ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-06-15 Sun 00:42
タイ×日本
<日本代表:4-2-3-1>
FW:玉田
MF:松井-香川-俊輔、遠藤-長谷部
DF:駒野-中澤-トゥーリオ-内田
GK:楢崎

やっぱり同じメンバー。本当は大久保と香川が入れ替わったけど。でも、これも些細なこと。大久保が出場停止っていうことになった時点で残った選手で一番タイプが近いのが香川だろうし。ただ、実際には大久保と香川の違いは結構大きかったけど。それでもチームとしてのコンセプトは変わらなかったと思う。前回の試合で危ない部分を露呈したボランチコンビもそのまま起用したし。

ホームでのオマーン戦は俊輔に引っ張られてオシム化。前回のアウェーでのオマーン戦は俊輔を引っ張って岡田化。岡田監督のやりたいサッカーに一歩近づいたし、連動性も1つ前よりは明らかに高まった。右肩上がりの右サイドに起点を作って、そこで数的優位を作り、最終的にはトップに当てる。トップに当てたところで2列目が前を向いた状態で絡む。そのために俊輔の自由度を高め、動きの質を上下から左右へと変更した。結果として最初のオマーン戦に横横に動いていたボールが縦に動くようになったと思う。

そういうわけで前回のオマーン戦は岡田監督としてはよしの内容。でも、残念ながら岡田監督のやり方には後遺症が残る。何しろ運動量がとっても要求される形だから。実際に完全岡田化のコートジボワール戦では前半の途中でスタミナ切れを起こした日本。気温40℃のオマーンでそれを問う時間維持できるはずもない。岡田化し、連動性が高まったいい形の攻撃はすぐに消え去る。

スタミナ切れの前に得点を奪えず、むしろ失点を喫してしまったのは痛かったとしても、スタミナ切れ自体は予測できてたはず。結果として、焦りが見え隠れした日本代表。今考えてみるとスタミナが完全に切れてしまう前に同点ゴールを奪わなきゃっていう気分だったのかもしれない。両SBと遠藤を残して、残りの全員がゴール前に殺到。敵も味方も入り乱れての超密集地帯。崩しきれるはずもなく、むしろ引っ掛けられてのカウンターを食らいまくり。後半になって、サイド重視を掲げることでなんとか立ち直った日本だった。

というわけで、岡田化日本の課題はどう考えたってスタミナ面。攻守に渡って運動量を要求しまくる岡田監督の形。守備は最前線から追いかけ回せ、攻撃では局面局面で常に複数の選択肢を作れ。元気な時間は機能性が高いやり方だけど、何度も書くようにいくらなんでも休みの時間が短すぎる。こないだの五輪代表がノンストップをキーワードにしてたけど、こっちのA代表の方がよっぽどノンストップ。そして、スタミナ切れはそのまま岡田監督のやりたいサッカーの終焉を迎える。毎回毎回、後半は別のやり方を取り入れることで打開を図る。そして、その後半の修正が抜群に機能したりするから面白い。

だから、頼むから気候を考えたサッカーをしてください。オマーンとのホームとアウェーの戦い方を比べると完全にギクシャク。ホームではオシムが強いやり方。保持率を高めつつ、左右の幅を使って相手のブロックを左右に動かす形。アウェーでは岡田が強いやり方。低い位置ではほとんど保持をせず、縦へ縦へと突き進む。そして、1度攻め始めたサイドを攻めきろうとするのも特徴。相手のブロックへのアプローチはない。待ち構えてればいいだけの相手は疲れない。前回も書いたけど、やってることが完全に逆だろうっていう。

そして、案の定前回の試合ではすぐに疲れてしまったってのはここまで書いてきたとおり。だからこそ、今回はちょっと考えてもらいたかった。そして、ここで最初の話題に戻ってくるわけだ。メンバーが同じ。前回と同じやり方を採るつもりか。疲れるよ。それでもまだ希望はある。ホームでのオマーン戦のように、同じメンバーでもオシム的に戦える下地はなくはないから。そのキーを握るのは遠藤。ホームでのオマーン戦は目立ちまくり、アウェーでのオマーン戦はあまり目立たなかった遠藤。遠藤の目立ち度、その役割が1つの指標になるはずだった。

さて、ここからが本題。実際に今回の日本はどういう戦い方をしたのかっていうこと。遠藤は目立ったのかっていうこと。先に答えを言っちゃうと、遠藤はそれなりに目立ってた。しかも、目立ってたのは低い位置でのボールの散らしのところだったから、場所も正解。でも、それなりにだった。要するにホームでのオマーン戦ほどは目立ってなかった。あのときは全ての攻撃は遠藤にはじまる状態だったから仕方ないかもしれないけど。で、遠藤がそれなりに目立ったってことは、戦い方もそれほど縦急ぎではなかったってこと。それでもホームのオマーン戦ほどは横型でもなかった。ここで思い出すことが1つ。ホームで戦ったタイ戦のときにも、岡田色も見えずオシム色も見えない海のものとも山のものともサッカーをしてた日本だった。

そんな日本の攻撃を見る前に、タイの守備について見ておきたい。日本がホームの1戦目にも前線から積極的にプレッシャーをかけてきたタイ。だから、ホームの今回は引きこもって守るなんていうことは当然考えてない。そして、前回の試合でも見られたように、やろうとしている守備の形自体はいい内容。かなり高い位置に置かれたトップが制限をかけるように意図的なプレッシャーのかけ方をする。それを、これまた高い位置に設定されている中盤が狙う。ブロック全体を高めに設定して、一体となって前からプレッシャーをかけるやり方。この一体っていうキーワードはタイの守備を見る上のポイントで、ボールがサイドに出たときもブロック全体をボールサイドに寄せて、相手のプレーエリアを窮屈にするようなやり方が見られた。

そんなタイの前線からの守備に対して、日本は一定の制限を受けることになる。それは、日本の最終ラインがボールを持ちあがることができなかったってこと。相手によってはハーフェイライン付近まで持ち上がって行く日本の最終ライン。前回の試合でも高い位置で攻撃のスタート役を担ってたし。でも、そんな日本の最終ラインが今回は自陣エリアの直前の場所でのボールの扱いが増えてたと思う。それは、ここまで書いてきたようにタイの守備ブロックがかなり高い位置に設定されてたから。

ここまではタイの守備が成功。でも、ここでタイは大きな過ちを犯したと思う。それは4‐2の間の場所のケア。フラットの4‐4‐2を並べるタイ。どうしてもタイにとってのトップ下の場所が空いてしまう。当然のようにそこを放っておくわけにはいかない。2トップを縦にするか、それとも2トップが完全に真ん中への縦パスをふさぐかしたいところ。でも、今回のタイはそのどちらも実行できなかった。

日本はCB→ボランチへの縦パスを通しまくり。前回は焦りもあってか前へ前へと入って行ってしまって、CBとの距離が空いてしまう場面が見られた日本のボランチだけど、今回はちゃんとその部分を修正してきたと思う。遠藤か長谷部の最低1枚がDFラインの前の場所、つまり相手にとっての4‐2の間にしっかりといた。トップ下の場所を空けてしまったタイは、日本のCB→ボランチのパスを許してしまっただけじゃなくて、そこで受けたボランチまで浮かせてしまった。慌てて中盤が守備に行っても、時すでに遅し。遠藤&長谷部はあっさりと前を向くシーンが多かったと思う。これが遠藤が目立った要因の1つだったと思う。

もう少しタイの守備について見てみたい。今回は2トップが絶対に押さえるべきボランチへのコースを簡単に空けてしまうっていう致命的な問題が見られたタイの守備だけど、前回の試合も含めて全体としての狙いがいいものだってのは上にも書いたとおり。何よりもベタ引きにならないってのが好感だったりする。でも、そんないい質の守備も日本の前には無力としかいいようがない展開。前回の試合もそうだった。ここには埋め切れない個の力の差があったように思う。

たぶん、タイの守備は相手がやや格上ぐらいならいい勝負ができるはず。そして、何よりも相手が個々の分断攻撃をしてればいい勝負ができるはず。バーレーン相手の好勝負はこの辺が出てるんじゃないかって気がする。タイの守備は、前線から切って、切って、追い込んでおいて、最終的には数的優位で奪い去るっていうもの。最初の、切って、切っての場所を相手の組織に否されて行くと痛い気がする。逆に相手の選択肢が少なければ少ないほど、つまり個が分断してればしてるほど、タイの守備の網に引っ掛かっていく。

例えば、今回の試合でタイがペースを取り戻したのは日本が個の分断傾向があったからだと思う。タイの守備が思うように機能する下地ができたって言える。でも、全体として見れば、個の力に差があり、さらに組織で攻めてくる日本には苦しかったと思う。日本のセットプレーの数が異様に多かったのが、それを示している。ファールで止めるしかない場面が増えてしまった印象。

そんなタイの守備に対しての日本の攻撃について本格的に見て行きたいと思う。今回の日本は上にも書いたように、縦へ縦へと急ぐ勢いや弱まっていた。遠藤を経由しつつの低い位置での保持時間も延びていたように思う。その低い位置で左右の幅を使う意識も見られた。たぶん相手の守備のやり方が関係してたはず。前から来る、さらにボールサイドに寄ってくる相手の守備ブロックへのアプローチ。左右にずらすことで狙いどころをなくそうっていう考え方。そういう柔軟性はさすがにあるかってところ。

そういう低い位置の保持から相手ブロックへ仕掛けるところで起点を作るのは徹底的にサイドの場所だった。パターンは同じ。相手の前線からのプレスを否すために最終ラインで幅を使う→ボランチとCBでパス交換→サイドへ起点。これで攻撃をスタートさせた。最初の左右の散らしには、CB→ボランチのコースを空ける意図があったかもしれない。あまりにもボランチの場所に好き勝手に通しまくってたし。で、CB→ボランチのところで相手を真ん中に寄せておきつつ、今度はサイドへ展開ってパターン。ボールへの意識が高いタイの一体守備ブロックを逆手にとったいいアプローチだったと思う。

このサイド起点で特徴的だったのは、今回は攻撃において駒野が目立ちまくりだったってこと。要するに起点を左サイドに作ることが多かった。スタメンを見る限りでは内田のいる右肩上がりだと思った今回の形。前回も失点後の総攻撃までは内田の方が攻撃で目立ってたし。それが真逆の駒野が目立ちまくり。なんでなんだかさっぱり分からなかった。実際には、薄々分かったような気がしなくもないけど。それはまた後の話。

とにかく徹底してサイドに攻撃の起点を作って行った今回の日本。そして、サイドに起点を作ったところで一気にスピードアップ。やりたいことができてた時間、要するに疲れてなった時間帯は、ここで岡田色の登場。SBを軸としながらボールの近くの人数を増やして、ダイレクトダイレクトで同サイドを崩していくやり方がいくつか見られた。これまで以上にボールサイドにかける人数が増えていた気がする。俊輔も何なら左サイドを基本ポジションにしてるぐらいだし。今まではあまり見られなかった、俊輔と松井の同サイド共存もかなり多く見られたと思う。玉田を含めた前線の動きが活発になってた。そして、その動きがボールの近くによるためっていう目標のもとに行われてたのが今回の特徴だったんじゃないかって気がする。

さらに、ここで香川の存在が大きくなった。最近は頑張りまくる玉田も当然のように組み立てに絡んでくる。でも、大久保&玉田のときには絡んでくるのは玉田だけだった。それに対して今回は大久保の代わりに入った香川が積極的に組み立てに参加してきた。ボールの近くでの動きを活発にして、うまくボールを引き出してた印象。よって、前回よりもサイドのボールの近くに絡む人数が増えた日本だったように思う。前回はボールサイドに人数をかけつつ、一方で真ん中のFWの近くにも選手をかけていたから。その分散した人材を今回はボールサイドに集めた印象。いいパス交換が行われた時には本当にスピーディーに敵陣深くまで入り込んでいった。

ただし、この状況だと本当の意味での0トップになってしまう危険性がある。そこで考えた。ボールに近づくランニングをする選手を増やす一方で、最低1枚は相手のウラを狙う動きをしようと。ポジション的には玉田が担うことが多かった、この遠ざかるランニングの役割だけど、玉田が中盤に降りてきている時には別の選手がしっかりとしていたと思う。でも、やっぱり玉田が遠ざかる役割を担うのが一番しっくりくるから、今回の玉田は今までよりは組み立てのところで目立たなかったように思う。

ここでふと思い出した。サイドに起点を作り、ボールサイドに人数をかけつつダイレクトでのパス交換を行う、同時に1枚がウラを狙って行く。どこかで聞いたことがあるなと。そう、初期岡田型。2戦目のボスニア・ヘルツェゴビナ戦の攻撃がまさにそんなやり方だった。そして、その1週間後に行われたのがホームでのタイ戦。でも、そのホームでの対戦ではそんなやり方は見られず。今回急に復活させるなら、なんでホームのタイ戦ではやらなかったんだって話。答えは永遠に闇の中。

とにかく、サイドの局面では初期岡田色が見られたって言える。そして、ここで再びふと考える。初期岡田色では攻撃の起点は左サイドの駒野だったじゃないかと。上に書いたボスニア・ヘルツェゴビナ戦でも左の駒野と右の内田の関係性。このときも確かに左右の役割の違いが見られた。そして、攻撃の起点はやっぱり左の駒野だった。上に書いたような、ボールの近くの人数の多さが作られたのも左の駒野周辺。みんなが左サイドに寄ってたのが、この試合の特徴だった。

じゃあ、内田は何をやってたのか。その内田の役割は右サイドで待っていることだった。左サイドに密集地帯を作ってる日本だから、相手の守備ブロックも当然のように日本の左サイドに寄せられる。必然的に右の内田の前には広大なスペースが生まれる。その広大なスペースを縦へのスピードで走り切ることが内田に任された指名。左サイドで作って置いて、広い右への展開ってのが多く見られた印象。あのときは、左で接近→右への展開って捉えてたっけって懐かしく思えたりもする。

そんなわけで今回の試合で駒野が目立ちまくった要因はこれじゃないかと思ったりする。左で作っておいて、右の内田にスペースを与えて駆け上がらせようっていう。タイがボールサイドに寄ることを考えれば、なおさら効果的。ただし、これが正しいのかどうかわからない。なぜなら、左で作っておいて右へっていう展開はほとんど見られなかったから。左で作り始めて左で攻めきるっていうシーンが多くなった。内田はほとんど目立たなかった。右肩上がりシステムじゃないのかよって改めて思ったりする。

気になるのは最初から左で作って左で攻めきるつもりだったのか、それとも左から右への展開をしようと思ってたけどやめたのか。おそらく後者だったのかなって気がする。じゃなかったら、わざわざ右に内田を置く理由がないから。そして、やめたのはできなかったからじゃくてしなかったからだったからだと思う。要するに左から右への展開が必要なかったってこと。もっと言えば、左から左で十分に攻めきれたってこと。基本的にはノンストップ最短距離が目標の岡田監督の形だから、左で攻めきれるなら左で攻めきるのに越したことはない。

というわけで左サイドに起点を作りながら攻撃をして行く日本。でも、その左サイドの様子が時間とともに変化していった。最初こそみんなを左サイドに寄せて、ダイレクトダイレクトで敵陣内に進攻していく形が目立った日本だけど、徐々にいいリズムでのパス回しが減っていく。立ち上がりはボールに対して複数の選択肢を作っていたのに、段々とそれが個の突破+パスコース1つみたいな感じに減って行ったと思う。

この理由についても前半の時点では図りにくかった。なぜならば、選択肢が減ったとしても敵陣深くまで攻め込むことはできてたから。駒野の縦への突破に、誰かしらのサポートを絡めただけで、簡単に左サイドを突き進むことが可能だった。それだったらボールサイドに人数をかける必要はないでしょって考えてもおかしくない。その代わりにゴール前に人数を増やす方がよっぽど効率的。で、実際にゴール前の人数は増えて行った。ただし、文字どおりにゴール近くで“待っている”選手が多くなったのは気がかりだった。そして、その心配は後半に入って確信に変わる。やっぱり後遺症が表れてたのかっていう。

それでも前半はその後遺症がダイレクトには表れなかった。上にも書いたように、少ない人数でも深い位置まで入っていくことができたから。それでもやっぱりボールに関わる人数はだんだんと減っていったと思う。立ち上がりはパス回しの中でのアクセントとして機能していた個人技が、相手ブロックへの仕掛けの主な手段へと変わっていく。それでも、そういう仕掛けで相手のファールを誘うことができた。強引にサイドをえぐってCKを獲得することができた。だから、前半は後遺症が目立たなかった。

個人の積極性が見られたのはいいけど、それが主になるのは危険。結果として個人技が発揮できないレベルまで、それぞれが疲れた後半は、後遺症に影響をダイレクトに受けることとなった。もう1度書くけど、その雰囲気は前半の早い時間から見られたと思う。やっぱり暑さには暑さの戦い方も考えた方がいいんじゃないかっていう気がした。

そんな日本の後半の流れを見る前に、前半の守備について見てみたいと思う。はっきり言って前半の守備の機能性は高すぎるほどに高かった。もちろん、日本の守備の質自体が高かったっていう要因が1つ。そして、タイの攻撃に問題があったってのがもう1つ。さらに、極めつけとして日本の守備とタイの攻撃の相性が抜群によかったっていう要因があったような気がする。

そのタイの攻撃はショートパスをベースにしたもの。低い位置でもつなぐ。全く蹴ろうとせずに、とにかくつないでつないで行こうとする。体格の問題もあって百姓一揆をベースにするのは難しいんだろうけど、守備のやり方といい、アジアで戦う日本にとっては新鮮な相手なんじゃないかっていう気がしなくもない。そして、日本にとっては戦いやすい相手であることは言うまでもない。ホームとアウェーを通じて、タイ相手にはオマーンとかバーレーンに苦戦したのとは明らかに違う雰囲気だった。タイの実力というよりは、その戦い方に要因がある印象。

知っての通り、日本は前線から積極的に守備をしたいと思ってる。だから、試合開始直後は最前線からかなり激しく追いかけ回す。でも、バーレーンとかオマーンは迷わずに前線に蹴ってしまう。せっかく頑張っても頭の上を越えられてしまう。だったら、疲れるだけ無駄。前線からの追いかけはやめて、自陣にブロックを作って受けようっていう守備のやり方に転換する。それがここ最近の日本の守備。相手の攻撃との相性が悪くて、やりたい守備をやらせてもらえてない。

でも、今回のタイは違った。立ち上がりの最初の最初の日本のチャンスがそれを物語ってる。日本はいつもの通り試合開始直後に前線から追いかけ回す。普通はそのプレッシャーを嫌がった相手は前線に蹴る。でも、タイは蹴らなかった。下手につなごうとした。それを長谷部が奪い取っての決定的なチャンスだった。普通にあれが先制点になっても、何もおかしくなかったと思う。

そのシーンに象徴されるように、今回の日本は久々にやりたい守備を存分に機能させられる状況だったと思う。最前線の玉田がリミッターなく追いかけ回して、2列目がその次を狙う。入りどころで厳しいプレッシャーをかけ、相手を足止めしたところで、周囲が一気に囲い込む。今回の試合の日本は、この囲い込みとか挟み込みのよさが目立ってた。自分たちのやりたい守備ができると、これほど違うのかっていう話。前回の試合ではCBが相手のFWを抑えたときに、そこに協力して挟み込むっていうシーンがほとんど見られなかった。結果として相手のFWに好き放題やられまくり。そんな危険な場所でも、挟み込みとか囲い込みができなかった前回に比べて、今回はピッチ全体のどこであってもそういう数的優位を素早く作り出した。ボールに対する最初の当たりはもちろん、それに対する次の早さも目立った試合だったように思う。

当然のように攻撃の切り替えの場所の質の高さも相当だった。相手に奪われた瞬間に最初のプレッシャーが効く。そして、高い位置であっても素早く味方が助けに行く。そうやって波状攻撃につなげることもできたと思う。前半はほとんどタイ陣内で時間が経過していった。これに関してもタイのこだわりすぎなぐらいのつなぎの意識が助けてくれた部分は大きい。ボールを奪ったときにもタイの選手は蹴らずにつなごうとした。結果として、それじゃなくても質の高い日本の攻撃から守備への切り替えのよさを存分に発揮させる結果に陥ったように思う。

そもそも前半のタイは日本にとってはかなり戦いやすい相手だった。なぜならば、タイはショートパスをベースとして戦おうとしているのにも関わらず、選手間の距離が恐ろしく遠かったから。ボールに対する動きも乏しかった。よって、つなごうとするけどつなげないっていうボール保持者が増えてくる。中東のチームなんかだったら、迷わず蹴っちゃうんだろうけど、蹴るのは嫌いなタイの選手たち。下手に保持時間を延ばしたことで、日本のプレッシャーをもろに食らうシーンが多発した。そして、すぐに囲まれていった。

そんなタイが後半になって反撃に出る。攻撃の際にチーム全体を押し上げてきたと思う。2点ビハインド、ホーム、負けたら終了ってことを考えれば、妥当な判断だった。そして、その策がうまくはまることとなった。全体を押し上げたタイは前半と比べると選手間の距離が圧倒的に改善してた印象。前にみんなが入った結果、強制的に近さが生まれたって言える。ショートパス重視のタイがやっとこさ、そのショートパスのコースを手に入れた。

それでも前半の日本ならば何の問題もなくやり過ごせたはず。タイはパスのコースが生まれたとは言っても、それは所詮強制的な近さによるもの。ボールに対する動きが特別活発になったわけじゃないし、連動性っていう意味ではまだまだ不十分。だから、日本が前半のレベルの守備をしていれば何の問題もなくタイの攻撃を止めることが可能だったはず。大体、前半のあのボールへの集中の速さは並大抵のチームでは否せないレベルだったって言ってもよかったから、タイにちょっと近さが生まれたといっても、それは焼け石に水のはずだった。むしろ、前に出てきたタイのウラのスペースを日本が使う下地ができたはずだった。

でも、実際にはそんな展開にならず。普通にタイにパスを回されてしまうシーンが多くなっていく。残念ながら後半には後遺症がダイレクトに出ていた直接的証拠。前半の超スピード集中はどこへやら、後半は1つ目のチェックでさえも遅れ気味。十分に寄せきれず、相手のボール保持者に余裕を持たせてしまう結果になった。よって、タイが予想以上にボールを保持する流れになった。最初のチェックも効かなくなった日本のブロックはズルズルと引かされる結果に陥ったと思う。ライン間の距離も空いて、間に入られるシーンも目立って行く。

そして、日本の後遺症は攻撃面にも影響を及ぼしていく。前半も途中からはボールに対する関係性が希薄になっていたってのは上にも書いたとおりだけど、後半はそれが顕著になった。個々の保持時間が明らかに伸びて、タイのプレッシャーをもろに食らう形に陥った。そして、助けなく相手に囲まれて奪われるシーンが多くなったと思う。ある意味では前半とは立場が逆転。そういえば、タイは疑惑の転倒を多くしてセットプレーを稼いでいった。やっぱり、前半とは立場が逆転。

そんな中で後遺症が個人個人にも蓄積されていったのがかなり痛い。後半はタイだって疲れてたから、全体が間延びしていってた。だから、サイドからだけじゃなくて真ん中からの攻撃も可能な状況だった。相手の4‐4の間に入るのはかなり楽になってたと思う。でも、残念ながらそれができなかったわけだけど。そして、本当はスペースが増えたことで香川とか松井は生きまくるはずだった。ドリブルは仕掛け放題だった。でも、それも残念ながら実現できず。チームとしての後遺症が深刻でも、個人の強引な仕掛けがあればなんとかなったはずなんだけど、それも望めなかったと思う。ちなみに、どれぐらい個人へのダメージも大きかったかというと、“あの”駒野でさえ後半は目立てなくなったぐらい。

問題はそんな後遺症に対して、今回の試合では修正が見られなかったと思う。このチームは修正によさがあるチーム。前半は悪い流れでも、後遺症が起こったとしても、そこから後半に向けての修正でいい形を作る。前半よりも後半っていうことが多いチームだと思う。でも、残念ながら今回はそんな岡田マジックは炸裂せず。あまりの後遺症の大きさに、後半の途中で気づいたのかもしれない。2人を同時に投入してるあたりに焦りが見え隠れ。

とにかく、後半の日本は後遺症が深刻な状況になっているのにも関わらず、前半と同じように戦おうとしてた。もちろん、岡田監督のやり方だから運動量が求められる。逆に運動量がなければ、岡田監督のやり方はできない。よって、後半はそんなやり方の質を維持できるわけもない。それでも日本は前へ前へと進んでいった。低い位置での保持時間を延ばして、休めばいいのに、前へ前へと進んでいった。そして、前線では個々が孤立。ボールは相手に渡る。縦急ぎでみすみす相手にボールを渡すシーンが多々。そこはなんとかならなかったのか。

結果として3‐0で勝った、今回はこれに尽きると思う。全部、セットプレーからのつながりだとしても。ひそかに3点目はいい得点だったと思うけど。内容を見る限りでは、暑さ対策は万全にしましょう、これに尽きる。もう少し柔軟性があってもいいかなって思う。スタートから超ハイスピードで入るのは分かった。暑さの中でも関係なく、行くのは分かった。でも、試合の締め方というか、リードしてるんだから、もっと楽に戦う方法を採ってもよかった気がしてならない。
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この記事のコメント
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僕が気になってるのは最終予選。オーストラリア、韓国、イラン、サウジアラビア、北朝鮮、ウズベキスタン、バーレーン、他2チーム(イラク?カタール?UAE?)そして日本。アジアってこんな厳しかったっけ?ウズベキスタンが不気味だなぁ。
そこで最終予選に向けて、ボランチに不安がある。
遠藤と長谷部でやってきたわけだが、まず遠藤は代えのきかない選手だとここ最近の試合観ててわかる。問題はその相方。長谷部はもちろん攻派のボランチ。遠藤も。だから遠藤の相方は潰し役、守派のボランチが必要ではないかと思います。
そこで僕は、阿部か稲本を推薦かな。鈴木や今野でもまぁ良いけど。 本田拓や明神も面白いが。。

で遠藤を推すのは単に好きなのもあるが、逆に遠藤がいないときの厳しさがアウェーのバーレーン戦で証明されているしね。慌てて後半から使ってたけど(笑)
それ以後ずっと使ってるし、岡田はその時遠藤の重要さが気付いたんかな?
タイプ的に比較的似ていると思われている憲剛もいい選手だけど遠藤のようなプレーは無理だしね。昨日みたいな使い方が面白いと思いますね。
あとは北京世代の内、誰が食い込んでくるかも楽しみだね。
2008-06-16 Mon 10:18 | URL | かばちん #-[ 内容変更]
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こんにちは!旧ブログからやってきました。記事を読ませてもらいました。サッカーの専門的なことはよく分かりませんが、1試合に対してこれだけの記事を書くのは、凄い事だと思います。時間がかかったんじゃないですか?
応援ポチして帰ります。それでは・・・
2008-06-16 Mon 10:49 | URL | shadow #-[ 内容変更]
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>かばちんさん
ボランチ遠藤が定着し始めてますね。ただ、岡田監督のやりたいサッカーを考えると遠藤は1つ上かなっていう気がしますね。前線でうまく受けて、少ないタッチで方向を変えるっていう役割としては遠藤が適任でしょうし。

ボランチ遠藤の相方ならば稲本だと思いますね。長谷部が行っていたように、前線に出て行く動きが求められると思うので、阿部よりは稲本でしょう。憲剛はよくも悪くも俊輔と代わりに収まってしまいそうな気がします。W中村併用も個人的には面白いと思うんですが。

北京世代でも呼びたい選手はすでに呼んでいると思うので、五輪終了後に一気に合流ってのはないかもしれませんね。逆に北京に誰が行くのかの方が興味がありますね。それこそ遠藤の名前が挙がってますが。守備は棚上げにして、こないだの試合を見る限りでは遠藤&梶山でボランチを組んだら、相当に面白い攻撃になると思いますね。
2008-06-16 Mon 20:30 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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>shadowさん
旧ブログからの訪問ありがとうございます。書いている方としてはあまり苦痛はないんですが、読んでる方がどうなのかなっていう不安があったりしますね(苦笑)自分の頭の中を整理しないで書き連ねてるだけなので。
2008-06-16 Mon 20:32 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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