ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

-------- -- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 |
2008-06-04 Wed 18:57
マンU×ウェストハム
<マンU:4-4-2>
FW:テベス-Cロナウド
MF:パク・チソン-スコールズ-キャリック-ナニ
DF:エブラ-ブラウン-ファーディナンド-ハーグリーブス
GK:ファン・デル・サール

チェルシーに負けた後にマンUの優勝に対して不安が続出。得失点差では圧倒的にマンUが上回ってるのにも関わらず。なぜか?それはマンUの残り2試合の相手にウェストハムが入ってたから。ウェストハムに対しては、最近3戦で3連敗中のマンU。3度あることは4度あるのか。少なくとも苦手意識を持っていることは間違いなわけで。そう考えると、たとえマンUがホームの戦いでも危険じゃないかっていうわけ。

確かに直近のアウェーでのウェストハム戦ではマンUの問題点が見え隠れ。ちょっとおさらいしてみたい。まず、攻撃においてはしっかりと組み立てられない状況に陥った。その理由はウェストハムの守備のやり方にある。今回の試合でも見られたように、ウェストハムの守備は高い位置から積極的に来る。守備ブロックの位置がめちゃめちゃ高い。このプレッシャーにマンUの攻撃のスタートのところが負けた。要するにDFラインとCMF。前線の味方が準備できてるかどうかなんて関係なく、とにかく蹴りまくったのがこの試合のマンU。前線から来られると脆い弱点が明らかになった試合だった印象。

加えて、守備面でも問題が見られたのがこの試合のマンU。前線の4トップが前に対する守備さえもしない最悪の形。テベス&サハっていう、あまり見ない2トップの形だったのも影響したかもしれない。とにかく、後ろの4‐2が本当の意味で4‐2だけで守らなきゃいけない展開になった。もちろん、それは危険な状態なわけで。試合の途中で修正を図ったマンU。システム合致をはっきりとさせて、自分が見るべき相手に対してはしっかりとついて行きましょうっていう約束を決めたと思う。

これによってとりあえず守備の方の問題はなんとかなったって言えるわけだけど、逆に攻撃の方がますます厳しい状況に。上に書いたように、とにかく前線に蹴りまくってたのがこの試合のマンU。前線4トップが守備を免除されているとすれば、とりあえずのターゲットは4枚。でも、守備の役割をはっきりさせた時点で両SMFが守備に追われる状況に。相手もSBを攻撃に出してきたから。よって、適当ロングボールのターゲットはさらに少なく。そんなやり方で効果的な攻撃が仕掛けられるわけがない。

この時点で無限ループ状態に陥ったマンU。前線に蹴る→ターゲットが少ないから相手に渡る→前線の枚数が少ないから効果的な守備が前線で効かない→後ろが押し上げる時間がない→低い位置に引かされたブロックで受ける→奪う→前線に蹴る・・・・。全ては相手の前線からのプレッシャーに負けたところから開始された悪循環だったように思う。そして、上でも書いたとおり結果としてウェストハムに不覚をとった試合になった。

基本的にこの無限ループ状態は様子のおかしいマンUに見られた問題と一致してる。マンUの様子がおかしくなるのは、もう少しあとの話。ただし、その問題の一端はこのウェストハム戦で見られてたんじゃないかって気がした。とはいえ、様子がおかしくなったマンUは相手が前線が来ようが来るまいが、次から次へと前線に放り込んでいってしまうような状況ではあったけど。そのときには無限ループに自ら陥っていったイメージだって言える。

とにかく、その様子のおかしさに対してマンUはどうしたか。ここでも何度も書いてきたとおりに4‐3‐3(4‐5‐1)っていう新システムを導入。そういえば、知らない間に4‐3‐3は絶滅してたなっていう話。一時は4‐3‐3が完全にファーストチョイスになってたはずなんだけど。そのうちに4‐3‐3と4‐4‐2の併用。相手のシステムによって変えてるのかなってのはここでも書いたとおり。守備の安定のためにシステム合致を作ろうっていうもの。ただし、そんなのはあっさりと打ち砕かれたわけだけど。

で、ここでもう1つ提案したいのはリハビリ説。チームとして様子のおかしい状況から抜け出すのが1つ。もう1つはスコールズのリハビリ。ケガから復帰後のスコールズは明らかに精彩を欠いてた。だから、そこにフォローをするためにアンデルソンを使ってたってこと。スコールズ&キャリックの役割をスコールズ&キャリック&アンデルソンで担うことによって、スコールズの負担を減らそうってもの。攻守に渡って。そんなスコールズも試合を重ねるごとに復調。今回の試合でも攻守のスタートとして目立ちまくり。もう中盤は3人もいらなくなった。だったら本来の中盤2枚の4‐2‐4に帰ろう。そんなシーズン後半だったのかもしれない。

この考え方はあながち間違ってない気がする。なぜならば上にも書いたように、前線から積極的に来るのがウェストハム。今回の試合でもアウェーだからと言って遠慮はしなかった。立ち上がりは中盤の4がマンU陣内に入るレベルの超高いブロックで積極的にプレッシャーをかけてきた。前回のように適当ロングボール攻撃からの悪循環に陥らないためには、スコールズ&キャリック&アンデルソン併用の4‐3‐3の方が適当のように思える。大体、ルーニー不在でCロナウドを2トップの一角に使ってる苦しい前線。4‐3‐3の方がよっぽど安定した戦いができるんじゃないかって話。

でも、やっぱり4‐4‐2だった。そういえば1つ前のバルサ戦も4‐4‐2だった。バルサは前線から守備をしてくるのにも関わらず。システム合致を使うならば、4‐3‐3の方が整理しやすいにも関わらず。そう考えるとマンUのベースにあるのはやっぱり4‐4‐2なんだろうと思う。そして、4‐3‐3は中盤を安定させるため。今ならスコールズとキャリックの2枚でも中盤を安定させられるっていう判断のもと4‐4‐2が再び表舞台に帰ってきた気がする。

というわけで、そんな判断が正解だったのが今回の試合だったと思う。上でも触れたとおりウェストハムは予想通りに高い位置からプレッシャーをかけてきた。そんな中でも意図のないボールをただ蹴りまくる流れにはならず。スコールズ&キャリックの2枚を中心にして低い位置でのボール保持に落ち着きをもたらした。前回はフレッチャー&ハーグリーブスの2枚だったから、ボールをつなぐ安定感という意味では大きな差があったのも事実だけど。そして、前線の4枚は変則4トップの良さを存分に発揮してた印象。4‐4‐2というか4‐2‐4のマンUの真骨頂が表れた試合になった印象。出し手としてのキャリック&スコールズと受け手としての変則4トップの関係性がかなりいい感じで回ってた。

とはいえ、相手のプレッシャーに対して全くロングボールを利用しなかったと言えば嘘になる。というか、立ち上がりはロングボールをかなり多用してた。ただ、それにしっかりと意図があったっていうこと。前回の試合のように困ったからとりあえず前線へなんていう質のものではなかった。そういう部分がはっきりとしてくれば、むしろロングボールは有効な手段。相手の超高い守備ブロックのプレッシャーの中を、つないでつないで前線に行くっていうアプローチは無駄なエネルギーを消費する。低い位置から相手の1/3を崩すような意識を持ってかなければならない。それは言い過ぎか。どちらにしても、相手の超高い位置からのプレッシャーの中でもパス回しでビルドアップをして行こうなんてチームはアーセナルぐらいのものじゃないかって話。

とにかく、立ち上がりのマンUはロングボールを多用。前線の選手もしっかりと準備ができてる状況で。そんな中で立ち上がり早々に先制点が生まれる。このシーンはゴールキックからだったけど、まさに狙いどおりの形だった。蹴って、相手DFを押し下げて、中盤との関係をはがして、DFだけに仕掛ける。得点したCロナウドは相手のDFに直接的にドリブルで仕掛けていける状況だった。そして、相手のDFは仕方なくズルズルと下がっていった。で、あっさりとエリア内に侵入していったシーン。

マンUにとってはラッキーな得点だった印象。なぜならば、本当はロングボール攻勢は次への布石っていう面が大きかったはずだから。上にも書いたように、ロングボールを蹴りこんでいくうちに相手のDFラインは下がっていくことになる。で、結果として中盤との関係が離れて行く。4‐4の間に隙間が空く。そして、今回のマンUは4‐2‐4。4‐2‐4のマンUの特徴は何だったか。それはトップ下の場所で出入りを激しくするっていうもの。そのトップ下の場所と相手の4‐4の間は合致関係。4‐4の間に隙間があけば、マンUは自分たちの使いたい場所を好きなように使えることになる。最初のロングボールの狙いはこれだったと思う。

まあ、あれだけ早い時間に得点を取れたのはラッキーだったとしても、マンUは粛々と自分たちの任務をこなしていった。つまり上で書いたように4‐4の間に入り込むっていうアプローチ。今回の試合のマンUは立ち上がりから前線変則4トップの動きが活発だった。いつもは立ち上がりは様子見で平行移動的に戦うんだけど、今回の試合では立ち上がりの最初に相手ブロックに入り込んだのが、この変則4トップ利用。基本はトップの場所にいるCロナウドが右サイドから相手の4‐4の間を横切ってボールを受けたシーン。この時点では相手の4‐4の密着度が高くてつぶされてしまったわけだけど、自分たちの4‐2‐4の良さと相手の4‐4の間の合致を使ってやろうっていう意図は見えてたと思う。

ロングボール多用で相手の4‐4の間に隙間を作り出したマンUは容赦なくその場所を使い始める。テベス、Cロナウド、パク・チソン(、ナニ)が入れ替わり立ち替わりトップ下の場所に降りてきた。そして、1人がトップ下の場所に入る動きをしたのを皮切りに、全体の動きも生まれる前線。テベスとかCロナウドが降りてくれば、パク・チソン、ナニがトップの場所に入って行く。パク・チソン、ナニが真ん中に流れて行けばサイドにテベスとかCロナウドが出て行く。そんな関係性。

ただし、今回のメンバーだと前線の4トップが4トップ的に機能できないっていう部分もある。テベスとCロナウドは基本的に好きなように動く。特に今回のCロナウドの自由度はかなり高かった。その2人の動きを見ながらバランスを取るようにパク・チソンが動く。パク・チソンのイメージとしてはトップが空いたときに出て行くっていう動きが一番目立つ気がする。トップ下の場所の出入りっていう意味ではギグスの方が目立つかなっていう。ただし、今回の試合のパク・チソンは相手の4‐4の間でボールを受けるシーンも増やしてた。スタメン出場が続いていた時期だから変則4トップに慣れてきたかもしれない。

問題はナニ。前線の中でナニだけが流動性の波に乗り切れてなかったと思う。基本的にポジション固定的で右サイドに居座ることが多いし、周囲が作ったスペースに入り込むシーンも少なかった。トップ下の場所にもほとんど出入りしてなかったと思う。そんなこんなで、チームとしての前半の最高の流れに乗り切れず。どこかでイライラが蓄積した結果としての頭突きだったかもしれない。そして、そういう状況が今回の試合だけではなくてシーズン通して見られたのがナニ。サイドの選手の中ではちょっと変則4トップに合ってないかなっていうイメージ。来シーズンからもマンUが同じような変則4トップの形を採るならば、頑張らないとまずいよってところか。

話を試合の流れに戻すと、ここまでのマンUの流れは蹴って→相手の4‐4を空け→その間に変則4トップが入り込むってもの。で、ここまでの流れの特徴としては攻撃の大部分が前線の4トップに任されてたっていうことが挙げられる。4‐2‐4マンUの特徴である縦急ぎ気味の流れが生まれる。ロングボールにしても、前線が相手の4‐4の間に入り込むことを利用して地上から攻める形にしても、最初は前線の4人だけでの攻撃が求められる。そして、4人がいい形でボールをキープして、相手を押し込んだところで後ろが飛び出してくるイメージ。エブラ、ハーグリーブスは1つ遅れて前線に出てくる動きが目立ったし、スコールズ&キャリックも一気に飛び出してくるというよりは徐々に押し上げてくるイメージの動きが目立った。

もちろん4人に任せといて、行けそうならば、後ろから助けが参上するなんていう攻撃がいつも成功するわけではない。攻撃の最初において前線の4人に任される役割が大きいわけだから、相手としても狙いどころが定めやすい。当然のように前線4人に任せたところでつぶされるシーンも多くなる。ここで生まれるのが守備の問題。前線に4人が入り込んでいる。相手は奪ってすぐに攻めるタイプだから、その4人は守備に帰ってこれない。マンUの守備ブロックが4‐2になってしまうシーンが多く見られた。スコールズがサイドに引っ張り出されるシーンも散見されたと思う。守備ブロックのバランスとしては問題がないとは言えないけど、そんな4‐2ブロックが見られると4‐2‐4マンUの復活を意識したりする。

まあ、それはいいとして、だからと言って最初から攻撃に人数をかけるわけに行かなかったってのも事実。なぜならば相手の守備は相変わらず高い位置から来てるから。スコールズ&キャリックの活躍もあって前回のように焦って蹴りまくる流れにはならなかったけど、やっぱり相手の高い位置のプレッシャーは怖い。逃げ場は用意しときたい。だから、低い位置に人数をある程度は確保しておきたい。とりあえず、前線の4人に任せる部分が大きくなった要因はこういう部分にあった印象。

ただし、その点についてのアプローチも着々と進んでいたのが今回のマンU。その前にちょっとウエストハムについて触れとく。上にも書いたとおり、超高い位置に守備ブロックを設定して積極的に守備をしてきたウェストハム。そんなウェストハムの狙いは何かって言えば、高い位置で奪ってからのショートカウンターだったと思う。立ち上がりの攻撃の中でそんな意図が見られた。中盤で引っ掛けて→トップに当てて→一気に後ろが飛び出してくる、っていう攻撃のやり方。そして、このやり方を機能させるためには中盤が前向きで守備をする必要がある。奪った勢いのままに後ろからの飛び出しができればベストだから。

ここで思い出さなければならないのは、マンUが4‐4の間に入り込んでいること。4‐4の間に入り込まれたウェストハムの中盤は前に向かって守備をしてない。だから、その間で相手の攻撃をつぶしたとしても、奪った勢いのままに前線に飛び出してくってのが不可能な状況。だんだんとFWが孤立していく流れに陥った。そして、FWが孤立するってことはマンUの屈強CBの餌食になることを意味した。今回はビディッチじゃなくてブラウンがファーディナンドの相棒になったけど、何の問題もなかったと思う。

さらに、4‐4の間に入られまくりのウェストハムの選手には怖さが生まれる。立ち上がりの失点がDF晒され状況から生まれたのも、その恐怖を強めたかもしれない。とにかく、4‐4の隙間を空けたくない気分が強まる。本当はDFを高くしたいんだけど、そうしたらロングボールが来る。仕方がないので中盤を下げる。徐々にウェストハムのブロックが押し下げられて行った。

ここにおいてマンUにとっての相手のプレッシャーの怖さが弱まることになった。そして、徐々に前線の4トップだけに攻撃を任せる状況をやめて行く。まず、とりあえずはエブラを上げるアプローチ。それまでも攻撃に積極的に飛び出していくシーンが見られたエブラだけど、前半の10分過ぎぐらいからは恒常的に高い位置に居座るようになった。最終ラインが左肩上がりのマンUらしい形。低い位置のパス回しはCBとハーグリーブスに任せて、エブラは高い位置へ。左サイドではエブラが高い位置に上がっていったことでパク・チソンがその場所を留守にするシーンが目立って行った。もちろん、エブラとの関係で左サイドを崩しにかかるシーンも見られたけど。それはパク・チソンに限らず、テベスとかCロナウドに言えたこと。

とにかく前線の枚数が増えたマンU。この時点では1枚だったけど、パク・チソンの自由度を上げたっていうことの意味合いは、ただの+1以上の効果をもたらすことになる。なぜならば自由度が上がったパク・チソンがどこへ行くかって言えば、相手の4‐4の間だったから。もしくは自由度が上がったパク・チソンがFWになる代わりに、Cロナウドとかテベスが4‐4の間に入り込む時間を長くすることにつながった。

加えて、相手の守備ブロックが全体として下がり気味になったことでスコールズ&キャリックのところが浮いてくるようになった。少なくともそれまでの時間と比べれば、明らかに前を向いてのボール保持が自由になったと思う。そして、その場所が浮いてくればボールはいろんな場所に出てくることになる。それまではトップ下の場所に起点を作ることが多かったマンUの攻撃に左右のサイドっていう選択肢が生まれることになった。幅を持たせた攻撃が可能になり、相手としては狙いが定めにくい状況に陥ったって言える。

この時点でウェストハムは諦めた。もう前線から守備をするのは無理だと。下手に前線から行ってギャップを残してくるくらいなら、自陣にバランスのいいブロックを作ろうと。前半の20分の時点でFWがハーフェイラインの高さまで押し下げられた。上にも書いたように、立ち上がりは中盤が敵陣内にいたわけだから、その差は歴然。とにかく、後ろのギャップの場所に相手の危険人物が自由に出入りするのが許せなかったってことか。そのギャップをつぶすことに全精力を注ぐ選択だったと思う。

この時点でマンUは圧倒的なポゼッションに入ることになる。今回はあまり前線に飛び出さず、後ろでボールの出し手としての役割を全うしてたスコールズ&キャリックが敵陣の深い場所にまで入ってボールをさばくようになった。両SBも高い位置に入り込む。そうやって両SBが高い位置に入ることによって攻撃における幅を確保してくれたから、前線の変則4トップの自由度はさらに増す。左右の出入り、トップとかトップ下の場所の出入りを激しくしながらボールを引き出す。そういう間間に入り込む動きによって相手は捕まえ切れない。出し手は浮いてるマンU。受け手も捕まえられてないマンU。さらにSBを利用して幅も使うマンU。ウェストハムは全く狙いどころが定まらなくなった。結果として2‐4‐4状態のマンUがパスを回しまくりの展開。そして、相手がブロックを自陣に作るようになってから最初のマンUのポゼッションが中断なくゴールまでつながることになった。

この失点でウェストハムに守備の根拠がなくなった気がする。前線の高い位置からの守備は相手に混乱を与えられず、ロングボール1発で失点。その後、4‐4の間に入り込まれて困った展開になったから、自陣で受ける形へ。その変更をした矢先に失点。そして、その失点までの流れで手も足も出ず。これで後ろで守ってちゃダメじゃないかって思ったFWは守備において立ち上がりのポジションまで舞い戻って行く。だけど、中盤以降がそれについてこない。結果として4‐2の間に隙間があいた。

そして、その4‐2の間にまで降りてきてボールを受けたCロナウド。中盤の選手にしてみれば、Cロナウドを放っておくわけにはいかない。結果として中盤の4が引っ張り出されることになる。そして、またしても4‐4の間に隙間が空く。4‐4の間でテベスが受ける。テベスの前には相手DFのみ。強烈なミドルシュートが決まったシーンだった。2点目の直後ってあたりがウェストハムの混乱を如実に表してたと思う。

この失点後、ウェストハムの守備はまたまた変更を余儀なくされた。今度は根本的な変更。4‐4‐2ブロックを4‐1‐4‐1へと変えたと思う。で、基本的には自陣の4‐1‐4で受ける形。浮かせて自由にボールを配給させてしまっていたスコールズ&キャリックに対応しつつ、背後のスペースは1が押さえる。面白いアプローチだったと思う。とにかく、ポイントは4‐1‐4の間の1。今回の試合でウェストハムは4‐4の間がトラウマになったんじゃないかって思うぐらい。それぐらいにマンUの変則4トップは容赦なくその間のスペースを使っていったと思う。

で、この4‐1‐4‐1へのシステム変更はどうなったのか。残念ながら分からない。なぜなら、その直後にナニが退場したマンUは戦い方を変更してしまったから。ただし、個人的には4‐1‐4‐1の守備ブロックはそれまでに比べれば、安定感のある守備を可能にしたんじゃないかなっていう気がするわけだけど。真実は誰にも分からない。

さて、ここら辺でちょっと視点を変えてみる。ここまではマンUの攻撃×ウェストハムの守備っていう側面から見てきたけど、逆はどうかっていう点について。最初にも書いたとおり、前回のウェストハム戦でのマンUの問題は攻撃面にあったわけじゃないから。守備における本当の意味での4‐2ブロックによって相手に主導権を握られた部分も大きかった。そして、上でも書いたように今回も攻撃からの切り替えの流れの中では4‐2ブロックで守るシーンも見られたマンUだった。

ただし、総じて見ると今回のマンUは質の高い守備が見られたと思う。そもそも今回のメンバーは1つ前のバルサ戦と同じ。1つ前のバルサ戦ではどうだったかっていうと、最前線からボールに対して忠実に厳しいプレッシャーがかかる質の高い守備が見られたマンU。その余韻を残したかのような今回の試合の守備の内容だったように思う。

まず、トップの2人が積極的にプレッシャーをかける。テベスは普段はルーニーと縦関係になって、後ろに対する守備に自身の献身性を振り向けて行くんだけど、1つ前のバルサ戦と今回の試合ではCロナウドと横並びになって前に対する守備を行ってた。で、このときCロナウドもしっかりと前線に対する守備を行う。しかも、敵陣のかなり深い位置にいるボール保持者にまで。その相手ボール保持者が単純なロングボールを蹴れないぐらいのレベルにまで寄せて行くぐらいに積極的だった。

こういうトップの守備をスタートとして2列目以降も連動を図る。ウェストハムに負けず劣らずにかなり超高い守備ブロックが見られたのが今回のマンU。ロングボールを蹴れない相手が下手につなごうものなら、マンUの中盤の選手の強烈なプレッシャーが待っていた。敵陣内にも関わらず前を向かせないぐらいの強度。特にスコールズはこの部分でかなり目立ってたと思う。というわけで、ウェストハムの選択肢は1つしかなかった。GKに戻して、そこから前線へっていう。ただし、ウェストハムのGKはキックの精度に問題があった気がするけど。

というわけで基本的には完璧に見えたマンUの守備。でも、こっそりと問題が見られたりした。それが見られたのが、何かの拍子にウェストハムがマンUの4‐2の間に入り込んだとき。このときマンUの2トップは守備に戻ってこない。いつもは後ろに対して頑張るテベスも、今回は別の仕事をしてるから知らん振り。前にだけ守備をするのはマンUの前線の特徴でもあるわけだけど。4‐4‐2の前で相手がボールを持ってるときには、前線から積極的に行くマンUも、4‐2の間に入られた瞬間に、その積極性がなりをひそめる。というか、守備のスタートが決まりにくくなる。

だから、ウェストハムはこの4‐2の間で案外余裕を持ってボールを回すことができた。SBを上げて幅を使いながらのパス回し。マンUの中盤はそれまでの積極性が嘘のように、相手のボールに対して寄せられなくなる。ウェストハムの得点シーンの前の流れがまさにそういう状況。かなりの長い時間、ウェストハムはボールを回せてたし、そのボール回しに対してマンUの中盤プレッシャーに行くことができてなかったと思う。でも、プレッシャーをかける意思自体はある。そこにギャップが生まれてたわけで、ウェストハムとしては突くべき場所が見つかった感じか。

というわけでナニの退場はウェストハムにとって良かったのか悪かったのか。なぜならば、ナニの退場によってマンUが腹を決めたから。もう前からの守備はいいと。2点のリードがあるんだから、引いて完全なるブロックを作ろうと。前半はナニの場所にCロナウドを入れて応急処置。そのCロナウドもかなり低い位置まで戻っての守備を見せた。そして、後半はテベスを右に出してCロナウドを1トップ。完全に守ってカウンター戦法。Cロナウドに預けて、あとは頼むよっていう。パク・チソン&テベスの運動量があれば守備では低い位置まで戻り、攻撃では最前線まで出ていくことも期待できるから。パク・チソンは交代したけど。

本気で守ると決めたマンU。本気で守ると決めたマンUはバルサ相手に完封をするレベル。ウェストハムには荷が重かった。しかも、マンUのカウンターはキレキレ。攻撃後の守備の場所で前後の分断が起こり気味のウェストハムにとっては危険が多かった。DFが晒されまくったから。実際にそういうシーンから失点までしてるわけで。その4点目で試合が決まってしまった。

というわけでナニの退場はウェストハムにとっては不幸だったように思う。カウンターで相手の4‐2(DF-CMF)だけの守備ブロックに仕掛けるか、4‐2(こっちはMF-FW)の間に入り込んで幅を使いながら攻撃をするか。少なくとも守る気になったマンUの4‐4に対して攻めるよりは、よっぽど可能性が高かったはず。実際にチャンスにつながってるのは4‐2(MF-FW)の間に入って幅を使ってからのクロスだったりしたし。

もちろん、ナニの退場はマンUにとっても不幸。この試合のマンUの攻撃の質は恐ろしいほどに高かった。自分たちのペースへの持って行き方もスムーズかつ緻密。あのまま11人で戦ってたら、なんかすごいことになってたような予感もある。もしかしたら、今シーズンで一番いい試合をしてたんじゃないかと思うぐらいだったし。それは攻守に渡って。それがナニの退場によって4‐4‐1へ。単純な守ってカウンターの流れになってしまったのは、見ている方としても残念だった部分。
スポンサーサイト
別窓 | 国外リーグ | コメント:4 | トラックバック:0 |
<<オマーン×日本 | サッカー好きの日記帳(引越し中) | 日本×オマーン>>
この記事のコメント
いつもありがとうございます。ます スペイン VS ペルー 親善試合 コメントお願いがあります。スペイン代表とトーレスは相性が悪いのかね。スペイン代表とセスクは相性が悪いのかね。
2008-06-05 Thu 02:36 | URL | only1 #VZU2v4Eg[ 内容変更]
[]
wowow等に入っていないので、見られないんですよ。すみません。
スペインについてはEUROで見る機会があればコメントしたいと思います。
2008-06-05 Thu 10:15 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
ポルトガル戦とかゼニットとか見れない試合のコメントばかりですみません^^

4-2-4や3-3-4のいいところは縦に入れたければトップ下に入れればいいし、外に逃げたければサイドで数的優位を作ればいいというのがやりやすく且つゴール前にも人を置ける点。
4-2-4で言うと右FW,右SH,右CH,右SBと方サイドに集めることができ、崩せなくてもサイドチェンジで揺さぶりゲームを支配できます。

押し込むとエブラが上がるというのは興味深いですね。
センターの二(三)人は守備、パスたまにロングシュートで動かず、相手の人数によって外からオーバーラップで前線の人数を増やしたり、戻って後ろをカバーしたりする感じですかね。

トップに入れて仕掛けてキープで来たら外から人数を掛ける攻め方は理にかなっています。

日本代表は、トップに入れてラインを上げて二列目が仕掛ける方法を取ると思っていたのですが、両方欲張っている気もします。

2008-06-08 Sun 15:05 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
[]
4‐2‐4は流行るでしょうか。日本ではアントラーズが去年から一足早く4‐2‐4的な形を採用してますし。

もともとは4トップ+エブラっていうのがマンUの形だったんですが、シーズンの途中から変化が見られたと思います。押し込んだら上がって行くみたいな形に。守備の方にしっかりと意識を持つようになったあたりかだでしょうか。

センターは前を邪魔しないようにしてるっぽいですね。前線のバランスを見ることができるキャリック&スコールズが陰でいい形で操ってたと思います。アンデルソンも最初は出て行くタイプでしたが、その辺のバランスを見られるようになっていきましたし。

岡田監督にやり方は、まさに「トップに入れてラインを上げて二列目が・・・」だと思いますね。両方を欲張っているというか、どちらを追求すべきなのかがあいまいになっているここ最近のような気がします。
2008-06-08 Sun 22:05 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| サッカー好きの日記帳(引越し中) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。