ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-06-13 Fri 01:25
U-23:日本×カメルーン
<日本代表:4-2-3-1>
FW:森本
MF:本田圭-谷口-梅崎、本田拓-梶山
DF:田中-吉田-水本-森重
GK:西川

チーム立ち上げ当初は走りまくってた、この世代の日本代表。選手選考も走れる選手が中心。1つのボールに対する選択肢の多さ、後ろからの飛び出しの豊富さが目立った攻撃。高い位置からチームとしての積極性が見られた守備。どちらも運動量がベースになっているもの。その頃、A代表もオシム監督の就任直後で走るサッカーが大ブーム。そのブームに乗ったこの世代の代表のやり方だった気がする。ちなみに、相手が2トップなら3バック、相手が1トップとか3トップなら4バックっていうやり方も、この世代はきっちりと採り入れてた。

そんな走るチームにだんだんと“うまい”選手が増えていった。菅沼とか増田とか枝村とか谷口、カレン当たりが消えて行った。その代わりに家長がスタメンに定着したのが象徴的。その理由ももしかしたらオシム。07年のオシムの影響。去年のアジア杯で型作りをしたオシム。その中心にいたのは、俊輔と遠藤。全然、走りそうもない選手。走りそうもない選手を走るサッカーに定着させること、それが去年のオシムのテーマだった。そして、同じことを反町監督もやろうとしたんだと思う。うまい選手を走るサッカーに取り入れる。結局、オシムは成功し、反町は失敗した。

というわけで、07年の五輪代表は暗黒の歴史をたどる。うまい選手は増えたけど、それに伴って運動量が減っていった。そこで生まれたのがビルドアップの問題。前線で引き出す動きがないから、前にボールを入れられない。最終ラインから最前線への最長距離の縦パスを工夫なく狙うシーンが多発。当り前のように引っ掛けられまくり。スムーズな攻撃は不可能になった。そして、そんなチームの中で走る選手が変に浮いて行く。例えば、李が最前線で頑張って走り回る。でも、攻守に渡ってそれについて行く選手がいない。FWがはがれる。そういう場面が多く見られるようになったと思う。

そんなチームの中で、水野と本田圭の両サイドの2人が目立つようになった。このチームではスマート派だった2人が泥臭派へ。本田圭は低い位置でのプレー時間を増やし、前線へのボールの供給役。前線への配給の実効性っていう意味では貴重な存在となった。水野も前へボールを運ぶ上で重要な役割を担った。水野の場合は低い位置で受けてからのドリブルでの持ち上がり。でも、両サイドの2人がいくら頑張ってもチーム状態の改善にはつながらなかった。

そんな停滞感ありありのチームに救世主が現れる。その名は柏木。ボランチからFW、真ん中からサイドへとピッチを縦横無尽に動きまくり。動くことを忘れてしまった五輪代表に変化が生まれ始める。というか、反町監督の考えに変化が生まれたって言えるかもしれない。それが見られたのが去年の後半。トップに李とか岡崎が使われるようになったころ。要するに平山があきらめられたころ。FWには動くことが求められるようになった。時期を同じくして、中盤の場所にもいわゆる“うまいけど動けない”選手が消えて行く。

それでもビルドアップの問題は根本的には改善されなかった。あまりにも急激なシフトチェンジがその原因にあった気がする。動ける選手が多くなったとは言っても、そのそれぞれが個別に動いてたイメージ。そして、あまりにも動く選手を入れすぎた結果、その動く選手にボールを供給する選手もいなくなった。これに関しては梶山の離脱の影響も大きかったとは思うけど。今度は出し手がいない問題からビルドアップがスムーズにできない状況が生まれたって言える。

そんな不安な状況で締めくくられた07年。好材料は北京の本選へのチケットを手に入れたことぐらい。攻撃は絶望的なので守備をベースに勝ち上がり。今や守備の方も最後の最後の堅さに頼る状況になってはいたけど。とにかく、結果を残したこと自体はよかった。そして、いよいよ本番の今年。初戦のアンゴラ戦から不安がありあり。何しろこのチームのがんばり屋トリオ、水野&本田圭&柏木が不在。今まではこの3人のがんばりでなんとかなっていた部分が大きかったのに、全員がいなくなった。どうなることやらの試合前だった。

でも、実際には予想外にいい試合展開を見せてくれたと思う。一番はビルドアップの問題の解決。何よりもサイドを有効活用できるようになったのが好材料だった。本田圭&水野のサイドも活用はしてたけど、有効かどうかっていうと甚だ疑問。アンゴラ戦では、チームとして低い位置での真ん中のパス交換からサイドへ展開っていうやり方。そうやってサイドに起点を作ったときに、その場所にすぐに助けが入るのもよかった部分。柏木がいなくても柏木並みに頑張った梅崎がいろいろな場所の助けに顔を出した。後ろからの飛び出しも豊富になって、久々に中盤をいい形で使っている五輪代表を見た気がした試合。ちなみに、そんなサイド起点の攻撃で目立ちまくったのが長友だった。

ざっと振り返ってきた中で分かること。それは反町監督がA代表のやり方に引っ張られてるんじゃないかってこと。A代表のコーチもやってるんだから当たり前。最初の方で書いたとおり、走る選手による走るサッカー→走りそうもない選手による走るサッカーへの転換の試みは、明らかにオシムの影響。このチームではうまく行かなかったこの転換だったけど、なんとか成功させようと引っ張ったのが去年の失敗。柏木の登場によって、やっとA代表とは違う方面を目指し始めた反町07だったと思う。

その大転換は痛みを伴ったってのも上に書いたとおり。急に走れる選手ベースに戻しても、チームにその下地がなかった。選手の頑張りがチームに還元されない最悪の状況に陥ったと思う。そんな中で守備をベースになんとか勝ち上がりだけは決めた07年。その時点では内容は絶望的。でも、08年に入ってのアンゴラ戦ではかすかに光が見えてきたのも事実。理由の1つは時間の解決。大転換がやっとチームに浸透した来たってこと。もう1つは大幅にメンバーを入れ替えたことで、1つ前に追求していたやり方が完全にリセットされたっていう側面もあったと思う。メンバー岡田で戦ったコートジボワール戦でのA代表のように。

ちなみに、この五輪代表にとってはオシムから岡田へのA代表の監督交代もいい影響を及ぼした可能性がある。主力級を次々に引き抜かれてしまうのは痛いけど。とにかく、A代表の監督交代によって、このチームでは明らかに失敗したオシムのやり方への未練がなくなったように思う。そして、反町監督のやり方がA代表のやり方に引っ張られるっていう前提のもと考えると、偶然にも岡田監督のやり方は五輪代表と同じ方向を向いてたのもよかった点。

岡田監督の組み立てにあまり時間をかけずに、低い位置での保持時間を延ばさずに、縦へ縦へってのは五輪代表と同じ。トップに当てる意識の高さもずっと五輪代表は追及してた。それがビルドアップの問題っていうマイナス要素を生み出したのが五輪代表。でも、東アジア杯でのA代表はビルドアップの問題を露呈してたわけで。そう考えると、いいか悪いかは別にしてやり方は同じなんだろうなっていう気がする。そういえば、軸タイプから動けるちびっこへのFWの変更も同じか。

そして、今回の試合においても大雑把に言えば岡田的なサッカーが見られた五輪代表。ポゼッションで休む時間を作らずに、常に縦縦を狙う姿勢が見られた。結果としてスピーディーな展開が生まれた。前線にボールを入れて、そこにすぐに味方が絡むって特徴が見られた。FWに入れる意識も高かったと思う。そういえば、守備も相手の2トップに対して4バック。左右のバランス崩しみたいなものが見られたと言えば見られた。これは後で書く。ただし、大雑把に言えばっていうのも1つのポイント。縦への意識の高さがあったのは事実だけど、細かく見てみるとやっぱり内実は異なってた。それについて見て行きたい。

今回の日本の攻撃のポイントはポイントは2列目+1トップ。特に森本が1トップに入っていた時間はこれが顕著だったわけだけど。この前線の4枚に託された役割は前線の起点になること。当たり前と言えば当たり前の役割ではある。で、その当たり前の役割を果たすために前線の選手は何をすべきか。どうすれば前線でボールを受けることができるか。それは相手のギャップに入り込むこと、相手選手の間に入り込むこと。

そのために今回の日本の前線の選手たちはよく動いた。立ち上がりから本田圭が思い切って右サイドまで飛び出して行ったのが1つの象徴。このチームが本田圭があれだけ左サイドを捨てたのは初めてなんじゃないかっていうぐらい。森本も含めて、前線の4が代わる代わる相手選手の間に顔を出してきた。そして、その場所で浮きあがった。そんな動きに連動性があったのもよかった部分。誰かが動いてできたスペースに別の選手が入るみたいな。たとえば、本田圭が下がった左サイドに森本が流れてトップに谷口が出て行くみたいな。ぐるぐる変則4トップの片鱗か。

これで前線の選手が受ける下地はできた。本当にうまく相手と相手の間に入って浮く動きができてたと思う。日本のビルドアップの問題の1つが解決。受け手は完全に準備ができてた。というわけで、ビルドアップの方に必要なのは出し手の役割っていうことになった。とはいえ、実はこの出し手の問題が日本の課題だったりする。前線の動きは柏木が入った時点、もっと言えば李がスタメンに定着した時点である程度は期待できてたから。ただ、チームとしての連動性、実効性っていう意味では明らかに今回の試合の方が上だったけど。

とにかく、今回の試合で問題になるのは出し手の役割ってことになった。ただし、これについてもあっさりと解決。その要因は梶山の復帰だった。これで中盤に久々に“うまい”選手が加わった。走れる2列目の3人(本田圭の運動量は知っての通り。谷口の飛び出しの良さも知っての通り。梅崎も前回のアンゴラ戦で走れることが判明)、守備面が期待される本田拓、その組み合わせに1人走れる選手が増えたのは大きかったと思う。加えて、最終ラインの吉田も結構攻撃のスタートとしては機能してたし。

今回のカメルーンは守備ブロックを高めに設定してきた。そして、高めの位置から日本のボールに対して積極的にプレスをかけてきた。立ち上がりこそズレが生じて日本のWボランチがガラ空きなんていうイレギュラーな状態も見られたけど、それもすぐに解消。日本のボール保持者は低い位置でもなかなか自由に前を向けない状況だったって言える。

去年の日本だったら明らかに蹴りまくりの流れ。プレッシャーに負けてパスをつなぎながらの組み立ては放棄してたはず。でも、今回は心強い味方梶山がいた。梶山がボールを持つと落ち着きが生まれる。相手のプレッシャーも意に介さずにボールを保持できる。そして、相手のプレッシャーを否して前に向かっていくことができる。そして、1つ目のプレッシャーだけを外してしまえば相手には次々にっていう守備の波は押し寄せてこなかった。要するに単発気味だったってこと。よって、低い位置でのパス回しで梶山を経由させることができれば、出し手を浮かせることができた印象。

これで出し手も受け手も問題がなくなった日本代表。必然的に前線に起点を作るシーンが生まれてくる。最終ラインのパス回し→ボランチ梶山経由→前線で間に入り込む2列目へっていう形が目立つようになった。なんか最近見た形だなっていう。オランダがやってた前線へのボールの供給に似てたと言えば似てたかもしれない。

ただし、前線にボールが渡ったからって言っても安心できるわけではない。なぜならば、単発とはいえども相手の1つ1つのプレッシャーは厳しかった。さすがにスピードがある。入りどころに対してすぐに距離を縮めてきた。だから、前線に入ったからといっても、その後に相手ゴールに向かうためにはもうひと工夫が必要だった。何しろ前線で受ける選手は相手ゴールに背を向けてボールを扱うわけで、相手のプレッシャーが効いてるとそう簡単には前を向けない。結局はバックパスが多くなってしまう。

じゃあ、とりあえず前線に起点を作った日本はどうしたのか。その答えはボールに対する連動性を高めた。相手の間に入り込んだ選手がボールを受けた瞬間に周囲が一斉に反応して、ボールに選択肢を持たせたと思う。前線の選手がボールサイドに寄ってくる、ボランチが飛び出す、SBが攻撃に参加してくる。チーム全体として、ボールの近くに選択肢を増やそうっていう意思が見られたと思う。さらに、前線の選手の個の力(ドリブル力、キープ力)を生かした半ば強引な攻撃も結構アクセントとしては効いてたように思う。

この流れの中で目立ったのは、やっぱり梶山だった。今回の梶山は攻撃ではかなり重要な役割を担ってた印象。低い位置でのボール保持を助け、出し手となりつつ、自分が前線に送り込んだボールと一緒に自身も前線に飛び出していくみたいな。その前線への飛び出しの際に、的確に相手の間に入って行くシーンが目立ったと思う。そうやってうまくボールの逃げ場を確保してた印象。

加えて、左SBの田中もかなり目立った存在だった。田中が積極的に攻撃参加を繰り返すことによって、1つ前の本田圭の自由度が上がった部分が大きい。今回の本田圭は本当にこのチームでは見たことのないような役割を担ってた印象。そもそも前線でプレーする姿を見ること自体が珍しい。今までは低い位置で出し手として(しかも1発ロングボールの出し手として)の役割が大きかったけど、今回は高い位置で受け手として機能した。そのときに梶山と同じように的確に間に入り込むシーンが目立ってた印象。前線の起点としてのタッチ数はかなり多くなった。個人的な評価が高い本田圭だけど、受け手としての動きもできるのかっていう話。そこでタメを作れるのも魅力的だった。

話を戻して田中の攻撃参加について。左SBの田中が積極的に攻撃に出ていったことによって、攻撃に幅をもたらした印象。田中をめがけたサイドチェンジもいくつか見られたし。1つ前の本田圭との関係性の良さも目立ってた印象。ちなみに、このときに逆サイドの森重は攻撃を自重気味。森重は本田拓と一緒に、相手を押し込んだところで前の攻撃に顔を出してくるシーンが目立ったように思う。これが左右のバランス崩しって上に書いた部分につながる。

というわけで、ついに独自のビルドアップの方法を手に入れた日本代表。前回の試合でも上に書いたように、低い位置の真ん中でパス交換をしてからサイドっていう方法が見られたことは見られた。ただし、あのときは3バックだったからちょっと違うかなって思う。本番はどちらのシステムを使うか分からないけど、トゥーロンで4‐5‐1に自信を深めたようなので、今回のやり方が採用されると思う。とりあえず、ギリギリになってやっと1つの壁を越えてきたなっていう印象。

最終ライン→梶山→流動ベースで間に入り込んだ前線の選手って形で前にボールを送るってのはよし。前線に起点が作れたところで、後ろからの飛び出しを活用しつつ中盤の連動性を高めて行くっていうのもよし。同じ場所での個人の仕掛けも見られた。ここまではビルドアップの解決と捉えられる。ただし、その先に大きな問題が生まれてたと思う。前線にボールを送ることができるようになったのはいいけど、そこからどうやってゴールに向かうんだっていうもの。

前線の3+1の役割は前線に起点を作ることだった。そして、役割がそれだけになってしまったと思う。ゴールに向かっていく選手が少なすぎた。例えば森本はサイドに流れたり、中盤に降りたりしながらボールを引き出す動きを繰り返した。そこでポストプレーをきっちりこなすシーンも多くて、後ろの選手の飛び出しのスイッチとして十分に機能してたと思う。でも、じゃあゴールに向かうプレーは?って言われると全然思いだせない。決定的なチャンスを外したあの1回ぐらいのような気がする。

森本がいない代わりに誰かがFWになったのかって言われるとこれも微妙。まず、期待されるのはゴール前までの飛び出しが大得意の谷口。確かに、森本不在のときにはトップの場所にも顔を出していた谷口。だけど、この動きも期待されたほどではなく。谷口もボールの引き出し、あとは前線に起点が作られた時の助けに奔走してたと思う。同じことは梅崎とか本田圭にも当てはまることだった。

というわけで本当の意味での0トップ状態が生まれたのが今回の日本代表。やっとビルドアップの問題を解決したと思ったら、そこに人数をかけすぎてFWがいなくなってしまいましたっていう話。笑いごとではない。いい形で相手の4‐4の間に入り込んでも、ゴールに向かう手段がない。結局は4‐4の間でのパス交換が増える。最終手段は個人での仕掛けで相手ゴールに向かう方法。身体能力で勝るカメルーン相手には厳しいに決まってる。ことごとくエリア前の壁に跳ね返されてしまった。

そんなことをしている間に、それまではスムーズにできていたはずのビルドアップにも問題が生じてくる。梅崎、谷口、本田圭の順番に2列目の選手が消えてしまった印象。要するに前線にいい形でボールが送れなくなった。前半の時間が進むにつれて、そんな傾向が明らかになっていったと思う。その要因についてはいくつかあった。ちょっと見てみたいと思う。

1つは梶山が消えてしまったこと。前からこのチームでの梶山には1つの問題があった。それはフラフラと前線へ出て行ってしまうこと。最終ラインでパス回しをしている時に、その1つ前にいるはずの梶山が前線に行ってしまうってことが多かった。結果として中盤に経由点が作れずに、最終ラインから最前線までの最長距離の縦パスを狙ってたのがこのチーム。要するにビルドアップの問題における梶山の責任は大きかったわけ。

今回の試合は立ち上がりから出し手として目立ってたから、そんな心配はひとまず拭われた。でも、やっぱり時間とともに悪い癖が出て行く。最初はボールを前線に出してから自分も前線へっていう動きをしていた梶山が、低い位置で味方がボールを保持している間に前のギャップで待ってるっていう形が増えて行く。梶山がうまく相手の間に入り込んだとしたって、その相手の間にボールを供給するのはあなたなんですよっていう話。よって、だんだんと梶山の存在が中途半端となり、最終的には消えて行く流れが生まれてしまった。

上にも書いたとおり、カメルーンの守備ブロックが高い位置に置かれていた今回。上にも書いたように、低い位置の日本のボール保持者に対してもプレッシャーをかけてくる意図が見え隠れ。梶山がいれば、それを否していい形で前線にボールを供給することができてたけど、梶山がいなくなった瞬間にプレッシャーに負けるシーンが増えていった。もともと相手の前線からのプレッシャーに弱いチームだから、仕方がないと言えば仕方がない。

だから、梶山にはまずは低い位置での仕事を大切にしてもらいたい。そして、もう1つ。本田拓がもう少し球出しをしてくれないかなっていうこと。守備での貢献度はこれまで見てきたとおりだけど、もう少し攻撃のスタートとして機能してくれたらチームとしてかなり楽になるように思う。出し所が1か所よりも2か所の方が攻撃のバリエーションが増えるのは当たり前。相手の守備も分散できる。よって、前線に供給されるボールの質もよくなるはず。今回は完全に梶山に任せっきりだったから。結果として梶山がいた左寄りの攻撃が明らかに増えてしまっていたと思う。

その左寄りの攻撃ってのが日本のビルドアップに問題が生じた理由の2つめ。上に書いたように梶山が左にいたこと、さらに左右のバランス崩しが行われていたことで、攻撃の起点が左寄りになるのはチームとしても覚悟していたと思う。それでも立ち上がりは低い位置で左右の幅を使うやり方が目立ってた。森重もビルドアップの中で目立ってた。それがだんだんと左左へと入り込んでいったと思う。左右の幅を使わずに、左で作って左へみたいな。そうやって自分たちで勝手に幅を限定していってしまうのは、このチームの悪い癖なわけだけど。

理由はちょっと分からない。立ち上がりは相手の守備が左肩上がりっぽかったのが影響してるのかどうか。試合開始直後は中盤の4の左サイドが1つ前のラインに入ったような気がする。結果として森重にボールが入った時に、明らかに日本の左の田中よりは厳しいプレッシャーに晒されたシーンが見られたのも事実。でも、そういうプレッシャーを否すために低い位置で左右に作るんだけどなってのも思うところ。どちらにしても相手の圧力は強かったから、さっさと前線にボールを送ってしまいたいっていう意図があったのかもしれない。低い位置の保持時間を延ばせば延ばすほど、相手は前線のプレッシャーの強度を上げてきたし。でも、サイドを限定して作ったことで、結果として相手としては守りやすい流れが生まれたと思う。

最後の1つは単純に前線の動きが停滞したってこと。これは流が悪くなったことで守備にかかる時間が長くなったのが要因。次の守備を考えて、あまり前線でポジションを変えたくなくなったのか。とにかく、前半のような積極的なポジションチェンジがなりを潜めた。時間が進むにつれて、相手に慣れが生まれたことも重なって、うまく間間に入り込めなくなっていったと思う。

というわけで、前半の日本は時間とともに攻撃のスムーズさを欠いて行く展開になってしまった。ただし、だからと言って流れがカメルーンに傾いたかと言われればそういうわけでもない。というか、今回の試合において流れがカメルーンに傾いたっていう時間は皆無だった言ってもいいと思う。その要因はある意味では当然の2つ。日本の守備のよさとカメルーンの攻撃のまずさ。そして、後者は前者によってもたらされたといってもよかった気がする。

今回の日本の守備は1度自陣に守備ブロックをセットしてから行うものだった。相手がある程度の場所まで持ち上がってきたら、森本と谷口(頻繁に上下を入れ替えてた)が相手の最終ラインに意図的にコースを切るような形でプレッシャーを与える。ただし、その実効性は疑問。それは2人の守備のやり方がまずかったからではなくて、相手の攻撃のやり方との相性の問題だったわけだけど。カメルーンの攻撃については後ほど。そのカメルーンの攻撃のやり方を見て、守備ブロックを下げた可能性もある。実はもっと高い位置からやりたかったんじゃないかと。

とにかく、今回の日本の守備の勝負どころは自陣に置かれた。相手が縦パスを送り込んできたところで、その入りどころに対して個々が厳しいチェックを忠実に行う。そうやって相手のボールの受け手を自由にさせないやり方が見られた。そして、その後のところが今回の日本の守備の真骨頂。厳しい当たりで味方が相手を足止めしたところで、前後の挟み込みをかける。周囲の選手が相手の逃げ場を切る。そういう“次”のよさが見られたのが今回の日本の守備。前の選手の後ろに向かっての守備のよさが見られたと思う。そして、そのベースには局面での最初の守備を厳しく行うっていうことがあった。

たぶん、カメルーンはそんな日本の厳しい守備を嫌ったんじゃないかと思う。そもそも立ち上がりのカメルーンはそれなりに組み立てる意識が見られた。中盤のボールに対して、周囲の動きも活発だったと思う。アフリカのこの世代のチームにしてはだけど。で、そういう動きを活用しながら空いているところ空いているところ、広いところ広いところをつないでいく、いい形でのパス回しも見られた。でも、それは本当に試合の最初の最初だけ。そのうち、それなりに機能してたように見えた中盤での組み立てを放棄したカメルーン。その背後にあったのが、上に書いたように日本の厳しい守備だったような気がする。

そんなカメルーンはどうしたか。中盤省略サッカーをした。やり方はいたってシンプル。4‐4‐2を4‐2-4と分割して、後ろの4‐2が出し手で前の4が受け手。前線の4は2トップ+2WGっていうイメージ。だから、とりあえず幅は確保できてた。ただし、あまりにも単純すぎる。目標となるのはその4人だけ。日本はその4人だけを押さえればいい。しかも、その受け手の4人に工夫があるかと言われれば全く。後ろの出し手にも特に工夫はない。特徴と言えば頭は狙わずに地上から狙ったことぐらいか。

日本としてはとっても守りやすい展開。そもそも相手のボールの入りどころに対する守備の意識が高かったってのは上にも書いたとおり。そして、相手の攻撃の工夫がなく、しかも選択肢が限定されているだけに、その勝負の入りどころは狙いたい放題。入りどころで完全に足止めして挟み込むっていう日本の狙いが苦もなく実行できた。守備能力で勝ち上がってきた日本をなめるなよって話。いくら相手の身体能力が高いって言ったってあまりにもお粗末な攻撃だった。しかも、前線の選手に入ったとしてもそこに対するフォローはほとんどなかったのが今回のカメルーンの攻撃だったと思う。

というわけで、やっぱり後半の日本の課題は攻撃の修正ってことになってきた。守備は放っておいても守りきれるでしょってとこか。で、今回の日本は後半にしっかりと攻撃の修正を行ってきたと思う。本当は修正なんていう大層なことでもないけど。前半にやってた形を思い出した来たっていうのが実際の後半の攻撃の修正だったと思う。

まず、梶山が低い位置へと舞い戻った。後半のカメルーンは前半よりも積極的。高い位置にブロックをセットしただけでは飽き足らず、そのブロックから次々に選手が飛び出してプレッシャーをかけに出てきた。でも、さすがは梶山。後ろの焦りを一発で抑えきる。時には前線へ、時には幅を使う横パスへ。そうやって縦パスを横パスを駆使しつつ、相手の前線からの守備を否していったと思う。横幅も回復。実は今回の試合で初めて梶山の存在意義を強く実感した気がする。

そして、相手の前線からの積極的な守備を否してしまえば主導権はこっちのものだった。相手がブロックから出てきて積極的に守備をしてきたっていうことは、背後にはスペースを残してきてるってこと。相手にとっては一長一短。高い位置で奪えれば一気にチャンスへ。そこを逃げられれば、背後のスペースを使われる。梶山が目立つようになった日本は後者をひた走る。

ここで相手にとっての背後のスペースは何を意味するのかっていう話。それは日本にとっては2列目の場所。そして、2列目の選手たちは前半のいい時間帯の流動性を思い出した。いや、正確には前半よりもダイナミックな流動性が見られたように思う。谷口、梅崎のポジション捨ての思い切りが明らかに良くなった。本田圭はますまず間入りのうまさを見せつけた。スペースはあるし、動きも活発。再び前線に起点を作り放題の展開になったと思う。

ただし、ここで問題が生ずる。それは左SBの田中が突如として消えてしまったこと。前半からの上下動で疲れてしまったのか。だとしたら痛すぎるよ、田中君。こりゃ順当に長友だろうなって話になってしまう。とにかく、田中の攻撃参加がなくなったことによって、前線にボールを運んだとしても幅が使えなくなった。前半から前線に起点を作っておいて、そこからどうやってゴールに向かうかっていう問題があった日本。それなのに後半はサイドから崩すっていう選択肢を削られたわけで、ますます痛い。結局は相手ブロックへの無謀な突進が増えることになったと思う。

というわけで、反町監督が動く。森本に代えて李を投入。これが成功した。組み立てに積極的に参加してきた森本に対して、李は組み立ては半ば無視。森本が中盤的な動きを繰り返したのに対して李はFWとしてふるまい続けた。具体的には相手のウラを狙い続けた。本当に徹底的に。これで相手ゴールに向かう動きがついに生まれた日本。最終ライン→梶山→2列目→ウラ抜け李の一連の流れが生まれた印象。ただし、時間とともに大雑把になっていった日本。最終ライン→ウラ抜け李も増えてくる。ただし、相手が高い位置から来てることを考えればそれはそれで悪くなかったと思うけど。

おそらく李の交代は勝ちに行った交代。ベンチのFWのうちで李は当確のはず。他の選手を入れずにあえて李を入れた意味は明らか。で、他の交代はテストの意味が大きかったのかなって思う。個人的には水野も当確だと思ってるけど。ただし、最近のプレーは全く見ていないので正確なことは分からない。

それにしてもトゥーロンでいったい何があったのか?どんだけサッカーの質が高まってるかって話。ビルドアップの問題はあっさりと解決。攻守にわたる運動量が豊富で、その運動量がうまくチームに還元されてる。いろいろな局面で数的優位を作り出すことに成功した。攻守にわたって。でも、実はこのチームの立ち上げ当初の内容に一番近いんじゃないかって思う。紆余曲折を経て、結局はスタートに戻ったのかな。

さて、五輪に向けて今回の試合から見られた課題。明らかに一番大きいのはフィニッシュにどう持ってくか。最初の2/3の形は今回の試合で見られた。でも、ここまで書いてきたとおり、そこからフィニッシュへの流れが作れなかった。ただし、これについてはあまり悲観してない。前線にボールが入った時の周囲の連動性は素晴らしいものがある。その連動性を生かしたまま、少ないタッチで相手のブロックを崩し切れればいいだけの話。これは連携を高めてけば行けるんじゃないかっていう可能性を感じさせられた。

もう1つは幅を使いたいっていうこと。岡田色を反映したのかどうかは知らないけど(ここまで見てきたとおり、全然岡田色とは違ってたけど)、サイドチェンジもあまり使われなかった。そして、攻撃が中中に寄って行ってしまっていた。そうやって密集地帯に入り込んだことがいい流れをフィニッシュまでつなげられなかった要因の1つ。ただし、この部分についても解決はできると思う。何しろ安田、内田、長友っていうA代表スタメン級の面々が今回は不在。この中の2人を左右に置くってのは冒険かもしれないけど、少なくとも彼らが入ることによってサイドを使い方が活性化するのは間違いない。

最後にオーバーエイジについて。今回のやり方を見る限りではFWは玉田が合いそう。最近の玉田は中盤の降りてきての組み立て参加ができるし、FW的ウラ抜けも得意。森本の役割をこなしつつ、李の役割もこなせる。さらに守備の献身性も高いから1トップには最適。今回の連携のよさを見る限りではあんまり攻撃はいじらない方がいいなっていう気がしなくもないけど。

あと必要なのは組み立てに参加しつつFWにもなれるトップ下。そんなのA代表も求めてる人材じゃんか。柏木で行けるか。谷口がもっと積極的にFWになってくれるだけでもいいけど。守備を考えたら、この2人のどちらかがいいかなっておもうわけだけど。あとは守備能力が高くて球出しができるボランチ。上にも書いたように、梶山1枚よりは2枚の方がバリエーションが増える。ただ、これも高望みかもしれない。A代表を見習って、攻撃的な2枚をボランチに並べるか。ナイジェリア、アメリカ、オランダ相手にそれは危険すぎるかな。
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この記事のコメント
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連動して動くとあれだけパスコースが生まれるんですね。
ホントにトゥーロン後のUー23は劇的に変わりました。本田圭もオランダで何か掴んだのでしょうか?
それにしてもOA枠、使う方向みたいなので選考が楽しみです。
2008-06-13 Fri 07:58 | URL | ソラリス #-[ 内容変更]
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このチームはどうしても個人能力に頼りがちだったので、昨日の変革は余計に素晴らしく感じられましたね。本田圭は自身が大きく変わったというよりは、このチーム内での役割が変わったのがよかったと思います。今までは低い位置に釘づけにされてましたから。
2008-06-13 Fri 20:16 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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