ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-06-16 Mon 20:23
イタリア×ルーマニア
<イタリア:4-2-3-1>
FW:トニ
MF:デル・ピエロ-ペロッタ-カモラネージ、デ・ロッシ-ピルロ
DF:グロッソ-キエッリーニ-パヌッチ-ザンブロッタ
GK:ブッフォン

<ルーマニア:4-1-3-2>
FW:ムトゥ-Dニクラエ
MF:キブ-コドレア-ペトレ、ラドイ
DF:ラト-ゴヤン-タマシュ-コントラ
GK:ロボント

オランダ相手の前回の試合で失敗してしまったイタリア。初戦ということもあって、おそらく守備を重視したコンセプト。4‐3‐3のトップ下の2枚にアンブロジーニ&ガットゥーゾを起用してるのを見ても、それは分かる。ただし、このアンブロジーニ&ガットゥーゾが大ブレーキ。2人の個人的な問題というよりはチームの中の当てはめとしての問題の方が大きかったわけだけど。

もともと、どう考えたって2人に求められたのは守備面の仕事。おそらく高めの位置で守備のスタートとして機能してもらいたかったんじゃないかと思う。持ち前のボールへのハードワークをいつもよりも1つ高い位置でやってねっていう考え方。ただし、守備に重点を置いたイタリアは守備への積極性を見せない。チーム全体が後ろに重心を置いた形。アンブロジーニ&ガットゥーゾが守備のスタートになるにしても、相手までの距離が遠すぎる。下手に引っ張り出されて後ろにスペースを残してくるのは嫌だ。というわけで、2人ともブロック内に釘づけ。ズルズルと押し下げられて行く。それだったら、この2人が入らなくてもいいんじゃないの?っていう状況。

そして、知ってのとおり攻撃よりも守備の方が得意な2人。トップ下の2人が守備的。これは攻撃を考えるとかなり痛い。そもそも、守備でズルズルと引かされたイタリアは前線が完全にはがれてた。しかも、その前線の選手たちの関係性も希薄。カモラネージは消え、ディ・ナターレはトニの近くへ行こうと頑張るもののの、有機的に絡むことができず。そんなこんなのうちに、頼みのカモラネージ&ディ・ナターレの両WGも守備に引っ張られて、後ろに押し下げられる展開になった。結果、トニが完全孤立。

そんな感じで前半は最悪の内容だったイタリア。攻守に渡って全く整理ができてない。その上、2失点を食らって結果も最悪。後半はなんとかしなければならない。交代は、中に流れてトニと関係性を作るならディ・ナターレよりもデル・ピエロ、消えてたカモラネージに代えてカッサーノ、サイド攻撃を活性化させようのマテラッツィからグロッソの交代。それぞれ理由は妥当だろうし、この交代によって一気に攻撃に転換したのも事実だった。ただし、本音を言えば交代枠が3人じゃ足りないよっていうイタリアだった気がする。

3人交代後のイタリアはトップ下のガットゥーゾ&アンブロジーニを残した。もっと交代したいところを交代させていったら、残ってしまったのかもしれない。とにかく、これによって攻撃のピースが未だ足りない状態が続いてしまったと思う。イタリアの後半のやり方は、①両SBのグロッソ&ザンブロッタを超高い位置に入れること②それによってデル・ピエロとカッサーノを中に押し込むこと③守備的トップ下はシカとして、ピルロから、その前線の選手たちにボールを供給、ってものだった。ピルロのボールの質に加えて絶対的な人数が前線に入ってたから、圧力自体は高かったと思う。でも、その内実は無得点の結果が物語ってた印象。

そんなわけで1戦目はギクシャク感ありありのままに終わってしまったイタリア。親善試合で試してたら、その後絶対に採用しないだろうなっていうぐらいのやり方だったように思う。というわけで、それを踏まえての今回の試合では大ナタを振ってきた。両SBとデル・ピエロのところは前回の後半の流れを継続。大きく変わったのが、ガットゥーゾ&アンブロジーニ→デ・ロッシ&ペロッタの中盤。ミランからローマへ。完全なる攻撃への大転換。どんだけ選手層が厚いのか。

ただし、やっぱり極端すぎる気がしてならない試合前だった。完全守備から完全攻撃へ。デ・ロッシの守備力に任せるのか。でも、ガットゥーゾとアンブロジーニのどちらかを残してもいいんじゃないかって話。1戦目の失敗を完全に引きずってバランスが戻らない。実際に守備では問題が見え隠れ。それについては後で書くけど。圧倒的に主導権を握った試合だったからいいけど、次のフランス戦ではこれも使えないだろうなって気がする。攻撃型とか守備型じゃなくて、とりあえずは全体のバランスを整えてみたらいかがだろうか。

さて、対するルーマニア。フランスを完封してきた力を見せていただこうじゃないか。そのルーマニアの狙いが見られたのが試合開始直後の最初のルーマニアのチャンスだったと思う。高い位置からは追いかけずに、自陣にブロックを作る。ただし、最終ラインは下げずに自陣ブロックはコンパクトに。立ち上がりの最初のチャンスはその高いラインを生かして、自陣のある程度の場所でボールを奪ったところ。その奪ったボールを速攻で前線へ。ニクラエがうまくサイドに流れて引き出してた。そして、ニクラエに収まった瞬間に後ろが一気に飛び出してくる。そうやって素早く数的優位を作ってのパス交換から、さっさとゴール前へクロスって形だった。

要するに自陣のある程度の場所で奪って→蹴って→後ろが押し上げて→ゴールへっていう狙い。プレミアリーグを見てると、こういうチームが結構目立ったりした。具体的にどのチームだかは忘れたけど、たぶん過去の記事を見ると書いてるはず。トップを狙って単純に蹴り込み、相手を押し込んだところで左右の幅を使った展開っていうやり方。どのチームだったっけか。

とにかく、ルーマニアのやり方のベースは守備。守備のつながりからの攻撃をするチーム。そして、おそらくフランス戦ではその守備が狙ったとおりに機能したんだと思う。いろんなところでルーマニアがフランスを完全に押さえたっていう触れ込みを見るので。じゃあ、今回はどうだったのか。確かにルーマニアの守備の堅さが光った試合ではあった。でも、本当にルーマニアのやりたい守備をやれたのかって言われれば微妙だと思う。フランス戦ではできて(できたらしく)、イタリア戦ではできなかった理由。それは相手が攻撃において中盤を重視してるか否かにあったように思う。

ルーマニアの守備のやり方は実はかなりの自己矛盾をはらんでる。上にも書いたように、ルーマニアは前線では一切守備をしない。ほぼ全員を自陣に引かせてブロックを形成、そのブロックで受ける形を採る。でも、ベタ引きのラスト固めブロックを最初から作るわけではない。上にも書いたように守備の狙いどころはあくまでも自陣の中でもある程度の場所。もっと言えば、中盤で引っ掛けたい気持ちが強かったんじゃないかと思う。

だから、最終ラインは高めを維持する。少なくとも今回の試合の立ち上がりはそうだった。前が後ろに下がり、後ろが前に上がることで、コンパクトなブロックの完成。このコンパクトなブロックをベースにして、相手が自陣に入ってきたところで守備を開始する意図が見られたと思う。コンパクトブロックを形成してるから、それぞれの選手間の距離は近いルーマニア。結果として1人1人のケアすべきエリアは小さい。よって、入りどころに対して厳しくプレッシャーをかけられる。ついでに、そういう最初の守備で相手を足止めにしたところで、近さをベースにした素早い囲い込みも可能になる。そんな狙いがルーマニアの守備には見られた。

でも、ここで大きな問題が現れる。それが上に書いた自己矛盾の意味。相手が自陣に入ってきたところで守備を開始するって書いたけど、本当に相手が自陣に入ってくるのかっていうこと。相手が攻めてくる以上、いつかは相手が自陣に入ってくるのは確か。でも、そのアプローチの仕方がルーマニアの守備の効きやすい形なのかっていうこと。早い話が相手が地上からつないでつないで攻めてきてくれなければルーマニアの守備は機能しない。ルーマニアは前線から守備をしない受身守備だから、地上から攻めてきてくれるかどうかは完全に相手次第。幸運にもフランスは地上から来るチームだったと思う。スタイルを考えても想像がつく。でも、イタリアは必ずしも地上から攻めてくるチームではなかった。

そんなイタリアも最初は地上からつないで組み立てようとする意識を見せてたと思う。相手のプレッシャーがかからない最終ラインを押し上げ、前線の人数を増やした上で、中盤の場所に起点を作ろうとするやり方がいくつか見られた。前回は完全に消えてしまったカモラネージも、立ち上がりからいろいろな所に顔を出してボールを引き出してたと思う。思惑通りにSBを上げつつ、中盤に動きをもたらしながら、しっかりと組み立てて崩していこうとする意図自体はあった気がする。

ただし、ここまで書いてきたとおり、そんなイタリアのやり方はルーマニアの守備の格好の餌食。自陣に入ってきたボールに対しては忠実に1つ1つの守備が機能するルーマニア。前線では消極的な守備のルーマニアでも、相手がひとたび自陣に入ってくれば積極的にプレッシャーをかけて行った。そして、今回のイタリアにはそんなルーマニアの守備の否すほどの攻撃の連動性がなかったように思う。前回の試合でも言えたことだけど、今大会のイタリアはどうも局面局面での関係性が薄い気がする。

よって、中盤を経由させてで地上からつなぐのは相手の守備網にみすみす引っ掛かりに行くようなものだと考えたイタリア。実際に引っ掛かるシーンが多かったし。さすがは現実主義路線を貫くイタリア。あっさりと中盤でのつなぎを放棄したと思う。立ち上がりは地上から、時間とともに空中からっていう普通とは反対の流れをたどった攻撃のシフトチェンジが見られた。普通は最初はリスク回避のために蹴っておいて、段々とつなぎに変えるっていう方がしっくりくるんだけど。とにかく、なかなか面白い流れだった。

というわけで、ロングボールが増えていったイタリア。これは合理的なやり方の転換だったと思う。上にも書いたように、敵陣=イタリア陣内では全く守備をしないルーマニア。よって、最終ラインが高い位置まで押し上げられたってのは上にも書いたとおりだし、同時にボールの出し手を浮かせることもできた。出す方が浮いてるなら、そこから前線に単純に入れるボールの精度もそれなりに高まる。ターゲットのトニもいる。何よりも相手の守備の勝負どころである中盤を飛び越えてやるってのが一番大きかったように思う。

で、ここでポイントとなるのはロングボールの供給役。もちろんファーストチョイスはピルロ。ただし、ルーマニアもピルロを完全に浮かせるほど無防備ではなかった。ピルロに対してはトップ下の選手がしっかりと対応してたと思う。ただし、ちょこちょこと浮かせてしまうシーンも見られたけど。それでも、ピルロに対して気を使っている雰囲気が見て取れたのは確か。

でも、ここでルーマニアにとっては残念なお知らせ。今回のイタリアはピルロとともに中盤の底にデ・ロッシを起用してきた。ローマでは球出し役として活躍しまくりのデ・ロッシ。デ・ロッシが浮くと、ローマはかなりスムーズに攻撃を作ることができるし。ピルロと見劣りがしないって言ったら言い過ぎかもしれないけど、中長距離の距離稼ぎパスを有効活用するのには十分な存在。そして、ルーマニアはそのデ・ロッシを浮かせまくった。デ・ロッシを甘く見たのか、まさかピルロとデ・ロッシを横並びにはしないと思ってつくべき選手を決めていなかったのか。イタリアとしてはデ・ロッシが出し手として十分に機能したことによって、ピルロを前線に絡ませることが可能になってた。

そんなわけでデ・ロッシを活用して、出し手の側面から見れば、ロングボールを使おうと思えば使いたい放題の状況だったイタリア。じゃあ、受け手の方は準備ができてたのかっていう問題がある。何しろ前回はトニが完全孤立状態。たぶん、あの試合で蹴りまくったとしても実質的な効果は期待できなかったと思う。でも、今回のイタリアは受け手の方の準備もしっかりとできてたと思う。そもそも、前回とは違って、チーム全体が前に押し出されてた状況だったわけで、必然的に前線の人数も多かった。それに、その内実も明らかに改善されてたように思う。

今回のイタリアは一番最初に書いたような4‐5‐1の形。でも、実際に上に書いたような4‐5‐1で戦ってた時間は皆無だったって言える。無理やりに当てはめれば、その形になるって程度。しかも、攻撃と守備との間でも形が違うっていう難しい問題。ビデオで見てなかったら理解できなかったかなって思ったりもする(ビデオで見ててもよく分からなかった)。とりあえず、守備は後回しにして今関係ある攻撃の方について見て行きたい。変則システムの活用が受け手の準備に関係してた部分があるから。

攻撃での崩れ方は左サイド。上では左サイドに配置したデル・ピエロは本当は2トップの一角的にトニの近くでプレーしてたと思う。そして、ペロッタが左から真ん中へかけて動く。だから、4‐4‐2の左のペロッタが中に流れることが多かったとも見える。実際にペロッタは真ん中寄りでのプレーが目立ってたし。そして、そんな感じで明らかに過疎化してしまっていた左サイドのスペースをグロッソが埋めるっていう形。グロッソは超高いポジションをキープして、前半の前半はかなり目立った存在になってた印象。

で、この真ん中のトニ&デル・ピエロ&ペロッタと左のグロッソが受け手として機能してた。真ん中のトニは高さを生かしまくり。低い位置からのボールの質の高さもあったけど、入ったボールを的確に味方に落としてた。それをデル・ピエロがしっかりと拾う。やっぱりこの役割ならディ・ナターレよりもデル・ピエロ。ペロッタがもう少し絡めたらっていう流れではあったけど。で、そうやって真ん中に集中させておきつつ、要所要所でグロッソを使う1発のボールを供給。上にも書いたように前半の前半はグロッソが目立ちまくりで、攻撃の起点はことごとく左サイドに作られていった。

ちなみに、この左右のバランス崩し的なやり方(本当は逆のザンブロッタも高い位置で待ってたけど)が、元に戻って出し手=デ・ロッシを浮かせる効果ももたらしてた印象。ルーマニアの2列目真ん中の選手は上にも書いたようにピルロにつく。だったら、デ・ロッシには2列目右の選手がつかなければならない(デ・ロッシが左に入ってたから)。でも、残念ながらその2列目右の選手はグロッソに引っ張られた。だったらFWが見ればいいんだけど、この時点ではそのつもりは毛頭なかった模様。デ・ロッシが完全フリーでルーマニア陣内までドリブルで持ちあがってくるシーンもいくつか見られた。

ルーマニアとしては上で書いたような自分たちの守備の狙いが全く機能しない状況。中盤は越えられてしまったし、そもそも相手の単純距離稼ぎのボールによって高い最終ラインを維持するのも難しくなった。ロングボールの圧力に負けて、ブロックがだんだんと押し下げられて行ってしまったと思う。そして、ここでルーマニアが開き直る。コンパクトな守備ブロック、中盤での引っ掛けの狙いはやめようと。もうラストを徹底的に固めてやろうと。よって、ベタ引きブロック形成へ。これはかなりの開き直りだったと思う。何しろ後で書くように、サイドの局面も捨てたから。本当に最後の最後に勝負をかけた守備。チーム全員が自陣に入る時間も長くなった。

実は前半の10分ぐらいにこの転換が訪れてた。で、それに伴って守備ブロックも変更されたと思う。それまでは4-1-3-2ブロックを作ってたんだけど、この時間からはムトゥを左に入れた4‐1‐4‐1というか4‐3‐3みたいな形に変更されてた。相手のSBの上がりを少しでも押さえようとしたのかもしれない。後はラストベタ引きを完全に遂行するためっていう考え方。4‐5のラストブロックを念頭に置いてたのかもしれない。

あとはイタリアの出し手対策か。これが実際にシステム変更と関係あるかどうかは分からないけど。それでも、デ・ロッシはこのシステム変更の前後では明らかに目立ち具合が変わってた。実際には1トップに残ったニクラエが対応しようとする意図が見られたと思う。だから、システム変更によってというよりは、システム変更とともにその場所を整理してきたっていうことだったのかもしれない。

そして、このルーマニアのシステムとか方針の転換とともにイタリアもやり方の転換を図り始めた。それまでは1発距離稼ぎを中心として戦っていたイタリア。中長距離のパスで距離を稼いでおいて、最終的にはサイドからのクロスっていうやり方が多かったと思う。それがだんだんと1発で距離を稼ぐボールを減らしていく。理由は簡単で、もはや必要ないから。相手が自陣高めで引っ掛けようとしてるなら、それを飛び越すのは意味があるし、結果として相手ブロックを押し下げることにもつながる。でも、今やもう相手はベタ引き。下手に蹴ったら相手の密集ブロックの中でこぼれ球を拾われてしまうのがオチ。そんな確率の低いやり方は使いたくないし、使う必要もない展開だった。

そんなイタリアの攻撃はサイドに起点を作るものへと転換した。それまでに目立った左サイドばかりではなくて、逆の右サイドもバランスよく使うようになったと思う。相手のラドイが負傷退場した後の時間帯(この前後にルーマニアはやり方を変更)になって、突如としてザンブロッタが目立ちまくり。ムトゥが左サイドに張り出してプレッシャーをかけてたのに、それでもザンブロッタが出てくるあたりに今回のイタリアの攻撃性が見て取れたりする。

でも、イタリアのサイド攻撃っていうのはあんまり聞かない気がする。そんなイタリアが徹底的にサイドから攻めまくった今回の試合。前半はそういう意図が顕著だった印象。じゃあ、なんでイタリアがサイドにこだわったかっていう話。これにはイタリア自身の要因とルーマニアとの相性の要因があったと思う。ついでに言えば、積極的な意味も消極的な意味もあったような気がする。

まず、積極的な意味の方で。上にも書いたとおり、ルーマニアは自陣のバランスのいいコンパクトブロックを諦めてベタ引きにするって決めた時点で完全に開き直った。真ん中だけを徹底的に押さえてやろうっていう考えが見られて、逆に真ん中以外は半ばどうでもいいやっていうやり方になったと思う。だから、サイドの守備は相当にルーズ。1人または2人の関係で十分に深い位置に入り込めた。そして、残りの選手はゴール前に入れることができたと思う。

この真ん中に人数が、それまでの1発距離稼ぎとは違った部分。1発距離稼ぎのときには、とにかく早めにゴール前に向かうことを念頭に置いてた。ルーマニアの高めのラインに戻りながら守備をさせたいっていう。だから、イタリアの方も人数が十分に足りてないことが多かったと思う。それが相手がベタ引きになった後のサイドからのクロスには真ん中で尋常じゃない人数が待ってるシーンが多かった印象。

そして、このサイドからのクロスはベタ引きの相手に対しては効果的なやり方。ここでも書いてきたことがあるけど、ベタ引きの相手に正面から馬鹿正直に向かっていくのは非効率的。相手は待ち構えてるし、ゴール前に完全なる壁が敷かれてる。そして、相手は跳ね返し続ければいい。横からのボールはそんな相手のベタ引きを無効化できる。今回のイタリアはあまり見せなかったけど、後ろから飛び込んできたりするとかなり効果的。何にしてもサイドからのクロスに対してトニが合わせまくりの流れができたのは事実なわけで。ルーマニアのベタ引きも横からの攻撃に対してはかなりのもろさを見せてた。はっきりいってロボントがいなかったらっていう部分が大きい。

というわけで、積極的な意味の方はこんな感じ。じゃあ、消極的な意味の方はって話。それは真ん中から攻められなかったからサイドに逃げたっていう考え方。何しろルーマニアは全精力をかけて真ん中を固めてるわけで、そんな場所に入ってくのはかなり困難な作業だった。さらに、イタリアの攻撃にも問題があったと思う。今回の試合では真ん中を担当するペロッタが前との関係を重視してた。だから、中盤の組み立てではほとんど絡んでこなかった。結果として真ん中に起点を作るのは難しかったと思う(トニには収まりまくったけど)。

実際にカッサーノが入ってからは真ん中に起点を作るやり方が目立つようになったと思う。もちろん、ルーマニアのブロックが疲れで分散し始めてたってのも要因の1つ。それに後半はルーマニアも攻撃に出てたし。でも、カッサーノはうまく中盤に降りてきてボールを引き出す動きをしてたように思う。そのカッサーノの動きに触発されてか、デル・ピエロも組み立てに参加する機会を増やしてた。だから、後半はクロス以外の流れからのチャンスも増えた。

話は変わって、ベタ引きにされた(ベタ引きになった)ルーマニア。守備面ではギリギリの場所でも強さを見せつけて、相手の攻撃をシャットアウトしていったけど、問題は攻撃面に現れる。最初の方で書いたように、ルーマニアの攻撃の狙いは、トップに預けておいて、そこに後ろの選手が絡むっていうやり方だったと思う。でも、今や中盤以下は自陣ゴール前に釘づけ。トップに入ったとしても、そこにすぐに絡めない。だから、2トップだけで攻める薄い攻撃が増えていった。でも、それが案外チャンスにつながったりする。それを見たルーマニアが徐々に攻撃のやり方を変更していったと思う。

そのルーマニアの変更を見る前にイタリアの守備について見てみたい。残念ながらイタリアは守備面において超攻撃的メンバーへの大転換の弊害が表れてしまった。予想できたと言えば予想できたわけだけど。立ち上がりこそ最前線から追いかけ回す積極的な守備が見られたイタリア。おそらく、前回の試合で必要以上に、よく言えば落ち着いて、悪く言えば消極的に入ってしまった反省から。でも、その前線からの追いかけがなくなると同時に守備の根拠もなくなってしまった今回のイタリアだった。

そもそもイタリアは守備の基本的な形がいまいちよくつかめなかった。見た目的にはデル・ピエロ&トニ、ペロッタ&カモラネージ、デ・ロッシ&ピルロっていう4-2-2-2みたいな形。でも、それにしてはカモラネージがトップ下みたいな場所に入ってることが多い。だったら、カモラネージをトップ下に置いた4-3-1-2かと思えば、それにしてはデ・ロッシ&ピルロが横並びっぽい。それに、ベタ引きになったときにはカモラネージが右サイドに入ってたし。

そして、この混乱を深めたのが後半のイタリアの守備の形。後半は4-3-3っぽかった。デル・ピエロ&トニ&カモラネージの3トップにペロッタ&デ・ロッシ&ピルロの3ボランチみたいな形。3トップはトニの守備は免除され、両サイドが相手のアンカーの受け渡しを行ってたと思う。要するに右にボールがあるときにはデル・ピエロが絞って真ん中を押さえ、左にボールがあるときにはカモラネージが絞って真ん中を押さえるっていう。

その後半のやり方を見ると、前半のカモラネージの中への流れも説明できなくはない。でも、前半は明らかにデル・ピエロは2トップの一角みたいに振舞ってたし。だから、やっぱり後半はシステムを変更したんじゃないかっていう気がする。確かに後半は攻撃面でもピルロが右寄りでプレーすることが多かった(カッサーノが入ってからは左寄りで)。でも、前半からピルロが右サイドの守備に引っ張られることが多かったのも事実であって。どちらにしてもイタリアの守備の形はよく分からなかった。

そして、イタリアはそんな形のあいまい性に加えて、やり方の方でもあいまいな印象を受けた。どこで守備を始めるのか?どこで守備の勝負をするのか?っていう問題。スタートに関しては、立ち上がりはやる気満々だった2トップが知らない間に守備を放棄。よって、ルーマニアの奪いどころを深い位置に押し込んでも、何のプレッシャーもなく持ちあがられてしまう展開になってた。エアポケットができたみたいに、相手ボール保持者に対してプレッシャーをかけられない場面もかなり多く見られた印象。中盤に入っても、いつも守備のスタートを切るガットゥーゾが不在。誰も守備のスイッチを入れることができなかった。

そんなあいまいな状況のままになんとなく守備がスタートされるイタリア。ただ、なんとなくボールサイドに人が集まってしまうっていう状況になる。守備のスタートが切られてないから、全体がなんとなくボールに寄るだけ。人が多くても相手にとっては実質的なプレッシャーがかかってなかったと思う。後で書くようにルーマニアには狭い所のうまさと広い所のうまさがあった(これだけじゃ意味が分からないけど)。ショートショートでつないで相手を集めておいて、広いところへ展開って形が目立ったと思う。そうなったときに狭いところで奪いきれなかったイタリアの守備ブロックは大変なことに。逆サイドがスカスカで相手の前にはどスペースっていう場面が多かった。結果としてルーマニアはきわどいミドルシュートを打ちまくりの流れへ。

ちなみに、このミドルシュートの量産にはイタリアのDFと中盤の関係性のまずさもあったように思う。ライン間の距離がなんだかすごく空いていた。疲れとかそういう要因じゃなくて、根本的な問題として全体が間延びしてた気がする。よってピッチ全体にスペースがありまくりって感じに。最終ラインの構成がSBの選手ばかりになった弊害だったかもしれない。何しろ4人ともSB出身だから。

さて、そんなイタリアの守備のまずさに気づいたルーマニアは無駄に蹴る攻撃を徐々に減らしていく。あんなイタリア相手なら普通につないでも崩せるんじゃね?っていう。そして、そのルーマニアの中盤の崩しにかなりの可能性を感じさせられた今回の試合だった。上にも書いたように、狭い場所と広い場所の使い方が抜群にうまかったと思う。この攻撃を見るとルーマニアは組が組なら攻撃で勝ちあがるチームになってたんじゃないかって気さえした。

まず、狭い場所。このチームはボールに対してシンプルなトライアングルを作るのがとんでもなく素早い。ボールが入るとすぐに、そのボールに対して複数の選択肢が創設されるイメージ。局面の関係性の作り方は明らかにイタリアよりも上だった。そして、そんな近い場所でのパス回しで相手を寄せておいて、そこから一気の展開。これが広い場所の使い方。いわゆる接近→展開か。問題の多いイタリアの守備陣はこの接近→展開に翻弄されまくり。中盤が空いてしまってミドルを食らいまくったのは上にも書いたとおり。

そして、時間とともにそんなパスでの崩しを増やしていったルーマニア。あまりにもスムーズに攻撃を組み立てられるものだから、自信がどんどんとついていったんじゃないかと思う。そして、後半開始とともにその方向性が確定。おそらくハーフタイムに今回のイタリアの守備が相手なら、地上からでも十分に崩せるって言われたんだと思う。そして、この地上からの攻撃はベタ引きの守備の相性がいいかもしれない。奪うのが深い位置になったとしても、そこからつなげばいいから。ベタ引きと地上からの崩しっていう立ち上がりの狙いのは真逆のやり方になったのが面白かった。ただ、後半はちょっとムトゥ頼みになりすぎかなっていう気もしたけど。でも、ムトゥはその期待に十分応えてた。PK失敗を次まで引きずりませんように。

そんなこんなで引き分けの試合終了。展開的に引き分けは妥当だったかなっていう気がする。それにしても、イタリアはまたしても相手GKの大当たりに阻まれる流れ。ついてないとしか言いようがない。で、ルーマニアが意外に面白いサッカーをしてた。というわけで、まことに勝手ながらルーマニアを決勝Tに上げてやってください。できるだけ多く見てみたいので。でも、そうなったらイタリア&フランスのW杯ファイナリストが落ちるわけか。それはそれで残念だけど。
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この記事のコメント
いかにも東欧のチーム。
他の東欧勢はパワフルだけど雑な感じがする分、その中でも丁寧で田舎の感じがしていいです。<マニアなもので

日本の皆さんにはオシムでおなじみですね。
DFにはタマシュのようなロングボールの名手がいて、セーヴィングの得意なGK(ロボント)。
屈強なCF(ニクラエ、でもオランダ戦マリカコールが起こった)にチームを仕切る1ボランチ(キヴ)。

戦術としてはゾーンを作って後ろからマンマークで見ていくような守備なので反則は少ないです。
でも、リードされるとマンマークでプレスを掛けていくので消耗が激しく切れてファウルもらうかも。

攻撃はカウンターが名物だけど、何と言ってもピッチを広く使って外からボールホルダーを追い越していくような動きにショートパスを織り交ぜた流れるようなビルドアップ。
今はロシアそれもゼニットが一番だと思ってますが。<私の選ぶベストチーム

日本人がやるなら、2001年ごろジュビロ磐田がやっていたN-boxの形がいい。<私が選ぶ国内ベストチーム
2トップが開いて、2列目がゴールに飛び込んできて、三列目もオーバラップしてきて1ボランチを中心にパスを回しまくる。<3-2-1-2-2
遠藤がいればできるような?
ミーハーなコメントになりました。失礼。

マンU攻略法の件ご意見ありがとうございました。
2008-06-19 Thu 00:47 | URL | CSKA352 #vYGCFAd.[ 内容変更]
[]
興味深いです。特に攻撃のやり方ですね。後ろからの追い越しが多いために、ボールに対する関係性が多くなるんでしょうね。で、1つのサイドでショートショートをつなぎつつ、逆サイドの押し上げがなったところでボールを展開っていう形でしょうか。そんな感じのルーマニアの攻撃の質の高さが目立ってました。
2008-06-19 Thu 18:19 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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