ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2008-07-25 Fri 17:16
U-23:日本×オーストラリア
<日本代表:4-5-1>
FW:森本
MF:李-香川-本田圭、本田拓-細貝
DF:長友-水本-吉田-内田
GK:山本

前回のカメルーン戦で大きなイメチェンを図ってきた日本代表。トゥーロンで何があったのかってレベル。あれだけ攻撃のスタートがうまく行ってなかったチームがが嘘のようにスムーズなビルドアップを見せつけた。その具体的なやり方はEUROでドイツとかオランダが使ってたみたいな6‐4方式。SBとボランチの後ろの6が出し手、前の3‐1が受け手っていう役割分担を明確にする。後ろの6はSBの幅を使いながら相手の守備ブロックに隙間を空けて行く。前の4はMFとFWの隙間に入り込んでボールを受けられる体制を作る。そうやってうまく縦パスを収めたところで、SBとボランチ(特に梶山)が前線に飛び出し。前に厚みを加え関係性を築く。そんなやり方。

ただし、問題点が見られたのも事実。それは実質的には出し手が梶山しかいないこと。本田拓は出し手としてはちょっと見劣る。だから、梶山が消えるとチーム全体が停滞するっていう雰囲気が見られた。オランダがロシアに負けたのが、まさにこの要因。出し手となりたいエンゲラールが消え、守備的なデ・ヨングが出し手にさせられたこと。その弱点をそのまま踏襲したかのような日本代表。だからこそ、遠藤を呼んでの遠藤&梶山のコンビにはかなりの期待感があった。残念無念。

遠藤が呼べなかったのは仕方ない。でも、なぜか今回の試合では梶山を起用しなかった反町監督。ボランチは細貝&本田拓のコンビ。これによって実質的な出し手が0になってしまった日本代表。さらに、両SBは攻撃大好き突撃隊の内田&長友。どちらも低い位置で出し手になるよりは、高い位置で受け手になるような場所にいることが多かった。よって低い位置で幅を使えない。相手ブロックはずらせない。ボランチは守備的な2人。そのボランチは相手の2トップが押さえてる。うまく攻撃のスタートが切れない、以前の悪夢再来ってところか。

その悪夢が再来する可能性は十分にあった。実際に悪いときのこのチームで見られたように、本田圭が低い位置に降りてきてボールを扱うシーンがかなり多くなってたと思う。前回は受け手として、相手のDFとMFの間で素晴らしいプレーを見せてくれた本田圭が再び相手MF前に追いやられた格好になってしまったと思う。これはヤバいんじゃないのかって思った前半の立ち上がり。

でも、実際には思ってたほどの停滞感は感じられなかったと思う。もちろん停滞感がなかったとは言えない。上に書いたように本田圭はたびたび低い位置に降りてくるし、ボランチは全く攻撃の出し手として機能しないし。せっかく李とか森本が間に入って受けようとする動きを繰り返してたのに、縦パスがなかなか入れられないような時間が多くなったのは事実。ただし、このチームの暗黒時代と比べればまだまだマシな方だったって言えるような状況だった。

その理由はSBをうまく活用できたから。高い位置に入った内田と長友。この2人(特に内田)を利用して敵陣に入り込むっていうやり方が多くなった印象。よって今回の日本のビルドアップは前回のカメルーン戦とは全く違ったものになった。サイドに起点を作るようなやり方が多くなったと思う。そして、その内容を見る限りでは前回と比べて特別悪いっていう状況でもなかった気がする。やり方が変わっただけっていうか。個人的には前回のやり方の方が面白かったし、うまく回ってたんじゃないかなっていう気がしないでもないけど。

その中で前回から改善した部分も大きい。6‐4方式の前回の試合ではFW不在になることが多かった。なぜならば、1トップに入った森本が中盤の3枚と同じく相手のDFとMFの間で受け手になろうと降りてくるシーンが多かったから。これがクローゼ、ファン・ニステルローイを擁するドイツ、オランダとの最大の違いだった。この2チームはFWは絶対的な存在としてゴール近くでのプレーが目立ってた。前の4が受け手って書いたけど、実際に低い位置からのボールを受けるのは中盤の3。その中盤の3を経由したボールを受けるのがFWって形だった。そんな前の3‐1の役割があいまいだったのが前回の日本。結果としてゴール前に人が少ないっていう問題が生じてた。

6‐4方式を放棄した今回はそんな問題が起こらなかった。攻撃においてはサイドに起点を作る。サイドではSB+SMF+1ぐらいの関係性。後で詳しく書くけど。とにかく、それ以外の選手はゴール前に入れるっていう状況が作られた。結果としてゴール前に人数が多く入れるシーンも多かったと思う。同点ゴールのシーンがまさにそれ。サイドに起点を作って置いて、そこからのボールに対して李、森本、香川がゴール前で関係性を作ったシーン。ゴール前の過疎化なんてもう言わせない。

そんなサイドの関係性。中心になるのは積極的に攻撃参加を繰り返す内田と長友。そして、このSBとの関係性を作るためにSMFはサイドでのプレーが目立ったと思う。特に起点を作ることが多かった右の本田圭は縦の動きはしても、横の動きはほとんど見られなかった印象。逆に李?香川?は流動的に動いてた左は攻撃の起点としてはあまり使われてなかった。

とにかく、サイドに起点を作り、そこで関係性を築くのが1つの形。アーセナルとか岡田ジャパンにような異常なほどのサイドでの密集は作られなかったけど、サイドのボールに対して、近づくランニングと遠ざかるランニングの組み合わせは最低限行われた。1人が前のスペースへと飛び出し、別の1人はボールを受けに行くみたいな。そういう関係性は築けてたと思う。そのベースになるランニングは質も量もよかったんじゃないかなって気がする。何よりも内田と長友の上下動に拍手なんだけど。

さらに、サイドチェンジが多かったのも1つの特徴だったと思う。得点シーンもサイドチェンジからの流れだけど、多く見られたのはもっと低い位置でのサイドチェンジ。ハーフェイライン付近でサイドを変えるやり方。特に左から右へ。左から右へと大きくサイドを変えて、そのまま内田を縦に向かわせるみたいな形が多かった。逆に右から左の質の場合は一気にゴールに直結するような質が多くなったと思う。ドリブルでも行ける内田には低い位置でボールを持たせて前に向かわせ、縦の動きが素晴らしい長友は長い距離を走って深い位置まで行かせるって形か。

そして、このサイドチェンジの多さはオーストラリアの守備との関係性も大きかったと思う。オーストラリアは典型的な4‐4‐2。3ラインをコンパクトに形成して受ける形。2トップは上にも書いたように日本のボランチを見るような場所にいて、真ん中→真ん中のコースを切る。仕方がないので日本はサイドへ起点を作る。そうしたらオーストラリアの中盤はゆりかごの動き。ボールサイド肩上がりみたいな。日本が左に作ったら、オーストラリアの右SMFが対応に行き、残りの3枚が順次右にずれる。結果として逆サイドにスペースができる。ハーフェイライン付近のサイドチェンジは、この逆サイドのスペースを利用する意図があったと思う。

そんなわけでサイドを起点としながら、なんとか敵陣内に入り込むことができた日本。その中である程度の形を作れたのも事実。でも、全く楽観視できないのもまた事実。なぜならば、今回はオーストラリアに助けられた部分があまりにも大きかったから。日本がSBを利用できたのは、日本が何かを工夫したからじゃない。SBが何の苦労もなく浮くことができてたからだった。オーストラリアの日本のSBに対する対応があまりにも甘かったから。

本当に浮きまくりの日本のSB。本田圭が降りてきて内田と上下を入れ替えたりするとそれは決定的だった。降りていった本田圭にオーストラリアのSMFが引っ張り出される。よってSBが浮く。ただ、それだけの話。もっと言えば、そうやって浮いたSBにボールが入ると、その対応をするために相手のSBが引っ張り出される。よって、サイドのウラにスペースができる。後半の日本はそのスペースを利用するような動きも見せてた印象。

さて、果たして本大会でもこれほど簡単にSBが浮くことができるのか。それが問題。個人的には無理だと思う。今回のオーストラリアみたいにSBがボールを持ってもあまりプレッシャーに行かないっていうチームはないと思う。日本があまり工夫をしてないだけになおさら。そもそも、今回みたいに日本のSBがあんなに高い位置を採れるかってのが甚だ疑問。相手を考えたら厳しいはず。そうなると暗黒日本の再来か。全くボールを前線に送り込めず、焦れて、工夫なく意図の薄いボールを前線に入れて、結果として相手に引っ掛けられる。そんな繰り返しが浮かんでくる。今回も片鱗が見えたのは上にも書いたとおり。

ちなみに、オーストラリアはこのSBへの対応をきっちりとしてきたらかなりいい守備の内容になったんじゃないかって気がする。4‐4‐2の3ラインがバランスよく配置され、ボールの場所によって前後左右にブロックを的確に移動する。日本がSB以外の場所から敵陣内に入るシーンは恐ろしく少なかったと思うし。四戦1失点は伊達じゃない。だからこそ、ただ一点をルーズにしたことがかなり目立つ結果になってしまった印象。

そんなわけでサイド以外からはなかなか敵陣内に入ることができなかった日本。ここまで書いてきたように、結果としてサイドに起点を作れたから内容としては悪くはなかったけど、じゃあそれだけでいいのかっていう問題も感じさせられた。だからこそ、後半にさらに出し手を減らしてきたときはどうしようかと思ったし(4‐1‐4‐1で相手のウィークポイントのサイドを強化してきたのかもしれないけど)、せっかく入った梶山がなぜか受け手に回った時もどうしようかと思った。

そして、何度も書くようにサイドが今回のように好き勝手に使えるとは思えない。そうなったときに日本はどうするべきか。カメルーン戦の6‐4方式を使うってのが1つの案。もう1つは守備からの流れで攻撃をするっていうこと。そして、その守備からの攻撃には可能性を感じさせられた。実はまだ未完成だと思うけど。ベースとなる守備には良さを感じたけど、そのつながりの攻撃がまだまだっていう意味で。いい場所で奪った後の周囲の反応が鈍くて、飛びだしが遅く、効果的にカウンターを仕掛けられない問題。

それでもベースの守備がうまく行ってるのはかなりの収穫だと思う。このチームはもともと守備が堅いって言われてたけど、それにはいくつもの変遷があった。チーム立ち上げ当初は前線からの攻撃的な守備が見られたんだけど、いつの間にか根性ベースのラストブロックでの跳ね返しが多くなってたと思う。それがここにきて再び戦術的に整理されているような印象を受ける。これは本大会に向けてかなりの意味を持ってくるように思う。

日本の守備ブロックは4‐2‐3‐1。実は相手の4‐4‐2に合わせて細貝が1つ前に出て来る4‐1‐4‐1っぽい形になることが多かった。その組織を作るのがスタート。相手のCBにはある程度自由にボールを持たせて置くけど、このときに真ん中→真ん中のコースをしっかりと切ってる。両SMFを絞ることで中盤にフィルターを作っていたと思う。そして、本格的な守備のスタートは相手が1つ前に入れてきたとき。ここで原則になるのがゴールに向かう相手の選択肢を切ること。相手のボランチに対しては縦を切って当たるし、相手のSBに対しては中から当たることで真ん中へのコースを消す。そうやって制限をかけておいて、次の場所をしっかりと狙う。

ここでオーストラリアの攻撃を確認。オーストラリアの攻撃はFW、特にトンプソンに収めるってことが重要な意味合いを持っていた。前線で超自由に動き回るトンプソンがボールを引き出す。日本は途中からここに対して本田拓を当てたわけだけど。とにかく、そんなトンプソンに収まったところで後ろから一気に選手が飛び出してくる。そういう飛び出しを利用して厚みを加え、少ないタッチでパスを回していく。つまり、トップに入れるのが攻撃の絶対的なスタートになってるって言える。

日本の守備はここを切った。真ん中への縦パスを切るのが大原則になっているわけだから、オーストラリアはそう簡単に攻撃のスタートを切ることができない。そして、オーストラリアの攻撃の最初の場所は日本に負けず劣らず工夫があまり見られなかった。みんなが個々で縦を狙い、無理なら横とか後ろに出すみたいな。そんな横パス、バックパスに対して、日本の選手が一気に守備のスイッチを入れて前線に向かって追いかけ回すシーンが目立ったと思う。

なかなか縦パスを入れられないオーストラリアの選手。当然のように個々の保持時間が延びる。そんな中で日本の中盤の厳しいチェックに対してボールを失うシーンが目立った。それを防ぐために横とか後ろに逃げれば、上に書いたようにさらに激しいプレッシャーを受ける。無理やり縦パスを出そうとすれば、前線に制限に対してしっかりと連動してる日本の選手に奪われる。結果として日本が中盤で奪うシーンが目立った印象。最短を切りながら徐々に追い込んでいく日本の守備の質の高さが目立った。

さて、そんな日本の守備に対して前半は全く何もできなかったオーストラリア。低い位置での無為な保持時間が延びていた。でも、後半はしっかりと修正を加えてきたと思う。それは縦パスの放棄。前半はあれだけこだわっていた縦パスを放棄した。その代わりに利用したのが横パス。前半は縦に入れる→押し上げて関係を作るっていう流れの中で第一目標は少ない手数でゴールに向かうことだったけど、それが無理なら広い場所広い場所を迂回するっていうやり方も見られたオーストラリア。その広い場所広い場所ってのを前面に押し出してきたのが後半の流れだったと思う。

日本としても最短距離は絶対的に切っていても、迂回するような場所にまでは手が回りきってない。当たり前と言えば当たり前。だから、横横につなぐオーストラリアのパスはそれなりに回っていた。そして、そんな横パスの中から日本が狙う縦パスが出てこない。ある程度になったらゴール前に放り込むシーンが目立った。よって日本は思惑通りに中盤で奪えるシーンが少なくなった印象。だからと言って、危ないシーンが増えたわけでもなかったけど。

結果は2‐1の逆転勝利。得点の時間帯を見ても勝負強さを見せたのは収穫かなって思う。さて、次のアルゼンチン戦でどれだけやれるのか。守備は今回のやり方を継続させ、成熟させていけばいいと思う。ちょっと触れたように、その守備からの切り替えがスムーズになればさらによし。攻撃は考えなければいけないだろうなって思う。今回のやり方ではおそらく失敗する。
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