ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-08 Thu 23:01
ミラン×インテル
<ミラン:4-4-1-1>
FW:インザーギ
MF:カカ、セードルフ-アンブロジーニ-ピルロ-ガットゥーゾ
DF:ファバッリ-カラーゼ-ネスタ-ボネーラ
GK:カラッツ

<インテル:4-3-1-2>
FW:クルス-クレスポ
MF:マニシェ、ビエラ-カンビアッソ-サネッティ
DF:キヴ-マテラッツィ-リヴァス-マイコン
GK:ジュリオ・セザール

この試合で勝てば優勝決定だったインテル。でも、試合内容は勝ってここで決めてやるぞっていうものではなかったと思う。どちらかと言うと、ここは無難に引き分けでっていうイメージ。どちらかと言うとというか、実際に引き分け狙いとしか思えないような試合運びだったと言ってもいい。ここで引き分けて後の2戦で優勝を決めればいいかっていう。そういえば、インテルの試合を見るのは超久々。最後に見たのは2年前の同じカード。ということは、もしかしていつもこういう引き分け狙い(要するにリスクを負わない)試合運びをしてるっていう可能性だってあるわけか。

そんなインテルの守備ブロックは4‐5‐0。数字で表すとおかしなところ満載の形だった。まず、なぜに足して9人しかいないかってこと。それはトップ下に入ったマニシェが計算に入ってないから。そもそもマニシェがトップ下に入るって時点で違和感を覚えた(インテルだとトップ下をやってるのか?)わけだけど、それは守備の形を見てすっきり。マニシェの役割は相手のピルロのマークだった。しかも、完全なるマンマーク。ピルロが動くところではどこまででもついて行くイメージ。よって、守備ブロックの数として入れるにはちょっと異質な存在。あえて言うならば、4‐5‐0+1ってのがインテルの守備だってことになる形だった。

次の問題は、なぜにトップの場所が0かってこと。これについては、見たまんま。要するに2トップが中盤の守備に参加したってこと。トップに入った2人の役割は相手のSBの攻撃参加に対する対応。よって、守備時のインテルの2トップは真ん中に位置せずに、両翼に張り出すような形になってる時間が長かった。この点については、途中で変化があったわけだけど、とりあえず基本はそういう形だったってことで間違いなかった気がする。

2トップが両翼に開き、トップ下がその場所を留守にすることが多くなったインテルの守備ブロック。というわけで、ミランの攻撃のスタートのところは何のプレッシャーも受けない状態。CBは自由に持ちあがれる状態。むしろ、ミランのCBが持ち上がるためにコースがわざわざ空けてあるようだった。この時点でミランはじっくりと組み立てることができる状況だった。低い位置ではプレッシャーがかからないんだから、何にも急ぐ必要はない。SBを上げて幅をもたらし、中盤の流動性を高めながらチーム全体として徐々に押し上げていく、そんなミラン的なやり方には最適な状況だったって言えると思う。

ただし、ここで懸念が出てくる。今年に入ってからのミランは、そういうミラン的な組み立てを放棄してるようだってこと。少なくとも実際に試合を見た、ローマ戦とシエナ戦ではそうだった。その時には横から縦への変化が生まれたって書いたわけだけど。中盤での圧倒的なポゼッションは影を潜め、むしろ中盤は素早く通り過ぎてしまうような真逆の組み立てに。それが悪い方に出ると、前線がはがれ、攻撃に厚みが生まれず、しかも前線が2‐1の先細り状態だから幅も使えないっていう形になってしまっていた。結果としてローマ相手にはいいところがなく敗れ去ることになったわけで。ただし、この縦急ぎのやり方には幸か不幸かパトの起用っていう条件の制約がある。

1トップにインザーギとかジラルディーノが起用されるた場合、どちらの選手もあまりゴール前の場所から動こうとしない。それが蓋なっていたのが以前のミラン。同時に縦にはなかなかボールを入れられない。引き出す動きをあまりしないから。インザーギは引き出す動きしまくりはしまくりだけど、それはあくまでもゴールに向かったものであって、あくまでも最後の最後の仕上げの部分だし。というわけで、ほとんどの時間でトップがいない者として扱われてたのが以前のミラン。当然のように効果的か楔は入らず、横パスが多くなる。これが悪い面から見た幅を使った攻撃。要するに仕掛けのパスを出せないから、横横になってしまうっていう。

そのトップの下にはカカとセードルフっていう絶対的な存在が並ぶ。仕方がないので2人が実質的にFW的な役割。でも、前には蓋がいるからゴールに向かうプレーはできない。よって、2人とも1・5列目の狭いエリア(左右の幅は使えても)で後ろとの関係性を築くしかなかった。そして、この2人が不運にも蓋になってしまう。でも、後ろからは徐々に押し上げてくる。どんどんと中盤に人数が溜まって行く。結果として、強制的に近さが生まれる。これが悪い面から見たミランの中盤の圧倒的なパス回し。

幅を利用しながら徐々に押し上げて、中盤で圧倒的にパスを回すミランの裏の面がこれ。今にして思うと、実はこの裏の面が占める割合は案外大きかったのかもしれない。いくら中盤で圧倒的に保持できたとしても、そこからなかなかゴールに向かっていけないのがミランだった。あれだけ組織的にボールを回しているのに、ゴールへ向かうところになると個の力に頼った強引なやり方が目立ったわけだし。仕方なしのパス回し、パス回しのためのパス回しが大きかったかもしれない。そのパス回しの流れに焦れたところで、カカもしくはセードルフに任せますっていう形だったとも言える。

こんなミランの攻撃がパトの存在によって大きく変化することとなった。パトはインザーギとかジラルディーノと違って動きまくり、引きだしまくり。それまでは前線に入れられなかったのに今となっては前で動き回ってボールを引き出してくれる選手がいる。それが嬉しいと思ったかどうかは知らないけど、どんどんと前線にボールを供給していくやり方が目立つようになった。要するにすぐに前に蹴ってしまうわけだから、SBがそれまでのように高い位置を保つってのも難しくなったし、中盤での近さもなくなる。渋滞状況によって生み出されてたそれまでの選手間の近さから比べると、むしろ間延びとも言える縦急ぎの攻撃は全く違った展開を生み出すこととなった。

同時にカカとセードルフの役割が変化したと思う。これまでは前線の蓋に邪魔されて、自分の後ろとの関係を重視していた2人。前に動き回るパトが入ったことによって、自分の前に広大なスペースが用意されているって状況が生まれることとなった。こちらも、それが嬉しいと思ったかどうかは知らないけど、それまでの鬱憤を晴らすかのように前へ前への飛び出しを増やして行った。むしろ3トップの一角的な役割の方が強かったと思う。チームとしてはこれまで中盤の絶対的な経由点となってた2人が、中盤ではなくFWの場所に出て行ってしまったわけで、じゃあってことで中盤を軽視せざるを得ない状況だったとも言える。

ここまで来ると悪い面ばかりが目立ってくるパト加入後のミランだけど、その中で可能性を感じさせる攻撃が見られたのも事実。それは、カカとかセードルフが中盤を思い出したときに生まれた。つまり、3トップの一角は一角でも、組み立ての中でどちらかが中盤に降りてきてこれまで通りに経由点として機能した時。そこで1度ボールを中盤に居座らせることで、全体の押し上げが活性化される。ようやって前後の関係性が密になると、パトが入った効果が生まれてくる。

パトがFWの場所を留守にすることが多くなることで、最前線の出入りが激しくなる。間延び状況ではカカとセードルフがそれを利用するだけだけど、中盤に1度ボールを滞在させて時間を作るなかで、もっと後ろからのダイナミックな飛び出しも活性化される。こうなってくると、前線が完全固着化された以前のミランとは全く違う。相手としてはラストで前の3人だけを押えとけばいいっていうそれまでのやり方では全く対処できなくなる。ミランの選手の動きがパス回しのためのものじゃなくて、ゴールに向かったものにシフトしていく可能性は十分にあった。

さて、これを踏まえて今回の試合はどうだったかってこと。ここで考えるべきなのはミランのトップの選手がパトではなくインザーギだったってこと。縦急ぎの攻撃がパトの加入の影響なのか、チームとしての方向転換なのかが分かることになった。もちろん、この数カ月の間にチームとして追及してた縦急ぎの攻撃をあきらめた可能性だってなくはないけど(だから、インザーギが重用されてるのかも)。どちらにしても、ミラン的なミランなのかミラン的じゃないミランなのかは注目に値するところ。ミラン的ってのは中盤を圧倒的に支配するって意味で。

で、結論から言えば今回の試合はミラン的だった。立ち上がりこそ、早めに前線に入れる大雑把なプレーが目立って、どういう方向かを見極めるのに苦労したけど、おそらくそれは様子見。ちなみに、この時間帯は全く積極性のないインテルと五分五分の展開になっていたわけだけど。その後、徐々にミラン的な中盤を支配する攻撃のやり方に移行して行くこととなった。そうなると流れは完全にミランのものになったと言ってもいい。

ミラン的なミランのやり方については、上にも書いたとおり。SBを高めの位置に入り込ませることで攻撃の幅を維持しながら徐々に押し上げていく。今回は上にも書いたとおりCBの場所がフリーになってたから、こういうビルドアップは比較的スムーズに行ったと思う。SBは相手のFWがついてるってのも書いたとおりだけど、どちらかと言うと事後的な対応、つまりボールが入ってからの対応が目立ったから完全に押さえられてしまうっていう状況でもなかった。

そうやって押し上げながら、中盤に近さをもたらしていく。後で詳しく書くけど、今回の試合に限っては上に書いたような悪い面はあまり見られなかったと思う。仕方なしのパス回しと言うよりは、しっかりと最終的にはゴールを見据えたパス回しになってた印象。どちらにしても、近さと流動性をベースとしてギャップギャップにパスをつないでいくミランらしさは見られたわけだけど。

でも、ここでちょっと今までのイメージとはちょっと違った部分がちらほら。これがゴールに向かったパス回しが生まれた要因の1つになってたと思う。その1つは今回の試合のミランは4‐4‐1‐1で戦ってたってこと。確かに守備時には4‐4‐1‐1で戦うことだってあるミラン。実際に今回の試合のミランの基本的な守備ブロックは4‐4‐1‐1の形だった。ただし、守備で4‐4‐1‐1を使ったとしても攻撃時にはセードルフを中盤の4から押し出して4‐3‐2‐1っぽい形にするのがこれまでのミランのイメージだった。要するにセードルフは中盤の4の中ではちょっと異質の存在っていう。それが今回は崩れてたような気がした。

つまり、攻撃時もセードルフは中盤の4の一角として振舞ってたってこと。4‐3‐2‐1の時に見られる、カカと横並びになって経由点となるようなシーンはほとんど見られなかった印象。正確には他の選手とあまり変わらなかったってことになるわけだけど。とにかく、前で待っているというよりは、どちらかと言うと後ろでフォローをするような役割を担ったり、前に出て行くにしても後ろをベースとしてそこから飛び出すっていうシーンが多かったように思う。

これによって生まれたのが2列目の出入り。上にも書いたように4‐3‐2‐1のときのミランは最前線から順に蓋になっていってしまう印象が強かった。結果として固着化、渋滞が生まれたわけで。今回の試合でもFWの場所は相変わらずインザーギの聖域だったけど、2列目の場所に変化が生まれてたように思う。それは2列目が固着化しなかったってこと。4‐4‐1‐1を基本にしつつも、見た目は4‐3‐2‐1になってるイメージ。これまでは2列目の2がカカとセードルフで固定されてたけど、今回はカカと誰かって形になった。中盤の4からの飛び出しが活性化したと思う。アンブロジーニ、ガットゥーゾ、セードルフ、ピルロが入れ替わり立ち替わり出てくる状況が生まれた。

結果として2列目の場所でミランの選手が浮いてくるシーンが多くなったと思う。ボールを受けた後に余裕ができて、前を向けるシーンも目立った。結果としてゴールに向かう意識が高揚した。悪い面が出たパス回しの時は、多くの場合相手にラストを固められてる状況。セードルフ、カカは経由点になれたとしても前を向かせてもらえないってことが多かった。結果として後ろのボールを戻すしかなくなり、パス回しが継続することになったと思う。出入りを激しくして、2列目の場所で浮く選手を作ったことで前を向く=ゴールに向かうプレーができたのが今回の試合のミランのよさだったと思う。

ただし、この点についてはインテルの守備のまずさがあったのも事実。というか、実はそちらの要因の方が大きかったかもしれない。今回の試合のインテルはイマイチ守備の根拠があいまいだったように感じた。そもそも、最初に書いたとおりとにかく守備に人数をかけて安全な戦い方をしようとしたインテル。結果として相手の攻撃のスタートのところから押さえられなかったのは上にも書いたとおり。じゃあ、どこで押さえに行くのか、つまり守備の勝負どころをどこに置くのかってのがポイントになったわけだけど、それが定まってなかった気がする。

スタートを自由にさせたインテル。そうやって自由にミランのパス回しを開始させてしまったら、途中で止めに行くのは自殺行為になるかもしれない。何しろ相手はミラン。相手が出てきたギャップギャップをつないで行くのが抜群にうまい。しかも、今回はミラン的なミランだったわけで。ギャップギャップのパス回しに、相手のブロックに揺さぶりをかけるような左右の展開も織り交ぜて狙いどころを定めさせないような組み立てを行った。それを途中で止めに行こうと飛び出していった時点で、ギャップだけを残してしまう懸念は十分にあったと思う。

それを考えてなのかどうなのか、インテルは中盤での守備にあまり強い意識を持ってなかったと思う。一応のチェックが目立ってた。問題はこの一応のチェックの終りが見えなかったってこと。相手のパス回しに対する一応のチェック。当然のように途中で止めることができないから、ブロックがズルズルと下がって行く。そうやってズルズルとラインを下げても相変わらずの一応のチェックの繰り返し。誰も守備のスイッチを入れようとしない。エリア前の場所でどれだけカカが前を向いてボールを持ってたかって話。

これは人数の多さに起因する部分が大きかったかもしれない。味方が一杯いる安心感と言うか。ちょっとぐらいルーズにしても、最後の最後に人数をかけて守ってれば問題ないだろっていうか。確かに、最後の最後の最後を人数ベースで跳ね返し続けるっていうやり方が残されていないわけではなかった。もう、相手の出し手への守備は捨てる。その代わりに、エリア内には入らせない。絶対的な人数ベースブロックで最後の場所に壁を作るっていう。

ただし、ここで思い出すべきなのはミランのトップに入っている人物。それはインザーギ。最後の最後にインテルがいくら人数をかけたとは言っても、インザーギはその上を行く。何度もゴールに向かう引き出しの動きを繰り返して、したたかに相手の死角を狙っていく。確かにインテルの方もインザーギの場所までルーズにしてたわけではない。でも、そのマークを外す動きをインザーギは持ってる。何度も繰り返しているうちに、いくつかは相手のマークをすり抜ける。

そして、インザーギがマークを外したときにインテルの守備は全く根拠がなくなることになる。最後を固めてるはずなのに、相手のFWを見逃してる。そして、そのFWにボールを供給する相手選手も浮かせてる。カカが前を向いてボールを持つシーンが目立ったってのは上にも書いたとおり。この2つが合致した時点で決定的なパスがゴール前に送られることになる。1点目のシーンを含めてミランのチャンスのほとんどがこのパターン。インザーギが相手を外し、そこに相手の守備がルーズなカカ(など)からラストパス。ピルロには密着マークをつけたインテルが、カカを浮かせまくってたのは大いに疑問。

さて、この1点目のシーンにもつながったように今回のミランはサイドからの崩しが多く見られた。これが今までのイメージとは違った部分の2つめ。組み立てではサイドの幅を有効に活用するミランも最終的には真ん中に入ってくるってのが、これまでのイメージだった。組み立てでの左右の幅利用はあくまでも最終的に崩したい真ん中を空けるためっていう。それが今回はサイドで攻めきるってシーンが多かった気がする。サイドに起点→相手のブロック前を通り過ぎるサイドチェンジ→クロスってのが1つのパターンだった。

これは中盤の4の場所でプレーしたセードルフの影響によるものか。いつもと違って中盤の4の一角としてのイメージが強かったってのは上にも書いたセードルフだけど、その4の中での基本ポジションである左サイドでのプレーが多かったように思う。常にベタ張りってわけではないけど、いつもよりはサイドにいる時間が長くなった。そして、その左サイドにピルロが流れてくることも多くなった。これは相手のマニシェのマークを嫌ってっていう側面があったかもしれない。ファバッリの攻撃参加も活発だったし、ピルロとセードルフがいるサイドの攻撃が活性化するのは当たり前であって。ちなみに、逆の右サイドにはカカが流れることが多かったと思う。

このサイドからのクロスの多さは相手のベタ引きブロックを横から攻めてしまおうっていう意図を持ったものだったかもしれない。正面から行けば密集した相手のブロックも、横から見ればただのライン。狙える場所は多い。さらに、横からのクロスに対して相手のDF陣はどうしても人を離してしまう傾向が強まる。インザーギにとっては願ってもないチャンスじゃないかっていう。ゴール前に1枚ってシーンが多かったのに、どれだけ決定的なチャンスを作ったかって話。ちなみにサイドを変えるアプローチはボールサイドに寄ってくる相手に対して広い場所を使うってこと。真ん中でタメといて外って形でのフリーでのクロスもいくつかあった。

こんな流れの中で試合の主導権を握ったミラン。上には4‐4‐1‐1が守備の基本だって書いたけど、終了間際の守りに入った時間を除いて、4‐4‐1‐1で守る時間はほとんどなかった。それは、攻撃後の流れの守備がうまく機能してたってこと。当たり前と言えば当たり前。相手は11人全員が守備ブロックに参加して、自陣に戻ってる。相手の奪われたからと言って、素早くラインを下げて組織を作る必要は全くない。相手の守備から攻撃への切り替えの選択肢はほとんどないわけだから。だから、攻撃の流れのままに高い位置で守備をするってのが合理的だったし、その中で高い位置での効果的なカットも多くなった。2点目につながったのがその形。

ミランの2点目よりは前の話になるけど、こういう状況に対してインテルも変更を加えてきた。さすがに全員を守備に回すのはダメかって思ったのかもしれない。2トップの1人(多くはクルス)は相手のSBへの守備は免除されるようになっていった。とはいっても、マニシェが留守にするトップ下の場所のケアが主な仕事になったから、守備ブロックに参加することにも自陣で守備をすることにも変わりはなかったけど。でも、味方が押し込まれている時には戻らずに前に残るってことになった。奪ったら、そこに当てて全体の押し上げを図ろうっていう。

後半になるとクレスポも相手SBに対する守備を免除されることになった。これによって、やっと4‐3‐(1)‐2っていう普通の形になったとも言える。ただし、クレスポとクルスが前線に残ったインテルには守備の問題が生まれた。上にも書いたとおり、基本的に守備の根拠が薄かったのが今回の試合のインテル。それでも前半を0に抑えてたのは、とにかく人数をかけて自陣で守備をしてたから。そこから2人がいなくなった状況で、その人数の根拠も薄くなってしまった。1点目を許したシーンの時点では2トップは前線にとどまり、人数が少なくなった後ろの選手は誰も相手のボールにアプローチできずっていうシーンだったと思う。

さて、ここで話を変えてインテルの攻撃について。2年ぶりのインテルだけど、いろいろとダイジェストを見る限りではFWの良しあしによってチームの良しあしが決まるっていうある程度のイメージは固まってた。そういう凝り固まったイメージをベースとしてではあるけど、今回の試合でもそのイメージは大きく異なってないなってのは感じさせられた。つまり、インテルの攻撃のステップの中にはFW(またはトップ下)を経由させるっていう意図を持った縦パスが多いってこと。そして、チーム全体として攻撃に出ている時には、そのFWの近くに人数をかけようっていう意識の強さも見られた。

これが機能してるときにはいいと思う。収まりがいいFWを使う傾向にあるインテル。そして、そのFWはイブラヒモビッチを筆頭に何でもできるタイプが多い。よってFWに収まりさえすれば、FWだけでゴールまで行けるシーンも多くなる。それに加えて、FWの近くに位置しようっていう周囲の意識。FWに入りさえすれば、いろいろな展開が一気に開けてくるのがインテルのやり方だと思う。

ただし、今回のミランはそれほど甘くはなかった。そもそもミランの守備には大雑把に言って3種類ある。4‐3‐2‐1型と4‐4‐1‐1型と新種の4‐3‐3型。4‐3‐2‐1型はトップ、トップ下の守備のスタートとして前線から積極的にプレッシャーをかけていくやり方。そうやって前線が限定したころを中盤の3がかっさらってく。前線から切って、切って、追い込み高い位置で奪うのがこの形。4‐4‐1‐1型は逆に受ける意図が強い。重要なのは4‐4で完全にバイタルをつぶすってこと。そうやって最後のところに入り込ませない形。4‐3‐3型は縦急ぎミランに見られた問題が多い形。前線の3枚が守備を免除され、後ろの4‐3で守るべきもの。この形だと中盤の3が引っ張り出されて、バイタルエリアに広大なスペースが空いてしまうシーンが多発した。

今回の試合では上にも書いたとおり4‐4‐1‐1の守備ブロックを形成したミラン。つまり、バイタルエリアをつぶすっていう守備意識が高かったことになる。これはインテルの攻撃のやり方を考えれば効率的。4‐4の間をつぶして、相手のFWにボールを入れさせないってやり方だから。今回の試合では守備時の中盤の4の並びがいつもとは違って、真ん中にガットゥーゾとアンブロジーニ(右にピルロ、左にセードルフ)の形だったのも、相手のFWへのフィルターをかける意識が強かったかもしれないと思う。

FWに入らないインテル。FWに入れようとした縦パスはことごとくミランの中盤のフィルターに引っ掛けられてた。それでもFWと近い距離を保とうとする意識は変わらない。だから、後ろから次から次へと選手が入って行く。でも、ボールはない。ポストプレーをするためにボールを待ってるインテルのFW。そのFWにボールが入ってから動きを開始しようとする周囲の選手。相手の強固な4‐4の間で“待ってる”選手が多くなっていく悪循環が生まれてた印象。

もちろんインテルの方も馬鹿正直に縦パスを狙っていくばかりではなかった。左右の展開を織り交ぜながら、相手のフィルターの間に隙間を作ろうっていうアプローチは忠実に行ってたと思う。ただ、攻撃のチャンス自体が少なかったことで、そういうアプローチを何度も繰り返すことができなかったのが残念なところ。もっと徹底的に左右に振るアプローチをしてたら、インテルのやりたいようになってた可能性もある。もちろん、それでもミランの強固な4‐4がバイタルをつぶし切った可能性だってあるわけだけど。

ちなみに、この前線に人数を多く入れるインテルのやり方について最初は別の意味での作戦だと思ってた。上にも書いたとおり、相手の前線の選択肢が少なければ高い位置から守備をしてくるミラン。逆にインテルの方が前線に人数を増やせば、相手のブロックを押し込むことができる。つまり、4‐4‐1‐1ブロックを作らせるために前線に人数を入れたんじゃないかっていう。

4‐4‐1‐1の方のミランはボールが自陣に入ってくれば忠実なチェックを開始するけど、低い位置の相手に対しては効果的に守備をすることができない。前線は1‐1なわけだから。だから、インテルがそういう状況下でボール保持重視のやり方を採る可能性だってあった。ボールを持ってれば相手に攻められることはない。守備を見ても攻撃をする意識が高いようには見えないインテル。攻撃で無理にボールを失うことはせずに、キープ重視で入るのだって理屈にかなってる。でも、実際には安易に縦パスを狙って引っ掛けられるシーンが多発してたから、これは妄想でしたねって話なわけだけど。

さて、ここを落としても何にも痛くはないインテル。ダービーを落としたってのは、それはそれで痛いのかもしれないけど。でも、優勝に向けて圧倒的優位であることは変わらず。今回の試合を見ても、m着茶強いっていう印象を受けたとは言わないけど、下位相手の2連敗はないだろうなって思う。逆にミランにとってのこの1勝は大きかった。来期のCLに向けては、文字どおりに絶対に負けられない戦いだっただろうし。でも、これで安心できないのも事実。実際、インザーギの大爆発がどこまで続くかっていう不確定要素に左右される部分もかなり大きい気がする。今回の試合でも、ミランのチャンスはインザーギの個人技(要するにマークを外すって技)による部分がほとんどだったし、
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