ただのサッカー好きが、思ったことをただ書くだけ。 (06年終了)

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2007-10-26 Fri 23:24
ヴェルディ×サガン
<ヴェルディ:4-5-1>
FW:フッキ
MF:広山-ディエゴ-シウバ、大野-菅原
DF:服部-戸川-土屋-海本
GK:高木

<サガン:4-4-2>
FW:金-藤田
MF:レオナルド-尹-高橋-高地
DF:日高-吉田-加藤-鐡戸
GK:赤星

10月の初めのコンサドーレ戦でのヴェルディの守備は素晴らしかった。今シーズンの前半の試合を見たときに比べると、前線での守備意識が格段に改善してた。
どちらの試合も相手はコンサドーレだったわけだけど、シーズン前半の試合ではボールに対してのプレッシャーがかからずコンサドーレの攻撃の核になるトップへのくさびのパスが通し放題の状況。それに対して、10月の初めのコンサドーレ戦では前線の選手の守備意識が向上したことで相手の攻撃のスタートのところを自由にやらせなかったと思う。
結果としてコンサドーレはうまくトップへのくさびを入れることができなくなって、攻撃全体も停滞することになった。

そして、この前線での守備の意識は今回のサガン戦でも変わらずに見られた。少なくとも立ち上がりの時間帯は攻撃からの切り替えもスムーズで、高い位置で効果的な守備をすることができてたと思う。組織を作った後にも、トップの選手が相手の最終ラインに対してプレッシャーを与えることで自由な攻撃のスタートを許さなかった。

ただ、こういう形で前線での守備が機能してたのは本当に立ち上がりの時間帯だけだったと思う。
試合開始後すぐに得点を奪えたこともあってか、その前線での守備の停滞が生まれた。全体の組織を1つ下げてしまったし、1つ1つのボールに対するケアもあいまいなものが多くなったと思う。これが圧倒的にサガンのボールを支配された原因の一端になったと思う。

こうやってヴェルディ自身が守備の勢いを落としたことに加えて、サガンの攻撃のアプローチのよさも圧倒的なポゼッションにつながったと思う。
まず、最初のアプローチは相手の高い位置での守備をいかにいなすかっていうことだった。

そのために使ったのがサイドに起点を作るやり方。立ち上がりからサガンの両SBは高いポジションを取る意識が強かったと思う。そうやって最終ラインに深みを与えることで、相手の最終ラインへのプレスに対する逃げ場を作り出した。低い位置でボールを持つCBにプレッシャーが来たところでサイドに展開して逃げることが多くなったと思う。

そして、そうやって逃げたサイドで敵陣深くまで侵攻していくやり方が多くなった。この時間帯はSMFも本来のサイドに開いてプレーすることが多くなって、高めに入ってきたSBと協力しながらサイドの局面でうまく数的優位を作り出した。

コンサドーレ戦を見る限りではヴェルディは相手の正面からの攻撃に対する強さを見せてくれた。前線の守備でしっかりとコースを限定し、次のボランチのところできっちりと奪うっていうやり方がかなり高いレベルで機能してたと思う。
ここでは高い位置での守備はもちろん、ボランチの2枚の役割が大きくなる。コンサドーレ戦のときのも書いたけど、2人とも守備における地味な仕事を堅実にこなす。しかも、自分の前後両方に対してしっかりと守備の意識を向けることができる選手。ヴェルディの守備ではこのボランチの2枚が担う部分はかなり大きいと思う。

そういうことを考えたときに、サガンのサイドに起点を作るやり方は理にかなってる。ヴェルディの守備の要にはあえて勝負を仕掛けずに、それを外して攻める考え方。

それにヴェルディの両MFとの関係もあったと思う。2人とも守備が得意なタイプではないだけに、SBの攻撃参加も比較的楽にできた。同時にヴェルディの攻撃は前線の4人に任される部分が大きいことを考えれば、2人を押し込むことによって相手の攻撃の怖さも軽減させることができる。

そうやってSBとSMFを利用しながら相手の守備のストロングポイントを外したサガンの攻撃は予想以上の効果を上げたんじゃないかと思う。ちょっとしたランニングを組み合わせた2人の関係性だけで、敵陣深くまで攻め込むことが可能になった。
結果として相手は多くの人数をゴール近くまで下げなければならない状況が生まれたと思う。

こういうサイドに起点を作るやり方と、牽制としてのロングボールを織り交ぜることによって徐々に相手の守備のブロックを押し下げることに成功した。そうやってヴェルディの全体のブロックが押し下げられたことによって、サガンの最終ラインが相手のプレッシャーを受けない場所になり得た。時間が進むにつれてこのCBが攻撃のスタートとしてうまく機能し始めた。
ただ、この時間になっても攻撃の起点を置くのはあくまでもサイドだった。CBの選手は左右の散らし役として、バランスのいい展開を見せてくれたと思う。

もちろん、こういう時間帯は全てサイドに散らしてたっていうわけでもない。こういうやり方を取るのはあくまでも相手が組織を作ってしまったとき。逆に相手の組織がしっかりと整っていない状況のときには迷わずトップへの最短距離の縦パスを狙っていった。
そういうやり方もヴェルディの守備陣にはプレッシャーになったんじゃないかと思う。
結果としてヴェルディは時間とともにさらに全体のブロックが押し下げられていったと思う。

そうなるとサガンはCBだけではなくて、ボランチの選手もヴェルディの守備ブロックの外に出ることができた。そうなって初めて、サイドを中心とする攻撃のやり方から中へと目を転じ始めた印象。

こういう状況になったときに、ヴェルディの守備のバランスは完全に崩れてしまっていた。まず、シーズン中に改善されていった前線での守備が機能しなくなってしまったと思う。それはある意味では当たり前の要因によって。

全体が押し下げられたわけだから、前線の選手が本来見るべき相手との距離が遠くなってしまう。結果として効果的に距離を詰める前に次の展開をされてしまうことが多くなった。
それでも前への守備意識だけは持ち続けていれば違ったんだろうけど、長い距離を走らなければならない上に効果もあまり期待できない守備に対するモチベーションは低くなる。だんだんと見せかけだけの、ただそこにいるだけっていうような寄せが多くなってしまった。一応、縦パスが1つ入ったところで守備を開始するっていう原則はあったものの、それは有名無実になってしまった印象。

こういう前線の守備が機能しない状況になって打撃を受けたのが、上に書いたとおりこのチームの守備の要になっているボランチの2枚。前線で規制がかからないから、効果的にボールを奪うことができなくなってしまった。それでも2人とも守備意識自体は減退しない。結果として、ボールが出たところに遅れてでも対応しようとする場面は多くなる。

でも、前線との守備の関係においてボールに行ったところで奪えないことの方が多くなった。そうなって生まれたのが、中盤にぽっかりと空いたスペース。ボランチがボールに引っ張り出されてもそこで奪えればいいけど、奪えないともともとボランチがいた場所が完全に空いてしまうことになる。
そして、本来ボランチがいるべき場所は相手の攻撃にとっては重要なバイタルエリアの場所。そこに致命的なスペースが空いてしまうことが多くなったと思う。

もちろん、サガンとしてはそのスペースを見逃すはずがない。むしろ、序盤のサイドに起点を作ったやり方もボランチをサイドに引っ張り出すことでバイタルを空ける意図もあったように思う。
とにかく、こういうヴェルディの守備のギャップに対してサガンは人数をベースとした攻撃でアプローチを仕掛けてきた。

そのベースとなる人数を確保するためには後ろからの飛び出しが欠かせない。SBは立ち上がりから積極的に上がってきてたけど、この時間になって前との関係に変化が生まれた。それまではサイドでの数的優位を作る意図が強かったけど、この時間になってSBが1つ前を中に押し込むことが多くなったように思う。
これが中盤の厚みを増やした要因の1つ。

2つめがボランチの攻撃参加。尹にしろ高橋にしろ、低い位置での組み立てはもちろん、自分が積極的に攻撃に出てくる動きも繰り返した。
さらに中盤の厚みにはトップの金も貢献した。金はトップの位置にこだわらずに、中盤に降りてくることでタッチ数を増やしてたと思う。これで中盤のときに数的優位を作り出すことに成功したと思う。

このサガンの数的優位については、ヴェルディの中盤の薄さも関係した相対的なもの。ヴェルディは前線のディエゴとフッキの2枚は自分の後ろに対する守備はしない。これはチームとして次の攻撃を考えてのものなんだろうからいいとしても、せめて相手のボランチへのプレッシャーはかけなければならなかったはず。
それだけ相手がリスクを背負って攻めてきたってことも言えるのかもしれないけど、そうだとすれば前の2人にもうちょっと柔軟性が必要だったんじゃないかと思う。結果、2得点は前に2人を残してたからこそ生まれたっていう部分を考慮したとしても。
とにかく、サガンは単純な中盤での数勝負においてヴェルディを上回ることに成功した。

さらに、こういう人の多さに流動性とシンプルなプレーをうまく組み合わせた印象。
1つめの流動性に関しては後ろからの飛び出し、金の中盤でのプレーにも見られる部分。こういう縦のポジションチェンジに加えて、横のポジションチェンジも豊富だった。そうやってポジションを積極的に動かしながらプレーすることで、ヴェルディとしてはそれぞれを捕まえにくい状況が生まれたと思う。

さらに、そういう相手のブロックの中では1タッチ、2タッチでのシンプルなプレーが目立ったと思う。これには人の多さをベースとした選手間の距離の近さに加えて、ボールに対する動きの豊富さも関係してた。そうやって1つのボールに対する選択肢を増やすことで、シンプルに次から次へと局面を変えるやり方が可能になったと思う。

こういうことを考えると、この試合のサガンの攻撃の意図は相手に守備の勝負どころを定めさせないことにあったんじゃないかと思う。立ち上がりのサイドに起点を作るやり方は相手の横の間延びを狙ったやり方で、守備における個々の分断を期待したと思う。

そして、中盤を制圧した時間帯でのシンプルに局面を変えるやり方。相手がボールに出てきたときにはすでに次の局面に展開することで、十分に距離を詰めることを許さなかった。結果としてヴェルディの守備の一番深いところまでへの侵入を果たすシーンも多くなったと思う。

ただ、問題は中盤での組み立てのよさをフィニッシュにつなげられなかったこと。圧倒的にボールを支配して、相手の最終ラインに仕掛ける段階まで行くことが多かった割に、シュートの数が少ない。
これは最後のブロックに対する仕掛けのバリエーションの少なさに問題があった気がする。
それにFWのゴールに向かう姿勢もあまり見られなかった。金は上にも書いたとおり中盤に降りてくることが多かったし、藤田はポストプレーでしか目立てなかった。そういうFWが蓋となって、ゴールへの仕掛けが滞ってしまった気がする。
状況としてはアジア杯の日本代表とかミランの現状に近い状況かも。攻撃のアプローチの工夫と、それによってもたらされる中盤の圧倒的な構成力を考えると、J2の中~下位に甘んじてるチームではないはず。

さらに攻撃面のよさに結果がついてこない理由には守備のまずさもあるような気がする。
もちろん1試合を見ただけでははっきりしたことは言えないけど。少なくとも今回のヴェルディ戦では攻撃後の守備に問題を感じさせた。

そもそも攻撃に人数をかけてるだけにその後の守備が薄くなってしまうのは、ある意味では仕方のない点だって言える。だからこそ、切り替えのところでの最初の守備とか相手の前に残った選手へのケアははっきりやらなければならない。
問題はそういう部分のケアがあいまいだったこと。
それでも切り替えのところでの守備のまずさはあまり問題にはならなかったと思う。自分達が多くの人数を前線にかけてるから、相手としてもリスクを負わずにクリアするシーンが目立った。だから、そのボールを拾って2次攻撃、3次攻撃へとつなげることができたんだと思う。

ただ、これはあくまでも敵陣深くまで攻め込んだとき。3失点目につながったように攻撃の途中で引っ掛けられたときの対応が問題になったと思う。こういう場所では前への勢いがついてるために、一気に切り替えて守備に入るのは難しい。だからこそ、相手の攻撃の起点のところへのケアは怠ってはいけないと思う。

それがこの試合ではラモスの後半への指示にもあったように、ディエゴを空けてしまうシーンが多くなった。これが3失点目につながってるし、他のシーンでもディエゴに通されてカウンターを食らうことが多くなった。そうなったときに、それにすぐに対応できるサガンの選手は最終ラインの選手だけ。上にも書いたとおり、リスクを負って攻撃に出てるから仕方のない部分ではあるけど、そのリスクを最小限にするための準備は必要だと思う。

サガンのサッカーは初めて見たけど、ここまで書いたとおり基本的な評価は高い。来シーズンも同じスタイルで行くとすれば、台風の目になる可能性もあると思う。

そして、このチームの中でも特にレオナルドはいい選手だと思った。具体的に何かの技術が優れてるっていうことは感じなかったけど、総合的な戦術理解度が高いレベルにあったと思う。
試合の流れとかその場の状況に応じて、自分の役割を柔軟に変化させていった。
立ち上がりの相手の前線でのプレッシャーが厳しい時間は、低い位置に降りていく動きを増やして1つのボールの入れどころの役割を担った。そして、そこからの次への展開。その後、自分達がペースを握るようになってからは相手の中盤の穴を見つけてうまく入り込む動きを繰り返したと思う。
そういう動きによってうまくボールを引き出すことに成功したし、その後のパスを出すかドリブルで仕掛けるかの判断もよかった。
さらに右サイド深くボールがあるときには(レオナルドは左サイド)、中に絞ってFWになった。それが得点にも結びついてる。
守備における危機察知能力も高くて、低い位置まで戻って相手のボールを奪うシーンも多かった。

最後にほとんど見ることができなかったヴェルディの攻撃について。
ほとんどしっかりと組み立てて攻撃する時間はなかったものの、それでもコンサドーレ戦よりも攻撃の内容のよくなった。それが一番見られたのがボールの近くでの関係性の構築。
コンサドーレ戦ではとにかく個々の分断が目立ってたけど、この試合では近い関係でのパス交換が増えた。そのベースとなる近い位置でのランニングの量も多くなったと思う。

それに攻撃に大野が出てくることが多くなってたのも好感。前4人の関係にボランチが飛び出してくることで、攻撃にバリエーションが増えるはずってのは前にも書いたとおり。自分達が試合を支配できるような状況なら、もっと増やして欲しい、

それに対して改善の余地があるのは、足元足元をつなぐ攻撃のやり方。立ち上がりからFKが多くなったけど、これは相手に狙いどころが定められてるから。ヴェルディのパス回しは止まってる選手の足元をつないでいくから、相手としては狙いやすいんだと思う。
それから相変わらずボランチを経由しない1発のボールも目立った。

結果は3-2でヴェルディ。ここまで書いてきたように、試合を圧倒的に支配してたのはサガンだった。それでもヴェルディが勝ったことは、ヴェルディの勝負強さをそのまま表してると思う
それが8連勝っていう結果にもあらわれてる。
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