサイドのケアまでをしなければならないバルサの守備陣は間間に入り込まれて、それを捕まえ切れない状況。

そして、その変則4トップにエブラの攻撃参加、スコールズの攻撃参加が有機的に絡んで来たのが今回のマンUだった。エブラにサイドを任せて中に入ってくるパク・チソン、トップの場所を空けておいて最前線まで飛び出してくるスコールズみたいな形。得点シーンにもつながったように、今回の試合ではスコールズの攻撃参加が活発だったのも特徴的。前の動きを尊重しつつ、機を見た攻撃参加を繰り返した。低い位置のパス回しに人数をかけなくていいっていう効果がここにも出ていたと思う。

久々にマンUの変則4トップが効果的に機能してるのを見た気がする。4‐3‐3を最近は多く使ってたのもあるけど、4‐4‐2でもそれほど効果的に機能してたとは言えない。前回のバルサ戦がその最たる状況なわけで。じゃあ、どういうときに変則4トップが機能して、どういうときに機能しないのか。そのポイントは守備にあると思う。そして、守備の安定性が増せば増すほど変則4トップは機能しなくなるっていう状況だって言える。

変則4トップは4トップというからにはFWが4人みたいな形が作られる。その4人が連動して動きまわるのがマンUの変則4トップである以上、4人は近い関係性を保たなければならない。ついでに、4人をFWと捉える以上、守備の負担も大きくはさせたくない。つまり、守備になった時に4‐4‐2の守備ブロックでは理想的ではない。サイドに開いた2枚とトップに残った2枚の間に距離が開きすぎてしまうし、サイドの選手は守備の負担が大きくなってしまう。4トップである以上、重点に置くのは攻撃。だから、6バックなんて論外。

つまり、4トップが機能してるときのマンUのシステムは文字どおりに4‐2‐4。そして、そのときにはラストの守備ブロックが4‐2のみで作られることとなった。嘘みたいな話だけど、このことについてはこれまでにも何度も書いてきたとおり。じゃあ、その4‐2‐4っていう変な守備のやり方でどうやってリーグ最少失点を維持してきたのかって話になってくる。

1つは単純。CBがとーっても強いってこと。後は4‐2のときには1つ前のハーグリーブスがかなり頑張ってたし。要するにラストの4‐2ブロックの個々の力で防いでたってこと。後は前線の4人の間接的な貢献。前にルーニー、テベス、ギグス、Cロナウドが残ってたりしたら、相手だって怖くて攻撃に人数をかけられなくなってしまう。マンUが4‐2でも守りきれるレベルぐらいしか、相手は攻撃に人数をかけられないっていう状況。そういう意味では全員で守ってたとも言えなくはない。

ただ、こういうこと以上に大きいのが前線の4人の守備の頑張りだった。後ろは4‐2だけに任せる前線の変則4トップも自分の前に対しては頑張って守備をするってのが、4‐2‐4が機能してるときのマンUの守備だった。後ろの人数がきつい状況でも、前が制限をかけてくれるから、うまく要所要所で狙えるってのがマンUの4‐2‐4が機能してるときの守備だった。後ろには全然戻らないくせに、解説者に「前線の選手の守備の頑張りが固い守備を支えてる」って言わしめるレベルに。

でも、残念ながらこの前線の選手たちは気まぐれだった。がんばって前から追いかけて見たり、追いかけなかったり。それが時間とともに追いかけないことがスターンダードとなって行く。同時に攻撃がうまく回らなくなった(それが気まぐれな前線の守備意識を削いだのかもしれない)マンUは結果的に4‐4‐2から4‐3‐3への移行というか、さらに言えばチーム全体としての意識の変革につながっていったと思う。話がずれるけど、それについて触れておきたい。

様子がおかしくなったマンUの状況はここでも何度か書いてきたことがある。要するに縦に急ぎまくるってのがその状況。最初は相手の前線からのプレッシャーに負けた影響かと思ったけど、どうもそうではなく。とにかく前線の4トップに攻撃を任せてしまえのやり方が目立っていた。この攻撃の様子のおかしさが、攻守に渡っていろいろと影響をもたらすことになった。

まず、攻撃への影響。縦に急ぐマンUは上にも書いたように、前線の4トップに攻撃を任せきりになった。ボールを持ったらすぐに前に蹴ってしまう状況ではSBもCMFもなかなか前線に追いつけなかったと思う。上で4‐4‐2でのエブラの攻撃参加を見たのは久々だったってのは、そういうことがあったから。そして、攻撃を任された前線がいくら個の能力が高い前線の4枚でも、その4枚だけじゃいくらなんでも攻めるのは難しい。前がはがれたマンUは有機的な連動性を図るのが難しくなったと思う。そもそも、一発のパスが多くなったことで前線に効果的にボールがつながらないシーンが多発した。

そして、これがマンUの守備に大きな影響をもたらすことになった。アーセナルなんかもそうだけど、マンUは攻撃の切り替えでの守備を1つのポイントになってる。切り替えで厳しい守備を行って、自分たちのボール保持を続けるやり方。ただし、これは前線に人数が入ってるからこそできる形。前線に厚みがなければ、切り替えでボールを奪うほどの効果的な守備をするのは難しいわけだから。その攻撃=切り替えでの守備の厚みが失われたのが縦急ぎのマンUだった。

これはかなり痛い。上では4‐2で守備をしてきたって書いたマンUだけど、攻撃の時間が長いこと、さらにその攻撃からの切り替えで守備ができることで、実質的に4‐2で守備をしなければならないことはそれほど多くなかったってのが本当のところ。それに対して、縦急ぎのマンUは攻撃の時間が短い。保持せずに蹴るから。そして、ここまで書いてきたとおり切り替えの守備も効かない。必然的に4‐2‐4で守る時間が長くなった。

そして、この前線の4トップが自分の前に対する守備をあまりしなくなった。これは上にも書いたとおり。攻撃でいい形を作れなかったから、守備もあんまり頑張りたくなくなったのか。とにかく、本当に本当の意味の4‐2で守ることが多くなったのが悪い時期のマンU。さすがにこの状況はまずいでしょっていう空気が漂い始める。

それに対して、4‐4‐2でしっかりと4‐4‐2の守備ブロックを作ろうっていう意識が生まれてきたと思う。守備ブロックは4‐4もしくは4‐4で作ることでしっかりと作ることで、少なくとも守備ブロックは安定させようっていう意図を見せ始めた。この辺からパク・チソンが頻繁に起用されるようになる。でも、ここで問題が起こった。忘れてはいけないのはマンUが縦を急いでるってこと。で、守備の人数を増やしたことによって攻撃の人数が減ってるってこと。だから、攻撃が全くと言ってもいいほどいい形で回らなくなってしまった。

ここで登場したのが4‐3‐3(4‐5‐1)。守備面でいえば、4‐3の安定したブロックができることで(極端なときには4‐5)問題をクリア。攻撃でも中盤の枚数を増やすことによって、なんでもかんでも前線に蹴ってしまうやり方にメスを入れていく。中盤の真ん中にアンデルソン&キャリック&スコールズっていうつなげる選手たちを置いたのにも意味があったはず。これが思惑通りに機能して、調子を取り戻していったマンUだった。

そうやって、4‐3‐3を使うようになった後のマンUは4‐4‐2を利用する時にも4‐2‐4ではなく、本来的な意味での4‐4‐2を使うことが多くなったと思う。それは前回のバルサ戦が示す通り。最近、なぜか現実主義的になったマンU。ルーニーをサイドに置いてCロナウドをトップに置くってのもその1つ。守備の安定をまず第一に考える現実主義マンUにおいて、4‐2‐4なんてのはもはやあり得ない形なのかもしれない。見ていない格下相手の試合とかでは、まだ使ってるのかもしれないけど。

さて、この話の脱線は次のテーマに向けての前振り。何がいいたいかって言うと、今回のマンUは久々に4‐2‐4を採用してきたんじゃないかってこと。しかも、様子がおかしくなる前の機能性が高い4‐2‐4。攻撃においてはすでに触れたとおり。エブラ、スコールズが積極的に攻撃に絡んできたことからも少なくとも縦急ぎの前線4トップ任せではないってことは明らか。そして、守備面もいいときの4‐2‐4に戻ってきた印象。というか、それにプラスアルファした形で行われてた。攻守にわたって、まるで去年末のマンUの試合を見ているかのようだった。

さて、1つ1つの守備の意識が高まってたってのは一番最初に書いたとおり。そして、これがピッチ全体で例外なく行われたのが今回のマンUの守備だった。要するに前線の選手たちもしっかりと守備を行ったってこと。これによって4トップの前への守備意識が復活。Cロナウドもトップに置かれた時では今まで見たことのないレベルで相手最終ラインを追いかけまわした。それをスタートとして、SMFの2枚もブロックから出てきて前に対する守備を積極的に行ってた印象。

このトップの前への意識によってヤヤ・トゥーレが浮くシーンがいくつか見られたのは事実。前回のようにCロナウドが守備を免除され、テベスがヤヤ・トゥーレにつくって言う絶対的な関係性が作られなかったから。というか守備組織を作った時の配置も、攻撃からの流れで流動的になってるのが今回のマンUだった。その中でCロナウドが前に追いかけ、それに引っ張られてテベスも前を追いかけてヤヤ・トゥーレが浮くってシーンができてしまった。ただし、完全に浮かせてしまったのは立ち上がりだけで、その後は2トップが前に引っ張り出されてもCMFがうまく見てた印象。FWが戻るんじゃなくて、CMFが出て行くっていうあたりに守備の積極性が見られる。

そして、この4トップの前に対する守備意識がバルサの攻撃を停滞させる要因となった。バルサの組み立て方の基本は前回と同じ。OMFが降りてきて、相手のCMFを引っ張り出し、バイタルをこじ開けようとするもの。でも、ここで思い出さなければならないことがある。相手のCMFをバルサの降りて行ったOMFが引っ張り出したとき、攻撃のスタートになるのは最終ラインの選手だってこと。なぜならOMFには相手がついてきて、浮いてる状況ではないから。

そして、このために重要なのは最終ラインが高い位置までボールを持ちあがれるってこと。つまり、CBが前線へのボールの供給役となるためには、前線との距離が近くなければならないってこと。前回の試合ではこれが実現した。なぜなら、マンUはCロナウドの守備が免除してたから。全くプレッシャーなくバルサのCBはボールを持ちあがれた。そのときにCロナウドはもう少し守備をすればって思ったのはその時に書いたとおり。

そのCロナウドが今回は期待以上の守備。前から追いかけることでバルサのCBを深い位置に釘づけにした。つまり、バルサのCBは攻撃のスタートとしては機能できない状況が生まれたって言える。同時にOMFが降りてきてしまうバルサ。前後の距離が遠くて前線に効果的にボールが供給できないっていう悪いときのバルサパターンに陥った。

それでも打開点がなかったわけではない。全体のブロックを前に向けているマンUの最終ラインのウラにはスペースがあった。前回の試合では考えられないほどに。バルサは仕方がないので、そのウラを単純に狙うボールを多くして行ったと思う。そして、そこに抜け出すのがエトーとメッシ。この2人を前に走らせたら後ろは追いつけるはずもなく。完全に前線がはがれた状況。しかも、ウラへのボールは微妙にズレ、うまくマンUの最終ラインに対応されてしまっているのが今回のバルサだった。

同じようなことは守備後の流れでも言える。相手の守備が前から来るっていう意識があるバルサ。この意識が失点につながるザンブロッタの不用意なパスにもあらわれてた。そして、この意識のもと、最初の方で書いたようなスピーディーバルサが登場。チーム全体の押し上げを待つよりも、シンプルに縦にボールを送り込もうとする。そして、そうやって前線にボールを供給してしまうとエトーとメッシのスピードには後ろは追いつけない。メッシの50m独走ドリブル突破も個人としては素晴らしいけど、チームとしては残念な形。全体として攻撃に厚みが感じられなかったのが今回のバルサの攻撃だった。マンUが前から来てる時間は特に。SBの攻撃参加も少なかったように思う。

そういうわけでマンUのペースになりそうだった試合展開。少なくとも得点後しばらくはマンUの変則4トップが機能して、攻守にわたってバルサの上に行ってたと言ってもいい内容。ただし、その変則4トップを機能させていた前線の守備意識が突如として消え去る。Cロナウドは前への守備をやめ、それに伴って他の3人も前への守備ができなくなっていく。ときたま、テベスが頑張ったりするんだけど。どちらにしても、守備のスタートが効果的に決まらなくなったから全体として前での守備ができなくなるのは仕方ない。この辺の気まぐれ性もマンUらしいと言えばマンUらしい。

ただし、変則4トップ、つまり4‐2‐4にプラスアルファーがあったのが今回のマンU。最近見られた守備意識はしっかりと根付いてた。4‐2‐4のときのマンUは前線の守備をやめても4‐2‐4のままだったってのは上にも書いた通り。でも、今回は4‐2‐4の前線の守備が機能しなくなった途端にしっかりと4‐4‐2への移行が図られた印象。ただし、変則4トップを捨てたことで攻撃はそれまでのようにスムーズにとは行かなくなったわけだけど。

バルサとしてはやっと自分たちのペースで組み立てができる状況になった。最終ラインも攻撃時には高い位置まで押し上げられるようになった印象。ただ、OMFを下げることで相手のバイタルをこじ開ける作戦はうまく決まらず。マンUは下がった相手OMFをCMFからSMFに受け渡したり、CMFが引っ張り出された後の場所にSMFを下げたりしてしっかりと対応。それに最終ラインを前回のようにベタ引きにしなかったことで、バイタルエリアが変に空いてしまう状況にもならなかった。この辺はちゃんと対応してきた部分。

それでもバルサの攻撃がそれまでよりはうまく回り始めたのに変わりはない。最終ラインを押し上げたことで、全体が前に押し出される。結果として前線での近さが生まれた。それまでは前線のメッシとエトーがはがれて、孤立気味だったことを考えれば大きな進歩。ここでテーマとなったのは、やっと近い関係ができた前線にどうやってボールを供給するかってことになったと思う。バイタルこじあけ作戦が前回のようには決まらなかったし、前線の守備がなくなったとは言っても、前回のようにベタ引きになって中盤を自由にさせてくれるわけではなかった。

そこでバルサが行ったアプローチが横への展開とイニエスタ経由の攻撃だった。横への展開ってのは簡単な話。左右の幅を利用した大きな展開を織り交ぜることで、相手の守備ブロックを横に間延びさせるってこと。そうやって選手と選手の間に隙間を空けておいて、その間を通して前線にボールを供給するって考え方。イニエスタ経由の攻撃は1戦目から合計しても初めて見られた形だったって言えるかも。1戦目ではイニエスタは消え気味だった。攻撃のほぼ全てがメッシを経由して行われたから。そのイニエスタが前半の途中から急に目立ち始める存在に。マンUとしても思ってもみないことだったかも。どちらにしてもイニエスタを捕まえ切れずに、前線の経由点とされてしまうシーンが目立って行った。

この両方のアプローチによってデコが目立ってくる。ここで重要なのはデコがFWの近くで目立ってきたってこと。横の揺さぶりで隙間を空けるにしても、イニエスタを経由させるにしても、デコは低い位置まで戻ってボールを受けに行く必要がない。だから、前で受け手として、ある意味では待ってればよかった。前半の途中から、デコがマンUのブロックの中でプレーする機会が増え、その中でエトー、メッシと関係性を築くシーンも増えていった印象。

さて、こういう形でバルサが盛り返す流れの中で後半がスタート。この後半の開始とともに、マンUの4トップの前への守備意識が復活。気まぐれとしかいいようがない。前半のいい時間帯のように、前線から追いかけまくり。途中で引っ掛けるシーンも多くなった。そして、守備で4トップが復活すれば攻撃の4トップも復活。再び前線の流動的な関係が見られるようになり、長らく守備だけに専念してたエブラも攻撃に参加するシーンを再び増やすことになった。

というわけで、マンUのペースで始まった後半。このままじゃいけないと思ったバルサはイニエスタに代えてアンリを投入。さらに、エトーに代えてボ-ジャンを投入。この交代でシステムが微妙に変更された模様。メッシが真ん中でプレーする機会が多くなってた。ただ、この交代とシステム変更が裏目に出た気がしなくもない。というか、裏目に出たと思う。

まず、前半の経由点だったイニエスタがいなくなった。前半のいい時間のパターン(悪い時間はメッシとエトーの孤立)は、大まかに言えばイニエスタ経由かメッシ経由か。イニエスタをうまく使えるときには中盤でうまくパスが回ることが多く、メッシを経由させるときにはよくも悪くもメッシの個人技頼みって形だったように思う。そして、イニエスタがいなくなった今となってはメッシの個人技頼みの攻撃が圧倒的に増えていく。

そして、システム変更によってメッシは真ん中へ。四方八方から囲まれる場所で個人での突破を期待されたことになる。いくらメッシでも難しいわけで。その中で抜け出すシーンをいくつか作ったのはメッシの素晴らしさ。ブロックの外で受けたメッシが自分で無理やり仕掛けていくってシーンが多いこと多いこと。それでもメッシを攻撃の目標とするバルサ。攻撃が真ん中に偏り、幅を使えない状況が生まれたと思う。

これに対してマンUはシステムを変更。スコールズ→フレッチャー、ナニ→ギグスっていう見た目的には同じポジションの交代によってシステムをいじくった。その前の時点でパク・チソンを真ん中に移動させCロナウドをサイドに出した時点で、真ん中を守備の重点に置いてる様子は見られたわけだけど。とにかく、選手交代によって4‐3‐3にしたマンU。中盤の真ん中をフレッチャー&キャリック&ギグスが固める形。後はコンスタントに守備に参加するパク・チソンとたまに戻って来る(さすがに最後の方は戻ってくるシーンが増えた)Cロナウドがサイド担当。どちらにしても真ん中だけを見たときに4‐2→4‐3とすることで真ん中のメッシを経由させるバルサの攻撃をことごとく跳ね返していった。

というわけでマンUが勝ちあがり。1戦目と2戦目で全くやり方を変えての勝ち上がり。1戦目のベタ引きと2戦目の積極性。でも、今回の試合の後半の守備なんかを見るとやっぱり守ると決めて守れる強さが勝ち上がりを決めたような気がする。決勝はこないだのリーグ戦で守ると決めて守り切れなかったチェルシーが相手。ベタ引きか積極策か。最初の注目はそこになるかもしれない。
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この記事のコメント
UEFA杯でバイエルンにまで勝ってしまったゼニットも4-3-3
もともと4―4―2で攻めまくってやられるチームだったのですが、この形にしてカウンターの鋭いチームになりました。

チェルシーもそして多分ポルトやリヨン、R・マドリーもこの形だと思います。
テクニックのあるサイド、得点力のある1トップ、よく上がるSBが特徴です。
アーセナルもアデバヨールを活かすなら今は2年前のこの形が無理なくフィットする気がします。

このシステムにはバルサの代名詞であった2-3-2-3の影響を感じます。
そのバルサはロナウジーニョをあきらめてから、積極的な守備と組み立てはいいのに決定力不足という以前のJ代表状態ですね。
オシムはアジアカップ以降で4-5-1を4―4―2にして決定力を確保しました。
バルサにはワールドクラスのDFとFWが控えており、中盤はシャビ・トゥレが軸であることを考えても4-2-4を試みて欲しいチームです。

マンUはその点戦力を最大限に生かせる戦術をとっています。
ポリヴァレント起用に加え、4-2-4の流動アタッキング、4-4-2のゾーンDF、4-5-1のポゼッションを柔軟に使い分けることができます。
それぞれの完成度は高くなくても個のちからが発揮されているところがいいですね。

マンマーク色の強いタレント自慢同士の対戦でしたが、柔軟性がチーム事情とあいまって明暗を分けた気がします。
2008-05-04 Sun 01:16 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
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チェルシーの現状がまさに潮流を表してるかもしれませんね。アーセナルはオプションの1つとして4-3-3(4-1-4-1)は持ってると思います。リバプール戦では、その形でしたし。ただ、前半で疲れてボールが保持できなくなった時に、中盤を厚くするアプローチとして使われることが多いですね。本質的な4-3-3も見てみたいところです。

今季のバルサの悪い時を見ると、2-3-2-3よりも本当に4-3-3で戦っていることが多い気がします。ファン・ブロンクホルストを放出した時点で予兆があったわけですが、SBがそれほど活発に上がってきませんよね。リヨン戦なんかもSBが上がらず、トップ下が降りてきてバルサらしくない後ろに人数が偏った形になってましたし。結果、ゴール前の局面に人数がかけられず、得点が奪えない状況に陥ってるんじゃないでしょうか。マンUとの2戦を見てもデコ、シャビがFWになるシーンもほとんど見られませんでしたし。

マンUの強さは実は後ろの強さに裏打ちされたものですね。4-2-4では、後ろに絶対的な強さが必要ですし、ベタ引きでラストを守るにしても中盤での守備が効いてない上に、ずっと守り続けですから、最後の場所にかかる負担は大きいです。4-5-1のポゼッションだけは、ボールを持つことで守備の時間を減らすことができるかもしれませんが。攻撃陣の個の力がピックアップされますが、ラストの守備における個の力もすさまじいものがありますね。
2008-05-04 Sun 13:44 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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