ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-06-11 Wed 17:41
オランダ×イタリア
<オランダ:4-2-3-1>
FW:ファン・ニステルローイ
MF:スナイデル-ファン・デル・ファールト-カイト、エンゲラール-デ・ヨング
DF:ファン・ブロンクホルスト-マタイセン-ブラールズ-オーイエル
GK:ファン・デル・サール

<イタリア:4-3-3>
FW:ディ・ナターレ-トニ-カモラネージ
MF:アンブロジーニ-ガットゥーゾ、ピルロ
DF:ザンブロッタ-マテラッツィ-バルザリ-パヌッチ
GK:ブッフォン

立ち上がりの試合の入り方が全てを決めてたような試合だった。積極的に行ったオランダがそのまま、前半は圧倒的にペースを握り、逆に消極的に入ったイタリアは押し込まれる展開に。遅ればせながら後半に入ってイタリアが積極性を増してきたけど、時すでに遅し。何しろ前半の2‐0でほぼ試合が決まってしまったような流れになってしまったわけだから。

積極的なオランダの立ち上がりの守備は前線から追いかけまくり。かなり深い位置に相手最終ラインにまで迷わずプレッシャーを掛けまくって、相手のミスを誘い、高い位置で引っ掛けるシーンも作り出した。その積極性がチーム全体の意思で行われてたのもよかった部分。最前線の追いかけに、2列目以降がしっかりと連動していたと思う。SBが敵陣に入って相手SMFに対応するシーンも多くなった。結果的には自陣にブロックを作るような守備に移行したけど、この積極性によってチーム全体の前への勢いが増したのは確かだったと思う。

対するイタリアは消極的。立ち上がりの最初の守備から自陣に引きこもってブロックを作った。トニをハーフェイライン付近にまで戻して、後ろの4‐1‐4は完全に自陣へ。オランダと比べるとあまりにも対照的な立ち上がりのやり方だった。確かに初戦を考えて、まずは守備からっていうイタリアの考え方も分からないではない。オランダが積極的に来たことで、当初の予定以上に引かされてしまったのも事実だったと思う。でも、結果的にはこの立ち上がりの流れが試合の流れを決定したってのは上にも書いたとおり。

そもそも、この引きこもりのイタリアの守備の意図に疑問を感じざるを得なかった。それは今回のメンバー、システムと照らし合わせてみたときに。今回のイタリアのシステムは最初に書いたとおりの4‐3‐3。ここで特徴的なのは、2列目にアンブロジーニ&ガットゥーゾを並べているっていうこと。この組み合わせを見る限りでのイタリアの狙いは明らかに高い位置からの守備を念頭に置いてる気がする。ガットゥーゾ&アンブロジーニの守備的2枚を高めに配置することで、相手の攻撃のスタートのところを抑えさせる狙いが見られる。

でも、そんな形にはならなかったのが今回のイタリア。上でも書いたとおり、立ち上がりから引きこもり。アンブロジーニ&ガットゥーゾが見るべき、オランダのエンゲラール&デ・ヨングのWボランチは完全に浮いていた。本当に完全に浮いていたと思う。そのオランダのボランチにボールが入ったときに、ガットゥーゾとかアンブロジーニがブロックから出てきてプレッシャーをかけようとする試みがたまに見られたのは事実。でも、あまりにも距離が遠すぎる。十分に寄せきる前に逃げられる状況。意味がないので、途中からは絶滅した形だった。

同じようなことがオランダのSB×イタリアのWGの関係性でも生まれてたと思う。要するに2列目の設定位置が低すぎたのが今回のイタリアの守備ブロック。ガットゥーゾとアンブロジーニを並べてる時点で、2列目は高い位置での守備が任されてると思いきや、その設定位置は低い。メンバーとやり方の間に完全なるギャップを感じさせられた。というわけで、オランダの攻撃のスタートは完全に浮きあがることになったと思う。オランダのボランチと両SBは自由にボールを触ることができた。

この時点でイタリアはオランダのボールの出し手への守備が機能しなくなった。そもそも守備をするつもりがなかったのか、やろうと思ったけどできなかったのかは分からない。たぶん、前者。逆にオランダにとってはボールの出し手が完全なるフリー。出す方は好きな時に好きなボールを前線に供給できる下地ができあがった。後は受け手の方の準備が整うのを待つだけ。

その受け手がどうかっていうのを見る前に、オランダの攻撃のやり方について見てみたい。オランダは最初に書いたような4‐2‐3‐1システムを採用。しかも、左サイドにはスナイデルを置いてる形。オランダ的なWGを置く4‐3‐3が完全に薄れてる。そういえば前にオランダの試合を見たときには、4‐3‐3のWGにファン・デル・ファールトを置く形だった。その後の進化形が今回の形か。ここのところの試合では4‐2‐3‐1で戦うことが多かったようなので、少なくとも対イタリア用ではないことは確か。いや、対イタリアのために練習してた可能性もあるけど。たぶん、ない。

その4‐2‐3‐1システムを利用したオランダの攻撃のやり方もオランダのイメージとは異なってた。簡単に言っちゃうと、オランダにしては真ん中寄りになってるなっていう印象が強い。その理由はSMFの動きによる部分が大きい。オランダのサイドアタッカーと言えば、縦縦の印象が強いんだけど、今回の4‐2‐3‐1だとSMFがサイドに張り付いている時間はほとんどなかったと思う。サイドのスペースはSBに任せておいて、SMFは真ん中に流れて行くっていうような形が目立った。そうやって中に近さを作る。ミランとかオシムJの形っぽい。必然的にSBとSMFの関係も常に2枚でサイドを侵攻してくって形ではなかったと思う。

というわけで、オランダのSMFは真ん中に流れてくるから、真ん中には近さが生まれるとともにスペースがなくなることになる。よって、ボランチの2枚の前線への飛び出しが少なかった。その代わりに、2人ともボールの出し手としての役割を全うしてたイメージ。ただし、これについては初戦の戦い方っていう背景があったのかもしれない。後半はエンゲラールの前線への飛び出しが目についたから、前半のように完全に2枚が後ろに張り付いてるってのはイレギュラーな可能性もある。ただ、それでもボランチに求められてる役割の大部分は出し手の方だとは思うけど。

オランダの攻撃の狙いとしては、SBを利用して幅を使いながら相手のブロックに揺さぶりをかけ、隙間を空けたところで、2列目の3枚にボールを預けるって形だと思う。2列目の3枚にはライン間のギャップに入り込むことが求められてる。そういう動きはやっぱりカイトよりもスナイデルの方が得意なので、今回の試合では攻撃の起点が左寄りに作られることが多かった。スナイデルはうまくギャップに入り込んで、ボールを引き出す動きを繰り返してた印象。うまく受けていい感じで起点になれるシーンが目立った。

で、その中寄りの2列目を経由させておいて最終的にはファン・ニステルローイを目指すっていうのがオランダの攻撃の1つのやり方に見えた。攻撃時はSBを上げて2‐4‐3‐1みたいになるオランダ。後ろから2列目の4が出し手、2列目の3が経由点、最後の1がフィニッシャーっていう役割が結構決まってた気がする。1トップなんだから2列目からの飛び出しが重要そうに見えるんだけど、そういう動きはあまり多くなかった印象。そして、SBを使って幅を確保する4→中に流れるSMFを含めた3→1のファン・ニステルローイと明らかに先細り的な攻撃が見られたのが、今回のオランダの特徴。最後まで左右の幅を広く使いながら攻めきる4‐3‐3のオランダらしいオランダとは全く違った攻撃の質が見られた。

さて、イタリアとの関係に戻ってみる。イタリアが引きこもった時点で後ろから2列目の出し手の4は完全に浮くことができたオランダ。攻撃をし放題の展開になるかと思いきや、そんなに甘くはなかった。出し手を完全にフリーにしたイタリアはどうするか?当り前のことだけど、全力で受け手を抑えにかかる。全力をかけるイタリア。しかも、イタリアが引きこもってたわけだから、スペースもあまりない。オランダは出し手が完全にフリーだからと言って、簡単に相手ゴールに迫るシーンを作り出すことはできなかった。

それでも意地になって縦パスを入れようとしなかったのが今回のオランダのよかった部分。立ち上がりこそ、無理やり入れようとして引っ掛けられるシーンが目立ってたけど、時間とともに縦パスを入れられないならとりあえずポゼッションしようっていうやり方を取るようになった。自由にボールを持つことができる、後ろから2列目の4でのパス交換を増やして、前線にギャップができるまでは焦れずにボールを保持するっていうポゼッション型の攻撃が見られるようになった印象。

そして、そんなオランダがジワジワとイタリアの守備ブロックを押し込んでいく流れにつながった。後ろから2列目の4でのパス交換の中で徐々にチーム全体を押し上げて行くような流れ。引きこもり作戦のイタリアはそもそも、相手が自陣に入ってきた時点でプレッシャーをかけるっていうやり方を採ってきたはず。でも、それが失敗。相手の後ろの4の押し上げに対して全くプレッシャーがかけられない状況に陥った。オランダの後ろの4はいつまで経ってもフリー。結果的にイタリアのブロックはズルズルと引かされて行ってしまった。

その理由はイタリアの中盤の4のジレンマ。2列目に本来的に課されていた役割は上にも書いたように、相手が自陣に入ってきたところで守備を開始すること。じゃあ、なんでそれができずにズルズルと下がってしまったのか。ガットゥーゾ&アンブロジーニの組み合わせを考えれば、サボったからっていう理由は当てはまらないだろうことは分かる。だから、そういう守備の役割を全うすると困ったことが起こるっていうのがその原因にあったと思う。というわけで、その原因について考えてみたい。

4‐3‐3、守備時は4‐1‐4‐1と言ってもいいようなイタリアのシステム。守備における、このシステムの弱点はボランチの1の場所のスペース。スイス×チェコの時にも書いたとおり。そして、その1の場所の出入りを激しくすることで相手の1の弱点にアプローチをするのが4‐1‐4‐1崩しのポイントだってのもその時に書いた。そして、システムが固着化したスイスはそれができなかった。対するオランダはどうだったのかっていうのがポイントになる。

その答えはすでに書いたとおり。今回の試合でのオランダの攻撃の特徴はSMFが中に流れてくること。ファン・ニステルローイは前線に張りつき気味だし、ボランチの飛び出しも少なかった今回のオランダは縦の動きで相手の1に仕掛けることはできなかった。でも、2列目の横の動きによって、それを実現してたように思う。スナイデルがフラフラと中に入ってくる、カイトもスナイデルほど目立たなかったけど、真ん中に流れてくることが多かった。ファン・デル・ファールトが引く動きをしてピルロを引っ張り出すやり方が目立ったのも、1への仕掛けってことになると思う。2列目の3が相手の弱点を的確についていたのが今回のオランダの攻撃だったように思う。

さて、このことはイタリアの2列目の4にとっては放っておけないこと。自分たちが後ろとの関係をきっちりとコンパクトに保っておけば、相手のサイドの選手が多少浮き気味になったとしても、なんとか押さえることができる。でも、逆に2列目の4が後ろとの近い関係を保っていられなくなれば、その間にできたスペースで相手の2列目の選手に好きなように動かれ、好きなようにボールを受けられてしまう。そんな危険性があったと思う。

ここで本来のイタリアの2列目の役割を思い出してみる。それは、自陣に入ってきた相手に対してプレッシャーをかけること。そもそも前線では全く制限がかかってないのが今回の引きこもりイタリアの守備。だから、相手が自陣に入ってきたところで守備を始めると言えば、それは0からのスタートを意味する。これは相手が左右にボールを振ってるだけに、結構、難しいこと。だからこそ、ガットゥーゾ&アンブロジーニにその難しいスタートのところを任せたのかもしれない。

とにかく、守備のスタートを切るためにはブロックから飛び出してプレッシャーをかけなければならない。でも、この時点ではそれまでの守備の蓄積がない。というわけで、無根拠なプレッシャーを否される可能性は大。相手は低い位置のパス回しにそれなりの人数をかけてるわけだから、逃げ道も多数ったわけだし。そして、ブロックから飛び出してかけたプレッシャーを否されるってのはどういうことを意味するのかってのがポイント。要するにこれは2列目が前に引っ張り出されたってことなわけだから、背後にスペースが生まれる。そして、その背後の場所は相手の2列目がボールを受けようと待ち構えている。

相手の出し手にプレッシャーをかけようとすれば受け手を浮かせてしまう。だからと言って、受け手の自由を奪おうとすれば、相手の出し手はフリーのまま。イタリアの2列目の4はこのジレンマに陥った。そして、結局は後者を選ぶことになる。というか、選らばざるを得ない状況だった。だから、低い位置でのパス交換を繰り返しながら徐々に押し上げ、陣地を増やすことに成功したと思う。

というわけで、出し手が高い位置にまで入り込むことができたオランダ。これは出し手と受け手の距離が縮まったことを意味する。だから、前線のちょっとしたギャップに受け手が入り込むことができれば、すかさず出し手からボールが供給されるっていう状況が生み出された。前線に入れられなければ、落ち着いて後ろで左右のパス交換で保持をしつつ、狙えると思った瞬間に縦に入れる。そんなオランダの攻撃が機能するようになったと思う。ここぞの縦パスをことごとくチャンスにつなげていった。

ところで、この時点でイタリアはかなり深い位置まで押し込まれたことになる。何しろ守備の勝負どころが定まらないままにズルズルと引かされた状況だから。奪いどころは、個々の能力を生かして、相手の縦パスを先に触るって形ばかり。そして、こんな守備の流れが攻撃にも悪影響を及ぼすことになったと思う。その理由は簡単。まず、そもそも前線にトニしかいない。トニが完全に孤立。そして、チームとしての奪いどころが定まってなかったから、奪った瞬間に一気に全員が前線に出て行くなんて形も作れなかった。カウンターはいつも少ない人数で仕掛けることになったと思う(まあ、カウンターは少ない人数で仕掛けるものなんだけど)。ただ、そもそもイタリアの攻撃は普通に組み立てをしたとしても質の高いものだったとはお世辞にも言えなかったわけだけど。

イタリアの中盤の3枚はアンブロジーニ&ピルロ&ガットゥーゾ。要するにミランのクリスマスツリーの3枚に等しい。ミランの中盤の残りの2枚はカカ&セードルフ。そういえばセードルフは今回の招集を辞退した模様。中田のチャリティーマッチに出てたけど。まあ、そんなことはいいとして、今回のイタリアの中盤はミランの中盤-カカ&セードルフ+0。カカとセードルフの場所にアンブロジーニとガットゥーゾが押し上げられただけの形だった。

アンブロジーニとガットゥーゾには悪いけど、これでは攻撃面に大きな期待はできない。どちらも攻撃をサボっていたわけではないけど、やっぱり有機的に絡むのは難しかったような気がする。そして、4‐3‐3システムを考えたときにトップ下の2枚が消えるってのは、かなり絶望的な状況を意味しているって言える。極端なことを言えば、出し手のピルロと前線の3トップだけで攻撃をなんとかしてねっていう無謀な考え方が、今回のイタリアのやり方だった。失点後はザンブロッタが攻撃参加を繰り返したけど、対応するオランダの選手が守備も頑張るカイトだったからフリーで仕事をするのは難しかったと思う。

そんなイタリアの攻撃には連携なんていうものが微塵も感じられなかった。その原因は単純に距離が遠かったから。トニに入れて、トニが頑張ってキープしても誰も助けに来ないシーンが目立った。本当はトニの近くにはディ・ナターレがいるっていう関係を作ろうとしてたけど、うまく絡めてなかった。とにかく、攻撃に有機的に絡める人数が少なく、結果として選手間の距離が遠くなり、ピッチのいたるところで孤立状態が生み出されたのが今回のイタリアの攻撃。ボールに対する関係性があまりにも少なかった。

というわけでオランダにとっては守りやすい流れ。立ち上がりこそ積極的に前線から追いかけ回したオランダの守備のやり方だったけど、この時点では自陣にブロックを作る形になってた。その上で、ある程度は見るべき相手を定めつつ(4‐2‐3‐1と4‐1‐4‐1なので合致)、相手が自陣に入ってきたところで、その入りどころに対して忠実に守備をするっていうやり方が見られたと思う。イタリアは局面局面で選手が孤立してたから、このオランダの守備の1つ1つのプレッシャーをモロに食らいまくりだった。

ここまで見てきたように、立ち上がりの流れがそのまま試合全体の流れに影響を及ぼした前半。攻守に渡って自分たちのやりたいことを実行できたオランダに対して、攻守に渡ってギクシャク感が残ったイタリア。後半の焦点はイタリアがどのようにして流れを変えてくるのか。その1点につきたと思う。そして、後半開始時点で、先週の交代を行わなかったのがイタリア。同じメンバーでどう変化をつけてくるのか興味深い後半の開始時だった。

で、本当に後半は変化が見られた。具体的に言えばガットゥーゾが目立つようになったと思う。要するに2列目の前への意識が増してた。前半の失点後にも同じように2列目を押し上げたんだけど、そのときは失敗。あっさりと1の場所のファン・デル・ファールトに収められてしまったのが象徴的だった。その原因はやっぱりバラバラな意思に基づいてたから。失点後の焦りがあったからってのもある。というわけで、後半はしっかりと前線にプレッシャーをかけるていうことでチームの狙いを整理してきたと思う。

これが予想以上の効果をもたらす。前半に好きなようにボールを扱っていたオランダの攻撃時の後ろから2列目の4は全く目立てなくなったと思う。前半の流れが嘘のようにボランチは完全に押さえられてしまったし、SB利用の幅を持たせたパス交換も見られなくなった印象。よって、前半のようにオランダが落ち着いてボールを保持する時間は本当に少なくなった印象。

その代わりにイタリアの前線のプレッシャーを嫌っての1発ロングボールの数が増えたオランダ。相手の中盤を飛び越して、間に入り込んでやろうっていう考え方。本当ならその1発のボールに恐れをなして、イタリアの中盤は再び後ろとの関係を重視するはずだった。要するに再び引きこもるはずだった。でも、2点ビハインドで後のないイタリア。相手のロングボールのプレッシャーに負けず、前半に比べるとかなり積極的な守備を続けたと思う。

結果としてオランダは前半のようにいい形で攻められなくなった。そう考えるとイタリアの守備の狙いは最初から後半みたいなものだったのかなと思ったりする。再び、ガットゥーゾ&アンブロジーニをトップ下に置いた意味を考えるとなおさら。だとすれば、やっぱり試合の入り方がよくなかった。オランダの勢いに負けたのが、自分たちがゆったりと入ってしまったのかは分からない。でも、とにかく試合の入りの消極的な姿勢によって前半を捨てたことになったといっても過言ではない。

というわけで守備面は改善したイタリア。じゃあ、攻撃面はどうかってこと。何しろ2点を追いかけてるわけだから、重要なのはいかに得点を取るかってことになるわけで。でも、後半の立ち上がりの攻撃は前半とそれほど質が変わったとは思えなかった。守備の質が変わったことで押し込まれなくなり、結果として前線の孤立状態は解消に向かっていたかなとは思うけど。それでも中寄りでプレーしてたディ・ナターレは相変わらずトニとの関係性を作れないし、局面局面での孤立状態も続いてたように思う。

そこでマテラッツィ→グロッソの交代。これでパヌッチがCBに回り、ザンブロッタが右SB、左SBにグロッソが入る最終ラインの組み合わせ。マテラッツィのアクシデントによる交代だったっぽいけど、この交代がイタリア反撃の第一歩につながった。左右のSBに攻撃的な選手を置くことの意味は大きかった。なぜならば、今回の試合では真ん中からの攻撃ってのは難しかったから。何度も書くように、トップ下に入ったのはガットゥーゾとアンブロジーニだった。

左右のSBに攻撃的な選手を配置したことで、サイドに起点を作って攻めるっていうやり方が取れるようになった。そして、どちらも特別な連携を作らなくても縦へ縦へと進んで行ってくれるタイプの選手。今回のイタリアでもボールを深い位置まで運べる下地は整ったと思う。サイドを起点にしながら攻撃に深みを与えて行くやり方が目立つようになった。

さらに、SBがサイドのスペースを担当してくれることによって1つ前を真ん中に押し込むことができる状況が作りだされた。基本的にはオランダと同じ。だったらっていうわけで、ディ・ナターレ→デル・ピエロとカモラネージ→カッサーノの交代が行われる。さすがのデル・ピエロはディ・ナターレと同じように中寄りに流れる形の中で目立ちまくり。純粋なサイドの選手っぽいカモラネージと変わったカッサーノも中寄りでのプレーを増やしていったと思う。

このイタリアの攻撃のアプローチは面白い限り。前半のイタリアは明らかに攻撃における人数が足りてなかったってのは上にも書いたとおり。だから、グロッソを投入してSBの攻撃参加を1枚増やす。さらに、前半のイタリアは選手間の距離が遠かったってのも上に書いたとおり。だから、サイドをSBにまかせつつ真ん中に人数を増やすことで、強制的に近さを生み出す。戦術も何もあったもんじゃない。とにかく、人数を前線に入れまくって、誰かが何とか得点を取ってくれっていう形だった。

ちなみに、この飽和した前線を操るのがピルロ。前半は前線に選択肢が少なくて実効的なパスを供給できなかったピルロだったけど、後半には生き生きしてた。何しろ前線には受け手がいっぱいいる。空いてる選手を見つけ出して、そこにピンポイントでパスを送り込むのがピルロの得意技。後半はピルロが蹴って、前線に入れ、誰かが決めてくれっていうイタリアの攻撃のやり方だったと思う。

ある意味ではかなり適当なこのイタリアの攻撃だったけど、このやり方でチャンスを量産。あまりにもイタリアの選手が前線に入ってくるから、オランダの選手が捕まえ切れなくなってたと思う。そもそも1×1をベースにするオランダなのに、イタリアの人数ベースの攻撃によってそのベースが崩されることになってしまった後半の流れ。結果、前半とは逆にオランダが守備の根拠を失って、さらに相手の攻撃のプレッシャーに負けてズルズルと下がって行く形が生まれた印象。

それでも0点で抑えたオランダ。相手の人数ベースの攻撃に対抗する、4‐4の人数ベースの守備で最後の最後を守り続けた。そして、なんといってもファン・デル・サールの存在が大きかったと思う。こないだのチェフといい、さすがCLファイナリストは違うなっていう話。3点目だって、ファン・デル・サールのスーパーセーブからの流れだったわけだし。

ちなみに、オランダの2点目と3点目はカウンター。しかも、どちらもイタリアのセットプレー、しかも決定的なセットプレー後のカウンター。2点目なんかは特に素晴らしいカウンターだった。縦に急ぐ中で左右への展開を織り交ぜて、相手を大混乱に陥れたシーン。スナイデルのフィニッシュまで含めて、イタリアとしてはどうしようもない失点だったって言えるかもしれない。

ついでに言えば1点目だってオランダのセットプレーからの流れ。要するにイタリアが普通に守ってるときには失点は喫してないってこと。前半はオランダが圧倒的に主導権を握ってたのにも関わらず。これがカテナチオってやつか。DFラインを完全に抜け出された決定的なピンチもブッフォンがセーブ。試合展開、特に前半の流れからすれば、3‐0も妥当な流れに見えるけど、負けるにしたって、実はイタリアにとっては理不尽な得失点差-3だったかも。得点を奪えなかった攻撃面の問題も含めて。

イタリアは攻守に渡って、次に向けての修正が必要だと思う。しかも根本的な。上にも書いたように守備の方はひそかに完全に崩されたわけではないから、3失点の守備面よりは無得点の攻撃の方に問題を感じる。後半の圧倒的な攻撃だって、形を作ったというよりは力ずく。攻撃もガットゥーゾ&アンブロジーニの場所を変更すればあっさりと解決するかもしれないけど。まあ、イタリアにとってはフランスがルーマニア相手に引き分けてくれたのがラッキーと言えばラッキーだった。これから修正してもまだなんとかなる。
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この記事のコメント
眠くて見切れなかったのですが、ロッベンがいないおかげでパス&ムーブで崩すスオランダが新鮮でした。

低めに構えるダブルボランチも守備を考えるとよかったです。
稲本・鈴木みたいな。カイトが山岸で。
SBとSHと左右のボランチでポゼッションして前を走らせるスタイルがよかったです。
ラファエルがピルロにマンマークなのかなと思うくらいよく走ってました。
どこまでマンマークでゾーンなのかがなぞでした。

イタリアはロングカウンターでカッサーノらが出てくる展開にしたかったのでしょうが。
4-3-3で攻めるイタリアもすごかったです。
2008-06-11 Wed 19:40 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
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中盤のパス交換での崩しは、“中盤”的に振舞う選手の人数が増えたことによって生まれたんでしょうね。近さもありましたし。スナイデルを経由させる攻撃も目立ってました。今までとはちょっと違った、スナイデル&ファン・ブロンクホルストの縦の関係も面白かったですね。

低めのWボランチが今までのオランダにはない安定感をもたらしてた印象です。カイト山岸はまさにその通りですね。守備ではカイトの献身性が生きてましたし。ファン・デル・ファールトも今回は守備に攻撃に運動量が目立ったましたね。
2008-06-11 Wed 22:11 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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眠い目をこすりながらも前半のオランダを見て一気に目が覚めました。
バベル、ロッペンのいかにもオランダのWG!を欠いての一戦だったので今大会どう戦うのか?とても見物でした。
自分的には、戦前の予想をかなり上回るオランダが見れたので今後の戦い方に要注目していきたいと思います。
2点ビハインドからのイタリアもかなり高い位置から仕掛けていて新鮮でしたね。
確かにSB2枚が前の3+ピルロに絡まないとちょっとキツいです。
イタリアにとっては高い授業料でしたが、後半等は可能性を感じる内容だったしこちらもまだまだ今後の戦い方に期待したいですね。
2008-06-12 Thu 06:42 | URL | ソラリス #-[ 内容変更]
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逆に純粋WGが帰ってきたときにどうするか見ものですね。WGを起用して今回のサッカーをするのか、WGを起用して本来のオランダのサッカーをするのか、WGを起用しないのか。普段は右にスナイデルで左にロッベンっていう形を採ってるようなので最後はないかもしれませんが。

イタリアの後半の猛攻はすさまじかったですね。あれだけ攻撃的に行くなら、ガットゥーゾかアンブロジーニを交代させればいいのに、それをしないのはやっぱりイタリアの守備重視の意識なんですかね。その辺は次の試合の組み合わせで分かってきそうな気がしますが。
2008-06-13 Fri 01:30 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
>WGを起用して今回のサッカーをするのか
だったみたいですね。
走れる布陣で初めて、リードして相手の守備の人数やバランスが薄くなったところで攻守分断個の力投入というやり方がはまった気がします。
前線の組み合わせの変え方とか4-2-4(でないけど)的考え方とかファーガソンの采配に似ている気がしたのは私だけでしょうか。


ギリシャ-ロシア
観れない試合のコメントですみません。
戦術的に興味深く、それを分かってもらえる所が他にないのでお伝えします。

ヒディンクは完全に相手の布陣に合わせてきます。
でもレーハーゲルもなんです。最初はどちらがどちらにあわせてマークしているのか分かりませんでした。
形成としてはギリシャのほうがリベロなしの4-3-3で攻撃的にきて、ロシアが4-5-1で受けている。
でもギリシャのボランチに入っていた3番がDFであることが判明。5バックでカウンター狙いのつもりでいたがロシアのFWが一人しかいないので4バックになったと思われます。

ロシアのパヴリュチェンコが絵に描いたように理想的な1トップで、攻撃的な中盤とSBのお互いの距離も必然的に近くなったこともあってロシアらしい走るパス回しでの崩しが発揮できました。
相手に合わせての1トップなので、スペースはあったものの点を取り屋が足りなかったので数多くのカウンターチャンスを決め切れませんでしたが。

ヒディンクの強さの秘密は相手に合わせながらも、(特に攻撃での)特徴で対面する相手を上回る起用にあることが分かりました。
スペイン戦のように組み合わせが一箇所でも合わなかったり選手のメンタルやフィジカルがよくなかったりするとマジックは掛からないようです。
守るスウェーデンという厄介な問題をヒディンクがどういう布陣で解くのかが楽しみですし、私ならと考えてしまいます。

結構古い監督ほど相手との組み合わせを研究しますね。
年取ると受身になるのでしょうか。

お邪魔しました。

2008-06-15 Sun 13:36 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
色々あって、まだオランダ×フランスを見ていません。ビデオに録画したので数日中には見られると思いますが。でも、1戦目の時点でマンU的な匂いは感じましたね。間に入る2列目、そこに起点を作っておいて後ろが絡む。ファン・ニステルローイがトップに固定されている部分は大きな違いかもしれませんが。

ギリシャ×ロシア、興味深いです。ある意味では監督の力が最大限に発揮される、こういうカードも見てみたいところです。スイス×チェコではそんな一面も見られたのでよかったですが。

ヒディンクとレイハーゲルの腹の探り合いは面白いですね。個人的にはレイハーゲルの方が相手に合わせたいと思ってるような気がしてました。前回の大会でも、ポルトガル、スペイン、フランス、チェコを押さえておきながら、ロシアにはあっさりと負けてましたからね。そのときのロシアはヒディンク監督ではありませんが、やっぱり我が強いチーム相手の方がレイハーゲルは戦いやすいのかなって思ったりしました。コンフェデで日本相手にいいとこなしで負けたなんてこともありましたね。

ヒディンクの強さの秘密は興味深いです。“特徴で対面する相手を上回る”ってのでW杯の日本×オーストラリアを思い出させられましたね。高い選手を投入しまくるっていう。

ロシアはどうか分からないのですが、フィジカル面とかメンタル面でのコンディションを常に発揮できるような韓国はヒディンクとの相性が抜群によかったのかもしれませんね。
2008-06-15 Sun 22:10 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
メンタルは大事ですね。
ヒディンクは策士のイメージがあったのですが、スウェーデン戦を少し見て見方が変わりました。
オシムのように攻撃的なチームを作って、攻撃的に戦うよう鼓舞して(「走れ!」とか「このまま帰るのか?」みたいな)そのチームのよさを引き出す監督なのではないかと。

選手たちを追い込むことで韓国人のスタミナ・豪州人のタフネス・ロシア人のスピードというよさを前面に出している気がします。

予選では3バックでほぼ固定でしたが本戦は2バックです。3ー3-2ー1-1⇒2ー3-3ー1-1
ゼニトのスタイルにしたかったのかもしれません。
中盤の底にセマクをキャプテンとして加えて中盤を増やしました。

CBは二人とも昔MFだった選手(スペイン戦では去年までMFだった選手を使った)。
セマクはCSKAでトップ下を務めていた選手。
左SBはドリブラー。

保険の利かない布陣にしたことで、全員が守備をしっかりしてラインもコントロールしないと守れないチームになっており、
攻撃ではマイボールになったら皆が本能的にゴールに向かいたくなるようなチームかもしれません。


オランダ戦はスウェーデン戦のメンバーで来るでしょう。
攻撃では左右ともバランスの取れた4-1-3-2ですが、守備では相手を見ないといけないので4-1-4-1のようになるかもしれません。
ゼニトも攻撃では4-3-3でしたが相手が2センター(4-4-2)なら若いFWが下がって(4-4-2)になってました。

相手があるときは合わせて、自分の番になったら我がスタイルを御見せするといったところでしょうか。

以上(かなり贔屓目な)ロシアの紹介を終わります。さようなら。
2008-06-19 Thu 15:56 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
[]
貴重な情報ありがとうございます。

CBにMF的な選手を使うとなると、ビルドアップはスムーズに進みそうですね。そこに攻撃の組み立てを任せられる安心感があるからこそ、2バックを採用して前線の人数を増やすことができるのでしょうか。結果として、必然的に攻撃力は上がるでしょうし、“追い込む”ことで守備の質も高まるんですね。最後の守備力を絶対的なものではなくすことで、前から追いかけざるをえない状況を作っているんでしょうか。

昨日から書いていますが、どれだけ攻撃ができるかが勝負になりそうですね。ヒディンクのことだから、守備の方では簡単には相手に好きなようにはさせないでしょう。当然のことですが、ロシアの攻撃の時間が長くなれば長くなるほどにオランダは困ったことになると思います。完璧に見える今回のオランダも、オランダらしく守備よりは攻撃の方が圧倒的に得意でしょうから。
2008-06-19 Thu 18:38 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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