ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-05-18 Sun 18:21
エバートン×チェルシー
<エバートン:4-4-2>
FW:ヤクブ-Aジョンソン
MF:マヌエル・フェルナンデス-Pネビル-カーズリー-ピーナール
DF:レスコット-ジャギエルカ-ヨボ-ヒバート
GK:ハワード

<チェルシー:4-3-3>
FW:カルー-アネルカ-Jコール
MF:エッシェン-SWフィリップス、ミケル
DF:Aコール-テリー-カルバーリョ-フェレイラ
GK:チェフ

リバプール戦でのエバートンは精彩を欠いていた。その要因はシステム変更。ケガ人続出のチーム事情を反映していつもの4‐4‐2を採用できず、4‐1‐4‐1での試合に臨んだ。特に大きかったのが2トップ→1トップへの変更。攻撃ではトップを狙うのが目標の1つであるエバートン。その目標が2枚から1枚になってしまったわけで。その影響は多大。さらに、2列目が1トップのヤクブに効果的に絡めず、ヤクブは1人でいつもの2人分の仕事量を要求されてたと思う。結果、トップ不在のイレギュラーな状況が多く見られた。

守備ではトップが追いかけることをスタートとしているエバートン。そのトップが1枚になってしまったことによって、守備のスタートが切れなくなった。それに伴って人をしっかりと押さえる後ろの守備の良さも消え気味だったように思う。エバートンらしくないエバートンが見られたリバプール戦だった。後々のことを考えると、このリバプール戦での敗戦は痛かったし。

そう考えると今回の2トップの採用はリバプール戦から比べれば明らかな好材料。立ち上がりは2トップに戻ったことによって、いつものエバートンらしい内容が見られたように思う。攻撃では単純にトップを狙うボールが増えた。リバプール戦でもそういうボール自体は多かったけど、その実効性が全く異なってた印象。何よりも単純にターゲットが2枚になったこと、結局ヤクブに入れるとしてもすぐ近くに相棒がいたことが大きかったと思う。1トップになったことで、ヤクブが真ん中に重点を置けたのも好材料。

さらにチェルシーとリバプールの守備の違いも影響を及ぼしたような気がする。リバプールの真ん中の場所はCB-CMFの2-2が距離を近づけて一体となって押さえてる。対してチェルシーの真ん中は枚数的にも2-1だし、加えて最終ラインと中盤の関係性がリバプールほどよくない。だから、エバートンの1発のボールが収まりやすかったって言える。

そうやってトップに単純に入れたボールをサイドに展開するのがエバートンのやり方。これはリバプール戦でも見られた形。立ち上がりはしっかりと機能してたチェルシーの中盤での守備。エバートンがパスをつなぎながら組み立てを行おうとすると、ことごとくチェルシーの中盤で引っ掛けられてしまった。だから、その中盤を飛び越すボールを蹴っておいて、その後に展開をするってのは理にかなった考え方。トップに当ててピーナールへ(今回は右サイドに入った)っていうエバートンの攻撃の1つのパターンが目立った印象。2トップにしたことでこの一連の展開がスムーズに運んだと思う。

ただし、2トップにしたことによるエバートンの良さが見られたのは本当に立ち上がりの数プレーのみだった。なぜならば、その後はチェルシーに攻め込まれる時間帯が続くことになったから。それについて、ここから詳しく見ていくことになるけど、簡単にいえば本来やりたい4-4-2を維持できなくなったってこと。チェルシーに押し込まれたエバートンの守備ブロックは4-4-1-1になる。この4-4-1-1がいろいろな弊害を生み出した。マンUほどとは言わないけど、エバートンが安定してるのは4-4-2というよりは4-2-4みたいな形のとき。というか、本来は4-1-3-2で戦ってるわけだし。そういう、攻守に渡って前がかり気味のシステムが維持的なくなった時点で、エバートンは悪循環の波に飲み込まれて行ってしまった。

最終的には押し込まれてしまうことになるエバートンだけど、本当にやりたかった守備のやり方はいつもどおりのものだったと思う。つまり、上でも触れたようなトップが前線から追いかけて後ろが人をしっかりと捕まえるってこと。最前線を2トップの形で維持できてた時間はリバプール戦のように守備のスタートがうまく機能しないなんてこともなく。相手のCBの持ち上がりを防ぎながら後ろとの関係で制限を加えるような守備のスタートが機能してたと思う。

ただし、チェルシーはなんだか知らないけどビルドアップが抜群にうまい。昨日見たマンU戦もそうだったし。チェルシーのビルドアップの特徴はゆっくりと確実にってこと。低い位置のボールに対しても近づくランニングを組み合わせながら、近くに逃げ場を常に置いておく。低い位置のボールに対して近づくランニングをするってのは、つまり上から選手が助けに降りてくるってこと。これじゃあ、前線が薄くなってしまう。それを防ぐために、1人が下がってくれば別の選手が入れ替わりで出て行くっていう動きがチェルシーのビルドアップの特徴の1つ。前の人数を減らさずにボールを徐々に高い位置に持って行く。その中で全体が押し上げていくみたいな。

前が降りてきて代わりに別の選手が出て行く。これはアーセナルのビルドアップでも見られる形。でも両チームではゴールに向かう意識に雲泥の差があるかなって気がする。アーセナルは今までにも書いてきたように、ゴールに向かうためにパスをつないでいく。だから、少ないタッチでスピーディーに次々と局面を変えていく。対して、チェルシーはある意味ではパスをつなぐためのパスが多い。ゆったりとしたリズムで広いとこ広いところをつないでいく。ゴールに向かうために狭い所にでも強引に入り込んでくなんて考え方はチェルシーにはないと思う。

そう考えると、どちらかというとミランに似てるかなっていう。後で書くようにパスがつながりまくっても相手ブロックに仕掛けられないあたりはそっくり。でも、ミランと比べるとそれはそれで違いがある。ミランのパス回しには真ん中を空けるっていう目標があるけど、チェルシーの方にはそんな目標は感じられない。とにかくボールをつなぎまくろいっていうイメージ。去年の日本代表の近いのかも。なんていうことを言ってるときりがないので、比較はこれぐらいに。

前にチェルシーの↓↑の動きってのに触れたことがある。ここまで書いてきたような、1人が降りてきて別の選手が代わりに出て行くっていう。チェルシーのこの↓↑は質が高い。上の選手が降りてきて相手を引っ張り出したスペースを、後ろから出て行く選手が効果的に活用。マンUとかエバートンみたいに人への意識が強いチームに対してはさらに効果的に機能する。引っ張り出しておいて背後に入り込むっていう動きの中で的確に間に入り込んでくる。そこで浮いた選手が簡単にボールを受ける。そうやってスムーズに前線にボールを運ぶことができると思う。

しかも、こういう一連の流れをボールを動かしながら行うのが今のチェルシー。逃げ場を常に維持しながら、相手がプレッシャーに来たところでシンプルに次の場所へと逃げて行く。よってエバートンの方は守備の狙いどころが定まらない。ボールを回されて、狙いに行ったところで簡単に否される。守備が後手後手に回って、むしろ背後にギャップだけを残してきてしまう困った状況。そのうちにズルズルとブロックが押し下げられて行ってしまった。これが4-4-1-1悪循環の始まり。

ところで、前線で頑張ってたはずのエバートンの2トップの守備はどうなったのかって話。上にも書いたように、2トップが2トップのまま維持されていた時間には2人が守備のスタートとして効果的に機能してたと思う。でも、これに対してのチェルシーの対応もしたたかだった。相手のトップの守備が効果的に機能してるとき、つまりCBがボールを持ちあがれないし、前線に出そうとしても狙われてるとき、チェルシーのCBは単純に前線に蹴ってしまった。

今回の試合ではトップがドログバではなくアネルカだったチェルシー。よってロングボールを蹴っても全くチャンスに直結せず。というか、普通に相手ボールになることが多かった。でも、相手ブロックを押し込むことには成功したって言える。ロングボールで相手ブロック全体の後ろへの意識を高めておいて、改めて組み立てなおすっていうアプローチが目立った印象。

こういう部分を見ても。チェルシーの組み立ての中にあるのは自分たちの陣地をいかに増やすかっていう考え方。とにかくボールをつなぎたいチェルシーだから、相手のプレッシャーがない安全地帯を増やすことが何よりも目標になってたと思う。相手が全体として前に守備意識を向けてくれば、迷わずに蹴ることで後ろへの意識を高めるし、中盤のところで守備意識を高めてくれば、DFとの間のギャップに入り込んで、中盤の前への意識を削いでしまう。さらに、常に安全な場所安全な場所へとつないでいくポゼッションで相手に狙いどころを定めさせない。ブロックをズルズルと引かせるとともに、引いてしまったブロックを深い位置に釘づけにする。そんなチェルシーの攻撃だった。

ただ、そういうビルドアップまではスムーズだったチェルシーの攻撃の勢いがラスト1/3のところで一気に陰ってくる。ビルドアップのうまさをベースとしながら、相手を押し込んで自分たちの陣地を増やすことには成功したチェルシー。でも、そこからゴールに向かうにあたってどうすればいいのかってことが全く見えず。昨日のマンU戦の時に書いた懸念がダイレクトに表れてたと思う。

ドログバがいたマンU戦では、そのドログバを目標とすることで思ったよりも相手のラストブロックに仕掛けていく回数が多くなった。ドログバの存在が強引な入り込みにつながったって言える。でも、今回のエバートン戦のトップはアネルカなわけで。アネルカはドログバほど確固たる存在じゃない。結果としてどうしようもないとしか言えない展開が生まれた。

昨日も書いたとおりアネルカはトップの場所を不在にすることが多い。ただ、今回の試合を見て改めて思わされたのは、そのトップを留守にする動機が不純だってこと。全体のバランスを見てとかパス回しを助けるためっていうよりは、ただ単純に狭い場所が嫌いってだけのような気がした。アネルカが相手が作った4-4のブロックから簡単に出てきてしまって、ブロックに仕掛ける上での目標がいなくなってしまった。ただ、そのブロック内で待ってたとしてもアネルカにドログバほどの信頼感があるかどうかは微妙なところだけど。

ボールが大切なチェルシー。ドログバにならばたとえボールを失う可能性があったとしても無理やりに狭い場所にボールを送り込む価値があると考えられる。でも、アネルカはそのブロック内にはいないし、いたとしてもボールを失うリスクの方が高いと判断される。よってチェルシーの攻撃の中ではゴールに向かうことよりもボールを失わないことが優先されてしまっていた。パス回しはすべて相手のブロックの外外をつなぐもの。ボールはよく動いてるし、その中でパス&ゴーを織り交ぜながらリズムを変える場面も見られる。でも、例外なくボールは相手のブロックの外外でつながっていった。

だから、ポゼッション率を高めてもゴールに向かうシーンが恐ろしく少なかったのが今回のチェルシー。しかも、相手のラストブロックへの仕掛けの選択肢も恐ろしく少ない。目立ったのは外外でボールをつないだ上で、結局ラストも外からって形。サイドでWG-SBが関係性を作って深い位置までえぐり、そこからクロスっていうやり方。でも、左のカルーは中に流れ気味で縦をえぐることが少なかったし、右は右でJコールが乗り切れてなかった今回の試合。セットプレーを含めてキックの精度がかなり低かった。よって効果的なクロスを送り込むことは結局できなかったと思う。

それにクロスに対して反応する中の選手が少ない。ボールを支配して前線に人数をかけてるのにも関わらず。ボールは友達のチェルシー。ボールを失いたくないから相手のラストブロックに仕掛けないってのはここまでにも書いたとおり。同時にボールが欲しい選手が次々にボールに近づいてきてしまう。ブロックの外でボールが動いてるわけだから、選手はみんなブロックの外に出てきてしまう。結果として相手のブロックを取り囲むようにチェルシーの選手が配置される状況が目立った。攻撃に人数をかけてるのにゴール前が薄いっていう謎な場面が多々見られた。

そんな中、相手のブロック内で孤軍奮闘してたのがSWフィリップス。アネルカがしばしばトップの場所を留守にすることによってできたスペース(と言っても敵は密集)の中で爆発的なランニングを繰り返してスイッチとして機能したと思う。チェルシーがエバートンのラストブロックに仕掛けたり、強引にエリア内に入り込んだりっていうプレーのほとんどは実質的にSWフィリップスの動きによって引きだされてた。ただし、やっぱり1人だけの動きじゃ辛いわけで。なんとかブロック内に入り込んだとしても、ことごとくエバートンの密集守備ブロックに跳ね返されてしまっていた。

だからこそ、得点シーンには意味があったと思う。このシーンは今回の試合で唯一エッシェンが相手ブロック内に入ってきたところから生み出された。それ以外の時間のエッシェンはとにかく相手のブロックの外でのプレーが目立ったと思う。ブロック外でのタッチ数を増やしながら、よく言えばうまくボールを散らして組み立てを行ってた。ただし、あれだけ押し込んでいたことを考えれば、その仕事はミケルに任せてもよかったんじゃないかって気がする。むしろ、エッシェンがブロック外で目立ちまくってる状況は前線が薄くなることを意味してたわけで。得点につながったことからも分かるとおり、もっと積極的にゴール前に出て行くプレーをすればよかったのにって思う。

こういうところから見ると、チェルシーは自分たちから相手のブロックに入り込むのがとっても下手だってことが分かる。自分たちからアクションを起こして相手のブロックに穴を作るのが下手だってこと。昨日見たマンU戦ではブロック内に入ることが多くなったけど、それだって工夫は皆無。ドログバの個人の力に任せた結果。それに対して、今回みたいな試合が今シーズンどれだけ多いかって話。つまり、ブロックの外でボールをつなぎまくるってこと。そして、全然ゴールに向かって仕掛けられないってこと。

じゃあ、なんでビルドアップがスムーズかっていうと、なぜかチェルシーはなぜか相手のギャップに入り込むのが抜群にうまいから。ギャップを作ることはできないけど、現に存在するギャップに入るのはうまい。ビルドアップがうまいのは、その時点では相手がまだ中途半端に引っ張り出される余地があるから。中途半端に出てきた背後をついていくってのは上にも書いたとおり。でも、ラストブロックを完全に固めに来た相手に対してはそうは行かない。ただ、ボールを回してるだけじゃおびき寄せることはできない。相手はラストで跳ね返すことを心に決めてるわけだから。そのときにチェルシーには工夫がない。そして、ボールばかりが相手のブロックの外で回って行く。

ただし、それでも主導権を握ってたのは圧倒的にチェルシー。チェルシーはラストの崩しが全く機能してなかったけど、それ以上にエバートンは攻撃が全くできなかった。それはチェルシーによって4‐4‐1‐1にされてしまった影響が多大だったから。ビルドアップがうまいチェルシーに対していつものような前線で追いかけ、後ろは人を捕まえる守備ができなかったエバートン。狙いどころが定まらずに全体が押し下げられてしまったのはここまでにも書いてきたとおり。そして、その結果として深い位置に4‐4‐1‐1のブロックを形成してラストで跳ね返すしかなくなってしまった。

この時点で2トップは幻と消えた。それでもボールを得たエバートンはトップのヤクブを目指す。でも、4‐4‐1‐1になっているエバートン。4‐4‐1‐1は知っての通りの先細りシステム。マンU相手のリバプールが陥った悪循環へ。トップを目指しても相手としては押さえるところははっきりしてる。しかも、相手はテリー&カルバーリョ。その前にミケル。そう簡単に切り替えでヤクブに収まるわけもなく。ヤクブへのボールが奪われて再びチェルシーの攻撃が続くっていう形が目立つことになった。

運よくヤクブに収まったとしても、その後はどうするんだって話。上にも書いたように、トップに当てて→サイドへ展開ってのがエバートンの攻撃の1つのやり方。じゃあ、そのサイドの選手はどこにいるかってこと。それは超低い場所。チェルシーのSBの超攻撃参加に対応してたエバートンのSMFはかなり深い位置まで押し込まれてた。だから、切り替えでヤクブに収まったとしてもすぐにそこに絡めるはずもなく。出し所のないヤクブは頑張りむなしく結局はボールを失ってしまうこととなった。

切り替えでヤクブに収まらない。収まってもつぶされてしまうエバートン。そんな状況では後ろが押し上げられるはずもなく。4‐4‐1‐1のままに相手の攻撃を再び受ける状況に。しかも、1度相手にボールを持たれたらなかなか奪い返すことはできない。チェルシーはボールを失うリスクを最小限にして攻めてきてるんだから当たり前。押し込まれる→奪ったら先細りのトップへ→奪われる→押し上げられない→押し込まれる、の完全なる悪循環に陥ってしまったと思う。

これは本来のエバートンとは全く違った戦い方。本来のエバートンは上にも書いたように高い位置から守備を始める。両サイドも自分の前に対して積極的に守備をして行くことが多い。そうやって、守備時から攻撃のポイントとなるトップとサイドの関係を良好なものに保っていると言える。攻撃に人数をかけられるから高い位置での守備も効き、高い位置での守備が効くから攻撃にも人数がかけられる流れ。今回は真逆。攻撃に人数をかけられず高い位置での守備が効かず、高い位置での守備が効かないから攻撃にも人数をかけられない。本当に苦しい状況だったと思う。

この時点で0‐0引き分けの匂いがプンプンのこの試合。エバートンは活路が見出せず。ただ、結果として逆にラストの踏ん張りで失点を防ぐことだけに集中することができた。対するチェルシーは圧倒的なポゼッション。でも、相手のラストブロックには効果的に仕掛けられず。ボールを持ってるだけでチャンスは少ない状況。日本とアジアの格下の試合を見てるようだなと。ただし、チェルシーが先制点を奪ったことによって0‐0の予感は外れたわけだけど。

ここまでは恐ろしいほどにマンU戦とそっくりなチェルシー。ボールは好きなように持てる。ポイントはラストをどうやって崩すか。相手の引いたブロックに対して、そのラストの崩しで苦戦。そんな流れの中で前半の終了間際に先制点(しかも、中盤からの飛び出しで)。さらに似なくてもいいところまで似てくる。それは攻撃に出てきた後半の相手に対して、守備が機能性を失うっていう状況。ちなみに、このエバートン戦は実際にはマンU戦の1つ前の試合。あんまり関係ないことだけど。

後半は攻撃に出てきたエバートン。ピーナール→アンチェベとAジョンソン→グラべセンの同時交代で勝負をかけてきた。システムも本来の4‐1‐3‐2へと変更して。これによって縦関係っぽかった2トップが普通の2トップになり、加えてトップ下に選手を置いたことでヤクブの孤立を解消する狙いがあったと思う。そして、その思惑が功を奏して流れはエバートンに傾いていった。ように見えた。確かに流れはエバートンに傾いていったけど、その要因はエバートンのメンバーとかシステムの変更にはなかったと思う。じゃあ、何かっていえばチェルシーの守備のまずさ。

そもそもマンUとは違って引き分けでもよかったわけでもないエバートン。というか、絶対に勝ちが欲しかった試合。しかもホームでの戦い。マンUのように最初から攻撃を捨てて、守備に重点を置いてくる意図はなかったと言ってもいい。それでも前半は圧倒的にチェルシーがボールを支配。その要因は単純にチェルシーのサッカーの内容がエバートンのサッカーの内容が上回ったからだって言える。

1つはここまで書いてきたような攻撃面での圧倒的なポゼッション。加えて、守備の良さもチェルシーが主導権を握ることができた要因だったと思う。立ち上がりのチェルシーの守備は本当に質が高かった。相変わらず1度ブロックをセットしてからのスタートだったけど、相手が1つ入ってきたところで一気に厳しいプレッシャーをかけていったと思う。それに対する連動性もいいものだった。そうやってエバートンのパス回しはことごとく中盤の場所で引っ掛けていったと思う。だからこそエバートンは蹴る攻撃が増えたってのは上にも書いたとおり。ただし、ここまでは昨日見たマンU戦と同じ流れ。

今のチェルシーの問題はそういういい形の守備を維持できないってこと。今回も前半の途中からだんだんと守備がルーズになって行った。問題は守備のスタートが機能しなくなっていくこと。最初の場所で忠実に守備ができると、モウリーニョが残した遺産のおかげかその後も芋づる式に連動性が高まって行く。でも、スタートのところでしっかりとしたプレッシャーがかからないと、その後もズルズルとルーズな対応が続いて行ってしまう気がする。相手がパス回しを始めてしまったら、もう対応できないよみたいな。しかも、悪いことに中途半端に対応しに行って最終的にはDFが晒されるってシーンが多くなる。これは昨日も書いたとおり。

そして、後半になってエバートンが攻撃に出てきたところでこの守備の問題が露呈した。完全にマンU戦と同じ流れ。前半はことごとく分断されていたエバートンのパス回しがつながりまくり。しかも、そのパス回しの中で1つ1つの場所がことごとく浮いていた。チェルシーの中盤での守備がルーズになり、実効性のある守備ができなくなったと思う。そんな中で狙いどころが定められなくなったチェルシーのブロックはズルズルと引いてく。一時はアネルカも含めて全員が自陣に戻る形だった。

じゃあ、こういう前後半の守備の違いがなぜ現れるのかって話。要因はいくつか考えられる。1つは攻め疲れのアーセナルパターン。ショートショートのパス回しで疲れてしまい、後半は運動量がガクっと落ちるってこと。ただ、チェルシーの定型的パス回しではアーセナルほどスタミナを消費するとは思えないけど。それに常にハイペースで試合を進めるアーセナルと違って、チェルシーは多くの時間をゆっくりと過ごしてるし。

というわけで他に考えられるのは気まぐれっていう要因か。でも、気まぐれであれだけ守備の質が変わってしまうとマンU以上だぞっていう。マンUの場合は前線の選手の気まぐれで、守備のやり方にいろいろと影響が出るけど、チェルシーの場合はチーム全体にムラがあるわけだから。ということは、これも現実的な考え方ではないか。

最後に現実的なものを1つ。それはチームとして守備を弱めるって考え方。というか、守備の勝負どころを変えるってこと。1点リードした時点で中盤での守備は捨ててラストの場所へと守備を移行しようとしてるのかもしれない。アネルカまでを自陣に戻した今回のやり方を見ると、あながち間違ってないような気がする。それに攻撃でも急に人数をかけないやり方に変更してくるし。前半にあれだけ人数をかけてポゼッション率を上げてきたのが嘘のように、後半は人数をかけずに一気に縦を侵攻してくやり方が目立った。

ただし、この変更がいいのか悪いのかよく分からない。守備は明らかに安定感がなくなっている。中盤での守備を捨ててラストに絶対的なブロックを作るっていうならば、それはそれで分からなくはない。でも、中盤の場所で中途半端な単発守備が繰り返される結果、最終的にはDFラインが晒されるシーンが多くなる。結局は最後の守備は個人の力で達成されることが多いと思う。

守備を消極的にして、攻撃も人数をかけないことで相手が攻撃の勢いを増す手伝いをしてるとしか思えない。しっかりとつなげるようになったエバートンは攻撃に人数をかけるようになった。そもそもエバートンの攻撃には近い関係性でのパス回しのよさもあるから、パスがつながるようになればいいリズムで深い位置まで入り込むことが可能になったと思う。そうやって前線に人数が来れば、高い位置での守備が効果的に効くようになる。しかも、相手は攻撃に人数をかけてこない。よって、前線の選択肢は少ない。だからエバートンは高い位置で本来的な守備ができる時間が長くなった。前半とは真逆の展開。チェルシーが自ら後ろに向かったことで、自らの首を絞めてたようなイメージの後半の流れだったって言える。

さらに分からないのがマケレレの投入。守備固めのためにSWフィリップスに代えてマケレレを入れる交代自体の意味は分かる。要するに守りたいってことだろっていう。そして、この交代によって中盤はミケル&エッシェン&マケレレっていう鉄壁の組み合わせに。ここまではいい。問題はこの交代によって中盤の守備が復活したったこと。チェルシーにとっては問題ではなかったけど。とにかく、前半のいい時間帯のように中盤での積極的なプレスが目立つようになった。これによって何とか糸口を見出しかけていたエバートンの希望は打ち砕かれることとなったと思う。

ということは、中盤での守備のルーズさはベンチからの指示ではないのかって話。後半の流れを見て、こりゃやばいってなったベンチがマケレレを入れるとともに中盤の守備を復活させろと指示したんじゃないかと思う。こうなってくると前後半の守備の質の変化の根拠が全く分からない。もしかしたら、本当に気まぐれなのかもしれない。だとしたら、ここは大きな穴になりうるだろうなっていう。というか、守備が気まぐれだとしても攻撃ではポゼッションを続ければいいのに。それも同時に捨てるから、なんだかよくわからないことになるチェルシーだった。

というわけでチェルシーの弱点が見え隠れする今回の試合だった。ラスト1/3を仕掛けられない攻撃の問題と、よく分からない守備の問題。マンUが付け入るとすればここのところ。昨日も書いたことだけど。ちなみに、明日から1週間は忙しいのでCLはリアルタイムで観戦できそうもありません。また、日本代表のコートジボワール戦もおそらく無理かと。数日後に追って更新することになると思います。
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この記事のコメント
まだ何となくですがチェルシーの「戦術というより規律」に関してはゼニットやオシムJに似たイメージを持っています。<戦術とは勝つための方策
∴相手ごとに決めるもの

以下仮説

>ラスト1/3
楔を入れてフォローに入った二列目がすばやく切れ込みシュート
外から回り込んで相手のラインを下げ、空いた中央へ折り返してあわせる
というパターンがゼニトの場合多かったです。
バルサのように前線の3人のうち誰かがくさびになって、それに呼応してSBやMFが切れ込んで撃ったり、回り込んで折り返したりすることが徹底されると強いでしょう。

>守備
こちらもバルサのようにDFは人を捕まえる感じで、
前線で人数を掛けられているならそこで奪って数的優位を活かしてボールを動かせばいい。DFは後ろのケアとビルドアップ要員。
前線ででボールが奪えないときは、DFを助けるために戻ってカバーする。そこからまた楔をいれスペースを見つけ縦に仕掛けていく感じではないでしょうか。

つまりSBやFWも含めた中盤の人数と運動量(コンディションも関係)、キープ力の力関係といったところでしょうか。

モリーニョの頃は後ろのブロックを連動させてボールを奪い、そこでの人の多さを使って時間を稼いでいたのとは対照的な気もします。

>流動アネルカ
速攻ではシェーヴァがベストでしょうしアネルカもいいでしょうね。連携に絡めないようならドログバがベストなのでしょう。
前線を空けてもトッティーのように組み立てができるなら入ってくる選手も生きるのでしょうが。それをしないならゴール前へまた詰めないと点が取れません。
バラック(SWP)・エッシェン・ランパードを中央に並べたら面白そう<これでエッシェンあがってこれたらこのチームの連携は本物(アーセナル・ゼニット並み)
2008-05-19 Mon 15:54 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
[]
チェルシーでも楔+2列目の関係性は確かに感じますね。縦パス&ゴーで受けた選手を抜いてく動きが多いですし、結果としてラスト1/3のところでのワンツーがかなり多くなってます。
ただし、その楔を入れるためにどうするかってことがはっきりしてないんですよね。縦に入れば動きは生まれるけど、縦に入れることができないので停滞するというか。その辺の工夫があればもっとゴールに近づけるはずです。

CB+アンカーで後ろは人を捕まえてると同時に攻撃においては3人がボール供給者として機能しているのは確かだと思います。ただし、守備ではその3人と中盤の関係性が欲しいですね。その点については前線が戻って守備をするっていう意識が弱い気がします。DFと中盤の協力というものが少ないですし。自分の仕事として相手が出てきたところで戻ることは戻るんですが(相手のSBにあわせて中盤が戻るなど)。

連携面では実はピサーロという隠し玉がいます。最近は出場機会が全然ないようですが。ピサーロの場合はトップに入ってもバラックとかランパードみたいな動きをして、むしろ中盤ですね。それはそれで面白い攻撃が可能になるわけですが。

バラック&エッシェン&ランパードの中盤は興味があるんですが、そうなったとしてもエッシェンの攻撃参加はあまり期待できない気がします。チェルシーのアンカーはあくまでも次の守備を考えてバランスを取ることが絶対視されてるイメージですので。攻撃は上に書いたように最初の散らしぐらいですね。ヤヤ・トゥーレのように頻繁に出てきてミドルなんてシーンはほとんど見られません。攻撃参加の頻度はCBとほとんど同じだと言ってもいいぐらいだと思います。

その代わり、守備の準備ができてるようですが、実は逆説的に守備の危うさも感じますね。前線の攻撃に後ろがついてきていないので、切り替えで効果的な守備ができてないと思います。アーセナルように奪われた場所でそのまま守備なんてのはほとんど見られませんし。前線の切り替え守備を抜け出されたら、あとは後ろの人のみで対応って感じですね。その間にギャップがあるので、相手はカウンターで予想以上に簡単にボールを運べます。これをもっと酷くしたのがニューカッスルなんですが。
2008-05-19 Mon 19:09 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
お忙しい中お返事どうもです。

>楔
3トップなんだから2トップより入るだろうと思ってしまうのですが、1トップなんでしょうね。
ピッサーロもおるんですか、勿体無い。これだけ質の高い(しかも降りてきたがる)点取り屋がいるなら彼らを並べてみろよという感じですね。

>中盤
エッシェンはチラシ役でなく突っ込んでいくところがみたいのでSBもいいですね。
ゼニートのアニューコフなんかは切れ込んでシュートも決めるし、まわりこんでアシストもします。<前コメントURL参考
ミドルならレバークーセン時代ボランチだったバラックは凄かったです。

まあ連携重視なのでマンUよりスタメンはいじらないとおもいます。
中盤とSBはDFを助け攻撃(FW)を助けるの繰り返しで、消耗するでしょうから確保したスペースでポゼッションを高めたり、フレッシュな選手を入れたりする必要があるでしょう。

>守備の穴
バルサもスコールズのミドルでやられましたが、この守り方で切り替えが悪いとアンカー脇のスペースが弱点になりますね。

ラインを上げて陣地を圧縮しないことで、ボールの逃げ場が確保できるのでピッチをいっぱいに使ってパスを回すことができ、相手の消耗も誘えます。オランダ色を感じますね。
<ガツガツしないところはスキ。アーセナルは圧縮してつなぐから怪我人が出るような・・・
問題の守備時ですが、
中盤が戻って最終ラインとサンドイッチにするとか
SBがボランチのように中に絞りながら戻るとかしないといけないでしょう。

マンUとしてはチェルシーが攻めあぐねているとき、これを攻略できればかなり優位な展開になりそうです。

ごきげんよう
2008-05-20 Tue 08:23 | URL | CSKA352 #5/ghAMww[ 内容変更]
[]
3トップですが、WGの2枚は相手ブロックの外でボールを受ける傾向が強いんですよね。ブロックの外というのは両脇ってことなんですが。カルーの場合は中に流れてきたりしますが、関係性を作るAコールが外側を回ってしまうので、結果外へ行ってしまう気がします。

エッシェンSBは試しているようですが、まだ実際に試合で見たことがないのでちょっとコメントはできません。今夜の試合で見られるかもしれませんが。SBが外を回るだけではなくて、中に切れ込んでくると面白いですよね。マンUのエブラなんかもそういう動きをしたりしますが。

チェルシーはなぜか分からないんですがチェルシーは時間が進めば進むほど攻め急ぐ傾向にあるんですよね。それが勝っててもなのでちょっと疑問なんですが。もっとボールを回して楽をすればいいと思うんですけどね。

スコールズのミドルは典型的な1ボランチの隙間でしたね。

チェルシーのピッチの有効活用は確かにそうだと思います。アーセナルなんかは1度縦に向かったら、意地でもそのまま縦に向かいますからね。それがアーセナルらしいといえばそうなんですが、やっぱりイレギュラーですよね。相手にとってはチェルシーのように上下左右に揺さぶりをかける方が嫌だと思います。ただ、そこからラストにどう持ってくかは今まで書いてきたとおりの課題なんですけどね。

守備では1にも2にも挟み込みだと思います。これができないと、マンUの個を抑えきれないような気がします。今回の試合では前回とは違ってマンUも普通に攻めてくるでしょうから。
2008-05-21 Wed 21:46 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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