ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-06-08 Sun 02:46
オマーン×日本
<日本:4-4-2>
FW:玉田-大久保
MF:松井-遠藤-長谷部-俊輔
DF:駒野-トゥーリオ-中澤-内田
GK:楢崎

まさかの同じメンバー。本当のところは内田と長友が違ってたけど。でも、要するに考え方は同じ。縦縦長友が縦縦内田に変化しただけだから。逆サイドには駒野を置いて左右のバランス崩し。起点は前回の左から右へと変わりそうな気はしたけど、本質的には変わらない。ただ、降りてきまくりの俊輔と縦縦内田のバランスはいいかもしれないってのはあった。前回の試合では俊輔が降りてきた代わりに、その前のスペースを埋められる選手がいなかったから。その辺のバランスは変化するかなっていう期待がなかったと言えば嘘になる。でも、それ以上に中盤以前が同じになったことのインパクトの方が強かった試合前。

前回の試合で見られた遠藤&長谷部のWボランチ。これはあくまでも圧倒的に攻撃ができるホームの戦いだからこそだと思ってた。だから、最後に書いたとおり今回は普通に鈴木か今野のどちらかを起用してくるはずだと予想してた。それがまさかの遠藤&長谷部。アウェーだとしても前回ぐらい保持できると思ってたのか、遠藤&長谷部でも守備に不安がないと思ってたのか、それとも守備の不安以上に攻撃における2人の組み合わせに可能性を感じてたのか。いずれにしてもかなりの驚き。そして、後で書くようにこの2人の組み合わせの弊害が見え隠れした今回の試合だったと思う。

とにかく、中盤以前は同じメンバーの今回。それだけ前回の試合がよかったのかと言えば、そんなこともなかった。というか、むしろ悪かった。それは前回の試合のときにも書いたとおりだけど、ちょっとだけおさらい。まず、岡田なのかオシムなのかがはっきりしなかった。オシムをしようとする俊輔とそれに引っ張られた遠藤。岡田をやろうとする長谷部、松井、2トップ、SBとの間にギャップが生じる。それでも見た目はオシム的になるのは俊輔の力、そしてオシムの力。後半は結局オシムの形にして立ち直ったわけだし。

オシム的な日本は低い位置での左右のパス回しが増える。その仲介役は遠藤。右から来たボールを左へ受け流し、左から来たボールを右へ受け流し。縦急ぎ岡田サッカーではあまり見られない引く位置での左右への散らし。そういう左右の幅を使った組み立てから相手のギャップを狙ってく考え方。ギャップができた瞬間に縦パスを入れ、そこに数的優位を作り、一気に攻めきる。岡田&オシムの融合。そんな希望ははかなくも散った。

その理由はボールに対する動きの少なさによる部分が大きかった。絶対的な運動量がめちゃくちゃ少なかったわけではないけど、それが個々のバラバラな動きに完結してしまったイメージ。ボールが前線に入っても、そこに関係性を作れない。ボールに対して素早く複数の関係性を作り出す岡田サッカーなんて夢のまた夢。複数どころか1つも作れないことが多くなり、完全なる後手後手ループに陥っていたオマーンのプレッシャーをダイレクトに食らう始末。縦パスを入れたと思ったら、仕方なく下げるシーンが目立って、全然相手ブロックへと仕掛けていけなかった。

それでも後半はマシな形に。その要因は上にも書いたようにオシムへの移行。まず、左の長友だけではなく、右の駒野も上げる。さらに、前半は中へ流れ気味の松井にサイドでの意識を思い出させる。松井がサイドに行った場合は前半は消え気味の長谷部をサイドに流す。これでシステム的なサイドの数的優位を回復。ちょっと省略したけど、前半の悪い時間にはサイドでむしろ数的不利になってた。とにかく、これでサイドに起点を作ることに成功。詰まったら、高めに入ってきた遠藤を経由して逆サイドへ。集中→展開→連続。全体を前に押し上げたことで強制的に近さを作り、思い出したかのようにボールに対する有機的な動きが生まれていった。ここにおいて、やっと相手ブロックを押し下げることに成功。

軽くおさらいするとこんな感じ。何が言いたいかっていうと、最初に書いたようにギクシャク感があったってこと。キリンカップのコートジボワール戦で見られた岡田監督の色は見られなくなり、だからといて完全オシムでもなく。チームとしての色があいまいになり、結果として前半は無駄にしたといってもいい流れ。わずか数日でどれだけ共通意識を図れるかって言えば、たかが知れてるはずであって、そう考えると今回も色が見えにくいサッカーに落ち着くのかなっていう気がした。

そんな中で1つの方向性を持って行くとすれば、それはオシム型だと思った。理由はいくつかある。1つはチームの中心を俊輔と置いていること。俊輔はオシム型の筆頭であって、その俊輔を中心とおいてる時点で、岡田監督にはある程度はあきらめてもらいましょうってこと。岡田かオシム=俊輔かっていう葛藤が出てしまうぐらいなら、とりあえず俊輔に任せておいた方がスムーズに進むはずってこと。

2つめは気候を考えてのこと。岡田監督のサッカーは疲れる形。コートジボワール戦では前半の途中でスタミナ切れを起こしたレベル。そんなサッカーを40℃の気温のもとで追求したらどうなるかって話。ついでに、相手はブロックを動かされない。狭いところでも無理やり入り込むのが岡田色。逆に相手としたら、待ってればいいだけ。だったら、アジア杯を同じメンバーで戦いきったオシムの形だろうっていう。SBは超運動量を求められるけど、基本はボールを動かしながら徐々に陣地を増やす形。疲れるのはボールの動きに合わせてブロックを動かさなければならない相手の方ってこと。

だからこそ、前回の記事の最後でオシムの中盤の復活を求めたわけ。遠藤-鈴木-憲剛-俊輔の。でも、今回のメンバーは前回のオマーン戦と同じ。最初の話に戻ってきちゃった。とにかく、何かしらの方向性が見えればいいかっていう、ある種のあきらめ。ここ数日で何か劇的な変化が生まれたんじゃないかっていう、ある種の期待。その入り混じり。でも、どうせ俊輔に引っ張られて中途半端なオシムになるんだろうなっていう気がしてたってのが正直なところ。

でも、試合が始まってみてびっくり。全くオシムではなかった。まさかの岡田。俊輔も岡田か。このクソ暑い気候の中で岡田を追求しようとした日本代表に乾杯。でも、予想通りというかなんというか疲れてしまった日本代表。岡田色の追及はまたしてもスタミナ切れの壁を越えられなかった。まあ、普通に考えてこの気温の中じゃ無謀な挑戦だったわけだけど。とにかく、その岡田色的な序盤の形について見ていきたいと思う。

岡田色とは何か。それはひとことでいえば、縦に急ぐサッカー。低い位置での保持時間は短い。1度攻め始めたら基本的には攻めきる。遠回りをしない。だから、バックパスとかサイドチェンジは異様に少ない。さらに、トップに当てる意識が強い。これについては岡田体制結成当初から見られた部分だったわけだけど。とりあえず、今回の試合の序盤の日本の攻撃はこんな感じだった。

低い位置での保持時間が短かった日本。前回は相手ブロックに仕掛けられずに、無為に低い位置で持ちまくってたのに。本当は相手のブロックにギャップを作るためっていう大義名分があったわけだけど。とにかく、今回の試合では低い位置で左右の幅を使ったパス回しなんていうのは皆無。中澤とトゥーリオの間でちょこっとパス交換をして、さっさと前線へっていう形。よくもまあ、ほぼ同じメンバーでこれだけ違った戦い方ができるなっていう。ただし、前回と今回のやり方を逆にした方がいいんじゃないかって思ったのは内緒。

CBからさっさと前線へっていうのは分かった。じゃあ、前線ってどこだっていう部分。それは予想通りというか、なんというか、右サイドに起点を作ることが多かったと思う。やっぱり左の縦縦長友の意思は右の縦縦内田へと受け継がれてた。そして、起点を作った右サイドで数的優位を作り出す。立ち上がりの時間に関しては、このサイドでの数的優位形成は前回よりはスムーズに行われてた印象。前回は左寄りに動いてた玉田は今回は右へ。利き足の関係じゃなくて、ボールに近づく動きをしてることが判明。前回の試合の前半は消えてしまっていた長谷部も今回は立ち上がりから目立ちまくり。右サイドに飛び出してくる動きが目立った印象。

その右サイドに俊輔が絡んだり絡まなかったり。長谷部が助けに来れば俊輔は右からいなくなることが多かった。逆に俊輔が流れたところで長谷部が助けに来たとも捉えられるわけだけど。とにかく、今回の試合での俊輔は明らかに自由度が増してた印象。前回は左サイド張りのプレーが目立ってたから。特に降りてくる動きが多かったわけだけど。それに対して、今回は左にこだわらずに真ん中に入って行くことが多かったかなって思う。その理由は後々分かること。

とにかく、右サイドに起点を作ることが多くなった日本代表。でも、そのままサイドを侵攻していく意図は薄かったように思う。目標はトップに当てること。上にも書いたように、岡田色の中にトップへの意識が強いってのがあるから。中→中でトップを狙っても難しいのは当たり前だから、サイド→中の斜めの関係でトップに当てて行こうっていう意図が見られたと思う。

ここで俊輔の登場。後は松井もだけど。トップに当てたときに、その近くに味方がいないと次の展開につなげられない。前回の試合では俊輔が後ろ向きに、松井がサイド張り気味になったことで、トップ当て後の展開ができない状況に陥ってたし。その問題を解決するために、今回の試合では俊輔の自由度を上げてた気がする。左サイドにこだわらせずに中に流すことで、俊輔とトップの間の距離感を縮めようっていう。後は松井もだけど。

ここにおいて俊輔に大きな変化が生まれたって言える。これまでの2戦での俊輔は明らかに後ろとの関係性重視だった。後ろからボールを受けて、それを次へ展開するっていう。だからこそ、ボランチの位置まで降りて行くシーンが多発。ただし、これは明らかに岡田監督の色とは異なってる。岡田監督の形ではOMFはFWとの関係で前向きにボールを扱ってもらいたいところであって、今回の俊輔の立ち上がりの動きがまさにそれだったように思う。そんなわけで岡田色に染まり始めた俊輔は、パラグアイ戦であれだけこだわっていたサイドチェンジを一発も行わなかった。

同時に岡田監督にとってはいい意味で目立たなくなったのが遠藤。前回の試合では低い位置での保持時間が延びたこと、さらにサイドチェンジが行われまくったことで目立ってた遠藤。すべての攻撃は遠藤から始まると言えるぐらいに目立ってた遠藤が今回の試合では、そういう部分で全く目立たず。基本的に前回の遠藤の役割は岡田監督が嫌いなことだったわけだから仕方ない。逆に前回の試合では消える時間が長かった長谷部が目立つっていういい流れだったって言えると思う。

そういう岡田色を体現できてる時間の日本の攻撃の質はそれなりに高かったと思う。少なくとも前回の試合に比べれば格段に連動性が高まってた。サイドに起点を作った時には、そこに素早く基本的なトライアングルが作られ、それでいてそこから真ん中へとボールを入れたときにも、トップが孤立してないっていう形。1つのボールに対する選択肢が増えたことによって、攻め直さずに前へ前へっていう岡田色も体現でき、前回は苦労したオマーンの守備ブロックを押し下げるっていうことも簡単に実現できた。

ちなみに、そのオマーンの守備の質も前回に比べると格段に高まってたと思う。知らない間に監督が変わったようで、さらに出場停止の選手が戻ってきたことによって大きな変化を見せた。ホームってこともちょっとはあったかもしれない。基本システムは前回と同じく3‐4‐3。ただし、その内実が全く異なってた。前回の試合では3‐4‐3を自陣に引かせて自分たちからは積極的に動きを起こさないくせに、最終ラインはバカ高いっていうよく分からない形。しかも、自陣で守ってるはずなのに、自陣での守備がルーズだし。

それに対して今回は積極的な守備が見られた。日本の1つ1つのボールに対して忠実にプレッシャーに行く意識が浸透してたと思う。例えば日本のボランチ×オマーンのボランチの関係でしっかりとプレッシャーに行ってたことで、2列目に4枚が並ぶような形になってたと思う。簡単に言っちゃえば5‐4‐1ブロックみたいな。しかも、2列目の4がハーフェイライン付近にいる積極的な5‐4‐1。バルサみたいな4‐3‐3の形でアンカーがDFラインに吸収されたイメージが一番近かった気がする。

そんな感じで明らかに質の高まったオマーンの守備。結局は個々の守備意識、つまり1つ1つの守備の質が高まったことが全体としての守備のよさも生んだってことになるわけだけど。でも、そんな感じで質の高まったオマーンの守備も、同じく質の高まった日本の攻撃の前では否されまくり。次々と局面を変えられる展開の中で1つ1つのチェックが効果的に機能しなかったオマーン。全体の質が高まったとは言ってもやっぱり単発的だったから。結果、立ち上がりは日本が攻め込む流れになった。いや、全体的に日本が攻め込んでたのは事実だけど、日本が一番リズムよく攻撃を仕掛けられてたのは立ち上がりの時間だったと思う。

そんな流れの中で日本がいつ先制点を取るかが焦点に。と思いきや、逆にオマーンが先制。交通事故と言えば交通事故だけど。前回は日本が全然流れを作れてなかったのに、簡単に2得点を奪った前半。それに対して今回に日本はいい形で攻撃を仕掛けられてたのに、あっさりと先制点を奪われる。これだからサッカーは面白い。なんて改めて言ってみる。

ただ、交通事故的なこの得点だったけど、その予兆があったことはあった。オマーンの攻撃は基本的に蹴りまくり。ボールを取ったら前線へ。1トップ下に4枚を並べてる積極的な守備ブロックだから、一気にトップに蹴ったとしても、とりあえず孤立させない状況ができてたと言えばできてた。でも、実際にはそれは気休め。ロングボールの質がめちゃめちゃ高かったわけじゃないし、それにそもそも1トップの選手が明らかにロングボールには不向きな身長だった。

にも関わらず、このロングボールが案外機能する。というか、ロングボールに限らず、単純なトップ狙いが予想以上に収まる。実は相手の9番はすごい選手なんじゃないかっていう疑惑も浮上するレベルでことごとくオマーンのボールになっていった。中澤&トゥーリオの頼れるCBコンビも今回ややられっぱなし。前回はことごとく跳ね返してたはずの相手のトップへのボールを全く防ぐことができてなかった印象。トゥーリオのケガの影響があったのか、なかったのか。

ただ、実はここに長谷部&遠藤の弊害があったんじゃないかっていう気がしてならない。CB-ボランチの守備の関係性が全くと言ってもいいほど作れてなかった。その1つの指標が挟み込み。相手のFWにボールが入ったときに、どれだけCBとボランチの縦の関係での挟み込みが見られたかっていう部分。おそらく、ほとんどなかったんじゃないかと思う。CBが相手を足止めしても、そこに味方の助けがなかった。そもそも足止めできてなかったんじゃないかっていう部分もなくはなかったけど。とにかく、守備面における遠藤&長谷部の弊害はこの後の時間でさらに見られることになったと思う。

とにかく、先制点を許した日本。もう攻めるしかない。でも、残念ながら疲れが来た。ほとんど低い位置で保持せずに前へ前へのサッカーをしてたんだから当たり前と言えば当たり前。前線の選手は相当頑張って動きまくってたし。玉田も大久保もボールの引き出しの動きを繰り返してたのが印象的。しかも、ボールが出てこなければ何度も繰り返してた。俊輔もポジションを捨てて動き回ってたし、長谷部も前回とは違って前線へ飛び出しまくり。ご苦労様です。そして、残念ながら相手に先制点を許した時間ぐらいの時点ですでに立ち上がりのよさは半減してしまっていた。

対する、先制点を奪ったオマーン。もう守るしかない。この転換は本当にスパッと行われた。1枚を前線に残して5‐4(もしくは5‐3)を完全に自陣深くに引きこもらせる、完全ベタ引きブロック形成。セットした時点ではそれまでと同じように高めで行きますよっていう雰囲気は見せてるけど、実は気持ちは後ろに。少しでも日本が前にボールを入れて来ようもんならさっさとゴール前に壁を作りにかかったと思う。

というわけで、この後の日本のテーマはいかに相手のベタ引き守備ブロックを崩していくかってことになった。組み立てはもう心配する必要はない。敵陣内のある程度の位置までは、あまり不自由なくボールを運ぶことができる。問題はラストの1/3。永遠のテーマ、ラスト1/3の崩しへと取りかかることになった日本の攻撃だったと思う。

ここで日本が罠にはまる。本当は罠ではないんだけど、個人的に勝手に罠にかかるって呼んでる状況に陥った。それは相手がベタ引きになると、なぜか攻撃が真ん中に凝縮されてくっていう状況。レッズの試合なんかを見ると明らか。サイドからクロスを上げれば相手のベタ引きブロックのベースとなってる人数を無効化できるのに、なぜかみんな真ん中から攻めようとする。言いかえれば相手のブロックの真正面から馬鹿正直に攻めようとする。そして、跳ね返される。中盤であまりに自由になりすぎると、遠回りをしたくなくなるのかもしれない。そして、運が悪いことに今回は岡田色の日本代表。繰り返しになるけど、岡田色ってのはトップへの意識が強いやり方。つまり、真ん中に起点を作ろうっていう意識が強いやり方だった。

とりあえず、相手がベタ引きになった以上は前線に人数をかけられるようになった日本。駒野と内田のバランスも攻守の分業制から、攻攻へと変更。今回の試合はもともと分業があまり行われてなかった気もするけど。立ち上がりも左に起点を作るシーンだって見られたし。話を戻すと、とにかく両SBを上げて最終ラインは2バックにする形だった。そして、この2人に左右の幅を担当させておいて、残りはみんな真ん中へ凝縮。極端なことを言えば、遠藤が低めでボールの供給役になって、残りの5人は全員FWの場所へ入っていった。

よって、相手のエリア付近にはとんでもない超密集地帯ができあがる。相手の真ん中は3‐2ブロック、日本の実質的なFWが5枚。さらに悪いことに、この時点では相当に疲れていた日本。前線で引き出しの動きが生まれない。前線の選手の出入りも生まれない。要するに前線の動きが少なくて、待ってる選手が多くなった。足が止まっている選手が多くなった。

そんな状態で超密集地帯へとボールを送れるわけもなく。仕方がないのでボールの供給役である遠藤はサイドへとボールを散らす。でも、サイドにはSBが1枚。立ち上がりの近さはどこへやら、サイドでは基本的にSBが孤立。5‐4ブロックの相手はサイドに2枚。数的不利の日本はサイドをえぐれない。遠藤→真ん中に入れられないのでサイドへ→サイドをえぐれないので遠藤へ→真ん中に入れられないのでサイドへ→…。最終的にどうするかっていうと、やっぱり岡田色であるトップ狙いを貫いた。無理やりに真ん中を通そうとして引っかかる。そんな流れが圧倒的に増えていったと思う。

ここで毎回のようにカウンターを食らったのが日本だった。まず、真ん中で引っ掛けられてるのが危ない。相手の目標とするトップへは最短距離だし、相手は正面からのボールを引っ掛けてるから、切り替えでいい形で前へ向かえる。しかも、前線で多くの人が待っている日本。その前で引っ掛けられると、切り替えの守備が効果的に決まらない。というか、疲れによって切り替えもかなり鈍い状況になってたし。

加えて後ろがとんでもなく危険な状況。両SBが上がって2バックの日本。この時点ではアジア杯と同じだけど、今回は鈴木がいない。ここが遠藤&長谷部の弊害のもう1つ。攻撃時に2人とも積極的に攻撃に絡んでいったことによって、CB前に人がいなかった。アジア杯時は2+1で守ってた後ろを今回は本当に2で守る状況。確かに相手が1トップだからってのはあるにはある。でも、まずその1トップを今回の日本のCBは完全に押さえ切れてなかった。さらに、1×2とは言っても、その前にフィルターがいるのかどうかってのが大きなポイントになると思う。フィルターとしての鈴木がいれば、相手のトップに入る前段階で引っ掛けることができるわけだから。そして、1トップと見せかけて実は2枚を残してたりするのが今回のオマーンだったと思う。だから、2×2なんていう超危険な状況を作られてしまう。

ちなみに、この前へ前への意識が高まってた時間には本当に前へ前へと急ぎ過ぎ。低い位置にボールがあるときに遠藤も長谷部も両SBもさっさと前へと出て行ってしまった。だから、後ろはCBの2枚のみってことに。前半の終了近くに、そこのつなぎのミスからピンチになりかけたのも必然と言えば必然だった。最初にセットした段階では前からの守備の雰囲気を持ってたオマーンだから、チャンスとなれば前から行ける下地はあったように思う。

というわけで、前半はラスト1/3の糸口が見つからなかった日本。焦りも含めて、真ん中真ん中へと突き進んだことで相手にとってはとっても守りやすい展開に。その上カウンターも食らいまくりの日本代表だった。はたして後半に追いつけるのか。でも、そこは後半になるとしっかりと修正を加えてくる岡田監督。この部分だけは一貫して岡田色が出てる気がする。いつも後半のサッカーを前半からやってればって思わされるし。とにかく、今回の試合でも例外なく後半にはしっかりと対応策を採ってきた印象。

それはサイドを再評価するってこと。真ん中真ん中へと入り込んで失敗したわけだから、当たり前と言えば当たり前。後半はその真ん中を使うために意図的にサイドを使おうっていう形が多く見られたし、何ならそのままサイドから攻めきろう(要するにクロス)も明らかに多くなってたと思う。そのクロスも前半に多かったアーリーから深い位置までえぐっていうやり方が明らかに増えた印象。

まず、前半と比べると明らかに遠藤が目立つ流れとなった。これが何を意味するかって言えば、前回と同じような形が目立つようになったってこと。右から来たボールを左へ、左から来たボールを右へっていう遠藤の役割が多くなる。つまり、サイドチェンジが多くなった。前半は真ん中が無理だから仕方なくサイドへっていう質ではなく、意図的に左右の幅を使おうっていう質のサイドチェンジが目立った。相手のサイドのウラを狙ったり、走らせてそこに合わせてボールを供給したりっていう展開も多かった気がする。前半は足元足元の中→外のパス交換が多かったのに対して。

そして、そうやってサイドに起点を作った時に、そこでSBだけを孤立させないような意識も見て取れた。後半はサイドにボールが出たときに、その外を誰かが回りこむっていうことが約束事みたいになってた気がする。右サイドでは俊輔が内田の外側を回りまくり。俊輔がクロスを上げるなら普通に左でやってもらいたいっていう気持ちが大きかったわけだけど。とにかく、前半とは打って変わってサイドの深い位置で数的優位が作られることが多くなった。

それに後半はシュートに対する積極性も増してたように思う。サイドに作って、真ん中を空けて、その真ん中のスペースへ後ろから選手が飛び出して、そのままミドルシュートへっていうシーンが増えた。前半は日本らしいというかなんというか、相手の超密集ブロックの中でも、それを崩しきろうとする無謀なパス回しが多かったから、それから比べるとかなり良くなった部分だったように思う。

そんな後半の流れだけど、実はそんなにやり方がピックアップされるような展開ではなかったってのが本当のところ。オマーンがこの試合唯一といっていいぐらいの中盤でのつなぎを試みたところを、日本がいい形で引っ掛けて、カウンターにつなげ、玉田がPKを獲得、それを遠藤が遠藤PKであっさりと決めてからは、行ったり来たりの展開が続いたと思う。日本が試合を支配してたのはオマーンが蹴って、日本がつないだから。それまでもそうだったけど。

ただし、日本は圧倒的にやりやすくなったのは事実。相手が前がかりになったことで、5‐4ブロックの4の両サイドは3トップの一角に舞い戻ることが多くなったと思う。よって、5‐2‐3みたいな形になることもしばしば。日本が使いたい中盤の場所に相手は2人のみ。スカスカの中盤でパスをつなぎたい放題の展開に。途中でオマーンが4‐4‐2にシステムを変更したと思う(4バックにしたのは確かだと思うけど、前は適当)もその辺への対応の意図もあったかもしれない。

というわけで、行ったり来たりの展開の中でもイケイケだったのは同点ゴールを奪った日本。でも、そのイケイケも大久保の退場で清算。最近はルーニー並に問題児を脱したかのように見えた大久保だったけど、大久保は大久保だったか。相手も退場したことでみんな疲れてるのに、10×10の試合に。余計にスカスカ、行ったり来たりの流れへ。もう試合の中の秩序はあまりなかった。

日本の方としてみれば、おそらくこの退場で選手交代のカードが切りにくくなったはず。攻撃的な交代をするとすれば、実際に行った松井→山瀬が1つ。中盤では遠藤と俊輔は外せないだろうから、長谷部→憲剛か。でも、遠藤と憲剛が横並びっぽくなって前線の人数が足りなくなる危険がある。FWが1人少ないのに、パサーが増えても仕方ないだろうっていう。あとは矢野の投入だけど、これだってやるとすれば大久保との交代だったと思う。玉田は今回の試合もかなり頑張ってたから、その玉田を外すことで攻撃のリズムが崩れてしまう危険性は大きかったと思う。よって、大久保の退場によって実質的に2枚を残すっていうイレギュラーな状況になってしまった気がする。あれだけの厳しい環境下において。

結果は1‐1の引き分け。予選突破に向けて当面の相手と1勝1分はまあ悪くはない結果。今回の試合を見る限りでは俊輔が岡田寄りになっている雰囲気がありありと出てたから、これでこのチームが進む方向がやっと定まったかなって思う。ただ、それが正解なのかどうか。長期的に見れば面白そうだけど、短期的、要するに次のタイ戦を考えるとどうか。タイも暑い。今回みたいに前半の10分でスタミナ切れはまずいでしょっていう。力差もあるんだから、次の試合は省エネでつないでつないでのサッカーでもいいんじゃないかって気がする。今回だっていつの間にか守備の方は妥協して受ける形になってたし。相手が蹴ってくるからってのもあったんだろうけど。そういう臨機応変さを見せてもいいと思う。
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この記事のコメント
>サイドにボールが出たときに、その外を誰かが回りこむ
>サイドに作って、真ん中を空けて、その真ん中のスペースへ後ろから選手が飛び出して、そのままミドルシュート
オシムのとき盛んにやってましたね。SHが入ってくるのですが。アジアカップのヴェトナム戦がベストゴールでした。

>2バック
なんかマンマークのときと変わってない気がしますね。スピード勝負できないのでオフサイドを狙ったラインコントロールはできないのでしょうが、マークにも行けない。こういう展開での大型DFは弱点にもなりかねません。
切り替えの守備ができていた間は気にならなかったのですが。
アンカーがいない上に両SBがサイドが上がってしまう。最攻撃モードのバルサでも配給役が底にいるのですが。
守備のチームに生まれ変わったチェコは中盤の底を一人(ガラセク)から二人(コヴァチ)で固め3人目(ヤロリーム・ポラク)も戻ってくる徹底振りを見せていました。

>オマーン
べた引きロングボール戦術に自信ありですね。機能することでさらに自信を深めていった感じです。
形勢を一気に変えられるロングボールの有効性を改めて感じました。<チェコもっと使え

>戦術と個人
4-1-3-2でボールプレス・ツインタワー・シャドーアタックみたいなサッカーが接近展開連続だと思っていたのですが・・・
ジーコの頃のように玉田の突破やMFのミドルシュートが効いていました。
遠藤と俊輔がポジションチェンジを見せていたのが面白かったです。体重のある(体も張れる)遠藤がまえにでて、走れて長いボールを蹴る俊輔がボランチにはいるみたいな。よくなるわけではないんですけど。

>遠藤のコロコロ
あれは蹴るコースを決めておいて、足を上げた時に反応したら逆蹴って、なければそのままという感じですかね。
スペインにいたメンディエタなんかを思い出します。

>ポルトガル-トルコ
ゼニトみたいな4-3-3。後ろはゾーンDFでラインコントロールして1ボランチから2ボランチ、3ボランチという形で守備的にしていって逃げ切る形に強さを感じました。4-3-2-1を4-4-1-1にして逃げ切るミランみたいで。
トルコが個人はうまくて走れなくて妙な粘りとかチャンスがあってジーコJみたいな気もしましたが。

2008-06-08 Sun 14:13 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
[]
岡田監督も後半はサイドを使うように言ったらしいので、おそらく意識的な動きでしょうね。相手のベタ引きブロックに対して、サイドに起点を作りつつ、最終的に中を使うっていうことになったので、自然とオシム的なやり方がでてきたんでしょうね。

交通事故的な失点で焦ったんでしょうね。相手が引いたこともあって、前へ前へとチームが行ってしまいました。しかも、オシムのときのように2バックの守り方を徹底してるわけではないので、混乱が大きかったと思います。一方のSBはバランサーの原則もあっさりと崩されましたし、同じ2バック守備でも冷や冷や感は圧倒的に今回のが上で下値。

トップの9番は前回の試合で出場してなかった模様です。だから、ロングボールもことごとく日本が跳ね返す結果になったんでしょう。逆に9番が戻ってきた今回はロングボール作戦は成功。日本は最後まで対応できませんでしたね。

中盤の構成にシャドーアタックが難しくなっている気がします。それが岡田色の停滞を見せてる気がします。確かに昨日のサッカーはジーコ的だったかもしれませんね。岡田でもなくオシムでもなくジーコが出るってのは、ちょっとおもしろいですね。

遠藤と俊輔のポジションチェンジは個の判断でしょうか。後ろから飛び出してくる俊輔の動きはチャンスにつながるシーンが多かったですね。というか、俊輔があれだけ走れるってのは結構な驚きです。玉田と俊輔の運動量は昨日の試合では抜けてた気がしますし。

遠藤のコロコロはGKだけを見て蹴るらしいですね。相手の体重が動いた瞬間に逆に蹴りこむらしいです。

ポルトガルの試合は地上波中継がなかったので、残念ながら見られませんでした。ただし、W杯でもポルトガルの強さは手堅さでしたから(攻撃陣が豪華なのにも関わらず)、ボランチの枚数を増やして行って安定感を増すさまは想像ができますね。

まさかとは思いますが、トルコにジーコ色が浸透してるんですかね。ジーコ→フェネルバフチェ→トルコ代表みたいな。CLで快挙を成し遂げたチームですから、そのサッカーが国のトレンドになってもおかしくないですし。でも、やっぱり考え過ぎですね。
2008-06-08 Sun 14:44 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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