ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-11-08 Thu 05:46
ミラン×トリノ
<ミラン:4-3-2-1>
FW:ジラルディーノ
MF:セードルフ-カカ、アンブロジーニ-ピルロ-ブロッキ
DF:ファバッリ-カラーゼ-ネスタ-カフー
GK:ジーダ

この試合ではセードルフが完全にOMFとしてプレーしてた。ここ最近の試合では4-4-1-1の左サイドとカカの隣との中途半端な場所を行き来するっていうことが多かったけど、この試合でははっきりしてたと思う。

これが分かるのが守備時のポジション。セードルフが中途半端な場所でプレーするときは、攻撃では中途半端な位置でプレーしても、守備時には完全に中盤の4の一角に入る。それがこの試合では守備の形が4-3のブロックの形成になってたと思う。アンブロジーニが左サイドをケアしてたのを見ても明らかだった。
守備時の4-3の前の形を見るとカカがトップ下の位置に入り、その前にセードルフとジラルディーノが残るような4-3-1-2っぽい形も見られた。

こうやってセードルフが1つ上のポジションに入ったメリットはかなり大きかった印象。
まず、1つとしては単純にセードルフがゴールに近いポジションでプレーできてたこと。これまでの相手のギャップに入り込むうまさを、そのまま1つ上のポジションでこなしてたと思う。
結果として1つ高いところにボールの収まりどころが生まれることになった。ここ最近の試合ででは、なかなか相手のブロックに対して最初のアプローチができなかったけど、この試合ではセードルフがうまく引き出すことで、相手のブロックにアプローチが容易になったと思う。

さらに、こうやってセードルフが1つ上に入ったことで攻撃にかけられる枚数が単純に増えることになった。最試合では実質的に最後の選択肢がカカだけだったのが、この試合ではセードルフもその選択肢の1枚となれたと思う。しかも、そういう単純な枚数以上に大きな効果も生まれた。
それは、マークの分散ってこと。相手としては見るべき相手が1枚増えたことで、1人1人にかけられる人数が減る状況が生まれたと思う。

これによってカカが空いてきて、セードルフとの関係性でラストの崩しに入るっていうイメージが沸いたわけだけど、それよりもさらにジラルディーノが空いてくる効果が目立った。この試合でセードルフのポジションの恩恵を受けたのはカカよりもジラルディーノだったと思う。

そのジラルディーノはここ最近のプレーが嘘のように目立ってた。ボールを効果的に引き出す動きが多くなって、ボールタッチの回数が格段に上がったような気がする。
真ん中でのプレーを好む選手だから横の動きでの引き出しはあまり期待できなかったけど、その代わりに縦の動きでのボールの引き出しが多くなったと思う。後で書くように高めのラインを設定したトリノの最終ラインのウラを狙ったり、そのDF前に入ってきてくさびを受けたりと、近づくやり方と遠ざかるやり方の両面でのボールの引き出しが見られた。
このジラルディーノの動きによって、相手の最終ラインに対しての仕掛けが容易になったような気がする。

最近見た数戦ではなかなか相手の最終ラインに仕掛けられずに、中盤でのキープ率ばかりが上がっていたミラン。もちろん、ポゼッション自体に問題はないわけだけど、カカが抑えられるとそのポゼッションに目標がなくなってしまっていたようにも見えた。
それがこの試合ではジラルディーノの引き出しとその1つ下でのセードルフの動きによって、目標が生まれてたようなイメージ。

逆にカカはいつもと特別変わった点は見受けられなかった。序盤こそタッチ数を増やして、積極的にシュートに行く姿勢が見られたけど、時間とともに相手にしっかりとマークにつかれるようになってしまったと思う。
ただ、その中でも要所要所で仕事をこなせる点も普段のカカと同じだったわけだけど。
そういう意味ではセードルフが高い位置に上がってきて、本来ジラルディーノにつくべきマークがセードルフと分散されたイメージでいいと思う。セードルフが出てきても、相手にとってのカカはあくまでもカカだった。

セードルフのプレー位置が1枚上がった効果のもう1つは、アンブロジー二の攻撃参加。
セードルフが1つポジションを上げたことで、アンブロジーニが普段のセードルフ的な仕事をこなしてたように思う。要するに攻撃時はOMFとDMFの中間的場所で守備時はDF前のラインに入るっていうやり方。
攻撃面を見れば分かるとおり、さらに前線に1枚コンスタントに入ってくる選手が生まれた。例えばセードルフが1枚ポジションを上げたとしても、後ろが出てこないのならば、攻撃は前の3人に任されることになって普段とは変わらない。それがアンブロジーニの存在によって、セードルフが1枚上がったことがそのまま攻撃の厚みにつながったように思う。

ここまでで気になるのがセードルフのポジション変更がこの試合限定か?ってこと。もしかしたら、格下相手にはいつも攻撃的な4-3-2-1を採用しているのかもしれない。普通に考えれば、完全に引いてくる相手に対して4-4-1-1で保険をかける必要はないわけで。最近の試合はCLだったり、ローマ戦だったりしたから、そういう試合が例外的っていう可能性もあるかもしれない。
そう考えると、ダイジェストなどではセードルフはゴールに直結する場所でのプレーが多いし、アンブロジーニがゴール前に出てくるシーンも多く見られる気がした。

とにかく、この試合ではセードルフのポジションによって一味違うミランの攻撃が見られた。
それを端的に表すと、縦へのスピードが上がったって言えるような気がした。
そのベースにあったのが、ここまで書いてきたようなセードルフの存在とそれによってもたらされたジラルディーノの引き出し。これらによって相手ブロックへのアプローチが容易になったってのは上にも書いたとおり。結果として相手ゴールに向かって遠回りする必要がなくなったんじゃないかと思う。

つまり、ポゼッション率を上げながら相手のギャップを探すっていう作業が必要なくなったってこと。
そういうポゼッション率を上げるやり方はある意味では横のアプローチをしてるって言える。それはこれまでも書いてきたようなミランのSB利用のやり方を見ても分かるとおり。幅を使いながら、一番使いたい真ん中をこじ開けに行くっていう考え方。

今回の試合ではその必要がなかったっていうわけ。それは、SBの利用のしかたを見ても分かる点だったと思う。
この試合でも立ち上がりの時間は、高い位置を保つSBを利用しながら、攻撃に深みを与えていくっていうやり方が見て取れたのは確か。右サイドのカフーはかなり高い位置まで入り込んでチャンスメイクをしてたし、左サイドのファバッリも組み立ての関与しながら、最前線の場所まで出てくるシーンが生まれた。
本来ならば、こういうSB利用のやり方が90分を通して見られるはず。もちろん、そういうSBの攻撃参加を利用して、中盤での構成力を上げるってこともあるわけだけど。それでもSBが担う役割はかなり大きくなるのは確かだった。

それがこの試合ではSBの攻撃参加の重要度が高かったのは、上に書いたような立ち上がりの時間帯だけだったと思う。その時間帯にしても、いつものような組み立てへの参加というよりは、仕上げの部分を担うシーンが目立ってた。
とにかく、途中からはSBを利用しないやり方が明らかに目につきはじめた。これは両SBの運動量の問題ではなかったと思う。特にカフーなんかはローマ戦でチームで一番の運動量を見せてくれてたぐらいだし。戦術的な理由であまり価値がなくなったってことだったんだと思う。

で、その代わりに価値が上がったのは真ん中を正直に攻めるやり方。
そもそもSB利用にしてもポゼッション率を高めるやり方にしても目標にあるのは、真ん中の場所を空けること。それが今までは、なかなか真ん中が空かなかったからSB利用を続けなければならなかったし、ポゼッション率がどんどんと上がっていってた。
それがこの試合では真ん中の場所の選択肢が格段に増加した。それがセードルフのポジションが1つ上がったことと、ジラルディーノの引き出しの動きが多くなったこと、前線の人数が増えたことに起因するのはここまでしつこいほど書いてきたとおり。
結果として下手に遠回りせずに、単純に真ん中を突っ切るやり方が可能になっ。

これが上に書いた縦へのスピードが上がったってこと。遠回りがなくなった分だけ、シュートに至るまでのパスの数が格段に減少してたと思う。それだけチームとしてもゴールに向かう意図が強くなったってことが言えると思う。つなぐことが目標にならず、ゴールに向かうことがはっきりと目標として定められてたと思う。

ただし、この試合みたいなサッカーができるなら普段みたいなポゼッションがいらないかっていうと、もちろんそういうわけではない。なぜなら、今回の試合は相手の守備のまずさに助けられた部分がかなり大きかったから。
ミランが今回と同じようなやり方を取ったとしても、相手が強ければ結局はポゼッションを上げてギャップを作り出すやり方に戻るはず。そういう縦でも横でもの転換が容易なのが、ミランの強みでもあると思うし。

というわけで、まずさが目立ったトリノの守備について。
そもそもトリノの守備はどこをスタートとするかってことが明確になってなかった。まず、3トップのFWの役割が全くもってあいまいだったような気がする。
ハーフェイライン上で受ける体制を作ることもあれば、積極的に相手最終ラインまでチェイスをすることもある。やり方自体が絶対的に悪いとは思わないけど、そういう守備が気まぐれで行われてたように見えたのが問題。FWの守備が効果的に効いたっていうシーンがほとんど見られなかった。

こうやってFWが気まぐれな守備をすると、後ろとしては溜まったもんじゃない。はっきりとしたやり方が取れてないだけに、FWに連動して守備をするってのはかなり難しかったと思う。結果として計算できないFWを削った、後ろの選手だけで守備の最初から最後までをこなさなければならなくなったと思う。
ここで痛かったのはトリノのFWが3枚いたこと。味方3枚が守備要員から外され、相手は後ろから次々出てくる。この状況ではミランに空いてる選手が生まれてくるのは、ある意味では必然だったと思う。
そういう空いた選手をつなぎながらミランが真ん中を崩していった印象。

さらに守備面で実質的なスタートを担うべき、中盤のところでもあいまいな守備のやり方が見られた。自陣に入ってきたボールにはしっかりとチェックに行くってことは徹底されてたものの、この状況下ではそれが裏目に出てしまった印象。
守備のやり方があいまいっていう状況だから、守備の連動性ははかりにくい。ボールに対するチェックも単発で終わってしまう。しかも、そのチェックが遅れていく場合が多い。そして、相手はミラン。
単発の守備でボールを奪えるほど甘くなかった。逆にチェックに出てきたギャップにうまく入られてしまうシーンの方が目立ってた気がする。

こういう部分からも分かるとおり、トリノの守備はボールへの意識とボールなしの場所での意識のバランスがいまいち取れてなかった気がする。だから、ボールへ行ってない選手は次を考えて守備ができてないし、ボールへの意識が強すぎて守備のバランスが崩れてしまう。
前半にはサイドのボールに多くの選手の意識が引き付けられて、中が完全にフリーっていうシーンを2つも作り出されている。

こういうある意味では個々の意識の問題に加えて、チーム全体としての選手の配置にも問題を感じた。
この試合のスタートのトリノの守備ブロックは4-3-3の形。特徴的だったのは最終ラインに設定の高さだった。問題はこのラインの高さの意図。FW~中盤の守備を見る限りでは高い位置で積極的に取りたいっていう意図は感じられなかったから、DFと中盤を近づけることでバイタルエリアをつぶしたいっていう意図の方が強かったように思う。
ボールに対しての意識が強さは、ウラを取られないようにっていう配慮もあったかもしれない。

ただ、完全に相手を見誤ってた。
トリノの守備ブロックは何度も書くように4-3-3。そして、前線の3は守備要員としては期待できないってのも上に書いたとおり。そして、下の4-3はコンパクトな組織を保とうとしてる。このためには最終ラインを上げて中盤に近づけることもそうだけど、逆に中盤を下げてDFラインに近づけるっていう意識もあったと思う。結果として中盤とFWの3-3の間にスペースが生まれることになった。

そして、この3-3の間のスペースはミランのどこに該当するかといえば、ドンピシャでピルロの位置。この試合ではピルロが浮いてるシーンがかなり多くなったと思う。
そうやってピルロがフリーでボールを持れば、高い最終ラインのウラのスペースを狙われるのは当たり前。ジラルディーノの引き出しの動きの活性化と相まって、隙さえあればウラに一発を狙う質のボールが多くなった。
ミランとしてはある意味ではこのことが縦への意識を生んだと思う。ピルロが横といえば横だし、ピルロが縦といえば縦っていう風にチームが動くぐらいの影響力をピルロは持ってる。実際に、相手のブロックにギャップがないときにはピルロは左右に散らす質のボールが多くなると思うし。逆にこの試合ではピルロが持った瞬間に縦を狙う質のボールが多くなってた。

こういう状況にトリノもさすがに気づいた。ピルロに入ったときにしっかりとチェックの行く意識が強くなっていったと思う。ただし、FWは守備の計算に入ってないから(きまぐれでたまにはピルロにチェックに行くこともある)、対応するのは中盤の選手。
これで4-3のバランスが崩れることになる。結果として本来抑えたかったバイタルエリアのところの守備にギャップが生まれることになったと思う。カカとかセードルフが空いたり、フィルターがなくなったジラルディーノにくさびが入ったりってことが多くなった。
それにピルロに対するチェックは遅れて単発の状況だから、それほど効果的ではない。結局、どちらも中途半端に終わってしまった。

そういう意味ではトリノの守備は後半の4-4-2変更後が一番機能してたような気がする。このシステムにしてからは、下手なことは考えずに完全に引きこもりのやり方になった。FWも自陣に入ることがはっきりしてた。
結果として前半は得点を取るのは時間の問題と思われてたミランが、決定的なチャンスをほとんど作り出せなかった。

こんな感じで守備に問題を感じさせたトリノだけど、攻撃にはそれなりの可能性が垣間見られたと思う。守備をしないで前線に残ってるだけあって、FWの3人にボールが入るといい形で相手ゴールに向かえてた。チームとしてもFWにとにかく放り込む意識が強かったと思う。
特に後半にミランが前がかった時間にはさらされた最終ラインに対して効果的な仕掛けが見られた。1人のドリブルと2人のランニングを組み合わせることで、スピーディーで動きのある攻撃を仕掛けられてたと思う。人数が少なくても相手ゴールに迫れるシーンが多くなった。

ただ、上に書いたようにこうやって可能性を感じさせてくれるのはボールがうまくFWに収まったら。そもそも単純な放り込みじゃ、ぴったり収めるのは難しいわけだけど、さらにこの試合ではミランの守備のよさも加わって、さらに困難になったんじゃないかと思う。

この試合のミランは守備の意識も1つ前に移行してたような気がする。最近の試合では(おそらく相手との力差もあって)、ボールを奪われたらとにかく自陣深くに4-4の安定したブロックを作ることを最優先にしてた。
ただ、ミランの本来の守備のよさは昨シーズンのCLマンU戦に代表されるような、前線から切って切って追い込んでのやり方にあると思う。今回の試合では、そういう守備にはまだまだ遠いものの、その片鱗は見せてくれたように思う。

そういう意味で一番改善されたのは高い位置での切り替え後の守備にあったと思う。奪われた後すぐの切り替えのところでの意識が明らかに好転してた。そうやって高い位置で奪えるシーンが多くなったし、何よりも次の狙いがかなりつけやすくなったんじゃないかと思う。最初の切り替えの守備を相手が抜け出しても、次のところで相手の前に入ってインターセプトするっていうシーンがかなり多くなった。特に相手の肝になるトップへのボールはことごとく先に触ってたように思う。
こういう高い位置での効果的な守備には、前線に人数が多く入れたっていう改善もいい影響を及ぼしてた印象。

結果は0-0で引き分けだったけど、ミランの内容は明らかに好転してた。特に切り替えの意識の改善はかなり大きかったと思う。それは攻→守だけではなう守→攻でも。カウンターで多くの人数が一気に飛び出すシーンが目立ってた。ローマ戦ではカウンターはカカ頼みだって書いたことを考えると、短期間でかなり大きな変化がもたらされてると思う。そういう1つ1つの切り替えの速さが、それがこの試合の前後5-0、3-0の勝利につながってる気がする。

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この記事のコメント
トリノが3トップだったからSBが上がれなくて、トリノの中盤が3枚だったからセードルフが上がれたのでは?

セリエの守備はレベルが違いますからね。
マークがしっかりしているし、スペースを消すのも早いです。
2007-11-08 Thu 11:58 | URL | CSKA352 #JRF.i9mo[ 内容変更]
今回のやり方が“いつも通り”で、自分がよく見るのが“いつもとは違う”ってこともあり得ると思います。むしろ、その方がしっくり来ますし。

セードルフが上がれたのは確かに相手との関係性もあったかもしれません。攻撃に出るときのプレッシャーがなかったことに加えて、相手が攻撃に人数をかけなかったので守備に人数をかける必要がなかったと思います。

SBについては高いポジショニング自体は取ってたと思います。相手の3トップもWGを置くワイドな形というよりは1トップ2シャドーっぽかったので、それほどプレッシャーがあったとは思えませんし。
ただ、相手が4-4-2になった後半は再び目立ってきた(セルジーニョを入れてサイドを活性化させたこともありますが)ことを考えると、3トップが与えるプレッシャーもあったかもしれません。
2007-11-08 Thu 16:39 | URL | ひまじん #-[ 内容変更]
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