ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

-------- -- --:--
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 |
2008-07-16 Wed 15:52
リベルタドーレス杯決勝(第2戦):フルミネンセ×キト
<フルミネンセ:4-2-2-2>
FW:ワシントン-シセロ
MF:コンカ-チアゴ・ネービス、アロウカ-イーゴル
DF:ジュリオール・セーザル-チアゴ・シウバ-ルイス・アウベルト-ガブリエウ
GK:フェルナンド・エンリケ

<キト:4-2-3-1>
FW:ビエレル
MF:ボラーニョス-マンソ-ゲロン、ウルディア-ベラ
DF:アンブロッシ-カンポス-Nアラウーホ-カジェ
GK:セバージョス

あまり見ないような試合になった。最初の最初から延長戦じゃないのかっていうレベルに両チームがスカスカ状態。よって攻撃側は簡単にボールを前に運べた。ドリブルで持ちあがるにしろ、長めのパスにしろ、何のプレッシャーも縦に進むことができる状況。守備側がどうぞどうぞって手まねきしてるんじゃないかっていうぐらいに、障壁が一切なかったと思う。そして、両チームが同じような形。よって最初から攻め合い、カウンターのかけあいっていう特異な試合展開になった。

なんでそんなことが起こったのか。その理由は両チームの守備意識の低さ。正確に言えば攻撃からの切り替えの意識の低さ。相手にボールが渡った瞬間に、そのボールが自分の前にあればどちらのチームの選手も最低限の切り替えの守備は行ってた。でも、自分の後ろにボールがあるとき、要するに自分の場所までボールが来る前に奪われた時は知らんぷり。そして、何よりも悪かったのは、そんな知らん振りの選手がずっと知らんぷりを決め込んだこと。切り替えでボールに対してプレッシャーをかけないだけでなく、素早く戻って組織を作ろうとする意識が皆無。これが特異な状況の発端。

例えばキトの先制点。ボールを奪ったキトの選手が単純に前線に蹴りだしたところがスタートだった。単純に言っちゃえば縦への意識が高かったキトが相手の組織が作られる前に攻めきったことによって生まれたこの得点。でも、実はキトが相手が組織を作る前に攻めきったというよりも、フルミネンセの方に組織を作る意図がなかったって言った方が妥当だったと思う。実際に前線でボールを受けたゲロンは結構手間取ってた。だから、受けた後に一気に攻めきれずに時間がかかってしまった。でも、その間にフルミネンセの中盤の選手が全く画面に戻ってこない。DFだけの対応が続く。そのフルミネンセのDFラインの1つ下で待ってたボラーニョスがゴールを決めたシーンだった。

キトの守備も似たようなもの。立ち上がりのフルミネンセのチャンスはほとんどがキトの選手たちの切り替えの守備の怠慢によってもたらされた。ボールを奪ったフルミネンセの選手は広大なスペースをドリブルで突き進み、ある程度になったらワシントンに縦パスを入れる。その間に後ろが上がってきて厚みを加える。そういうフルミネンセの選手の後ろからの飛び出しに合わせて、やっと前線の選手が戻ってくるような形が目立ったと思う。いくらなんでも遅過ぎやしないかっていう。

そして、これには裏の意味も隠されていた。前線の選手が守備になかなか戻ってこない。つまり、攻め残ってる選手が多い。だから、後ろの選手だけでボールを奪うことができれば、攻撃の人数は多いってことになる。結果としてカウンターに効果的に人数をかけられる。そして、そのカウンターに対して守備側の選手は戻らない。攻め残ってる。そんな繰り返しによって、立ち上がりから攻め合い、カウンターのかけあいっていうような試合展開が生まれたように思う。

さて、そんな流れの中で先制点を奪ったのがキト。上に書いたような立ち上がりの展開を象徴するような流れで前半の5分過ぎにあっさりと先制。ホームで先制点を許したフルミネンセ。しかも、この失点によって2戦合計2‐5の超苦しい立場に追い込まれたことになる。よって、守備なんて気にしてられないよっていう攻撃が展開されることとなった印象。両SBをSMFみたいな役割で超高い位置に押し上げて、攻撃に人数をかけるような体制を作り出した。

キトとしては願ってもない流れ。先制点の流れでも分かるとおり、立場上(アウェーである、合計スコアでリードしてる)守ってカウンターってのが念頭にあったキト。しかも、後で書くように遅攻が全く機能してなかったっていう事情もあった。よって相手が出てきてくれればキトとしては恐ろしくやりやすくなる。守りをベースにしておいて、奪った後にカウンターを仕掛ければいい。前がかりの相手のウラには広大なスペースがあるわけだし。

実際にキトの考え方はこの通りだったと思う。でも、それが機能したかどうかって言われれば別問題。守ってからの攻撃。確かに攻撃の方は強力な両サイドを中心の前の選手たちだけで行ける力は持ってたと思う。何度も書いてるとおり相手が前がかりで後ろが薄くなってたわけだし。でも、その攻撃の前段階の守備がうまく回ってなかった。いくら攻撃が機能する下地があるとはいっても、その前段階の守備ができてなければ攻撃につなげられない。守りに入ってるのに守れてないのが今回のキトの大問題だった気がした。

キトの守備はチームとしてのやり方が全く明確ではなかった印象。前線の2枚が積極的に相手の低い位置のボール保持者に対してプレッシャーをかける。でも、それがスタートではない。前の2人はその2人だけで奪えればラッキーみたいなイメージだったと思う。中盤以降は全くついてきてなかった。というわけで、あっさりとMF-FWの間に入られるシーンが多発。実は前の2人の守備で相手のミスを誘うシーンも多かったことは多かったわけだけど。

とにかく、実質的な守備のスタートは中盤に任されることになったキト。でも、その中盤の場所もはっきりしない。そもそも最初に書いたように組織作りが遅いっていう大問題があったから、念頭にある4-4ブロックも全く作れない状況。サイドの一方が戻ってきてなくて、中盤が3枚なんていうシーンが多発してた。そして、そんなバランスの取れてない中盤の選手たちもなんとなく相手のボールをプレッシャーをかけて行く。なんとなくボールサイドに寄っていく。チームとしてというよりも、個が分断してたイメージの方が強い。フルミネンセとしてはブラジルのチームをなめるなよっていう話。相手の単発プレッシャーをあっさりと外すシーンが多くなった。

結果として最後の砦はDFライン。守りをベースにしてるはずなのにDFが晒されるっていう意味不明な状況。当然のようにあっさりと同点ゴールを奪われることになった。そのシーンはまさにここまで書いてきたとおり。フルミネンセの中盤のボール保持に対して全く守備のスタートが定められず、なんとなく当たったところを外され、DFだけになったところへミドルシュートを食らったシーン。

ちなみにサイドの砦のDFラインもかなり脆かった。フルミネンセのFWへの縦パス、これに対してはしっかりと対応する意識が見られた(ファールなんじゃないかっていうレベルに厳しく)けど、それ以外は超危険。下がって受ける相手には対応できても、DFとDFの間に入られたり、ウラに抜けたりっていう相手に全く対応できてない状況。2失点目もスローインからあっさりとウラに入られたシーンだったし。

それと比べるとフルミネンセの組織を作った時の守備は整理がされていたように思う。まあ、ここまで書いてきたとおり、そもそも組織を作るのが遅いっていう大問題があったのも事実ではあるけど。そんなフルミネンセの守備のベースは受け手への対応。縦パスが入ってきたところで、しっかりとプレッシャーをかけ、前を向かせないってのが1つ1つの守備のベース。そうやって相手を足止めしたところで上下で挟み込むみたいな対応もできてたと思う。

ただし、これが機能したのはキトの攻撃があまりにも単純だったからってのもあると思う。実効性はともかく、守備への意識が高いキトは自分たちがボールを保持していたとしてもあまり攻撃に人数をかけてこなかった。だから、フルミネンセの守備が狙いどころと定める受け手の選択肢が少なかったって言える。そして、その受け手があまり動かない。待っていて、足元でボールを受けようとする。さらに言えばキトの攻め方にかなりの偏りがあったってのもある。ますますフルミネンセとしては狙いやすい状況につながった。

キトはサイドから攻め込もうっていう意図が強かった印象。攻撃の中心はゲロンとボラーニョスのSMFだった。その2人にボールを送っておいて、収まったところでSBとボランチが絡んでサイドに数的優位を作ろうっていう意図が見られたと思う。でも、そのSMFも例外なく待っていて足元で受けようとする。さらに言えばフルミネンセの方も(たぶん1戦目の経験から)相手のサイドを押さえる意識を強く持ってきた。SBが相手SMFに密着して入りどころにすぐに対応する体制を整えてたし、足止めした瞬間に挟み込む意識も高くなってた。よってキトとしては狙い通りにサイドに起点を作れない状況。それでも工夫のない単純なボールを送り続け、そのたびに奪われるっていう繰り返し。遅攻がうまく行かなかったってのはここから来てる。

対するフルミネンセの攻撃はどうだったかって言われると、そちらも特別の質が高かったとは言えない内容だった。キトと同じく待ってる選手待ってる選手の足元足元を狙うような攻撃。どちらのチームも2人目、3人目の動きなんてものはほとんど見られなかった。それでもフルミネンセの方がキトよりも攻撃に人数をかけた分、組織を作った時のキトの守備がフルミネンセのように整理されてなかった分、フルミネンセの方がゴールの近くまで迫るシーンを増やしてた印象。

そんなフルミネンセの攻撃。2トップはゴールまで待ってる存在。ボランチの2枚は低い位置で出し手となる存在。サイドは両SB。そこはほぼ固定的だったように思う。そんなチームの中で唯一自由度が高かったのがチアゴ・ネービスとコンカのOMF2枚。特にチアゴ・ネービスは自由に動き回ってボールタッチを増やしまくってた。チームの中心。ただ、そんな2人の役割も固定気味。1枚がFWになり、1枚がボランチになるみたいな形。2トップ+OMFの1枚が受け手、ボランチの2枚+OMFのもう1枚が出し手。そんな形のフルミネンセの攻撃だった。受け手は完全に待ちの体制になってたのが特徴的だったと思う。

そんな単純なやり方でもゴールに迫れるシーンが多くなるほどにキトの守備にはまずさがあったってこと。フルミネンセの中盤の選手がSBも交えながらボールを動かしていると、あっさりとキトの守備ブロックに隙間ができた。右で作って左みたいな展開は例外なくフリーな選手を作り出した。そんな隙間だらけのキトの守備ブロックだから縦パスを入れるのも簡単。普通は通らないような中距離の、しかも中→中の縦パスが通りまくり。そうやって通ったら、前の3人の関係性で崩しにかかってた印象。崩しにかかるっていってもトップに当てる→落とす→シュートみたいな単純なやり方ばかりだったけど。ちなみに、たまに低い位置から1発でトップに当てる→落とす→シュートみたいな展開も作ってた。この流れでシュートに行けるシーンが多かったのもキトのまずさ。DFと中盤の関係が希薄だから、競り合ったボールが相手に渡ってしまう。

ただし、上にも書いたとおり、やっぱりフルミネンセの攻撃は単純だった。だから、キトが守備に修正を加えてきた後半は攻めの形が一気に作れなくなってしまったと思う。キトの守備の修正が劇的だったとも思えないのに。やっぱり相手の守備のまずさのおかげで攻撃が組み立てられてたんだなっていうのがバレてしまった後半のフルミネンセ。FKで効率的に得点を奪えてよかったねっていう話。

そんなキトの修正。守備から攻撃っていう形を再確認してきた印象。前半も守備から攻撃っていう形でやってはいたんだけど、守備をすべき時に早々と攻撃の方に気持ちが行ってしまう選手が多かった。それがブロックへの戻りが遅いことにつながったんだと思う。だから、その部分にメス。守備が最初で攻撃がそのあとっていうことをはっきりしてきた印象。とにかく、4‐4‐2のバランスのいい守備ブロックを作るっていうことが最初の目標になってた印象。ラスト45分だから選手たちも守備への意識が高まってたかもしれない。

そんなちょっとした修正だけで本当に修正できちゃうから面白い。4‐4‐2をしっかりと作っただけで、他の部分はあまり変化したようには見えなかったのに、相手はブロック内に入り込むことができなくなった。でも、その代償としてキトは攻撃の術を失った。今度はみんな守備に入ってしまう状況の中でカウンターが全く消える。もうカウンターすらもしなくていいっていう指示が出たのか、それとも守備に意識を向けたら攻撃ができなくなってしまったのか。どちらにしても不器用なチームなんだろうなっていう印象を受けた。

そんな不器用なチームがCWCでは器用なマンUと対戦するわけか。今回の試合を見る限りではキトが勝つのはかなり厳しいでしょう。というか、厳しいことを言っちゃうとなんでキトがここまで勝ち上がってきたのか分からない。遅攻はうまくなく、速攻はそのベースとなる守備がうまくない。チーム全体の守備の意識の低さは大問題。マンUで言えば、全員Cロナウドみたいな。攻めたまま戻ってこない。だからと言って、Cロナウドほどの攻撃力もない。しかも、攻撃の中心になってたゲロンは移籍してしまうらしく。12月には悲惨な結果が待ってるかもしれない。

というわけでキトがどれだけイメチェンをして日本に来るかがポイント。イメチェンをしなければあっさりと初戦敗退もありうる。これはJのクラブはチャンスだぞっていう。その前にACLを勝ちあがらなければいけないのか。どちらにしても北中米カリブのパチューカは本気でチャンスかもしれない。前に書いたとおり、パチューカのサッカーの質は本当に高い。去年のように自分たちのよさを全く出せないなんて言うことにならなければ、今のキトには勝てそう。
スポンサーサイト
別窓 | 国外リーグ | コメント:2 | トラックバック:0 |
<<U-23:日本×オーストラリア | サッカー好きの日記帳(引越し中) | ヴェルディ×ジェフ>>
この記事のコメント
通りすがりの者です。

とても綿密な分析、すばらしいと思います。

ところで、筆者様は決勝1stレグやキト対クラブ・アメリカ戦はご覧になったと思いますが、
それの試合の感想はどうでしたか?特にキトの戦い方をどう見られたか知りたいです。
2008-07-17 Thu 18:45 | URL | ひろし #eLwhAuYg[ 内容変更]
[]
コメントありがとうございます。

残念ながら地上波でやった試合しか見ていません。なので、キトの判断も文中にあるとおり「今回の試合を見る限り」です。ですから、ホームの1戦目では全く違ったサッカーをしてた可能性だってあります。でも、見てない試合まで言及することはできないわけで、そんな隠された部分があるならば12月を楽しみにしておきたいと思います。
2008-07-18 Fri 23:00 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
コメントの投稿
 

管理者だけに閲覧
 

この記事のトラックバック
トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| サッカー好きの日記帳(引越し中) |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。